JP6233166B2 - 水性インキ - Google Patents
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Description
即ち、本発明は、少なくとも水、色材、有機溶剤および酸価200KOHmg/g以上のビニル重合ポリマーを含有するインキであって、
前記有機溶剤の、沸点が150℃以上280℃以下かつ、表面張力が20mN/m以上35.1mN/m以下であり、インキ全体に対する有機溶剤含有量が10重量%以上40重量%以下であり、
前記ビニル重合ポリマーが、エマルジョンタイプであり、インキ全体に対するビニル重合ポリマーの固形分含有量が0.01重量%以上0.33重量%以下であり、
25℃における該インキの粘度(V1)が、4mPa・s<V1<20mPa・sであり、25℃で動的表面張力を測定した際の10mS時の値が35mN/m以下である事を特徴とする水性インキに関する。
シアンインキ、マゼンタインキ、イエローインキ、ブラックインキを含むインキセットに関する。
BF Good rich社製カーボポール934、同940、同941、同1342、同EZ-1、同ET2020、ペミュレンTR-1、同TR-2、日本化薬株式会社製ジュンロンPW110、同PW111、同PW115、レオジック250H、同252L、同305L、同306L、同830L、同835H、エレメンティスジャパン社製レオネート101、和光純薬株式会社製ハイビスワコー103、同104、同105、同204、同304、東亜合成社製アロンA20L、同A7100、同A10H、同A30、同A93、同A7255、同A7185、同A7195、住友精化株式会社製アクペックHV-501、同HV-504、同HV-505、三洋化成株式会社製サクリスA-1、同C-1、同L-1、同N-1、ローム&ハース社製プライマルG111、同RM5、同TT935、クラリアントポリマー社製レビオスCR、同CRX、同DP60-3902
ローム&ハース社製プライマルASE60、同TT615、エレメンティスジャパン社製レオネート1、同430、同450、クラリアントポリマー社製ビスカレックスHV-30、同VG-2、同AT-55、同AT-77、第一工業製薬株式会社製スーパーフレックスVF、同VM、BASF社製コラクラールP、同D、東亞合成社製アロンB300K、同B500、同A7075、同7055、サンノプコ社製SNシックナー613、同615、同618、同630、同632、同633、同634、同635、同636、同650、同A813、同A815、同A818、同A850
No.33、40、45、52、900、2200B、2300、MA7、MA8、MCF88(以上、三菱化学製)、RAVEN1255(コロンビア製)、REGAL330R、400R、660R、MOGUL L(以上、キャボット製)、Nipex 160IQ、Nipex 170IQ、Nipex 75、Printex 85、Printex 95、Printex 90、Printex 35、Printex U(以上、デグサ製)等があり、何れも好ましく使用することができる。
また、アニオン性界面活性剤の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等が挙げられ、ノニオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。
本発明では、KRUSS社のBP100(バブルプレッシャ動的表面張力計)を使用し実施した。測定される時間は10mSと、インクジェットインキにおいて考慮される動的表面張力と比べ、非常に長い時間を経て測定されるが、測定誤差も少なく、安定した数値を測定する必要があるため、バブルプレッシャー法が好ましいと考えた。動的表面張力値としては、10ms時の値が35mN/m以下となることで、コート紙や塩化ビニルシートのような難吸収性基材に対してもインキが濡れ、印刷物品質が向上することが本検討にて確認されている。これは、インクジェットインキに一般的に使用されている界面活性剤等で、静的表面張力値を落としても、印刷基材への濡れは改善するが、印刷物品質の向上は見られない現象を説明しているものと考える。つまり、界面活性剤は液面が発生してから表面に移動するまでに時間が必要であり、液面に吸着してから作用を発現することが一般的に知られている。しかし、インクジェットインキに関しては、10pL程度の微小液滴状態で画像形成されている事から、界面活性剤が液面に移動する前にインキが乾燥固化してしまい、界面活性剤の性能が発現できない状況であるため、実際の印刷試験では印刷物品質が向上しない状態であると推測している。
まず、前記インキ粘度の測定は20mPa・s以下と低粘度範囲である事から、JIS Z 8809で規定されている粘度計校正用標準液で検出され、25℃、常圧下で測定された値である。測定機種は、東機産業社のTV−22型粘度計を使用し実施した。インキの乾燥粘度挙動に対しては、前記剪断減粘性付与剤の説明の際にも記載したが、インキ液滴が基材に着弾し、インキ中の溶媒が瞬時に揮発する事で、インキ粘度が急激に上昇、基材表面に固着する事により、布のような吸収性基材にもインキが浸透しないため、裏抜けせず発色性の良好な印刷物を得る事が可能となる。また、コート紙や塩化ビニルシートのような難吸収性基材に対しては、基材への浸透効果が望めない事から、高速印刷における基材表面への固着が大変難しい。そのため前記同様、基材表面にてインキが急増粘する事で基材表面に固着し、インキ中の溶媒が多い次のインキ液滴が隣に着弾したとしても、インキ液滴同士の融着が防止される事から、画像にブツブツ感が現われるようなビーディング現象や、異なる色間で滲みが現われるブリーディング現象が発生する事無く、印刷物品質を著しく向上することが可能となる。また、前記剪断減粘性付与剤を添加することにより起こる効果であり、一般的に実施されている凝集固着でない事から、発色性にも優れている。乾燥粘度挙動がV2/V1<8の場合は、高速印刷時に基材上でのドット融着が発生してしまい、印刷物品質が低下する。またV2/V1>80の場合は、インクジェットヘッドノズル上にてインキ粘度が上昇しやすくなってしまい、吐出安定性が低下し、印刷信頼性を悪化させてしまう事から、好ましくない。
まず、前記重量変化幅は、インキの揮発速度を規定する値である。乾燥粘度挙動と揮発速度が規定した数値に入る事により、インキが基材に着弾し、印刷基材上でのインキ粘度上昇が起こる事から、吸収基材への浸透や、難吸収性基材上でのインキ液滴の融着が発生しないため、印刷物品質の更なる向上が確認されている。インキの重量変化を測定する方法としては、気温20℃−湿度30%環境下で、5gのインキをメンタム缶に仕込んだ後、50℃のホットプレートにて30分放置、加熱を実施。加熱前後でのインキの重量変化を天秤にて測定し、揮発速度の数値として規定した。インキの重量変化幅が0.75g以下では、インキの保湿性能が良好であるため、インクジェットヘッド上で急激な粘度上昇が起こりにくく、吐出安定性が良好になり印刷信頼性が改善するものの、揮発速度が遅い事により、印刷基材上でのインキ粘度の急上昇が得られないため、印刷物品質の低下が起こるため、好ましくない。また、インキの重量変化幅が1.50g以上では、インキの揮発速度が速いため、印刷基材上でのインキ粘度の急上昇が起こる事により、印刷物品質の向上が確認されたものの、インクジェットヘッド上で急激な粘度上昇が起こり、吐出安定性が悪化し、印刷信頼性が低下する事から、好ましくない。
水溶性樹脂は、酸価300KOHmg/g以下、かつ重量平均分子量30000未満であることが好ましい。
水分散性樹脂微粒子のガラス転移点温度(Tg)を高くすることで耐擦性、耐薬品性等の耐性を向上させることが可能であり、好ましくは50〜100℃の範囲であり、より好ましくは75℃〜90℃の範囲である。50℃よりも低い場合には十分な耐性が得られず、実用にて印刷物から印刷が剥がれる場合がある。また、100℃よりも高い場合には塗膜が非常に硬くなり、印刷物を折り曲げた際に印刷面にワレ、ヒビが生じる場合がある。
上記したような成分からなる本発明のインキの調製方法としては、下記のような方法が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。先ず初めに、分散剤を使用した顔料分散体の作成方法を以下に記載する。まず顔料分散樹脂と、水とが少なくとも混合された水性媒体に顔料を添加し、混合撹拌した後、後述の分散手段を用いて分散処理を行い、必要に応じて遠心分離処理を行って所望の顔料分散液を得る。次に、インキの作成方法を以下示す。まず、必要に応じてこの顔料分散液に、水溶性有機溶剤、或いは、上記で挙げたような適宜に選択された添加剤成分を加え、撹拌、必要に応じて濾過して本発明のインキとする。
本発明で用いられる記録方法は、印刷基材上に付着させて印字を行うインクジェット記録方法であって、上記の水性インクジェットインキを使用したインクジェット記録方法が提供される。
また、本発明によれば、上記した水性インクジェットインキで印刷してなる印刷物が提供される。
ただし、実施例1〜6、10、16,17,26は、参考例である。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、トリエチレングリコールモノメチルエーテル93.4部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱して、ラウリルメタクリレート35.0部、スチレン35.0部、アクリル酸30.0部、およびV−601(和光純薬製)6.0部の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに110℃で3時間反応させた後、V−601(和光純薬製)0.6部を添加し、さらに110℃で1時間反応を続けて、アルカリ可溶性樹脂1の溶液を得た。アルカリ可溶性樹脂1の重量平均分子量は約16000であった。
さらに、室温まで冷却した後、ジメチルアミノエタノール37.1部添加し中和した。これは、アクリル酸を100%中和する量である。さらに、水を200部添加し、水性化した。これを1gサンプリングして、180℃20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に水性化した樹脂溶液の不揮発分が20%になるように水を加えた。これより、アルカリ可溶性樹脂1の不揮発分20%の水性化溶液を得た。アルカリ可溶性樹脂1の実測酸価は230KOHmg/gであり、重量平均分子量(Mw)で16000程度である。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、JONCRYL 611(重量平均分子量8100、酸価55KOHmg/g)を20部、ジメチルアミノエタノール1.74部と水を78.26部添加し中和した。これは、アクリル酸を100%中和、水溶化した。これを1gサンプリングして、180℃20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に水性化した樹脂溶液の不揮発分が20%になるように水を加えた。これより、アルカリ可溶性樹脂2の不揮発分20%の水性化溶液を得た。
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、BYK P105(重量平均分子量10000以下、酸価360KOHmg/g)を20部、ジメチルアミノエタノール11.44部と水を68.56部添加し中和、水溶化した。これは、アクリル酸を100%中和する量である。これを1gサンプリングして、180℃20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に水性化した樹脂溶液の不揮発分が20%になるように水を加えた。これより、アルカリ可溶性樹脂3の不揮発分20%の水性化溶液を得た。
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器に、イオン交換水40部と界面活性剤としてアクアロンKH−10(第一工業製薬製)0.2部とを仕込み、別途、2−エチルヘキシルアクリレート10部、メチルメタクリレート57部、スチレン30部、ジメチルアクリルアミド2部、メタクリル酸1部、イオン交換水53部および界面活性剤としてアクアロンKH−10(第一工業製薬製)1.8部をあらかじめ混合しておいたプレエマルジョンのうちの1%をさらに加えた。内温を60℃に昇温し十分に窒素置換した後、過硫酸カリウムの5%水溶液10部、および無水重亜硫酸ナトリウムの1%水溶液20部の10%を添加し重合を開始した。反応系内を60℃で5分間保持した後、内温を60℃に保ちながらプレエマルジョンの残りと過硫酸カリウムの5%水溶液、および無水重亜硫酸ナトリウムの1%水溶液の残りを1.5時間かけて滴下し、さらに2時間攪拌を継続した。固形分測定にて転化率が98%超えたことを確認後、温度を30℃まで冷却した。ジエチルアミノエタノールを添加して、pHを8.5とし、さらにイオン交換水で不揮発分を40%に調整して樹脂微粒子水分散体を得た。得られた樹脂微粒子水分散体を水分散性樹脂微粒子1とした。水分散性樹脂微粒子1の計算上のガラス転移点温度は80℃である。
実施例で使用する自己分散顔料分散体について以下に示す。
・顔料分散体A:Cabot社製 CAB−O−JET 450C
(PB15:4シアン顔料分散体)・顔料分散体B:Cabot社製 CAB−O−JET 265M
(PR122マゼンタ顔料分散体)・顔料分散体C:Cabot社製 CAB−O−JET 470Y
(PY74イエロー顔料分散体)・顔料分散体D:Cabot社製 CAB−O−JET 400
(カーボンブラック分散体)前記顔料分散体A〜Dは、顔料表面改質技術を利用した分散体であり、自己分散体に位置付けられる。
[シアン顔料分散液の製造]
顔料としてPigment Blue 15:3を20部、アルカリ可溶性樹脂1の水溶液を42.9部、水37.1部をマヨネーズ瓶に仕込み、ディスパーで予備分散した後、分散メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて2時間本分散を行い、シアン顔料分散液を得た。このシアン顔料分散液を顔料分散液Eとした。
顔料としてPigment Red 122を20部に変えた以外は、シアン顔料分散液Fと同様の方法で、マゼンタ顔料分散液を得た。このマゼンタ顔料分散液を顔料分散液とした。
顔料としてPigment Yellow 120を20部に変えた以外は、シアン顔料分散液と同様の方法で、イエロー顔料分散液を得た。このイエロー顔料分散液を顔料分散液Gとした。
顔料としてカーボンブラックを20部に変えた以外は、シアン顔料分散液と同様の方法で、ブラック顔料分散液を得た。このブラック顔料分散液を顔料分散液Hとした。
<水溶性有機溶剤>
・PGMME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
(沸点:120℃・表面張力:25.4mN/m)・DMTEG:テトラエチレングリコールジメチルエーテル
(沸点:275℃・表面張力:33.0mN/m)・BDG:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
(沸点:230℃・表面張力:27.9mN/m)・MMB:3−メチル−3−メトキシブタノール
(沸点:174℃・表面張力:29.7mN/m)・MEG:エチレングリコールモノメチルエーテル
(沸点:124℃・表面張力:29.9mN/m)・GLY:グリセリン (沸点:290℃・表面張力:62.0mN/m)
<アルカンジオール類>
・1,2−PD:1,2−プロパンジオール
(沸点:187.6℃・表面張力:35.1mN/m)・1,2−BD:1,2−ブタンジオール
(沸点:194℃・表面張力:31.6mN/m)・1,2−HexD:1,2−ヘキサンジオール
(沸点:224℃・表面著力:25.9mN/m)
上記の顔料分散体A〜H用いて表1,3,4に記載のとおりのインキを作成。自己分散体を使用する場合は顔料分散体A〜Dを、樹脂分散体を用いる場合は顔料分散体E〜Hと各原料をディスパーにて撹拌を行いながら混合。十分に均一になるまで攪拌した後、1μmおよび0.45μmのメンブランフィルターで濾過を行い、ヘッドつまりの原因となる粗大粒子を除去しインキを調製した。調製したシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインキを1組のインキセットとし、表1,3,4に示す組成の異なる実施例1〜34,比較例2〜9のインキセットを得た。これらのインキセットを用いて以下の評価を行った。
実施例1〜34、比較例1〜9で得られたインキについて、25℃の環境下でピエゾ素子を有する京セラ社製インクジェットヘッドを搭載したインクジェットプリンターである、(株)トライテック社製One Pass JETにシリンジにより注入。インクジェットヘッドノズル部分にキャップ等の密閉保管処置をせずに、室温にて数分放置。その後、インクジェットヘッドノズルのクリーニング等を行わずに、ノズルチェックパターンを印字してノズル抜けの有無を確認し評価を行った。評価基準は下記のとおりである。
1:室温5分以下で放置で、インクジェットヘッドからインキが吐出できない。
2:室温5〜10分以下で放置で、インクジェットヘッドからインキが吐出できない。
3:室温10〜20分以下で放置で、インクジェットヘッドからインキが吐出できない。
4:室温20〜30分以下で放置で、インクジェットヘッドからインキが吐出できない。
5:室温30分以上放置でも、インクジェットヘッドからインキが安定して吐出する事が可能。
<評価2:塗膜耐性の評価>
実施例1〜34、比較例1〜9で得られたインキについて、25℃の環境下でピエゾ素子を有するエプソン社製インクジェットヘッドを搭載したインクジェットプリンター(武藤工業社製インクジェットプリンターVJ−1608HSJ)に充填し、60℃に加温しながら印字率100%のベタ印刷を実施。印刷基材としてポリ塩化ビニルシート(PVC)であるメタマーク社製MD−5を使用して印字を行った後、印刷物を70℃で3分間加熱乾燥。得られた印刷物を学振型摩擦堅牢試験機AB−301(テスター産業株式会社製)を用いて、荷重500g,摩擦回数100回の条件で、摩擦用白綿布(カナキン3号)を取り付けた摩擦子と印字サンプルとを擦り合わせ、画像の表面状態を目視にて観察した。評価基準は下記のとおりであり、4、5の評価であると耐擦性に優れた画像を形成していると判断できる。
1:摩擦回数20回未満で、印刷基材が見えるほどインキ塗膜がとれる
2:摩擦回数20回以上50回未満で、印刷基材が見えるほどインキ塗膜がとれる
3:摩擦回数50回以上100回未満で、印刷基材が見えるほどインキ塗膜がとれる
4:カナキンにインキの付着が僅かにあるが、印刷基材は見えない
5:カナキンにインキの付着が全くない
実施例1〜34、比較例1〜9で得られたインキについて、25℃の環境下でピエゾ素子を有するエプソン社製インクジェットヘッドを搭載したインクジェットプリンター(武藤工業社製インクジェットプリンターVJ−1608HSJ)に充填し、下記基材を60℃に加温しながら印字率100%のベタ印刷をG1モード(解像度:720×1080dpi−印刷物生産速度:8m2/h)にて実施。印刷物の白抜け度合の目視確認と、印字率100%での濃度(OD値)を測色機(X−rite社製 eye−one pro)にて測定し確認。評価基準は下記の通り。
1:基材によってインキの濡れが異なるため、ドット融着や印刷基材への浸透による印字
率100%印刷部分の白抜けが存在する印刷物があり、印刷基材違いでの印字率10
0%でのOD値の差が±1.50以上である。
2:基材によってインキの濡れが異なるため、ドット融着や印刷基材への浸透による印字
率100%印刷部分の白抜けが存在する印刷物があり、印刷基材違いでの印字率10
0%でのOD値の差が±0.75以上±1.50未満である。
3:基材に関わらずインキが十分に広がり目視で白抜けはないが、印字率100%のOD
値差が±0.5以上±0.75未満である。
4:基材に関わらずインキが十分に広がり目視で白抜けはないが、印字率100%のOD
値差が±0.5未満である。
5:基材に関わらずインキが十分に広がり目視で白抜けはないが、印字率100%のOD
値差が±0.3未満である。
(評価基材)
・ポリ塩化ビニルシート(PVC):メタマーク社製MD−5
・コート紙:王子製紙社製OKトップコート+
・布基材:デュポン社製TYVEK1082D
実施例1〜34、比較例1〜9で得られたインキについて、25℃の環境下でピエゾ素子を有する京セラ社製インクジェットヘッドを搭載したインクジェットプリンターである、(株)トライテック社製One Pass JETにシリンジにより注入。印刷基材搬送速度50m/分と25m/分の2条件で印字率100%でのベタ印刷を実施し、画像品質を評価した。評価基材は王子製紙社製OKトップコート+(コート紙)を使用し、4、5の評価であると良好とした。
1:25m/分・50m/分共に、ベタ印刷画像に多数のスジや滲みが発生する。
2:25m/分ではベタ印刷画像で数本のスジが発生し、50m/分では多数のスジや滲
みが発生する。
3:25m/分・50m/分共に、ベタ印刷画像で数本のスジが発生する。
4:25m/分ではベタ印刷画像が完全に埋まるが、50m/分では数本のスジが発生す
る。
5:25m/分・50m/分共に、ベタ印刷画像が完全に埋まる。
Claims (10)
- 少なくとも水、色材、有機溶剤および酸価200KOHmg/g以上のビニル重合ポリマーを含有するインキであって、
前記有機溶剤の、沸点が150℃以上280℃以下かつ、表面張力が20mN/m以上35.1mN/m以下であり、インキ全体に対する有機溶剤含有量が10重量%以上40重量%以下であり、
前記ビニル重合ポリマーが、エマルジョンタイプであり、インキ全体に対するビニル重合ポリマーの固形分含有量が0.01重量%以上0.33重量%以下であり、
25℃における該インキの粘度(V1)が、4mPa・s<V1<20mPa・sであり、25℃で動的表面張力を測定した際の10mS時の値が35mN/m以下である事を特徴とする水性インキ。 - 更に、インキ中の有機溶剤量が当初の総溶剤量(水と有機溶剤と合計量)の50重量%に減量した際のインキの粘度(V2)が、8<V2/V1<80である事を特徴とする、請求項1記載の水性インキ。
- 更に、気温20℃−湿度30%の環境下で5gのインキを50℃のホットプレートを用い30分加熱した際の重量変化幅が、0.75g以上1.50g以下であることを特徴とする、請求項1または2記載の水性インキ。
- 有機溶剤である炭素数4以上のアルカンジオール類が、インキ全体に対して10重量%以上25重量%以下含まれることを特徴とする、請求項1〜3いずれか記載の水性インキ。
- 有機溶剤である1,2−ヘキサンジオールが、インキ全体に対して10重量%以上20%重量以下含まれることを特徴とする、請求項1〜4いずれか記載の水性インキ。
- 更に、酸価300KOHmg/g以下、かつ重量平均分子量30000未満の水溶性樹脂と、アルカリ剤とを含有する、請求項1〜5いずれかに記載の水性インキ。
- 更に、界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の水性インキ。
- 請求項1〜7いずれか記載の水性インキを含むインキセットであって、
シアンインキ、マゼンタインキ、イエローインキ、ブラックインキを含むインキセット。 - 請求項1〜7いずれか記載の水性インキの液滴を吐出させ、印刷基材上に付着させて印字を行うインクジェット記録方法。
- 請求項1〜7いずれか記載の水性インキで印刷してなる印刷物。
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