JPH10298469A - 記録液及びそれを用いる画像記録方法 - Google Patents

記録液及びそれを用いる画像記録方法

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JPH10298469A
JPH10298469A JP11058597A JP11058597A JPH10298469A JP H10298469 A JPH10298469 A JP H10298469A JP 11058597 A JP11058597 A JP 11058597A JP 11058597 A JP11058597 A JP 11058597A JP H10298469 A JPH10298469 A JP H10298469A
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JP
Japan
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image
recording
plain paper
colorant
ink
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JP11058597A
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English (en)
Inventor
Yuzuru Fukuda
讓 福田
Takeshi Mikami
武 三神
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクが記録紙上に滲まず、記録紙内部に浸
透することもなく、かつ極めて高濃度の画像が得られる
記録液、特にインクジェット用に好適な記録液を提供す
る。 【解決手段】 水及び着色剤と凝集剤とから形成された
凝集体粒子を含有する記録液である。この凝集体粒子
は、界面活性剤分散型水性顔料と高分子凝集剤から得ら
れるものを用いることが好ましく、また、その平均粒子
径は0.3〜5μmの範囲のものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録液及びそれを
用いる画像形成方法に関する。さらに詳しくは、特定の
凝集体粒子を含むインクジェットプリンター用に好適な
記録液及びその記録液を使用する画像記録方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】最近、コンピューター等の情報機器にお
ける出力装置としては、ランニングコストが安価である
上に、高精細でありカラー画像化が容易なインクジェッ
ト方式が注目されている。このインクジェットプリンタ
ー用インクには、従来より染料水溶液が主に使用されて
きた。しかし、ノズルから吐出され、飛翔したインクが
記録紙に付着すると、インクが記録紙上で滲んだり、飛
翔時に形成されたインク液粒が記録紙上でより大きなド
ットになってしまったり、インクが記録紙の内部まで浸
透し、記録された画像濃度が低下する等の問題があっ
た。
【0003】従来、上記したインクジェット用水性イン
クにおける諸課題を解決するために、[A]画像を造膜
させるための樹脂微粒子をインクに添加する技術(特公
昭60−32663号公報、特開平5−239392号
公報、特開平5−255628号公報、特開平6−34
0835号公報)及び染色した造膜性の樹脂微粒子をイ
ンクに添加する技術(特開平5−255567号公
報)、[B]樹脂微粒子と架橋剤をインクに配合し、樹
脂を架橋させて画像膜を得る技術(特公平7−4735
5号公報)、[C]色材を含む油脂の水中油型エマルジ
ョンを含有するインク(特開平7−11181号公
報)、[D]熱可逆的ゲル化特性を有する化合物を含む
インク(特開平6−192605号公報)等が、それぞ
れ提案されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
[A]及びインク[B]は、記録紙への滲みをある程度
は低減させることができるものの、毛細管現象に基づく
記録紙繊維へのインクの滲みを十分に防止することはで
きないし、また、画像濃度の向上にも一部有効なもので
あるが、記録紙内部へのインクの浸透を防止できないた
めに画像の高濃度化には限界がある。また、これらのイ
ンクは、常温で造膜性を発揮する樹脂微粒子を用いて造
膜するものであるから、その樹脂微粒子は常温で融着で
きることが必要であり、そのためにガラス転移温度が比
較的低い樹脂微粒子を使用しなければならないという共
通の問題点がある。さらに、インク[A]では、画像記
録時の環境温度が高くなると画像部が粘着性を帯びるよ
うになり、環境温度が高い程この傾向はより大きくなる
という問題もあった。他方、インク[B]の技術では、
画像膜が架橋されているから画像部が粘着性を帯びるこ
とはないが、インクに添加されている架橋剤は反応性に
富む物質であるから、インクの安全性及び安定性に懸念
がある。
【0005】上記のインク[C]は、長期間に亘り記録
紙に残存する高沸点の油脂が画像の定着性を阻害すると
いう欠点がある。また、インク[D]は、記録ヘッド内
では高温のため低粘度であっても、記録紙上では温度が
低下して増粘するから、インクが紙の内部に深く滲み込
むことがないので高濃度化には有効なものである。しか
し、インク[D]は、記録ヘッドに熱エネルギーを付与
されると、記録ヘッドの吐出部においてインク中の水の
蒸発が促進され、それに伴う目詰まりを防止できないと
いう問題がある。
【0006】本発明は、上記した課題を解決するために
なされたものである。すなわち、本発明の目的は、イン
クが記録紙上に滲むことがなく、また記録紙内部に浸透
することもなく、かつ、極めて高濃度の画像を得ること
が可能な記録液、特にインクジェツト用に好適な記録液
を提供することにある。本発明の他の目的は、記録時の
環境温度が高くても画像部が粘着性を帯びることなく、
また良好な安全性及び安定性を有し、ヘッドに熱エネル
ギ−を付与しなくても良好な画像定着性が得られる記録
液を提供することにある。また、本発明の他の目的は、
上記の記録液を用いて記録ヘッドが目詰まりしない優れ
た画像記録方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の記録液は、水及
び着色剤と凝集剤とから形成された凝集体粒子を含有す
ることを特徴とするものである。また、本発明の画像記
録方法は、記録液の液滴を記録ヘッドから吐出させて記
録体上に記録を行う画像記録方法において、水及び着色
剤と凝集剤とから形成された凝集体粒子を含有する記録
液を用いることを特徴とする。
【0008】本発明によれば、記録液が記録紙上に付着
した直後から、記録液中の水は蒸発するか又は記録紙の
内部に浸透するが、着色剤と凝集剤とから形成された凝
集体粒子は記録紙上にトラップされて記録紙上の孔を塞
ぐことになる。したがって、着色剤は、記録紙上で滲ま
なくなると共に記録紙内部に浸透し難くなり、高濃度の
画像形成が可能になる。また、その凝集体粒子の構成材
料として、融点又はガラス転移点が一定温度以上を有す
るものを採択すると、高温下でも粘着性のない画像を形
成することが可能であり、また、他に架橋剤を使用しな
いので安全上も問題がない。さらにまた、本発明に用い
られる凝集体粒子は、着色剤と凝集剤とから形成される
比較的柔軟な粒子であるから、記録紙の表面の凹凸に対
応して変形しながら記録紙に密着することができ、しか
も、記録液中の着色剤も一体となって密着するから画像
定着性が良好である。そのうえに、この記録液は、記録
ヘッド部に熱等のエネルギーを付与する必要がないもの
である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の記録液は、少なくとも凝集
体粒子を含有する水溶液であり、その凝集体粒子は、着
色剤と凝集剤とから得られたものである。一般に、凝集
体粒子は、凝集剤が着色剤分散物を凝集させることによ
り形成されるものであるが、本発明においては、その着
色剤分散物として、水中に着色剤微粒子を分散させたも
のが使用され、とりわけ、水中に顔料の微粒子を着色剤
として分散させた水性顔料分散物が好適に用いられる。
【0010】本発明に使用する凝集体粒子は、通常、次
のようにして製造される。まず、水性着色剤分散物中
に、凝集剤又はその水溶液を添加して撹拌混合すること
により、凝集剤が水性着色剤分散物中に分散している平
均粒子径0.1〜0.4μmの着色剤微粒子を集合させ
て、約10〜100μmの範囲の粒子径からなる着色剤
粒子の凝集体(フロック)が形成される。次に、この凝
集体を、ホモジナイザー等の粉砕装置を用いて微粉砕す
ることにより平均粒子径0.3〜5μmの凝集体粒子を
得ることができる。
【0011】本発明における凝集剤としては、高分子凝
集剤又は無機凝集剤が用いられるが、なかでも、凝集効
率及び凝集速度の良好な高分子凝集剤がより好ましい。
その高分子凝集剤としては、具体的には、ポリアクリル
アミド系、ポリビニルアクリルアミド系、ポリアクリル
酸エステル系、ポリメタクリル酸エステル系、ポリアミ
ジン系又はポリアクリル酸ナトリウム系等が用いられ
る。一般に、高分子凝集剤は、数百万ないし千数百万程
度の非常に大きな分子量を有する高分子化合物であっ
て、この分子鎖中には、凝集する対象物質と結合し易い
性質を有する官能基を多数持っているから、これらの官
能基が凝集する対象物質の粒子と結合(粒子間の架橋反
応等)するために、凝集効率が向上するとともに凝集速
度も上昇するものと推定される。また、無機凝集剤とし
ては、硫酸アルミニウム、塩化第二鉄等が用いられる。
【0012】さらに、本発明においては、上記した凝集
体(フロック)を形成させる際に、凝集効率及び凝集速
度を一層向上させるために、着色剤のイオンと凝集剤の
イオンとが異なる組合せになるようにすることがより望
ましい。すなわち、例えば、着色剤としてアニオン系界
面活性剤分散型水性顔料分散物を用いる場合には、カチ
オン性高分子凝集剤を使用することが好ましく、一方、
着色剤としてカチオン系界面活性剤分散型水性顔料分散
物用いる場合には、アニオン性高分子凝集剤を使用する
ことが好ましい。また、この段階の凝集体は、その後の
粉砕による微粒子化を容易化するために、緩やかな凝集
(軟凝集)状態にあることが好ましい。
【0013】次に、上記の方法により形成された凝集体
を、ホモジナイザー、コロイドミル、サンドミル又は超
音波分散機等の公知の粉砕装置を用いて微粉砕すること
により目的とする凝集体粒子が得られる。この凝集体粒
子は、分散状態が良好に維持されると共に、長時間放置
しても、沈降及び巨大化(再フロック化)しないもので
あることが好ましい。上記微粉砕後の凝集体粒子は、記
録紙上に残留(トラップ)し易いものであること及び記
録ノズルへの適応が容易であることを考慮すると、平均
粒子径が0.3〜5μmの範囲のものであることが好ま
しい。その平均粒子径が0.3μm未満になると凝集体
粒子が記録紙上に残留する割合が低下して高画像濃度を
得ることが難しくなり、一方、5μmを超えると記録ノ
ズル部において目詰まりが発生し易くなる。さらに、こ
れら凝集体粒子が記録紙上に残留する効率が高く、しか
も記録ノズル部における目詰まり発生防止をより一層効
果的かつ確実なものとするためには、凝集体粒子の平均
粒子径は0.4〜4μmの範囲がより好ましい。
【0014】本発明において、記録液中の着色剤として
は、主溶媒の水と親和性がよく、均一分散性の良好な公
知の顔料、染料等を用いることができる。なかでも、所
望の凝集体粒子が形成し易く、しかも耐光性及び耐水性
の観点からすると、顔料を使用することが好ましい。顔
料としては、有機顔料及び無機顔料ともに使用すること
ができる。例えば、白黒用としては、ファーネスブラッ
ク、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.
I.ピグメントブラック7)類、アニリンブラック
(C.I.ピグメントブラック1)等及びそれらの混合
物が挙げられる。また、カラー用としては、C.I.ピ
グメントイエロー1、3、12、13、14、17、2
4、34、35、37、42、53、55、81、8
3、95、97、98、100、101、104、10
8、109、110、117、120、138、15
3、C.I.ピグメントバイオレット1、3、5:1、
16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー
1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:
4、15:6、16等及びそれらの混合物が挙げられ
る。これらの顔料を、分散剤としてアニオン系界面活性
剤又はカチオン系界面活性剤を用いて水に分散させるこ
とにより、本発明に用いる水性顔料分散物が得られる。
記録液中の顔料の含有量は1〜50重量%の範囲が好ま
しく、2〜40重量%の範囲がより好ましい。これらの
顔料含有量が1重量%未満になると画像濃度低下による
画質劣化を生じ、一方、50重量%を超えると凝集体粒
子の形成効率が低下する可能性がある。
【0015】また、本発明の記録液には、記録紙上に形
成される画像の定着性をより一層向上させるために、水
性樹脂エマルジョンや水溶性樹脂を添加することができ
る。その水性樹脂エマルジョンの樹脂としては、例え
ば、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、酢酸ビニ
ル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、塩化ビニル樹
脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、酢
酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−アクリルア
ミド共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エポキ
シ樹脂、ポリアミド、シリコーン樹脂、クロロプレンゴ
ム等が用いられる。また、水溶性樹脂としては、ポリビ
ニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、エ
ポキシエステル樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹
脂、ポリエステル等が用いられる。さらに、記録液に
は、記録ノズルの目詰りを防止するためにエチレングリ
コール、グリセリン等を添加してもよく、また、防カ
ビ、防腐等の目的で安息香酸、ジクロロフェン、ヘキサ
クロロフェン等を添加してもよい。
【0016】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
する。 実施例1 着色剤としてアニオン系界面活性剤分散型の水性顔料
(ピグメントブルー15:3)分散物(商品名:TB7
08 Blue、固形分23%、平均顔料粒子径0.1
〜0.2μm、大日精化工業社製)10重量部中に、カ
チオン性高分子凝集剤としてメタクリル酸エステルのメ
チルクロライド4級塩ホモポリマー(商品名:ハイセッ
トC−200、第一工業製薬社製)の0.5%水溶液を
25重量部添加し、マグネチックスターラーを用いて撹
拌混合させることにより凝集体(フロック)が生成し
た。この生成物を光学顕微鏡により観察したところ、大
きさ約50〜100μmの凝集体が形成されていること
を確認した。この凝集体は、軟らかく凝集しており、ま
た、長時間放置(静置)しても沈降することがなく、凝
集体としての素性は良好なものであった。次いで、生成
した凝集体を、ホモジナイザーを用いて18000rp
mの条件で6分間高速粉砕させることにより、平均粒子
径2〜4μmの凝集体粒子を含む記録液を得た(光学顕
微鏡観察により確認)。
【0017】次に、上記により得られた記録液をバーコ
ーターを用いて複写機用普通紙上に塗布し、室温にて乾
燥させることにより、普通紙上に塗布乾燥膜が形成され
たベタ画像を得た。得られた画像の光学濃度(Opti
cal Density)を画像表面側から測定したと
ころ、画像面積1cm2 当たり2.1mgの記録液量で
塗布した画像の光学濃度は1.4という高い値であっ
た。また、得られた普通紙上の画像の光学濃度を普通紙
の裏側(画像表面と反対側)から測定したところ、光学
濃度は0.15であり、普通紙のみの光学濃度と略同一
であった。この測定結果から、着色剤は普通紙内部には
殆んど浸透していないことが判明した。さらにまた、こ
の普通紙上のベタ画像の縦断面を光学顕微鏡により観察
したところ、画像は普通紙の上に形成されており、普通
紙内部には着色剤の浸透は認められなかった。次に、こ
の普通紙上のベタ画像について、指スマッヂ(指こす
り)テストにより定着性の評価を行ったところ、指こす
りによる画像部の乱れや非画像部の汚れがなく、画像定
着性は良好であった。さらに、上記の記録液を市販のイ
ンクジェットプリンターのインクとして使用し、普通紙
上に印字テストを実施した。得られた印字サンプルの印
字ドットについて拡大ルーペ及び光学顕微鏡により観察
したところ、ドット周辺部にインクの滲みはなく、ま
た、高画像濃度の鮮明なドットが形成されていた。
【0018】実施例2 着色剤としてアニオン系界面活性剤分散型の水性顔料
(ピグメントレッド184)分散物(商品名:TB90
6 Rubine、固形分24.5%、平均顔料粒子径
0.1〜0.2μm、大日精化工業社製)10重量部中
に、カチオン性高分子凝集剤としてメタクリル酸エステ
ルのメチルクロライド4級塩ホモポリマー(商品名:ハ
イセットC−200、第一工業製薬社製)の1%水溶液
を25重量部添加し、マグネチックスターラーを用いて
撹拌混合させることにより凝集体が生成した。この生成
物を光学顕微鏡により観察したところ、大きさ約50〜
100μmの凝集体が形成されていることを確認した。
この凝集体は、軟らかく凝集しており、かつ長時間放置
しても沈降することがなく、凝集体としての素性は良好
なものであった。次いで、生成した凝集体を、ホモジナ
イザーを用いて18000rpmの条件で6分間高速粉
砕させることにより、平均粒子径2〜4μmの凝集体粒
子を含む記録液を得た(光学顕微鏡観察により確認)。
【0019】次に、上記により得られた記録液をバーコ
ーターを用いて複写機用普通紙上に塗布し、室温にて乾
燥させることにより、普通紙上に塗布乾燥膜が形成され
たベタ画像を得た。得られた画像の光学濃度を画像表面
側から測定したところ、画像面積1cm2 当たり2.1
mgの記録液量で塗布した画像の光学濃度は1.4とい
う高い値であった。また、得られた普通紙上の画像の光
学濃度を普通紙の裏側から測定したところ、光学濃度は
0.14であり、普通紙のみの光学濃度と略同一であっ
た。この測定結果から、着色剤は普通紙内部には殆んど
浸透していないことが判明した。さらにまた、この普通
紙上のベタ画像の縦断面を光学顕微鏡により観察したと
ころ、画像は普通紙の上に形成されており、普通紙内部
には着色剤の浸透は認められなかった。次に、この普通
紙上のベタ画像について、指スマッヂテストにより定着
性の評価を行ったところ、指こすりによる画像部の乱れ
や非画像部の汚れがなく、画像定着性は良好であった。
さらに、上記の記録液を市販のインクジェットプリンタ
ーのインクとして使用し、普通紙上に印字テストを実施
した。得られた印字サンプルの印字ドットについて拡大
ルーペ及び光学顕微鏡により観察したところ、ドット周
辺部にインクの滲みはなく、また、高画像濃度の鮮明な
ドットが形成されていた。
【0020】実施例3 着色剤としてアニオン系界面活性剤分散型の水性顔料
(ピグメントブルー15:3)分散物(商品名:TB7
08 Blue、固形分23%、平均顔料粒子径0.1
〜0.2μm、大日精化工業社製)10重量部中に、カ
チオン性高分子凝集剤としてメタクリル酸エステルのメ
チルクロライド4級塩ホモポリマー(商品名:ハイセッ
トC−200、第一工業製薬社製)の0.5%水溶液を
25重量部添加し、マグネチックスターラーを用いて撹
拌混合させることにより凝集体が生成した。この生成物
を光学顕微鏡により観察したところ、大きさ約50〜1
00μmの凝集体が形成されていることを確認した。こ
の凝集体は、軟らかく凝集しており、かつ長時間放置し
ても沈降することがなく、凝集体としての素性は良好な
ものであった。次いで、生成した凝集体を、ホモジナイ
ザーを用いて18000rpmの条件で6分間高速粉砕
させることにより、平均粒子径2〜4μmの凝集体粒子
を含む溶液を得た(光学顕微鏡観察により確認)。次い
で、この溶液を、アクリルシリコーン樹脂微粒子を含む
樹脂分散液(商品名:SW−135、水性樹脂エマルジ
ョン、樹脂固形分=35%、重量平均分子量15,00
0、平均粒子径0.1〜0.2μm、三洋化成工業社
製)15重量部中に加えて、再びマグネチックスターラ
ーを用いて撹拌混合させることにより凝集体が生成し
た。この生成物を光学顕微鏡により観察したところ、凝
集体粒子及び樹脂エマルジョンを含む記録液を得た。
【0021】次に、上記により得られた記録液をバーコ
ーターを用いて複写機用普通紙上に塗布し、室温にて乾
燥させることにより、普通紙上に塗布乾燥膜が形成され
たベタ画像を得た。得られた画像の光学濃度を画像表面
側から測定したところ、画像面積1cm2 当たり2.1
mgの記録液量で塗布した画像の光学濃度は1.7とい
う高い値であった。また、得られた普通紙上の画像の光
学濃度を普通紙の裏側から測定したところ、光学濃度は
0.14であり、普通紙のみの光学濃度と略同一であっ
た。この測定結果から、着色剤は普通紙内部には殆んど
浸透していないことが判明した。さらにまた、この普通
紙上のベタ画像の縦断面を光学顕微鏡により観察したと
ころ、画像は普通紙の上に形成されており、普通紙内部
には着色剤の浸透は認められなかった。次に、この普通
紙上のベタ画像について、指スマッヂテストにより定着
性の評価を行ったところ、指こすりによる画像部の乱れ
や非画像部の汚れがなく、画像定着性は良好であった。
さらに、上記の記録液を市販のインクジェットプリンタ
ーのインクとして使用し、普通紙上に印字テストを実施
した。その際、インクが飛翔できるように、記録液を水
で希釈して粘度の調整を行った。得られた印字サンプル
の印字ドットについて拡大ルーペ及び光学顕微鏡により
観察したところ、ドット周辺部にはインクの滲みはな
く、また、高画像濃度の鮮明なドットが形成されてい
た。
【0022】実施例4 着色剤としてアニオン系界面活性剤分散型の水性顔料
(ピグメントレッド184)分散物(商品名:TB90
6 Rubine、固形分24.5%、平均顔料粒子径
0.1〜0.2μm、大日精化工業社製)10重量部中
に、カチオン性高分子凝集剤としてメタクリル酸エステ
ルのメチルクロライド4級塩ホモポリマー(商品名:ハ
イセットC−200、第一工業製薬社製)の1%水溶液
を25重量部添加し、マグネチックスターラーを用いて
撹拌混合させることにより凝集体が生成した。この生成
物を光学顕微鏡により観察したところ、大きさ約50〜
100μmの凝集体が形成されていることを確認した。
この凝集体は、軟らかく凝集しており、かつ長時間放置
しても沈降することがなく、凝集体としての素性は良好
なものであった。次いで、生成した凝集体を、ホモジナ
イザーを用いて18000rpmの条件で6分間高速粉
砕させることにより、平均粒子径2〜4μmの凝集体粒
子を含む溶液を得た(光学顕微鏡観察により確認)。次
いで、この溶液を、アクリルシリコーン樹脂微粒子を含
む樹脂分散液(商品名:SW−135、水性樹脂エマル
ジョン、樹脂固形分=35%、重量平均分子量15,0
00、平均粒子径0.1〜0.2μm、三洋化成工業社
製)15重量部中に加えて、再びマグネチックスターラ
ーを用いて撹拌混合させることにより凝集体が生成し
た。この生成物を光学顕微鏡により観察したところ、凝
集体粒子及び樹脂エマルジョンを含む記録液を得た。
【0023】次に、上記により得られた記録液をバーコ
ーターを用いて複写機用普通紙上に塗布し、室温にて乾
燥させることにより、普通紙上に塗布乾燥膜が形成され
たベタ画像を得た。得られた画像の光学濃度を画像表面
側から測定したところ、画像面積1cm2 当たり2.1
mgの記録液量で塗布した画像の光学濃度は1.6とい
う高い値であった。また、得られた普通紙上の画像の光
学濃度を普通紙の裏側から測定したところ、光学濃度は
0.14であり、普通紙のみの光学濃度と略同一であっ
た。この測定結果から、着色剤は普通紙内部には殆んど
浸透していないことが判明した。さらに、この普通紙上
のベタ画像の縦断面を光学顕微鏡により観察したとこ
ろ、画像は普通紙の上に形成されており、普通紙内部に
は着色剤の浸透は認められなかった。次に、この普通紙
上のベタ画像について、指スマッヂテストにより定着性
の評価を行ったところ、指こすりによる画像部の乱れや
非画像部の汚れがなく、画像定着性は良好であった。さ
らに、上記の記録液を市販のインクジェットプリンター
のインクとして使用し、普通紙上に印字テストを実施し
た。その際、インクが飛翔できるように、記録液を水で
希釈して粘度の調整を行った。得られた印字サンプルの
印字ドットについて拡大ルーペ及び光学顕微鏡により観
察したところ、ドット周辺部にはインクの滲みはなく、
また、高画像濃度の鮮明なドットが形成されていた。
【0024】比較例1 実施例1において、カチオン性高分子凝集剤に代えて水
を使用したこと以外は、実施例1と全く同様にして記録
液を得た。この記録液を用いて、実施例1と全く同様に
して普通紙上にベタ画像を得た。得られた画像の光学濃
度を画像表面側から測定したところ、画像面積1cm2
当たり2.1mgの記録液量で塗布した画像の光学濃度
は0.9という低い値であった。また、得られた普通紙
上の画像を普通紙の裏側から目視により観察したとこ
ろ、着色剤の色が認められたことから、着色剤が普通紙
の内部に浸透していることが判明した。さらにまた、こ
の普通紙上のベタ画像の縦断面を光学顕微鏡により観察
したところ、画像は普通紙内部にも形成されていて、着
色剤は普通紙の中に浸透していることが重ねて確認でき
た。また、この普通紙上のベタ画像について、指スマッ
ヂテストにより定着性の評価を行ったところ、指こすり
による画像部の一部剥離や非画像部の汚れが発生し、ま
た画像定着性は不良であった。次に、上記の記録液を実
施例1と同じ市販のインクジェットプリンターのインク
として使用し、普通紙上に印字テストを実施した。得ら
れた印字サンプルの印字ドットについて拡大ルーペ及び
光学顕微鏡により観察したところ、ドット周辺部にはイ
ンクの滲みが認められ、また、画像濃度の低い不鮮明な
ドットが形成されていた。
【0025】比較例2 実施例2において、カチオン性高分子凝集剤に代えて水
を使用したこと以外は、実施例2と全く同様にして記録
液を得た。この記録液を用いて、実施例2と全く同様に
して普通紙上にベタ画像を得た。得られた画像の光学濃
度を画像表面側から測定したところ、画像面積1cm2
当たり2.1mgの記録液量で塗布した画像の光学濃度
は0.8という低い値であった。また、得られた普通紙
上の画像を普通紙の裏側から目視により観察したとこ
ろ、着色剤の色が認められたことから、着色剤が普通紙
の内部に浸透していることが判明した。さらに、この普
通紙上のベタ画像の縦断面を光学顕微鏡により観察した
ところ、画像は普通紙内部にも形成されていて、着色剤
は普通紙の内部に浸透していることが重ねて確認でき
た。次に、この普通紙上のベタ画像について、指スマッ
ヂテストにより、定着性の評価を行ったところ、指こす
りによる画像部の一部剥離や非画像部の汚れが発生し、
また画像定着性は不良であった。次に、上記の記録液を
実施例2と同じく市販のインクジェットプリンターのイ
ンクとして使用し、普通紙上に印字テストを実施した。
得られた印字サンプルの印字ドットについて拡大ルーペ
及び光学顕微鏡により観察したところ、ドット周辺部に
はインクの滲みが認められ、また、画像濃度の低い不鮮
明なドットが形成されていた。
【0026】比較例3 実施例3において、カチオン性高分子凝集剤に代えて水
を使用したこと以外は、実施例3と全く同様にして記録
液を得た。この記録液を用いて、実施例3と全く同様に
して普通紙上にベタ画像を得た。得られた画像の光学濃
度を画像表面側から測定したところ、画像面積1cm2
当たり2.1mgの記録液量で塗布した画像の光学濃度
は1.1という低い値であった。また、得られた普通紙
上の画像を普通紙の裏側から目視により観察したとこ
ろ、着色剤の色が薄く認められたことから、着色剤が普
通紙の内部に浸透していることが判明した。さらに、こ
の普通紙上のベタ画像の縦断面を光学顕微鏡により観察
したところ、画像は一部普通紙の内部にも形成されてい
て、着色剤は普通紙の内部に浸透していることが重ねて
確認できた。次に、この普通紙上のベタ画像について、
指スマッヂテストにより、定着性の評価を行ったとこ
ろ、指こすりによる画像部の一部剥離や非画像部の汚れ
が発生し、また画像定着性は不十分であった。次に、上
記の記録液を実施例3と同じく市販のインクジェットプ
リンターのインクとして使用し、普通紙上に印字テスト
を実施した。得られた印字サンプルの印字ドットについ
て拡大ルーペ及び光学顕微鏡により観察したところ、ド
ット周辺部にはインクの滲みが認められ、また、画像濃
度の低い不鮮明なドットが形成されていた。
【0027】比較例4 実施例4において、カチオン性高分子凝集剤に代えて水
を使用したこと以外は、実施例4と全く同様にして記録
液を得た。この記録液を用いて、実施例4と全く同様に
して普通紙上にベタ画像を得た。得られた画像の光学濃
度を画像表面側から測定したところ、画像面積1cm2
当たり2.1mgの記録液量で塗布した画像の光学濃度
は1.1という低い値であった。また、得られた普通紙
上の画像を普通紙の裏側から目視により観察したとこ
ろ、着色剤の色が薄く認められたことから、着色剤が普
通紙の内部に浸透していることが判明した。さらに、こ
の普通紙上のベタ画像の縦断面を光学顕微鏡により観察
したところ、画像は一部普通紙の内部にも形成されてい
て、着色剤は普通紙の内部に浸透していることが重ねて
確認できた。次に、この普通紙上のベタ画像について、
指スマッヂテストにより、定着性の評価を行ったとこ
ろ、指こすりによる画像部の一部剥離や非画像部の汚れ
が部分的に発生し、また画像定着性は不十分であった。
次に、上記の記録液を実施例4と同じく市販のインクジ
ェットプリンターのインクとして使用し、普通紙上に印
字テストを実施した。得られた印字サンプルの印字ドッ
トについて拡大ルーペ及び光学顕微鏡により観察したと
ころ、ドット周辺部にはインクの滲みが認められ、ま
た、画像濃度の低い不鮮明なドットが形成されていた。
【0028】
【発明の効果】本発明の記録液は、記録紙上において着
色剤の滲みがなく、また、記録紙内部への着色剤の浸透
を防止することが可能であり、かつ、高濃度で高彩度の
優れた画像を形成させることができる。また、この記録
液を用いると、ヘッドにエネルギーを付与する必要がな
く、定着性の良好な画像を得ることが可能であり、ま
た、高環境温度下においても画像部が粘着性を帯びるこ
とがなく、安全性も高いものである。従って、本発明に
よれば、上記のとおり、インクとして、特にインクジェ
ット用に好適な総合特性に優れた記録液及びそれを用い
る画像記録方法を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水及び着色剤と凝集剤とから形成された
    凝集体粒子を含有することを特徴とする記録液。
  2. 【請求項2】 記録液の液滴を記録ヘッドから吐出させ
    て記録体上に記録を行う画像記録方法において、水及び
    着色剤と凝集剤とから形成された凝集体粒子を含有する
    記録液を用いることを特徴とする画像記録方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005509716A (ja) * 2001-11-23 2005-04-14 シクパ・ホールディング・ソシエテ・アノニム 顔料配合インク組成物
JP2012087198A (ja) * 2010-10-19 2012-05-10 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法、画像形成物

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