JP2018002798A - 水性顔料分散液およびインクジェット記録用水性インクの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この、顔料粒子表面に樹脂層を形成して分散を安定化することが可能な方法として、顔料と高分子分散剤を予め混練する前処理工程を経由する分散方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。顔料と高分子分散剤を予め混練する前処理工程を経由し、より効率的に顔料粒子表面に樹脂層を形成することで、より分散を安定化させることができ、製造効率は向上し、顔料の微粒子化が可能となった。
しかしながら、微粒子化が達成されたとしても、顔料の分散安定性が不十分であったためインクの保存安定性に改良すべき点を残していた。近年のインクジェットプリンタの高解像度化に伴うインクジェットヘッドノズル径の微細化、高集積化に対応したインクを提供するには、未だ検討の余地がある。
しかしながらいずれの文献にも、特許文献1に記載の分散方法にかかる記載はされておらず、また、ポリエチレングリコールモノオレイルエーテルの添加が、粗大粒子低減に寄与するかどうかの知見についても記載はされていなかった。
本発明で使用する顔料は、公知慣用の有機顔料あるいは無機顔料の中から選ばれる少なくとも一種の顔料である。また、本発明は未処理顔料、処理顔料のいずれでも適用することができる。具体的には、水や水溶性有機溶剤に分散可能であり、公知の無機顔料や有機顔料が使用できる。無機顔料としては例えば、酸化鉄、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラック等がある。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
粒子径の測定は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して測定した値を採用することができる。
本発明におけるアニオン性基含有有機高分子化合物は、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基または燐酸基を含有する、有機高分子化合物が挙げられる。この様なアニオン性基含有有機高分子化合物としては、例えばアニオン性基を有するポリビニル系樹脂、アニオン性基を有するポリエステル系樹脂、アニオン性基を有するアミノ系樹脂、アニオン性基を有するアクリル系共重合体、アニオン性基を有するエポキシ系樹脂、アニオン性基を有するポリウレタン系樹脂、アニオン性基を有するポリエーテル系樹脂、アニオン性基を有するポリアミド系樹脂、アニオン性基を有する不飽和ポリエステル系樹脂、アニオン性基を有するフェノール系樹脂、アニオン性基を有するシリコーン系樹脂、アニオン性基を有するフッ素系高分子化合物等が挙げられる。
中でもアニオン性基を有するアクリル系共重合体やアニオン性基を有するポリウレタン樹脂は、原料が豊富であり設計の容易であること、顔料分散機能に優れることから好ましい。
アニオン性基を有するアクリル系共重合体は、具体的には、(メタ)アクリル酸等のアニオン性基を有する単量体とそれと共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体との共重合体が挙げられる。尚、本発明において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸との総称を意味するものとする。(メタ)アクリル酸の各種エステルの場合も前記と同様に解釈される。
前記スチレン−アクリル酸系共重合体においてスチレン系モノマーとアクリル酸モノマーとメタクリル酸モノマーの共重合時の総和は、全モノマー成分に対して80質量%以上であることが好ましい。
酸価が低すぎる場合には顔料分散や保存安定性が低下し、また後記するインクジェット記録用水性インクを調製した場合に、印字安定性が悪くなるので好ましくない。酸価が高すぎる場合には、着色記録画像の耐水性が低下するのでやはり好ましくない。共重合体を該酸価の範囲内とするには、(メタ)アクリル酸を、前記酸価の範囲内となる様に含めて共重合すれば良い。
本発明で使用するアニオン性基を有するウレタン樹脂は、具体的には、カルボキシ基やスルホン酸基等のアニオン性基を有するポリオールとポリイソシアネート、さらに必要に応じて汎用のアニオン性基を有さないポリオールや鎖伸長剤を反応させて得たウレタン樹脂があげられる。
また、スルホン酸基を有するポリオールとしては、例えば5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸、5[4−スルホフェノキシ]イソフタル酸等のジカルボン酸、及びそれらの塩と、前記低分子量ポリオールとを反応させて得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
中でも、印字画像の耐光変色が起こり難い点では、脂肪族ジイソシアネート化合物または脂環族ジイソシアネートが好ましい。
また前記ポリオールのほか、印字物における皮膜硬度の調整等を目的として、低分子量のジオールを適宜併用しても良い。例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
酸価が低すぎる場合には顔料分散や保存安定性が低下するおそれがあり、酸価が高すぎる場合には形成画像の耐水性が低下するおそれがある。共重合体を該酸価の範囲内とするには、カルボキシ基を有するポリオールを、前記酸価の範囲内となる様に含めて共重合すれば良い。
本発明において塩基性化合物は、前記アニオン性基含有有機高分子化合物のアニオン性基を中和する目的で使用する。塩基性化合物としては公知のものを使用でき、例えばカリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属などの炭酸塩;水酸化アンモニウム等の無機系塩基性化合物や、トリエタノールアミン、N,N−ジメタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N−,N−ブチルジエタノールアミンなどのアミノアルコール類、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンなどのモルホリン類、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、ピペラジンヘキサハイドレートなどのピペラジン等の有機系塩基性化合物が挙げられる。中でも、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムに代表されるアルカリ金属水酸化物は、水性顔料分散液の低粘度化に寄与し、インクジェット記録用インクの吐出安定性の面から好ましく、特に水酸化カリウムが好ましい。
本発明で使用するポリエチレングリコールオレイルエーテルは、下記一般式(1)で表される化合物からなる界面活性剤である。
一般に顔料は疎水性のため、顔料と水との共存下に界面活性剤を投入した場合、界面活性剤は水に溶解し顔料への作用は小さくなる傾向にある。特に界面活性剤のHLBが大きい場合、その傾向は強くなると推定される。しかし本発明においては、顔料、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基性化合物及びポリエチレングリコールモノオレイルエーテルを含有する混合物を閉鎖系の混練装置で混練する際、固形分含有比率を50〜80質量%となるように、即ち系内の水分を極力少なくして混練を行っている。こうすることで、 大きなHLB値を有していてもポリオキシエチレングリコールモノオレイルエーテルの顔料への作用をより向上させることが可能となり、顔料粒子の良好な分散を達成できると推定している。なおグリフィンの式を次に示す。
[グリフィンの式]
即ち、顔料、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基性化合物、水溶性有機溶剤を混練して顔料混練物を作成するに際して、ポリオキシエチレングリコールモノオレイルエーテルを添加することで、ポリオキシエチレングリコールモノエーテルが混練助剤となって顔料表面を濡らし、強固に凝集した顔料粒子が解砕されやすくなる。これにより、アニオン性基含有有機高分子化合物の顔料への吸着が良好に進行するため、顔料の分散性が促進されるものと推定される。従って混練処理時の顔料未粉砕、未分散顔料粒子、または分散不良顔料粒子の数が減少するものと推定される。
本発明においては、常温で固練りの顔料混練物を作製する混練工程において、必要に応じて水溶性有機溶剤を加えることもできる。使用できる水溶性有機溶剤としては、特に限定はなく公知のものを使用することができる。例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、およびこれらと同族のジオールなどのジオール類;ラウリン酸プロピレングリコールなどのグリコールエステル;ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルの各エーテル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、およびトリエチレングリコールエーテルを含むセロソルブ、グリセリンのポリエチレン付加物、グリセリンのポリオキシプロピレン付加物、グリセリンのポリオキシプロピレンおよびポリオキシエチレン付加物などのグリコールエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、およびこれらと同族のアルコールなどのアルコール類;あるいは、スルホラン;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、γ-ブチロラクトンなどのラクタム類;グリセリンおよびその誘導体など、水溶性有機溶剤として知られる他の各種の溶剤などを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
一方、前記樹脂に対する量は任意であるが、質量比で前記樹脂の1/2〜5/1程度、好ましくは1/1〜4/1となるように仕込むことが好ましい。
本発明の製造方法における混練工程においては、顔料、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基性化合物、及びポリエチレングリコールモノオレイルエーテルを含有する混合物を混練する。その固形分含有比率は50〜80質量%であることが好ましい。
得られた混練物は、通常常温で固練りの状態であることがこのましい。
前記混練工程によって得られた顔料混練物に、水性媒体を混合して希釈し、水性顔料分散液を製造する。具体的には、前述のように撹拌槽を有する混練機で顔料混練物を製造した後,該撹拌槽に水性媒体を添加、混合し、必要に応じて撹拌して直接希釈することにより水性顔料分散液を製造できる。また,撹拌翼を備えた別の攪拌機で顔料混練物と水性媒体を混合し,必要に応じて撹拌して水性顔料分散液を調製できる。
水性媒体の混合に関しては、顔料混練物に対して必要量を一括混合してもよいが、連続的あるいは断続的に必要量を添加して混合を進めた方が、水性媒体による希釈が効率的に行われ、より短時間で水性顔料分散液を作製することができる。また,この様にして得られた水性顔料分散液を、更に分散機により分散処理しても良い。
前記水性媒体としては、従来よりインクジェット記録用水性インクの調製に用いられているものをいずれも使用できる。具体的には、水、あるいは水と以下のような水溶性有機溶剤との混合物が挙げられる。例えば、1価又は多価のアルコール類、アミド類、ケトン類、ケトアルコール類、環状エーテル類、グリコール類、多価アルコールの低級アルキルエーテル類、ポリアルキレングリコール類、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール類、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類,エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類および多価アルコールアラルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等のラクタム類、1,3−ジメチルイミダゾリジノンアセトン、N−メチル−2−ピロリドン、γ-ブチロラクトン、グリセリンのポリオキシアルキレン付加物、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジオキソラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルスルホキシド、ジアセトンアルコール、ジメチルホルムアミドプロピレングリコールモノメチルエーテルなどである。これらは、単独で用いても、又は2種以上を併用してもよい。
前記分散処理を行う際の分散機としては、公知慣用の機器が使用でき、例えば、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、ナノミル、SCミル、ナノマイザー等を挙げることができ、これらのうちの1つを単独で用いてもよく、2種類以上装置を組み合わせて用いてもよい。なお本発明における、分散機、分散装置とは分散処理を行う工程に専用に用いられる装置であって、通常の混合、撹拌等にも広く使用される汎用の混合機、攪拌機等は含まないものとする。
本発明で得た水性顔料分散液を使用したインクジェット記録用水性インクは、水性顔料分散液を水性媒体で希釈し、必要に応じて各種添加剤を添加して、常法により調製することができる。インクジェット記録用水性インクを調製する場合は、粗大粒子が、ノズル詰まり、その他の画像特性を劣化させる原因になるため、インク調製後に、遠心分離、あるいは濾過処理等により粗大粒子を除去しても良い。
本発明で得た水性顔料分散液を用いてインクジェット記録用インクを調製する場合、インクの乾燥防止を目的として、水溶性有機溶剤、あるいは当技術分野で使用される湿潤剤を添加することができる。水溶性有機溶剤と湿潤剤のインク中の総含有量は3から50質量%であることが好ましい。
浸透剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、エチレングリコールヘキシルエーテルやジエチレングリコールブチルエーテル等のアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物やプロピレングリコールプロピルエーテル等のアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
インク中の浸透剤の含有量は0.01から10質量%であることが好ましい。
本発明で得た水性顔料分散液には既にポリエチレングリコールモノオレイルエーテルが幾分か配合されていることから、ここで添加する界面活性剤は、所望する表面張力となる量にとどめておくことが好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、等を挙げることができ、これらの中では、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが好ましい。
その他の界面活性剤として、ポリシロキサンオキシエチレン付加物のようなシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルのようなフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸、ラムノリピド、リゾレシチンのようなバイオサーファクタント等も使用することができる。
これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、また、2種類以上を混合して用いることもできる。
なお、特に断りがない限り「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。
また、本実施例、比較例において用いた樹脂は以下のとおりのものである。
アニオン性基含有有機高分子化合物(A)としては、スチレンアクリル酸系樹脂を使用した。溶液重合で作製された粉体状(直径1mm以下)の樹脂であり、モノマー組成比において、スチレン/アクリル酸/メタクリル酸/ブチルアクリレート=83.00/7.35/9.55/0.10(質量比)であり、重量平均分子量11000、酸価114mgKOH/gである。
なお、本発明における重量平均分子量は、GPC(ゲル・浸透・クロマトグラフィー)法で測定される値であり、標準物質として使用するポリスチレンの分子量に換算した値である。なお測定は以下の装置及び条件により実施した。
システムコントローラー:SLC−6B
オートインジェクター:S1L−6B
検出器:RID−6A
以上島津製作所社製
データ処理ソフト:Sic480IIデータステーション(システムインスツルメンツ社製)。
カラム:GL−R400(ガードカラム)+GL−R440+GL−R450+GL−R400M(日立化成工業社製)
溶出溶媒:THF
溶出流量:2ml/min
カラム温度:35℃
フタロシアニン系ブルー顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)
Fastogen Blue TGR(DIC(株)製) 50部
スチレン−アクリル酸共重合体(A) 10部
ポリエチレングリコールモノオレイルエーテル (エチレンオキサイド基の繰り返し単位数(以下nと称す)2、HLB=5.9、東京化成工業(株)製) 2.5部
トリエチレングリコール 25部
34質量%の水酸化カリウム水溶液 3.35部
上記組成の混合物を閉鎖系の混練装置であるプラネタリーミキサー(愛工舎製作所ACM04LVTJ−B)に仕込み、ジャケット温度80℃、攪拌羽根回転数25rpm(公転数80rpm)にて60分混練を行い、顔料混練物を得た。得られた顔料混練物に、攪拌を継続しながらイオン交換水100部を徐々に加え、更にイオン交換水130部とトリエチレングリコール15部を混合しながら希釈し、顔料濃度が14.9質量%の均一な水性顔料分散液を得た。
実施例1において、使用したポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=2、HLB=5.9)をポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=7、HLB=11.3、東京化成工業(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして顔料混練物及び水性顔料分散液を得た。
実施例1において、使用したポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=2、HLB=5.9)をポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=10、HLB=12.9、和光純薬工業(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして顔料混練物及び水性顔料分散液を得た。
実施例1において、使用したポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=2、HLB=5.9)をポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=20、HLB=15.6、和光純薬工業(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして顔料混練物及び水性顔料分散液を得た。
実施例1において、使用したポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=2、HLB=5.9)をポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=50、HLB=18.0、和光純薬工業(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして顔料混練物及び水性顔料分散液を得た。
フタロシアニン系ブルー顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)
Fastogen Blue TGR(DIC(株)製) 50部
スチレン−アクリル酸共重合体(A) 10部
ポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=2、HLB=5.9、東京化成工業(株)製) 1.25部
トリエチレングリコール 27部
34質量%の水酸化カリウム水溶液 3.35部
上記組成の混合物をプラネタリーミキサー(愛工舎製作所ACM04LVTJ−B)に仕込み、ジャケット温度80℃、攪拌羽根回転数25rpm(公転数80rpm)にて60分混練を行い、顔料混練物を得た。得られた顔料混練物に、攪拌を継続しながらイオン交換水100部を徐々に加え、更にイオン交換水130部とトリエチレングリコール13部を混合しながら希釈し、顔料濃度が14.9質量%の均一な水性顔料分散液を得た。
実施例6において、使用したポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=2、HLB=5.9)をポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=10、HLB=12.9、和光純薬工業(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして顔料混練物及び水性顔料分散液を得た。
フタロシアニン系ブルー顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)
Fastogen Blue TGR(DIC(株)製) 50部
スチレン−アクリル酸共重合体(A) 10部
ポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=10、HLB=12.9、和光純薬工業(株)製) 7.5部
トリエチレングリコール 20部
34質量%の水酸化カリウム水溶液 3.35部
上記組成の混合物をプラネタリーミキサー(愛工舎製作所ACM04LVTJ−B)に仕込み、ジャケット温度80℃、攪拌羽根回転数25rpm(公転数80rpm)にて60分混練を行い、顔料混練物を得た。得られた顔料混練物に、攪拌を継続しながらイオン交換水100部を徐々に加え、更にイオン交換水130部とトリエチレングリコール20部を混合しながら希釈し、顔料濃度が14.7質量%の均一な水性顔料分散液を得た。
フタロシアニン系ブルー顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)
Fastogen Blue TGR(DIC(株)製) 50部
スチレン−アクリル酸共重合体(A) 10部
トリエチレングリコール 30部
34質量%の水酸化カリウム水溶液 3.35部
上記組成の混合物をプラネタリーミキサー(愛工舎製作所ACM04LVTJ−B)に仕込み、ジャケット温度80℃、攪拌羽根回転数25rpm(公転数80rpm)にて62分混練を行い、顔料混練物を得た。得られた顔料混練物に、攪拌を継続しながらイオン交換水100部を徐々に加え、更にイオン交換水130部とトリエチレングリコール10部を混合しながら希釈し、顔料濃度が15.0質量%の均一な水性顔料分散液を得た。
上記実施例1〜8、及び比較例1〜2で作製した水性顔料分散液に対して以下の項目を測定して評価を行った。
<作製直後の粗大粒子数>
実施例1〜8、及び比較例1〜2で作製した水性顔料分散液を1000〜3000倍に希釈し、アキュサイザー780APS(インターナショナル・ビジネス社製)にて測定を行った。粗大粒子数は顔料濃度14.5質量%の水性顔料分散液1ml当たりの数に換算した。
なお、評価基準は表1の通りとした。
以上の結果を表2に示す。
Claims (5)
- 顔料、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基性化合物及びポリエチレングリコールモノオレイルエーテルを含有する混合物を混練する混練工程と、該顔料混練物に水性媒体を加えて希釈する工程とを有することを特徴とする水性顔料分散液の製造方法。
- 前記混練工程が、固形分含有比率が50〜80質量%である顔料混練物を作製する混練工程である請求項1に記載の水性顔料分散液の製造方法。
- 前記顔料混合物を混練する混練工程において、前記ポリエチレングリコールモノオレイルエーテルの量が顔料に対して2.0質量%〜15質量%の範囲内である請求項1または2に記載の水性顔料分散液の製造方法。
- 前記アニオン性基含有有機高分子化合物がスチレン−アクリル酸系共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の水性顔料分散液の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法で得た水性顔料分散液を使用したインクジェット記録用水性インク。
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