JP4634095B2 - インクジェット用油性インク組成物およびその製造方法 - Google Patents

インクジェット用油性インク組成物およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット用油性インク組成物およびその製造方法に関する。
近年、インクジェット用インクとしては、コピー用紙や再生紙も含む普通紙に印刷した際の品質が重要視されている。普通紙印刷は、フェザリングや滲み、裏抜けが少ないことが要求され、こうした高い品質の記録画像が得られる水性インクが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。いずれも水性インクであるゆえ、ノズル近傍のインクのドライアップにより、連続吐出安定性および長時間放置後の吐出安定性の信頼性に欠ける。
顔料を非水溶性有機溶媒に分散させてなる油性インクであれば、連続吐出安定性および長時間放置後の吐出安定性といった特性は改善される。しかしながら、油性インクを用いて普通紙に印刷を行なった場合、得られる画像の滲みや裏抜けは水性インクの場合よりも大きく、低減することが求められている。
パラフィン系溶媒を、オクチル酸アルミニウム(2−エチルヘキサン酸アルミニウム)を用いてゲル化する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。これにおいては、脂肪酸を併用して、非水溶媒系のゲル化剤である2−エチルヘキサン酸アルミニウムでパラフィン系溶媒のゲル化が行なわれる。得られるゲルは比較的硬く、軟らかいゲルを作製するには適切でないとされている。
特開2002−277655号公報 特開平6−88048号公報 特開2000−109787号公報
そこで本発明は、連続吐出安定性および長時間放置後吐出安定性に優れ、滲みや裏抜けのない高品質な画像を普通紙に印刷可能なインクジェット用油性インク組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかるインクジェット用油性インク組成物は、沸点200℃以上の非水溶性有機溶媒と顔料と分散剤と平均粒子径1μm以下のゲル粒子とを含有し、前記ゲル粒子は、オクチル酸アルミニウム、パラフィン系溶媒および分鎖状脂肪族アルコールから形成されることを特徴とする。
本発明の一態様にかかるインクジェット用油性インク組成物の製造方法は、沸点200℃以上の非水溶性有機溶媒に顔料および分散剤を加えて、ベースインクを調製する工程と、
オクチル酸アルミニウム、パラフィン系溶媒、および分鎖状脂肪族アルコールを加熱混合してゲル状物を調製する工程と、
前記ゲル状物を沸点200℃以上の非水溶性有機溶媒に加えて攪拌し、平均粒子径1μm以下のゲル粒子が分散された分散液を得る工程と、
前記分散液に前記ベースインクを加えて攪拌する工程と
を具備することを特徴とする。
本発明によれば、連続吐出安定性および長時間放置後吐出安定性に優れ、滲みや裏抜けのない高品質な画像を普通紙に印刷可能なインクジェット用油性インク組成物およびその製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施形態にかかるインクジェット用油性インク組成物において、沸点200℃以上の非水溶性有機溶媒は希釈溶媒として用いられ、例えば、パラフィン系溶媒、不飽和脂肪族アルコール、分鎖状脂肪族アルコール、およびエステル系溶媒が挙げられる。
パラフィン系溶媒としては、ノルマルトリデカン、ノルマルテトラデカン、およびノルマルヘキサデカンなどのノルマルパラフィン;IPソルベント(出光石油化学社製)などのイソパラフィン;シクロペンタンおよびシクロヘキサンなどのシクロパラフィン(ナフテン系炭化水素);ポリブテン;および流動パラフィンが挙げられる。
不飽和脂肪族アルコールとしては、例えばオレイルアルコールを用いることができ、分鎖状脂肪族アルコールとしては、例えば、2−オクチルドデカノール、イソセチルアルコール、イソトリデシルアルコール、イソステアリルアルコール、イソパルミチルアルコール、2−ヘキシルデカノール、およびデシルテトラデカノールが挙げられる。
また、エステル系溶媒としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、およびイソステアリン酸イソプロピルが挙げられる。
耐ドライアップ性に優れた油性インクとするために、用いる溶媒の沸点は200℃以上であることが求められ、こうした希釈溶媒は、単独でも2種以上の混合溶媒として用いてもよい。
使用可能な顔料としては、例えば、光吸収性の顔料を挙げることができる。そのような顔料としては、例えば、カーボンブラック、カーボンリファインド、およびカーボンナノチューブのような炭素系顔料、鉄黒、コバルトブルー、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化クロム、および酸化鉄のような金属酸化物顔料、硫化亜鉛のような硫化物顔料、フタロシアニン系顔料、金属の硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、およびリン酸塩のような塩からなる顔料、並びにアルミ粉末、ブロンズ粉末、および亜鉛粉末のような金属粉末からなる顔料が挙げられる。
また、例えば、染料キレート(塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、アニリンブラック、ナフトールグリーンBのようなニトロソ顔料、ボルドー10B、レーキレッド4Rおよびクロモフタールレッドのようなアゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む。)、ピーコックブルーレーキおよびローダミンレーキのようなレーキ顔料、フタロシアニンブルーのようなフタロシアニン顔料、多環式顔料(ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラノン顔料など)、チオインジゴレッドおよびインダトロンブルーのようなスレン顔料、キナクリドン顔料、キナクリジン顔料、並びにイソインドリノン顔料のような有機系顔料を使用することもできる。
黒インクで使用可能な顔料としては、例えば、コロンビア社製のRaven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700、キャボット社製のRegal 400R、Regal 330R、Regal 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400、三菱化学社製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B、デグッサ社製のColor Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex 45、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、およびSpecial Black 4などのようなカーボンブラックを挙げることができる。
イエローインクで使用可能な顔料としては、例えば、Yellow 128、C.I.Pigment Yellow 129、C.I.Pigment Yellow 151、C.I.Pigment Yellow 154、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow 12、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 14C、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 17、C.I.Pigment Yellow 73、C.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 75、C.I.Pigment Yellow 83、C.I.Pigment Yellow 93、C.I.Pigment Yellow95、C.I.Pigment Yellow97、C.I.Pigment Yellow 98、C.I.Pigment Yellow 114、およびC.I.Pigment等が挙げられる。
マゼンタインクで使用可能な顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 123、C.I.Pigment Red 168、C.I.Pigment Red 184、C.I.Pigment Red 202、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.Pigment Red 57:1、およびC.I.Pigment Red 112等が挙げられる。
また、シアンインクで使用可能な顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:34、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Vat Blue 4、およびC.I.Vat Blue 60等が挙げられる。
本発明に使用することができる、着色剤を非水分散剤中で微粒子状に分散するための顔料用分散剤としては、該非水分散媒中で使用される一般に顔料用分散剤を使用することができる。顔料用分散剤としては、前記非水溶性の有機溶媒に相溶し、顔料を安定して微粒子分散できるものであればよい。顔料用分散剤の具体例としては、ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンオレエート等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリエチレングリコールジイソシアネート等)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等)、脂肪族ジエタノールアミド系などのノニオン系界面活性剤が挙げられる。また、高分子系分散剤としては、分子量1000以上の高分子化合物が好適に用いられる。例えば、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ロジン、BYK−160、162、164、182(ビックケミー社製のウレタン系高分子化合物)、EFKA−47、LP−4050(EFKA社製のウレタン系高分子分散剤)、EFKA−4300(EFKA社製ポリアクリレート系高分子分散剤)、ソルスパース24000(ゼネカ社製のポリエステル系高分子化合物)、ソルスパース17000(ゼネカ社製の脂肪族ジエタノールアミド系)等が挙げられる。
上述したような成分は、予め常法により混合してベースインクを調製しておく。一般的には、希釈溶媒100重量部に対して、顔料10〜50重量部、分散剤2.5〜50重量部が用いられる。各成分を所定の割合で配合してディスパー等により攪拌混合し、メンブランフィルター等でろ過して顔料凝集物等を除去することによって、ベースインクが得られる。
本発明の実施形態にかかるインクジェット用油性インク組成物には、平均粒子径1μm以下のゲル粒子が含有される。このゲル粒子は、パラフィン系溶媒と分鎖状脂肪族アルコールとの混合溶媒にオクチル酸アルミニウムを加え、加熱することによって形成される。パラフィン系溶媒は、不揮発性ゲル状物形成のために用いられ、分鎖状脂肪族アルコールは、不揮発性ゲル状物の経時的安定化のために用いられる。パラフィン系溶媒および分鎖状脂肪族アルコールとしては、すでに希釈溶媒として列挙したものを用いることができる。オクチル酸アルミニウムとしては、例えば、オクトープアルミT(ホープ製薬)を用いることができる。
良好なゲル状物を得るために、パラフィン系溶媒は混合溶媒の全重量の10%以上で配合されることが望まれる。一方の分鎖状脂肪族アルコールは、混合溶媒の全重量の50%以上で配合されることが好ましい。50重量%未満の場合には、経時的に離油が発生して安定なゲルの維持が困難となる。
所定の割合で調製された混合溶媒にオクチル酸アルミニウムを加え、加熱することによってゲル状物が得られる。オクチル酸アルミニウムの含有量は、ゲル状物全体の0.1重量%以上10重量%以下の範囲とすることが好ましい。0.1重量%未満の場合には、十分にゲル化を行なうことができない。一方、10重量%を越えて過剰に配合した場合には、得られるゲル状物が硬くなりすぎて、非水溶性有機溶媒中への分散が困難になるといった不都合が生じるおそれがある。
ゲル状物の調製に当たっては、例えば、ビーカー等に収容された混合溶媒に所定の量のオクチル酸アルミニウムを加えて、ホットスターラー等で攪拌しつつ加熱する。例えば、150〜200℃で10〜60分程度加熱すると、オクチル酸アルミニウムが完全に溶解して液体が透明となる。さらに、攪拌しつつ150〜200℃で加熱を続けると、液体が急激に増粘してゲル化が確認される。
得られたゲル状物と前述のベースインクと希釈溶媒とを混合することによって、本発明の実施形態にかかるインクジェット用油性インク組成物が得られる。ゲル状物の含有量は、組成物中10〜80重量部程度とすることが好ましく、ベースインクの含有量は、組成物中10〜90重量部程度が好ましい。希釈溶媒の含有量は、組成物中0〜50重量部が好ましい。
したがって、インク組成物全体における各成分の割合は、例えば、次の範囲内とすることができる。分散剤0.3〜30重量部、顔料1〜30重量部、パラフィン系溶媒1〜40重量部、分鎖状脂肪族アルコール5〜72重量部、オクチル酸アルミニウム0.01〜8重量部、希釈溶媒0〜50重量部である。
インクジェット用油性インク組成物の調製に当たっては、予め希釈溶媒にゲル状物は希釈溶媒中で攪拌して、平均粒子径1μm以下のゲル粒子を形成しておく。連続吐出安定性を確保するために、ゲル粒子の平均粒子径は1μm以下に規定される。なお、ゲル粒子の平均粒子径は以下のような手法により求めることができる。具体的には、粒度分布計によって、平均粒子径が得られる。所望の粒子径を有するゲル粒子が形成された後、ベースインクを加えてさらに攪拌混合することによって、本発明の実施形態にかかるインクジェット用油性インク組成物が調製される。
本発明の実施形態にかかるインクジェット用油性インク組成物は、顔料および分散剤に加えて平均粒子径1μm以下のゲル粒子が、沸点200℃以上の非水溶性有機溶媒に分散されてなる。ゲル粒子は、印字の際、顔料粒子が普通紙内部に拡散するのを防ぐといった作用を有する。したがって、本発明の実施形態にかかるインク組成物を用いて普通紙に印刷した際には、滲みや裏抜けの少ない良好な画像が得られる。しかも、油性インクであるので、水性インクに比べて、連続吐出安定性、長期間放置後吐出安定性に優れている。
以下、具体例を示して本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
まず、以下のような手法によりベースインクを調製した。
沸点200℃以上の非水溶性有機溶媒としてIPソルベント2835(イソパラフィン系炭化水素、出光石油化学)600重量部、およびIPIS(イソステアリン酸イソプロピル、高級アルコール工業)600重量部をステンレスタンクに収容し、分散剤としてのEFKA−4300(エフカアディテブ)300重量部、および顔料としてのPrintex45(カーボンブラック、デグサ)500部を加えた。得られた混合物を、ディスパーにより攪拌混合した後、ビーズミルにより分散した。最後に、3μmのプリーツフィルターでろ過して顔料凝集物等を除去し、ベースインク1を得た。
顔料をHostaperm Yellow H4G(Pig.Y.151,クラリアント)500部に変更した以外は、前述と同様にしてベースインク2を得た。
顔料をHostaperm Pink E−WD(Pig.P.122,クラリアント)500部に変更した以外は、前述と同様にしてベースインク3を得た。
顔料をPV Fast Blue 2GLSP(Pig.Blue.15:3,クラリアント)500部に変更した以外は、前述と同様にしてベースインク4を得た。
ゲル粒子の原料となる透明ゲル状物は、以下のように調製した。
パラフィン系溶媒としてモレスコホワイトP−40(流動パラフィン、松村石油研究所)49.5部、および分鎖状脂肪族アルコールとしてリソノール18SP(イソステアリルアルコール、高級アルコール工業)49.5部を、200mlのビーカーに収容した。さらに、1.0重量部のオクトープアルミT(オクチル酸アルミニウム、ホープ製薬)を加えてホットスターラーで加熱攪拌した。
150〜200℃で加熱しつつ30分間の攪拌を行なったところ、オクチル酸アルミニウムが完全に溶解して、溶液は透明となった。さらに150〜200℃で攪拌を続け、溶液が急激に増粘してゲル化したところで、加熱攪拌を停止した。こうして、透明ゲル状物Aを得た。
分鎖状脂肪族アルコールとしてリソノール20SP(オクチルドデカノール、高級アルコール工業)49.5部を用いた以外は、前述と同様の手法により透明ゲル状物Bを得た。
分鎖状脂肪族アルコールとしてリソノール24SP(デシルテトラデカノール、高級アルコール工業)49.5部を用いた以外は、前述と同様の手法により透明ゲル状物Cを得た。
パラフィン系溶媒としてスーパーオイルN7(パラフィン系炭化水素、新日本石油)49.5部を用いた以外は、前述と同様の手法により透明ゲル状物Dを得た。
分鎖状脂肪族アルコールとして日石ポリブテンLV−7(ポリブテン、新日本石油化学)49.5部を用いた以外は、前述と同様の手法により透明ゲル状物Eを得た。
透明ゲル状物A乃至Eは、いずれも柔軟で安定しており、離油も見られなかった。特に透明ゲル状物Aは、10日経過後も全く離油はほとんど生じず、流動パラフィンとイソステアリルアルコールとを用いることによって、極めて良好なゲル状物が形成されることがわかる。
得られたベースインクおよび透明ゲル状物を用い、下記表1に示す処方にしたがって実施例1〜8のインクジェット用油性インク組成物を調製した。まず、IPソルベント2835とIPISとの混合溶媒からなる希釈溶媒に、ゲル状物をそれぞれ加えてディスパーで攪拌混合して、ゲル粒子を形成した。ゲル粒子の平均粒子径が1μm以下となったのを確認した後、ベースインクをそれぞれ加えて、さらに攪拌混合した。
Figure 0004634095
また、ゲル状物を配合せずに、ベースインクおよび希釈溶媒を下記表2に示す処方で配合して、比較例1〜4のインクジェット用油性インク組成物を得た。
Figure 0004634095
実施例1〜8および比較例1〜4のインクジェット用油性インク組成物を用いて普通紙に文字印刷を行なって、サンプルを作製した。装置としてはピエゾタイプインクジェット吐出試験装置を用い、普通紙としては、Xerox 4024紙、東芝コピーペーパー紙、キャノンPB紙、および本州製紙やまゆり紙を用いて、室温条件(25℃)で印刷を行なった。各サンプルについて、滲み、フェザリングを目視により観察し、その有無により評価した。
滲みについては、次のように三段階で評価した。
A:観察されない
B:大きいが、文字は認識できる
C:大きく、文字が認識できない
また、得られたサンプルにおける文字部分の裏面の反射濃度を、濃度計RD−918(マクベス社製)により測定して裏抜けを評価した。裏抜けは、0.12以下が合格であり、0.12を越えるとNGとなる。
得られた結果を、下記表3および4にまとめる。
Figure 0004634095
Figure 0004634095
表3に示されるように、本発明の実施形態にかかるインクジェット用油性インク組成物は、ゲル粒子が含有されているので滲み裏抜けの少ない良好な画質を得ることができる。これに対し、ゲル粒子が含有されていない比較例のインク組成物では、滲みや裏抜けを許容レベルまで低減することができないことが、表4の結果からわかる。
なお、油性インク組成物であるので、実施例および比較例のインク組成物は、いずれも吐出安定性および長期間放置後吐出安定性は優れていた。具体的には、連続印刷を行なった場合、24時間以上安定に印刷することができた。また、吐出印字後、1ヵ月室温でキャップセットして放置した後、再び印刷を開始して長期間放置後吐出安定性を調べた。いずれも、3回未満のクリーニングにより印刷が完全に回復した。水性インクの場合には、印刷が完全に回復するには10回のクリーニングが必要とされた。これらの結果から、本発明の実施形態にかかるインク組成物は、吐出安定性および長期放置後安定性も優れていることが確認された。

Claims (6)

  1. 沸点200℃以上の非水溶性有機溶媒と顔料と分散剤と平均粒子径1μm以下のゲル粒子とを含有し、前記ゲル粒子は、オクチル酸アルミニウム、パラフィン系溶媒および分鎖状脂肪族アルコールから形成されることを特徴とするインクジェット用油性インク組成物。
  2. 前記パラフィン系溶媒が、流動パラフィンであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用油性インク組成物。
  3. 前記分鎖状脂肪族アルコールが、イソステアリルアルコールであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用油性インク組成物。
  4. 沸点200℃以上の非水溶性有機溶媒に顔料および分散剤を加えて、ベースインクを調製する工程と、
    オクチル酸アルミニウム、パラフィン系溶媒、および分鎖状脂肪族アルコールを加熱混合してゲル状物を調製する工程と、
    前記ゲル状物を沸点200℃以上の非水溶性有機溶媒に加えて攪拌し、平均粒子径1μm以下のゲル粒子が分散された分散液を得る工程と、
    前記分散液に前記ベースインクを加えて攪拌する工程と
    を具備することを特徴とするインクジェット用油性インク組成物の製造方法。
  5. 前記パラフィン系溶媒が、流動パラフィンであることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット用油性インク組成物の製造方法。
  6. 前記分鎖状脂肪族アルコールが、イソステアリルアルコールであることを特徴とする請求項4または5に記載のインクジェット用油性インク組成物の製造方法。
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