JP4294551B2 - ボールペン - Google Patents

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Description

本発明はボールペン用水性インキ組成物の製造方法、それにより得られるボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン関する。更に詳細には、ボールペンに充填して用いる際、筆記先端部における目詰まりに起因するカスレや筆記不能の発生を抑えることのできるボールペン用水性インキ組成物の製造方法、それにより得られるボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペンに関する。
従来より、ボールペン用水性インキをインキ収容管内に直接収容し、該インキの後端にインキ逆流防止体を備えたボールペンが多数市場に出回っている。
前記ボールペンに充填されるインキ組成物は剪断減粘性付与剤を含有してなり、剪断応力が加わらない静置時は高粘度を示してボールペン機構内で安定的に保持され、筆記時のボールの回転により生じる剪断応力によってボール近傍で低粘度化して紙面に転写される機能を備えている。
前記剪断減粘性付与剤を用いたインキ組成物は従来より開示されているが、インキ中で存在している状態における粒子径は概ね10μm以上であり、比較的小さくても5μmを越えるものであり、しかも、その製造方法は水性媒体中に着色剤と剪断減粘性付与剤、所望により潤滑剤、防錆剤、防腐剤、樹脂といった各種添加剤を添加して調製されるため、当該方法により得られるインキ組成物を充填したボールペンはインキ流出性を必ずしも満足させるものでなく、小径のボールを抱持し、ボールとボール抱持部のクリアランスが小さなボールペンチップや、ボールが比較的大きくてもボールとボール抱持部のクリアランスが小さなボールペンチップを備えたボールペンに充填して実用に供する場合、前記ボールペンチップ内で剪断減粘性付与剤が目詰まりを生じてインキ出を損ない易くなり、カスレや筆記不能といった筆記性能の低下を生じることがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開昭59─74175号公報
本発明は前記問題を解決するものであって、即ち、永続して良好なインキ出を示す筆記性能に優れたボールペン用水性インキ組成物の製造方法、それにより得られるボールペン用水性インキ組成物、及び、それを充填した水性ボールペンを提供しようとするものである。
本発明は、少なくとも染料、水、多糖類を混合した後、濾過精度10μm以下の濾過工程を経て調製されるボールペン用水性インキ組成物を、ボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けたインキ収容管内に直接充填し、且つ、インキ組成物後端面にインキ逆流防止体を配設したボールペンであり、前記ボールペンチップは、ボール抱持部内でのボールの軸方向の移動可能距離が3〜15μmであり、前記ボールは直径が0.2mm以上、0.3mm未満であるボールペンを要件とする。
更に、少なくとも水、多糖類を混合し、濾過精度10μm以下の濾過工程を経た後、染料を添加して調製されるボールペン用水性インキ組成物を、ボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けたインキ収容管内に直接充填し、且つ、インキ組成物後端面にインキ逆流防止体を配設したボールペンであり、前記ボールペンチップは、ボール抱持部内でのボールの軸方向の移動可能距離が3〜15μmであり、前記ボールは直径が0.2mm以上、0.3mm未満であるボールペンを要件とする。
更に、前記多糖類がキサンタンガム又はサクシノグリカンであること、インキ中に含まれる多糖類が、全組成物中0.05〜1重量%であることを要件とする。
更には、前記ボールペンチップは、金属製のパイプ先端近傍を外面より内方に押圧変形させることによりボール受け座を形成する構成であることを要件とする。
本発明は、種々のボールペンチップを備えたボールペンに充填して実用に供してもカスレや筆記不能を生じることなく、永続して良好なインキ流出性を示す筆記性能に優れたボールペン用水性インキ組成物の製造方法、それにより得られるボールペン用水性インキ組成物とそれを内蔵したボールペンを提供できる。
本発明においては、ボールペン用水性インキ組成物の製造方法によりインキ中に含まれる多糖類を平均粒子径を5μm未満、好ましくは3μm未満、更に好ましくは1μm未満の粒子状態で存在させることを目的としたものであり、よって、前記方法により得られるインキはボールとボール抱持部のクリアランスを多糖類が通過し易く、インキ流出性を妨げることがないため、良好な筆跡形成性を発現できる。
前記インキ組成物の製造方法として具体的には、着色剤、水、多糖類を混合した後、濾過精度10μm以下の濾過処理を行なう方法、或いは、水、多糖類を混合し、濾過精度10μm以下の濾過処理を行った後、着色剤を添加して製造される。
なお、濾過処理前、或いは、濾過処理後に各種添加剤を添加することができる。
本発明においては、ボールペンチップ内で剪断減粘性付与剤として用いられる多糖類が目詰まりを生じてインキ出を損なうことを防止するために、インキ調製時に濾過精度10μm以下の濾過工程を導入することにより、粗大粒子で存在する多糖類を除去することによって、種々のボールペンチップを備えたボールペンに充填して実用に供してもカスレや筆記不能を生じることなく、永続して良好なインキ流出性を示す筆記性能に優れたボールペン用水性インキ組成物とそれを内蔵したボールペンが得られる。
前記濾過精度が10μm以下の濾過処理を行うことにより、粒子径10μm以上の粗大粒子を99%以上除去できる。
前記濾過には、自然濾過(連続式、回分式)、加圧濾過(連続式、回分式)、減圧濾過(連続式、回分式)、遠心濾過(連続式、回分式)等の方式があり、いずれの方式であってもよいが、加圧濾過は処理速度が速いため好適に用いられる。
また、濾過の種類としてはデプスフィルターやスクリーンフィルター等の濾材濾過や、ケイソウ土、セルロース、パーライト等の濾過助剤を使用した助剤濾過等が用いられ、いずれの種類を用いてもよいが、デプスフィルターを使用した濾過は、フィルター内部で粒子を捕捉する構造であって濾過効率に優れ、しかも、濾過精度が安定しているため好適である。
前記した濾過方式と濾過の種類から、デプスフィルターを用いて加圧濾過処理を行うことが濾過精度と生産効率の面からより好適である。
前記多糖類としては、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類を例示できるが、好ましくは平均粒子径を微小に調整し易いキサンタンガム又はサクシノグリカンが用いられる。
なお、前記サクシノグリカンとして具体的には、三晶(株)製、商品名:レオザンを例示でき、前記キサンタンガムとして具体的には、三晶(株)製、商品名:KELZAN、KELZAN S、KELZAN AR、KELZAN HP、大日本製薬(株)製、商品名:エコーガム、エコーガムGM、エコーガムF、エコーガムSF、ラポールガムEX、キサンタンガムG、伊那食品工業(株)製、商品名:ウルトラキサンタンV7を例示できる。
前記着色剤は、水性媒体に溶解もしくは分散可能な染料及び顔料が全て使用可能であり、その具体例を以下に例示する。
酸性染料としては、
ニューコクシン(C.I.16255)、
タートラジン(C.I.19140)、
アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、
ギニアグリーン(C.I.42085)、
ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、
アシッドバイオレット6BN(C.I.43525)、
ソルブルブルー(C.I.42755)、
ナフタレングリーン(C.I.44025)、
エオシン(C.I.45380)、
フロキシン(C.I.45410)、
エリスロシン(C.I.45430)、
ニグロシン(C.I.50420)、
アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、
クリソイジン(C.I.11270)、
メチルバイオレットFN(C.I.42535)、
クリスタルバイオレット(C.I.42555)、
マラカイトグリーン(C.I.42000)、
ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、
ローダミンB(C.I.45170)、
アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、
メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、
コンゴーレッド(C.I.22120)、
ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、
バイオレットBB(C.I.27905)、
ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、
カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、
ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、
フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
前記着色剤として染料を用いた場合、キャップを要しないノック式のボールペンに適用する系ではドライアップが顕著であり、耐ドライアップ性能は重要な要件となる。
前記顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤や樹脂を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3B〔品名:Sandye Super Blue GLL、顔料分24%、山陽色素株式会社製〕、
C.I. Pigment Red 146〔品名:Sandye Super Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕、
C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、
C.I.Pigment Red 220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株式会社製〕等を挙げることができる。
また、水溶性樹脂を用いた水分散顔料としては、
C.I.Pigment Black 7〔商品名:WA color Black A25 、顔料分15%、大日精化工業(株)製〕、
C.I.Pigment Green 7〔商品名:WA−S color Green、顔料分8%、大日精化工業(株)製〕、
C.I.Pigment Violet 23〔商品名:マイクロピグモ WMVT−5、顔料分20%、オリエント化学工業(株)製〕、
C.I.Pigment Yellow 83〔商品名:エマコールNSイエロー4618、顔料分30%、山陽色素(株)製〕が挙げられる。
蛍光顔料としては、各種蛍光染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。その他、金属光沢顔料、蓄光性顔料、二酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム等の白色顔料、可逆熱変色性組成物を内包したカプセル顔料、香料や香料を内包したカプセル顔料等を例示できる。
また、着色剤として顔料を用いた場合、必要に応じて顔料分散剤を添加できる。
前記顔料分散剤としてはアニオン、ノニオン等の界面活性剤、ポリアクリル酸、スチレンアクリル酸等のアニオン性高分子、PVP、PVA等の非イオン性高分子等が用いられる。
必要により水溶性有機溶剤を用いることもでき、前記水溶性有機溶剤としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオプレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
前記水溶性有機溶剤は1種又は2種以上を併用することもできる。
上記成分以外に、耐乾燥性を妨げない範疇でアルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルローズ誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等の水溶性樹脂を1種又は2種以上添加したり、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤を1種又は2種以上添加することもできる。
その他、必要に応じてpH調整剤、防錆剤、防腐剤或いは防黴剤、潤滑剤を添加することができる。
前記pH調整剤としては、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、トリエタノールアミンやジエタノールアミン等の水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等が挙げられる。
前記防錆剤としては、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、チオ硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、サポニン、ジアルキルチオ尿素等が挙げられる。
前記防腐剤或いは防黴剤としては、石炭酸、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等が挙げられる。
前記潤滑剤としては、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系活性剤、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩等が挙げられる。
その他、溶剤の浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノニオン、アニオン、カチオン系界面活性剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤を添加することもできる。
前記インキ組成物をインキ収容管内に直接充填し、且つ、インキ組成物後端面にインキ逆流防止体を配設するタイプのボールペンに用いる場合、インキ中に気体が混入していると、経時により気体が集まって気泡が発生し、筆記時のインキ出に悪影響を与えると共に、筆記先端部に気泡が存在すると筆記不能になる虞れがあるため、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、α−トコフェロール、カテキン、カテキン誘導体、合成ポリフェノール、コウジ酸、アルキルヒドロキシルアミン、オキシム誘導体、α−グルコシルルチン、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、亜硫酸塩、スルホキシル酸塩、亜ジチオン酸塩、チオ硫酸塩、二酸化チオ尿素、ホルムアミジンスルフィン酸、グルタチオン等を添加して化学的に気泡を除去することが好ましい。
なお、前記インキ組成物中には多糖類以外の粒状物を含有していてもよいが、前記粒状物の平均粒子径はインキ組成物中で5μm未満、好ましくは3μm未満、より好ましくは1μm未満の状態で存在させることが好ましい。
前記製造方法によって調製されたインキ組成物は、ボールペンチップを筆記先端部に装着したボールペンに充填して使用される。
次に、ボールペンの構造について説明する(図1〜6参照)。
ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではないが、例えば、インキ組成物5を充填したインキ収容管4を有し、該インキ収容管4はボール2を先端部に抱持したボールペンチップに連通しており、さらにインキ組成物4の端面にはインキ逆流防止体組成物6が密接しているボールペン1を例示できる。
ボールペンチップの構造は、従来より汎用の機構が有効であり、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させて、ボール抱持部3にボール2を抱持して、中心孔31とインキ導出孔32とボール受け座33を備えたチップ先端部を一体形成させた機構(図2、3参照)、金属材料のドリル等による切削加工により、チップ部を形成して、ボール抱持部3にボール2を抱持して、中心孔31と放射状のインキ導出孔32とボール受け座33を配する機構(図4、5参照)、バネ体によりボールを前方に付勢させた機構(図6参照)、或いは、金属又はプラスチック製チップ内部に樹脂製のボール受け座を設けた機構を例示できる。
前記ボールペンチップについて更に詳しく説明すると、軸方向の移動可能距離(A)が3〜15μm、好ましくは3〜13μm、更に好ましくは4〜11μmを満たすものを用いる。
軸方向のボール外径に対するボールの移動可能距離が前記範囲から外れると本発明に用いられるインキ組成物の適度なインキ流出量を制御し難く、筆跡がかすれたり、或いは、必要以上にインキが流出して筆記面に過剰のインキが付着して良好な筆跡を形成し難くなる。
なお、径方向の移動可能距離(B−C)は、3〜20μmであることが好ましい。
前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等の0.2〜3.0mm径程度のものが適用できるが、好ましくは0.2〜0.4mm、より好ましくは0.2〜0.3mmのものが用いられる。
前記インキ組成物を収容するインキ収容管は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる成形体が用いられる。
更に、前記インキ収容管として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を確認できる。
前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接続部材(ホルダー)を介して前記インキ収容管とチップを連結してもよい。
尚、前記インキ収容管はレフィルの形態として、前記レフィルを軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
前記インキ収容管に収容したインキ組成物の後端に充填するインキ逆流防止体について説明する。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体には、ゲル化剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物を例示できる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体組成物と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
以下に実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお,表中の組成の数値は重量部を示す。
以下の表にインキ組成1乃至5を示す。
Figure 0004294551
表中の原料の内容について注番号に沿って説明する。
(1)オリエント化学工業(株)製、商品名:ウォーターブラック100L、有効成分20%
(2)アイゼン保土谷(株)製、C.I.45410、商品名:フロキシン
(3)住友化学工業(株)製、C.I.42655、商品名:アシッドブルーPG
(4)カーボンブラック(DBP吸油量56)10部、N−ピロリドンと1−ブテンの共重合体15部、水75部をビーズミルで5時間混合した顔料分散液
(5)富士色素(株)製、商品名:富士SPブルー625(銅フタロシアニンブルー27.5%、ジエチレングリコール8%、アニオン性界面活性剤4%)
(6)三晶(株)製、商品名:KELZAN HP
(7)大日本製薬(株)製、商品名:エコーガムF
(8)三晶(株)、商品名:レオザン
(9)大日本製薬(株)製、商品名:エコーガム
(10)伊那食品工業(株)製、商品名:ウルトラキサンタンV7
(11)1,2−ベンズチアゾリン−3−オン、アビシア(株)製、商品名:プロキセルXL−2
(12)リン酸エステル系界面活性剤、第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL
実施例1
インキ組成物の製造方法
インキ組成1の配合について、溶剤中に着色剤、多糖類、添加剤を加えて、4インチディスパーにて2000rpmで2時間攪拌した後、濾過処理を行った。
実施例2〜4
インキ組成物の製造方法
インキ組成2〜4の各配合について、実施例1と同様にしてインキ組成物を調製した。
実施例5
インキ組成物の製造方法
インキ組成5の配合について、溶剤中に多糖類、添加剤を加えて、4インチディスパーにて2000rpmで2時間攪拌した後、濾過処理を行ない、更に、着色剤を添加して攪拌し、インキ組成物を調製した。
各実施例に用いた濾過材と濾過精度について以下の表に示す。
Figure 0004294551
比較例1
インキ組成物の製造方法
インキ組成1の配合について、溶剤中に着色剤、多糖類、添加剤を加えて、4インチディスパーにて2000rpmで2時間攪拌してインキ組成物を調製した。
比較例2
インキ組成物の製造方法
インキ組成2の配合について、溶剤中に着色剤、多糖類、添加剤を加えて、4インチディスパーにて2000rpmで2時間攪拌してインキ組成物を調製した。
比較例3、4
インキ組成物の製造方法
インキ組成3、4の各配合について、溶剤中に着色剤、多糖類、添加剤を加えて、4インチディスパーにて2000rpmで2時間攪拌した後、濾過処理を行った。
比較例5
インキ組成物の製造方法
インキ組成5の配合について、溶剤中に多糖類、添加剤を加えて、4インチディスパーにて2000rpmで2時間攪拌した後、濾過処理を行ない、更に、着色剤を添加して攪拌し、インキ組成物を調製した。
各比較例に用いた濾過材と濾過精度について以下の表に示す。
Figure 0004294551
インキ逆流防止体の調製
基油としてポリブテン85部中に、増粘剤として脂肪酸アマイド15部を添加した後、3本ロールにて混練してインキ逆流防止体を得た。
水性ボールペンの作製
前記のようにして得られた各インキ組成物を直径0.25mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプ(内径3.8mm)の一端に嵌着されたボールペンレフィルに充填し、その後端に前記インキ逆流防止体を配設した後、前記ボールペンレフィルを軸筒に組み込み、水性ボールペンを作製した。
なお、前記ボールペンチップのボールの軸方向の移動可能距離は7μmであった。
前記各水性ボールペンにより以下のテストを行った。
筆記試験
自動筆記試験機にて筆記を行ない、筆跡の状態及びインキを最後まで消費できたかを調べた。
なお、自動筆記試験機での筆記条件は、筆記速度4m/分、筆記荷重50g、筆記角度70°である。
筆記試験結果を以下の表に示す。
Figure 0004294551
尚、テスト結果の評価の記号の内容は以下のとおり。
◎:良好な筆跡を維持したままインキを最後まで消費することができた。
○:筆跡にやや薄いところがみられたが、インキを最後まで消費することができた。
△:筆跡にカスレがみられた(インキは最後まで消費することができた)。
×:途中で筆記できなくなり、インキを最後まで消費できなかった。
本発明水性ボールペンの一実施例の説明図である。 図1の水性ボールペンのボールペンチップ部の縦断面説明図である。 図2の水性ボールペンのX−X線断面図である。 本発明水性ボールペンのボールペンチップ部の他の例の縦断説明図である。 図5の水性ボールペンのY−Y線断面図である。 本発明水性ボールペンのボールペンチップ部の他の例の縦断説明図である。
符号の説明
1 ボールペン
2 ボール
3 ボール収容部
31 中心孔
32 導出孔
33 ボール受け座
4 インキ収容管
5 インキ組成物
6 インキ追従体
A 軸方向のボール移動距離
B チップ内径
C ボール外径

Claims (5)

  1. 少なくとも染料、水、多糖類を混合した後、濾過精度10μm以下の濾過工程を経て調製されるボールペン用水性インキ組成物を、ボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けたインキ収容管内に直接充填し、且つ、インキ組成物後端面にインキ逆流防止体を配設したボールペンであり、前記ボールペンチップは、ボール抱持部内でのボールの軸方向の移動可能距離が3〜15μmであり、前記ボールは直径が0.2mm以上、0.3mm未満であるボールペン。
  2. 少なくとも水、多糖類を混合し、濾過精度10μm以下の濾過工程を経た後、染料を添加して調製されるボールペン用水性インキ組成物を、ボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けたインキ収容管内に直接充填し、且つ、インキ組成物後端面にインキ逆流防止体を配設したボールペンであり、前記ボールペンチップは、ボール抱持部内でのボールの軸方向の移動可能距離が3〜15μmであり、前記ボールは直径が0.2mm以上、0.3mm未満であるボールペン。
  3. 前記多糖類がキサンタンガム又はサクシノグリカンである請求項1又は2記載のボールペン。
  4. インキ中に含まれる多糖類が、全組成物中0.05〜1重量%である請求項1乃至3のいずれかに記載のボールペン。
  5. 前記ボールペンチップは、金属製のパイプ先端近傍を外面より内方に押圧変形させることによりボール受け座を形成する構成である請求項1乃至4のいずれかに記載のボールペン。
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