JP5179141B2 - 出没式ボールペン - Google Patents

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Description

本発明は出没式ボールペンに関する。更に詳細には、インキ粘度が低い場合であっても垂れ下がりを抑制できる出没式ボールペンに関する。
従来、ボールペン用水性インキをインキ収容管に直接内蔵し、該インキの後端にインキ逆流防止体を備えたボールペンレフィルを軸筒に収容した出没式ボールペンが多数市場に出回っている。
前記出没式ボールペンにおいては、収容されるインキが比較的高粘度である場合、ペン先からのインキの垂れ下がりをある程度抑制できるものの、筆記感が重くなったり、筆跡に線割れを生じる等、筆記性能を悪化する虞がある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記筆記性能を満足するために低粘度のインキを用いた場合、筆記時に紙繊維等がボールと小口の間に挟みこんだり、落下等によりチップ先端が傷付いたり変形することで、インキ流通路が広がってインキの垂れ下がりやボタ落ちを生じることがある。
特開2004−217729号公報
本発明はキャップを要しない構成のボールペンに適用されるインキ組成物の問題点を解消するものであって、即ち、使用時や保管時にペン先のインキ流通路が広がってしまった場合であっても、インキの垂れ下がりを抑制することができる、筆記性能に優れた水性インキ組成物を内蔵した出没式ボールペンを提供することにある。
本発明は、ボールを抱持したボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けたインキ収容管からなるボールペンレフィル内に水性インキ組成物を内蔵し、且つ、インキ組成物後端面にインキ逆流防止体を配設してなり、出没機構の作動によって前記ボールペンレフィルのボールペンチップが軸筒前端開口部から出没する出没式ボールペンであって、前記水性インキ組成物が、着色剤と、水と、水溶性有機溶剤と、粒子径が5〜30μmのカラギーナン粒状物とから少なくともなり、前記ボールペンチップは、ボールの後端を前方に弾発する弾発部材を配してなり、非筆記時にはチップ先端の内縁にボールを押圧させて密接状態とし、筆記時には筆圧によりボールを後退させてインキを流出可能に構成してなり、前記ボールの軸方向の可動距離は10〜30μmの範囲であり、前記ボールの外径が0.2〜1.5mmの範囲である出没式ボールペンを要件とする。
更に、前記インキ組成物の粘度が、20℃、100rpmにおいて1〜20mPa・sの範囲にあることを要件とする。
本発明は、ペン先のインキ流通路が不用意に広がってしまった場合であっても、インキの垂れ下がりやボタ落ちを抑制することができると共に、安定して良好な筆跡が得られる筆記性能に優れた水性インキ組成物を内蔵した出没式ボールペンを提供できるものである。
本発明に用いられるカラギーナン粒状物は、通常液中で高粘度流体であるλ−カラギーナンやι−カラギーナンに塩等のイオン性物質を作用することで粒子化させたものである。
前記カラギーナン粒状物としては、粒子径が5〜30μm、好ましくは10〜20μmの範囲で用いられる。
前記粒子径のカラギーナン粒状物をインキ中に添加することにより、異物がボールと小口の間に挟みこんだり、落下等によりチップ先端が傷付いて変形することでインキ流通路が広がった場合であっても、前記カラギーナン粒状物がインキ流通路を塞いでインキの垂れ下がりやボタ落ちを抑制することが可能となる。尚、前記カラギーナン粒状物は柔軟性に富むため、通常の筆記時にはボールの回転により伸長・変形を繰り返すことにより、筆記性能に対して悪い影響を及ぼすことなく使用できる。
前記カラギーナン粒状物の粒子径が5μm未満である場合、変形したインキ流通路を塞ぎ難くなるため、インキの垂れ下がりが生じ易くなり、粒子径が30μmを超える場合、インキ流通路から流出し難くなるため、筆記時に筆跡カスレ等を生じ易くなる。
前記カラギーナン粒状物はインキ組成物全量に対して0.1〜1.0重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%の範囲で配合される。0.1重量%未満では垂れ下がり防止効果が得られ難く、1.0重量%を越えるとインキの粘度が上昇してボテ等を生じる虞がある。
前記着色剤としては、水性媒体に溶解もしくは分散可能な染料及び顔料がすべて使用可能であり、その具体例を以下に例示する。
前記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができる。
酸性染料としては、ニューコクシン(C.I.16255)、タートラジン(C.I.19140)、アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッドバイオレット6B(C.I.42640)、ソルブルブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン(C.I.44025)、エオシン(C.I.45380)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、コンゴーレッド(C.I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、バイオレットBB(C.I.27905)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
前記顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤等を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、
C.I.Pigment Blue 15:3B〔品名:S.S.Blue GLL、顔料分22%、山陽色素株式会社製〕、
C.I. Pigment Red 146〔品名:S.S.Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕、
C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、
C.I.Pigment Red220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株式会社製〕等を挙げることができる。
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
その他、パール顔料、金色、銀色のメタリック顔料、蓄光性顔料、修正ペン等に用いられる二酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉、香料又は香料カプセル顔料などを例示できる。
尚、顔料を用いる場合、必要に応じて顔料分散剤を添加できる。
前記顔料分散剤としてはアニオン、ノニオン等の界面活性剤、ポリアクリル酸、スチレンアクリル酸等のアニオン性高分子、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の非イオン性高分子等が用いられる。
前記着色剤は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成中0.01乃至15重量%、好ましくは0.1乃至10重量%の範囲で用いられる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオプレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用することもできる。
前記成分以外に、耐乾燥性を妨げない範疇でアルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、λ−カラジーナン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩等の水溶性高分子を一種又は二種以上添加することができる。
その他、必要に応じてpH調整剤、防錆剤、防腐剤或いは防黴剤、潤滑剤、湿潤剤を添加することができる。
前記pH調整剤としては、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、トリエタノールアミンやジエタノールアミン等の水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等が挙げられる。
前記防錆剤としては、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、チオ硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、サポニン、ジアルキルチオ尿素等が挙げられる。
前記防腐剤或いは防黴剤としては、石炭酸、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等が挙げられる。
前記潤滑剤としては、オレイン酸等の高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐酸トリエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。
前記湿潤剤としては、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等が挙げられる。
その他、溶剤の浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン、アニオン、カチオン系界面活性剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤を添加することもできる。
前記インキ組成物をインキ収容管内に内蔵し、且つ、インキ組成物後端面にインキ逆流防止体を配設するタイプのボールペンに用いる場合、インキ中に気体が混入していると、経時により気体が集まって気泡が発生し、筆記時のインキ出に悪影響を与えると共に、筆記先端部に気泡が存在すると筆記不能になる虞があるため、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、エリソルビン酸、エルソルビン酸誘導体、α−トコフェロール、カテキン、カテキン誘導体、合成ポリフェノール、コウジ酸、アルキルヒドロキシルアミン、オキシム誘導体、α−グルコシルルチン、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、亜硫酸塩、スルホキシル酸塩、亜ジチオン酸塩、チオ硫酸塩、二酸化チオ尿素、ホルムアミジンスルフィン酸、グルタチオン等を添加して化学的に気泡を除去することが好ましい。
本発明の水性インキ組成物には、所望により剪断減粘性付与剤、例えば、水に可溶乃至分散性の、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類等を例示でき、単独或いは混合して使用することもできる。
更に、N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を用いることもできる。
インキの剪断減粘性とは静止状態あるいは応力の低い時は高粘度で流動し難い性質を有し、応力が増大すると低粘度化して良流動性を示すレオロジー特性を言うものであり、チクソトロピー性あるいは擬似可塑性とも呼ばれる液性を意味している。
本発明のインキの粘度としては、20℃での測定値が、1〜20mPa・sの範囲にあるものが好適である。
前記粘度が20mPa・sを超えると、筆記によるインキの追従性を満足させ難く、特に高速で筆記した際の筆跡にかすれを生じ易くなる。
前記した粘度を満たすことにより、垂れ下がりと耐乾燥性を満足させる他、筆記性能、即ち、筆記感、初期書き出し、筆跡の乾燥性や良好な筆跡の形成を満足させることができる。
また、インキの粘性特性として、剪断減粘指数〔粘度計による剪断応力値(T)及び剪断速度(j)値の流動学的測定により導かれる、実験式(T=Kj:但し、Kは計算された定数である)を適用して計算されるn値〕が、0.4〜0.9の範囲、好ましくは0.5〜0.8の範囲のインキにおいて、前記粒状物はより有効に作用する。
本発明の水性インキ組成物を収容する出没式ボールペンの構造、形状は特に限定されるものではなく、ボールペンレフィルに設けられた筆記先端部が外気に晒された状態で軸筒内に収納されており、出没機構の作動によって軸筒開口部から筆記先端部が突出する構造である。
出没機構の操作方法としては、例えば、ノック式、回転式、スライド式等が挙げられる。
前記ノック式は、軸筒後端部や軸筒側面にノック部を有し、該ノック部の押圧により、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に設けたクリップ部を押圧することにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記回転式は、軸筒後部に回転部を有し、該回転部を回すことによりボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記スライド式は、軸筒側面にスライド部を有し、該スライドを操作することによりボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に
設けたクリップ部をスライドさせることにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記出没式ボールペンは軸筒内に複数のボールペンレフィルを収容してなる複合式のボールペンであってもよい。
なお、前記ボールペンレフィルを構成するインキ収容管は樹脂製であってもよいし、金属製であってもよい。
前記ボールペンチップは、例えば、金属を切削加工して内部にボール受け座とインキ導出部を形成したもの、金属製パイプの先端近傍の内面に複数の内方突出部を外面からの押圧変形により設け、前記内方突出部の相互間に、中心部から径方向外方に放射状に延びるインキ流出間隙を形成したもの等を適用でき、特に押圧変形によるチップは、ボール後端との接触面積が比較的小であり、低筆記圧でのスムーズな筆記感を与えることができる。
前記ボールペンチップに抱持されるボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等の外径0.1〜2.0mm、好ましくは0.2〜1.5mm、より好ましくは0.3〜1.0mmのボールが有効であり、前記チップのボール抱持部の内径とボールとの径方向の可動距離は10〜50μm、ボールの軸方向の可動距離は10〜30μmの範囲であることが好ましい。
尚、前記ボールペンチップには、チップ内にボールの後端を前方に弾発する弾発部材を配して、非筆記時にはチップ先端の内縁にボールを押圧させて密接状態とし、筆記時には筆圧によりボールを後退させてインキを流出可能に構成することもでき、不使用時のインキ漏れを抑制できる。
前記弾発部材は、金属細線のスプリング、前記スプリングの一端にストレート部(ロッド部)を備えたもの、線状プラスチック加工体等を例示でき、10〜40gの弾発力により、押圧可能に構成して適用される。
前記ボールペンレフィルに収容したインキの後端にはインキ逆流防止体を充填することもできる。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体には、ゲル化剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物を例示できる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体組成物と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
以下に実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の表に実施例及び比較例の水性インキの組成、粘度、剪断減粘指数を示す。尚、表中の組成の数値は重量部を示す。
各実施例、比較例のインキ粘度は、20℃でEMD型回転粘度計〔東京計器(株)製〕を用いて、100rpmで測定した。
Figure 0005179141
表中の原料の内容について注番号に沿って説明する。
(1)オリエント化学工業(株)製、C.I.50420、商品名:ウォーターブラックR510
(2)保土ヶ谷化学工業(株)製、C.I.Acid red 87、商品名:エオシン
(3)アイゼン保土谷(株)製、C.I.45410、商品名:フロキシン
(4)住友化学工業(株)製、C.I.42655、商品名:アシッドブルーPG
(5)山陽色素(株)製、C.I.Pigment Blue 15:3B、商品名:SS BLUE GLL(顔料分:24%)
(6)ι−カラギーナン10部と塩化ナトリウム12.5部を液中で混合、攪拌し、濾過することにより得られる粒子径10〜20μmの粒状物。
(7)λ−カラギーナン10部と塩化ナトリウム25部を液中で混合、攪拌し、濾過することにより得られる粒子径5〜15μmの粒状物。
(8)ι−カラギーナン10部と塩化ナトリウム5部を液中で混合、攪拌し、濾過することにより得られる粒子径1〜4.5μmの粒状物。
(9)λ−カラギーナン10部と塩化ナトリウム10部を液中で混合、攪拌し、濾過することにより得られる粒子径1〜4.5μmの粒状物。
(10)第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルリン酸モノエステル及びジエステル混合物
(11)1,2−ベンズチアゾリン−3−オン、アビシア(株)製、商品名:プロキセルXL−2
インキの調製
各実施例、比較例に記載された原料を混合して室温でディスパーにて攪拌した後、濾過することによりインキを作製した。
ボールペンレフィルの作製
ボールペンレフィルは、先端部に直径0.7mmのボールを回転可能に抱持したボールペンチップ(ボールを前方に弾発するボール押しバネを収容する)と、該ボールペンチップが前部に固着された接続部材と、該接続部材が先端開口部に固着され、且つ、内部にインキ及びインキ逆流防止体が収容されたインキ収容管と、該インキ収容管の後端開口部に固着された尾栓からなる。尚、前記インキ逆流防止体は、基油としてポリブテン、増粘剤として脂肪酸アマイドを用いて混練したインキ逆流防止体である。
ボールペンの作製
ボールペンは、軸筒の後部外面にクリップを形成するとともに、軸筒の内部に、前記各ボールペンレフィルがバネ(コイルスプリング)により後方付勢状態で収容され、軸筒の後端部(ノック操作部)を前方へノック操作することにより、軸筒の先端孔よりボールペンチップが外部に突出するものである。
前記各ボールペンにより以下の試験を行った。
垂れ下がり試験A
各ボールペンを用いて、ボールペンチップを軸筒から露出させてチップを下向きで保持し、温度20℃、相対湿度90%の雰囲気下に20時間放置した後、チップ先端の外観を目視で観察した。
垂れ下がり試験B
各ボールペンのボールペンチップ先端に小傷を付けた後、温度20℃、相対湿度60%の雰囲気下に20時間放置し、チップ先端の外観を目視で観察した。
筆記試験
各ボールペンを用いてJIS P3201筆記用紙Aに手書きで直線を筆記し、筆跡の状態を目視により観察した。
試験結果を以下の表に示す。
Figure 0005179141
尚、テスト結果の評価の記号の内容は以下のとおり。
垂れ下がり試験A、B
○:インキの漏れだし(垂れ下がり)が認められない。
×:チップ先端にインキ滴が認められる。
筆記試験
○:一定の濃度及び線幅の筆跡が得られる。
×:筆跡にカスレが生じる。

Claims (2)

  1. ボールを抱持したボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けたインキ収容管からなるボールペンレフィル内に水性インキ組成物を内蔵し、且つ、インキ組成物後端面にインキ逆流防止体を配設してなり、出没機構の作動によって前記ボールペンレフィルのボールペンチップが軸筒前端開口部から出没する出没式ボールペンであって、
    前記水性インキ組成物が、着色剤と、水と、水溶性有機溶剤と、粒子径が5〜30μmのカラギーナン粒状物とから少なくともなり、
    前記ボールペンチップは、ボールの後端を前方に弾発する弾発部材を配してなり、非筆記時にはチップ先端の内縁にボールを押圧させて密接状態とし、筆記時には筆圧によりボールを後退させてインキを流出可能に構成してなり、前記ボールの軸方向の可動距離は10〜30μmの範囲であり、前記ボールの外径が0.2〜1.5mmの範囲である出没式ボールペン。
  2. 前記インキ組成物の粘度が、20℃、100rpmにおいて1〜20mPa・sの範囲にある請求項1記載の出没式ボールペン
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