JP2005132884A - インキ用着色樹脂粒状体及びそれを用いた筆記具用インキ組成物 - Google Patents

インキ用着色樹脂粒状体及びそれを用いた筆記具用インキ組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来の着色樹脂粒状体と比較して比重が小さく、インキ中で安定して存在させることができる着色樹脂粒状体であり、種々のマーキングペンやボールペン等の筆記具への適用範囲が広く、経時安定性に優れ、実用性に富む筆記具インキ組成物、及びそれを用いた筆記具を提供できる。
【解決手段】 樹脂粒状体中に、着色剤と、内包物質を壁膜で被覆した比重が1以下のマイクロカプセルとを含んでなるインキ用着色樹脂粒状体、及び、前記インキ用着色樹脂粒状体をビヒクル中に分散してなる筆記具用インキ組成物、或いは、前記インキ用着色樹脂粒状体と共に粘着性樹脂粒状体を含んでなり、着色樹脂粒状体と粘着性樹脂粒状体の粒子分布がいずれも2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる消しゴム消去性筆記具用インキ組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明はインキ用着色樹脂粒状体及びそれを用いた筆記具用インキ組成物に関する。
従来よりインキ中に含まれる着色剤として顔料を用いる場合、当該顔料による十分な色濃度を満たすためには、粒子径が比較的大きなものを用いる必要がある。
前記粒子径が比較的大きな顔料としては、蛍光顔料のような樹脂中に蛍光染料を含有させた着色樹脂粒状体が挙げられる。
しかしながら、前記着色樹脂粒状体は主にベンゾグアナミン樹脂等の比重が大きい樹脂を用いるため、該樹脂を使用した着色樹脂粒状体自体の比重も大きくなる。よって、前記着色樹脂粒状体はその比重と大きさからインキ中で安定して存在し難く、沈降を生じ易いため、インキ粘度を高くしたり、或いは、インキと共に攪拌球を収容して使用時に攪拌する等、筆記具に適用が制限されるものであった(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−296138号公報
本発明は、前記した従来のインキ用着色樹脂粒状体と、それを用いた筆記具用インキ組成物の欠点を解消するものであり、粒状体中に着色剤及びマイクロカプセルを含有させることにより、比重が小さく、インキ中で安定して存在させることができるインキ用着色樹脂粒状体を提供すると共に、前記着色樹脂粒状体を用いた種々の筆記具に適用できる筆記具用インキ組成物を提供しようとするものである。
本発明は、樹脂粒状体中に、着色剤と、内包物質を壁膜で被覆した比重が1以下のマイクロカプセルとを含んでなるインキ用着色樹脂粒状体を要件とする。
更には、前記内包物質は、比重が1以下の液状体であること、前記着色樹脂粒状体の平均粒子径が1〜20μmであること等を要件とする。
更には、前記インキ用着色樹脂粒状体をビヒクル中に分散してなる筆記具用インキ組成物を要件とする。
更には、粘着性樹脂粒状体を含んでなり、前記着色樹脂粒状体及び粘着性樹脂粒状体の粒子分布がいずれも2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる消しゴム消去性を有する筆記具用インキ組成物を要件とする。
本発明のインキ用着色樹脂粒状体は、樹脂粒状体中に着色剤及びマイクロカプセルを含むため、従来の着色樹脂粒状体と比較して比重が小さく、よって、インキ中で安定して存在させることができる。
また、前記インキ用着色樹脂粒状体は、種々のマーキングペンやボールペン等の筆記具への適用範囲が広く、経時安定性に優れ、実用性に富む筆記具インキ組成物、及びそれを用いた筆記具を提供できる。
本発明に用いられるインキ用着色樹脂粒状体は、樹脂粒状体中に着色剤及びマイクロカプセルを含んでなる。
前記着色樹脂粒状体を構成する樹脂としては、エポキシ系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、キシレン系樹脂、トルエン系樹脂、グアナミン系樹脂、ユリア樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、アルキッド系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、ポリアミドエステル系樹脂、尿素系樹脂、シリコーン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が用いられる。
前記樹脂のうち、熱硬化性樹脂は熱可塑性樹脂と比較して耐溶剤性、耐熱性に優れると共に、含有される染料の耐移行性にも優れており、含有させる染料の溶出を抑制できるため好適であるが、熱可塑性樹脂よりも比重が大きいため、インキ中に添加すると沈降し易い。よって、比重の小さいマイクロカプセルを添加して比重調整を行うことによって、更にインキ組成物に適した粒状体が得られる。
また、前記熱硬化性樹脂のうち、グアナミン系樹脂或いはメラミン系樹脂は、含有させる染料の溶出を妨げる機能に優れているため、特に好適に用いられる。
前記着色樹脂粒状体は、従来より公知の粉砕法、重合法及びスプレードライ法等の製造方法を利用して得ることができる。前記重合法として具体的には、懸濁重合法、懸濁重縮合法、分散重合法、乳化重合法等が挙げられる。
好適に用いられる平均粒子径が1〜20μmの粒子径を有する着色樹脂粒状体を得るためには粉砕法、懸濁重合法、懸濁重縮合法、分散重合法が好適に用いられ、更に好適には、懸濁重合法、粉砕法が用いられる。
前記着色樹脂粒状体を粉砕法によって微粒子状に調製する方法について説明すると、粉砕法とは粉砕機を用いて被粉砕物に衝撃、圧縮、摩擦、剪断などの力を及ぼして固体を破壊に導く方法をいう。本発明においては、バルクの形態で重縮合された熱硬化性着色樹脂のブロックを粗く粉砕した後、更に粉砕機によって微粒子化する方法が挙げられる。
前記着色樹脂粒状体は、樹脂粒状体中に染料や顔料が均質又は不均質に溶解又は分散されてなる。
前記樹脂を着色する染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料、油溶性染料が挙げられる。
前記酸性染料としては、ニューコクシン(C.I.16255)、タートラジン(C.I.19140)、アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッドバイオレット6BN(C.I.43525)、ソルブルブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン(C.I.44025)、エオシン(C.I.45380)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等を例示できる。
塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等を例示できる。
また、蛍光性塩基染料としては、C.I.ベーシックイエロー1、C.I.ベーシックイエロー9、C.I.ベーシックイエロー35、C.I.ベーシックイエロー40、C.I.ベーシックレッド1、C.I.ベーシックレッド1─1、C.I.ベーシックレッド2、C.I.ベーシックレッド12、C.I.ベーシックレッド13、C.I.ベーシックレッド14、C.I.ベーシックレッド15、C.I.ベーシックレッド36、C.I.ベーシックバイオレット7、C.I.ベーシックバイオレット10、C.I.ベーシックバイオレット11、C.I.ベーシックバイオレット15、C.I.ベーシックバイオレット16、C.I.ベーシックバイオレット27、C.I.ベーシックオレンジ15、C.I.ベーシックオレンジ22、C.I.ベーシックブルー1、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー7、C.I.ベーシックブルー9、C.I.ベーシックグリーン1等を例示できる。
前記直接染料としては、コンゴーレッド(C.I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、バイオレットBB(C.I.27905)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、フタロシアニンブルー(C.I.74180)等を例示できる。
前記油溶性染料としては、C.I.ソルベントブラック7、C.I.ソルベントブラック123、C.I.ソルベントブルー2、C.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ソルベントレッド8、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド100、C.I.ソルベントバイオレット8、C.I.ソルベントバイオレット21、C.I.ソルベントグリーン3、C.I.ソルベントグリーン3、C.I.ソルベントイエロー21、C.I.ソルベントイエロー44、C.I.ソルベントイエロー61、C.I.ソルベントオレンジ37等を例示できる。
前記染料を用いる場合は、樹脂中で会合したり、或いは、偏在して発色を損なうことを防止するため、樹脂中に均質に溶解することが好ましい。
染料のうち、塩基性染料は、酸性染料や直接染料と比較して、熱硬化性樹脂と結合し易く、インキ組成物中で染料の溶出を生じ難いため、特に好適に用いられる。
前記顔料としては、アゾ系、アンスラキノン系、縮合ポリアゾ系、インジゴ系、チオインジゴ系、金属錯塩系、フタロシアニン系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、キナクリドン系、スレン系、アントラキノン系顔料、スロン系顔料、ジケトピロロピロール系 ジオキサジン系、イソインドリノン系等の有機顔料、カーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄等の無機顔料、更には、特殊な顔料としてアルミニウム等の金属粉顔料、透明又は着色透明フィルムに金属蒸着膜を形成した金属光沢顔料、芯物質として天然雲母、合成雲母、ガラス片、アルミナ、透明性フィルム片の表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆したパール顔料等が挙げられる。
前記樹脂中に添加されるマイクロカプセルは内包物質を壁膜で被覆した比重が1以下の粒子である。
前記マイクロカプセルを添加することによって、粒状体の比重をインキのビヒクルと同等迄軽くでき、比重調整を行うことができる。
前記比重調整によって、インキ中で沈降する問題を解消できると共に、インキに遠心処理を施して脱泡する場合でも粒状体の偏在を防止できる。
前記内包物質としては、比重が1以下、好ましくは0.9以下の液状体が好適に用いられる。
前記内包物質として具体的には、2−エチルヘキサン酸トリグリセリド、カプリル酸セチル、カプリル酸イソセチル、カプリル酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸ブチル、イソステアリン酸イソセチル、アジピン酸ジオクチル、アゼライン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル等のエステル類、パラフィンワックス、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン等の炭化水素類を例示でき、好適には不揮発性油が用いられる。
前記マイクロカプセルの壁膜形成物質としては、ゼラチン、シェラック、アラビアガム、ロジン、ロジンエステル、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、パラフィン、トリステアリン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリイソブテン、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂等を単独又は混合して用いることができる。
前記マクロカプセルの製造方法としては、コアセルベーション法、インサイチュー重合法、界面重合法、液中硬化被膜法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライニング法等が挙げられる。
前記インキ用着色樹脂粒状体を筆記具用インキ組成物に適用する際に用いられるビヒクルについて説明すると、ビヒクル中に含まれる溶剤としては、水系インキの場合は水と必要により水溶性有機溶剤、油性系インキの場合は有機溶剤が用いられる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
油性系インキに用いられる有機溶剤としては、従来より汎用の溶剤を使用できる。
前記有機溶剤としては、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ベンジルグリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等を例示できる。
また、有機溶剤として揮発し易い20℃における蒸気圧が5.0〜50mmHgの溶剤を主溶剤として用いると、ガラスやプラスチック等の非浸透性材料に筆記しても、筆跡の乾燥性に優れるため、筆跡を手触した際、未乾燥のインキが手に付着したり、筆記面上の筆跡を形成していない空白部分を汚染する等の不具合を生じることなく、良好な筆跡を形成できる。
蒸気圧が5.0〜50mmHg(20℃)の有機溶剤としては、エチルアルコール(45)、n−プロピルアルコール(14.5)、イソプロピルアルコール(32.4)、n−ブチルアルコール(5.5)、イソブチルアルコール(8.9)、sec−ブチルアルコール(12.7)、tert−ブチルアルコール(30.6)、tert−アミルアルコール(13.0)等のアルコール系有機溶剤、
エチレングリコールモノメチルエーテル(8.5)、エチレングリコールジエチルエーテル(9.7)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(6.0)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(7.6)等のグリコールエーテル系有機溶剤、
n−ヘプタン(35.0)、n−オクタン(11.0)、イソオクタン(41.0)、メチルシクロヘキサン(37.0)、エチルシクロヘキサン(10.0)、トルエン(24.0)、キシレン(5.0〜6.0)、エチルベンゼン(7.1)等の炭化水素系有機溶剤、
メチルイソブチルケトン(16.0)、メチルn−プロピルケトン(12.0)、メチルn−ブチルケトン(12.0)、ジ−n−プロピルケトン(5.2)等のケトン系有機溶剤、
蟻酸n−ブチル(22.0)、蟻酸イソブチル(33.0)、酢酸n−プロピル(25.0)、酢酸イソプロピル(48.0)、酢酸n−ブチル(8.4)、酢酸イソブチル(13.0)、プロピオン酸エチル(28.0)、プロピオン酸n−ブチル(45.0)、酪酸メチル(25.0)、酪酸エチル(11.0)等のエステル系有機溶剤を例示できる。
なお、括弧内の数字は20℃におけるそれぞれの有機溶剤の蒸気圧を示す。
前記有機溶剤のうち、好適にはアルコール類、グリコールエーテル類、炭化水素類から選ばれる溶剤が用いられ、特にアルコール類のうちn−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、グリコールエーテル類のうちプロピレングリコールモノメチルエーテルが併用する種々の樹脂や各種添加剤の溶解性に優れるため好適に用いられる。
前記20℃における蒸気圧が5.0〜50mmHgの有機溶剤は溶剤中50重量%以上添加される。
また、2種以上の溶剤を併用して用いてもよい。
樹脂としては、ケトン樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、アミド樹脂、アルキッド樹脂、ロジン変性樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルピロリドン、α−及びβ−ピネン・フェノール重縮合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルローズ誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等を添加することができ、紙面への固着性や粘性付与のために用いられる。
更に、必要により剪断減粘性付与剤を添加することもできる。
前記剪断減粘性付与剤を添加することによって、インキ用着色樹脂粒状体の沈降を抑制することができると共に、筆跡の滲みを抑制することができるため、紙面は勿論、浸透性の高い布帛等の繊維材料に筆記しても筆跡は滲むことなく、良好な筆跡を形成できる。
更に、前記インキを充填する筆記具がボールペン形態の場合、不使用時のボールとチップの間隙からのインキ漏れだしを防止したり、筆記先端部を上向き(正立状態)で放置した場合のインキの逆流を防止することができる。
尚、前記剪断減粘性付与剤を添加したインキ組成物の粘度は、水性系インキの場合、20℃でのE型粘度計による3.84S-1の剪断速度におけるインキ粘度が20〜300mPa・sを示し、且つ、剪断減粘指数が0.1〜0.99を示すことが好ましい。
油性系インキの場合、20℃でのE型粘度計による3.84S-1の剪断速度におけるインキ粘度が10mPa・s以上、好ましくは10〜1000mPa・sであり、且つ、剪断減粘指数が0.3〜0.99である。
前記した粘度範囲及び剪断減粘指数を示すことによって、更にインキ漏れだし、インキの逆流を防止することができる。
なお、剪断減粘指数(n)は、剪断応力値(T)及び剪断速度値(j)の如き粘度計による流動学測定から得られる実験式T=Kjn (Kは非ニュートン粘性係数)にあてはめることによって計算される値である。
前記剪断減粘性付与剤として、溶剤として水を用いた水性系インキの場合は、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類、N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を例示できる。
溶剤として有機溶剤を用いた油性系インキの場合は、架橋型アクリル樹脂、架橋型アクリル樹脂のエマルションタイプ、非架橋型アクリル樹脂、架橋型N−ビニルカルボン酸アミド重合体又は共重合体、非架橋型N−ビニルカルボン酸アミド重合体又は共重合体、水添ヒマシ油、脂肪酸アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス等のワックス類、ステアリン酸、パルミチン酸、オクチル酸、ラウリン酸のアルムニウム塩等の脂肪酸金属塩、ジベンジリデンソルビトール、N−アシルアミノ酸系化合物、スメクタイト系無機化合物、モンモリロナイト系無機化合物、ベントナイト系無機化合物、ヘクトライト系無機化合物、シリカ等を例示できる。
なお、前記剪断減粘性付与剤は併用することもできる。
本発明のインキ組成物をボールペンに充填して用いる場合は、オレイン酸等の高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐酸トリエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩等の潤滑剤を添加してボール受け座の摩耗防止効果を付与することが好ましい。
その他、水系インキの場合は必要に応じて炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1、2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ノニオン系界面活性剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等のオリゴ糖類、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、ピロリン酸ナトリム等の湿潤剤、消泡剤、分散剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系の界面活性剤を使用してもよい。
次に、インキ中に粘着性樹脂粒状体を添加してなり、前記着色樹脂粒状体と粘着性樹脂粒状体の粒子分布がいずれも2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる消しゴム消去性筆記具用インキ組成物の系について説明する。
粒子径が2μm未満の着色樹脂粒状体が多量に存在すると、紙面内部に前記粒状体が浸透して、消しゴムによる筆跡の消去が困難になる。また、粒子径が20μmを越える着色樹脂粒状体が多量に存在すると、該インキを充填した筆記具の先端部よりインキが出難くなり、筆跡のかすれや筆記不能になる不具合を生じ易くなる。
前記粘着性樹脂粒状体は、紙面に対し接着又は粘着性を示さない前記インキ用着色樹脂粒状体を紙面に接着させ、耐軽擦過性を付与すると共に消しゴムでの消去性を付与する役割を有する。
粘着性樹脂粒状体自体の粘着力とインキ組成中における配合量は消しゴム消去性と耐軽擦過性を満たす良好な範囲で決定される。粘着性樹脂粒状体についても紙面への浸透を防止、低減させるためにその粒子分布は2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれることを必要とする。
前記粘着性樹脂粒状体は、少なくとも表層部が粘着性を有していれば特に製造方法に制約を受けるものではなく、従来公知の樹脂粒子合成方法を用いることができる。
粘着性樹脂粒状体の具体的な形態としては、粘着性樹脂粒状体を形成する樹脂の全体が粘着性を有する均質ポリマー組成物であるもの、粘着性樹脂粒状体の全表面が粘着性を有するポリマー組成物で被覆されたもの、粘着性樹脂粒状体が多層構造状のもので、少なくとも表面の一部が粘着性を有するもの、粘着性樹脂粒状体の少なくとも表面の一部が連続又は非連続状態の粘着性を有するポリマー組成物で構成されたものが挙げられる。
前記粘着性樹脂粒状体が示す粘着性とは、それ自体が消しゴムでの摩擦により除去可能であり、且つ、軽擦過に対して必要最低限の粘着力を示す程度を意味する。即ち、粘着力が強すぎれば消しゴムでの消去性が低下したり、あるいは消去時に消しゴムでの強い摩擦力を要する。逆に、粘着力が弱すぎれば軽擦過により粘着性樹脂粒状体は容易に剥離するため、良好な消しゴム消去性と耐軽擦過性を満たすように粘着力を調整することが必要である。
粘着性樹脂粒状体に好適な粘着性を付与する指標として、得られた粘着性樹脂粒状体のガラス転移点が40℃未満であることが好ましく、より好ましくは20℃未満である。ガラス転移点が40℃を越える粘着性樹脂を用いると概して室温条件下において粘着性の程度が弱く、耐軽擦過性を伴ない難くなる。
粘着性樹脂粒状体の調製に用いられるポリマー類としては粘着性を有していれば特に限定されないが、具体的なポリマーを例示すると、アクリル酸エステル樹脂、アクリルスチレン共重合樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、エチレンアクリル共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。
次に、インキ組成中における、着色樹脂粒状体及び粘着性樹脂粒状体の配合重量及びこれらの重量比率について説明する。
インキ組成物中のそれぞれの粒状体の配合量は、着色樹脂粒状体が5〜30重量%、粘着性樹脂粒状体が0.5〜15重量%であり、着色樹脂粒状体と粘着性樹脂粒状体の重量比率が100:2〜200であることが好ましい。
着色樹脂粒状体が5重量%未満では良好な色濃度が得られず、30重量%を越えるとインキ組成物中での固形分比率が高くなり、円滑なインキの吐出を妨げ易くなる。
粘着性樹脂粒状体が0.5重量%未満では良好な耐軽擦過性が得られず、15重量%を越えると良好な消しゴム消去性が得られ難くなることがある。
又、着色樹脂粒状体との配合比率が100:2未満では、良好な耐軽擦過性が得られず、100:200を越えると良好な消しゴム消去性が得られ難くなることがある。
前記消しゴム消去性筆記具用インキ組成物を用いて筆記された紙面上の筆跡に関する形態的な特徴を説明すると、前記着色樹脂粒状体と粘着性樹脂粒状体を含むインキ組成物によって得られる紙面上に形成された乾燥後の筆跡はインキ組成中に含まれていた粒状体が粒子相互間及び紙面と粒子の間で点接着状態で接着している。かかる作用により粘着性樹脂粒状体を核とする二次元的な網目構造が紙面に連続状又は不連続状に形成される。この形態的な特徴が良好な消しゴム消去性と耐軽擦過性を同時に満足させる。
前記インキ組成物は、チップを筆記先端部に装着したマーキングペンやボールペンに充填して実用に供される。
マーキングペンに充填する場合、マーキングペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップを筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させる構造のマーキングペンが挙げられる。
ボールペンに充填する場合、ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させる構造、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、さらにインキの端面には逆流防止用の液栓が密接している構造のボールペンが挙げられる。
前記ボールペンチップについて更に詳しく説明すると、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属又はプラスチック製チップ内部に樹脂製のボール受け座を設けたチップ、或いは、前記チップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
又、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等の0.3〜3mm径程度のものが適用できる。
なお、本発明のインキを充填する筆記具は、ボールと同様の転動作用により筆跡を形成させる、ローラー等の転動機構を筆記先端部に備えたものを含む。
インキ組成物を収容するインキ収容管は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる成形体が用いられる。
更に、インキ収容管として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を確認できる。
前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結してもよい。
尚、インキ収容管はレフィルの形態として、前記レフィルを軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
前記インキ収容管に収容したインキ組成物の後端にはインキ逆流防止体を充填することもできる。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体には、ゲル化剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物を例示できる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体組成物と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
本発明の筆記具用インキ組成物は、溶剤中に、インキ用着色樹脂粒状体、必要により樹脂、各種添加剤を投入、攪拌して調製される。
また、溶媒中に、インキ用着色樹脂粒状体、必要により樹脂、各種添加剤を投入して攪拌、溶解し、更に、これとは別に調製した溶媒中に剪断減粘性付与剤を分散した分散液、或いは、剪断減粘性付与剤を直接投入し、攪拌することにより調製される。
以下にインキ用着色樹脂粒状体の調製方法、及び、それを用いたインキ組成を示す。
なお、組成の数値は重量部を示す。
実施例1
マイクロカプセルの調製
イソステアリン酸イソセチル50部、助溶剤50部、芳香族イソシアネートプレポリマー15部を均一に混合した混合物を、8%水溶性樹脂溶液100部中に0.5〜1.0μmの微小滴となるようにホモミキサーで乳化させる。
乳化後、更に6時間加温、攪拌を続けてマイクロカプセル懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して平均粒子径が1.0μmのマイクロカプセルaを得た。
インキ用着色樹脂粒状体の調製
パラトルエンスルホン酸アミド76部、ホルムアルデヒド(35%)18部を混合し、150℃で2時間攪拌して反応させた後、前記マイクロカプセルa30部を添加して更に10分間攪拌する。
ついで、ピンク色塩基性染料〔ローダミンB、C.I.45170〕2.5部、及び、ジグアナミンとホルムアルデヒドの縮合物33部を添加して150〜160℃で1時間攪拌した後、放冷して樹脂固形物を得た。
前記樹脂固形物を乾燥させた後、粉砕、分級して平均粒子径が4μmのインキ用着色樹脂粒状体Aを得た。
実施例2
マイクロカプセルの調製
カプリル酸セチル50部、助溶剤50部、芳香族イソシアネートプレポリマー15部を均一に混合した混合物を、8%水溶性樹脂溶液100部中に0.5〜1.0μmの微小滴となるようにホモミキサーで乳化させる。
乳化後、更に6時間加温、攪拌を続けてマイクロカプセル懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して平均粒子径が0.5μmのマイクロカプセルbを得た。
インキ用着色樹脂粒状体の調製
パラトルエンスルホン酸アミド76部、ホルムアルデヒド(35%)18部を混合し、150℃で2時間攪拌して反応させた後、前記マイクロカプセルb40部を添加して更に10分間攪拌する。
ついで、黄色塩基性染料〔ベーシックフラビン、C.I.ベーシックイエロー1〕3部、及び、γ−2,4−ジアミノ−6−トリアジル−γメチル−ピロメグアナミンとホルムアルデヒドの縮合物33部を添加して150〜160℃で1時間攪拌した後、放冷して樹脂固形物を得た。
前記樹脂固形物を乾燥させた後、粉砕、分級して平均粒子径が5μmのインキ用着色樹脂粒状体Bを得た。
粘着性樹脂粒状体の調製
撹拌機付きセパラブルフラスコ(2リットル)に水600部を入れ、更にラウリル硫酸ナトリウム0.2部、メチルセルロース(商品名メトローズ90SH−100、信越化学(株)製)20部を溶解して分散媒とした。前記分散媒にブチルアクリレート78部、エチルメタクリレート52部、t−ブチルパーオキピバレート1部からなる油相溶液を加え、500rpmで平均粒子径が約4μmとなるよう撹拌を続けた。ついで、窒素雰囲気下で懸濁液を70℃に昇温して撹拌を6時間続けて懸濁重合を行なった。その後室温まで冷却し、水1000部を加えて希釈した後、遠心分離法によって固液分離し、水で固形分を30%に調整して粘着性樹脂粒状体分散体を得た。
前記粘着性樹脂粒状体分散液中の粒状体の平均粒子径は4.8μmであり、粒子は2μm〜10μmの範囲に全粒状体の90重量%が含まれるものであった。
実施例3
マイクロカプセルの調製
セバシン酸ジオクチル50部、助溶剤50部、芳香族イソシアネートプレポリマー15部を均一に混合した混合物を、8%水溶性樹脂溶液100部中に0.5〜1.0μmの微小滴となるようにホモミキサーで乳化させる。
乳化後、更に6時間加温、攪拌を続けてマイクロカプセル懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して平均粒子径が1.0μmのマイクロカプセルcを得た。
インキ用着色樹脂粒状体の調製
ベンゾグアナミン105部、パラトルエンスルホン酸アミド45部、ホルムアルデヒド(35%)120部、及び、炭酸ナトリウム水溶液(10%)0.45部を95℃で40分間攪拌して反応させた後、マイクロカプセルc50部、ピンク色塩基性染料〔ローダミンB、C.I.45170〕5部を添加して更に30分間攪拌する。
ついで、前記溶液を90℃に加温したクラレポバール水溶液(5%)600部中に添加して5000rpmで4分間攪拌して水中油滴型の懸濁液を得た。
攪拌を続けながら40℃迄冷却し、1N硫酸水溶液40部を添加した後、毎時間5℃づつ昇温度させて100℃まで加温する。
前記懸濁液から遠心分離により固形分を分離し、120℃で6時間乾燥させて平均粒子径が5μmのインキ用着色樹脂粒状体Cを得た。
実施例4
マイクロカプセルの調製
イソステアリン酸イソセチル50部、助溶剤50部、芳香族イソシアネートプレポリマー15部を均一に混合した混合物を、8%水溶性樹脂溶液100部中に0.5〜1.0μmの微小滴となるようにホモミキサーで乳化させる。
乳化後、更に6時間加温、攪拌を続けてマイクロカプセル懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して平均粒子径が1.0μmのマイクロカプセルaを得た。
インキ用着色樹脂粒状体の調製
スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸共重合体(モノマー比;70:20:10)55部、ポリスチレン5部、酸化チタン〔堺化学(株)製、商品名:タイトーンR−5N〕20部、マイクロカプセルa20部を混合し、130℃の熱ロールミルで溶融、混練した後、放冷して樹脂固形物を得た。
前記樹脂固形物を粉砕、分級して平均粒子径が5μmのインキ用着色樹脂粒状体Dを得た。
比較例1
インキ用着色樹脂粒状体の調製
パラトルエンスルホン酸アミド76部とホルムアルデヒド(35%)18部を150℃で2時間攪拌して反応させた後、ピンク色塩基性染料〔ローダミンB、C.I.45170〕2.5部、及び、ジグアナミンとホルムアルデヒドの縮合物33部を添加して150〜160℃で1時間攪拌した後、放冷して樹脂固形物を得た。
前記樹脂固形物を乾燥させた後、粉砕、分級して平均粒子径が4μmのインキ用着色樹脂粒状体A’を得た。
比較例2
インキ用着色樹脂粒状体の調製
パラトルエンスルホン酸アミド76部とホルムアルデヒド(35%)18部を150℃で2時間攪拌して反応させた後、黄色塩基性染料〔ベーシックフラビン、C.I.ベーシックイエロー1〕3部、及び、γ−2,4−ジアミノ−6−トリアジル−γメチル−ピロメグアナミンとホルムアルデヒドの縮合物33部を添加して150乃至160℃で1時間攪拌した後、放冷して樹脂固形物を得た。
前記樹脂固形物を乾燥させた後、粉砕、分級して平均粒子径が5μmのインキ用着色樹脂粒状体B’を得た。
比較例3
インキ用着色樹脂粒状体の調製
ベンゾグアナミン105部、パラトルエンスルホン酸アミド45部、ホルムアルデヒド(35%)120部、及び、炭酸ナトリウム水溶液(10%)0.45部を95℃で40分間攪拌して反応させた後、ピンク色塩基性染料〔ローダミンB、C.I.45170〕5部を添加して更に30分間攪拌する。
ついで、前記溶液を90℃に加温したクラレポバール水溶液(5%)600部中に添加して5000rpmで4分間攪拌して水中油滴型の懸濁液を得た。
攪拌を続けながら40℃迄冷却し、1N硫酸水溶液40部を添加した後、毎時間5℃づつ昇温度させて100℃まで加温する。
前記懸濁液から遠心分離により固形分を分離し、120℃で6時間乾燥させて平均粒子径が5μmのインキ用着色樹脂粒状体C’を得た。
比較例4
インキ用着色樹脂粒状体の調製
スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸共重合体(モノマー比;70:20:10)55部、ポリスチレン5部、酸化チタン〔堺化学(株)製、商品名:タイトーンR−5N〕20部を混合し、130℃の熱ロールミルで溶融、混練した後、放冷して樹脂固形物を得た。
前記樹脂固形物を粉砕、分級して平均粒子径が5μmのインキ用着色樹脂粒状体D’を得た。
前記実施例及び比較例で作製したインキ用着色樹脂粒状体、粘着性樹脂粒状体を用いて、以下の表の配合によりインキ組成物を作製した。
なお、組成の数値は重量部を示す。
Figure 2005132884
表中の原料の内容を注番号に沿って説明する。
(1)日光ケミカルズ(株)製、商品名:サルコシネートLN
(2)第一工業製薬(株)製、商品名:ハイテノールN−08
前記インキ組成物を、直径0.7mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンにそれぞれ充填し、更にその後端にインキ逆流防止体組成物を充填した後、遠心処理を施してボールペンを作製した。
前記のようにして得た各ボールペンを用いて以下の試験を行った。
経時試験
前記ボールペンを25℃で30日間放置した後、インキ収容管内の樹脂粒子の状態を目視により観察した。
筆記試験
前記25℃で30日間放置したボールペンを用いて、JIS P3201筆記用紙Aに筆記し、筆跡を目視により観察した。
その結果を以下に示す。
Figure 2005132884
尚、前記表中の判定基準は以下の通りである。
経時試験
○:樹脂粒状の沈降はみられず、ビヒクル中に分散している。
×:樹脂粒状が沈降して、ビヒクルと分離している。
筆記試験
○:良好な筆跡が得られる。
×:筆跡を形成できない。

Claims (5)

  1. 樹脂粒状体中に、着色剤と、内包物質を壁膜で被覆した比重が1以下のマイクロカプセルとを含んでなるインキ用着色樹脂粒状体。
  2. 前記内包物質は、比重が1以下の液状体である請求項1記載のインキ用着色樹脂粒状体。
  3. 前記着色樹脂粒状体の平均粒子径が1〜20μmである請求項1又は2記載のインキ用着色樹脂粒状体。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のインキ用着色樹脂粒状体をビヒクル中に分散してなる筆記具用インキ組成物。
  5. 粘着性樹脂粒状体を含んでなり、前記着色樹脂粒状体及び粘着性樹脂粒状体の粒子分布がいずれも2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる消しゴム消去性を有する請求項4記載の筆記具用インキ組成物。
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