JP3982003B2 - 記録液および画像記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録液および画像記録方法に関する。さらに詳細には、水、着色剤、自己架橋性の樹脂微粒子および水溶性樹脂を含有する記録液、およびそれを使用する画像記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピューター等の情報機器の出力装置において、最近、ランニングコストが安く、かつカラー化が容易な方式として、記録液の液滴をヘッドから吐出させて記録体上に記録を行う画像記録方法であるインクジェット方式が注目されている。この方式の出力装置に用いるインクジェットプリンタ用の記録液としては、従来、水と染料を主成分とする染料水溶液が使用されているが、ノズルから飛ばされた記録液が記録紙に付着したとき、記録液が記録紙でにじみ、そのため飛翔時に形成された記録液滴粒よりも著しく大きなドットになったり、記録された画像の濃度が低く、したがって画質が劣るという問題があった。また記録された画像の耐水性が低いため、水により容易に画像がにじんだり、画像が流れるという問題があった。また耐光性が低く、太陽光等の光の照射により容易に画像が退色するという問題があった。
【0003】
従来、インクジェットプリンタ用の記録液では、染料水溶液に関しての上記の問題を解決するために、造膜性の樹脂微粒子を記録液に添加する技術が提案されている。すなわち、樹脂微粒子として、ラテックスの添加が特公昭60−32663号公報に、カルボキシル基とノニオン親水性基を有する水分散性樹脂の添加が特開平5−239392号公報に、非架橋構造のビニル系高分子の添加が特開平5−255628号公報に、イオン性基を有するポリエステル粒子の添加が特開平6−340835号公報に、および染色した樹脂微粒子の添加が特開平5−255567号公報にそれぞれ開示されている。またポリエステル等の樹脂微粒子と架橋剤とを別個に配合し、記録体上で樹脂を架橋させる技術が特公平7−47355号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特公昭60−32663号公報、特開平5−239392号公報、特開平5−255628号公報、特開平6−340835号公報、特開平5−255567号公報、および特公平7−47355号公報に開示されている記録液では、いずれも記録ヘッドの吐出口部分において、空気との接触による記録液中の水分の蒸発に伴い樹脂微粒子の造膜作用が開始されるため、吐出口での目詰まりが発生し、そのため記録液を安定して吐出させることが不可能であった。また、初期に吐出できたとしても、記録紙繊維の毛細管現象による記録液のにじみを完全に防ぐことはできず、高画質画像を得ることは不可能であった。さらにまた、記録紙内部への記録液の浸透を完全に防ぐことができず、高濃度画像化と高画質化に限界があった。また、耐水性についても同様に限界があった。
【0005】
また、従来開示されている上記の記録液において、吐出口での目詰まり回避のため、記録液を水で希釈することが考えられるが、それを実施した場合、同一体積の液滴中に含まれる樹脂微粒子の含有量、すなわち画像形成に寄与する樹脂固形分含有量が相対的に減少し、その結果、画像濃度が著しく低下し、高画質な画像を得ることは不可能であった。すなわち、従来開示されている上記の記録液では、樹脂微粒子の高含有量化(樹脂固形分高含有化)による高画像濃度化およびそれによる高画質化の達成と、吐出口での目詰まり回避の両立は不可能であった。
【0006】
本発明は、従来の技術における上記の課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明の目的は、記録紙上での記録液のにじみや浸透をなくし、極めて高い画像濃度で耐水性のある高画質画像を得ることが可能であり、かつ、目詰まりのない吐出安定性に優れたインクジェットプリンタ用の記録液を提供することにある。さらに本発明の他の目的は、この記録液を用いて画像を形成する画像記録方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成することが可能な本発明の記録液は、着色剤、水、水を分散媒として分散している自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子および水溶性樹脂を含有することを特徴とする。
また、本発明の画像記録方法は、記録液の液滴を記録ヘッドから吐出させて記録体上に記録を行うものであって、上記の記録液を用いることを特徴とする。この画像記録方法において、記録体として、普通紙を用いることが可能である。
【0008】
本発明の記録液において、着色剤としては顔料を用いることができる。また、自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子固形分と水溶性樹脂固形分の合計に対する水溶性樹脂固形分の含有率は、20〜80重量%の範囲にあることが好ましい。さらに、記録液の全量に対する自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子固形分と水溶性樹脂固形分の合計含有率が、10〜95重量%であることが好ましい。
【0009】
本発明によれば、記録液中のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子が自己架橋性であり、さらに記録液中に水溶性樹脂を含ませることにより、高画像濃度の達成と記録ヘッドの吐出口での目詰まり回避の両立が可能になる。その結果、高濃度・高画質画像を得ることができ、かつ目詰まりのない吐出安定に優れたインクジェットプリンター用の記録液を得ることが可能になる。
【0010】
上記のように優れた記録液特性を得るには、次に述べる構成要素個々の作用が不可欠である。記録液の構成要素の一つである自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子は、記録画像の定着に関する。すなわち、記録ヘッドから飛翔した記録液の液滴が記録紙に付着した直後から、記録液中の水分の蒸発と紙への浸透に伴い、自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子の架橋反応が高速に進行し、着色剤を樹脂の中に閉じ込めた強固な画像膜が急速に形成される。
【0011】
他の構成要素である水溶性樹脂の第一の作用は、記録画像の高濃度化への寄与である。目詰まり回避のため、水希釈により自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子の濃度を減少させると、画像形成に寄与可能な樹脂固形分含有量が不足し、画像濃度が低下する。本発明の記録液では、水溶性樹脂が、自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子の固形分の不足分を補填し、高画像濃度の実現を可能にする。したがって、自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子の含有濃度が低い場合においても、高画像濃度が実現できる。水溶性樹脂の第二の作用は、目詰まりの改善である。記録液中に水溶性樹脂が存在することにより、自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子同士の接近および衝突の確率が減少する。したがって、記録液中での樹脂微粒子の接近から、衝突、融着、そして膜化(造膜)までに至るまでの記録ヘッド吐出口での目詰まり要因の発生が阻害されるものと推測される。
【0012】
さらに、構成要素の一つである着色剤は、その種類を問わないが、顔料を使用するのが好ましい。顔料は、吸収した光エネルギーを結晶格子振動で緩和可能なため耐光性に優れ、また、樹脂からなる強固な膜中にその顔料が取り込まれるため、優れた画像の耐水性も実現することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、その実施の形態によって詳細に説明する。
本発明において、樹脂微粒子とは、一般的にエマルジョンと呼ばれるものの分散質としての樹脂微粒子のことを意味し、この樹脂微粒子の水分散液は、全体として樹脂微粒子(分散質)と水(分散媒)との二相からなる。そして、本発明における自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子とは、系外から別途加える架橋剤の作用によって架橋するものではなく、樹脂の側鎖に組み込まれたアルコキシシリル基の反応性により架橋する樹脂微粒子をいう。アルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子は、高速造膜性に最も優れているため、急速画像形成に最適である。すなわち、記録紙上に記録液が付着した直後から、水が蒸発或いは記録紙内部に浸透し、これに伴なってアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン樹脂微粒子の融着が生ずる。これにより粒子に含まれるアルコキシシリル基は、残存する水の作用を受けて極めて速く縮合し、着色剤を閉じ込めた強固なシロキサン架橋膜を形成する。これにより高速造膜性が発揮される。
【0014】
このようなアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン樹脂微粒子は、代表的には、アクリルビニルポリマー系モノマーに常法によってアルコキシシリル基を導入し、そのモノマーを乳化重合することによって調製される。アルコキシシリル基を有する自己架橋性のアクリルシリコーン樹脂微粒子のアルコキシシリル基は、炭素数が1個〜3個のアルキル、特に、炭素数が1個〜2個のアルキルを有するアルコキシシリル基であることが好ましい。アクリルビニル系モノマーとしては、例えばスチレン、ビニルトルエン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メタクリル酸グリシジル等を例示することができる。これらのモノマーは単独で、あるいは複数を併用することができる。
【0015】
本発明において用いる自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子は、平均粒子径が、0.01μmないし5μmの範囲にあることが好ましいが、特に0.05μmないし3μmの範囲にあることが好ましい。自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子の平均粒子径が0.05μm未満の場合には、造膜性が悪く、また5μmを超えると光学濃度(画像濃度)が低下する。
【0016】
本発明において用いる水溶性樹脂は、樹脂が溶質として、主溶媒である水に溶解しているものである。その水溶性樹脂の水中での存在粒径領域は、分子状態から0.005μm位までの範囲にあり、その粒径を直接観察することは不可能であり、液全体として一相状態で存在するとみなし得るものである。水溶性樹脂は、一般的概念としては、鎖状高分子でかつ架橋していなく、その殆どが親水性基を有していて水に溶解しているものとしてとらえられる。親水性基として、−OH基、−COOH基、−NH2 基、−SO3 H基等があげられる。これらの水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等を用いることができる。本発明において、自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子固形分と水溶性樹脂固形分の合計に対する水溶性樹脂固形分の含有率は、20〜80重量%の範囲にあることが好ましく、25〜75重量%の範囲であることがより好ましい。20重量%未満になると目詰まり発生の懸念があり、また80重量%を超えると画像濃度が低下する懸念がある。また、記録液の全量に対する自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子固形分と水溶性樹固形分の合計含有量率は、10〜95重量%の範囲であることが好ましく、20〜80重量%の範囲であることがより好ましい。10重量%未満になると画像がにじみやすくなり、また95重量%を超えると吐出性が不安定になる懸念がある。
【0017】
着色剤としては、顔料、水溶性染料、分散染料があげられ、主溶媒である水との親和性がよいもの、均一分散性が良好なものであれば使用可能である。
本発明に用いることのできる顔料としては、有機顔料、無機顔料等があげられ、例えば、白黒用としては、ファーネスブラック、チャンネルブラック等カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。更にカラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42、53、55、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138および153、C.I.ピグメントバイオレット1、3、5:1、16、19、23および38、C.I.ピグメントブルー1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6および16等の顔料があげられる。記録液全量に対する顔料の添加量は、1〜50重量%の範囲が好ましいが、1.5〜40重量%の範囲がより好ましい。これらの顔料をより均一に分散するためには、場合によってボールミル等で分散処理してもよい。
【0018】
本発明に用いることのできる水溶性染料としては、直接染料、酸性染料等があげられ、例えば、C.I.ダイレクトブラック9、17、19、22、32、51、56、62、69、77、80、91、94、97、108、112、113、114、117、118、121、122、125、132、146、154、166、168、173および199、C.I.ダイレクトバイオレット7、9、47、48、51、66、90、93、94、95、98、100および101、C.I.ダイレクトイエロー8、9、11、12、27、28、29、33、35、39、41、44、50、53、58、59、68、86、87、93、95、96、98、100、106、108、109、110、130、132、144、161および163、C.I.ダイレクトブルー1、10、15、22、25、55、67、68、71、76、77、78、80、84、86、87、90、98、106、201、202、244、251および280、C.I.アシッドブラック7、24、29および48、C.I.アシッドバイオレット5、34、43、47、48、90および103、C.I.アシッドイエロー17、19、23、25、39、40、44、49、50、61、110、174および218、C.I.アシッドブルー9、25、40、41、62、72、76、80、106、112、120、205、230、271および280等が用いられるが、これらに限定されるものではない。これらの染料の添加量は、染料の種類、溶媒成分の種類、記録液に対して要求されている特性等に依存して決定されるが、一般には、記録液全量に対して0.2〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%の範囲である。
【0019】
その他必要に応じて、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム等のpH調節剤、防カビ、防腐、防錆等の目的で安息香酸、ジクロフエン、ヘキサクロロフエン、ソルビン酸等を記録液に添加することができる。さらに必要に応じて、エチレングリコール、グリセリン等、一般に添加剤として使用される各種添加剤を記録液に添加してもよい。
【0020】
本発明の記録液は、記録液の液滴をインクジェットプリンタの記録ヘッドから吐出させて、紙等の記録体上に記録を行なう画像記録方法に使用することができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いて説明する。
実施例1
水溶性樹脂として、ポリビニルアルコール粉末(クラレ社製、ポバールPVA−105)を約80〜85℃の蒸留水中に徐々に投入し、加熱撹拌して溶解することにより、固形分20重量%のポリビニルアルコール水溶液を得た。次いで、自己架橋性の樹脂微粒子として、水に分散させた加水分解性メトキシシリル基を有するアクリルシリコーン樹脂微粒子と、上記ポリビニルアルコール水溶液と、着色剤として、銅フタロシアニン系顔料(ピグメントブルー15:3)水性分散物とからなる記録液を次の配合量によって作製した。
Figure 0003982003
このようにして作製した記録液をバーコーターを用いて、複写機用普通紙上に塗布し、室温にて乾燥させることにより、普通紙上に塗布乾燥膜からなるベタ画像を得た。そして得られた画像の光学濃度(Optical Density)を測定した。その結果、画像面積1cm2 あたり0.9mgという少量の記録液量で塗布したベタ画像の光学濃度は1.5であり、高い光学濃度値が得られた。また、この普通紙上のベタ画像の縦断面を光学顕微鏡により観察したところ、ベタ画像は普通紙の上に主として形成されており、記録液の普通紙中への浸透は殆ど認められなかった。
【0022】
一方、記録ヘッド吐出口での記録液の目詰まり性の評価を次のように行なった。内径15mmの注射器の先に、内径180μmの標準注射針(岩下エンジニアリング社製)をセットし、この注射器の中に記録液を一定量10ml吸入した。次いで、注射器の上部を密閉し、注射針からの記録液の滴下を停止させた状態にして、放置した。所定時間経過後、上部を開放し、記録液が継続して注射針から滴下可能か否かを調べた。この操作を、放置の所定時間を少しづつ延長しながら繰り返し、注射針から滴下可能であった最長放置時間を目詰まり発生までの余裕時間とした。上記のようにして測定した結果、この実施例の記録液の目詰まり発生までの余裕時間は35秒と長いものであった。
【0023】
さらに、市販のインクジェットプリンターを用いて、この記録液の普通紙上への印字テストを実施した。その結果、記録液は、安定吐出可能であった。このようにして印字されたサンプルの印字ドットを拡大ルーペおよび光学顕微鏡により観察したところ、ドット周辺部への記録液の滲みのない、また画像濃度の高い鮮明なドットが形成されていることが確認された。
【0024】
実施例2
水溶性樹脂として、ポリビニルピロリドン粉末(和光純薬社製試薬、K30)を約90〜95℃の蒸留水中に徐々に投入し、加熱撹拌溶解することにより、固形分35重量%のポリビニルピロリドン水溶液を得た。次いで、自己架橋性の樹脂微粒子として、水に分散させた加水分解性メトキシシリル基を有するアクリルシリコーン樹脂微粒子と、上記ポリビニルピロリドン水溶液と、着色剤として銅フタロシアニン系顔料(ピグメントブルー15:3)水性分散物とからなる記録液を次の配合量によって作製した。
Figure 0003982003
このようにして作製した記録液をバーコーターを用いて、複写機用普通紙上に塗布し、室温にて乾燥させることにより、普通紙上に塗布乾燥膜からなるベタ画像を得た。そして得られた画像の光学濃度(Optical Density)を測定した。その結果、画像面積1cm2 あたり0.9mgという少量の記録液量で塗布したベタ画像の光学濃度は1.6であり、高い光学濃度値が得られた。また、この普通紙上のベタ画像の縦断面を光学顕微鏡により観察したところ、ベタ画像は普通紙の上に主として形成されており、記録液の普通紙中への浸透は殆ど認められなかった。
【0025】
次に、実施例1と同様の方式にて、記録ヘッド吐出口での記録液の目詰まり性を評価した。その結果、この実施例の記録液の目詰まり発生までの余裕時間は30秒と長いものであった。
さらに、市販のインクジェットプリンターを用いて、この記録液の普通紙上への印字テストを実施した。その結果、記録液は、安定吐出可能であった。このようにして印字されたサンプルの印字ドットを拡大ルーペおよび光学顕微鏡により観察したところ、ドット周辺部への記録液の滲みのない、また画像濃度の高い鮮明なドットが形成されていることが確認された。
【0026】
実施例3
水溶性樹脂として、ポリエチレングリコール粉末(和光純薬社製試薬、平均分子量20000)を約90〜95℃の蒸留水中に徐々に投入し、加熱撹拌溶解することにより、固形分25重量%のポリエチレングリコール水溶液を得た。次いで、自己架橋性の樹脂微粒子として、水に分散させた加水分解性メトキシシリル基を有するアクリルシリコーン樹脂微粒子と、上記ポリエチレングリコール水溶液と、着色剤として、銅フタロシアニン系顔料(ピグメントブルー15:3)水性分散物とからなる記録液を次の配合量によって作製した。
Figure 0003982003
このようにして作製した記録液をバーコーターを用いて、複写機用普通紙上に塗布し、室温にて乾燥させることにより、普通紙上に塗布乾燥膜からなるベタ画像を得た。そして得られた画像の光学濃度(Optical Density)を測定した。その結果、画像面積1cm2 あたり0.9mgという少量の記録液量で塗布したベタ画像の光学濃度は1.5であり、高い光学濃度が得られた。また、この普通紙上のベタ画像の縦断面を光学顕微鏡により観察したところ、ベタ画像は普通紙の上に主として形成されており、記録液の普通紙中への浸透は殆ど認められなかった。
【0027】
次に、実施例1と同様の方式にて、記録ヘッド吐出口での記録液の目詰まり性を評価した。その結果、この実施例の記録液の目詰まり発生までの余裕時間は33秒と長いものであった。
さらに、市販のインクジェットプリンターを用いて、この記録液の普通紙上への印字テストを実施した。その結果、記録液は安定吐出可能であった。このようにして印字されたサンプルの印字ドットを拡大ルーペおよび光学顕微鏡により観察したところ、ドット周辺部への記録液の滲みのない、また画像濃度の高い鮮明なドットが形成されていることが確認された。
【0028】
実施例4
水溶性樹脂として、ポリビニルアルコール粉末(クラレ社製、ポバールPVA−205)を約85〜95℃の蒸留水中に徐々に投入し、加熱撹拌溶解することにより、固形分20重量%のポリビニルアルコール水溶液を得た。次いで、自己架橋性の樹脂微粒子として、水に分散させた加水分解性メトキシシリル基を有するアクリルシリコーン樹脂微粒子と、上記ポリビニルアルコール水溶液と、着色剤として、フタロシアニン系染料(アシッドブルー9)水溶液とからなる記録液を次の配合量によって作製した。
Figure 0003982003
このようにして作製した記録液をバーコーターを用いて、複写機用普通紙上に塗布し、室温にて乾燥させることにより、普通紙上に塗布乾燥膜からなるベタ画像を得た。そして得られた画像の光学濃度(Optical Density)を測定した。その結果、画像面積1cm2 あたり0.9mgという少量の記録液量で塗布したベタ画像の光学濃度は1.5であり、高い光学濃度値が得られた。また、この普通紙上のベタ画像の縦断面を光学顕微鏡により観察したところ、ベタ画像は普通紙の上に主として形成されており、記録液の普通紙中への浸透は殆ど認められなかった。
【0029】
次に、実施例1と同様の方式にて、記録ヘッド吐出口での記録液の目詰まり性を評価した。その結果、本方式での記録液の目詰まり発生までの余裕時間は34秒と長いものであった。
さらに、市販のインクジェットプリンターを用いて、この記録液の普通紙上への印字テストを実施した。その結果、記録液は安定吐出可能であった。このようにして印字されたサンプルの印字ドットを拡大ルーペおよび光学顕微鏡により観察したところ、ドット周辺部への記録液の滲みのない、また画像濃度の高い鮮明なドットが形成されていることが確認された。
【0030】
比較例1
水溶性樹脂であるポリビニルアルコール水溶液を使用せずに、その固形分相当量を実施例1と同一の自己架橋性のアクリルシリコーン樹脂微粒子で補填した以外は、実施例1と全く同様にして記録液を作製した。
この記録液を用いて、実施例1と全く同様にして、光学濃度、目詰まり発生までの余裕時間の測定、および市販インクジェットプリンターによる普通紙上への印字テストを実施した。その結果、画像面積1cm2 あたり0.9mgという少量の記録液量で塗布したベタ画像において、光学濃度値は1.6であったが、しかし、この記録液の目詰まり発生までの余裕時間は8秒と短いものであった。また、市販のインクジェットプリンターを用いての印字テストを実施した結果、目詰まりが発生した。
さらにまた、この記録液を蒸留水で4倍に希釈(記録液:蒸留水=1:3)したところ、市販のインクジェットプリンターで吐出可能になったが、画像の光学濃度は0.5と低いものであった。
【0031】
比較例2
水溶性樹脂であるポリビニルピロリドン水溶液を使用せずに、その固形分相当量を実施例2と同一の自己架橋性のアクリルシリコーン樹脂微粒子で補填した以外は、実施例2と全く同様にして記録液を作製した。
この記録液を用いて、実施例2と全く同様にして、光学濃度、目詰まり発生までの余裕時間の測定、および市販インクジェットプリンターによる普通紙上への印字テストを実施した。その結果、画像面積1cm2 あたり0.9mgという少量の記録液量で塗布したベタ画像において、光学濃度値は1.7であったが、しかし、この記録液の目詰まり発生までの余裕時間は6秒と短いものであった。また、市販のインクジェットプリンターを用いての印字テストを実施した結果、目詰まりが発生した。
さらにまた、この記録液を蒸留水で4倍に希釈(記録液:蒸留水=1:3)したところ、市販のインクジェットプリンターで吐出可能になったが、画像の光学濃度は0.6と低いものであった。
【0032】
比較例3
水溶性樹脂であるポリエチレングリコール水溶液を使用せずに、その固形分相当量を実施例3と同一の自己架橋性のアクリルシリコーン樹脂微粒子で補填した以外は、実施例3と全く同様にして記録液を作製した。
この記録液を用いて、実施例3と全く同様にして、光学濃度、目詰まり発生までの余裕時間の測定、および市販インクジェットプリンターによる普通紙上への印字テストを実施した。その結果、画像面積1cm2 あたり0.9mgという少量の記録液量で塗布したベタ画像において、光学濃度値は1.6であったが、しかし、この記録液の目詰まり発生までの余裕時間は6秒と短いものであった。また、市販のインクジェットプリンターを用いての印字テストを実施した結果、目詰まりが発生した。
さらにまた、この記録液を蒸留水で4倍に希釈(記録液:蒸留水=1:3)したところ、市販のインクジェットプリンターで吐出可能になったが、画像の光学濃度は0.5と低いものであった。
【0033】
比較例4
水溶性樹脂であるポリビニルアルコール水溶液を使用せずに、その固形分相当量を実施例4と同一の自己架橋性のアクリルシリコーン樹脂微粒子で補填した以外は、実施例4と全く同様にして記録液を作製した。
この記録液を用いて、実施例4と全く同様にして、光学濃度、目詰まり発生までの余裕時間の測定、および市販インクジェットプリンターによる普通紙上への印字テストを実施した。その結果、画像面積1cm2 あたり0.9mgという少量の記録液量で塗布したベタ画像において、光学濃度値は1.6であったが、しかし、この記録液の目詰まり発生までの余裕時間は10秒と短いものであった。また、市販のインクジェットプリンターを用いての印字テストを実施した結果、目詰まりが発生した。
さらにまた、この記録液を蒸留水で4倍に希釈(記録液:蒸留水=1:3)したところ、市販のインクジェットプリンターで吐出可能になったが、画像の光学濃度は0.4と低いものであった。
【0034】
【発明の効果】
本発明の記録液は、自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子および水溶性樹脂を含有するから、それをインクジェットプリンタ用の記録液として用いて画像を形成した場合、目詰まりが発生することがなく、優れた吐出安定性を示し、そして記録紙上での記録液のにじみや浸透がなく、極めて高い画像濃度で耐水性のある高画質画像を得ることが可能である。

Claims (8)

  1. 水、着色剤、水を分散媒として分散している自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子および水溶性樹脂を含有することを特徴とする記録液。
  2. 前記自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子固形分と前記水溶性樹脂固形分の合計に対する前記水溶性樹脂固形分の含有率が、20〜80重量%の範囲にある請求項1記載の記録液。
  3. 前記自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子の平均粒子径が0.01μm〜5μmの範囲にある請求項1記載の記録液。
  4. 前記着色剤が顔料である請求項1に記載の記録液。
  5. 記録液の液滴を記録ヘッドから吐出させて記録体上に記録を行う画像記録方法において、該記録液として、水、着色剤、水を分散媒として分散している自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子および水溶性樹脂を含有する記録液を用いることを特徴とする画像記録方法。
  6. 前記自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子固形分と前記水溶性樹脂固形分の合計に対する前記水溶性樹脂固形分の含有率が、20〜80重量%の範囲にある請求項5記載の画像記録方法。
  7. 前記自己架橋性のアルコキシシリル基含有アクリルシリコーン系樹脂微粒子の平均粒子径が0.01μm〜5μmの範囲にある請求項5記載の画像記録方法。
  8. 前記着色剤が顔料である請求項5に記載の画像記録方法。
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