JP2003231855A - ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン - Google Patents

ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン

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JP2003231855A
JP2003231855A JP2002034193A JP2002034193A JP2003231855A JP 2003231855 A JP2003231855 A JP 2003231855A JP 2002034193 A JP2002034193 A JP 2002034193A JP 2002034193 A JP2002034193 A JP 2002034193A JP 2003231855 A JP2003231855 A JP 2003231855A
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ink composition
eraser
surfactant
weight
water
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JP2002034193A
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English (en)
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Tsutomu Kito
勤 鬼頭
Hiroyuki Hayashi
宏幸 林
Nobuyuki Kitaoka
伸之 北岡
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Original Assignee
Pilot Ink Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の界面活性剤を含有することにより、イ
ンキ組成物に剪断減粘性を付与して着色樹脂粒状体又は
金属光沢顔料の分散安定性を高めることができると共
に、筆跡の消しゴム消去性と耐軽擦過性も付与でき、簡
素な配合組成によって、紙に筆記して得られる筆跡が消
しゴムで容易に消去でき、且つ、前記筆跡は通常の指や
紙同士の擦過程度では消去されない筆跡保持性を満足さ
せるボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物を提
供する。 【解決手段】 粒子分布が2μm〜10μmの範囲に8
0重量%以上含まれる着色樹脂粒状体又は金属光沢顔料
と、水と、融点が30℃以上であり、且つ、HLB値が
5〜12の範囲にある界面活性剤を含むボールペン用消
しゴム消去性水性インキ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボールペン用消しゴ
ム消去性水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペ
ンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特定粒子径及び粒子分布を有する
着色樹脂粒状体と、粘着性樹脂粒状体と、剪断減粘性付
与剤を含む、紙面上に形成された筆跡が消しゴムで容易
に消去でき、且つ、前記筆跡は通常の指や紙同士の擦過
(耐軽擦過)程度では消去されない筆跡保持性を有する
ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物が開示さ
れている(特開2001−19888号公報)。前記ボ
ールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物は、剪断減
粘性付与剤の添加により、比較的粒子径の大きい着色樹
脂粒状体と粘着性樹脂粒状体の分散安定性を高めて沈
降、分離を抑制し、且つ、得られる筆跡は紙面上に位置
するため、初期及び経時後も消しゴムによる筆跡消去性
に優れ、しかも、指等の擦過では容易に筆跡が剥離しな
い耐軽擦過性を満たすものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インキの安
定性、及び、筆跡の消しゴム消去性と耐軽擦過性を損な
うことなく、簡素な配合組成のボールペン用消しゴム消
去性水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペンを
提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
ボールペンに適用される消しゴム消去性水性インキの配
合組成について鋭意検討した結果、特定の界面活性剤を
添加することによって、剪断減粘性と着色樹脂粒状体の
紙面への接着性を共に満たし、配合組成が簡素なボール
ペン用消しゴム消去性水性インキ組成物を見出して本発
明を完成させた。即ち、本発明は、樹脂粒状体分布が2
μm〜10μmの範囲に80重量%以上含まれる着色樹
脂粒状体又は金属光沢顔料と、水と、融点が30℃以上
であり、且つ、HLB値が5〜12の範囲にある界面活
性剤を含んでなるボールペン用消しゴム消去性水性イン
キ組成物を要件とする。更には、前記界面活性剤をイン
キ組成物中0.5〜20重量%含んでなること、前記着
色樹脂粒状体を5〜30重量%、界面活性剤を0.5〜
20重量%含んでなり、且つ、着色樹脂粒状体と界面活
性剤の重量比率が100:10〜100であること、前
記金属光沢顔料を2〜15重量%、界面活性剤を0.5
〜20重量%含んでなり、且つ、金属光沢顔料と界面活
性剤の重量比率が100:10〜100であること、前
記界面活性剤は、紙面上に形成された乾燥後の筆跡中で
粒状体を形成してなり、粒子相互間及び粒子と紙面との
間で点接着状態で存在してなること、インキ組成物の1
00rpmでの粘度が25〜160mPa・s(EMD
型粘度計25℃の値)であり、且つ、剪断減粘指数が
0.1〜0.7を示すこと等を要件とする。更には、前
記ボールペン用消しゴム消去性水性インキ組成物を内蔵
してなるボールペンを要件とする。
【0005】前記着色樹脂粒状体は目視可能な筆跡を与
えるための着色された粒状体であり、且つ、紙への浸透
を防ぐためにその粒子分布が2μm〜10μmの範囲に
80重量%以上含まれる。前記着色樹脂粒状体は、樹脂
粒子中に顔料が均質に分散された着色樹脂粒状体、樹脂
粒子の表面が顔料で被覆されている着色樹脂粒状体が挙
げられる。
【0006】前記着色樹脂粒状体を構成する樹脂類とし
ては、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リエステル樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリ
塩化ビニル、ポリアミド、ウレタン樹脂、ポリメチルメ
タクリレート、ポリオール樹脂、アクリル−ウレタン共
重合体、フェノール樹脂、ポリエチレン、ポリアクリロ
ニトリル、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体等の熱可塑性樹脂、エポキ
シ系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、キシレン系樹
脂、トルエン系樹脂、グアナミン系樹脂、メラミン系樹
脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、アルキッド系
樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、ポリアミドエステ
ル系樹脂、尿素系樹脂、シリコーン系樹脂、不飽和ポリ
エステル系樹脂等の熱硬化性樹脂を例示できる。
【0007】前記樹脂を着色する顔料としては、アゾ
系、アンスラキノン系、縮合ポリアゾ系、チオインジゴ
系、金属錯塩系、フタロシアニン系、ペリノン系、ペリ
レン系、ジオキサジン系及びキナクリドン系の有機顔
料、カーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄
鉛、酸化チタン、酸化鉄等の無機顔料が挙げられる。こ
れらの顔料は適宜必要に応じて1種類又は2種類以上を
混合して用いることができる。更には、特殊な顔料とし
て蛍光顔料、金属粉顔料、パール顔料、蓄光顔料、可逆
性熱変色顔料、導電性顔料等を用いることもできる。な
お、前記顔料類は、該モノマー等の溶液への分散性を向
上する目的で、従来より公知の方法により表面処理され
たものであってもよい。
【0008】また、着色樹脂粒状体が熱可塑性着色樹脂
粒状体である場合、得られる筆跡をアイロン等の加熱器
具やコピー機等の熱ローラーで加熱すると消しゴムや指
の擦過では消去されない永久定着性を付与することもで
きる。更に、前記着色樹脂粒状体自体にも粘着性を付与
して紙面に対する筆跡の接着性を付与することもでき
る。
【0009】更に、前記着色樹脂粒状体として、熱硬化
性樹脂を蛍光性塩基染料等の染料により着色させた着色
樹脂粒状体を用いることもできる。前記熱硬化性樹脂
は、熱可塑性樹脂と比較して耐溶剤性、耐熱性に優れる
と共に、含有される染料の耐移行性に優れている。前記
樹脂を着色する染料としては、酸性染料、塩基性染料
(蛍光性塩基染料)、直接染料、油溶性染料が挙げられ
る。前記染料のうち、塩基性染料は、酸性染料や直接染
料と比較して、熱硬化性樹脂と結合し易く、インキ組成
物中で染料の溶出を生じ難いため、特に好適に用いられ
る。
【0010】更に、本発明のボールペン用消しゴム消去
性水性インキ組成物に用いられる着色剤として、粒子分
布が2μm〜10μmの範囲に80重量%以上含まれる
金属光沢顔料が挙げられる。前記金属光沢顔料として
は、アルミニウムや真鍮等の金属光沢顔料、芯物質とし
て天然雲母、合成雲母、ガラス片、アルミナ、透明性フ
ィルム片の表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆した
金属光沢顔料(パール顔料)、透明又は着色透明フィル
ムに金属蒸着膜を形成した金属光沢顔料、透明性樹脂層
を複数積層した虹彩性フィルムを細かく裁断した虹彩性
を有する金属光沢顔料を例示できる。更に、アルミニウ
ムや真鍮等の金属光沢顔料を用いる場合、前記金属光沢
顔料の表面を透明性樹脂や着色透明性樹脂で被覆した顔
料が好適に用いられる。前記樹脂で被覆した金属光沢顔
料を用いることにより、インキ組成物中での安定性に優
れる。前記透明性樹脂で被覆した金属光沢顔料として、
具体的には、偏平状金属粉の両面を透明又は着色透明性
の樹脂フィルムで被覆したものを例示できる。
【0011】本発明に用いられる界面活性剤は、融点が
30℃以上、好ましくは50℃以上であり、且つ、HL
B値が5〜12の範囲にあれば特に限定されるものでは
ない。前記界面活性剤の添加により、剪断減粘性と、着
色樹脂粒状体又は金属光沢顔料の紙面上での接着性を共
に付与できる。融点が30℃以上の界面活性剤は、ビヒ
クル中で粒子状態を維持して存在し、、筆記により紙面
上に形成された筆跡においても粒子状態を維持するた
め、着色樹脂粒状体或いは金属光沢顔料間と点接着状態
を形成すると共に、紙面と活性剤粒子間で点接着状態を
形成するため、筆跡の消しゴムによる消去性、及び、指
等の擦過による耐軽擦過性を満足させる。融点が30℃
未満では耐軽擦過性を十分に満足させることができず、
指等の擦過により筆跡が空白部分に移行して紙面を汚し
易くなる。HLB値が5〜12の範囲にあることによ
り、水性媒体中に一定量以上添加して剪断減粘性を付与
することができる。HLB値が5未満では水性媒体に殆
ど溶解せず分離するため、実用性に乏しい。また、HL
B値が12を越えると水性媒体への溶解性が高いため剪
断減粘性を付与し難く、しかも、活性剤が均一に溶解す
るため消しゴム消去性を低下させることもある。前記界
面活性剤として具体的には、モノステアリン酸ポリオキ
シエチレン(5)グリセリル(HLB:9.5、融点3
5〜45℃)等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸
エステル類、モノステアリン酸ジグリセリル(HLB:
5.0、融点50〜60℃)、モノステアリン酸テトラ
グリセリル(HLB:6.0、融点50〜60℃)、モ
ノステアリン酸ヘキサグリセリル(HLB:9.0、融
点50〜60℃)、モノステアリン酸デカグリセリル
(HLB:12.5、融点50〜60℃)、ジステアリ
ン酸デカグリセリル(HLB:9.5、融点50〜60
℃)、トリステアリン酸デカグリセリル(HLB:7.
5、融点50〜60℃)、モノベヘン酸デカグリセリル
(HLB:10、融点68〜69℃)等のポリグリセリ
ン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸ポリオキシエチ
レン(6)ソルビタン(HLB:9.6、融点35〜4
5℃)、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(20)
ソルビタン(HLB:10.5、融点35〜45℃)等
のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、モ
ノステアリン酸ポリエチレングリコール(4)(HL
B:6.5、融点35〜45℃)、モノステアリン酸ポ
リエチレングリコール(10)(HLB:11.0、融
点35〜45℃)、ジステアリン酸ポリエチレングリコ
ール(HLB:8.5、融点35〜45℃)等のポリエ
チレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレ
ン(2)ステアリルエーテル(HLB:8.0、融点3
5〜45)、ポリオキシエチレン(4)ステアリルエー
テル(HLB:9.0、融点35〜45)、ポリオキシ
エチレン(5)ベヘニルエーテル(HLB:7.0、融
点50〜60)、ポリオキシエチレン(10)ベヘニル
エーテル(HLB:10.0、融点50〜60)等のポ
リオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチ
レン(5)ステアリルアミン(HLB:10.0、融点
50〜60)等のポリオキシエチレンルキルアミン、ポ
リオキシエチレン(4)ステアリン酸アミド(HLB:
9.5、融点60〜70)等のポリオキシエチレン脂肪
酸アミド類、ショ糖ステアリン酸エステル(HLB:
7.0、融点50〜60)等のショ糖と脂肪酸エステル
類を例示できる。なお、化合物中の括弧内の数字はオキ
シエチレンの付加モル数を示す。
【0012】次にインキ組成中における、着色樹脂粒状
体又は金属光沢顔料と界面活性剤の配合重量及びこれら
の重量比率について説明する。インキ組成物中のそれぞ
れの配合量は、着色樹脂粒状体が5〜30重量%、界面
活性剤が0.5〜20重量%であり、且つ、着色樹脂粒
状体と界面活性剤の重量比率が着色樹脂粒状体100に
対して界面活性剤10〜100、好ましくは20〜60
である。着色樹脂粒状体又は金属光沢顔料が5重量%未
満では良好な色濃度が得られず、30重量%を越えると
インキ組成物中での固形分比率が高くなり、円滑なイン
キの吐出を妨げ易くなる。界面活性剤が0.5重量%未
満では良好な耐軽擦過性が得られず、20重量%を越え
ると良好な消しゴム消去性が得られ難くなることがあ
る。又、着色樹脂粒状体との配合比率が、着色樹脂粒状
体100に対して界面活性剤が10未満では、良好な耐
軽擦過性が得られず、100を越えると良好な消しゴム
消去性が得られ難くなることがある。金属光沢顔料を用
いる場合、前記金属光沢顔料が2〜15重量%、界面活
性剤が0.5〜20重量%であり、且つ、金属光沢顔料
と界面活性剤の重量比率が金属光沢顔料100に対して
界面活性剤10〜100、好ましくは20〜60であ
る。金属光沢顔料が2重量%未満では良好な光輝性と色
濃度が得られず、15重量%を越えるとインキ組成物中
での固形分比率が高くなり、円滑なインキの吐出を妨げ
易くなる。界面活性剤が0.5重量%未満では良好な耐
軽擦過性が得られず、20重量%を越えると良好な消し
ゴム消去性が得られ難くなることがある。又、金属光沢
顔料と界面活性剤の重量比率が金属光沢顔料100に対
して界面活性剤が10未満では、良好な耐軽擦過性が得
られず、100を越えると良好な消しゴム消去性が得ら
れ難くなることがある。
【0013】前記ボールペン用消しゴム消去性水性イン
キ組成物を用いて筆記された紙面上の筆跡に関する形態
的な特徴を説明すると、前記着色樹脂粒状体或いは金属
光沢顔料の着色粒子と界面活性剤粒子を含むインキ組成
物によって得られる紙面上に形成された乾燥後の筆跡
は、インキ組成中に含まれていた粒子が粒子相互間及び
紙面と粒子の間で点接着状態で接着している。かかる作
用により界面活性剤を核とする二次元的な網目構造が紙
面に連続状又は不連続状に形成される。この形態的な特
徴が良好な消しゴム消去性と耐軽擦過性を同時に満足さ
せている。
【0014】また、熱可塑性着色樹脂粒状体と界面活性
剤を含むインキ組成物の筆跡は、界面活性剤の粒状体が
熱可塑性着色樹脂粒状体に対して粘着力により点接着す
ると同時に紙面に対しても点接着する。かかる作用によ
り界面活性剤を核とする二次元的な網目構造が紙面に連
続状又は不連続状に形成される。更に加熱処理後の筆跡
は、熱可塑性着色樹脂粒状体の加熱前にみられた独立的
粒子の形状から溶融変形することによって筆跡中の粒状
体全体を団塊化すると共に、紙内部への溶融による浸透
効果によって消しゴムで擦過しても消去できない強固な
定着性を示す。
【0015】インキ組成物の調製方法としては、水及び
水溶性極性溶剤を含むビヒクル中に前述の各粒状体を均
質に混合、分散することによって調製することができ
る。前記水溶性極性溶剤は、筆記先端でのインキの乾燥
抑制、筆跡の耐水性の付与等の目的で用いられる。水溶
性極性溶剤としては水に相溶性のある従来汎用の溶剤が
全て有効であり、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジ
オール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、
ジプロピレングリコール、チオジエチレングリコール、
ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコール等
の多価アルコール、エチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリ
エタノールアミン、2−ピロリドン、N−メチル−2−
ピロリドン、ジメチルホルムアミド等を一種又は二種以
上併用して用いることができ、添加量はインキ組成物中
2〜35重量%が好ましい。
【0016】また、所望に応じて防腐剤、消泡剤、酸化
防止剤、安定剤、PH調整剤、潤滑剤等の慣用の添加剤
を添加することもできる。前記添加剤は、PH調整剤と
して、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ソーダ
等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化
合物が適用できる。 防錆剤としてベンゾトリアゾー
ル、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウ
ムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトラ
イト、サポニン等が使用できる。防腐剤、防黴剤として
は、石炭酸、1,2−ベンズチアゾリン3−オンのナト
リウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウ
ム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピ
ル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスル
フォニル)ピリジン等が使用できる。湿潤剤としては、
尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニッ
ト、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロ
リン酸ナトリウム等が使用できる。潤滑剤としては、金
属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エ
チレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステ
ル系活性剤、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカル
バミン酸塩等が挙げられる。なお、好適に用いられる潤
滑剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又
はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン
酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリ
ン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩、アンモニウ
ム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩が挙げられる。
更に、前記着色樹脂粒状体中に脂肪酸金属塩を含有させ
ることにより、潤滑機能を向上させることもできる。脂
肪酸金属塩としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、オレ
イン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、
アルミニウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩等
を例示できる。前記脂肪酸金属塩は、着色樹脂粒状体中
に0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上含ま
れる。その他、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤、分
散剤等を使用してもよい。前記添加剤はいわゆる慣用的
添加剤と呼ばれるもので、公知の化合物から適宜必要に
応じて使用することができる。更には、水性ビヒクル媒
体にはインキの流動性の向上や分散安定化、粘着性の微
調整の目的で従来公知の水溶性樹脂や、水性樹脂エマル
ジョンを添加することもできる。
【0017】次に、ボールペン用消しゴム消去性水性イ
ンキ組成物を内蔵するボールペンについて説明する。本
発明のインキ組成物をボールペンに適用する場合、比較
的大きな粒状体を用いるために、インキ組成物中で粒状
体が沈降しやすい性質がある。かかる理由からインキ組
成物中に剪断減粘性付与剤を添加して、得られたインキ
組成物の25℃におけるEMD型粘度計を用いた100
rpmの粘度を25〜160mPa・s、且つ、剪断減
粘指数を0.1〜0.7に調整することにより粒状体の
沈降、分離もなく経時的に安定なボールペンを得ること
ができる。前記100rpmにおけるインキ粘度が16
0mPa・sを越えるとインキ吐出性が低下して、筆記
不能になったり、かすれを生じる。また、25mPa・
s未満では粒状体の分散安定性が充分に保てない。即
ち、剪断減粘指数が前記範囲外では剪断減粘性による効
果が適正でなく、粘着性着色樹脂粒状体の分離防止、イ
ンキ吐出性及び筆跡性能に支障を来す。なお、前記にお
けるインキの剪断減粘指数は、剪断応力値(T)及び剪
断速度値(j)の如き粘度計による流動学測定から得ら
れる実験式(T=Kjn :K及びnは計算された定数で
ある)にあてはめることによって計算されるn値であ
る。
【0018】次に、ボールペン用消しゴム消去性水性イ
ンキ組成物に適用される粒状体の粒子径について説明す
ると、インキ組成物中に含まれる全粒状体の粒子分布が
2μm〜10μmの範囲に80重量%以上含まれること
が好ましく、より好ましくは、2μm〜10μmの範囲
に90重量%以上含まれることである。ボールペン用の
インキ組成物中の粒子分布はボールペンチップ部におけ
るボール収容部近傍の狭い間隙を粒状体が円滑に通過す
るために、粒子サイズについて他の筆記具に比べてより
大きな制約を必要とする。ボールペンチップの構造にも
よるが、2μm〜10μmの範囲に80重量%以上含ま
れるような粒状体を適用するのが好ましい。更に好まし
くは、2μm〜10μmの範囲に90重量%以上含まれ
る粒子分布の粒状体が適用される。10μm以上の粒子
の割合が多くなると、前記ボール収容部近傍で粗大な粒
子が通過することなく累積し、筆記不良になる場合があ
るためである。
【0019】ボールペン自体の構造、形状は特に限定さ
れるものではなく、従来より汎用のものが適用でき、例
えば、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を
有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチッ
プに連通しており、さらにインキの端面には逆流防止用
の液栓が密接しているボールペンが例示できる。
【0020】前記インキ組成物を充填するボールペンに
ついて更に詳しく説明すると、筆記先端部(チップ)の
構造は、従来より汎用の機構が有効であり、金属製のパ
イプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール
抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材
料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持
部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属製のパ
イプや金属材料の切削加工により形成したチップに抱持
するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適
用できる。又、前記ボールは、超硬合金、ステンレス
鋼、ルビー、セラミック等の0.3〜1.2mm径程度
のものが適用できる。
【0021】前記インキ組成物を収容するインキ収容管
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチ
レンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる成形体
が、インキの低蒸発性、生産性の面で好適に用いられ
る。又、前記インキ収容管は、2.5〜10mmの内径
を有するものが好適に用いられる。更に、前記インキ収
容管として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用
いることにより、インキ色やインキ残量等を確認でき
る。前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接
続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結しても
よい。尚、前記インキ収容管は、ボールペン用レフィル
の形態として、前記レフィルを軸筒内に収容するもので
もよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ
収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよ
い。前記軸筒内に収容するレフィルの内径は、2.5〜
5mmのものが好適に用いられ、インキを直接収容する
軸筒の内径は、4〜10mmのものが好適に用いられ
る。
【0022】前記インキ収容管に収容したインキ組成物
の後端にはインキ逆流防止体を充填することが好まし
い。前記インキ逆流防止体としては、ワセリン、スピン
ドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフ
ィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンの
オリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオ
イル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シ
リコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、
脂肪酸変性シリコーンオイル等の不揮発性液体又は難揮
発性液体があげられ、一種又は二種以上を併用すること
もできる。前記不揮発性液体又は難揮発性液体には、所
望により表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処
理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、
疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなど
の粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリ
ン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビ
トール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワ
ックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキス
トリン系化合物、セルロース系化合物等のゲル化剤を添
加することもできる。更に、前記液状のインキ逆流防止
体と共に固体のインキ逆流防止体を併用することもでき
る。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明のボールペン用消しゴム消
去性水性インキ組成物は、水と水溶性極性溶剤からなる
媒体中に、界面活性剤、着色樹脂粒状体又は金属光沢顔
料を添加し、添加剤が配合される場合には適宜添加剤を
投入して攪拌して分散することにより調製され、ボール
ペン形態の筆記具に充填して使用される。
【0024】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実
施例によって何ら限定されるものではない。又、実施例
における粒子径分布の測定にはレーザー回折式粒度分布
測定機〔(株)島津製作所製;SALD 1100〕を
用い、ガラス転移温度の測定には示差走査熱量計〔理学
電気(株)製:DSC 8230L〕を用いて測定し
た。尚、実施例中の配合数字は重量部を示す。
【0025】実施例1 熱可塑性着色樹脂粒状体の調製 スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸共重合体(モ
ノマー比70:20:10)77部、ポリスチレン9
部、カーボンブラック〔商品名;MA−100、三菱化
成(株)製〕10部、ステアリン酸亜鉛4部を混合し、
熱ロールミルで溶融混練して冷却した後、ハンマーミル
で粗粉砕し、更にジェットミルで微粉砕し、風力分級機
で分級を行って熱可塑性黒色樹脂粒状体Aを得た。前記
熱可塑性黒色樹脂粒状体Aの平均粒子径は6.3μmで
あり2μm〜10μmの範囲に全粒状体の92重量%が
含まれるものであった。なお、前記熱可塑性黒色樹脂粒
状体Aの軟化点は130℃であり、MI値は3.0であ
った。
【0026】 インキ組成物の調製 熱可塑性黒色樹脂粒状体A 10.0 ポリオキシエチレン(5)ベヘニルエーテル 3.0 (HLB:7、融点50〜60℃) ジプロピレングリコール 5.0 シリコーン変性消泡剤 0.1 防腐剤(商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ製) 0.1 リン酸エステル系界面活性剤 0.5 〔商品名:プライサーフAL、第一工業製薬(株)製〕 水 81.3 合計 100.0
【0027】前記配合物のうち、予め水とジプロピレン
グリコールを混合した混合液中にポリオキシエチレン
(5)ベヘニルエーテルを加えた後、ディスパーにて撹
拌しながら熱可塑性黒色樹脂粒状体Aを添加し、更に消
泡剤、防腐剤を加えて撹拌を続けてインキ組成物を調製
した。得られたインキ組成物は粘度(25℃、EMD型
粘度計による100rpmでの粘度)が32mPa・s
であり、剪断減粘指数(n)は0.36であった。
【0028】実施例2 熱硬化性着色樹脂粒状体の調製 ビーカー(2リットル)に水480部を入れ、更にポリ
ビニルアルコール〔商品名:ゴーセノールGL−03、
日本合成(株)製〕20部を溶解して分散媒とした。前
記分散媒にフタロシアニン系青色有機顔料(商品名ファ
ーストゲンブルー5007、大日本インキ(株)製)1
5部、エポキシ樹脂(ビスフェノールA/ジグリシジル
エーテル系、エポキシ当量184〜194)85部、ス
テアリン酸マグネシウム9部、酢酸エチル60部からな
る着色組成物を加えて高速撹拌により約5μmの液滴と
した後、撹拌継続下で60℃まで昇温し、エポキシ樹脂
硬化剤(脂肪族ポリアミン)21部を水200部中に溶
解した溶液を約1時間かけて滴下した。ついで液温を8
0℃まで昇温度させて5時間撹拌を続けることにより酢
酸エチルを揮散させた。室温まで冷却し、水1000部
を加えて洗浄して遠心分離によって固液分離しして熱硬
化性青色樹脂粒状体分散液Aを得た。前記青色樹脂粒状
体A中の粒状体の平均粒子径は6.7μmであり、粒子
は2μm〜10μmの範囲に全粒状体の91重量%が含
まれるものであった。
【0029】 インキ組成物の調製 熱硬化性青色樹脂粒状体B 10.0 ジベヘニン酸デカグリセリル 5.0 (HLB:10、融点68〜69℃) ダイナマイトグリセリン 10.0 シリコーン変性消泡剤 0.1 防腐剤(商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ製) 0.1 リン酸エステル系界面活性剤 0.5 〔商品名:プライサーフAL、第一工業製薬(株)製〕 水 74.3 合計 100.0
【0030】前記配合物のうち、予め水とダイナマイト
グリセリンを混合した混合液中にジベヘニン酸デカグリ
セリルを加えた後、ディスパーにて撹拌しながら熱可塑
性青色樹脂粒状体Aを添加し、更に消泡剤、防腐剤を加
えて撹拌を続けてインキ組成物を調製した。得られたイ
ンキ組成物は粘度(25℃、EMD型粘度計による10
0rpmでの粘度)が38mPa・sであり、剪断減粘
指数(n)は0.45であった。
【0031】実施例3 熱硬化性着色樹脂粒状体の調製 反応容器に、p−トルエンスルホンアミド72部、ホル
ムアルデヒド18部、蛍光赤色染料(スミブラストピン
クB、塩基性染料)3部を投入し、150℃まで加温し
て均一溶解した後、メラミン18部を加えて1時間反応
させた。更に、熱風乾燥機を用いて150℃で3時間加
熱処理を行ない、室温下で放冷した後、ハンマーミルで
粗粉砕し、ついで、ジェットミルで微粉砕し、風力分級
機で分級を行って熱硬化性蛍光赤色樹脂粒状体Aを得
た。前記熱硬化性蛍光黄色樹脂粒状体A中の粒状体の平
均粒子径は6.5μmであり、粒子は2μm〜10μm
の範囲に全粒状体の89重量%が含まれるものであっ
た。
【0032】 インキ組成物の調製 熱硬化性蛍光赤色樹脂粒状体C 10.0 ポリオキシエチレン(5)ベヘニルエーテル 3.0 (HLB:7、融点50〜60℃) ジプロピレングリコール 5.0 シリコーン変性消泡剤 0.1 防腐剤(商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ製) 0.1 リン酸エステル系界面活性剤 0.5 〔商品名:プライサーフAL、第一工業製薬(株)製〕 水 81.3 合計 100.0
【0033】前記配合物のうち、予め水とジプロピレン
グリコールを混合した混合液中にポリオキシエチレン
(5)ベヘニルエーテルを加えた後、ディスパーにて撹
拌しながら熱硬化性蛍光赤色樹脂粒状体Cを添加し、更
に消泡剤、防腐剤を加えて撹拌を続けてインキ組成物を
調製した。前記配合物を混合しディスパーにて均質にな
るまで撹拌してインキ組成物を得た。得られたインキ組
成物は粘度(25℃、EMD型粘度計による100rp
mでの粘度)が35mPa・sであり、剪断減粘指数
(n)は0.40であった。
【0034】 実施例4 インキ組成物の調製 金属光沢顔料 6.0 (商品名:エルジー R.GOLD #500、尾池工業(株)製、 平均粒子径15μm、2μm〜20μmの範囲に78重量%を含む〕 ジベヘニン酸デカグリセリル 5.0 (HLB:10、融点68〜69℃) ダイナマイトグリセリン 10.0 シリコーン変性消泡剤 0.1 防腐剤(商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ製) 0.1 リン酸エステル系界面活性剤 0.5 〔商品名:プライサーフAL、第一工業製薬(株)製〕 水 78.3 合計 100.0
【0035】前記配合物のうち、予め水とダイナマイト
グリセリンを混合した混合液中にジベヘニン酸デカグリ
セリルを加えた後、ディスパーにて撹拌しながら金属光
沢顔料を添加し、更に消泡剤、防腐剤を加えて撹拌を続
けてインキ組成物を調製した。得られたインキ組成物は
粘度(25℃、EMD型粘度計による100rpmでの
粘度)が41mPa・sであり、剪断減粘指数(n)は
0.44であった。
【0036】 比較例1 インキ組成物の調製 熱可塑性黒色樹脂粒状体A 10.0 サクシノグリカン 0.2 エチレングリコール 10.0 シリコーン変性消泡剤 0.1 防腐剤(商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ製) 0.1 リン酸エステル系界面活性剤 0.5 〔商品名:プライサーフAL、第一工業製薬(株)製〕 水 79.1 合計 100.0
【0037】前記配合物のうち、予め水とエチレングリ
コールを混合した混合液中にサクシノグリカンを加えた
後、ディスパーにて撹拌しながら熱可塑性黒色樹脂粒状
体Aを添加し、更に消泡剤、防腐剤、潤滑剤を加えて撹
拌を続けてインキ組成物を得た。得られたインキ組成物
は粘度(25℃、EMD型粘度計による100rpmで
の粘度)が35mPa・sであり、剪断減粘指数(n)
は0.39であった。
【0038】比較例2 粘着性樹脂粒状体の調製 撹拌機付きセパラブルフラスコ(2リットル)に水60
0部を入れ、更にラウリル硫酸ナトリウム0.2部、メ
チルセルロース(商品名メトローズ90SH−100、
信越化学(株)製)20部を溶解して分散媒とした。前
記分散媒にブチルアクリレート78部、エチルメタクリ
レート52部、t−ブチルパーオキピバレート1部から
なる油相溶液を加え、500rpmで平均粒子径が約4
μmとなるよう撹拌を続けた。ついで、窒素雰囲気下で
懸濁液を70℃に昇温して撹拌を6時間続けて懸濁重合
を行なった。その後室温まで冷却し、水1000部を加
えて希釈した後、遠心分離法によって固液分離し、水で
固形分を40%に調整して粘着性樹脂粒状体分散体Aを
得た。前記粘着性樹脂粒状体分散液A中の粒状体の平均
粒子径は4.8μmであり、粒子は2μm〜10μmの
範囲に全粒状体の90重量%が含まれるものであった。
【0039】 インキ組成物の調製 熱可塑性黒色樹脂粒状体A 15.0 粘着性樹脂粒状体分散液A 15.0 エチレングリコール 9.0 シリコーン変性消泡剤 0.1 防腐剤(商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ製) 0.1 サクシノグリカン 0.2 (有機酸修飾ヘテロ多糖体、平均分子量約100万乃至800万) リン酸エステル系界面活性剤 0.5 〔商品名:プライサーフAL、第一工業製薬(株)製〕 水 60.1 合計 100.0
【0040】前記配合物のうち、予め水とエチレングリ
コールを混合した混合液中にサクシノグリカンを加えた
後、ディスパーにて撹拌しながら熱可塑性黒色樹脂粒状
体A、粘着性樹脂粒状体分散液Aを添加し、更に消泡
剤、防腐剤、潤滑剤を加えて撹拌を続けてインキ組成物
を得た。得られたインキ組成物は粘度(25℃、EMD
型粘度計による100rpmでの粘度)が67mPa・
sであり、剪断減粘指数(n)は0.390であった。
【0041】 比較例3 インキ組成物の調製 熱硬化性青色樹脂粒状体B 10.0 オレイン酸ヘキサグリセリル(HLB:9、融点 ℃) 10.0 〔日光ケミカルズ社製、商品名:Hexaglyn1−O〕 ダイナマイトグリセリン 10.0 シリコーン変性消泡剤 0.1 防腐剤(商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ製) 0.1 リン酸エステル系界面活性剤 0.5 〔商品名:プライサーフAL、第一工業製薬(株)製〕 水 69.3 合計 100.0
【0042】前記配合物を実施例2と同様の方法によっ
てインキ組成物を調製した。得られたインキ組成物は粘
度(25℃、EMD型粘度計による100rpmでの粘
度)が70mPa・sであり、剪断減粘指数(n)は
0.48であった。
【0043】 比較例4 インキ組成物の調製 熱硬化性蛍光赤色樹脂粒状体C 10.0 キサンタンガム 0.2 ジエチレングリコール 10.0 スチレン−ブタジエン系ラテックス 15.0 〔日本ゼオン(株)製、商品名:Nipol C4850A〕 シリコーン変性消泡剤 0.1 防腐剤(商品名:プロキセルXL−2、ゼネカ製) 0.1 水 64.6 合計 100.0
【0044】前記配合物を実施例1と同様の方法によっ
てインキ組成物を調製した。得られたインキ組成物は粘
度(25℃、EMD型粘度計による100rpmでの粘
度)が50mPa・sであり、剪断減粘指数(n)は
0.43であった。
【0045】試料ボールペンの作成 実施例1乃至4及び比較例1乃至4のインキ組成物を、
各々直径0.7mmの超硬合金ボールを抱持するステンレ
ススチール製チップがポリプロピレン製軸筒一端に嵌着
されたボールペンに充填し、更に、前記インキ後端面に
密接させてインキ逆流防止体(シリコーングリース系)
を充填して遠心処理を施した後、尾栓を嵌着するタイプ
のボールペンに充填して試料ボールペンとした。
【0046】消しゴム消去性試験 前記各試料ペンで、レポート用紙(コクヨ製、品番レ−
116AN)上に直径約2cmの円を連続して描き、消
しゴム〔シードゴム工業(株)製、商品名:STAR
Radar〕を用いて、筆記から30秒後及び1日後に
擦過して、筆跡の消去性の度合いを目視により観察し
た。 耐軽擦過性試験 前記各試料ペンで、レポート用紙上に筆記した後、1時
間放置し、ろ紙(ADVANTEC製、No.2ろ紙)
を平滑面が筆跡側になるように載置し、その上方から4
5.5g/平方センチメートルの荷重をかけて筆跡上を
10回スライドさせて、筆跡の耐軽擦過性を目視により
観察した。
【0047】以下の表に各試験結果を示す。
【表1】
【0048】なお、表中の各試験結果の判定は以下のと
おり。消しゴム消去性試験 ○:筆跡が視覚されず、消去性に優れる 耐軽擦過性試験 ○:擦過前と比較して変化なし。 ×:筆跡が消去されると共に、空白部分に移行する。
【0049】
【発明の効果】本発明は、融点が30℃以上であり、且
つ、HLB値が5〜12の範囲にある界面活性剤を含有
することにより、インキ組成物に剪断減粘性を付与して
着色樹脂粒状体又は金属光沢顔料の分散安定性を高める
ことができると共に、筆跡の消しゴム消去性と耐軽擦過
性も付与でき、簡素な配合組成によって、紙に筆記して
得られる筆跡が消しゴムで容易に消去でき、且つ、前記
筆跡は通常の指や紙同士の擦過程度では消去されない筆
跡保持性を満足させるボールペン用消しゴム消去性水性
インキ組成物及びそれを内蔵したボールペンを提供でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C350 GA03 HA08 NA19 4J039 AE07 BA06 BA13 BA31 BA32 BA35 BA39 BC12 BC20 BC34 BC36 BE01 BE22 CA06 EA29 EA36 EA44 EA48 GA27

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子分布が2μm〜10μmの範囲に8
    0重量%以上含まれる着色樹脂粒状体又は金属光沢顔料
    と、水と、融点が30℃以上であり、且つ、HLB値が
    5〜12の範囲にある界面活性剤を含んでなるボールペ
    ン用消しゴム消去性水性インキ組成物。
  2. 【請求項2】 前記界面活性剤をインキ組成物中0.5
    〜20重量%含んでなる請求項1記載のボールペン用消
    しゴム消去性水性インキ組成物。
  3. 【請求項3】 前記着色樹脂粒状体を5〜30重量%、
    界面活性剤を0.5〜20重量%含んでなり、且つ、着
    色樹脂粒状体と界面活性剤の重量比率が100:10〜
    100である請求項2記載のボールペン用消しゴム消去
    性水性インキ組成物。
  4. 【請求項4】 前記金属光沢顔料を2〜15重量%、界
    面活性剤を0.5〜20重量%含んでなり、且つ、金属
    光沢顔料と界面活性剤の重量比率が100:10〜10
    0である請求項2記載のボールペン用消しゴム消去性水
    性インキ組成物。
  5. 【請求項5】 前記界面活性剤は、紙面上に形成された
    乾燥後の筆跡中で粒状体を形成してなり、粒子相互間及
    び粒子と紙面との間で点接着状態で存在してなる請求項
    1乃至4のいずれかに記載のボールペン用消しゴム消去
    性水性インキ組成物。
  6. 【請求項6】 インキ組成物の100rpmでの粘度が
    25〜160mPa・s(EMD型粘度計25℃の値)
    であり、且つ、剪断減粘指数が0.1〜0.7を示す請
    求項1乃至5のいずれかに記載のボールペン用消しゴム
    消去性水性インキ組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載のボー
    ルペン用消しゴム消去性水性インキ組成物を内蔵してな
    るボールペン。
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