JPH10120951A - インク組成物及び画像記録方法 - Google Patents

インク組成物及び画像記録方法

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JPH10120951A
JPH10120951A JP27456796A JP27456796A JPH10120951A JP H10120951 A JPH10120951 A JP H10120951A JP 27456796 A JP27456796 A JP 27456796A JP 27456796 A JP27456796 A JP 27456796A JP H10120951 A JPH10120951 A JP H10120951A
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image
fine particles
ink
ink composition
water
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JP27456796A
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English (en)
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Takeshi Mikami
武 三神
Yuzuru Fukuda
讓 福田
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録紙上への滲み及び記録紙内部への浸透を
防止することが可能であり、高濃度の画像が得られるイ
ンク組成物及びそれを用いる定着性の良好な画像記録方
法を提供する。 【解決手段】 水、着色剤及び微粒子を含有し、その微
粒子が、電解質多糖類を含むものであるか、又は常温ゲ
ル微粒子を含むものであるインク組成物である。また、
インク液滴をヘッドから吐出させて記録体上に記録を行
う画像記録方法において、水、着色剤及び微粒子を含有
し、その微粒子として電解質多糖類を含む微粒子または
常温ゲル微粒子であるインク組成物を用いる画像記録方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク組成物及び
画像記録方法に関する。さらに詳しくは、インクジェッ
トプリンター用として特に好適なインク組成物及びそれ
を使用した画像記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、コンピューター等の情報機器の出
力装置として、ランニングコストが安価であり、高精細
な画像が得られるとともにカラー化が容易なインクジェ
ット方式が注目されている。このインクジェットプリン
ター用インクには、従来より主として染料水溶液が使用
されてきた。しかし、ノズルから吐出し、飛翔したイン
クが記録紙に付着すると、インクが記録紙上で滲み、飛
翔時に形成したインク液粒よりも大きなドットになって
しまったり、記録紙の内部まで浸透してしまって記録さ
れた画像の濃度が低くなるという問題があった。
【0003】従来、このようなインクジェット用水性イ
ンクにおける問題を解決するために、[A]画像を造膜
させるための樹脂微粒子をインクに添加する技術(特公
昭60−32663号公報、特開平5−239392号
公報、特開平5−255628号公報、特開平6−34
0835号公報)及び染色した造膜性の樹脂微粒子をイ
ンクに添加する技術(特開平5−255567号公
報)、[B]樹脂微粒子と架橋剤をインクに配合し、樹
脂を架橋させた画像膜を得る技術(特公平7−4735
5号公報)、[C]着色剤を含む油脂を用いた水中油型
エマルジョンを含有するインク(特開平7ー11181
号公報)、[D]熱可逆的ゲル化特性を有する化合物を
含むインク(特開平6ー192605号公報)及び
[E]水溶性の高分子コロイドを含むインク(米国特許
第5,133,803号明細書)等が提案されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したインク[A]
及び[B]の技術は、記録紙への滲みをある程度は低減
させることができるものの、毛細管現象によるインクの
記録紙繊維への滲みを完全に防ぐことは不可能であり、
また、記録画像の高濃度化にはある程度有効なものであ
るが、記録紙内部へのインクの浸透を防止することがで
きないために高濃度の画像を得るには限界がある。ま
た、常温において造膜性の樹脂微粒子を添加するインク
[A]及び[B]には、樹脂微粒子を常温で融着させて
造膜させる必要から、ある温度以下のガラス転移温度を
有する樹脂微粒子を使用しなければならないという共通
の問題点を有している。さらに、印字サンプルの周囲の
環境温度によっては、画像部が粘着性を帯び、この現象
は特に高温下において顕著になるという問題がある。イ
ンク[B]の技術は、画像膜が架橋しているために画像
部が粘着性を帯びることはないものの、インクに添加さ
れている架橋剤は、反応性に富む物質であるためにイン
クの安全性及び安定性には懸念があり、また、インク
[C]は、長期間にわたって記録紙に残存する高沸点の
油脂が、画像の定着性を阻害するという欠点がある。
【0005】インク[D]は、熱可逆的ゲル化特性を有
する化合物を含んでおり、この化合物は、常温では高粘
度の均一水溶液であり、高温では水中で析出して低粘度
の微粒子分散液を与える特性を有する化合物である。そ
のため、高温度のヘッド内においては、インクは低粘度
で吐出され、記録紙に付着するとインクの温度が低下し
て高粘度化するのでインクが紙中に深く滲み込むことが
なく、したがって高濃度の画像を得るには有効である。
しかし、インクが高粘度であるために、記録紙上で乾燥
し難く、印字直後の定着性が不十分となり、多数枚を印
字すると画像部の表面が記録紙の裏面に付着して汚染さ
れるという欠点がある。また、ヘッドに熱エネルギーを
付与する際、ヘッド吐出部においてインク中の水の蒸発
が促進されることにより発生する目詰まりを防止できな
いという問題がある。また、インク[E]は、記録紙の
表面におけるブリードの改良には有効なものであるが、
記録紙内部への浸透を十分に防止できないから画像の高
濃度化には限界がある。
【0006】本発明は、上記した課題を解決するために
なされたものであり、本発明の目的は、記録紙上におけ
るインクの滲み及び記録紙内部へのインクの浸透を防止
することが可能であり、かつ、極めて高濃度の画像を得
ることが可能なインク組成物、特にインクジェット用に
好適なインク組成物を提供することにある。本発明の他
の目的は、印字直後から記録紙上に良好な定着性を有す
る画像を形成できるとともに、高温下においても画像部
が粘着性を帯びることはなく、また、安全性及び安定性
も良好であり、記録時にヘッドに熱エネルギーを付与す
る必要もないインク組成物を提供することにある。本発
明の他の目的は、上記したインク組成物を利用して目詰
まりしない良好な画像記録方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1のインク組
成物は、水、着色剤及び微粒子を含有してなり、その微
粒子が、電解質多糖類を含む微粒子であることを特徴と
する。また、本発明の第2のインク組成物は、水、着色
剤及び微粒子を含有してなり、その微粒子が、常温ゲル
微粒子であることを特徴とする。本発明の画像記録方法
は、インク液滴をヘッドから吐出させて記録体上に記録
を行う画像記録方法であって、水、着色剤及び微粒子を
含有してなり、その微粒子が、電解質多糖類を含む微粒
子または常温ゲル微粒子であるインク組成物を用いるこ
とを特徴とする。
【0008】本発明によれば、インクが記録紙上に付着
した直後から、インク中の水は、蒸発するかまたは記録
紙内部に浸透するのに対し、ゲル微粒子は、記録紙上に
残存して記録紙上の孔を塞ぐことになるから、大部分の
着色剤は、記録紙上で滲み難く、また記録紙内部に浸透
し難くなって、高濃度の画像を記録紙上に形成すること
が可能になる。また、ゲルを構成する化合物が、常温に
おいてインク内に微粒子として存在していると、インク
は低粘度の状態でヘッドから吐出され、そのまま記録紙
に付着する。すなわち、記録紙に付着したインク中の水
は印字後には直ちに記録紙内に浸透し、一方、ゲル微粒
子及び着色剤は記録紙上に捕えられて、定着性の良好な
画像が形成される。
【0009】本発明に用いるゲル微粒子は、水を内包し
ている柔軟な粒子であるから記録紙の表面の凹凸に応じ
て変形し密着できるものであり、その際、着色剤を同伴
して密着するために画像の定着性は良好なものである。
また、ゲル微粒子の材料として、融点またはガラス転移
点が一定温度以上を有するものを選定すると、高温下に
おいても粘着性のない画像形成が可能であり、架橋剤等
を使用する必要がないために安全上の問題もない。さら
に、画像記録時のヘッドには、熱可逆的ゲル化特性を有
する化合物を含むインクのようにエネルギーの付与を要
しない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明のインク組成物は、水、着色
剤及び微粒子を含有しているものである。その微粒子と
しては、少なくとも電解質多糖類を含む微粒子または常
温ゲル微粒子が用いられる。本発明に用いられる電解質
多糖類としては、例えば、ペクチン酸、ペクチニン酸、
アルギン酸、寒天、カラギーナン、プロテオグリカン、
グリコプロテイン、アガロース、カードラン等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。なかでも、
特に、カラギーナンまたはアルギン酸を用いることが好
ましい。また、本発明に用いられるゲルは、高分子学会
編、朝倉書店発行『新版高分子辞典』(1988)に記
載のように、「あらゆる溶媒に不溶の三次元網目構造を
持つ高分子化合物及びその膨潤体」と定義されるもので
あり、上記した電解質多糖類のハイドロゲル(親水ゲ
ル)等である。
【0011】本発明において、ゲル微粒子はインク組成
物中で個々の粒子が分散状態にあることが好ましい。そ
の微粒子の平均粒径は、粒子製造の容易性及びインクジ
ェットのノズルへの適応性等の観点から、0.01〜3
μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.
05〜1μmである。
【0012】本発明の微粒子を構成するゲルは、ハイド
ロゲルで水を内包しているものであり、その水の含有割
合は0.01〜99.99重量%である。この範囲外で
は、記録紙の孔の閉塞が不十分であったり、また、イン
クジェットのノズル適応性が低下する。すなわち、ゲル
中の水の割合が0.01重量%未満ではインクジェット
のノズル部分で目詰まりが起り易く、一方、99.99
重量%を越えるとゲル微粒子は柔軟になりすぎて紙の孔
をすり抜けるために記録紙の閉塞されない孔が数多く残
存することになり、着色剤がこれらの孔を通って紙の内
部に浸透すると光学濃度が低下する。上記水の含有割合
は、1.00〜99.00重量%の範囲が好ましい。
【0013】本発明のインク組成物において、ゲル微粒
子はインク組成物全量中に通常1〜50重量%の範囲で
含まれる。この範囲外のものでは、記録紙の孔の閉塞が
不十分であったり、またインクジェットのノズルとの適
応性が低下する。すなわち、ゲル微粒子の量が1重量%
未満では、ゲル微粒子が少なすぎて記録紙の閉塞されな
い孔が数多く残存し、これらの孔を通って着色剤が紙の
内部に浸透することにより光学濃度が低下し、一方、5
0重量%を越えると、インクの粘度が高くなり過ぎてイ
ンクジェットのノズルからの吐出が困難となる。上記ゲ
ル微粒子の割合は、5〜35重量%の範囲が好ましい。
【0014】本発明に用いられるゲル微粒子は、通常、
水で膨潤平衡に達しているゲルを水中で湿式粉砕するこ
とにより調製されるものである。この水には、カリウム
イオンやカルシウムイオン等のアルカリ金属イオンを添
加してゲルの強度を制御してもよい。湿式粉砕設備とし
ては、ホモジナイザー、コロイドミル、サンドミル、超
音波分散機等の公知の設備が使用可能である。
【0015】本発明のインク組成物に用いる着色剤とし
ては、主溶媒とする水との親和性が良好なものであり、
かつ分散剤等と併用することにより均一分散が可能なも
のであれば使用できる。その代表的なものとしては、顔
料、水溶性染料または分散染料が用いられる。その中
で、顔料としては、有機顔料及び無機顔料等が挙げら
れ、例えば、白黒用としては、ファーネスブラック、チ
ャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグ
メントブラック7)類、アニリンブラック(C.I.ピ
グメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。ま
た、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー
1、3、12、13、14、17、24、34、35、
37、42、53、55、81、83、95、97、9
8、100、101、104、108、109、11
0、117、120、138、153、C.I.ピグメ
ントバイオレット1、3、5:1、16、19、23、
38、C.I.ピグメントブルー1、2、15、15:
1、15:2、15:3、15:4、15:6、16等
の顔料が挙げられる。インク組成物中の顔料の添加量
は、着色剤としての機能を発揮させるには1〜30重量
%の範囲が好ましく、1.5〜12重量%の範囲が特に
好ましい。これらの顔料を均一に分散させるには、必要
に応じて分散剤を顔料に対して0.01〜1重量%添加
し、さらにボールミル等で分散処理することが望まし
い。
【0016】また、着色剤として用いられる水溶性染料
としては、直接染料または酸性染料等が挙げられる。例
えば、C.I.ダイレクトブラック9、17、19、2
2、32、51、56、62、69、77、80、9
1、94、97、108、112、113、114、1
17、118、121、122、125、132、14
6、154、166、168、173、199、C.
I.ダイレクトバイオレット7、9、47、48、5
1、66、90、93、94、95、98、100、1
01、C.I.ダイレクトイエロー8、9、11、1
2、27、28、29、33、35、39、41、4
4、50、53、58、59、68、86、87、9
3、95、96、98、100、106、108、10
9、110、130、132、144、161、16
3、C.I.ダイレクトブルー1、10、15、22、
25、55、67、68、71、76、77、78、8
0、84、86、87、90、98、106、201、
202、244、251、280、C.I.アシッドブ
ラック7、24、29、48、C.I.アシッドバイオ
レット5、34、43、47、48、90、103、
C.I.アシッドイエロー17、19、23、25、3
9、40、44、49、50、61、110、174、
218、C.I.アシッドブルー9、25、40、4
1、62、72、76、80、106、112、12
0、205、230、271、280等が用いられる
が、これらに限定されるものではない。これらの染料の
添加量は、染料の種類、溶媒成分の種類及びインクに要
求されている特性等により決定されるが、着色剤として
の機能を発揮させるには、インク全量に対して通常0.
2〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%の範囲
で用いられる。
【0017】本発明のインク組成物には、記録紙上に形
成された画像の定着性をより一層向上させるために、水
性樹脂エマルジョンや水溶性樹脂を添加することができ
る。その水性樹脂エマルジョンの樹脂としては、例え
ば、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、酢酸ビニ
ル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル樹
脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、酢
酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−アクリルア
ミド共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エポキ
シ樹脂、ポリアミド、シリコーン樹脂、クロロプレンゴ
ム等が用いられる。また、水溶性樹脂としては、ポリビ
ニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、エ
ポキシエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、
ポリエステル等が用いられる。
【0018】本発明においては、より一層画像の高濃度
化を図るために、ゲル微粒子に必要に応じて上記の着色
剤を含ませてもよい。本発明のインク組成物には、その
他、必要に応じて、リン酸二水素カリウム、リン酸二水
素ナトリウム等のpH調節剤、防カビ、防腐及び防錆等
を目的として安息香酸、ジクロロフェン、ヘキサクロロ
フェン、ソルビン酸等を添加することができ、また、ノ
ズルの目詰り防止を目的としてエチレングリコール、グ
リセリン、各種の多価アルコール類を添加してもよい。
【0019】本発明のインク組成物は、以下の手順によ
り製造することができるが、これに限られるものではな
い。まず、着色剤と分散剤からなる水分散液をボールミ
ルで分散させて、着色剤粒子が単分散状態になったこと
を顕微鏡観察等により確認し、次に、その分散液に水に
分散しているゲル微粒子を添加し、撹拌して均一に混合
させる。その後、防腐剤等の添加物を加えて完全に溶解
していることを確認した後、得られた分散液を、例え
ば、孔径10μmの膜フィルターを用いてろ過し、ゴミ
及び粗大粒子を除去することにより記録用のインク組成
物が得られる。
【0020】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。 実施例1 水系の銅フタロシアニン系顔料分散物からなる着色剤と
水に分散させたκーカラギーナンのゲル微粒子を含むイ
ンク組成物を、次のようにして製造した。まず、ゲル微
粒子を以下のようにして調整した。κ−カラギーナン2
重量部、水96重量部及び10重量%の塩化カルシウム
水溶液2重量部の混合物を加熱することにより、κ−カ
ラギーナンを塩化カルシウム水溶液に溶解させ、生成し
た溶液を冷却して水を含むイオン結合性のκ−カラギー
ナンゲルを得た。 上記κ−カラギーナンゲル 10重量部 水系銅フタロシアニン系顔料分散物(固形分35%) 10重量部 アクリルシリコーン樹脂微粒子 20重量部 (固形分35%、重量平均分子量15,000、 粒子径0.1〜0.2μm) 次に、上記の混合物を1晩密閉状態で放置し、ゲルを水
で膨潤平衡させた。得られた組成物をブレンダーで高速
撹拌させてゲルを微粉砕することによりインク組成物を
得た。このインクを光学顕微鏡により観察すると、ゲル
は1〜2μmの粒子に粉砕されていることが分かった。
【0021】得られたインク組成物を、バーコーターを
用いて複写機用普通紙上に塗布し、室温にて乾燥させる
ことにより、普通紙上に塗布乾膜からなるベタ画像を得
た。その際、バーコーターの塗布バーの種類(塗布目の
粗さ)を変えることにより、膜厚(画像厚さ)の異なる
複数のベタ画像を得た。得られた画像の光学濃度は、画
像表面側から測定したところ、画像厚さ3μmのもので
は1.5であり、また画像厚さ4μmのものでは1.7
であって、普通紙上に高光学濃度のものを得た。また、
得られた普通紙上の画像の光学濃度を普通紙の裏側(画
像表面と反対側)から測定したところ、光学濃度は0.
14であり、普通紙のみの光学濃度とほぼ同じであっ
た。この測定結果から、インクは普通紙中に殆ど浸透し
ていないことが確認できた。さらに、印字直後の画像に
ついて指スマッジテストを行ったところ、定着性は良好
であり、非画像部の汚れはなく、また、この普通紙上の
ベタ画像の縦断面を光学顕微鏡により観察したところ、
画像は普通紙上に形成されており、インクの普通紙中へ
の浸透は見られなかった。次に、市販のインクジェット
プリンターを用いて、このインクの普通紙上への印字テ
ストを実施した。その際、インクジェットプリンターに
おいてインクが飛翔できるように、インクを水で希釈し
て粘度調整を行った。得られた印字サンプルの印字ドッ
トは、拡大ルーペ及び光学顕微鏡により観察したとこ
ろ、ドットの周辺部にインクの滲みはなく、また、高画
像濃度の鮮明なドットが形成されていた。
【0022】実施例2 フタロシアニン系染料(アシッドブルー9)水溶液から
なる着色剤と水に分散しているκ−カラギーナンのゲル
微粒子を含むインク組成物を、次のようにして製造し
た。 上記κ−カラギーナンゲル 10重量部 フタロシアニン系染料 10重量部 (アシッドブルー9の水溶液、固形分10%) アクリルシリコーン樹脂微粒子 20重量部 (固形分35%、重量平均分子量15,000、 粒子径0.1〜0.2μm) 次に、上記の混合物を1晩密閉状態で放置してゲルを水
で膨潤平衡させた。この組成物をブレンダーで高速撹拌
させてゲルを微粉砕することによりインク組成物を得
た。このインクを光学顕微鏡により観察すると、ゲルは
1〜2μmの粒子に粉砕されていることが分かった。
【0023】得られたインク組成物をバーコーターを用
いて、複写機用普通紙上に塗布し、室温にて乾燥させる
ことにより、普通紙上に塗布乾膜からなるベタ画像を得
た。その際、バーコーターの塗布バーの種類(塗布目の
粗さ)を変えることにより、膜厚(画像厚さ)の異なる
複数のベタ画像を得た。得られた画像の光学濃度は、画
像表面側から測定したところ、画像厚さ3.3μmのも
のでは1.7であり、また画像厚さ6.0μmのもので
は1.9であって、普通紙上に高光学濃度のものを得
た。また、得られた普通紙上の画像の光学濃度を普通紙
の裏側(画像表面と反対側)から測定したところ、光学
濃度は0.14であり、普通紙のみの光学濃度とほぼ同
じであった。この測定結果から、インクは普通紙中に殆
ど浸透していないことが確認できた。さらに、印字直後
の画像について指スマッジテストを行ったところ、定着
性は良好であり、非画像部の汚れはなく、また、この普
通紙上のベタ画像の縦断面を光学顕微鏡により観察した
ところ、画像は普通紙上に形成されており、インクの普
通紙中への浸透は見られなかった。次に、市販のインク
ジェットプリンターを用いて、このインクの普通紙上へ
の印字テストを実施した。その際、インクジェットプリ
ンターにおいてインクが飛翔できるように、インクを水
で希釈して粘度調整を行った。得られた印字サンプルの
印字ドットは、拡大ルーペ及び光学顕微鏡により観察し
たところ、ドットの周辺部にインクの滲みはなく、ま
た、高画像濃度の鮮明なドットが形成されていた。引き
続いて、上記バーコーターを用いて形成した画像及びプ
リンターを用いて形成した印字サンプルの上に、故意に
水をこぼして耐水性を評価した。その結果、水による画
像の滲み及び着色剤の拡散は認められず、耐水性の高い
ものであった。
【0024】比較例1 実施例1において、κ−カラギーナンゲルを水に代えて
製造したインク組成物を使用したこと以外は、実施例1
と全く同様にして普通紙上にベタ画像を得た。得られた
画像の光学濃度は、画像表面側から測定したところ、画
像厚さ3.2μmのものでは1.4と低いものであり、
また画像厚さ5.9μmのものでは1.5μmと低いも
のであった。また、得られた普通紙上の画像は、普通紙
の裏側(画像表面と反対側)から目視で観察したとこ
ろ、着色剤の色が薄く現れていることが認められ、イン
クが普通紙中に僅かに浸透していることが確認された。
さらにまた、この普通紙上のベタ画像の縦断面を光学顕
微鏡により観察したところ、画像は普通紙の中にも形成
されており、インクが普通紙中に浸透していることが再
度確認された。次に、実施例1と同様にして、市販のイ
ンクジェットプリンターを用いて、このインクの普通紙
上への印字テストを実施した。得られた印字サンプルの
印字ドットは、拡大ルーペ及び光学顕微鏡により観察し
たところ、ドットの周辺部にインクが滲んでいることが
認められ、また、画像濃度が低く、不鮮明なドットが形
成されていた。
【0025】比較例2 実施例2において、κ−カラギーナンゲルを水に変えて
製造したインク組成物を使用したこと以外は、実施例2
と全く同様にして普通紙上にベタ画像を得た。得られた
画像の光学濃度は、画像表面側から測定したところ、画
像厚さ3.0μmのものでは1.4と低いものであり、
画像厚さ5.9μmのものでは1.5μmと低いもので
あった。また、得られた普通紙上の画像は、普通紙の裏
側(画像表面と反対側)から目視で観察したところ、着
色剤の色が薄く現れていることが認められ、インクが普
通紙中に僅かに浸透していることが確認された。さらに
また、この普通紙上のベタ画像の縦断面を光学顕微鏡に
より観察したところ、画像は普通紙の中にも形成されて
おり、インクが普通紙中に浸透していることが再度確認
された。次に、実施例1と同様に、市販のインクジェッ
トプリンターを用いて、このインクの普通紙上への印字
テストを実施した。得られた印字サンプルの印字ドット
は、拡大ルーペ及び光学顕微鏡により観察したところ、
ドットの周辺部にインクが滲んでいることが認められ、
また、画像濃度が低く、不鮮明なドットが形成されてい
た。
【0026】
【発明の効果】本発明のインク組成物は、記録紙上にお
けるインクの滲み及び記録紙内部へのインクの浸透を防
止することが可能となり、かつ、高い画像濃度の画像を
得ることができる。また、本発明のインク組成物を記録
液として用いると、印字直後から定着性の良好な画像を
得ることが可能となり、高温度下においても画像部が粘
着性を帯びず、安全性も高いものであり、ヘッドにエネ
ルギーを付与する必要もない。従って、このインク組成
物及びそれを利用した画像記録方法は、インクジェット
方式の画像形成、特にインクジェットプリンターに好適
なものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、着色剤及び微粒子を含有してなり、
    該微粒子が、電解質多糖類を含む微粒子であることを特
    徴とするインク組成物。
  2. 【請求項2】 水、着色剤及び微粒子を含有してなり、
    該微粒子が、常温ゲル微粒子であることを特徴とするイ
    ンク組成物。
  3. 【請求項3】 インク液滴をヘッドから吐出させて記録
    体上に記録を行う画像記録方法において、水、着色剤及
    び微粒子を含有してなり、該微粒子が、電解質多糖類を
    含む微粒子であるインク組成物を用いることを特徴とす
    る画像記録方法。
  4. 【請求項4】 インク液滴をヘッドから吐出させて記録
    体上に記録を行う画像記録方法において、水、着色剤及
    び微粒子を含有してなり、該微粒子が、常温ゲル微粒子
    であるインク組成物を用いることを特徴とする画像記録
    方法。
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