JP6797349B2 - 水性顔料分散液およびインクジェット記録用水性インクの製造方法 - Google Patents

水性顔料分散液およびインクジェット記録用水性インクの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は水性顔料分散液およびインクジェット記録用水性インクの製造方法に関する。
従来から、被記録材上での記録画像の耐水性や耐光性が良好なインクジェット記録用インクとして水性顔料インクが提案されている。水性顔料インクは優れた耐水性および耐光性が期待できるが、染料インクと比較して発色性に劣ることや、顔料の凝集・沈降に伴うノズル目詰まりが問題となる。そこで、微粒子化した顔料を高分子系の分散剤を用いて水性媒体中に分散させる方法及び分散方法そのものについての種々検討が行われている。
一般に顔料の分散は可逆的であり、顔料を分散できたとしても再凝集を抑制する手段を講じない限り、分散状態を安定に保つことは困難といわれている。そのため多くは、顔料表面に強い親和力を持つアンカーと呼ばれる基と、分散媒体(ここでいう分散媒体とは、分散時に使用する液状の媒体を指す)やバインダー樹脂との親和性を持つチェーンと呼ばれる基の両方を有する樹脂を分散剤として使用し、顔料粒子表面に樹脂層を形成して分散を安定化させている。(例えば非特許文献1参照)
この、顔料粒子表面に樹脂層を形成して分散を安定化することが可能な方法として、顔料と高分子分散剤を予め混練する前処理工程を経由する分散方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。顔料と高分子分散剤を予め混練する前処理工程を経由し、より効率的に顔料粒子表面に樹脂層を形成することで、より分散を安定化させることができ、製造効率は向上し、顔料の微粒子化が可能となった。
しかしながら、微粒子化が達成されたとしても、顔料の分散安定性が不十分であったためインクの保存安定性に改良すべき点を残していた。近年のインクジェットプリンタの高解像度化に伴うインクジェットヘッドノズル径の微細化、高集積化に対応したインクを提供するには、未だ検討の余地がある。
特開2003−226832号公報 特開2006−77057号公報 特開2006−299215号公報
有機顔料ハンドブック63〜64ページ(2006年5月初版発行 発行所 カラーオフィス)
本発明の目的は、粗大な顔料粒子が少ない水性顔料分散液の製造方法を提供することにある。また、またこの水性顔料分散液を用い、高解像度なインクジェットヘッドを搭載したプリンタに優れた吐出性を有するインクジェット記録用水性インクを提供することにある。
本発明者らは、特許文献1に記載の分散方法において、ポリエチレングリコールモノオレイルエーテルを、顔料と高分子分散剤を予め混練する混練工程に添加することで、前記課題を解決した。
ポリエチレングリコールアルキルエーテル系界面活性剤を、顔料分散の際に添加することは知られている。例えば特許文献2には、顔料分散剤としてポリオキシエチレンオレイルエーテルアンモニウムサルフェートをビーズミル分散時に使用することで、より長期保存性の顔料分散液を得ることができる旨が段落0030に記載されている。また特許文献3の実施例には、顔料分散工程において顔料と分散樹脂であるスチレン−アクリル酸系共重合体とのビーズミル分散後の濃縮ケーキを、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のHLBが12.1〜13.6の非イオン性界面活性剤と水とで再分散させた水性顔料分散液が吐出安定性、印字物の耐擦過性等に優れることが記載されている。
しかしながらいずれの文献にも、特許文献1に記載の分散方法にかかる記載はされておらず、また、ポリエチレングリコールモノオレイルエーテルの添加が、粗大粒子低減に寄与するかどうかの知見についても記載はされていなかった。
即ち本発明は、顔料、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基性化合物及びポリエチレングリコールモノオレイルエーテルを含有する混合物を混練する混練工程と、該顔料混練物に水性媒体を加えて希釈する工程とを有する水性顔料分散液の製造方法を提供する。
また本発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法で得た水性顔料分散液を使用したインクジェット記録用水性インクを提供する。
本発明によれば、粗大な顔料粒子が少ない水性顔料分散液を提供できる。また,分散安定性が良好で高解像度なインクジェットヘッドを搭載したプリンタにおいても吐出性を有するインクジェット記録用水性インクを提供することができる。
(顔料)
本発明で使用する顔料は、公知慣用の有機顔料あるいは無機顔料の中から選ばれる少なくとも一種の顔料である。また、本発明は未処理顔料、処理顔料のいずれでも適用することができる。具体的には、水や水溶性有機溶剤に分散可能であり、公知の無機顔料や有機顔料が使用できる。無機顔料としては例えば、酸化鉄、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラック等がある。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
例えばブラックインクに使用される顔料としては、カーボンブラックとして、三菱化学社製のNo.2300、No.2200B、No.995、No.990、No.900、No.960、 No.980、No.33、No.40、No,45、No.45L、No.52、HCF88、MA7、MA8、MA100、等が、コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、Raven700等が、キャボット社製のRegal 400R、Regal 330R、Regal 660R、Mogul L、Mogul 700、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400等が、デグサ社製のColor Black FW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、Printex 35、同U、同V、同1400U、Special Black 6、同5、同4、同4A、NIPEX150、NIPEX160、NIPEX170、NIPEX180、NIPEX95、NIPEX90、NIPEX85、NIPEX80、NIPEX75等が挙げられる。
またイエローインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、174、180、185等が挙げられる。
また、マゼンタインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、146、150、168、176、184、185、202、209、213、282、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
また、シアンインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:3、15:4、15:6、16、22、60、63、66等が挙げられる。
また顔料は、分散処理後の分散粒径が1μm以下が好ましく、より好ましくは10nm〜200nmであることがなお好ましく、50nm〜170nmであることが最も好ましい。また顔料は固溶体であってもよく、2種類以上の顔料を混合して使用してもよい。
本発明で使用する顔料は、ドライパウダー及びウェットケーキのいずれも用いることができる。また、これらの顔料は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で使用する顔料は、その一次粒子径が25μm以下のものからなる顔料が好ましく、1μm以下のものからなる顔料が特に好ましい。粒子径がこの範囲にあれば、顔料の沈降が発生しにくく、顔料分散性が良好となる。
粒子径の測定は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して測定した値を採用することができる。
(アニオン性基含有有機高分子化合物)
本発明におけるアニオン性基含有有機高分子化合物は、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基または燐酸基を含有する、有機高分子化合物が挙げられる。この様なアニオン性基含有有機高分子化合物としては、例えばアニオン性基を有するポリビニル系樹脂、アニオン性基を有するポリエステル系樹脂、アニオン性基を有するアミノ系樹脂、アニオン性基を有するアクリル系共重合体、アニオン性基を有するエポキシ系樹脂、アニオン性基を有するポリウレタン系樹脂、アニオン性基を有するポリエーテル系樹脂、アニオン性基を有するポリアミド系樹脂、アニオン性基を有する不飽和ポリエステル系樹脂、アニオン性基を有するフェノール系樹脂、アニオン性基を有するシリコーン系樹脂、アニオン性基を有するフッ素系高分子化合物等が挙げられる。
中でもアニオン性基を有するアクリル系共重合体やアニオン性基を有するポリウレタン樹脂は、原料が豊富であり設計の容易であること、顔料分散機能に優れることから好ましい。
(アニオン性基を有するアクリル系共重合体)
アニオン性基を有するアクリル系共重合体は、具体的には、(メタ)アクリル酸等のアニオン性基を有する単量体とそれと共重合可能なその他のエチレン性不飽和単量体との共重合体が挙げられる。尚、本発明において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸との総称を意味するものとする。(メタ)アクリル酸の各種エステルの場合も前記と同様に解釈される。
同一酸価対比においてより共重合体の疎水性を高め、共重合体の顔料表面への吸着がより強固と出来る点で、前記したその他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−エチルスチレン、α−ブチルスチレン、α−ヘキシルスチレンの如きアルキルスチレン、4−クロロスチレン、3−クロロスチレン、3−ブロモスチレンの如きハロゲン化スチレン、更に3−ニトロスチレン、4−メトキシスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマーや、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニルプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のベンゼン環を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体を用いることが好ましい。中でも、スチレン、α−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン等のスチレン系単量体を用いることが特に好ましい。
本発明における共重合体は、(メタ)アクリル酸の重合単位とその他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体の重合単位を必須の重合単位として含有する共重合体であれば良く、それらの二元共重合体であっても更にその他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体との三元以上の多元共重合体であっても良い。
エチレン性不飽和単量体としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、2−エチルブチルアクリレート、1,3−ジメチルブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、エチルメタアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、2−メチルブチルメタアクリレート、ペンチルメタアクリレート、ヘプチルメタアクリレート、マレイン酸、マレイン酸無水物、ノニルメタアクリレート等のアクリル酸エステル類及びメタアクリル酸エステル類;3−エトキシプロピルアクリレート、3−エトキシブチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、エチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート、ジメチルアミノエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレートのようなアクリル酸エステル誘導体及びメタクリル酸エステル誘導体;フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルエチルアクリレート、フェニルエチルメタアクリレートのようなアクリル酸アリールエステル類及びアクリル酸アラルキルエステル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ビスフェノールAのような多価アルコールのモノアクリル酸エステル類あるいはモノメタアクリル酸エステル類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルのようなマレイン酸ジアルキルエステル、酢酸ビニル等を挙げることができる。これらのモノマーはその1種又は2種以上をモノマー成分として添加することができる。
本発明で用いる共重合体は、モノエチレン性不飽和単量体の重合単位のみの線状(リニア)共重合体であっても、各種の架橋性を有するエチレン性不飽和単量体を極少量共重合させ、一部架橋した部分を含有する共重合体であっても良い。
この様な架橋性を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートやジビニルベンゼン;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンのアルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明においては、用いる各単量体の反応率等は略同一と考えて、各単量体の仕込割合を、各単量体の重合単位の質量換算の含有割合と見なすものとする。本発明における共重合体は、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の従来より公知の種々の反応方法によって合成することが出来る。この際には、公知慣用の重合開始剤、連鎖移動剤(重合度調整剤)、界面活性剤及び消泡剤を併用することも出来る。
本発明で使用するアニオン性基含有有機高分子化合物として特に好ましくは、前記共重合体の中でも、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体等の、スチレン系モノマー、及び(メタ)アクリル酸を原料モノマーとして含むスチレン−アクリル酸系共重合体が挙げられる。(なお、本発明において「スチレン−アクリル酸系共重合体」とは、前述の通り「スチレン系モノマー、及び(メタ)アクリル酸を原料モノマーとして含む共重合体」と定義するものとする。従って、スチレン系モノマー、及び(メタ)アクリル酸以外の汎用のモノマーを共重合させてあってもよい)
スチレン−アクリル酸系共重合体の原料であるスチレン系モノマーの使用比率は50〜95質量%であることがより好ましく、中でも70〜90質量%であることが特に好ましい。スチレン系モノマーの使用比率が50質量%以上であると、顔料へのスチレン−アクリル酸系共重合体の親和性が良好となり、水性顔料分散液の分散安定性が向上する傾向がある。また該水性顔料分散液から得られるインクジェット記録用水性インクの普通紙記録特性が向上し、画像記録濃度が高くなる傾向があり、更に耐水特性も良好となる傾向がある。スチレン系モノマーの量が90質量%以下の前記範囲であると、スチレン−アクリル酸系共重合体で被覆された顔料の水性媒体に対する分散性を良好に維持することができ、水性顔料分散液における顔料の分散性や分散安定性を向上させることができる。更に、インクジェット記録用インク組成物として使用した場合の印字安定性が良好になる。
前記スチレン−アクリル酸系共重合体はスチレン系モノマー、アクリル酸モノマー及びメタクリル酸モノマーの少なくとも一方の共重合によって得られるが、アクリル酸とメタクリル酸を併用することが好ましい。その理由は、樹脂合成時の共重合性が向上して、樹脂の均一性が良くなり、その結果、顔料分散液の保存安定性が良好となり、且つより微粒子化された顔料分散液が得られる傾向があるためである。
前記スチレン−アクリル酸系共重合体においてスチレン系モノマーとアクリル酸モノマーとメタクリル酸モノマーの共重合時の総和は、全モノマー成分に対して80質量%以上であることが好ましい。
前記スチレン−アクリル酸系共重合体の製造方法としては、通常の重合方法を採ることが可能で、溶液重合、懸濁重合、塊状重合等、重合触媒の存在下に重合反応を行う方法が挙げられる。重合触媒としては、例えば、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられ、その使用量はモノマー成分の0.1〜10.0質量%が好ましい。
また、前記スチレン−アクリル酸系共重合体はランダム共重合体でもよいが、グラフト共重合体であっても良い。グラフト共重合体としてはポリスチレンあるいはスチレンと共重合可能な非イオン性モノマーとスチレンとの共重合体が幹又は枝となり、アクリル酸、メタクリル酸とスチレンを含む他のモノマーとの共重合体を枝又は幹とするグラフト共重合体をその一例として示すことができる。スチレン−アクリル酸系共重合体は、このグラフト共重合体とランダム共重合体の混合物であってもよい。
本発明において、アニオン性基を有するアクリル酸系共重合体の重量平均分子量は2000〜40000の範囲内であることが好ましい。例えば前記スチレン−アクリル酸系共重合体を使用する場合も、その重量平均分子量は5000〜30000の範囲内であることが好ましく、5000〜20000の範囲内にあることがより好ましい。中でも、5500〜15000範囲内にあることが特に好ましい。ここで重量平均分子量とはGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法で測定される値であり、標準物質として使用するポリスチレンの分子量に換算した値である。
本発明で使用するアニオン性基含有有機高分子化合物がスチレン−アクリル酸系共重合体の場合、アクリル酸モノマー及びメタクリル酸モノマー由来のカルボキシル基を有するが、その酸価は50〜400(mgKOH/g)であることが好ましく、60〜300(mgKOH/g)であることがさらに好ましい。
ここでいう酸価とは、日本工業規格「K 0070:1992. 化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法」に従って測定された数値であり、樹脂1gを完全に中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)である。
酸価が低すぎる場合には顔料分散や保存安定性が低下し、また後記するインクジェット記録用水性インクを調製した場合に、印字安定性が悪くなるので好ましくない。酸価が高すぎる場合には、着色記録画像の耐水性が低下するのでやはり好ましくない。共重合体を該酸価の範囲内とするには、(メタ)アクリル酸を、前記酸価の範囲内となる様に含めて共重合すれば良い。
(アニオン性基を有するウレタン樹脂)
本発明で使用するアニオン性基を有するウレタン樹脂は、具体的には、カルボキシ基やスルホン酸基等のアニオン性基を有するポリオールとポリイソシアネート、さらに必要に応じて汎用のアニオン性基を有さないポリオールや鎖伸長剤を反応させて得たウレタン樹脂があげられる。
本発明で使用するカルボキシ基を有するポリオールとしては、例えば、多価アルコールと多塩基酸無水物との反応によって得られるエステル、2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール吉草酸などのジヒドロキシアルカン酸等が挙げられる。好ましい化合物としては2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸が挙げられる。中でも、ジメチロールプロピオン酸、又はジメチロールブタン酸の入手が容易であり好ましい。
また、スルホン酸基を有するポリオールとしては、例えば5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸、5[4−スルホフェノキシ]イソフタル酸等のジカルボン酸、及びそれらの塩と、前記低分子量ポリオールとを反応させて得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
本発明で使用するジイソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネー卜化合物、イソホロンジイソシアネー卜、水添キシリレンジイソシアネート、4,4−シクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネー卜化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネー卜等の芳香脂肪族ジイソシアネー卜化合物、トルイレンジイソシアネー卜、フェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネー卜が挙げられる。
中でも、印字画像の耐光変色が起こり難い点では、脂肪族ジイソシアネート化合物または脂環族ジイソシアネートが好ましい。
また、汎用のアニオン性基を有さないポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリヒドロキシポリカーボネート、ポリヒドロキシポリアセタール、ポリヒドロキシポリアクリレート、ポリヒドロキシポリエステルアミドおよびポリヒドロキシポリチオエーテルが挙げられる。中でも、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよびポリヒドロキシポリカーボネートが好ましい。これらのポリオールは1種のみを反応させてもよく、数種を混合して反応させてもよい。
また前記ポリオールのほか、印字物における皮膜硬度の調整等を目的として、低分子量のジオールを適宜併用しても良い。例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール等が挙げられる。
本発明で使用する鎖伸長剤は、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、キシリレングリコール等のジオール類、ポリアミン、プロピレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、トリレンジアミン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等のジアミン類の1種または2種以上を使用することができる。
前記ウレタン樹脂は、例えば無溶剤下または有機溶剤の存在下で、前記ポリオールと前記ポリイソシアネートとを反応させることでウレタン樹脂を製造する。次いで、前記塩基性化合物等を用いて中和することにより形成されたアニオン性基を有するウレタン樹脂を、水性媒体中に混合し水性化する際に、必要に応じて鎖伸長剤と混合し、反応させることによって製造することができる。
前記ポリオールとポリイソシアネートとの反応は、例えば、前記ポリオールが有する水酸基に対する、前記ポリイソシアネートが有するイソシアネート基の当量割合が、0.8〜2.5の範囲で行うことが好ましく、0.9〜1.5の範囲で行うことがより好ましい。
本発明において、アニオン性基を有するウレタン系樹脂の重量平均分子量は5,000〜500,000の範囲内であることが好ましく、10,000〜200,000のものを使用することがより好ましく、15,000〜100,000のものを使用することが特に好ましい。
ここで重量平均分子量とはGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法で測定される値であり、標準物質として使用するポリスチレンの分子量に換算した値である。
また、前記ウレタン樹脂としては、2〜200(mgKOH/g)の範囲の酸価を有するものを使用することが好ましく、2〜100(mgKOH/g)の範囲であることが、ウレタン樹脂の良好な水分散安定性等を向上するうえで好ましい。
ここでいう酸価とは、日本工業規格「K 0070:1992. 化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法」に従って測定された数値であり、樹脂1gを完全に中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)である。
酸価が低すぎる場合には顔料分散や保存安定性が低下するおそれがあり、酸価が高すぎる場合には形成画像の耐水性が低下するおそれがある。共重合体を該酸価の範囲内とするには、カルボキシ基を有するポリオールを、前記酸価の範囲内となる様に含めて共重合すれば良い。
(塩基性化合物)
本発明において塩基性化合物は、前記アニオン性基含有有機高分子化合物のアニオン性基を中和する目的で使用する。塩基性化合物としては公知のものを使用でき、例えばカリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属などの炭酸塩;水酸化アンモニウム等の無機系塩基性化合物や、トリエタノールアミン、N,N−ジメタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N−,N−ブチルジエタノールアミンなどのアミノアルコール類、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンなどのモルホリン類、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、ピペラジンヘキサハイドレートなどのピペラジン等の有機系塩基性化合物が挙げられる。中でも、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムに代表されるアルカリ金属水酸化物は、水性顔料分散液の低粘度化に寄与し、インクジェット記録用インクの吐出安定性の面から好ましく、特に水酸化カリウムが好ましい。
これらを使用した前記アニオン性基の中和率は特に限定はないが、一般に50〜200%となる範囲で行うことが多い。なお本発明において、中和率とは塩基性化合物の配合量が前記アニオン性基含有有機高分子化合物中の全てのカルボキシル基の中和に必要な量に対して何%かを示す数値であり、以下の式で計算される。
Figure 0006797349
本願においては、顔料分散時の水の量を考慮した方が好ましく、その場合前記塩基性化合物は通常水溶液として配合することから、水の量は該塩基性化合物水溶液の水も考慮して決定する。
(ポリエチレングリコールモノオレイルエーテル)
本発明で使用するポリエチレングリコールオレイルエーテルは、下記一般式(1)で表される化合物からなる界面活性剤である。
Figure 0006797349
(1)
一般式(1)においてnはエチレンオキサイド基の繰り返し単位数を表す。nは特に制限はないが、エチレンオキサイド基の繰り返し単位が大きすぎると一般式(1)で表される化合物の親水性が高くなり、顔料に作用しない恐れがあるため、100以下であることが好ましく、1〜70の範囲が好ましく、1〜50の範囲がなお好ましく、5〜50の範囲が最も好ましい。
本発明においては、ポリオキシエチレングリコールモノオレイルエーテルのHLB値は特に考慮させる必要はなく、HLB値の大きいものでも使用可能である。なお本発明においてHLBとは、界面活性剤の分野で使用されている分子の親水性部分と疎水性部分のバランス(hydrophile−lipophile balance)を表するものであり、0から20までの値を有し、HLB値の大きいものほど親水性が高いと言える。本発明では以下のグリフィンの式により定義されるHLB値を用いている。
一般に顔料は疎水性のため、顔料と水との共存下に界面活性剤を投入した場合、界面活性剤は水に溶解し顔料への作用は小さくなる傾向にある。特に界面活性剤のHLBが大きい場合、その傾向は強くなると推定される。しかし本発明においては、顔料、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基性化合物及びポリエチレングリコールモノオレイルエーテルを含有する混合物を閉鎖系の混練装置で混練する際、固形分含有比率を50〜80質量%となるように、即ち系内の水分を極力少なくして混練を行っている。こうすることで、 大きなHLB値を有していてもポリオキシエチレングリコールモノオレイルエーテルの顔料への作用をより向上させることが可能となり、顔料粒子の良好な分散を達成できると推定している。なおグリフィンの式を次に示す。
[グリフィンの式]
Figure 0006797349
前記顔料混合物を作製する混練工程においては、顔料に対するポリエチレングリコールモノオレイルエーテルの量が2.0質量%〜15質量%であることが好ましい。この範囲の下限より少ないと混練処理時の顔料未粉砕、未分散顔料粒子、または分散不良顔料の数を減少する効果が発揮しにくいおそれがある。また、この範囲の上限より大きいと、ポリオキシエチレングリコールモノオレイルエーテルとアニオン性基含有有機高分子化合物とが顔料に対して競争的な吸着が生じてしまい、アニオン性基含有有機高分子化合物の吸着が阻害され、保存安定性が低下するおそれがある。
本発明において、ポリエチレングリコールモノオレイルエーテルは混練助剤の役割をすると推定される。
即ち、顔料、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基性化合物、水溶性有機溶剤を混練して顔料混練物を作成するに際して、ポリオキシエチレングリコールモノオレイルエーテルを添加することで、ポリオキシエチレングリコールモノエーテルが混練助剤となって顔料表面を濡らし、強固に凝集した顔料粒子が解砕されやすくなる。これにより、アニオン性基含有有機高分子化合物の顔料への吸着が良好に進行するため、顔料の分散性が促進されるものと推定される。従って混練処理時の顔料未粉砕、未分散顔料粒子、または分散不良顔料粒子の数が減少するものと推定される。
(水溶性有機溶剤)
本発明においては、常温で固練りの顔料混練物を作製する混練工程において、必要に応じて水溶性有機溶剤を加えることもできる。使用できる水溶性有機溶剤としては、特に限定はなく公知のものを使用することができる。例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、およびこれらと同族のジオールなどのジオール類;ラウリン酸プロピレングリコールなどのグリコールエステル;ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルの各エーテル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、およびトリエチレングリコールエーテルを含むセロソルブ、グリセリンのポリエチレン付加物、グリセリンのポリオキシプロピレン付加物、グリセリンのポリオキシプロピレンおよびポリオキシエチレン付加物などのグリコールエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、およびこれらと同族のアルコールなどのアルコール類;あるいは、スルホラン;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、γ-ブチロラクトンなどのラクタム類;グリセリンおよびその誘導体など、水溶性有機溶剤として知られる他の各種の溶剤などを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
中でも、高沸点、低揮発性で、高表面張力の多価アルコール類が好ましく、特にジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類が好ましい。
前記水溶性有機溶剤は、質量比で前記顔料の1/5以上使用することが好ましく、1/3以上使用することが最も好ましい。水溶性有機溶剤を質量比で顔料の1/3以上使用することにより、混練工程における開始時から終了時に至るまで、常に一定量の溶剤の存在のもとに混練を進行させることができる。
一方、前記樹脂に対する量は任意であるが、質量比で前記樹脂の1/2〜5/1程度、好ましくは1/1〜4/1となるように仕込むことが好ましい。
通常樹脂と顔料を含む混合物の混練に際しては、水溶性有機化合物を適量添加して混合物を高固形分比の粘土状の一つの固まりとし、高剪断力を加えて混練を行う。このための水溶性有機化合物としては、沸点が高く混練中に容易に揮散しないこと、また混練物中にたとえ残存しても、もともと後工程である希釈工程において、水性媒体の成分として混練物に添加されうるので除去の必要がないこと等の理由から、高沸点の水溶性有機化合物が好ましい。特に低沸点の有機化合物は、混練分散工程中に混練物の温度が非常に高温となるために揮発の可能性が高く、十分な混練ができないおそれがある。この観点から、使用する水溶性有機溶剤の沸点は180℃以上が好ましく200℃以上がより好ましい。
以下に本発明で得た水性顔料分散液の製造方法についてアニオン性基含有有機高分子化合物としてスチレン−アクリル酸系共重合体を使用した場合を例として、さらに詳細に説明を行う。
(混練工程)
本発明の製造方法における混練工程においては、顔料、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基性化合物、及びポリエチレングリコールモノオレイルエーテルを含有する混合物を混練する。その固形分含有比率は50〜80質量%であることが好ましい。
得られた混練物は、通常常温で固練りの状態であることがこのましい。
前記混合物中の固形分比率、具体的には顔料、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基性化合物とを合わせた固形分比率は、得られる顔料混練物中、50〜80質量%、好ましくは60〜80質量%とされる。50質量%未満では混合物の粘度が低下するため、混練が十分に行われず、顔料の解砕が不十分となるおそれがある。そして、固形分比率をこのように高めることによって混練中の混練物の粘度を適度に高く保ち、混練中の混練機から混練物にかかるシェアを大きくして、混練物中の顔料の粉砕と顔料のアニオン性基含有有機高分子化合物による被覆を同時に進行させることができる。80質量%を超えると、例え加温してアニオン性基含有有機高分子化合物を充分に軟化させたとしても混練が困難となるおそれがある。また、水性顔料分散液製造時に水性媒体に溶解、分散させることが困難となったり、水溶性溶剤による低粘度化が困難となるおそれがある。
また、粘度を高く一定に保つ観点からも、後述の混練方法は、閉鎖型の混練機を使用することがこのましい。また混練中の前記混合物の質量が混練前の仕込み量に対して90質量%以上の範囲で維持されるように混練することも好ましい。
また混練時の温度は混練物に十分な剪断力が加わるように、前記スチレン−アクリル酸系共重合体の温度特性を考慮して適宜調整を行うことができるが、前記スチレン−アクリル酸系共重合体のガラス転移点より低く、かつ該ガラス転移点との温度差が50℃より小さい範囲で行うことが好ましい。このような温度範囲で混練を行うことにより、混練温度の上昇による樹脂の溶融に伴う混練物の粘度低下によって剪断力が不足することがない。
混練工程に用いる混練装置としては、固形分比率の高い混合物に対して高い剪断力を発生させることのできるものであればよく、公知の混練装置の中から選択して用いることが可能であるが、二本ロール等の撹拌槽を有しない開放型の混練機を用いるよりは、撹拌槽と撹拌羽根を有し撹拌槽を密閉可能な混練装置を用いることが好ましい。撹拌槽と撹拌羽根を有し、混練装置を用いることが好ましい。このような構成の混練装置を用いると、混練中に水溶性有機溶剤や湿潤剤や水分などが揮散することがなく、一定の固形分比率を有する混合物の混練を続けることができ、粗大粒子の低減に効果的である。また混練後の常温で固体の顔料組成物を、水性媒体で直接希釈して水性顔料分散液を作製する希釈工程へと移行することができる。
このような装置としては、ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサーなどが例示され、特にプラネタリーミキサーなどが好適である。本発明においては、好ましくは顔料濃度と顔料と樹脂からなる固形分濃度が高い状態で混練を行うため、混練物の混練状態に依存して混練物の粘度が広い範囲で変化するが、プラネタリーミキサーは二本ロール等と比較すると、広い範囲の粘度領域で混練処理が可能であり、更に水性媒体の添加及び減圧溜去も可能であるため、混練時の粘度及び負荷剪断力の調整が容易である。
(希釈工程)
前記混練工程によって得られた顔料混練物に、水性媒体を混合して希釈し、水性顔料分散液を製造する。具体的には、前述のように撹拌槽を有する混練機で顔料混練物を製造した後,該撹拌槽に水性媒体を添加、混合し、必要に応じて撹拌して直接希釈することにより水性顔料分散液を製造できる。また,撹拌翼を備えた別の攪拌機で顔料混練物と水性媒体を混合し,必要に応じて撹拌して水性顔料分散液を調製できる。
水性媒体の混合に関しては、顔料混練物に対して必要量を一括混合してもよいが、連続的あるいは断続的に必要量を添加して混合を進めた方が、水性媒体による希釈が効率的に行われ、より短時間で水性顔料分散液を作製することができる。また,この様にして得られた水性顔料分散液を、更に分散機により分散処理しても良い。
本発明の製造方法においては顔料の微細化、及び、アニオン性基含有有機高分子化合物による被覆が効果的に進行しているため、分散機による分散処理を行ってさらなる剪断力を加え顔料を解砕することを行わなくても、水性媒体を混合して固形分比を低下させて液状化させ、必要に応じて撹拌を行うだけで、水性顔料分散液の製造が可能である。ただし、顔料特性の変動等で水性顔料分散液中に粗大分散粒子が残存したときは、ビーズ分散や超音波分散等の分散処理を行うことにより、残存した粗大分散粒子が更に粉砕され、より分散粒子の粒径が小さくなることによって、水性顔料分散液から製造したインクジェット記録用インクの吐出安定性、印字濃度などのインクジェット特性が改善されることがある。
(水性媒体)
前記水性媒体としては、従来よりインクジェット記録用水性インクの調製に用いられているものをいずれも使用できる。具体的には、水、あるいは水と以下のような水溶性有機溶剤との混合物が挙げられる。例えば、1価又は多価のアルコール類、アミド類、ケトン類、ケトアルコール類、環状エーテル類、グリコール類、多価アルコールの低級アルキルエーテル類、ポリアルキレングリコール類、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール類、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類,エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類および多価アルコールアラルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等のラクタム類、1,3−ジメチルイミダゾリジノンアセトン、N−メチル−2−ピロリドン、γ-ブチロラクトン、グリセリンのポリオキシアルキレン付加物、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジオキソラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルスルホキシド、ジアセトンアルコール、ジメチルホルムアミドプロピレングリコールモノメチルエーテルなどである。これらは、単独で用いても、又は2種以上を併用してもよい。
このようにして得た水性顔料分散液は、用途にもよるが通常顔料濃度が10〜50質量%となるように調整してあると、インク化の希釈が容易であり好ましい。これを使用してインク化する際は、所望するインク用途や物性に応じて、適宜水溶性溶媒及び/または水、あるいは添加剤を添加して、顔料濃度を0.1〜20質量%となるように希釈するのみで、インクを得ることができる。
(分散機)
前記分散処理を行う際の分散機としては、公知慣用の機器が使用でき、例えば、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、ナノミル、SCミル、ナノマイザー等を挙げることができ、これらのうちの1つを単独で用いてもよく、2種類以上装置を組み合わせて用いてもよい。なお本発明における、分散機、分散装置とは分散処理を行う工程に専用に用いられる装置であって、通常の混合、撹拌等にも広く使用される汎用の混合機、攪拌機等は含まないものとする。
(インクジェット記録用水性インクの調整)
本発明で得た水性顔料分散液を使用したインクジェット記録用水性インクは、水性顔料分散液を水性媒体で希釈し、必要に応じて各種添加剤を添加して、常法により調製することができる。インクジェット記録用水性インクを調製する場合は、粗大粒子が、ノズル詰まり、その他の画像特性を劣化させる原因になるため、インク調製後に、遠心分離、あるいは濾過処理等により粗大粒子を除去しても良い。
本発明で得た水性顔料分散液を用いてインクジェット記録用インクを調製する場合、インクの乾燥防止を目的として、水溶性有機溶剤、あるいは当技術分野で使用される湿潤剤を添加することができる。水溶性有機溶剤と湿潤剤のインク中の総含有量は3から50質量%であることが好ましい。
また、本発明で得た水性顔料分散液を用いてインクジェット記録用インクを調製する場合、被記録媒体への浸透性改良や記録媒体上でのドット径調整を目的として浸透剤を添加することができる。
浸透剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、エチレングリコールヘキシルエーテルやジエチレングリコールブチルエーテル等のアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物やプロピレングリコールプロピルエーテル等のアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
インク中の浸透剤の含有量は0.01から10質量%であることが好ましい。
本発明で得た水性顔料分散液を用いてインクジェット記録用インクを調製する場合、表面張力等のインク特性を調整するために、界面活性剤を添加することができる。このために添加することのできる界面活性剤はとくに限定されるものではなく、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、これらの中では、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
本発明で得た水性顔料分散液には既にポリエチレングリコールモノオレイルエーテルが幾分か配合されていることから、ここで添加する界面活性剤は、所望する表面張力となる量にとどめておくことが好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、これらの具体例として、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩などを挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、等を挙げることができ、これらの中では、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが好ましい。
その他の界面活性剤として、ポリシロキサンオキシエチレン付加物のようなシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルのようなフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸、ラムノリピド、リゾレシチンのようなバイオサーファクタント等も使用することができる。
これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、また、2種類以上を混合して用いることもできる。
本発明で得た水性顔料分散液を用いてインクジェット記録用インクを調製する場合は、必要に応じて防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等をも添加することができる。
本発明の製造方法によって製造されたインクジェット記録用インクは粗大な顔料粒子が少なく、種々の方式のインクジェット記録用のインクとして好適に用いることができる。適用するインクジェットの方式は特に限定するものではないが、連続噴射型(荷電制御型、スプレー型など)、オンデマンド型(ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式など)などの公知のものを例示することができる。
以下、本発明の実施例を示して詳しく説明する。
なお、特に断りがない限り「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。
また、本実施例、比較例において用いた樹脂は以下のとおりのものである。
(アニオン性基含有有機高分子化合物)
アニオン性基含有有機高分子化合物(A)としては、スチレンアクリル酸系樹脂を使用した。溶液重合で作製された粉体状(直径1mm以下)の樹脂であり、モノマー組成比において、スチレン/アクリル酸/メタクリル酸/ブチルアクリレート=83.00/7.35/9.55/0.10(質量比)であり、重量平均分子量11000、酸価114mgKOH/gである。
なお、本発明における重量平均分子量は、GPC(ゲル・浸透・クロマトグラフィー)法で測定される値であり、標準物質として使用するポリスチレンの分子量に換算した値である。なお測定は以下の装置及び条件により実施した。
送液ポンプ:LC−9A
システムコントローラー:SLC−6B
オートインジェクター:S1L−6B
検出器:RID−6A
以上島津製作所社製
データ処理ソフト:Sic480IIデータステーション(システムインスツルメンツ社製)。
カラム:GL−R400(ガードカラム)+GL−R440+GL−R450+GL−R400M(日立化成工業社製)
溶出溶媒:THF
溶出流量:2ml/min
カラム温度:35℃
(実施例1)
フタロシアニン系ブルー顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)
Fastogen Blue TGR(DIC(株)製) 50部
スチレン−アクリル酸共重合体(A) 10部
ポリエチレングリコールモノオレイルエーテル (エチレンオキサイド基の繰り返し単位数(以下nと称す)2、HLB=5.9、東京化成工業(株)製) 2.5部
トリエチレングリコール 25部
34質量%の水酸化カリウム水溶液 3.35部
上記組成の混合物を閉鎖系の混練装置であるプラネタリーミキサー(愛工舎製作所ACM04LVTJ−B)に仕込み、ジャケット温度80℃、攪拌羽根回転数25rpm(公転数80rpm)にて60分混練を行い、顔料混練物を得た。得られた顔料混練物に、攪拌を継続しながらイオン交換水100部を徐々に加え、更にイオン交換水130部とトリエチレングリコール15部を混合しながら希釈し、顔料濃度が14.9質量%の均一な水性顔料分散液を得た。
(実施例2)
実施例1において、使用したポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=2、HLB=5.9)をポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=7、HLB=11.3、東京化成工業(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして顔料混練物及び水性顔料分散液を得た。
(実施例3)
実施例1において、使用したポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=2、HLB=5.9)をポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=10、HLB=12.9、和光純薬工業(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして顔料混練物及び水性顔料分散液を得た。
(実施例4)
実施例1において、使用したポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=2、HLB=5.9)をポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=20、HLB=15.6、和光純薬工業(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして顔料混練物及び水性顔料分散液を得た。
(実施例5)
実施例1において、使用したポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=2、HLB=5.9)をポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=50、HLB=18.0、和光純薬工業(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして顔料混練物及び水性顔料分散液を得た。
(実施例6)
フタロシアニン系ブルー顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)
Fastogen Blue TGR(DIC(株)製) 50部
スチレン−アクリル酸共重合体(A) 10部
ポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=2、HLB=5.9、東京化成工業(株)製) 1.25部
トリエチレングリコール 27部
34質量%の水酸化カリウム水溶液 3.35部
上記組成の混合物をプラネタリーミキサー(愛工舎製作所ACM04LVTJ−B)に仕込み、ジャケット温度80℃、攪拌羽根回転数25rpm(公転数80rpm)にて60分混練を行い、顔料混練物を得た。得られた顔料混練物に、攪拌を継続しながらイオン交換水100部を徐々に加え、更にイオン交換水130部とトリエチレングリコール13部を混合しながら希釈し、顔料濃度が14.9質量%の均一な水性顔料分散液を得た。
(実施例7)
実施例6において、使用したポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=2、HLB=5.9)をポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=10、HLB=12.9、和光純薬工業(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様にして顔料混練物及び水性顔料分散液を得た。
(実施例8)
フタロシアニン系ブルー顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)
Fastogen Blue TGR(DIC(株)製) 50部
スチレン−アクリル酸共重合体(A) 10部
ポリエチレングリコールモノオレイルエーテル(n=10、HLB=12.9、和光純薬工業(株)製) 7.5部
トリエチレングリコール 20部
34質量%の水酸化カリウム水溶液 3.35部
上記組成の混合物をプラネタリーミキサー(愛工舎製作所ACM04LVTJ−B)に仕込み、ジャケット温度80℃、攪拌羽根回転数25rpm(公転数80rpm)にて60分混練を行い、顔料混練物を得た。得られた顔料混練物に、攪拌を継続しながらイオン交換水100部を徐々に加え、更にイオン交換水130部とトリエチレングリコール20部を混合しながら希釈し、顔料濃度が14.7質量%の均一な水性顔料分散液を得た。
(比較例1)
フタロシアニン系ブルー顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)
Fastogen Blue TGR(DIC(株)製) 50部
スチレン−アクリル酸共重合体(A) 10部
トリエチレングリコール 30部
34質量%の水酸化カリウム水溶液 3.35部
上記組成の混合物をプラネタリーミキサー(愛工舎製作所ACM04LVTJ−B)に仕込み、ジャケット温度80℃、攪拌羽根回転数25rpm(公転数80rpm)にて62分混練を行い、顔料混練物を得た。得られた顔料混練物に、攪拌を継続しながらイオン交換水100部を徐々に加え、更にイオン交換水130部とトリエチレングリコール10部を混合しながら希釈し、顔料濃度が15.0質量%の均一な水性顔料分散液を得た。
(評価方法)
上記実施例1〜8、及び比較例1〜2で作製した水性顔料分散液に対して以下の項目を測定して評価を行った。
<作製直後の粗大粒子数>
実施例1〜8、及び比較例1〜2で作製した水性顔料分散液を1000〜3000倍に希釈し、アキュサイザー780APS(インターナショナル・ビジネス社製)にて測定を行った。粗大粒子数は顔料濃度14.5質量%の水性顔料分散液1ml当たりの数に換算した。
なお、評価基準は表1の通りとした。
Figure 0006797349
粗大粒子数の減少比率については、比較例1の粗大粒子数に対しての減少率である。
以上の結果を表2に示す。
Figure 0006797349
以上より、本発明の水性顔料分散液の製造方法により得た水性顔料分散液は、粗大粒子数が少ないことが明らかである。

Claims (3)

  1. 顔料、アニオン性基含有有機高分子化合物、塩基性化合物及びポリエチレングリコールモノオレイルエーテルを含有する混合物を混練し固形分含有比率が50〜80質量%である顔料混練物を作製する混練工程と、該顔料混練物に水性媒体を加えて希釈する工程とを有することを特徴とする水性顔料分散液の製造方法。
  2. 記混練工程において、前記ポリエチレングリコールモノオレイルエーテルの量が顔料に対して2.0質量%〜15質量%の範囲内である請求項1に記載の水性顔料分散液の製造方法。
  3. 前記アニオン性基含有有機高分子化合物がスチレン−アクリル酸系共重合体である請求項1または2に記載の水性顔料分散液の製造方法。
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