JP2005187577A - インクジェット記録用インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 増粘が起きず良好な印字安定性を実現しながら、ベタ均一性に優れ、かつ、発色性等の印字品質に優れるインク組成物を提供する。
【解決手段】 顔料と分散剤とを水性媒体に分散させた少なくとも二種類の顔料分散液を混合してなるインク組成物であって、一方の顔料分散液が、回転式ボールミルにより分散して得られたものであり、他方の顔料分散液が、サンドミルにより分散して得られたものである、インク組成物とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録用インク組成物に関し、より詳細には、印字画像の発色性に優れるとともに、色むらの少ない画像が実現できるインク組成物に関する。
発明の背景
近年、着色剤の分散安定性や画像記録時の吐出安定性等を向上させるために、特定の粒径(平均粒径)を有する顔料を使用したインクジェット記録用インク組成物が開発されている。粒径が大きい顔料を用いた場合、インク組成物中での顔料の沈降が著しくなり、顔料の濃度分布が生じるため画像に色ムラが生じ易くなる。一方、粒径が比較的小さい顔料を含むインク組成物では、普通紙等の表面が繊維からなる記録媒体に画像を形成すると、繊維の隙間に顔料粒子が落ち込むことになり、その結果印字画像の発色性が低くなる。
このような問題に対し、顔料粒径を制御したインク組成物が提案されている。例えば、特開2003−138177号公報(特許文献1)には、粒子径分布において2つのピークが存在する顔料をもちいることにより、高濃度記録が可能でありながらベタ均一性に優れ、かつ耐擦性、耐マーカー性、耐水性に優れるインク組成物が実現できるとされている。また、特開2003−238859号公報(特許文献2)には、二以上の粒径範囲にそれぞれ粒度分布のピークを有する粒子からなる顔料を用いることにより、印字画像の発色性および光沢性に優れると共に、色ムラを防止することができ、特に、普通紙上と光沢紙上での印字品質が両立できるインクジェット記録用インク組成物が実現できるとされている。
特開2003−138177号公報 特開2003−238859号公報
発明の概要
本発明者らは、今般、異なる分散手段により分散させた顔料分散液を混合して用いることにより、良好なインク組成物、とりわけ、増粘が起きず良好な印字安定性を実現しながら、ベタ均一性に優れ、かつ、発色性等の印字品質に優れるインク組成物が得られるとの知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
すなわち、本発明の目的は、増粘が起きず良好な印字安定性を実現しながら、ベタ均一性に優れ、かつ、発色性等の印字品質に優れるインク組成物を提供することにある。
本発明によるインク組成物は、 顔料と分散剤とを水性媒体に分散させた少なくとも二種類の顔料分散液を混合してなるインク組成物であって、一方の顔料分散液が、回転式ボールミルにより分散して得られたものであり、他方の顔料分散液が、サンドミルにより分散して得られたものである。
また、本発明の別の態様として、上記インク組成物を製造する方法は、顔料と分散剤とを水性媒体に分散させた顔料分散液からなるインク組成物を製造する方法であって、
前記顔料と分散剤とを水性媒体に混合した原液を準備する工程、
前記原液を回転式ボールミルにより分散して一方の顔料分散液を調整する工程、
前記原液をサンドミルにより分散して他方の顔料分散液を調整する工程、および
前記回転式ボールミルにより分散して得られた顔料分散液と、前記サンドミルにより分散して得られた顔料分散液とを混合する工程、
を含んでなるものである。
このように、同一組成の原液を異なる分散手段により分散させた顔料分散液を混合することにより、増粘が起きず良好な印字安定性を実現しながら、ベタ均一性に優れ、かつ、発色性等の印字品質に優れるインク組成物を得ることができる。
発明の具体的説明
本発明によるインク組成物およびその製造方法について、以下説明する。
本発明によるインク組成物は、顔料と分散剤とを水性媒体に混合した原液を異なる2種類の分散方法により顔料を分散させて調整した各顔料分散液を混合することにより得られる。本発明の好ましい態様によれば、上記二種の顔料分散液が、それぞれ同一種の顔料および同一種の分散剤を含んでなるものである。このように同一組成を有する顔料分散液であって、顔料の分散状態のみが異なる二種類の顔料分散液を用いることにより、優れたベタ均一性と発色性等の印字品質とを両立できる。また、顔料分散液を混合してインクを調製する際やインク調製後においても溶液粘度等の物性変化の起きない優れた印字安定性を有するインク組成物を得ることができる。この理由は定かではないが、回転式ボールミルを用いて分散させた顔料分散液の顔料粒径は比較的大きく、顔料の平均粒径分布がブロードであり、一方、サンドミルを用いて分散させた顔料分散液の顔料粒径は、比較的小さく、顔料の平均粒径分布がシャープであると考えられ、これらを混合して用いることにより、ベタ均一性と発色性等の印字品質とに優れるインク組成物が得られるものと考えられる。
さらに、本発明によれば、分散手段のみ異なる二種類以上の顔料分散液を混合して用いることにより、溶液物性の異なる顔料分散液を混合する際に生じる分散破壊等による顔料の凝集が発生しないものと考えられる。そのため、顔料分散液を混合してインクを調製する際に増粘等が起こらず、インク粘度のコントロール性に優れる。また、インク調製後においても長期にわたり保存安定性に優れ、粘度変化のない印字安定性に優れるインク組成物が得られるものと考えられる。
本発明においては、異なる二種類の分散状態の異なる顔料分散液を得るために、原液を回転式ボールミルにより分散混練して調整されたものと、原液をサンドミルにより分散混練して調整されたものとを用いる。上記二種類の分散手段について以下に説明する。
本発明に用いられる、回転式ボールミルを用いた分散手段とは、ドラム内に粉砕媒体(顔料と分散剤とを水性媒体に混合した原液)と硬球等からなる分散メディアとを充填し、そのドラムを回転させることにより、分散メディアと粉砕媒体とを衝突させ、その衝撃、摩擦ないし剪断等の力により顔料を分散させる手段を意味する。分散メディアの運動は、主として落下によるものである。
本発明に用いられるサンドミルを用いた分散手段とは、高速回転する回転ディスクが備えられた円筒容器内に、分散メディアと硬球等からなる粉砕媒体とを充填し、回転ディスクを高速回転させることにより、分散メディアと粉砕媒体とを強制的に衝突させ、その衝撃、摩擦ないし剪断等の力により顔料を分散させる手段を意味する。
本発明の好ましい態様によれば、上記回転式ボールミルを用いて顔料を分散させた顔料分散液と、それと同一の組成を有し、上記サンドミルを用いて顔料を分散させた顔料分散液とを、1:9〜9:1の混合比率で混合させたものを用いることが好ましい。このような範囲で上記の二種類の顔料分散液を混合することにより、ベタ均一性に優れ、かつ、発色性等の印字品質に優れるインク組成物を実現することができる。回転式ボールミルを用いて分散させた顔料分散液の混合割合が90重量%を超えると、ベタ均一性が劣り、また、サンドミルを用いて分散させた顔料分散液の混合割合が90重量%を超えると、光学濃度(OD)値が低くなり発色性に劣るものとなる。
次に、本発明によるインク組成物を構成する各成分について説明する。
本発明のインク組成物は、使用する顔料の種類や濃度(含有量)に応じて、例えば、ブラックインク組成物、ライトブラックインク組成物、イエローインク組成物、マゼンタインク組成物、ライトマゼンタインク組成物、シアンインク組成物、ライトシアンインク組成物、ブルーインク組成物、レッドインク組成物、バイオレットインク組成物、グリーンインク組成物、ダークイエローインク組成物等として使用され、その種類には特に制限されない。
これらのインク組成物に使用される顔料としては、限定されるものではないが、好ましくは、以下に示すものが挙げられる。ブラックインク組成物およびライトブラックインク組成物に含有されるブラック顔料としては、ファーネスブラック、ランブブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類を挙げることができる。より具体的には、三菱化学社製のNo.2300、No.2200B、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100等が、コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1080、Raven1255、Raven700等が、キャボット社製のRegal 400R、Regal 330R、Rega 1660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、Color BlackFW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black5、Special Black 4A、Special Black 4等が使用できる。
イエローインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、2、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、16、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、73、74、75、81、83(ジスアゾイエローHR)、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、114、117、120、128、129、138、151、153、154、155等が使用できる。
マゼンタインク組成物およびライトマゼンタインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、7、12、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48(Ca)、48(Mn)、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57(Ca)、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、209、219、264、C.I.ピグメントバイオレット19、42等が使用できる。
シアンインク組成物およびライトシアンインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、15:34、16、17:1、22、56、60、63、C.I.Vat Blue 4、C.I.Vat Blue 60等が使用できる。
バイオレットインク組成物に使用される顔料としては、ピグメントバイオレット3、9、23、32、36、38等が挙げられる。
グリーンインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36等が使用できる。
本発明のインク組成物には、インクジェットプリンタにおけるノズルの目詰まりを防止するために、通常、湿潤剤が用いられる。かかる湿潤剤としては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。これらの湿潤剤は、単独かまたは二種以上を混合して用いることができる。
湿潤剤として、特にグリセリンを用いると、グリセリンの高い水溶性および水分蒸発抑制効果によってインク組成物が固化しにくくなるため、プリンタヘッドのノズル中での目詰まりを防止する効果がより大きくなるので好ましい。
湿潤剤の配合量は、本発明のインク組成物中、好ましくは0.05〜30重量であり、更に好ましくは3〜25重量%である。
また、本発明のインク組成物には、通常、界面活性剤が用いられる。かかる界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤(例えば、オルフィンY、E1010およびSTG(何れもAir Products Chemicals Inc.製)、並びにサーフィノール82、104、440、465および485(何れも日信化学工業株式会社製)等)が好ましく、その他、アニオン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼルスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等)等を用いることができる。これらの界面活性剤は、単独かまたは二種以上を混合して用いることができる。
界面活性剤の配合量は、本発明のインク組成物中、好ましくは0.01〜10重量であり、更に好ましくは0.1〜5重量%である。
また、本発明のインク組成物には、通常、浸透剤が用いられる。かかる浸透剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルの多価アルコールのアルキルエーテル類(グリコールエーテル)などが挙げられ、これら一種または二種以上の混合物として用いることができる。本発明においては、浸透剤として、特にトリエチレングリコールモノブチルエーテルを用いると、インクの表面張力を低下させ、インクの起泡性を抑制するかまたは無にして、インクとしての効果を向上できる点で好ましい。
浸透剤の配合量は、本発明のインク組成物中、好ましくは0.1〜20重量%であり、更に好ましくは0.5〜15重量%である。
本発明のインク組成物は、顔料とともに、湿潤剤、界面活性剤、浸透剤および水(好ましくは純水)を含んでなる水系インク組成物として使用されることが好ましい。本発明のインク組成物をこのような水系インク組成物として使用するに際し、一般に水に不溶な顔料を水系インク中で安定分散させるため、本発明のインク組成物には、通常、分散剤が配合される。
本発明によるインク組成物の製造方法にあっては、顔料と分散剤とを水性媒体中に混合した原液を、上記で説明した分散手段により顔料を分散させて顔料分散液を調製した後、その顔料分散液に、湿潤剤、界面活性剤、浸透剤および必要に応じその他の成分を添加することにより、インク組成物を調製する。また、上記顔料分散液を調製する際に、湿潤剤、界面活性剤、浸透剤および必要に応じその他の成分を添加してもよい。
分散剤としては、顔料分散液を調製するのに好適な分散剤がよく、好ましい例としては合成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、および酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびそれらの塩が挙げられる。これらは、使用に際して単独かまたは二種以上を混合して用いることができる。
これらの合成高分子の中で、特に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、および疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモノマーからなる重合体が好ましい。なお、共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体など、その形態に特に制限されない。
また、前記の塩としては、ジエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンなどの塩が挙げられる。このような塩は、例えば、塩を形成するための化合物(ジエチルアミン等の上記に例示の化合物)と、塩を形成する前の有機物からなる分散剤との中和反応によって得ることができる。この際、塩を形成するための化合物の使用量は、塩を形成する前の有機物からなる分散剤の中和当量以上であればよいが、特にインク組成物を記録媒体に印字した後のインクの記録媒体への定着性が向上する点から、中和当量の約1.3倍位であることが好ましい。
これらの合成高分子の重量平均分子量は、好ましくは1000〜50000であり、より好ましくは1000〜15000であり、さらに好ましくは3000〜10000である。また、合成高分子の酸価は、50〜300であることが好ましく、より好ましくは70〜150である。また、合成高分子は、ラジカル共重合、グループトランスファー重合等の公知の重合法によって製造される。
また、分散剤として、天然高分子を用いることもできる。その具体例としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミンなどのタンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類、サポニンなどのグルコシド類、アルギン酸およびアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロシキエチルセエルロース、エチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
分散剤の配合量は、顔料100重量部に対して1〜100重量部であることが好ましく、より好ましくは2〜70重量部である。
本発明において、特に好ましい分散剤は、分散安定性等の点で、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の塩である。かかるスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の塩は、基本的にはその構造中に少なくともスチレン骨格と(メタ)アクリル酸の塩の骨格を含んでなるものを示し、構造中に(メタ)アクリル酸エステル骨格等の他の不飽和基を有するモノマー由来の骨格を有していても構わない。かかるスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の塩の共重合形態、製造法、酸価および重量平均分子量それぞれについては、前述した合成高分子についての好適事項と同様である。
分散剤は、これを水中に添加してエマルジョンの形態等として使用することができる。また、分散剤としては、市販のものを使用することができ、その具体例としては、ジョンソンポリマー株式会社製、ジョンクリル61J(分子量10000、酸価195)、ジョンクリル68(分子量10000、酸価195)、ジョンクリル450(分子量10000〜20000、酸価100)、ジョンクリル550(分子量7500、酸価200)、ジョンクリル555(分子量5000、酸価200)、ジョンクリル586(分子量3100、酸価105)、ジョンクリル680(分子量3900、酸価215)、ジョンクリル682(分子量1600、酸価235)、ジョンクリル683(分子量7300、酸価150)、B−36(分子量6800、酸価250)等が挙げられる。なお、分子量とは、重量平均分子量を示す。
また、顔料分散液の調製に使用できる水性媒体としては、水、有機溶媒、または水と有機溶媒との混合物が挙げられる。ここで用いられる水は純水が好ましく、また、有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール等の一価アルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独かまたは二種以上を混合して用いることができる。
有機溶媒の配合量は、本発明のインク組成物中、好ましくは0.5〜40重量%、更に好ましくは1.5〜20重量%の範囲である。
本発明のインク組成物には、前述した成分の他、通常のインクジェット記録用インク組成物に含まれる成分と同様のもの、例えば、pH調整剤、防腐剤、防かび剤、溶解助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を必要に応じて配合することができる。
本発明のインク組成物は、その表面張力が40mN/m以下であることが、紙等のメディア(記録媒体)への浸透性の向上、メディア上でのドットの良好な広がり、およびカラーブリードの防止等の点で好ましい。特に、本発明のインク組成物の表面張力が28〜35mN/mであると、紙等のメディアへの浸透速度が高く、乾燥性が良好なためなお一層好ましい。
以下、実施例により、本発明によるインク組成物をさらに詳細に説明するが、これにより本発明が限定されるものではない。
顔料分散液の調整
顔料としてのカーボンブラック(商品名MA−7、三菱化学(株)製)と、スチレン−アクリル酸共重合体のアンモニウム塩(分子量10,000)と水とを混合して原液とした(固形分換算で38重量%)。この原液を、サンドミル(安川製作所製)を用いて、原料を液送量10L/時間にてミルベースに連続的に投入し、約12.5m/秒の周速で回転ディスクを回転させて混合することにより顔料分散液Aを得た。混合条件は、分散媒体として直径1mmのジルコニアボールを用い、混合時間は5時間とした。
また、上記と同様の原液を、回転式ボールミル(卓上型ボールミル:入江商会製)に投入し、回転架台の上に磁気性のボールミルを載せ、50〜100rpmの回転数で架台を回転させて混合することにより顔料分散液Bを得た。混合条件は、分散媒体として直径5mmのジルコニアボールを用い、分散媒体をボールミル容積の50%の量となるように充填した。混合時間は72時間とした。
インク組成物の調製
グリセリン、トリエチレングリコール(以下TEGという)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(以下、TEGmBEという)、オルフィンE1010、および純水を混合溶解させた溶媒に、顔料分散液AおよびBを以下の表1に示される割合で混合して徐々に滴下し、十分に攪拌した。これを、5μmのメンブランフィルターでろ過し、インク1〜6を得た。インク組成物の組成は、表1に示される通りであった。なお、インク2〜5を実施例1〜4と、顔料分散液Aのみを用いたもの(インク1)および顔料分散液Bのみを用いたもの(インク6)を、それぞれ比較例1および2とする。
Figure 2005187577
インク粘度の測定
インク1〜6について、振動式粘度計(山一電機製:VM−100)を用いて20℃の温度条件で粘度測定を行った。結果は下記表2に示される通りであった。
印字評価試験
上記で得られたインク1〜6について、インクジェット記録用プリンタ(EM−930C:セイコーエプソン(株)製)を用いて、記録媒体1(Xerox4024)、記録媒体2(XeroxP)、および記録媒体3(REYmat)の3種類の普通紙上に、360dpiにて100%dutyで50mm×50mmのベタを印刷した。ここで、「duty」とは、下記式で定義され、算出される値Dの単位を示すものを意味する。
D={実印字ドット数/(縦解像度×横解像度)}×100(Duty)
(式中、「実印字ドット数」は、単位面積当たりの実印字ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」は、それぞれ単位面積当たりの解像度である。)
得られた印字物のOD値(平均値)を、分光光度計(グレタグ社製のGRETAG SPM−50)により算出した。そして、各インク組成物により形成した印字物について、普通紙上でのべた均一性を以下の基準で評価した。
A:印字部分に白すじがなく、一様なべたが形成されている
B:印字部分に白すじがみられるが、ベタ均一性には問題ないレベルである。
C:印字部分に白すじが目立ち、ベタ均一性は許容できないレベルである。
評価結果は表2に示される通りであった。
Figure 2005187577

Claims (6)

  1. 顔料と分散剤とを水性媒体に分散させた少なくとも二種類の顔料分散液を混合してなるインク組成物であって、一方の顔料分散液が、回転式ボールミルにより分散して得られたものであり、他方の顔料分散液が、サンドミルにより分散して得られたものである、インク組成物。
  2. 前記二種の顔料分散液が、それぞれ同一種の顔料を含んでなる、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記二種の顔料分散液が、それぞれ同一種の分散剤を含んでなる、請求項1または2に記載のインク組成物。
  4. 前記二種の顔料分散液の混合比率が、1:9〜9:1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク組成物。
  5. 顔料と分散剤とを水性媒体に分散させた顔料分散液からなるインク組成物を製造する方法であって、
    前記顔料と分散剤とを水性媒体に混合した原液を準備する工程、
    前記原液を回転式ボールミルにより分散して一方の顔料分散液を調整する工程、
    前記原液をサンドミルにより分散して他方の顔料分散液を調整する工程、および
    前記回転式ボールミルにより分散して得られた顔料分散液と、前記サンドミルにより分散して得られた顔料分散液とを混合する工程、
    を含んでなる、インク組成物の製造方法。
  6. 前記二種の顔料分散液の混合比率が、1:9〜9:1である、請求項5に記載の製造方法。
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