JP2005307165A - ボールペン用水性インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペン - Google Patents

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Abstract

【課題】 種々のボールペンチップを備えたボールペンに充填して実用に供してもカスレや筆記不能を生じることなく、永続して良好なインキ流出性を示す筆記性能に優れたボールペン用水性インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペンを提供する。
【解決手段】 着色剤と、水と、水溶性有機溶剤と、剪断減粘性付与剤として多糖類とからなるボールペン用水性インキ組成物において、前記多糖類がインキ中で平均粒子径5μm未満の粒子状態で存在してなるボールペン用水性インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペン。
【選択図】 なし

Description

本発明はボールペン用水性インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペンに関する。更に詳細には、筆記先端部における目詰まりに起因するカスレや筆記不能の発生を抑えたボールペン用水性インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペンに関する。
従来より、ボールペン用水性インキをインキ収容管内に直接収容し、該インキの後端にインキ逆流防止体を備えた水性ボールペンが多数市場に出回っている。
前記水性ボールペンに充填されるインキ組成物は剪断減粘性付与剤を含有してなり、剪断応力が加わらない静置時は高粘度を示してボールペン機構内で安定的に保持され、筆記時のボールの回転により生じる剪断応力によってボール近傍で低粘度化して紙面に転写される機能を備えている。
前記剪断減粘性付与剤として多糖類を用いたインキ組成物が従来より開示されているが、該多糖類がインキ中で存在している状態における粒子径は概ね10μm以上であり、比較的小さくても5μmを越えるものである。
よって、前記従来のインキ組成物を充填した水性ボールペンはインキ流出性を必ずしも満足させるものでなく、小径のボールを抱持し、ボールとボール抱持部のクリアランスが小さなボールペンチップや、ボールが比較的大きくてもボールとボール抱持部のクリアランスが小さなボールペンチップを備えた水性ボールペンに充填して実用に供する場合、前記ボールペンチップ内で剪断減粘性付与剤が目詰まりを生じてインキ出を損ない易くなり、カスレや筆記不能といった筆記性能の低下を生じることがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開昭59−74175号公報
本発明は前記問題を解決するものであって、即ち、永続して良好なインキ出を示す筆記性能に優れたボールペン用水性インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペンを提供しようとするものである。
本発明は、少なくとも着色剤と、水と、水溶性有機溶剤と、剪断減粘性付与剤として多糖類とからなるボールペン用水性インキ組成物において、前記多糖類がインキ中で平均粒子径5μm未満の粒子状態で存在してなるボールペン用水性インキ組成物を要件とする。
更には、前記ボールペン用水性インキ組成物を、ボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けたインキ収容管内に直接充填したボールペンレフィルを軸筒内に収容した水性ボールペン、前記ボールペン用水性インキ組成物を、ボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けた軸筒内に直接充填した水性ボールペン、前記ボールペン用水性インキ組成物を、ボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けたインキ収容管内に直接充填したボールペンレフィルを軸筒内に収容してなり、出没機構の作動によって、ボールペンレフィルの筆記先端部が軸筒前端開口部から出没するキャップレス式水性ボールペン等を要件とする。
本発明は、種々のボールペンチップを備えたボールペンに充填して実用に供してもカスレや筆記不能を生じることなく、永続して良好なインキ流出性を示す筆記性能に優れたボールペン用水性インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペンを提供できる。
本発明に用いられる多糖類は、インキ中で平均粒子径が5μm未満、好ましくは3μm未満、更に好ましくは1μm未満の粒子状態で存在する。従って、ボールとボール抱持部のクリアランスを多糖類が通過し易く、インキ流出性を妨げることがないため、良好な筆跡形成性を発現できる。
前記多糖類としては、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、λ−カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類を例示できるが、好ましくは平均粒子径を微小に調整し易いキサンタンガム又はサクシノグリカンが用いられる。
なお、前記キサンタンガムとして具体的には、三晶(株)製、商品名:KELZAN T、KELZAN ST、KELZAN ASX、大日本製薬(株)製、商品名:エコーガムRD、エコーガムBT、ラポールガムEX、伊那食品工業(株)製、商品名:ウルトラキサンタンV7−T、中央化成(株)製、商品名:NEWGEKIN GXR、NEWGEKIN GXTを例示できる。
前記着色剤は、水性媒体に溶解もしくは分散可能な染料及び顔料が全て使用可能であり、その具体例を以下に例示する。
酸性染料としては、
ニューコクシン(C.I.16255)、
タートラジン(C.I.19140)、
アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、
ギニアグリーン(C.I.42085)、
ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、
アシッドバイオレット6BN(C.I.43525)、
ソルブルブルー(C.I.42755)、
ナフタレングリーン(C.I.44025)、
エオシン(C.I.45380)、
フロキシン(C.I.45410)、
エリスロシン(C.I.45430)、
ニグロシン(C.I.50420)、
アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、
クリソイジン(C.I.11270)、
メチルバイオレットFN(C.I.42535)、
クリスタルバイオレット(C.I.42555)、
マラカイトグリーン(C.I.42000)、
ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、
ローダミンB(C.I.45170)、
アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、
メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、
コンゴーレッド(C.I.22120)、
ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、
バイオレットBB(C.I.27905)、
ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、
カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、
ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、
フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
前記着色剤として染料を用いた場合、キャップを要しないノック式のボールペンに適用する系ではドライアップが顕著であり、耐ドライアップ性能は重要な要件となる。
前記顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤や樹脂を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3B〔品名:Sandye Super Blue GLL、顔料分24%、山陽色素株式会社製〕、
C.I. Pigment Red 146〔品名:Sandye Super Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕、
C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、
C.I.Pigment Red 220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株式会社製〕等を挙げることができる。
また、水溶性樹脂を用いた水分散顔料としては、
C.I.Pigment Black 7〔商品名:WA color Black A25 、顔料分15%、大日精化工業(株)製〕、
C.I.Pigment Green 7〔商品名:WA−S color Green、顔料分8%、大日精化工業(株)製〕、
C.I.Pigment Violet 23〔商品名:マイクロピグモ WMVT−5、顔料分20%、オリエント化学工業(株)製〕、
C.I.Pigment Yellow 83〔商品名:エマコールNSイエロー4618、顔料分30%、山陽色素(株)製〕が挙げられる。
蛍光顔料としては、各種蛍光染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。その他、金属光沢顔料、蓄光性顔料、二酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム等の白色顔料、可逆熱変色性組成物を内包したカプセル顔料、香料や香料を内包したカプセル顔料等を例示できる。
前記金属光沢顔料としては、アルミニウムや真鍮等の金属粉、芯物質として天然雲母、合成雲母、ガラス片、アルミナ、透明性フィルム片の表面を酸化チタン等の金属酸化物で被覆したパール顔料、金属蒸着膜の片面又は両面に透明又は着色透明フィルムを設けた金属光沢フィルム片を細かく裁断したもの、透明性樹脂層を複数積層した虹彩性フィルムを細かく裁断したものを例示できる。
なお、前記アルミニウムや真鍮等の金属粉を用いる場合、前記金属粉の表面を透明性樹脂や着色透明性樹脂で被覆したものが好適に用いられ、インキ組成物中での安定性に優れる。
また、着色剤として顔料を用いた場合、必要に応じて顔料分散剤を添加できる。
前記顔料分散剤としてはアニオン、ノニオン等の界面活性剤、ポリアクリル酸、スチレンアクリル酸等のアニオン性高分子、PVP、PVA等の非イオン性高分子等が用いられる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオプレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
前記水溶性有機溶剤は1種又は2種以上を併用することもできる。
上記成分以外に、耐乾燥性を妨げない範疇でアルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等の水溶性樹脂を1種又は2種以上添加したり、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤を1種又は2種以上添加することもできる。
その他、必要に応じてpH調整剤、防錆剤、防腐剤或いは防黴剤、潤滑剤を添加することができる。
前記pH調整剤としては、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、トリエタノールアミンやジエタノールアミン等の水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等が挙げられる。
前記防錆剤としては、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、チオ硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、サポニン、ジアルキルチオ尿素等が挙げられる。
前記防腐剤或いは防黴剤としては、石炭酸、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等が挙げられる。
前記潤滑剤としては、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系活性剤、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩等が挙げられる。
その他、溶剤の浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン、アニオン、カチオン系界面活性剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤を添加することもできる。
なお、前記インキ組成物を出没機構の作動によって、ボールペンレフィルの筆記先端部が軸筒前端開口部から出没するキャップレス式水性ボールペンに適用する場合、筆記先端部からインキ中の水分が蒸発しても筆跡のかすれるといった不具合を生じることなく、初期及び経時後の書き出しを良好なものとするためにN−ビニル−2−ピロリドンのオリゴマー、N−ビニル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン等の蒸発抑制剤を添加することが好ましい。
前記増粘抑制剤はインキ組成物中に5乃至40重量%、好ましくは5乃至25重量%、より好ましくは10乃至20重量%添加される。
なお、前記増粘抑制剤として好適にはN−ビニル−2−ピロリドンのオリゴマーが用いられ、重合度(n)は2〜20、好ましくは2〜10、更に好ましくは2〜6のものが用いられる。
前記インキ組成物をインキ収容管内に直接充填し、且つ、インキ組成物後端面にインキ逆流防止体を配設するタイプのボールペンに用いる場合、インキ中に気体が混入していると、経時により気体が集まって気泡が発生し、筆記時のインキ出に悪影響を与えると共に、筆記先端部に気泡が存在すると筆記不能になる虞れがあるため、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、α−トコフェロール、カテキン、カテキン誘導体、合成ポリフェノール、コウジ酸、アルキルヒドロキシルアミン、オキシム誘導体、α−グルコシルルチン、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、亜硫酸塩、スルホキシル酸塩、亜ジチオン酸塩、チオ硫酸塩、二酸化チオ尿素、ホルムアミジンスルフィン酸、グルタチオン等を添加して化学的に気泡を除去することが好ましい。
なお、前記インキ組成物中には多糖類以外の粒状物を含有していてもよいが、前記粒状物の平均粒子径はインキ組成物中で5μm未満、好ましくは3μm未満、より好ましくは1μm未満の状態で存在していることが好ましい。
前記インキ組成物は、ボールペンチップを筆記先端部に装着したボールペンに充填して使用される。
次に、ボールペンの構造について説明する(図1〜6参照)。
ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではないが、例えば、インキ組成物5を充填したインキ収容管4を有し、該インキ収容管4はボール2を先端部に抱持したボールペンチップに連通しており、さらにインキ組成物4の端面にはインキ逆流防止体組成物6が密接しているボールペンレフィル1を軸筒内に収容したボールペンを例示できる。
更に、インキ組成物を充填した軸筒を有し、該軸筒はボールを先端部に抱持したボールペンチップに連通しており、さらにインキ組成物の端面にはインキ逆流防止体組成物が密接しているボールペンであってもよい。
前記した構造のボールペンはキャップを備えることが好ましい。
更には、ボールペンレフィルに設けられた筆記先端部(ボールペンチップ)が外気に晒された状態で軸筒内に収納されており、出没機構の作動によって軸筒開口部から筆記先端部が突出する構造のキャップレス式ボールペンであってもよい。
出没機構の操作方法としては、例えば、ノック式、回転式、スライド式等が挙げられる。
前記ノック式は、軸筒後端部や軸筒側面にノック部を有し、該ノック部の押圧により、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に設けたクリップ部を押圧にすることにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記回転式は、軸筒後部に回転部を有し、該回転部を回すことによりボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記スライド式は、軸筒側面にスライド部を有し、該スライドを操作することによりボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に
設けたクリップ部をスライドさせることにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
ボールペンチップの構造は、従来より汎用の機構が有効であり、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させて、ボール抱持部3にボール2を抱持して、中心孔31とインキ導出孔32とボール受け座33を備えたチップ先端部を一体形成させた機構(図2、3参照)、金属材料のドリル等による切削加工により、チップ部を形成して、ボール抱持部3にボール2を抱持して、中心孔31と放射状のインキ導出孔32とボール受け座33を配する機構(図4、5参照)、バネ体によりボールを前方に付勢させた機構(図6参照)、或いは、金属又はプラスチック製チップ内部に樹脂製のボール受け座を設けた機構を例示できる。
前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等の0.1〜3.0mm径程度のものが適用できるが、好ましくは0.15〜0.4mm、より好ましくは0.2〜0.3mmのものが用いられる。
前記インキ組成物を収容するインキ収容管、或いは、軸筒は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる成形体が用いられる。
更に、前記インキ収容管、或いは、軸筒として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を確認できる。
前記インキ組成物の後端にはインキ逆流防止体を充填することもできる。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体には、ゲル化剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物を例示できる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体組成物と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
多糖類のメンブランフィルターによる濾過性試験
試験方法
以下の表に示される多糖類の0.5%水溶液(水99.5%、多糖類0.5%を混合し、ディスパーで2000rpmにて30分間攪拌した後、50g採取)を、5μm及び1μmのメンブランフィルター(直径4.7cm)で濾過する。
濾過性試験の結果を以下の表に示す。
Figure 2005307165
尚、テスト結果の評価の記号の内容は以下のとおり。
○:1分間以内に濾過できた。
△:濾過できるものの、やや目詰まりを生じて濾過時間が長かった。
×:途中で濾過できなくなり、目詰まりを生じた。
上記試験結果にみられるように、多糖類の種類によって粒子径が異なることが判明した。
以下に実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の表に実施例及び比較例のボールペン用水性インキの組成を示す。
なお,表中の組成の数値は重量部を示す。
Figure 2005307165
Figure 2005307165
表中の原料の内容について注番号に沿って説明する。
(1)オリエント化学工業(株)製、商品名:ウォーターブラック100L、有効成分20%
(2)アイゼン保土谷(株)製、C.I.45410、商品名:フロキシン
(3)住友化学工業(株)製、C.I.42655、商品名:アシッドブルーPG
(4)カーボンブラック(DBP吸油量56)10部、N−ピロリドンと1−ブテンの共重合体15部、水75部をビーズミルで5時間混合した顔料分散液
(5)富士色素(株)製、商品名:富士SPブルー625(銅フタロシアニンブルー27.5%、ジエチレングリコール8%、アニオン性界面活性剤4%)
(6)第日本製薬(株)製、商品名:エコーガムBT
(7)三晶(株)製、商品名:KELZAN ST
(8)中央化成(株)製、商品名:NEWGELIN GXR
(9)第日本製薬(株)製、商品名:エコーガムRD
(10)第日本製薬(株)製、商品名:ラポールガムEX
(11)1,2−ベンズチアゾリン−3−オン、アビシア(株)製、商品名:プロキセルXL−2
(12)リン酸エステル系界面活性剤、第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL
(13)三晶(株)製、商品名:KELZAN AR
(14)三晶(株)製、株)製、商品名:K1A96
(15)伯東化学(株)製、商品名:アルカシーガム
(16)第日本製薬(株)製、商品名:エコーガム
(17)伊那食品工業(株)製、商品名:ウルトラキサンタンV7
インキ逆流防止体の調製
基油としてポリブテン85部中に、増粘剤として脂肪酸アマイド15部を添加した後、3本ロールにて混練してインキ逆流防止体を得た。
水性ボールペンAの作製
前記各インキ組成物を直径0.5mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプ(内径3.8mm)の一端に嵌着されたボールペンレフィルに充填し、その後端に前記インキ逆流防止体を配設した後、前記ボールペンレフィルを軸筒に組み込み、水性ボールペンAを作製した。
水性ボールペンBの作製
前記各インキ組成物を直径0.25mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプ(内径3.8mm)の一端に嵌着されたボールペンレフィルに充填し、その後端に前記インキ逆流防止体を配設した後、前記ボールペンレフィルを軸筒に組み込み、水性ボールペンBを作製した。
前記各水性ボールペンA、Bにより以下のテストを行った。
筆記試験
自動筆記試験機にて筆記を行ない、筆跡の状態及びインキを最後まで消費できたかを調べた。
なお、自動筆記試験機での筆記条件は、筆記速度4m/分、筆記荷重100g、筆記角度70°である。
筆記試験結果を以下の表に示す。
Figure 2005307165
尚、テスト結果の評価の記号の内容は以下のとおり。
○:インキを最後まで消費することができた。
△:筆跡にカスレがみられた。
×:途中で筆記できなくなり、インキを最後まで消費できなかった。
水性ボールペンに用いられるボールペンレフィルの説明図である。 図1のボールペンレフィルのボールペンチップ部の縦断面説明図である。 図2のボールペンチップ部のX−X線断面図である。 水性ボールペンのボールペンチップ部の他の例の縦断説明図である。 図4のボールペンチップ部のY−Y線断面図である。 水性ボールペンのボールペンチップ部の他の例の縦断説明図である。
符号の説明
1 ボールペンレフィル
2 ボール
3 ボール収容部
31 中心孔
32 導出孔
33 ボール受け座
4 インキ収容管
5 インキ組成物
6 インキ追従体

Claims (9)

  1. 少なくとも着色剤と、水と、水溶性有機溶剤と、剪断減粘性付与剤として多糖類とからなるボールペン用水性インキ組成物において、前記多糖類がインキ中で平均粒子径5μm未満の粒子状態で存在してなることを特徴とするボールペン用水性インキ組成物。
  2. 前記インキ組成物中に多糖類以外の粒状物を含んでなり、前記粒状物の平均粒子径が5μm未満の粒子状態で存在してなる請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。
  3. 前記多糖類がキサンタンガム又はサクシノグリカンである請求項1又は2記載のボールペン用水性インキ組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のボールペン用水性インキ組成物を、ボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けたインキ収容管内に直接充填したボールペンレフィルを軸筒内に収容した水性ボールペン。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載のボールペン用水性インキ組成物を、ボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けた軸筒内に直接充填した水性ボールペン。
  6. キャップを備えてなる請求項4又は5記載の水性ボールペン
  7. 請求項1乃至3のいずれかに記載のボールペン用水性インキ組成物を、ボールペンチップを直接又は中継部材を介して取り付けたインキ収容管内に直接充填したボールペンレフィルを軸筒内に収容してなり、出没機構の作動によって、ボールペンレフィルの筆記先端部が軸筒前端開口部から出没するキャップレス式水性ボールペン。
  8. インキ組成物後端面にインキ逆流防止体を配設した請求項4乃至7のいずれかに記載の水性ボールペン。
  9. 前記ボールペンチップは、金属製のパイプ先端近傍を外面より内方に押圧変形させることによりボール受け座を形成する構成である請求項4乃至8のいずれかに記載の水性ボールペン。
JP2005022470A 2004-03-23 2005-01-31 ボールペン用水性インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペン Pending JP2005307165A (ja)

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