JP4277516B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーボンブラック濃度が等しいが、一方が補色用着色剤を含有し、もう一方が補色用着色剤を含有しないブラックインク組成物の少なくとも2種の組み合わせを含有するインクセット、並びにそのインクセットを用いる記録方法、記録物、及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジエット記録方法等によって画像を形成する場合に、高品質の画像を得る目的で、ライトブラックインクを含むインクセットを用いることがある。例えば、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク及びイエローインクからなる4色インクセット(あるいは、それらにライトシアンインク及びライトマゼンタインクを追加した6色インクセット)に、更にライトブラックインクを加えて5色インクセット(あるいは、7色インクセット)とすることがある。ライトブラックインクとは、ブラックインクよりもそのカーボンブラック濃度を低くしたものであり、シャドー部等の暗色に対する色再現性やグレーの階調性を向上させる目的で使用する。
【0003】
しかしながら、ライトブラックインク(すなわち、薄いブラックインク)は、カーボンブラック含有量が低いので、得られる色相が、本来必要とする無彩色ではなく、色味を帯びてしまう。すなわち、CIE(国際照明委員会)で規定されている色差表示法のL*a*b*空間で、(a*,b*)=(0,0)から逸脱し、具体的には黄色味を帯びてしまう。カーボンブラックのこうした帯黄色性を修正するには、イエローの補色となる着色剤(例えば、顔料)を使用する必要がある。
例えば、米国特許第5,803,958号明細書(特許文献1)には、カーボンブラックに加えてシアン顔料とマゼンタ顔料とを含むブラック顔料インク組成物が記載されている。すなわち、シアン顔料とマゼンタ顔料との混色によりブルー顔料を添加した場合と同様の効果が得られ、このブラック顔料インク組成物をライトブラックインク組成物として用いると、前記の帯黄色性が改善されるものとされている。
【0004】
一方、カーボンブラック含有量が高いブラックインク(すなわち、濃いブラックインク)でも、得られる色相が、本来必要とする無彩色ではなく、赤味を帯びてしまうことが知られている。このような帯赤色性を修正する手段としては、例えば、特開昭64−180号公報(特許文献2)に、銅フタロシアニン顔料を添加する方法が記載されている。
しかしながら、前記のような帯黄色性及び帯赤色性とカーボンブラック含有量との関連についての詳細な報告は現在まで知られておらず、薄いブラックインクにおける帯黄色性と、濃いブラックインクにおける帯赤色性とを同時に修正する手法は、従来技術では提案もされていない。
【0005】
また、カーボンブラック濃度が異なる2種以上のブラックインクを用いるインクジェット記録方法も知られており、高濃度ブラックインクと低濃度ブラックインクとに別種の染料又は顔料を添加することも知られている(特開平11−48502号公報:特許文献3)。しかしながら、それらの各ブラックインクに添加する染料又は顔料は、黒色染料を単独若しくは混合物で用いるか、イエロー、マゼンタ、及びシアンを混合して用いることが記載されているのみであり、前記のような帯黄色性及び帯赤色性を同時に修正する手段については、それを示唆する記載もない。
【0006】
更に、或る特定濃度のカーボンブラックを含むブラックインク組成物の1種を用いて、グレースケール(白色から灰色を経由して黒色に至る複数段階の階調パターン)を作成する場合には、記録媒体表面上に担持させるカーボンブラック量を少量から多量へと段階的に調節する必要があるため、インク液滴の打ち込み量を低デューティーから高デューティーへと変化させる。このような場合にも、後述するように、カーボンブラック含有量が高いブラックインクでは特に中間階調の灰色において帯色化が発生し、カーボンブラック含有量が低いブラックインクでは特に中間階調灰色から濃灰色において帯色化が発生することを本発明者は見出した。こうした中間階調灰色や濃灰色における帯色化は、その現象自体が従来は知られておらず、従って、その解決手段も全く知られていない。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第5,803,958号明細書
【特許文献2】
特開昭64−180号公報
【特許文献3】
特開平11−48502号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、カーボンブラックを含むブラックインク組成物において、中間階調灰色の記録物や、あるいは中間階調灰色から濃灰色の記録物において発生する帯色化を適切に修正する手段を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明は、カーボンブラックと補色用着色剤とを含有する第1のブラックインク組成物と、前記第1のブラックインク組成物におけるカーボンブラックの濃度と実質的に等しい濃度でカーボンブラックを含むが補色用着色剤を含まない第2のブラックインク組成物との組み合わせを少なくとも1組含むことを特徴とする、インクセットに関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
最初に、本発明の原理を説明する。
後述する比較例で具体的に示すように、本発明者等は、最初に、インクジェット記録用インクセットにおいて、一般的に濃いブラックインクとして用いられているブラックインクと同程度の高含有量でカーボンブラックを含む濃いブラックインクを調製し、グレースケール(白色から灰色を経由して黒色に至る18段階の階調パターン)を作成し、各階調を測色し、CIEで規定されている色差表示法のL*a*b*表色系のa*,b*座標にプロットしてみたところ、図1の曲線dで模式的に示すグレースケール軌跡を描いた。
【0011】
図1に示すa*,b*座標において、a*軸とb*軸との交点、すなわち原点(a*=0及びb*=0)は無彩色であり、その原点から、例えばb*軸の+(プラス)方向(図1のY方向)に離れれば、その離れる程度に従って、イエロー味が強くなり、逆の−(マイナス)方向(図1のB方向)に離れれば、その離れる程度に従って、ブルー味が強くなる。また、前記原点から図1の破線Cの方向に離れるのに従って、シアン味が強くなり、同様に、前記原点から図1の破線Mの方向に離れるのに従って、マゼンタ味が強くなる。更に、図1の破線G及び破線Rは、それぞれ、グリーン及びレッドの方向を示している。
【0012】
すなわち、図1の曲線dのグレースケール軌跡は、無彩色である白色(a*=0及びb*=0)から、灰色が濃くなるのに従って矢印Dの方向に彩色化された軌跡を描き、最終的には無彩色である黒色(a*=0及びb*=0)付近に戻った(実際に測定したデータでは、理想の黒色を示す原点に厳密には戻らないが、図1では、原点に戻るものとして模式的に示している)。
【0013】
続いて、本発明者等は、インクジェット記録用インクセットにおいて、一般的に薄いブラックインクとして用いられているブラックインクと同程度の低含有量でカーボンブラックを含む薄いブラックインクを調製して、前記と同様のグレースケール(18段階の階調パターン)を作成し、各階調を測色し、L*a*b*表色系のa*,b*座標にプロットしてみることにした。
【0014】
図2に模式的に示すように、薄いブラックインク〔図2(1)〕又は濃いブラックインク〔図2(2)〕で、特定の灰色を表現する場合には、その特定の灰色を表現するのに必要な量のカーボンブラックが、記録媒体表面1の単位面積あたりに付着するように、インク液滴を吐出させる。例えば、図2(1)に示すように、薄いブラックインクを用いる場合には、各インク液滴中のカーボンブラック2eの含有量が少ないので、高デューティーで印刷する必要がある。一方、図2(2)に示すように、濃いブラックインクを用いて、同じ灰色を表現する場合には、各インク液滴中のカーボンブラック2dの含有量が多いので、低デューティーで印刷する必要がある。
【0015】
これらのいずれの場合も、単位面積あたりに担持されるカーボンブラック量は同じ量になるので、前記の薄いブラックインクから作成したグレースケールは、図1の曲線dのグレースケール軌跡と重なり、図3の太線e’で示す軌跡を描くはずである。すなわち、0%デューティーの地点の白色(a*=0及びb*=0)から100%デューティーの地点(太線e’の先端x)に至るまで、矢印E’の方向で太線e’のグレースケール軌跡を描くはずである。
【0016】
しかしながら、驚くべきことに、実際のグレースケール軌跡は図1の曲線eとなり、予想されるグレースケール軌跡(図3の太線e’)よりも、イエロー側に大幅にシフトした。すなわち、0%デューティーの地点の白色(a*=0及びb*=0)から矢印Eの方向に沿って100%デューティーの地点(細線eの先端y)に至る軌跡を描くことが分かった。
【0017】
以上の結果をまとめると、濃いブラックインクでグレースケールを作成した場合、図1の曲線dに示すとおり、淡灰色(記録媒体上の単位面積あたりに吐出するインクの液滴数が比較的少なく、単位面積あたりのカーボンブラック量が少ない場合;低デューティーの場合)ではイエローとレッドとの間の色相を帯び、濃灰色(記録媒体上の単位面積あたりに吐出するインクの液滴数が比較的多く、単位面積あたりのカーボンブラック量が多い場合;高デューティーの場合)ではレッドの色相を帯びる傾向がある。一方、薄いブラックインクでグレースケールを作成した場合は、図1の曲線eに示すとおり、予想されるグレースケール軌跡(図3の太線e’)よりも、イエロー側にシフトする傾向がある。
【0018】
また、濃いブラックインクでは特に中間階調において無彩色からの乖離が目立ち、薄いブラックインクでは中間階調から濃階調において無彩色からの乖離が目立つ。すなわち、濃いブラックインクでグレースケールを作成した場合、白色に近い灰色及び黒色に近い灰色では、ほとんど帯色化が認められないものの、中間階調の灰色では、帯色化が認められる。また、薄いブラックインクでグレースケールを作成した場合は、白色に近い灰色では、ほとんど帯色化が認められないものの、中間濃度から高濃度の灰色では、帯色化が認められる。
【0019】
ブラックインクに含まれるカーボンブラック含有量の差異とデューティーの差異に依存して、こうした現象が起きる理由は、本発明者等にも不明であるが、こうした現象自体を報告した例も、従来は全く存在しない。従って、例えば、図1の曲線dの軌跡を示すような濃いブラックインクを用いて、中間階調灰色を印刷した場合に発生する帯色性(帯赤色性)を修正する技術は、従来は全く知られていない。また、例えば、図1の曲線eの軌跡を示すような薄いブラックインクを用いて、中間階調灰色ないし濃灰色を印刷した場合に発生する帯色性(帯黄色性)を修正する技術も、従来は全く知られていない。更に、図1に示すような濃いブラックインクと薄いブラックインクとを併用するインクセットにおいて、それらの帯色性、すなわち帯赤色性及び帯黄色性を適切に修正する技術も、従来は全く知られていない。
本発明は、本発明者が見出した前記の現象を利用して、前記の欠点を適切に修正する手段を提供するものである。
【0020】
すなわち、本発明によれば、着色剤としてカーボンブラックのみを含むブラックインク組成物によってグレースケールを作成した場合に、CIE(国際照明委員会)で規定されている色差表示法のL*a*b*空間に描かれたグレースケール軌跡において、原点(a*,b*=0,0)から逸脱しない階調を記録するためのブラックインク組成物には、カーボンブラックのみを使用するのに対し、原点(a*,b*=0,0)から比較的大きく逸脱して有彩色化されてしまう階調を記録するためのブラックインク組成物には、前記有彩色の補色となる補色用着色剤を添加して、有彩色化を修正する。従って、本発明のインクセットは、カーボンブラック濃度が等しいが、一方が補色用着色剤を含有し、もう一方が補色用着色剤を含有しない2種一対のブラックインク組成物の組合せ少なくとも1組からなるブラックインクセットを含む。
【0021】
例えば、図1において曲線dのようなグレースケール軌跡を描く濃いブラックインク組成物のように、濃灰色を記録した場合に、a*軸とb*軸との交点、すなわち原点(a*=0及びb*=0)の付近にまで復帰する高濃度カーボンブラックのブラックインク組成物を用いる場合は、(1)中間階調灰色記録用の第1のブラックインク組成物と、(2)薄灰色記録用及び濃灰色記録用の第2のブラックインク組成物とに分割し、前記の第1のブラックインク組成物には補色用着色剤を含有させるが、前記の第2のブラックインク組成物には補色用着色剤を含有させない。カーボンブラック濃度は、前記の第1のブラックインク組成物及び前記の第2のブラックインク組成物で、実質的に同じ濃度とする。なお、補色用着色剤含有ブラックインク組成物が含有する補色用着色剤は、グレースケール軌跡dの補色となる着色剤(図1の領域cDの着色剤)を選択して添加することができる。
【0022】
一方、図1において曲線eのようなグレースケール軌跡を描く薄いブラックインク組成物のように、濃灰色を記録した場合に、a*軸とb*軸との交点、すなわち原点(a*=0及びb*=0)からかなり離れた地点で終結する低濃度カーボンブラックのブラックインク組成物を用いる場合は、(1)中間階調灰色記録用及び濃灰色記録用の第1のブラックインク組成物と、(2)薄灰色記録用の第2のブラックインク組成物とに分割し、前記の第1のブラックインク組成物には補色用着色剤を含有させるが、前記の第2のブラックインク組成物には補色用着色剤を含有させない。カーボンブラック濃度は、前記の第1のブラックインク組成物及び前記の第2のブラックインク組成物で、実質的に同じ濃度とする。なお、補色用着色剤含有ブラックインク組成物が含有する補色用着色剤は、グレースケール軌跡eの補色となる着色剤(図1の領域cEの着色剤)を選択して添加することができる。
【0023】
また、本発明によるインクセットは、補色用着色剤含有ブラックインク組成物2種以上と補色用着色剤不含ブラックインク組成物1種との組み合わせからなる組を含むこともできる。すなわち、本発明のインクセットに用いるブラックインクの或る組においては、その組に属する各ブラックインク組成物に含まれるカーボンブラック含有量を実質的に同量とし、補色用着色剤含有ブラックインク組成物として、同種の補色用着色剤を異なる含有量で含む補色用着色剤含有ブラックインク組成物2種以上を併用することができる。
【0024】
また、本発明によるインクセットにおいて、カーボンブラック濃度がそれぞれ実質的に同じである補色用着色剤含有ブラックインク組成物と補色用着色剤不含ブラックインク組成物との組み合わせの組数は、それが少なくとも1組含まれていれば特に限定されるものではなく、カーボンブラック濃度が相互に異なる2種以上の組み合わせの複数の組を含むことができる。また、カーボンブラック含有量が或る同濃度の組み合わせ1組の他に、カーボンブラック濃度が異なり、補色用着色剤を含まないか又は含むブラックインク組成物1種又はそれ以上と併用することもできる。
【0025】
例えば、図1の曲線dのようなグレースケール軌跡を描く濃いブラックインク組成物の組と、図1の曲線eのようなグレースケール軌跡を描く薄いブラックインク組成物の組とを併用することもできる。その場合のインクセットとしては、(A1)補色用着色剤を含まない濃いブラックインク組成物、及び
(A2)補色剤を含む濃いブラックインク組成物
の組み合わせ(同じカーボンブラック濃度の組)の他に、更に
(B1)補色用着色剤を含まない薄いブラックインク組成物及び
(B2)補色用着色剤を含む薄いブラックインク組成物
の組み合わせ(同じカーボンブラック濃度の組)を含むか、又は、
(B1)補色用着色剤を含まない薄いブラックインク組成物又は
(B2)補色用着色剤を含む薄いブラックインク組成物
を含むインクセットであることができる。
【0026】
あるいは
(A1)補色用着色剤を含まない薄いブラックインク組成物及び
(A2)補色用着色剤を含む薄いブラックインク組成物
の組み合わせ(同じカーボンブラック濃度の組)の他に、更に
(B1)補色用着色剤を含まない濃いブラックインク組成物及び
(B2)補色用着色剤を含む濃いブラックインク組成物
の組み合わせ(同じカーボンブラック濃度の組)を含むか、又は
(B1)補色用着色剤を含まない濃いブラックインク組成物又は
(B2)補色用着色剤を含む濃いブラックインク組成物
を含むインクセットであることができる。
【0027】
本発明のインクセットにおいて、或る特定濃度のカーボンブラックを含有するブラックインク組成物に対して適切な補色用着色剤は、例えば、以下の手順によって選択することができる。すなわち、前記のように、カーボンブラックのみを含有するブラックインク組成物に関するグレースケールを作成して、各階調を測色し、CIEで規定されている色差表示法のL*a*b*表色系のa*,b*座標にプロットして、グレースケール軌跡をa*,b*座標の第1象限に描き、そのグレースケール軌跡の原点(a*=0及びb*=0)に対して点対称となる仮想軌跡を前記a*,b*座標の第3象限に描き、この仮想軌跡の色相と重なる色相を有する着色剤を求め、その着色剤を補色用着色剤として選択する。
【0028】
本発明者が、前記の手順によって、適切な補色用着色剤を具体的に探索したところ、例えば、本発明のインクセットが、カーボンブラック濃度が比較的に低く、図1において曲線eのようなグレースケール軌跡を描く薄いブラックインク組成物を含む場合には、中間階調灰色記録用あるいは濃灰色記録用の補色剤含有ブラックインク組成物に、一般式(1):
【化5】
Figure 0004277516
(式中、pは0〜3の整数である)で表される顔料を添加することにより、中間階調灰色から濃灰色における帯色性が適切に修正され、理想的な無彩色に近いグレースケールを作成可能であることが分かった。
【0029】
前記式(1)で表される顔料の内、p=0の場合の化合物は、カラーインデックス・ピグメントブルー60(C.I.PB60)として知られている。こうした薄いブラックインク組成物の場合、補色用着色剤不含ブラックインク組成物(及び補色用着色剤含有ブラックインク組成物)におけるカーボンブラック含有量は、それぞれのブラックインク組成物の全重量に対して、0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%であり、補色用着色剤含有ブラックインク組成物における一般式(1)で表される顔料の含有量は、補色用着色剤含有ブラックインク組成物の全重量に対して、0.01〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%、より好ましくは0.1〜3重量%である。
【0030】
また、本発明のインクセットが、カーボンブラック濃度が比較的に高く、図1において曲線dのようなグレースケール軌跡を描く濃いブラックインク組成物を含む場合には、中間階調灰色記録用の補色剤含有ブラックインク組成物に、一般式(2):
【化6】
Figure 0004277516
で表される顔料を添加すると、中間階調での帯色性が適切に修正され、理想的な無彩色に近いグレースケールを作成することができることが分かった。
【0031】
前記式(2)で表される顔料は、フタロシアニンブルー顔料であり、カラーインデックス・ピグメントブルー15:3又はカラーインデックス・ピグメントブルー15:4などとして知られている。こうした濃いブラックインク組成物の場合、補色用着色剤不含ブラックインク組成物(及び補色用着色剤含有ブラックインク組成物)におけるカーボンブラック含有量は、それぞれのブラックインク組成物の全重量に対して、0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜3重量%であり、一般式(2)で表される顔料の含有量は、補色用着色剤含有ブラックインク組成物の全重量に対して、0.01〜5重量%、好ましくは0.01〜3重量%、より好ましくは0.1〜3重量%である。
【0032】
本発明のインクセットに含まれる各補色用着色剤含有ブラックインク組成物に含有されるカーボンブラックと補色用着色剤との量比は特には限定されず、使用する個々のカーボンブラックの帯色性を修正することのできる量で前記補色用着色剤を含有させればよい。具体的に含有量を決定するには、例えば、使用するカーボンブラックと前記補色用着色剤とを特定比率で含有するインク組成物によって形成される記録像について、前記のようなグレースケール軌跡を作成し、帯色性の修正程度を評価し、その帯色性を適切に修正することのできる両者の含有比率を調整する。
【0033】
本発明のインクセットを用いて、グレースケールなどを作成する場合に、補色用着色剤含有ブラックインク組成物を用いて記録を行う階調と、補色用着色剤不含ブラックインク組成物を用いて記録を行う階調の選択は、例えば、図4又は図5に示すようなグレースケール軌跡から適宜決定することができる。図4は、図1の曲線dのみを残し、もう一方の曲線eや破線R、G、C、及びMなどを削除した模式的グラフであり、図5は、同様に、図1の曲線eのみを残した模式的グラフである。
【0034】
図4の曲線dのグレースケール軌跡を示すブラックインク組成物の場合には、図4のa*,b*座標において、例えば、原点(a*=0及びb*=0)と、その原点から最も離れた曲線d上の点R1との距離Qを計算し、原点(a*=0及びb*=0)からの距離が0.5Q以下の領域については補色用着色剤不含ブラックインク組成物D1を用い、0.5Qより離れた領域については補色用着色剤含有ブラックインク組成物D2を用いることができる。あるいは、0.5Qにて分割する代わりに、例えば、0.3Q〜0.7Q(又は0.4Q〜0.6Q)の間のいずれかの値で二分割することもできる。あるいは、三分割以上に分け、補色用着色剤含有量の異なる2種以上の補色用着色剤含有ブラックインク組成物を用いることもできる。
【0035】
また、例えば、図5の曲線eのグレースケール軌跡を示すブラックインク組成物の場合には、図5のa*,b*座標において、原点(a*=0及びb*=0)と、その原点から最も離れた曲線e上の点R2との距離Qを計算し、原点(a*=0及びb*=0)からの距離が0.5Q以下の領域については補色用着色剤不含ブラックインク組成物E1を用い、0.5Qより離れた領域については補色用着色剤含有ブラックインク組成物E2を用いることができる。あるいは、0.5Qにて分割する代わりに、例えば、0.3Q〜0.7Q(又は0.4Q〜0.6Q)の間のいずれかの値で二分割することもできる。あるいは、前記と同様に三分割以上に分けることもできる
【0036】
本発明のインクセットのブラックインク組成物(すなわち、補色用着色剤含有ブラックインク組成物及び補色用着色剤不含ブラックインク組成物)に用いるカーボンブラックとして、例えば、コンタクト法、ファーネスト法、又はサーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックとしては、具体的には、三菱化学製のNo.2300,No.900,MCF88,No.33,No.40,No.45,No.52,MA7,MA8,MA100,No2200B等;コロンビア社製のRaven5750,Raven5250,Raven5000,Raven3500,Raven1255,Raven700等;キャボット社製のRegal 400R,Regal 330R,Regal 660R,Mogul L,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400等;デグッサ社製のColor Black FW1,Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black FW18,Color Black FW200,Color Black S150,Color BlackS160,Color Black S170,Printex 35,Printex U,Printex V,Printex 140U,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black 4等を使用することができる。カーボンブラックの粒径は、特に限定されるものではないが、10μm以下が好ましく、更に好ましくは0.1μm以下である。
同じインクセットにおいて、同一組に属する各ブラックインク組成物が含有するカーボンブラックは、それぞれ同濃度であり、別の組に属する各ブラックインク組成物が含有するカーボンブラック濃度は相互に異なる。
【0037】
本発明のインクセットに含まれ補色用着色剤不含ブラックインク組成物は、従来公知のブラックインク組成物と同様の配合成分を含むことができ、補色用着色剤含有ブラックインク組成物は、前記の補色用着色剤を含有することを除けば、それ以外の点では、従来公知のブラックインク組成物と同様の配合成分を含むことができ、それぞれ有機系インク又は好ましくは水系インクとして調製することができる。また、本発明のインクセットは、従来公知の各種の記録方法用インクとして利用することができ、好ましくはインクジェット記録用インクセットとして利用することができる。
以下に、本発明のインクセットがインクジェット記録用であり、各インク組成物が水系インク組成物である場合について簡単に説明する。
【0038】
インクジェット記録用水系ブラックインク組成物において、カーボンブラック及び前記補色用着色剤は、例えば、分散剤で水性媒体中に分散させた顔料分散液としてインク組成物に添加するのが好ましい。
【0039】
本発明のインクセットで用いるインクジェット記録用水系ブラックインク組成物は、更に界面活性剤を含有することができる。界面活性剤の具体例としては、アニオン性界面活性剤(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、又はポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、ノニオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、又はポリオキシエチレンアルキルアミドなど)、両性界面活性剤(例えば、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸塩、N,N,N−トリアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビスポリオキシエチレンアンモニウム硫酸エステルベタイン、又は2−アルキル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン)等を挙げることができ、これらは単独で又は二種以上を組合せて使用することができる。
【0040】
本発明によるブラックインク組成物は、アセチレングリコール系界面活性剤を含むのが好ましい。この添加によってインク組成物の記録媒体への浸透性を向上することができ、種々の記録媒体においてにじみの少ない印刷を期待することができる。本発明で用いるブラックインク組成物において用いられるアセチレングリコール系界面活性剤の好ましい具体例としては、一般式(3):
【化7】
Figure 0004277516
〔式中、0≦m+n≦50であり、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立してアルキル基、好ましくは炭素数6以下のアルキル基である〕で表わされる化合物を挙げることができる。
【0041】
前記一般式(3)で表される化合物の中で、特に好ましくは2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどを挙げることができる。前記一般式(2)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤として市販品を利用することも可能であり、その具体例としてはサーフィノール104、82、465、485、又はTG(いずれもAir Products and Chemicals.Inc.より入手可能)、オルフインSTG、オルフインE1010(いずれも日信化学社製の商品名)を挙げることができる。
【0042】
本発明で用いるブラックインク組成物は、一般式(4):
【化8】
Figure 0004277516
(式中、R11〜R17は、独立して、C1-6アルキル基を表し、j及びkは、独立して、1以上の整数を表し、EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレンオキシ基を表し、s及びtは0以上の整数を表すが、但しs+tは1以上の整数を表し、EO及びPOは、[ ]内においてその順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい)
で表されるシリコーン系界面活性剤を含むのが好ましい。この添加によってインク組成物の記録媒体への浸透性を向上することができる。
【0043】
前記一般式(4)で表されるシリコーン系界面活性剤において好ましい化合物は、前記一般式(4)において、R11〜R17が、独立して、C1-6アルキル基、より好ましくはメチル基であり、j及びkが、独立して、1以上の整数、より好ましくは1〜2であり、s及びtは0以上の整数を表すが、但しs+tが1以上の整数、より好ましくはs+tは2〜4である化合物である。
【0044】
前記一般式(4)で表されるシリコーン系界面活性剤において特に好ましい化合物は、前記式(4)において、j及びkが同じ数であり、しかも1〜3、特には1又は2である化合物であり、更に好ましい前記一般式(4)で表される化合物は、R11〜R17が全てメチル基を表し、jが1を表し、kが1を表し、uが1を表し、sが1以上の整数、特には1〜5の整数を表し、tが0を表す化合物である。
【0045】
前記一般式(4)で表されるシリコーン系界面活性剤の添加量は適宜決定されてよいが、本発明で用いるブラックインク組成物の全重量に対して0.03〜3重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜2重量%程度であり、更に好ましくは0.3〜1重量%程度である。
【0046】
前記一般式(4)で表されるシリコーン系界面活性剤は市販されており、それを利用することが可能である。例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社より市販されているシリコーン系界面活性剤BYK−347又はBYK−348が利用可能である。
【0047】
インクジェット記録用水系ブラックインク組成物に含有される界面活性剤量は特に限定されるものではないが、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。界面活性剤の含有量が0.01重量%未満になると界面活性効果が十分に得られず、10重量%を超えると結晶の析出、液晶の形成、あるいは顔料の安定性低下などによる吐出不良の原因となる場合が認められる。
本発明において、補色用着色剤は、顔料又は染料であることができる。顔料は、顔料を分散させる分散剤によりインク組成物中に分散されるものである。
本発明の好ましい態様によれば、これらの顔料は、分散剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料分散液としてインク組成物に添加されるのが好ましい。
分散剤としては、慣用の界面活性剤の他、顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を好適に使用することができる。なお、この顔料分散液に含まれる分散剤がインク組成物の分散剤及び界面活性剤としても機能するであろうことは当業者に明らかであろう。
【0048】
より好ましい分散剤としては、高分子分散剤、特に樹脂分散剤を使用することができる。
高分子分散剤の好ましい例としては天然高分子が挙げられる。その具体例としては、にかわ、ゼラチン、ガゼイン、又はアルブミンなどのタンパク質類、アラビアゴム、又はトラガントゴムなどの天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、アルギン酸、あるいはアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、又はアルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、又はエチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
【0049】
また、高分子分散剤の好ましい例としては合成高分子も挙げられる。その具体例としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸塩−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、又はアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、又はスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、イソブチレン−マレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、あるいは、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、又は酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。
これらの中でも、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、及びスチレン−無水マレイン酸共重合体が該分散剤として好ましい。
【0050】
また、樹脂分散剤としては、市販のものを使用することができ、その具体例としては、ジョンソンポリマー株式会社製、ジョンクリル68(分子量10000、酸価195)、ジョンクリル61J(分子量10000、酸価195)、ジョンクリル680(分子量3900、酸価215)、ジョンクリル682(分子量1600、酸価235)、ジョンクリル550(分子量7500、酸価200)、ジョンクリル555(分子量5000、酸価200)、ジョンクリル586(分子量3100、酸価105)、ジョンクリル683(分子量7300、酸価150)、ジョンクリルB−36(分子量6800、酸価250)等が挙げられる。
【0051】
本発明のインクジェット記録用インクセットに含まれる水系ブラックインク組成物は、湿潤剤、乾燥速度調整剤、及び/又は安定化剤として、水溶性有機溶媒を含有することができる。各インク組成物に添加される水溶性有機溶媒の含有量は、インク組成物の全重量に対して、好ましくは0.5〜40重量%程度であり、より好ましくは2〜30重量%である。
前記の水溶性有機溶媒としては、通常の水性顔料インク組成物に配合される水溶性有機溶媒を用いることができ、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、若しくはトリメチロールプロパンなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、若しくはトリエチレングリコールモノブチルエーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類;あるいは、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、又はトリエタノールアミンを挙げることができる。
【0052】
また、本発明のインクジェット記録用インクセットに含まれるブラックインク組成物は、防腐剤、金属イオン捕獲剤、及び/又は防錆剤を更に含有するのが好ましい。ここで、防腐剤は、アルキルイソチアゾロン、クロルアルキルイソチアゾロン、ベンズイソチアゾロン、ブロモニトロアルコール、オキサゾリジン系化合物、及びクロルキシレノールからなる群から選択された1種以上の化合物が好ましく、金属イオン捕獲剤は、エチレンジアミン四酢酸塩が好ましく、防錆剤は、ジシクロヘキシルアンモニウムニトラート及び/又はベンゾトリアゾールが好ましく用いられる。
【0053】
また、本発明のインクジェット記録用インクセットに含まれるブラックインク組成物は、保存安定性の確保、目詰まり防止、吐出安定の確保、放置安定性の確保の目的で、湿潤剤、保湿剤、溶解助剤、浸透制御剤、粘度調整剤、pH調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、防黴剤、腐食防止剤、その他の種々の添加剤を添加することができる。
その他、インク成分の溶解性を向上させ、更に記録媒体、例えば、紙に対する浸透性を向上させ、あるいはノズルの目詰まりを防止する成分として、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、又はイソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホランなどを挙げることができ、これらを適宜選択して使用することができる。
【0054】
また、pH調整剤、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミン、モルホリンなどのアミン類及びそれらの変成物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどの無機水酸化物、水酸化アンモニウム、4級アンモニウム塩(テトラメチルアンモニウムなど)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどの炭酸塩類、その他、燐酸塩などを挙げることができる。
その他の添加剤として、尿素、チオ尿素、テトラメチル尿素などの尿素類、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸及びその塩、市販の酸化防止剤、紫外線吸収剤なども用いることができる。
【0055】
また、本発明のインクジェット記録用インクセットに含まれるブラックインク組成物は、表面張力が45mN/m以下であることが好ましく、更に好ましくは、25〜45mN/mの範囲である。表面張力が45mN/mを越えると、印字の乾燥性が悪くなり、滲みが発生しやすくなり、カラーブリードが発生する等のため、良好な印刷画像が得られにくい。また、表面張力が25mN/m未満では、プリンタヘッドのノズル周囲が濡れやすくなるためにインク滴の飛行曲がりが発生する等、吐出安定性に問題が生じ易い。上記表面張力は、通常に用いられる表面張力計によって測定することができる。
インクの表面張力は、インクを構成する各成分の種類や組成比などを調整することにより上記範囲内とすることができる。
本発明のインクジェット記録用インクセットに含まれるブラックインク組成物は、通常の方法で調製することができる。
本発明のインクセットは、モノクロ記録用のインクセット又はカラー記録用のインクセットであることができる。
【0056】
本発明のモノクロ記録用インクセットは、補色用着色剤含有ブラックインク組成物(1種またはそれ以上)と補色用着色剤不含ブラックインク組成物との組み合わせの少なくとも1組を含み、各組において、前記補色用着色剤含有ブラックインク組成物と前記補色用着色剤不含ブラックインク組成物のカーボンブラック濃度がそれぞれ実質的に同濃度である。前記の或る1組の組み合わせ内部において、補色用着色剤含有ブラックインク組成物2種以上を用いる場合は、その補色用着色剤の含有量が相互に異なる。また、1つのインクセットにおいて前記の組み合わせを2組以上併用する場合は、各組相互のカーボンブラック濃度がそれぞれ異なる。
【0057】
また、本発明のカラー記録用インクセットを構成するインク組成物の種類や数は、本発明による複数のブラックインク組成物をインクセット構成員として含む限り特に限定されるものではないが、典型的な本発明によるインクセットとしては、例えば、イエロー、シアン、マゼンタ、第1ブラックインク(補色用着色剤含有)、及び第2ブラックインク(補色用着色剤不含)の5色のインクセット;イエロー、シアン、マゼンタ、第1ブラックインク(補色用着色剤含有)、第2ブラックインク(補色用着色剤不含)、ライトシアン、及びライトマゼンタの7色のインクセット;イエロー、シアン、マゼンタ、第1ブラックインク(補色用着色剤含有)、第2ブラックインク(補色用着色剤不含)、ライトシアン、ライトマゼンタ、及びダークイエローの8色のインクセット;イエロー、マゼンタ、シアン、第1ブラックインク(補色用着色剤含有)、第2ブラックインク(補色用着色剤不含)、ライトマゼンタ、及びライトシアンの7色のインクセット;イエロー、シアン、マゼンタ、第1ブラックインク(補色用着色剤含有)、第2ブラックインク(補色用着色剤不含)、レッド、グリーン、及びブルーの8色のインクセット;イエロー、シアン、マゼンタ、第1ブラックインク(補色用着色剤含有)、第2ブラックインク(補色用着色剤不含)、オレンジ、グリーン、及びブルーの8色のインクセット;並びにイエロー、マゼンタ、シアン、第1ブラックインク(補色用着色剤含有)、第2ブラックインク(補色用着色剤不含)、オレンジ、グリーン、及びバイオレットの8色のインクセット;あるいは、前記の各インクセットに更に別のブラックインク組成物を含むインクセット;を挙げることができる。
なお、本発明のインクセットには、前記補色用着色剤の含有量が異なる2種以上の補色剤含有ブラックインク組成物を含む、前記カラーインクセット及び前記モノクロインクセットも含まれる。
【0058】
なお、本明細書において「ライトマゼンタ」及び「ライトシアン」の各インク組成物とは、一般的には、濃度変調による印刷画像の画質向上を目的に、それぞれマゼンタインク組成物、及びシアンインク組成物の色材濃度を低くしたインク組成物である。また、「ダークイエロー」のインク組成物とは、シャドー部等の暗色に対する色再現性を向上させる目的で、イエローインク組成物よりも明度・彩度の低い色材(顔料)を用いたイエローインク組成物である。そして、「レッド」、「オレンジ」、「グリーン」、「ブルー」、及び「バイオレット」の各インク組成物は、色再現範囲を向上させるために、イエロー、マゼンタ、シアンの中間色を構成する要素として使用されるインク組成物である。
【0059】
本発明のインクセットは、補色用着色剤含有ブラックインク組成物がカーボンブラックと前記補色用着色剤とを含有することを除けば、それ以外の点では、従来公知のインクセットと同様に構成することができ、従来公知の各種の記録方法用インクとして利用することができる。好ましいインクセットは、水系であり、特にインクジェット記録用インクセットである。
また、本発明の記録方法は、インク組成物の液滴を吐出して、前記液滴を記録媒体に付着させて印刷を行う記録方法であって、本発明のインクセットを用いる。ここで、記録方法は、本発明のインクセットが収容されたインクカートリッジ(各ブラックインク組成物が個別に収容されたインクカートリッジ)を公知のインクジェット記録装置に搭載させて、記録媒体に対して印刷することにより、好適に行うことができる。
ここで、インクジェット記録装置としては、電気信号に基づいて振動可能な電歪素子が搭載されるとともに、前記電歪素子の振動によって、本発明に係るインクセットが含むインクを吐出することができるように構成されたインクジェット記録装置が好ましい。
また、インクセットを収容するインクカートリッジ(収容ケース)としては、公知のものを好適に使用することができる。
また、本発明の記録物は、本発明の記録方法によって印刷されるので、カーボンブラックの帯色性を修正することができ、色味が良好である。
【0060】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。以下の実施例及び比較例で、wt%は重量%である。
【比較例】
(1)ブラックインク組成物の調製
以下の表1に記載の配合成分を混合し、サンドミル(安川製作所製)中でガラスビーズ〔直径=1.7mm;混合物の1.5倍量(重量)〕とともに2時間分散させ、濃いブラックインク組成物A1及びB1、並びに薄いブラックインク組成物A2及びB2を得た。水溶性樹脂としてはスチレン−アクリル酸共重合体(分子量=15000;酸価=100)を用いた。なお、表1における単位は、重量%である。
【0061】
【表1】
Figure 0004277516
【0062】
(2)グレースケールの出力
前項(1)で調製した濃いブラックインク組成物A1又は薄いブラックインク組成物A2をインクジェットプリンタ(MC2000;セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのブラックインク室に充填し、専用記録媒体(MC写真用紙;セイコーエプソン株式会社製)に吐出し、それぞれ白から黒へのグレーの階調パターン(グレースケール)を、階調を17等分に分割して出力した。出力は各インクの吐出量を分配して行った。出力されたパターンは分光光度計(GRETAG SPM;GRETAG社製)を用いて測定し、CIEで規定されている色差表示法のL*a*b*表色系の座標を求めた。その際の条件は、光源D50、光源フィルタなしで、白色標準は絶対白とし、視野角は2°とした。
結果を、図6の曲線a1(濃いブラックインク組成物A1)及び曲線a2(薄いブラックインク組成物A2)に示す。
【0063】
また、図6の曲線a1と曲線a2とにおいて、単位面積あたりのカーボンブラック担持量が同量になる点を3箇所示す。すなわち、曲線a1上の点s1と曲線a2上の点s2とは、単位面積あたりのカーボンブラック担持量が同量であり、同様に、曲線a1上の点t1と曲線a2上の点t2、及び曲線a1上の点u1と曲線a2上の点u2とは、それぞれ単位面積あたりのカーボンブラック担持量が同量である。これらの各点間距離(ΔC*)を式(1):
【数1】
Figure 0004277516
によって計算した。なお、Δa*は、各点間のa*値の差であり、Δ*は、各点間のb*値の差である。結果は以下の通りであった。
s1−s2間距離=8.9
t1−t2間距離=5.8
u1−u2間距離=0.98
【0064】
同様に、前項(1)で調製した濃いブラックインク組成物B1又は薄いブラックインク組成物B2をインクジェットプリンタ(MC2000;セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのブラックインク室に充填し、専用記録媒体(光沢フィルム;セイコーエプソン株式会社製)に吐出し、白から黒へのグレーの階調パターン(グレースケール)を、階調を17等分に分割して出力した。出力は各インクの吐出量を分配して行った。出力されたパターンを測色し、a*,b*座標をプロットした。濃いブラックインク組成物B1からは、図6の曲線a1と同様のグレースケール軌跡が得られ、薄いブラックインク組成物B2からは、図6の曲線A2と同様のグレースケール軌跡が得られた。
【0065】
図6から明らかなとおり、補色用着色剤を添加しない場合には、濃いブラックインク組成物及び薄いブラックインク組成物のそれぞれから得られるグレースケール軌跡は、原点から大幅に乖離し、帯色性を示す。
【0066】
(実施例1及び2)
(1)ブラックインク組成物の調製
以下の表2に記載の配合成分を混合し、サンドミル(安川製作所製)中でガラスビーズ〔直径=1.7mm;混合物の1.5倍量(重量)〕とともに2時間分散させ、補色用着色剤含有ブラックインク組成物X1及びY1、並びに補色用着色剤不含ブラックインク組成物X2及びY2を得た。水溶性樹脂としてはスチレン−アクリル酸共重合体(分子量=15000;酸価=100)を用いた。なお、表2における単位は、重量%である。
【0067】
【表2】
Figure 0004277516
【0068】
(2)グレースケールの出力(インクセットX:実施例1)
補色用着色剤含有ブラックインク組成物X1及び補色用着色剤不含ブラックインク組成物X2からインクセットX(実施例1)を構成し、インクジェットプリンタ(MC2000;セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジに、次のように充填した。
(イ)前記インクジェットプリンタ(MC2000)のインクカートリッジのブラックインク室に補色用着色剤含有ブラックインク組成物X1を充填した。
(ロ)前記インクジェットプリンタ(MC2000)のインクカートリッジのシアンインク室に補色用着色剤不含ブラックインク組成物X2を充填した。
専用記録媒体(MC写真用紙;セイコーエプソン株式会社製)に吐出し、それぞれ白から黒へのグレーの階調パターン(グレースケール)を、階調を18等分に分割して出力した。出力は各インクの吐出量を分配して行った。出力されたパターンは分光光度計(GRETAG SPM;GRETAG社製)を用いて測定し、CIEで規定されている色差表示法のL*a*b*表色系の座標を求めた。その際の条件は、光源D50、光源フィルタなしで、白色標準は絶対白とし、視野角は2°とした。本実施例では、白(階調17)から黒(階調0)の18階調のうち、階調17〜16を補色用着色剤不含ブラックインク組成物X2で印刷し、階調15〜0を補色用着色剤含有ブラックインク組成物X1で印刷した。結果を、図7に示す。
【0069】
(3)グレースケールの出力(インクセットY:実施例2)
補色用着色剤含有ブラックインク組成物Y1及び補色用着色剤不含ブラックインク組成物Y2からインクセットY(実施例2)を構成し、インクジェットプリンタ(MC2000;セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジに、次のように充填した。
(イ)前記インクジェットプリンタ(MC2000)のインクカートリッジのブラックインク室に補色用着色剤含有ブラックインク組成物Y1を充填した。
(ロ)前記インクジェットプリンタ(MC2000)のインクカートリッジのシアンインク室に補色用着色剤不含ブラックインク組成物Y2を充填した。
専用記録媒体(MC写真用紙;セイコーエプソン株式会社製)に吐出し、それぞれ白から黒へのグレーの階調パターン(グレースケール)を、階調を18等分に分割して出力した。出力は各インクの吐出量を分配して行った。出力されたパターンは分光光度計(GRETAG SPM;GRETAG社製)を用いて測定し、CIEで規定されている色差表示法のL*a*b*表色系の座標を求めた。その際の条件は、光源D50、光源フィルタなしで、白色標準は絶対白とし、視野角は2°とした。本実施例では、白(階調17)から黒(階調0)の18階調のうち、階調17及び階調6〜0を補色用着色剤不含ブラックインク組成物Y2で印刷し、階調16〜7を補色用着色剤含有ブラックインク組成物Y1で印刷した。結果を、図8に示す。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、中間階調の灰色や濃灰色に発生する帯色性を適切に修正することのできるインクセットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】CIEで規定されている色差表示法のL*a*b*表色系のa*,b*座標にプロットしたグレースケール軌跡を模式的に示す説明図である。
【図2】薄いブラックインク〔図2(1)〕又は濃いブラックインク〔図2(2)〕を用いて、同じ灰色を表現するのに必要な量のカーボンブラックが、記録媒体表面の単位面積あたりに付着するようにデューティーを調節してインク液滴を吐出させる状態を模式的に示す説明図である。
【図3】CIEで規定されている色差表示法のL*a*b*表色系のa*,b*座標にプロットした濃いブラックインクのグレースケール軌跡に、薄いブラックインクの仮想グレースケール軌跡が重なることを模式的に示す説明図である。
【図4】図1の曲線dのグレースケール軌跡を示す濃いブラックインクにおいて、補色用着色剤含有インク組成物と補色用着色剤不含インク組成物との諧調分割方法を模式的に示す説明図である。
【図5】図1の曲線eのグレースケール軌跡を示す薄いブラックインクにおいて、補色用着色剤含有インク組成物と補色用着色剤不含インク組成物との諧調分割方法を模式的に示す説明図である。
【図6】比較例にて作成した濃いブラックインクと薄いブラックインクの実際のグレースケール軌跡をa*,b*座標に示すグラフである。
【図7】実施例1にて作成したインクセットXの実際のグレースケール軌跡をa*,b*座標に示すグラフである。
【図8】実施例2にて作成したインクセットYの実際のグレースケール軌跡をa*,b*座標に示すグラフである。

Claims (11)

  1. 0.01〜10重量%のカーボンブラックと補色用着色剤とを含有する第1のブラックインク組成物と、当該第1のブラックインク組成物におけるカーボンブラックの濃度と実質的に等しい濃度でカーボンブラックを含むが補色用着色剤を含まない第2のブラックインク組成物との組み合わせを少なくとも1組含むインクセットを用いるインクジェット記録方法であって、
    L*a*b*空間に描かれたグレースケール軌跡において、原点(a*,b*=0,0)から所定距離以上の階調を記録する場合は、第1のブラックインク組成物を用い、原点から所定距離未満の階調を記録する場合は、第2のブラックインク組成物を用いる、記録方法。
  2. 前記第1のブラックインク組成物が、補色用着色剤として一般式(1):
    Figure 0004277516
    (式中、pは0〜3の整数である)で表される顔料を含有する、請求項1に記載の記録方法。
  3. 前記一般式(1)で表される顔料の含有量が、前記第1ブラックインク組成物の全重量に対して、0.01〜5重量%である、請求項に記載の記録方法。
  4. 前記第1のブラックインク組成物が、補色用着色剤として一般式(2):
    Figure 0004277516
    で表される顔料を含有する、請求項1に記載の記録方法。
  5. 前記一般式(2)で表される顔料の含有量が、前記第1ブラックインク組成物の全重量に対して、0.01〜5重量%である、請求項に記載の記録方法。
  6. 前記インクセットが、第1のブラックインク組成物が、補色用着色剤として一般式(1):
    Figure 0004277516
    (式中、pは0〜3の整数である)で表される顔料を含有する第1の組み合わせと、第1のブラックインク組成物が、補色用着色剤として一般式(2):
    Figure 0004277516
    で表される顔料を含有し、カーボンブラック濃度が前記の第1の組み合わせにおけるカーボンブラック濃度よりも高い第2の組み合わせとを含む、請求項1に記載の記録方法。
  7. 前記第1の組み合わせにおいて、一般式(1)で表される顔料の含有量が、第1ブラックインク組成物の全重量に対して0.01〜5重量%であり、前記第2の組み合わせにおいて、一般式(2)で表される顔料の含有量が、第1ブラックインク組成物の全重量に対して0.01〜5重量%である、請求項に記載の記録方法。
  8. 前記インクセットが水系である請求項1〜のいずれか一項に記載の記録方法。
  9. 前記ブラックインク組成物が、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選んだ界面活性剤の少なくとも1種を含有する請求項1〜のいずれか一項に記載の記録方法。
  10. 前記ノニオン性界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤である請求項に記載の記録方法。
  11. 前記ブラックインク組成物が、水溶性有機溶媒を更に含有する請求項1〜10のいずれか一項に記載の記録方法。
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