JP2003238878A - 消しゴム消去性インキ組成物 - Google Patents

消しゴム消去性インキ組成物

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JP2003238878A JP2002045069A JP2002045069A JP2003238878A JP 2003238878 A JP2003238878 A JP 2003238878A JP 2002045069 A JP2002045069 A JP 2002045069A JP 2002045069 A JP2002045069 A JP 2002045069A JP 2003238878 A JP2003238878 A JP 2003238878A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筆記後に消しゴムによって筆記描線等を消去
することができる消去性インキ組成物を提供する。 【解決手段】 少なくとも結晶セルロースと顔料と水を
含有していることを特徴とする消しゴム消去性インキ組
成物。更に、最低造膜温度若しくはガラス転移温度が0
℃以下の樹脂を含有することが好ましい。また、前記結
晶セルロースの含有量は、インキ組成物全量に対して、
0.01〜10重量%であり、かつ、顔料の含有量は、
インキ組成物全量に対して、5〜30重量%であるもの
が好ましい。 【効果】 消去性と耐擦過性のバランスに優れたインキ
が得られ、且つ経時安定性にも優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筆記後に消しゴム
によって消去することができる消しゴム消去性インキ組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、消しゴムにより筆記描線を消
去することができる消しゴム消去性インキ組成物は、数
多くのものが知られているが、近年、特に水を主溶剤と
した消しゴム消去性インキ組成物の提案が多く開示され
ている。
【0003】例えば、特開平13−19888号公報に
は、粒子の粒子分布が2〜20μmの範囲に70重量%
以上含まれる顔料と、粘着性樹脂からなる粘着性着色樹
脂粒状体、或いは、粒子の粒子分布が2〜20μmの範
囲に70重量%以上含まれる着色樹脂粒子及び粘着樹脂
粒子を含有することを特徴とする消しゴム消去性水性イ
ンキ組成物が開示されている。
【0004】しかしながら、この公報に開示されるイン
キ組成物は、紙の繊維に入り込みにくくするため、大き
な顔料を使用し、且つ粒子表面の少なくとも一部が粘着
性を有しているため紙面上に形成された乾燥後の筆跡中
で前記顔料は紙面と点接着するものとなる。このため、
容易に消しゴムで筆跡を消すことはできるが、紙面と点
接着しているのみであるため、耐擦過性が悪い欠点を有
しており、消しゴム消去性と耐擦過性のバランスに優れ
たものは得られていない点に課題がある。また、前記イ
ンキ組成物は、通常の筆記具に使目する顔料に比べ大き
な顔料を使用しているため、経時保存で顔料が沈降分離
してしまい、最悪の場合には筆記不良を起こす可能性が
あるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、消
しゴム消去性と耐擦過性のバランスに優れると共に、経
時安定性に優れた消しゴム消去牲インキ組成物を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課越を解決する手段】本発明者らは、上記従来の課題
等について、鋭意研究を重ねた結果、消去性インキ組成
物において、特定のセルロースを含有せしめることによ
り、消しゴム消去性と耐擦過性のバランス及び経時安定
性が大幅に向上することを見い出し、本発明を完成する
に至ったのである。すなわち、本発明は、次の(1)〜(6)
に存する。 (1) 少なくとも結晶セルロースと、顔料と、水とを含有
していることを特徴とする消しゴム消去性インキ組成
物。 (2) 更に、最低造膜温度若しくはガラス転移温度が0℃
以下の樹脂を含んでなる上記(1)記載の消しゴム消去性
インキ組成物。 (3) 前記結晶セルロースの含有量は、インキ組成物全量
に対して、0.01〜10重量%であり、かつ、顔料の
含有量は、インキ組成物全量に対して、5〜30重量%
である上記(1)又は(2)記載の消しゴム消去性インキ組成
物。 (4) 前記顔料の平均粒子径が1〜10μmの範囲に含ま
れ、かつ100℃以下に軟化点をもたない上記(1)〜(3)
の何れか一つに記載の消しゴム消去性インキ組成物。 (5) インキ組成物中に非着色粒子を含んでなり、該非着
色粒子は、その造膜温度若しくはガラス転移温度が40
℃以上であり、かつ平均粒子径が0.05〜10μmの
範囲に含まれ、インキ組成物全量に対して1〜30重量
%である上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の消しゴム消
去性インキ組成物。 (6) インキ組成物中にゲル化剤を含んでなり、1rpm
の粘度が50〜1500mPa・s(EMD型粘度計/
25℃値)であり、かつ粘性指数n値が0.1〜0.8
の範囲にある上記(1)〜(5)の何れか一つに記載の消しゴ
ム消去性インキ組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。本発明の消しゴム消去性インキ組成物
は、第1発明として、少なくとも結晶セルロースと、顔
料と、水とを含有していることを特徴とするものであ
り、また、第2発明として、少なくとも結晶セルロース
と、顔料と、最低造膜温度若しくはガラス転移温度が0
℃以下の樹脂と、水とを含有していることを特徴とする
ものである。なお、以下において、「本発明」というと
きは、上記第1発明及び第2発明の両方を含むものであ
る。
【0008】本発明における結晶セルロースは、消しゴ
ム消去性と耐擦過性のバランス及び経時安定性を大幅に
向上させるために使用するものである。本発明に用いる
結晶セルロースは、セルロースを酸加水分解又はアルカ
リ酸化分解して得られる実質的に一定の重合度を有する
セルロース結晶子集合物であり、従来の増粘多糖類等の
水溶液と異なり、セルロース結晶体が水中で分散粒子と
なる特性を有するものである。本発明に用いる結晶セル
ロースとしては、例えば、一次粒子の微細なセルロース
結晶体の表面を水溶性高分子を用いてコーティング処理
したコロイダルグルードからなるものが挙げられ、具体
例としては、RC−591、RC−N81、RC−59
1NF、CL−611、ゼオラスクリーム〔以上、旭化
成(株)製〕などが挙げられる。
【0009】これらの結晶セルロースの含有量は、イン
キ組成物全量に対して、0.01〜10重量%、好まし
くは、0.1〜5重量%の範囲で使用される。この結晶
セルロースの含有量が0.01重量%未満であると、経
時的に沈降離水が発生し、安定性が悪くなり、更に、固
着性がほとんどないため描線膜は指で擦っても消えてし
まい実用的ではない。一方、この結晶セルロースの含有
量が10重量%を越えると、消しゴムで消去しようとし
ても、描線膜が固くきれいに消しゴムで消去できなくな
ってしまい、目的の消しゴム消去性と耐擦過件のバラン
スに優れたものは得られないこととなり、好ましくな
い。
【0010】本発明の結晶セルロースの特性を十分に発
揮させるためには、より剪断力のかかる分散機器を使用
するか、若しくは分散タイプの結晶セルロースを用いる
ことが好ましい。分散機としては、例えば、ホモミキサ
ー、ワーリングブレンダー、ホモジナイザー等が挙げら
れるが、分散工程により生成するコロイド粒子の割合が
多くなり安定な分散液が得られることとなる。また、分
散された結晶セルロースは、水中で網目構造を形成する
ため、色材である顔料をそのマトリックス中に捉えて顔
料の沈降を抑える効果を十分に発揮できるものとなる。
【0011】本発明に用いる顔料としては、紙面への浸
透を抑えるために通常筆記具インキにおいて使用されて
いる一般的な顔料より大きな顔料が使用される。また、
その顔料の形状は、板状、球状、鱗片状など特に限定さ
れず、使用できる。用いることができる顔料としては、
例えば、エポカラー、ラジアントカラーなどの蛍光顔
料、ラブコロールカラー、アートパールカラーなどの有
機顔料などが挙げられる。
【0012】顔料の平均粒子径は、1〜10μm、好ま
しくは、2〜10μmとなるものが望ましい。この顔料
の平均粒子径が1μm未満では、紙の繊維へ入り込んで
しまうため目的の消去性は満足できないものとなり、ま
た、顔料の平均粒径が10μmを越えるものでは、紙の
繊維へ入り込む量は少なく消去性は満足されるが、繊維
芯、プラスチックペン、フェルトペン、ボールペンチッ
プ等のペン先で詰まりが発生、筆記不良を起こしてしま
う恐れがあり、好ましくない。また、本発明に用いる顔
料としては、高温保存においても粒子同士の融着防止の
点から、好ましくは100℃以下に軟化点をもたないこ
とが望ましい。
【0013】これらの顔料の含有量の含有量は、インキ
組成物全量に対して、0.5〜30重量%、好ましく
は、5〜30重量%、更に好ましくは5〜20重量%の
範囲で使用される。この顔料の含有量が0.5重量%未
満であると、筆跡の濃度が不足してインキとしての実用
性に欠け、また、顔料の含有量が30重量%を越える
と、分散安定性が低下すると共に、筆記後の消去性が低
下することとなり、好ましくない。
【0014】本発明では、目止め効果、経時保存性アッ
プの点から、インキ組成物中に非着色粒子を含有させる
ことが望ましい。用いる非着色粒子は、その造膜温度若
しくはガラス転移温度が40℃以上であり、かつ平均粒
子径が0.05〜10μmの範囲に含まれ、その含有量
はインキ組成物全量に対して1〜30重量%であること
が好ましく、更に好ましくは、平均粒子径が1〜10μ
mであり、その含有量はインキ組成物全量に対して、5
〜15重量%であることが望ましい。
【0015】この非着色粒子の平均粒子径が10μmを
超えるものを使用した場合は、顔料と同様に繊維芯、プ
ラスチックペン、フェルトペン、ボールペンチップ等の
ペン先で詰まりが発生し筆記不良を起こしてしまう恐れ
があり、更に、保存時には、非着色粒子の平均粒子径が
大きく結晶セルロースの沈降抑制効果が得られにくくな
る。また、平均粒子径が0.05μm未満であると、目
止め効果が得られにくくなる。また、40℃未満の造膜
温度若しくはガラス転移温度を有する非着色粒子を使用
した場合には、経時保存で粒子同志が融着してしまい、
安定性を悪くしてしまうこととなる。この非着色粒子の
含有量が1重量%未満であると、非着色粒子の含有効果
が得られず、また、30重量%を越えると、インキの自
由度がなくなり、インキ粘度が上がりすぎて実用的でな
い。
【0016】具体的に用いることができる本発明におけ
る非着色粒子としては、次に示すものから選択して、単
独又は二種類以上を混合して用いることができる。例え
ば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブ
チルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソ
ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、セ
チルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、2
−アクリロイルオキシエチル2−ヒドロキシプロピルフ
タレート、2−アクリロイルオキシエチルハイドロゲン
フタレート、2−アクリロイルオキンプロピルハイドロ
ゲンフタレート、2一アクリロイルオキシプロピルヘキ
サヒドロハイドロゲンフタレート、トリフルオロエチル
メタクリレート、テトロフルオロプロピルメタクリレー
ト、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート、オクタフ
ルオロペンチルメタクリレート、グリシジルメタクリレ
ート、シクロへキシルメタクリレート、フェニルメタク
リレート、2−フタロイルオキシエチルメタクリレー
ト、2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチルメタクリ
レート、2−サクシノロイルオキシエチルメタクリレー
ト、スチレンなどを挙げることができる。
【0017】また、二成分系としても用いられるアクリ
ル/スチレンの共重合物などを挙げることができ、更
に、架橋ポリスチレンなどの架橋タイプなども用いるこ
とができる。更にまた、本発明の非着色粒子は、有機系
に限らず無機系のものを使用しても良い。具体的な無機
系の非着色粒子としては、酸化チタン、炭酸カルシウム
等を挙げることができる。
【0018】本発明に用いる非着色粒子を更に詳しく説
明すると、造膜温度若しくはガラス転移温度が高い粒
子、具体的には、60〜120℃であるものが更に好ま
しく、この特性を有するものとしては、例えば、メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、イソボルニル
メタクリレート、架橋スチレンなどを挙げることができ
る。
【0019】本発明で用いる水としては、例えば、精製
水、イオン交換水、純水、海洋深層水、水道水などが挙
げられ、その含有量は残部、5〜65重量%程度とな
る。この水の量は、使用するペンの機構や所望する描線
濃度を考慮した配合組成にすることが望ましい。
【0020】本第1発明では、少なくとも結晶セルロー
スと、顔料と、水とを含有することにより、目的の本発
明の効果を達成することができるものであるが、本発明
の第2発明として、上記構成の第1発明に、更に、最低
造膜温度若しくはガラス転移温度が0℃以下、好ましく
は、−20℃以下の樹脂を含有せしめることにより、更
に、満足する消しゴム消去性を発揮せしめることができ
るものとなる。本第2発明に用いる樹脂は、最低造膜温
度若しくはガラス転移温度が0℃以下であることが必要
である。この樹脂が0℃を超える造膜温度、若しくは0
℃を超えるガラス転移温度を有するものを使用した場合
は、樹脂が硬く、脆いため消しゴムで消去した際に紙の
繊維間に入り込んだ顔料を引っ張り出すことができなく
なり、目的の消去性を満足することができないこととな
る。
【0021】具体的に用いることができる樹脂として
は、次に示すものから選択して、単独又は二種類以上を
混合して用いることができる。例えば、天然ゴム、スチ
レンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニト
リルとブタジエンとの共重合物のニトリルゴム、イソブ
チレンとイソプレンとの共重合物であるブチルゴム、シ
ス−1,4−ポリイソプレン、アクリル酸の各種のエス
テルのゴム状重合体(アクリルゴム)、多硫化系ゴム、
エチレン・プロピレンゴム、ウレタンゴムなどのゴム状
物質、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロ
ニトリル・ブタジエン・スチレン三元共重合体、アクリ
ロニトリル・塩化ビニリデン共重合体などのビニル塩化
物重合体、酢酸ビニル重合体、酢酸ビニル−エチレン−
塩化ビニル重合体、酢酸ビニルマレート重合体などの酢
酸ビニル重合体、ポリブテン、ポリエチレンなどのポリ
オレフィンなどを挙げることができる。
【0022】本第2発明に使用する上記物性の樹脂を更
に詳しく説明すると、上記した重合体のラテックスエマ
ルジョンの状態で水と共に用いることのできる樹脂が好
ましい。例えば、スチレンブタジエンラテックス(SB
R)、アクリロニトリルブタジエンラテックス(NB
R)、ビニルピリジン共重合体ラテックス(VP)、メ
チルメタクリレートブタジエンラテックス(MBR、A
BR)、アクリレートラテックス(AR)、クロロプレ
ンラテックス(CR)、イソプレンラテックス(I
R)、ブチルラテックス(IIR)、チオコールラテッ
クス、ウレタンラテックス、天然ゴムラテックス(N
R)などを挙げることができる。
【0023】本第2発明における上記の最低造膜温度若
しくはガラス転移温度が0℃以下となる樹脂の含有量
は、インキ組成物全量に対して、1〜50重量%、好ま
しくは、2〜15重量%の範囲で使用される。この樹脂
の含有量が1重量%未満であると、更なる消去性向上の
効果を発揮することができず、また、50重量%を越え
ると、インキ粘度が上がり過ぎて実用的でないものとな
る。
【0024】更に、本発明では、経時保存での顔料沈降
緩和の点から、インキ組成物中にゲル化剤を含有せし
め、1rpmの粘度を50〜1500mPa・s(EM
D型粘度計/25℃値)とし、かつ粘性指数n値を0.
1〜0.8の範囲とすることが望ましい。なお、本発明
(後述する実施例等も含む)で規定する「粘性指数n
値」は、擬塑性を表す指標をいい、ニュートン・オスト
ワルドの粘度式におけるずり速度と見かけ粘度の関係か
ら算出した値である。用いることができるゲル化剤とし
ては、多糖類に限定されるものではなく、更にアルカリ
増粘タイプ、架橋タイプ、無機系のゲル化剤も使用する
ことができる。多糖類としては、例えば、キサンタンガ
ム、レオザンガム等のガム系が挙げられ、無機系として
は、スメクタイト等を挙げることができる。これらのゲ
ル化剤の使用量は、インキ組成物の1rpmの粘度を5
0〜1500mPa・s(EMD型粘度計/25℃値)
とし、かつ粘性指数n値を0.1〜0.8の範囲となる
量が挙げられ、一概に規定できないが、インキ組成物全
量に対して、0.01〜10重量%程度である。いずれ
にしても、使用するペンの機構を考慮したゲル化剤の使
用にすることが望ましい。
【0025】本発明の消しゴム消去性インキ組成物に
は、前記成分に加え、本発明の効果を損なわない範囲内
で、通常筆記具インキに使用される他の添加剤、例え
ば、界面活性剤、潤滑剤、防菌剤、防錆剤、有機溶剤と
して、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グ
リセリン、プロピレングリコールなどを必要に応じて添
加することができる。本発明の消しゴム消去性インキ組
成物は、繊維芯又はプラスチック芯を有するマーキング
ペン、フェルトペン、ボールペン、加圧ボールペン、ノ
ック式ボールペンなどの筆記具用、インクジェット用の
インキに好適に用いることができる。
【0026】このように構成される本発明のインキ組成
物が消しゴム消去性と耐擦過性のバランスに優れている
理由は、結晶セルロースによりバインダー能をコントロ
ールできることによる。すなわち、結晶セルロースが顔
料同士の橋かけの役割をすることで描線膜を強固にでき
ることによる。更に、結晶セルロースが水中で網目構造
を形成することにより、顔料の沈降を抑制できるため経
時安定性が大幅に向上するものとなる。また、本発明の
第2発明では、更に、最低造膜温度若しくはガラス転移
温度が0℃以下の樹脂を含有することにより、第1発明
のインキ組成物より、更に、消しゴム消去性と耐擦過性
のバランスに優れると共に、更に経時安定性にも優れた
消しゴム消去牲インキ組成物となる。
【0027】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を更に
詳述するが、本発明は下記実施例に限定されるものでは
ない。
【0028】〔実施例1〕下記配合成分を下記方法によ
り製造して消去性インキ組成物を得た。 顔料:ラジアントカラー桃〔ラジアント社製〕 15重量部 〔平均粒子径2μm、軟化点100℃以上〕 非着色粒子:アクリル/スチレン系粒子〔総研化学(株)製〕 10重量部 〔MP−1600、ガラス転移温度105℃、平均粒子径0.8μm〕 結晶セルロース〔旭化成(株)製〕 1重量部 〔RC−591、ホモミキサー、10000rpm 10分〕 ポリオキシエチルオレイルエーテル 2.5重量部 〔花王(株)製 エマルゲン420〕 ゲル化剤:キサンタンガム 0.15重量部 〔三晶(株)製、エコーガムGM〕 イオン交換水 71.35重量部 上記配合成分のうち、まずラジアントカラー桃、アクリ
ル/スチレン系粒子にノニオン系界面活性剤〔ポリオキ
シエチルノニルフェニルエーテル〕、イオン交換水を加
えて混合撹拌した後、超音波分散機にて分散させ、均一
な分散液とし、これにホモミキサーで分散させた結晶セ
ルロースを添加し混合撹拌した。更に、この溶液にキサ
ンタンガムを精製水に溶解させたゲルベースを所定量添
加し混合撹拌して製造した。
【0029】〔実施例2〕下記配合成分を上記実施例1
と同様製造にして消去性インキ組成物を得た。 顔料:アートパールC−800〔根上工業(株)社製〕 15重量部 〔平均粒子径6μm、軟化点100℃以上〕 非着色粒子:アクリル/スチレン系粒子〔総研化学(株)製〕 5重量部 〔MR−10G、ガラス転移温度120℃、平均粒子径9.0μm〕 結晶セルロース〔旭化成(株)製〕 15重量部 〔ゼオラスクリーム、分散体10%品〕 リン酸エステル 1.5重量部 〔日光ケミカルズ(株)製 DOP−8N〕 ゲル化剤:キサンタンガム 0.15重量部 〔三晶(株)製、エコーガムGM〕 イオン交換水 63.35重量部
【0030】〔実施例3〕下記配合成分を下記方法によ
り製造して消去性インキ組成物を得た。 顔料:エポカラー桃〔日本触媒(株)製〕 15重量部 〔平均粒子径2μm、軟化点100℃以上〕 非着色粒子:アクリル/スチレン系粒子〔総研化学(株)製〕 10重量部 〔MP−5500、ガラス転移温度105℃、平均粒子径0.4μm〕 結晶セルロース〔旭化成(株)製〕 1重量部 〔RC−591、ホモミキサー 10000rpm 10分〕 ポリオキシエチルノニルフェニルエーテル 2.5重量部 〔日光ケミカルズ(株)製 NP−10〕 樹脂:アクリロ二トリルブタジエン系ラテックス 15重量部 〔日本ゼオン(株)製、Nipo l540、ガラス転移温度−42℃〕 ゲル化剤:キサンタンガム 0.15重量部 〔三晶(株)製、エコーガムGM〕 イオン交換水 56.35重量部 上記配合成分のうち、まずエポカラー桃、アクリル/ス
チレン系粒子にノニオン系界面活性剤〔ポリオキシエチ
ルノニルフェニルエーテル〕、イオン交換水を加えて混
合撹拌した後、超音波分散機にて分散させ、均一な分散
液とし、これにホモミキサーで分散させた結晶セルロー
スを添加し混合撹拌した。更に、この溶液にアクリロ二
トリルブタジエン系ラテックスを加えた後、キサンタン
ガムを精製水に溶解させたゲルベースを所定量添加し混
合撹拌して製造した。
【0031】〔実施例4〕下記配合成分を上記実施例3
と同様に製造して消去性インキ組成物を得た。 顔料:アートパールC−800〔根上工業(株)製〕 15重量部 〔平均粒子径6μm、軟化点100℃以上〕 非着色粒子:アクリル/スチレン系粒子〔総研化学(株)製〕 5重量部 〔MP−2200、ガラス転移温度105℃、平均粒子径0.35μm〕 結晶セルロース〔旭化成(株)製〕 15重量部 〔ゼオラスクリーム 分散体10%品〕 リン酸エステル 1.5重量部 〔日光ケミカルズ(株)製 DOP−8N〕 樹脂:スチレンブタジエン系ラテックス 15重量部 〔日本ゼオン(株)製、Nipol 472、ガラス転移温度−25℃〕 ゲル化剤:キサンタンガム 0.15重量部 〔三晶(株)製、エコーガムGM〕 イオン交換水 48.35重量部
【0032】〔実施例5〕下記配合成分を上記実施例3
と同様に製造して消去性インキ組成物を得た。 顔料:ラブコロールカラー3Mタイプ〔大日精化(株)製〕 20重量部 〔平均粒子径3μm、軟化点100℃以上〕 非着色粒子:アクリル/スチレン系粒子〔総研化学(株)製〕 8重量部 〔MP−2200、ガラス転移温度105℃、平均粒子径0.35μm〕 結晶セルロース〔旭化成(株)製〕 20重量部 〔ゼオラスクリーム 分散体10%品〕 樹脂:スチレンブタジエン系ラテックス 20重量部 〔日本ゼオン(株)製、Nipol C4850A、ガラス転移温度−48℃〕 ゲル化剤:キサンタンガム 0.2重量部 〔三晶(株)製、エコーガムGM〕 イオン交換水 31.8重量部
【0033】〔比較例1〕下記配合成分を上記実施例1
と同様製造にして消去性インキ組成物を得た。 顔料:ラジアントカラー桃〔ラジアント社製〕 15重量部 〔平均粒子径2μm、軟化点100℃以上〕 非着色粒子:アクリル/スチレン系粒子〔総研化学(株)製〕 10重量部 〔MP−1600、ガラス転移温度105℃、平均粒子径0.8μm〕 リン酸エステル 2.5重量部 〔日光ケミカルズ(株)製 DOP−8N〕 ゲル化剤:キサンタンガム 0.15重量部 〔三晶(株)製、エコーガムGM〕 イオン交換水 72.35重量部
【0034】〔比較例2〕下記配合成分を上記実施例3
と同様製造にして消去性インキ組成物を得た。 顔料:エポカラー桃〔日本触媒(株)製〕 15重量部 〔平均粒子径2μm、軟化点100℃以上〕 非着色粒子:アクリル/スチレン系粒子〔総研化学(株)製〕 10重量部 〔MP−5500、ガラス転移温度105℃、平均粒子径0.4μm〕 ポリオキシエチルオレイルエーテル 2.5重量部 〔花王(株)製 エマルゲン420〕 樹脂:アクリロ二トリルブタジエン系ラテックス 15重量部 〔日本ゼオン(株)製、Nipol 540、ガラス転移温度−42℃〕 ゲル化剤:キサンタンガム 0.15重量部 〔三晶(株)製、エコーガムGM〕 イオン交換水 57.35重量部
【0035】上記実施例1〜5及び比較例1〜2で得ら
れた消去性インキ組成物について、EMD型粘度計(東
京計器社製)を用いて、25℃における1rpmの粘度
を測定し、また、粘性指数n値は上述により算出した。
また、得られた各消去性インキ組成物について、ボール
ペンに充填し、下記方法により消去性、耐擦過性、経時
安定性について評価した。これらの結果を書き表1に示
す。
【0036】〔消去性の評価方法〕得られたペンを用い
て紙に文字、描線等を筆記し、5分間放置後、消しゴム
を用いて100g荷重条件下で消去し、筆記した描線、
文字等などの消去性を下記評価基準で評価した。 評価基準: ◎:消去前の描線、文字等の識別ができず、消去性に非
常に優れる。 ○:消去前の描線、文字等の識別が大部分できず、消去
性に優れる。 △:消去前の描線、文字等が非常に薄く残り、識別が可
能。 ×:消去前の描線、文字等が薄く残り、識別が可能。
【0037】〔耐擦過性の評価方法〕得られたペンを用
いて紙に文字、描線等を筆記し、5分間放置後、指で軽
く擦って、下記評価基準により擦過性を評価した。 評価基準: ◎:文字等がちらばらず、文字等の識別が可能。 ○:文字等が多少ちらばるが、文字等の識別が可能。 △:文字等の識別が大部分できず、文字等が指でも消え
てしまう。 ×:文字等の識別ができず、文字等が完全に消えてしま
う。
【0038】〔経時安定性の評価方法〕インクバルクを
50℃の恒温槽に保管して2週間放置後、静かにインク
バルクを取り出して、下記評価基準により経時安定性を
評価した。 評価基準: ◎:沈降分離が見られず、初期と変化が見られない。 ○:若干沈降分離が見られるが、初期とほとんど変化が
見られない。 △:沈降分離により上澄が確認されるが、嵩高い沈降と
なっている。 ×:沈降分離により完全に上澄が確認でき、完全に沈降
している。
【0039】
【表1】
【0040】上記表1の結果から明らかなように、本発
明の範囲となる実施例1〜5で得られた消去性インキ組
成物は、紙上に筆記した描線等を確実に消しゴムによっ
て消去することができ、耐擦過性、経時安定性にも優れ
ていることが判明した。これに対して、本発明の範囲外
となる比較例1及び2で得られたインキ組成物は、紙上
に筆記した描線等を消しゴムによって擦ったところ、良
好な消去性を示したが、指で擦っても消えてしまい、更
に、経時で沈降離液が発生してしまうことが判った。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、消しゴム消去性と耐擦
過性のバランスに優れたインキが得られ、かつ経時安定
性も大幅に向上させることができる消しゴム消去性イン
キ組成物が提供される。
フロントページの続き (72)発明者 岩佐 敦 群馬県藤岡市立石1091番地 三菱鉛筆株式 会社群馬研究開発センター内 (72)発明者 神谷 俊史 群馬県藤岡市立石1091番地 三菱鉛筆株式 会社群馬研究開発センター内 Fターム(参考) 4J039 AB02 AB11 AD03 AD04 AD08 AD10 AD11 AD15 AE04 BE01 BE23 CA06 EA48

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結晶セルロースと、顔料と、
    水とを含有していることを特徴とする消しゴム消去性イ
    ンキ組成物。
  2. 【請求項2】 更に、最低造膜温度若しくはガラス転移
    温度が0℃以下の樹脂を含んでなる請求項1記載の消し
    ゴム消去性インキ組成物。
  3. 【請求項3】 前記結晶セルロースの含有量は、インキ
    組成物全量に対して、0.01〜10重量%であり、か
    つ、顔料の含有量は、インキ組成物全量に対して、5〜
    30重量%である請求項1又は2記載の消しゴム消去性
    インキ組成物。
  4. 【請求項4】 前記顔料の平均粒子径が1〜10μmの
    範囲に含まれ、かつ100℃以下に軟化点をもたない請
    求項1〜3の何れか一つに記載の消しゴム消去性インキ
    組成物。
  5. 【請求項5】 インキ組成物中に非着色粒子を含んでな
    り、該非着色粒子は、その造膜温度若しくはガラス転移
    温度が40℃以上であり、かつ平均粒子径が0.05〜
    10μmの範囲に含まれ、インキ組成物全量に対して1
    〜30重量%である請求項1〜4の何れか一つに記載の
    消しゴム消去性インキ組成物。
  6. 【請求項6】 インキ組成物中にゲル化剤を含んでな
    り、1rpmの粘度が50〜1500mPa・s(EM
    D型粘度計/25℃値)であり、かつ粘性指数n値が
    0.1〜0.8の範囲にある請求項1〜5の何れか一つ
    に記載の消しゴム消去性インキ組成物。
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