JP2007297624A - インクジェット用非水系インク組成物 - Google Patents

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正士 廣木
Soya Kitawaki
崇也 北脇
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博史 清本
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    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/36Inkjet printing inks based on non-aqueous solvents

Abstract

【課題】 オフィスや家庭で使用されている透明ファイルを膨潤させたり、大きく変形させることなく、かつ高い吐出安定性を有するインクジェット用非水系インク組成物を提供する。
【解決手段】 顔料と分散剤と非水系溶媒を含有するインクジェット用非水系インク組成物である。前記非水系溶媒は、50重量%以上90重量%以下の第一の流動パラフィンと残部を占める第二の流動パラフィンとを含み、前記第一の流動パラフィンの平均炭素数は28であり、前記第二の流動パラフィンの平均炭素数は23以上27以下であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット用非水系インク組成物に関する。
近年、インクジェット方式を用いた記録装置は、家庭からオフィス、産業用途まで幅広く利用されている。インクジェット方式の記録装置においては、用途に応じて、水性、非水系、あるいはUVなどのインクが使用されている。これらのなかで水性インクは、安価で安全であるため広い用途に用いられているが、高速印刷のアプリケーションではインクの乾燥が遅い。しかも、水性インクを普通紙(PPC用紙)に印刷した場合には、インクが乾燥した後に用紙が波打ってしまう、いわゆるコックリングが発生する。UVインクは、紫外線を照射すると速やかに硬化するので、非吸収メディアに対する印刷や高速印刷のアプリケーションに適する。しかしながら、大型で消費電力の大きい紫外線照射装置が必要とされる。
これに対して、非水系インクは普通紙に印刷する場合、インクジェットヘッドから吐出したインク滴が記録用紙に着弾すると、短時間で記録用紙内部に浸透する。その結果、特別な機構の必要なしに高速印刷が可能であり、コックリングも生じることがなく良好な印刷画像が得られる。また、非水系インクの溶媒として流動パラフィン(例えば村松石油研究所製モレスコホワイトP−40等)を使用することが提案されている。この流動パラフィンは無色、無臭で人体に安全で非水系インクに適した溶媒である。
印刷された画像は、オフィスや家庭では、多くの場合は透明ファイルに挟んで保存される。オフィスや家庭で使用される透明ファイルは、PP(ポリプロピレン)製フィルムがほとんどであり、非水系インクで印刷した画像を挟んでおくとフィルムが膨潤して波打ってしまう場合が多い。場合によっては、フィルムは1mm以上も大きく変形して破損することがある。
本発明は、オフィスや家庭で使用されている透明ファイルを膨潤させたり、大きく変形させることなく、かつ高い吐出安定性を有するインクジェット用非水系インク組成物を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、顔料と分散剤と非水系溶媒を含有し、前記非水系溶媒は、50重量%以上90重量%以下の第一の流動パラフィンと残部を占める第二の流動パラフィンとを含み、前記第一の流動パラフィンの平均炭素数は28であり、前記第二の流動パラフィンの平均炭素数は23以上27以下であることを特徴とするインクジェット用非水系インク組成が提供される。
本発明の他の態様によれば、顔料と分散剤と非水系溶媒を含有し、前記非水系溶媒は、50重量%以上85重量%以下の第一の流動パラフィンと残部を占める第二の流動パラフィンとを含み、前記第一の流動パラフィンの平均炭素数は29であり、前記第二の流動パラフィンの平均炭素数は23以上27以下であることを特徴とするインクジェット用非水系インク組成物が提供される。
本発明によれば、オフィスや家庭で使用されている透明ファイルを膨潤させたり、大きく変形させることなく、かつ高い吐出安定性を有するインクジェット用非水系インク組成物が提供できる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の一実施形態にかかるインクジェット用非水系インク組成物は、分散剤を用いて顔料を非水系溶媒に分散してなるものである。非水系溶媒とは、水以外の溶媒全般をさす。本発明者らは、平均炭素数の異なる2種類の流動パラフィンを所定の割合で配合することによって、良好な特性を有する非水系溶媒が得られることを見出した。かかる非水系溶媒を用いた場合、PPフィルムが膨潤したり、大きく変形することはない。なお、特にことわらない限り、本明細書における%は重量%である。本発明は、こうした知見に基づいてなされたものである。
流動パラフィンとしては、平均炭素数が28または29の第一の流動パラフィンと、平均炭素数が23以上27以下の第二の流動パラフィンとが用いられる。非水系溶媒における第一の流動パラフィンの含有量(重量%)は、この第一の流動パラフィンの平均分子量に応じて決定される。第一の流動パラフィンの平均炭素数が28の場合には、50重量%以上90重量%以下の量で非水系溶媒に含まれ、残部が第二の流動パラフィンである。一方、第一の流動パラフィンの平均炭素数が29の場合には、50重量%以上85重量%以下の量で非水系溶媒に含まれ、残部が第二の流動パラフィンである。
第一の流動パラフィンの平均炭素数と第二の流動パラフィンの平均炭素数とには、特に好ましい組み合わせが存在する。第一の流動パラフィンの平均炭素数が28の場合には、第二の流動パラフィンの平均炭素数は26以上27以下であることが好ましい。
また、第一の流動パラフィンの平均炭素数が29の場合には、第二の流動パラフィンの平均炭素数は23以上25以下であることが好ましい。このとき、第一の流動パラフィンの含有量は、非水系溶媒の重量の50%以上85%以下が好ましく、75%以上85%以下がより好ましい。
さらに、第一の流動パラフィンの平均炭素数が29であって、第二の流動パラフィンの平均炭素数が26の場合には、第一の流動パラフィンの含有量は、非水系溶媒の重量の50%以上80%以下が好ましい。第一の流動パラフィンの平均炭素数が29であって、第二の流動パラフィンの平均炭素数が27の場合には、第一の流動パラフィンの含有量は、非水系溶媒の重量の50%以上70%以下が好ましい。
上述したような第一の流動パラフィンと第二の流動パラフィンとの組み合わせは、本発明者らによって初めて見出されたものである。
第一の流動パラフィンとして用い得る平均炭素数28の流動パラフィンとしては、例えば、モレスコホワイトP200(松村石油株式会社製)が挙げられ、平均炭素数29の流動パラフィンとしては、例えば、モレスコホワイトP230(松村石油株式会社製)が挙げられる。
第二の流動パラフィンとして用い得る平均炭素数23以上27以下の流動パラインとしては、例えば、モレスコホワイトP70、モレスコホワイトP80、モレスコホワイトP85、モレスコホワイトP100、モレスコホワイトP120、およびモレスコホワイトP150が挙げられる。
また、三光化学工業株式会社製70−S、80−S、90−S、100−S、120−S、および150−S等を、用いることもできる。これらの平均炭素数は、それぞれ、23、24、24、25、26、および27である。
上述したような非水系溶媒に、分散剤を用いて顔料を分散させることによって、本発明の実施形態かかるインクジェット用非水系インク組成物が調製される。
使用可能な顔料としては、例えば、光吸収性の顔料を挙げることができる。そのような顔料としては、例えば、カーボンブラック、カーボンリファインド、およびカーボンナノチューブ等の炭素系顔料、鉄黒、コバルトブルー、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化クロム、および酸化鉄等の金属酸化物顔料、硫化亜鉛等の硫化物顔料、フタロシアニン系顔料、金属の硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、およびリン酸塩等の塩からなる顔料、並びにアルミ粉末、ブロンズ粉末、および亜鉛粉末等の金属粉末からなる顔料が挙げられる。
また、例えば、染料キレート(塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、アニリンブラック、ナフトールグリーンB等のニトロソ顔料、ボルドー10B、レーキレッド4Rおよびクロモフタールレッド等のアゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む。)、ピーコックブルーレーキおよびローダミンレーキ等のレーキ顔料、フタロシアニンブルー等のフタロシアニン顔料、多環式顔料(ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラノン顔料など)、チオインジゴレッドおよびインダトロンブルー等のスレン顔料、キナクリドン顔料、キナクリジン顔料、並びにイソインドリノン顔料等の有機系顔料を使用することもできる。
黒インクで使用可能な顔料としては、例えば、以下のものを用いることができる。コロンビア社製のRaven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700、キャボット社製のRegal 400R、Regal 330R、Regal 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400、三菱化学社製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B、デグッサ社製のColor Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex 45、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、およびSpecial Black 4などである。
イエローインクで使用可能な顔料としては、例えば、以下のものを用いることができる。Yellow 128、C.I.Pigment Yellow 129、C.I.Pigment Yellow 151、C.I.Pigment Yellow 154、C.I.Pigment Yellow 1、C.I.Pigment Yellow 2、C.I.Pigment Yellow 3、C.I.Pigment Yellow 12、C.I.Pigment Yellow 13、C.I.Pigment Yellow 14C、C.I.Pigment Yellow 16、C.I.Pigment Yellow 17、C.I.Pigment Yellow 73、C.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 75、C.I.Pigment Yellow 83、C.I.Pigment Yellow 93、C.I.Pigment Yellow95、C.I.Pigment Yellow97、C.I.Pigment Yellow 98、C.I.Pigment Yellow 114、およびC.I.Pigment等である。
マゼンタインクで使用可能な顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 123、C.I.Pigment Red 168、C.I.Pigment Red 184、C.I.Pigment Red 202、C.I.Pigment Red 5、C.I.Pigment Red 7、C.I.Pigment Red 12、C.I.Pigment Red 48(Ca)、C.I.Pigment Red 48(Mn)、C.I.Pigment Red 57(Ca)、C.I.Pigment Red 57:1、およびC.I.Pigment Red 112等が挙げられる。
また、シアンインクで使用可能な顔料としては、例えば、C.I.Pigment Blue 15:3、C.I.Pigment Blue 15:34、C.I.Pigment Blue 16、C.I.Pigment Blue 22、C.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue 1、C.I.Pigment Blue 2、C.I.Pigment Blue 3、C.I.Vat Blue 4、およびC.I.Vat Blue 60等が挙げられる。
上述したような顔料は、通常、組成物全体の重量の1〜25%程度の量で非水系溶媒に分散される。
顔料を溶媒に分散するための分散剤としては、非水分散媒中で一般に使用される顔料用分散剤を使用することができる。非水溶性の有機溶媒に相溶し、顔料を安定して微粒子分散できるものであれば、任意の顔料用分散剤を用いることができる。具体的には、以下のものが挙げられる。例えば、ソルビタン脂肪酸エステル(ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンオレエート等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリエチレングリコールジイソシアネート等)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等)、脂肪族ジエタノールアミド系などのノニオン系界面活性剤が挙げられる。
また、高分子系分散剤を用いることもできる。例えば、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ロジン、BYK−112、116(ビックケミー社製のアクリル系高分子化合物)、BYK−160、162、164、182(ビックケミー社製のウレタン系高分子化合物)、EFKA−47、LP−4050(EFKA社製のウレタン系高分子分散剤)、EFKA−4300(EFKA社製ポリアクリレート系高分子分散剤)、ソルスパース13940(日本ルーブリゾール社製のポリエステルアミン系高分子化合物)、ソルスパース17000、 18000(日本ルーブリゾール社製の脂肪族アミン系高分子化合物)、ソルスパース22000、24000、28000(日本ルーブリゾール社製のポリエステル系高分子化合物)等が挙げられる。
こうした分散剤は、顔料の重量に対して25%〜200%程度の量で存在していれば、その効果を十分に発揮することができる。
本発明の実施形態にかかるインクジェット用非水系インク組成物を調製するに当たっては、まず、特定の非水系溶媒に顔料および分散剤を配合し、ビーズミル等の分散装置により分散処理を施す。次いで、フィルター等により顔料凝集物等を除去することによって、所望のインク組成物が得られる。
以下、具体例を示して本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
まず、下記表1に示す流動パラフィン(松村石油株式会社製モレスコホワイト)を準備した。表1には、平均炭素数とともに名称をまとめる。
Figure 2007297624
P200およびP230は、第一の流動パラフィンに相当し、P70、P80、P100、P120およびP150は第二の流動パラフィンに相当する。以下の実施例においては、こうした第一の流動パラフィンと第二の流動パラフィンとを組み合わせて非水系溶媒を得、これを用いてインクジェット非水系インク組成物を調製する。
(実施例1)
第一の流動パラフィンとしてのモレスコホワイトP200と、第二の流動パラフィンとしてのモレスコホワイトP70とを組み合わせて、非水系溶媒を調製した。第一の流動パラフィンの含有量は、非水系溶媒の重量の90%とし、第二の流動パラフィンの含有量は、非水系溶媒の重量の10%とした。
こうして得られた非水系溶媒に対し、顔料としてのチャンネルカーボンブラック(C.I.No77266:デグサ社製スペシャルブラック4A)と、分散剤としてのDisperbyk116(ビックケミー社製)とを加え、ビーズミルにより分散した。顔料および分散剤の含有量は、それぞれ非水系溶媒の重量の8%および4%とした。最後に、3μmのフィルターでろ過して顔料凝集物等を除去し、実施例1のインクジェット用非水系インク組成物を得た。
(実施例2〜29)
上記表1に示した溶媒を、下記表2乃至4に示す割合(wt%)で混合して、非水系溶媒を調製した。こうして得られた非水系溶媒を用いる以外は、前述の実施例1と同様にして、実施例2〜29のインクジェット非水系インク組成物を調製した。
Figure 2007297624
Figure 2007297624
Figure 2007297624
実施例1〜15のインクジェット非水系インク組成物においては、第一の流動パラフィンの平均炭素数は28であり、非水系溶媒の重量の50%以上90%以下の割合で含有されている。特に、実施例10〜15においては、第二の流動パラフィンの平均炭素数は26又は27である。
実施例16〜29のインクジェット非水系インク組成物においては、平均炭素数29の流動パラフィンが第一の流動パラフィンとして含有される。実施例16〜24においては、第二の流動パラフィンの平均炭素数は23〜25である。実施例25〜27において、第二の流動パラフィンの平均炭素数は26であり、実施例28,29においては、第二の流動パラフィンの平均炭素数は27である。
このように、いずれにおいても、平均炭素数28〜29の第一の流動パラフィンと、平均炭素数23〜27の第二の流動パラフィンとが所定の割合で組み合わせて用いられる。
さらに、下記表5乃至6に示す割合で混合して用いた以外は前述の実施例1と同様にして、比較例1〜20のインクジェット非水系インク組成物を調製した。
Figure 2007297624
Figure 2007297624
比較例1および8においては、第一の流動パラフィンのみを用い、比較例20においては第二の流動パラフィンのみを用いた。
比較例2および9においては、平均炭素数の少ない流動パラフィンを第一の流動パラフィンと組み合わせて用いたものの、その平均炭素数は21である。
比較例3〜7においては、平均炭素数28の第一の流動パラフィンの含有量が非水系溶媒の25重量%であり、比較例10〜19においては、平均炭素数29の第一の流動パラフィンの含有量が非水系溶媒の90重量%または25重量%である。
得られた各インクジェット用非水系インク組成物について、樹脂フィルムに及ぼすダメージ、25℃における粘度、および記録の際の吐出安定性を調べた。
樹脂フィルムに及ぼすダメージを調べるには、まず、各インクジェット用非水系インク組成物を用いて、用紙サイズA4の1/3の面積にベタ画像を印刷した。得られた印刷画像を、コクヨ製A4REFILE(ラーA21N)およびキングジム製透明ポケットファイル(No.103)に収容し、室温(25℃)で10日間保存した。その後、フィルムの変形による樹脂ファイルの破損を以下の基準で評価した。
○:変形が観察されない、または、変形はないが斑点状の微小なくぼみがみえる。
△:1mm以下のフィルムの変形がある。
×:1mm以上のフィルムの変形がある。
フィルムダメージは、“○”および“△”が許容範囲である。
25℃における粘度の測定に当たっては、粘度計(東機産業製TV−33型粘度計)を用いた。インクジェットヘッドのインクの供給のし易さ等を考慮すると、25℃の粘度は、100mPa・sec程度以下であることが望まれる。
吐出安定性を評価するには、東芝テック製ピエゾタイプインクジェットヘッド(型式CB1、318ノズル)を搭載した画像評価装置を用いて、普通紙(東芝コピー紙・P−50S)に画像を形成した。吐出時には、インクの粘度に応じてヘッド内のインクを加熱してインクの粘度を低減させた。なお、ヘッド内のインクを加熱するための電力を低減できることから、吐出の際のインク温度は、60℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。
インクジェットヘッドの318個全ノズルを用いて、160mmの長さのベタ画像を形成して印刷画像を得た。画像の形成に当たっては、異なる時間で連続印刷を行なった。具体的には、10分間の連続印刷を行なって、600枚の画像を得た。また、20分間の連続印刷を行なって同様の画像を1200枚得た。こうして形成された印刷画像について抜けの本数を計測し、吐出安定性を評価した。印刷画像に抜けが1本でも存在する場合には、吐出安定性はNGである。
なお、25℃における粘度が42.0mPa・s以上のインクでは、吐出時のインクの温度を60℃にして画像を形成した。25℃における粘度が28.5mPa・s以上42.0mPa・s以下のインクでは、吐出時のインクの温度を50℃で画像を形成した。
得られた結果を、下記表7乃至13にまとめる。
Figure 2007297624
Figure 2007297624
Figure 2007297624
Figure 2007297624
Figure 2007297624
Figure 2007297624
Figure 2007297624
上記表7乃至10に示されるように、実施例のインクジェット用非水系インク組成物は、いずれもフィルムダメージおよび粘度は許容範囲である。しかも、吐出安定性も優れている。第一の流動パラフィンと第二の流動パラフィンとの組み合わせをよりいっそう適切なものとすることによって、特性はさらに向上する。
実施例10〜15においては、平均炭素数28の第一の流動パラフィンと平均炭素数26〜27の第二の流動パラフィンとが用いられ、しかもこうした2種類の流動パラフィンは好ましい割合で含有されている。実施例16、17、19、20、22、23においては、平均炭素数29の第一の流動パラフィンと平均炭素数23〜25の第二の流動パラフィンとが用いられ、好ましい割合で含有されている。また、実施例25〜29においては、平均炭素数29の第一の流動パラフィンと平均炭素数26〜27の第二の流動パラフィンとが用いられている。これらの各インクジェット用非水系インク組成物は、フィルムに及ぼすダメージも最低限に低減された。樹脂フィルムの変形は全く生じない、あるいは微小なくぼみが見える程度であった。
また、実施例1〜9、18、21、24の各インクジェット用非水系インク組成物では、樹脂フィルムに1mm以下の変形が生じる程度である。
実施例1〜29の各インクジェット用非水系インク組成物について10分間、20分間連続印刷でともに抜けの本数は0本であり、吐出安定性が優れていることが確認された。
比較例のインクジェット用非水系インク組成物では、いずれも、こうした特性を確保することができない。
第二の流動パラフィンを含まない比較例1および8の場合には、25℃における粘度が高すぎて、安定して吐出することは不可能であった。所定の平均炭素数の第一の流動パラフィンと、平均炭素数21の流動パラフィンとを組み合わせて用いた場合には、比較例2,9のようにフィルムダメージが大きい。
平均炭素数28の第一の流動パラフィンと、平均炭素数23以上27以下の第二の流動パラフィンとが用いられても、第一の流動パラフィンの割合が所定の範囲から外れると比較例3〜7に示されるようにフィルムダメージが大きい。
平均炭素数29の第一の流動パラフィンと、平均炭素数23以上27以下の第二の流動パラフィンとが用いられても、第一の流動パラフィンの割合が多い場合には、25℃における粘度が高くすぎて安定して吐出することができない。これは、比較例10,12,14,16および18の結果に示されている。一方、平均炭素数29の第一の流動パラフィンの割合が少ない場合には、比較例11,13,15,17,19に示されるようにフィルムダメージが大きい。
第一の流動パラフィンを用いずに第二の流動パラフィンのみが含有された場合には、比較例20に示されるように、樹脂フィルムに1mm以上の変形が生じた。
顔料の種類を変更して調製されたインクの場合も、同様の効果が得られた。具体的には、顔料としてHostaperm Yellow H4G(Pig.Y.151,クラリアント)を用いたイエローのインク、Hostaperm Pink E−WD(Pig.P.122,クラリアント)を用いたマゼンタのインク、およびPV Fast Blue 2GLSP(Pig.Blue.15:3,クラリアント)用いたシアンのインクの場合も、所定の割合で平均炭素数28以上29以下の第一の流動パラフィンと、平均炭素数23以上27以下の第二の流動パラフィンとを組み合わせてなる非水系溶媒を用いることによって、樹脂ファイルのフィルムのダメージを抑制したインクが得られた。しかも、良好な吐出安定性も確保された。
本発明の一態様によれば、オフィスや家庭で一般的に使用される透明ファイルを破損させることなく、かつ高い吐出安定性を有するインクジェット用非水系インク組成物が提供される。

Claims (7)

  1. 顔料と分散剤と非水系溶媒を含有し、前記非水系溶媒は、50重量%以上90重量%以下の第一の流動パラフィンと残部を占める第二の流動パラフィンとを含み、前記第一の流動パラフィンの平均炭素数は28であり、前記第二の流動パラフィンの平均炭素数は23以上27以下であることを特徴とするインクジェット用非水系インク組成物。
  2. 前記非水系溶媒における前記第二の流動パラフィンの平均炭素数は26以上27以下である請求項1に記載のインクジェット用非水系インク組成物。
  3. 顔料と分散剤と非水系溶媒を含有し、前記非水系溶媒は、50重量%以上85重量%以下の第一の流動パラフィンと残部を占める第二の流動パラフィンとを含み、前記第一の流動パラフィンの平均炭素数は29であり、前記第二の流動パラフィンの平均炭素数は23以上27以下であることを特徴とするインクジェット用非水系インク組成物。
  4. 前記非水系溶媒における前記第二の流動パラフィンの平均炭素数は23以上25以下である請求項3に記載のインクジェット用非水系インク組成物。
  5. 前記非水系溶媒の全重量の75%以上85%以下は前記第一の流動パラフィンである請求項4に記載のインクジェット用非水系インク組成物。
  6. 前記非水系溶媒の全重量の50%以上80%以下は前記第一の流動パラフィンであり、前記第二の流動パラフィンの平均炭素数は26である請求項3に記載のインクジェット用非水系インク組成物。
  7. 前記非水系溶媒の全重量の50%以上70%以下は前記第一の流動パラフィンであり、前記第二の流動パラフィンの平均炭素数は27である請求項3に記載のインクジェット用非水系インク組成物。
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