JP2009235387A - 顔料分散液、顔料分散液の製造方法、顔料分散液を含む水性インク組成物、および、水性インク組成物を用いたインクジェット記録方法並びに記録物 - Google Patents

顔料分散液、顔料分散液の製造方法、顔料分散液を含む水性インク組成物、および、水性インク組成物を用いたインクジェット記録方法並びに記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット記録方法において高駆動周波数に適用しても吐出安定性に優れ高精細な印刷が実現できる水性インク組成物、及びこれに用いられる顔料分散液並びに該顔料分散液の製造方法を提供する。更に、該水性インク組成物を用いたインクジェット記録方法および記録物を提供する。
【解決手段】本発明にかかる顔料分散液は、顔料と、該顔料を被覆して水中に分散可能とする水不溶性ポリマーと、湿潤剤と、水とを少なくとも含んでなる顔料分散液であって、
前記顔料と、前記水不溶性ポリマーと、分散液全量に対する量として0.1質量%〜10質量%の湿潤剤とを少なくとも含有する分散液を加熱してなることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、分散安定性(保存安定性)に優れた顔料分散液および該顔料分散液の製造方法に関する。また、本発明は、該顔料分散液を含み、インクジェット記録方法に好適な水性インク組成物に関する。更に本発明は該水性インク組成物を用いたインクジェット記録方法および記録物に関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を飛翔(吐出)させ、紙等の記録媒体に付着させて記録を行なう記録方法である。近年のインクジェット記録技術の革新的な進歩により、これまで銀塩写真やオフセット印刷が担ってきた高精細な画像記録(印刷)の分野においてもインクジェット記録方法が用いられるようになってきている。そのため、インクジェット記録方法に用いられるインクに求められる特性の一つとして、画像に乱れが生じないように長期間安定してインク小滴を吐出できること等が挙げられる。
インクジェット記録方法に用いられるインクとしては、安全性が高いこと、安価で入手しやすいこと、取り扱いがしやすいこと等から水を主体とし、他に着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤等からなる水性インクが主流である。着色剤としては染料と顔料があるが、カラー色の彩度の高さ、利用できる材料の種類の豊富さ、主体とする水に対する安定性(溶解性)等の理由から、従来から水溶性染料が数多く使用され検討されている。しかし、この水溶性染料を用いたインク(以下、「染料インク」と記載する)で記録した記録物は、耐光性、耐ガス性及び耐水性等の諸特性(すなわち記録物の保存性)に劣ることがある。これに対して顔料は、水溶性染料に比べて耐光性、耐ガス性及び耐水性に優れているため、これを用いたインク(以下、「顔料インク」と記載する)の開発が近年急速に進められている。ここで、顔料は一般に水には不溶で、かつ水に馴染みにくい。従って、顔料を水性インクに利用するには、水に馴染みやすい形態にして水中に安定的に分散させて沈降等の不具合が発生しないようにする必要がある。顔料を水に馴染みやすい形態とする方法としては、顔料に界面活性剤や樹脂等の分散剤を適用する方法、顔料を水分散性樹脂で被覆して着色微粒子とする方法、顔料の表面に水性官能基を化学的・物理的に結合させて自己分散可能とする方法等が、従来から種々提案されている。さらに、これらを用いて水性顔料インクとする場合、先ほど述べた要求特性(吐出安定性等)を満足するため、インクに用いる添加剤(例えば水溶性有機溶剤、界面活性剤等)の種類、量、組み合わせ等の検討・提案が、従来から多数なされている。
例えば、特許第3509013号公報(特許文献1)には、特定構造のアセチレングリコール系界面活性剤とトリエチレングリコールモノブチルエーテルと2−ピロリドンと水溶性有機溶剤とを組み合わせた顔料インクが提案されており、このインクは吐出安定性と目詰まり信頼性が良好である旨が記載されている。また、特開2005−120181号公報(特許文献2)、特開2005−263967号公報(特許文献3)及び特開2005−263969号公報(特許文献4)には、シリコン系界面活性剤を含む顔料インクが提案されており、このインクは連続印字安定性に優れ滲みの少ない画像が得られる旨の記載がある。また、特開2006−316243号公報(特許文献5)には、フッ素系界面活性剤を含む顔料インクが提案されており、このインクは滲みが少なく吐出安定性が良好である旨の記載がある。
他方、顔料インク中の顔料粒子をより安定的に分散する手法として、顔料インクあるいはそれに用いる顔料分散液に処理を施して安定化させることも検討されている。例えば、特開2000−345093号公報(特許文献6)には、顔料と酸価が90以下のアルカリ可溶型樹脂分散剤と水とを含む顔料分散液あるいは顔料インクを加熱処理する手法が提案されており、このインクは物性の変化が少なく分散安定性に優れる旨の記載がある。さらに、特開2008−38007号公報(特許文献7)には、水系顔料分散液に対し50℃〜95℃の加熱温度にて1時間〜10時間処理を行なう加熱滅菌処理の手法が提案されている。かかる加熱滅菌処理を水系顔料分散液に対して施すことにより、水系顔料分散液は微生物による汚染が抑制され、それによって粒径・粘度・pH等の物性変化が少なくなる旨の記載がある。またこれを用いたインクはインクジェット記録方式に適用した場合にヘッドノズルの目詰まりを防止する旨の記載がある。
特許3509013号公報 特開2005−120181号公報 特開2005−263967号公報 特開2005−263969号公報 特開2006−316243号公報 特開2000−345093号公報 特開2008−38007号公報
今般、インクジェット記録方式においてはさらなる高精細・高速な印刷が求められている。それに伴って、インクを吐出させるヘッドのノズルが高密度になって吐出されるインクの液滴量も少なくなっており、かつインクを吐出させる駆動周波数もより高くなる傾向にある。従って、用いられるインクには少ないインク液滴量で高い駆動周波数においてもまっすぐに飛翔する特性、すなわちより高い吐出安定性が求められてきている。しかし、本発明者が上述した従来技術で提案されているインクを用いて検討したところ、吐出安定性において未だ不充分な場合があることを見出した。具体的には、インク液滴が安定して吐出できずに画像が乱れてしまう等の現象が見られた。この現象は、特に高速印刷時(すなわち高駆動周波数領域)において多発した。
従って、本発明の目的は、インクジェット記録方法において高駆動周波数に適用しても吐出安定性に優れ高精細な印刷が実現できる水性インク組成物、及びこれに用いられる顔料分散液ならびに該顔料分散液の製造方法を提供することにある。更に、本発明の目的は該水性インク組成物を用いたインクジェット記録方法および記録物を提供することにある。
即ち、本発明は下記の通りである。
(1) 顔料と、該顔料を被覆して水中に分散可能とする水不溶性ポリマーと、湿潤剤と、水とを少なくとも含んでなる顔料分散液であって、
前記顔料と、前記水不溶性ポリマーと、分散液全量に対する量として0.1質量%〜10質量%の湿潤剤とを少なくとも含有する分散液を加熱してなることを特徴とする、顔料分散液。
(2) 顔料と、該顔料を被覆して水中に分散可能とする水不溶性ポリマーと、湿潤剤と、水とを少なくとも含んでなる顔料分散液であって、
前記顔料を前記水不溶性ポリマーで被覆してなる分散体と、分散液全量に対する量として0.1質量%〜10質量%の湿潤剤と、水とを少なくとも含有する分散液を加熱してなることを特徴とする、上記(1)記載の顔料分散液。
(3) 前記分散液に含まれる湿潤剤が、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、シロキサン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、樹脂溶剤、下記式(I)で表わされるグリセリンエーテル化合物、アミド化合物、イミダゾール誘導体、アジン化合物、アゾール化合物、アミジン誘導体、ヒドロキシピリジン誘導体、プリン誘導体、およびヒドロキシ環状アミン化合物からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする、上記(1)または上記(2)に記載の顔料分散液。
Figure 2009235387

(式中、Rは炭素数1〜20の二重結合、三重結合あるいは置換基を有していても良い直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基、若しくは置換基を有していても良いアリール基を示す。Xは水素原子、水酸基あるいは炭素数1〜5の直鎖状あるいは分岐状アルコキシ基を示す。)
(4) 前記加熱処理の加熱温度が65℃〜100℃の範囲であり、かつ加熱時間が30分〜100時間の範囲であることを特徴とする、上記(1)乃至上記(3)のいずれか一項に記載の顔料分散液。
(5) 前記分散液が、さらに水溶性有機溶剤を含んでなることを特徴とする、上記(1)乃至上記(4)のいずれか一項に記載の顔料分散液。
(6) 前記水溶性有機溶剤が、一価アルコール類、多価アルコール類、糖類、グリコールエーテル類、1,2−アルキルジオール類からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする、上記(5)に記載の顔料分散液。
(7) 水性インク組成物に用いられる顔料分散液の製造方法であって、
顔料と、該顔料を被覆して水中に分散可能とする水不溶性ポリマーと、湿潤剤とを少なくとも含んでなる分散液を加熱する加熱処理工程を含み、
前記加熱処理工程において、前記湿潤剤の含量が総量で前記分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることを特徴とする顔料分散液の製造方法。
(8) 前記加熱処理工程が、前記顔料を前記水不溶性ポリマーで被覆した分散体と、湿潤剤と、水とを少なくとも含んでなる分散液を加熱する加熱処理工程であって、
前記加熱処理工程において、前記湿潤剤の含量が総量で前記分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることを特徴とする、上記(7)記載の顔料分散液の製造方法。
(9) 前記湿潤剤が、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、シロキサン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、樹脂溶剤、下記式(I)で表わされるグリセリンエーテル化合物、アミド化合物、イミダゾール誘導体、アジン化合物、アゾール化合物、アミジン誘導体、ヒドロキシピリジン誘導体、プリン誘導体、およびヒドロキシ環状アミン化合物からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする、上記(7)または上記(8)に記載の顔料分散液の製造方法。
Figure 2009235387
(式中、Rは炭素数1〜20の二重結合、三重結合あるいは置換基を有していても良い直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基、若しくは置換基を有していても良いアリール基を示す。Xは水素原子、水酸基あるいは炭素数1〜5の直鎖状あるいは分岐状アルコキシ基を示す。)
(10) 前記加熱処理工程において、加熱温度が65℃〜100℃の範囲であり、かつ加熱時間が30分〜100時間の範囲であることを特徴とする、上記(7)乃至上記(9)のいずれか一項に記載の顔料分散液の製造方法。
(11) 前記分散液が、さらに水溶性有機溶剤を含むことを特徴とする、上記(7)乃至上記(10)のいずれか一項に記載の顔料分散液の製造方法。
(12) 前記水溶性有機溶剤が、一価アルコール類、多価アルコール類、糖類、グリコールエーテル類および1,2−アルキルジオール類からなる群から選ばれる一種類以上であることを特徴とする、上記(11)に記載の顔料分散液の製造方法。
(13) 上記(1)乃至上記(6)のいずれか一項に記載された顔料分散液、または上記(7)乃至上記(12)のいずれか一項に記載された顔料分散液の製造方法によって得られる顔料分散液を含んでなることを特徴とする、水性インク組成物。
(14) 一価アルコール類、グリコールエーテル類及び1,2−アルキルジオール類からなる群から選ばれる一種以上の浸透剤を含んでなることを特徴とする、上記(13)に記載の水性インク組成物。
(15) 多価アルコール類、糖類、ラクタム類及び尿素類からなる群から選ばれる一種以上の保湿剤を含んでなることを特徴とする、上記(13)または上記(14)に記載の水性インク組成物。
(16) さらにポリマーエマルジョンを含んでなることを特徴とする、上記(13)乃至上記(15)のいずれか一項に記載の水性インク組成物。
(17) インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印刷を行なうインクジェット記録方法であって、上記(13)乃至上記(16)のいずれか一項に記載の水性インク組成物を用いることを特徴とする、インクジェット記録方法。
(18) 上記(17)に記載のインクジェット記録方法によって記録されたことを特徴とする、記録物。
本発明による顔料分散液は分散安定性(保存安定性)に優れる。またこれを含む水性インク組成物は、高駆動周波数において連続的に吐出させてもその飛翔安定性、すなわち吐出安定性に優れ、高精細・高速なインクジェット記録方法に好適である。
本発明の顔料分散液は、顔料と、該顔料を被覆して水中に分散可能とする水不溶性ポリマーと、湿潤剤と、水とを少なくとも含み、
前記顔料と、前記水不溶性ポリマーと、分散液全量に対する量として0.1質量%〜10質量%の湿潤剤とを少なくとも含有する分散液を加熱してなることを特徴とする。この加熱処理される際の分散液は、前記顔料を前記水不溶性ポリマーで被覆した分散体を水中に分散してなることが好ましい。
また、本発明の顔料分散液の製造方法は、水性インク組成物に用いられる顔料分散液の製造方法であって、顔料と、該顔料を被覆して水中に分散可能とする水不溶性ポリマーと、湿潤剤とを少なくとも含んでなる分散液を加熱する加熱処理工程を含み、前記加熱処理工程において、前記湿潤剤の含量が総量で前記分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることを特徴とする。この加熱処理される際の分散液は、前記顔料を前記水不溶性ポリマーで被覆した分散体を水中に分散してなることが好ましい。
また、本発明の水性インク組成物は、上記の顔料分散液または上記の顔料分散液の製造方法により得られる顔料分散液を含んでなることを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録方法は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印刷を行なうインクジェット記録方法であって、上記の水性インク組成物を用いることを特徴とする。
また、本発明の記録物は、上記のインクジェット記録方法によって記録されたことを特徴とする。
以下に、本発明による顔料分散液の構成成分及び該顔料分散液の製造方法、さらに水性インク組成物の構成成分について説明する。
〔顔料分散液〕
本発明による顔料分散液は、着色剤として顔料を用いる。
(顔料)
顔料は水に不溶あるいは難溶で光やガス等にも退色しにくい性質があるため、これを用いたインク組成物で印刷した記録物は、耐水性、耐ガス性、耐光性等に優れ保存性が良好である。本発明に用いることのできる顔料は、公知の無機顔料、有機顔料及びカーボンブラックのいずれも用いることができる。この中で、発色が良好であること、比重が小さいために分散時に沈降しにくい観点から、特に、カーボンブラック、有機顔料が好ましい。
本発明において、好ましいカーボンブラックの具体例としては、No.2300、900、MCF88、No.20B、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B等(以上全て商品名、三菱化学株式会社製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリテックス35、U、V、140U、スペシャルブラック6、5、4A、4、250等(以上全て商品名、デグサ社製)、コンダクテックスSC、ラーベン1255、5750、5250、5000、3500、1255、700等(以上全て商品名、コロンビアカーボン社製)、リガール400R、330R、660R、モグルL、モナーク700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、エルフテックス12等(以上全て商品名、キャボット社製)が挙げられる。なお、これらは本発明に好適なカーボンブラックの一例の記載であり、これらによって本発明が限定されるものでは無い。これらのカーボンブラックは単独あるいは二種類以上の混合物として用いてよい。
これらの顔料は顔料分散液全量に対して0.5質量%〜40質量%、好ましくは5質量%〜20質量%含有してなる。
本発明で好ましい有機顔料としては、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料またはアゾ系顔料等が挙げられる。
本発明による顔料分散液に用いられる有機顔料の具体例としては下記のものが挙げられる。
シアン顔料分散液に使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、15:34、16、22、60等;C.I.バットブルー4、60等が挙げられ、好ましくは、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、及び60からなる群から選択される単独あるいは二種類以上の混合物である。また、これらの顔料はシアン顔料分散液全量に対して0.5質量%〜40質量%、好ましくは5質量%〜20質量%含有してなる。
マゼンタ顔料分散液に使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられ、好ましくはC.I.ピグメントレッド122、202、及び209、C.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選択される単独あるいは二種類以上の混合物である。また、これらの顔料はマゼンタ顔料分散液全量に対して0.5質量%〜40質量%、好ましくは5質量%〜20質量%含有してなる。
イエロー顔料分散液に使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14C、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、119、110、114、128、129、138、150、151、154、155、180、185、等が挙げられ、好ましくはC.I.ピグメントイエロー74、109、110、128、138、及び180からなる群から選択される単独あるいは二種類以上の混合物である。また、これらの顔料はイエロー顔料分散液全量に対して0.5質量%〜40質量%、好ましくは5質量%〜20質量%含有してなる。
オレンジ顔料分散液に使用される顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ36もしくは43またはこれらの混合物である。また、これらの顔料はオレンジ顔料分散液全量に対して0.5質量%〜40質量%、好ましくは5質量%〜20質量%含有してなる。
グリーン顔料分散液に使用される顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7もしくは36またはこれらの混合物である。また、これらの顔料はグリーン顔料分散液全量に対して0.5質量%〜40質量%、好ましくは5質量%〜20質量%含有してなる。
(水不溶性ポリマー)
本発明の顔料分散液は、上述した顔料を被覆して水中に分散可能とする水不溶性ポリマーを含んでなる。この水不溶性ポリマーは、疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとのブロック共重合体樹脂からなり、少なくとも塩生成基を持つモノマーを含有しているもので、中和後に25℃の水100gに対する溶解度が1g未満であるものをいう。
疎水性基を持つモノマーとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン等の芳香族ビニルモノマー類等があり、それぞれを単独あるいは二種類以上を混合して用いることができる。
親水性基を持つモノマーとしては、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、エチレングリコール・プロピレングリコールモノメタクリレート等があり、それぞれを単独あるいは二種類以上を混合して用いることができる。特に、ポリエチレングリコール(2〜30)モノメタクリレート、(ポリ)エチレングリコール(1〜15)・(ポリ)プロピレングリコール(1〜15)モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(2〜30)モノメタクリレート、メトキシポリエチレングリコール(2〜30)メタクリレート、メトキシポリテトラメチレングリコール(2〜30)メタクリレート、メトキシ(エチレングリコール・プロピレングリコール共重合体)(1〜30)メタクリレート等の分岐鎖を構成するモノマー成分を用いると、印刷画像の光沢性が向上する傾向にあるため好ましい。
塩生成基を持つモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンカルボン酸、マレイン酸等があり、それぞれを単独あるいは二種類以上を混合して用いることができる。
さらに、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロモノマー、シリコーン系マクロモノマー等のマクロモノマーやその他のモノマーを併用することができる。
本発明の水不溶性ポリマーは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、モノマーを共重合させることによって得られるが、特に溶液重合法が好ましく、重合の際には公知のラジカル重合開始剤や重合連鎖移動剤を添加してもよい。
本発明の水不溶性ポリマーは、顔料を被覆して水中に安定的に分散させる点、及びこれを用いた水性インク組成物の粘度をインクジェット記録方法にて安定的に吐出できる範囲に合わせやすい点で、重量平均分子量が10,000〜150,000程度の範囲のものが好ましい。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量分析方法により測定できる。
以上述べたモノマー種・合成方法により得られた水不溶性ポリマーは、親水性基と疎水性基とがバランスよく存在する。この疎水性基部分が疎水的である顔料粒子表面に効率的・有効的に吸着することで顔料を被覆でき、また親水性基部分が水と親和することで水中に安定して分散できるようになる。そのため、もともと水に馴染みにくい顔料粒子が安定して水中に分散できるようになり、好ましい。
(分散体)
本発明の顔料分散液には、上述した顔料を水不溶性ポリマーにより被覆して水中に分散可能とされた分散体の形態で着色剤(顔料)が存在することが好ましい(以下、当該分散体を「顔料分散体」ということもある)。本発明による顔料を水不溶性ポリマーによって被覆する方法としては、例えば、上述の材料・方法によって得られたポリマーをメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジブチルエーテル等の有機溶媒に溶解させ、得られた溶液に上述した顔料を添加し、次いで中和剤及び水を添加して混練・分散処理を行なうことによって水中油滴型の分散体を作成し、得られた分散体分散液から有機溶媒を除去することによって、水分散体分散液として得ることができる。混練・分散処理においては、例えばボールミル、ロールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、高速攪拌型分散機等を用いることができる。さらに、この顔料−水不溶性ポリマー被覆工程において、後述する湿潤剤を加えて加熱処理してもよい。
中和剤は、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モルホリンのような揮発性アミン化合物、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等の揮発しにくい高沸点のアミン等の有機アミン類、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アンモニア等が好ましく、得られる水分散体分散液の25℃におけるpHが6〜10の範囲であることが好ましい。
上述した材料・方法により調製した分散体において、顔料と水不溶性ポリマーの比率は、質量比で顔料:水不溶性ポリマー=10:2〜10:10の範囲であることが好ましい。顔料と水不溶性ポリマーの比率がこの範囲内であることにより、顔料分散液及びこれを用いた水性インク組成物の分散安定性、保存安定性、また画像の光沢性が良好である。さらに、分散体の粒子径は、体積平均粒子径として50nm〜150nmの範囲であることが好ましい。粒子径がこの範囲内であることにより、分散安定性、光沢性がさらに良好となる。これらの粒子径は、Microtrac UPA150(商品名、マイクロトラック社製)や粒度分布測定機LPA3100(商品名、大塚電子株式会社製)等を用いることにより測定できる。
なお、本発明の顔料を水不溶性ポリマーで被覆した分散体は、顔料が水不溶性ポリマーによって完全に被覆されずに、顔料表面の一部が露出した形状であってもよい。
(湿潤剤)
本発明の顔料分散液は、上述した顔料、水不溶性ポリマーと共に、湿潤剤を含んでなる。本発明における湿潤剤は、顔料と水不溶性ポリマーの双方への親和性に優れるものから選択される。そうすることにより、後述する加熱処理において、より強固に顔料と水不溶性ポリマーとが相互吸着する作用効果が高くなり、顔料と水不溶性ポリマーからなる分散体の分散安定性が向上し、またこれを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上する。このような特性を持つ湿潤剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、シロキサン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、樹脂溶剤、下記式(I)で表わされるグリセリンエーテル化合物、アミド化合物、イミダゾール誘導体、アジン化合物、アゾール化合物、アミジン誘導体、ヒドロキシピリジン誘導体、プリン誘導体、およびヒドロキシ環状アミン化合物が挙げられ、これらの群から選ばれる一種以上であることが好ましい。本発明の顔料分散液においては、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、シロキサン系、フッ素系、樹脂溶剤、グリセリンエーテルからなる群から選ばれる一種以上がより好ましく、アセチレングリコールおよび/またはアセチレンアルコールが特に好ましい。
Figure 2009235387

(式中、Rは炭素数1〜20の二重結合、三重結合あるいは置換基を有していても良い直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基、若しくは置換基を有していても良いアリール基を示す。Xは水素原子、水酸基あるいは炭素数1〜5の直鎖状あるいは分岐状アルコキシ基を示す。)
以下に、これら湿潤剤について、詳細に説明する。
(A)アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤
本発明の顔料分散液は、上述した顔料、水不溶性ポリマーとともに、湿潤剤の一つとしてアセチレングリコール系界面活性剤及び/またはアセチレンアルコール系界面活性剤を含んでなることが好ましい。この界面活性剤は、表面張力及び界面張力を適正に保つ能力に優れ、かつ起泡性が少ないか無いという特性を持つ。従って、これを含む水性インク組成物は表面張力及びヘッドノズル面等のインクと接触するプリンタ部材との界面張力が適正に保たれ、これをインクジェット記録方法に適用した場合、吐出安定性に優れるため好ましい。また、水性インク組成物の記録媒体への浸透性も良好であるため、より高精細な画像が得られやすい特性を持つ。さらに、後述する加熱処理において、顔料と水不溶性ポリマーの双方への親和性に優れるため、より強固に顔料と水不溶性ポリマーとを吸着させる作用効果が高い。また、これを用いた水性インク組成物をインクジェット記録方法に適用した場合、吐出安定性に優れるため好ましい。
本発明において好ましいアセチレングリコール系界面活性剤あるいはアセチレンアルコール系界面活性剤の具体例としては、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。この中でも、オレフィンE1010、サーフィノール104PG−50、アセチレノールE00、サーフィノール465、サーフィノール61、オルフィンB、サーフィノール420がより好ましい。
これらアセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤の顔料分散液への添加量は、後述する加熱処理に供する際の分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いた水性インク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、水不溶性ポリマーと顔料との相互作用を壊して分散性を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(B)シロキサン系界面活性剤
本発明の顔料分散液は、上述した顔料、水不溶性ポリマーとともに、湿潤剤の一つとしてシロキサン系界面活性剤を含むことが好ましい。この界面活性剤は顔料と水不溶性ポリマー双方への親和性に優れるため、顔料と水不溶性ポリマーとを強固に吸着させる作用効果が高い。さらに、後述する加熱処理によって、より強固に顔料と水不溶性ポリマーとを吸着させ、分散安定性を向上させることができる。また、これを用いた水性インク組成物をインクジェット記録方法に適用した場合、吐出安定性に優れるため好ましい。
本発明において好ましいシロキサン系界面活性剤の具体例としては、BYK−300、BYK−301、BYK−302、BYK−303、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−315、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−341、BYK−344、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−370、BYK−375、BYK−377、BYK−378(以上全て商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−96、KS−604、KF−6702、FA−630、KM−71、KM−75、KM−85、KM−89、KM−90、KM−98、KM−68−1F、KS−508、KS−530、KS−531、KS−537、KS−538、KF−6004、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−6191、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上全て商品名、信越化学工業株式会社製)、SH200、FS1265、DK Q1−071、FS アンチフォーム92、DK Q1−1247、FS アンチフォーム1277、FS アンチフォーム013A、74 ANTIFOAM FLUID、71 ANTIFOAM FLUID、82 ANTIFOAM FLUID、1247 ANTIFOAM EMULSION、1266 ANTIFOAM EMULSION、1287 ANTIFOAM FLUID、SH5561、SM5512、19 ADDITIVE、29 ADDITIVE、32 ADDITIVE、52 ADDITIVE、54 ADDITIVE、57 ADDITIVE、67 ADDITIVE、8028 ADDITIVE、8029 ADDITIVE、8211 ADDITIVE、8503 ADDITIVE、8598 ADDITIVE、FZ−77、FZ−720、FZ−7001、FZ−7002、FZ−7006、FZ−7604、FZ−2101、FZ−2104、FZ−2105、FZ−2110、FZ−2118、FZ−2120、FZ−2122、FZ−2123、FZ−2130、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2164、FZ−2166、FZ−2191、SF8410、SH8400、SH8700、SH3746、SH3771、SM8706EX、SM7036EX、SM7060EX、SH7024、BY22−737EX、FZ−460、FZ−4157、SM7037EX、SM490EX、BY22−744EX、FZ−4658、FZ−4640、FZ−4634、SM8709、SM8716EX、FZ−4602、BY22−840、SM7001EX、SM7002EX、SM8627EX、DY33−430M、BY22−882、BY22−736EX、BY22−749、BY22−826EX(以上全て商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)等が挙げられる。この中でも、BYK−347、KF−6015、FZ−2118、FZ−2162、KF−640、KF−354L、FZ−7002、KF−6011がより好ましい。
これらシロキサン系界面活性剤の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いた水性インク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、水不溶性ポリマーと顔料との相互作用を壊して分散性を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(C)フッ素系界面活性剤
本発明の顔料分散液は、上述した顔料、水不溶性ポリマーとともに、湿潤剤の一つとしてフッ素系界面活性剤を含むことが好ましい。この界面活性剤は顔料と水不溶性ポリマー双方への親和性に優れるため、顔料と水不溶性ポリマーとを強固に吸着させる作用効果が高い。さらに、後述する加熱処理によって、より強固に顔料と水不溶性ポリマーとを吸着させ、分散安定性を向上させることができる。また、これを用いた水性インク組成物をインクジェット記録方法に適用した場合、吐出安定性に優れるため好ましい。
本発明において好ましいフッ素系界面活性剤の具体例としては、メガファックF−114、F−410、F−493、F−494、F−443、F−444、F−445、F−446、F−470、F−471、F−474、F−475、F−477、F−478、F−479、F−480SF、F−482、F−483、F−484、F−486、F−487、F−489、F−172D、F−178K、F−178RM、ESM−1、MCF−350SF、R−08、F−472SF、R−30、BL−20、R−61、R−90(以上全て商品名、DIC製)、FC−430、FC−4432(以上全て商品名、住友スリーエム製)、エフトップEF−101、EF−102、EF−103、EF−104、EF−105、EF−112、EF−121、EF−122A、EF−122B、EF−122C、EF−123A、EF−123B、EF−125M、EF−132、EF−201、EF−204(以上全て商品名、株式会社ジェムコ製)、サーフロンS−111n、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(以上全て商品名、AGCセイケミカル株式会社製)、フタージェント100、100C、110、150、150CH、A−K、501、250、251、222F、208G(以上全て商品名、株式会社ネオス製)等が挙げられる。この中でも、エフトップEF−105、メガファックF−470、メガファックF−477、フタージェント150CH、エフトップEF−122B、エフトップEF−122A、メガファックF−494がより好ましい。
これらフッ素系界面活性剤の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、水不溶性ポリマーと顔料との相互作用を壊して分散性を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(D)ポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤
本発明の顔料分散液は、上述した顔料、水不溶性ポリマーとともに、湿潤剤の一つとしてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤を含むことが好ましい。この界面活性剤は顔料と水不溶性ポリマー双方への親和性に優れるため、顔料と水不溶性ポリマーとを強固に吸着させる作用効果が高い。さらに、後述する加熱処理によって、より強固に顔料と水不溶性ポリマーとを吸着させ、分散安定性を向上させることができる。また、これを用いた水性インク組成物をインクジェット記録方法に適用した場合、吐出安定性に優れるため好ましい。
本発明において好ましいポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノヤシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンビスフェノールAラウリン酸エステル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンミリステルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ステアリン酸ポリオキシエチレンラウリルエーテル、イソステアリン酸ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ステアリン酸ポリオキシエチレンセチルエーテル、ステアリン酸ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ラウリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレントリミリスチン酸トリメチロールプロパン、ポリオキシエチレンジステアリン酸トリメチロールプロパン、ポリオキシエチレントリステアリン酸トリメチロールプロパン、ポリオキシエチレントリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ポリオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル等が挙げられる。また、これらの範疇に当てはまる市販品をそのまま使用してもよい。この中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリステアリン酸がより好ましい。
これらポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、水不溶性ポリマーと顔料との相互作用を壊して分散性を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(E)アニオン系界面活性剤
本発明の顔料分散液は、上述した顔料、水不溶性ポリマーとともに、湿潤剤の一つとしてアニオン系界面活性剤を含むことが好ましい。この界面活性剤は顔料と水不溶性ポリマー双方への親和性に優れるため、顔料と水不溶性ポリマーとを強固に吸着させる作用効果が高い。さらに、後述する加熱処理によって、より強固に顔料と水不溶性ポリマーとを吸着させ、分散安定性を向上させることができる。また、これを用いた水性インク組成物をインクジェット記録方法に適用した場合、吐出安定性に優れるため好ましい。
本発明において好ましいアニオン系界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキレンジスルホン酸塩、ジアルキルサクシネートスルホン酸ナトリウム塩、モノアルキルサクシネートスルホン酸ジナトリウム塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリアクリル酸ナトリウム塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩、オレイン酸ナトリウム塩、オレイン酸カリウム塩、高級アルコール硫酸ナトリウム塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩、ステアリン酸ナトリウム塩、ステアリン酸カリウム塩、半硬化牛脂脂肪酸ナトリウム塩、半硬化牛脂脂肪酸カリウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム塩等が挙げられる。また、これらの範疇に当てはまる市販品をそのまま使用してもよい。この中でも、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩、ステアリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアリールエーテル硫酸エステル塩、ジアルキルサクシネートスルホン酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル硫酸エステル塩、モノアルキルサクシネートスルホン酸ジナトリウム塩がより好ましい。
これらアニオン系界面活性剤の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、水不溶性ポリマーと顔料との相互作用を壊して分散性を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(F)樹脂溶剤
本発明の顔料分散液は、上述した顔料、水不溶性ポリマーとともに、湿潤剤の一つとして樹脂溶剤を含むことが好ましい。この樹脂溶剤は顔料と水不溶性ポリマー双方への親和性に優れるため、顔料と水不溶性ポリマーとを強固に吸着させる作用効果が高い。さらに、後述する加熱処理によって、より強固に顔料と水不溶性ポリマーとを吸着させ、分散安定性を向上させることができる。また、これを用いた水性インク組成物をインクジェット記録方法に適用した場合、吐出安定性に優れるため好ましい。
本発明において好ましい樹脂溶剤の具体例としては、1−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、アリルアルコール、プロパギルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−へプタノール、2−へプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、2−(ベンジルオキシ)エタノール等のアルコール類、ジオキサン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、メチラール、アセタール、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、プロピレンオキシド、フラン、2−メチルフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、アセトニルアセトン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、2−メチル−4−ペンタノン、2−へプタノン、4−へプタノン、2,6−ジメチル−4−へプタノン、メシチルオキシド、ホロン、イソホロン等のケトン類、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、3−メトキシブチルアセタート、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、モノアセチン、ジアセチン、トリアセチン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、リン酸トリエチル、アセトニトリル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、蟻酸n−プロピル、蟻酸n−ブチル、蟻酸イソブチル、蟻酸n−アミル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソペンチル、酢酸sec−ヘキシル、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソペンチル、イソ酪酸イソブチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸イソペンチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ペンチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸イソペンチル、安息香酸ベンジル、アビエチン酸エチル、アビエチン酸ベンジル、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、酒石酸ジブチル、クエン酸トリブチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジオクチル、炭酸ジエチル、2−ブトキシエチルアセタート等のエステル類、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、ε−カプロラクタム、モルホリン、N−メチルモルホリン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン等の含窒素化合物類、スルホラン、硫化ジメチル、硫化ジエチル、チオフェン等の含硫黄化合物類が挙げられる。この中でも、酢酸エチル、プロピレンオキシド、スルホラン、1−ニトロプロパン、アセトニルアセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、2−エチルヘキシルアセタート、チオフェン、2−ヘプタノールがより好ましい。
これら樹脂溶剤の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、水不溶性ポリマーと顔料との相互作用を壊して分散性を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(G)グリセリンエーテル化合物
本発明の顔料分散液は、上述した顔料、水不溶性ポリマーとともに、湿潤剤の一つとして下記式で表わされるグリセリンエーテル化合物を含むことが好ましい。
Figure 2009235387
(式中、Rは炭素数1〜20の二重結合、三重結合あるいは置換基を有していても良い直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基、若しくは置換基を有していても良いアリール基を示す。Xは水素原子、水酸基あるいは炭素数1〜5の直鎖状あるいは分岐状アルコキシ基を示す。)
このグリセリンエーテル化合物は顔料と水不溶性ポリマー双方への親和性に優れるため、顔料と水不溶性ポリマーとを強固に吸着させる作用効果が高い。さらに、後述する加熱処理によって、より強固に顔料と水不溶性ポリマーとを吸着させ、分散安定性を向上させることができる。また、これを用いた水性インク組成物をインクジェット記録方法に適用した場合、吐出安定性に優れるため好ましい。
本発明において好ましいグリセリンエーテル化合物としては、上記式の構造を持つものであればどのようなものでも用いることができるが、その中でも特に、3−メトキシ−1,2−プロパンジオール、3−エトキシ−1,2−プロパンジオール、3−アリロキシ−1,2−プロパンジオール、3−(オクタデシロキシ)−1,2−プロパンジオール、モノオレイン、1,2−ジヒドロキシ−3−(2−メトキシフェノキシ)プロパン、3−フェノキシ−1,2−プロパンジオールからなる群から選ばれていることが好ましい。この群から選ばれる化合物は、他のグリセリンエーテル化合物と比較して上述した特性に優れているため、本発明における顔料分散液及び水性インク組成物に特に好適に用いることができる。
これらグリセリンエーテル化合物の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、水不溶性ポリマーと顔料との相互作用を壊して分散性を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(H)アミド化合物
本発明の顔料分散液は、上述した顔料、水不溶性ポリマーとともに、湿潤剤の一つとしてアミド化合物を含むことが好ましい。このアミド化合物は鎖状もしくは環状の化合物であり、これは顔料と水不溶性ポリマー双方への親和性に優れるため、顔料と水不溶性ポリマーとを強固に吸着させる作用効果が高い。さらに、後述する加熱処理によって、より強固に顔料と水不溶性ポリマーとを吸着させ、分散安定性を向上させることができる。また、これを用いた水性インク組成物をインクジェット記録方法に適用した場合、吐出安定性に優れるため好ましい。
鎖状もしくは環状アミド化合物としては、ラクトアミド、カルバミン酸メチル、カルバミン酸エチル、カルバミン酸プロピル、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、N−メチルプロピオンアミド、ニコチンアミド、6−アミノニコチンアミド、N,N−ジエチルニコチンアミド、N−エチルニコチンアミド、N−メチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン、5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム、ヘプトラクタム、ピログルタミン酸、N−メチル−ε−カプロラクタム、β−プロピオラクタム等が挙げられる。この中でも、ラクトアミド、カルバミン酸メチル、カルバミン酸エチル、プロピオンアミド、ニコチンアミド、5−メチル−2−ピロリドン、5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン、δ−バレロラクタム、ピログルタミン酸がより好ましい。
これらアミド化合物の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、水不溶性ポリマーと顔料との相互作用を壊して分散性を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(I)イミダゾール誘導体
本発明の顔料分散液は、上述した顔料、水不溶性ポリマーとともに、湿潤剤の一つとしてイミダゾール誘導体を含むことが好ましい。このイミダゾール誘導体はイミダゾール環に水酸基やカルボキシル基やアルキル基等が結合した水溶性化合物であり、これは顔料と水不溶性ポリマー双方への親和性に優れるため、顔料と水不溶性ポリマーとを強固に吸着させる作用効果が高い。さらに、後述する加熱処理によって、より強固に顔料と水不溶性ポリマーとを吸着させ、分散安定性を向上させることができる。また、これを用いた水性インク組成物をインクジェット記録方法に適用した場合、吐出安定性に優れるため好ましい。
このようなイミダゾール誘導体として具体的には、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ヒドロキシイミダゾール、4−ヒドロキシイミダゾール、5−ヒドロキシイミダゾール、ピリミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、ヒスタミン、ヒスチジン、イミダゾール酢酸、4−メチルイミダゾール、4−イミダゾールアクリル酸、4,5−イミダゾールジカルボン酸、ピロカルピン等が挙げられる。この中でも、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ヒドロキシイミダゾール、4−ヒドロキシイミダゾール、2−エチルイミダゾール、ヒスタミン、イミダゾール酢酸、4−メチルイミダゾールがより好ましい。
これらイミダゾール誘導体の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、水不溶性ポリマーと顔料との相互作用を壊して分散性を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(J)アジン化合物
本発明の顔料分散液は、上述した顔料、水不溶性ポリマーとともに、湿潤剤の一つとしてアジン化合物を含むことが好ましい。このアジン化合物は窒素原子、酸素原子、硫黄原子のいずれかを二つ以上含みかつそのうちの一つ以上は窒素原子である六員環を有する化合物の総称であり、これは顔料と水不溶性ポリマー双方への親和性に優れるため、顔料と水不溶性ポリマーとを強固に吸着させる作用効果が高い。さらに、後述する加熱処理によって、より強固に顔料と水不溶性ポリマーとを吸着させ、分散安定性を向上させることができる。また、これを用いた水性インク組成物をインクジェット記録方法に適用した場合、吐出安定性に優れるため好ましい。
このようなアジン化合物として具体的には、ピラジン、ピラジンアミド、ヘキサヒドロピラジン、3−エチル−2,6−ジメチルピラジン、ピラジン−2,3−ジカルボン酸、ピラジンカルボニトリル、2,3−ピラジンジカルボニトリル、2,3−ピラジンカルボキシアミド、2,3−ピラジン無水二カルボン酸、ピラジンエタンチオール、トリアジン、シアヌル酸、シアヌル酸メチル、メラミン、トリチオシアヌル酸、ピリダジン、4−ピリダジンカルボン酸、シトシン、シトシン−5−カルボン酸等が挙げられる。この中でも、ピラジン、ヘキサヒドロピラジン、ピラジン−2,3−ジカルボン酸、ピリダジン、4−ピリダジンカルボン酸、シトシン、シトシン−5−カルボン酸、トリアジン、シアヌル酸がより好ましい。
これらアジン化合物の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述の加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、水不溶性ポリマーと顔料との相互作用を壊して分散性を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(K)アゾール化合物
本発明の顔料分散液は、上述した顔料、水不溶性ポリマーとともに、湿潤剤の一つとしてアゾール化合物を含むことが好ましい。このアゾール化合物は窒素原子、酸素原子、硫黄原子のいずれかを二つ以上含みかつそのうちの一つ以上は窒素原子である複素五員環を有する化合物の総称であり、これは顔料と水不溶性ポリマー双方への親和性に優れるため、顔料と水不溶性ポリマーとを強固に吸着させる作用効果が高い。さらに、後述する加熱処理によって、より強固に顔料と水不溶性ポリマーとを吸着させ、分散安定性を向上させることができる。また、これを用いた水性インク組成物をインクジェット記録方法に適用した場合、吐出安定性に優れるため好ましい。
このようなアゾール化合物として具体的には、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール−4,5−ジカルボン酸、1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、1H−ベンゾトリアゾール−1−メタノール、ピラゾール、テトラゾール、オキサゾール、N1−(4,5−ジメチル−2−オキサゾリル)スルファニルアミド、チアゾール、2−アミノチアゾール、2−チアゾールカルボキシアルデヒド、5−チアゾールメタノール、1,2,3−チアジアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール−2−カルバミン酸、(2−ベンゾイミダゾリル)アセトニトリル、5−ベンゾイミダゾールカルボン酸、2−ベンゾイミダゾールエタノール、2−ベンゾイミダゾールプロピオン酸、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が挙げられる。この中でも、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−メタノール、ピラゾール、テトラゾール、チアゾール、1,2,3−チアジアゾール、オキサゾール、2−アミノチアゾールがより好ましい。
これらアゾール化合物の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、水不溶性ポリマーと顔料との相互作用を壊して分散性を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(L)アミジン誘導体
本発明の顔料分散液は、上述した顔料、水不溶性ポリマーとともに、湿潤剤の一つとしてアミジン誘導体を含むことが好ましい。このアミジン誘導体はカルボン酸のカルボニル基の=Oの部分が=NHで、−OHの部分が−NHでそれぞれ置換された構造を持つ化合物の総称であり、これは顔料と水不溶性ポリマー双方への親和性に優れるため、顔料と水不溶性ポリマーとを強固に吸着させる作用効果が高い。さらに、後述する加熱処理によって、より強固に顔料と水不溶性ポリマーとを吸着させ、分散安定性を向上させることができる。また、これを用いた水性インク組成物をインクジェット記録方法に適用した場合、吐出安定性に優れるため好ましい。
このようなアミジン誘導体として具体的には、グアニジン、1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン、1−アミル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン、ニトログアニジン、スルファグアニジン、グアニジノ酢酸、グアニチジン、アミノグアニジン、カナバニン、アルギニノコハク酸、アルギニン、ビグアニド等が挙げられる。この中でも、グアニジン、1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン、1−アミル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン、ニトログアニジン、スルファグアニジン、グアニジノ酢酸、アミノグアニジン、カナバニン、アルギニンがより好ましい。
これらアミジン誘導体の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、水不溶性ポリマーと顔料との相互作用を壊して分散性を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(M)ヒドロキシピリジン誘導体
本発明の顔料分散液は、上述した顔料、水不溶性ポリマーとともに、湿潤剤の一つとしてヒドロキシピリジン誘導体を含むことが好ましい。このヒドロキシピリジン誘導体は、ピリジン環に水酸基が直接あるいはメチレン鎖を介して結合した水溶性化合物であり、これは顔料と水不溶性ポリマー双方への親和性に優れるため、顔料と水不溶性ポリマーとを強固に吸着させる作用効果が高い。さらに、後述する加熱処理によって、より強固に顔料と水不溶性ポリマーとを吸着させ、分散安定性を向上させることができる。また、これを用いた水性インク組成物をインクジェット記録方法に適用した場合、吐出安定性に優れるため好ましい。
このようなヒドロキシピリジン誘導体として具体的には、2−ピリジノール、3−ピリジノール、4−ピリジノール、3−メチル−2−ピリジノール、4−メチル−2−ピリジノール、6−メチル−2−ピリジノール、2−ピリジンメタノール、3−ピリジンメタノール、4−ピリジンメタノール、2−ピリジンエタノール、3−ピリジンエタノール、4−ピリジンエタノール、2−ピリジンプロパノール、3−ピリジンプロパノール、4−ピリジンプロパノール、α−メチル−2−ピリジンメタノール、2,3−ピリジンジオール等が挙げられる。この中でも、2−ピリジノール、3−メチル−2−ピリジノール、6−メチル−2−ピリジノール、2−ピリジンメタノール、2−ピリジンエタノール、4−ピリジンエタノール、3−ピリジンプロパノール、α−メチル−2−ピリジンメタノール、2,3−ピリジンジオールがより好ましい。
これらヒドロキシピリジン誘導体の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、水不溶性ポリマーと顔料との相互作用を壊して分散性を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(N)プリン誘導体
本発明の顔料分散液は、上述した顔料、水不溶性ポリマーとともに、湿潤剤の一つとしてプリン誘導体を含むことが好ましい。このプリン誘導体は、ピリミジン環とイミダゾール環が縮合した二環性複素環を骨格に持つ化合物の総称であり、これは顔料と水不溶性ポリマー双方への親和性に優れるため、顔料と水不溶性ポリマーとを強固に吸着させる作用効果が高い。さらに、後述する加熱処理によって、より強固に顔料と水不溶性ポリマーとを吸着させ、分散安定性を向上させることができる。また、これを用いた水性インク組成物をインクジェット記録方法に適用した場合、吐出安定性に優れるため好ましい。
このようなプリン誘導体として具体的には、プリン、プリンリボシド、2−アミノ−6−メルカプトプリン、6−(メチルチオ)プリンリボシド、6−ベンジルアミノプリン、キサントシン、グアニン、2’−デオキシグアノシン、グアノシン、O−メチルグアニン、メチルグアニン、カフェイン、キサンチン、テオフィリン、テオブロミン、アデニン、アデノシン、2’−デオキシアデノシン、N−ベンジル−9−(2−テトラヒドロピラニル)アデニン、アデノシン三リン酸等が挙げられる。この中でも、プリン、2−アミノ−6−メルカプトプリン、グアニン、2’−デオキシグアノシン、メチルグアニン、キサンチン、テオフィリン、テオブロミン、アデノシンがより好ましい。
これらプリン誘導体の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、水不溶性ポリマーと顔料との相互作用を壊して分散性を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(O)ヒドロキシ環状アミン化合物
本発明の顔料分散液は、上述した顔料、水不溶性ポリマーとともに、湿潤剤の一つとしてヒドロキシ環状アミン化合物を含むことが好ましい。このヒドロキシ環状アミン化合物は、環状アミンに水酸基が直接、あるいはメチレン鎖を介して結合した水溶性化合物であり、これは顔料と水不溶性ポリマー双方への親和性に優れるため、顔料と水不溶性ポリマーとを強固に吸着させる作用効果が高い。さらに、後述する加熱処理によって、より強固に顔料と水不溶性ポリマーとを吸着させ、分散安定性を向上させることができる。また、これを用いた水性インク組成物をインクジェット記録方法に適用した場合、吐出安定性に優れるため好ましい。
このようなヒドロキシ環状アミン化合物として具体的には、4−ヒドロキシピペリジン、3−ヒドロキシピペリジン、2−ヒドロキシピペリジン、N−メチル−3−ヒドロキシピペリジン、N−エチル−3−ヒドロキシピペリジン、N−メチル−3−ヒドロキシメチルピペリジン、N−メチル−2−ヒドロキシメチルピペリジン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(2−ヒドロキプロピル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピロール、ピロリノール、N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、N−メチル−2−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンイミン、3−オキシピラゾール、5−オキシピラゾール等が好ましく、これらを単独、あるいは複数混合して用いることができる。この中でも、4−ヒドロキシピペリジン、N−メチル−3−ヒドロキシピペリジン、N−メチル−3−ヒドロキシメチルピペリジン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピロール、ピロリノール、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンイミン、3−オキシピラゾールがより好ましい。
これらヒドロキシ環状アミン化合物の顔料分散液中への添加量は、後述する加熱処理に供する際の分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.2質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。上記の範囲で含ませることにより、後述する加熱処理によって、この顔料分散液を用いたインク組成物の吐出安定性向上効果が得られる。逆に含ませない場合、加熱処理を行なってもその効果が認められない。また10質量%より多く添加した場合、水不溶性ポリマーと顔料との相互作用を壊して分散性を阻害してしまい分散安定性が得られない。
(水)
水は、本発明の顔料分散液及びこれを用いた水性インク組成物の中心となる媒体であり、好ましい水は、イオン性の不純物を極力低減することを目的として、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。また、紫外線照射、又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、顔料分散液及びこれを用いた水性インク組成物を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適である。
(分散液の加熱処理)
以上述べた顔料、水不溶性ポリマー、湿潤剤、水を用いて、最終的に本発明による顔料分散液とするには、加熱処理が必要となる。この加熱処理を行なうことにより、これを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上する。さらに、顔料分散液の分散安定性・保存安定性が向上し、かつこれを用いた水性インク組成物の分散安定性・保存安定性も同様に向上するという効果もある。
この加熱処理は、前述した顔料とこれを水不溶性ポリマーで被覆した分散体を含む分散液を予め調製し、前述の湿潤剤を所定量添加した後に行なってもよいし、または顔料を水不溶性ポリマーで被覆する工程中に前述の湿潤剤を所定量添加した後に組み入れてもよいが、用いる機材や方法、取り扱いの簡便さから、顔料分散体と水からなる分散液原液を予め調製しここへ前述の湿潤剤を所定量添加してから行なうことが好ましい。
本発明の加熱処理における加熱温度は、好ましくは65℃〜100℃の範囲で、より好ましくは70℃〜90℃の範囲である。また加熱処理時間は、好ましくは30分〜100時間の範囲で、より好ましくは1時間〜50時間の範囲である。加熱温度及び加熱処理時間が上記の範囲であることにより、分散液全体が効率的・有効的に加熱処理される。加熱温度が65℃より低い場合、及び加熱処理時間が30分より短い場合、加熱処理が有効的に行なわれない場合がある。逆に加熱温度が100℃より高い場合、または加熱処理時間が100時間より長い場合、分散液中の顔料と水不溶性ポリマーとの相互作用を壊して被覆が阻害され、反対に分散不安定化させてしまう場合がある。
本発明の加熱処理における形態としては、湿潤剤を含む分散液を容器等に密封して容器ごと加熱する形態、撹拌機・還流冷却装置を備えた容器等に湿潤剤を含む分散液を入れ撹拌しながら加熱する形態、ガラス・金属等の中空細管中に湿潤剤を含む分散液を流動させその細管を加熱することで行なう形態等、種々の形態で行なうことができる。
本発明の顔料分散液は、以上述べた材料及び方法により調製することができ、これで得られる顔料分散液を用いた水性インク組成物は吐出安定性に優れる。その理由については未だ明確になっていないが、以下のように推定される。
インクジェット記録方法では、微小なノズル孔からインクを加圧あるいは加熱による発泡圧力で押し出すこと等により小滴を形成させて、インクを飛翔(吐出)させる。このインク小滴を吐出させる際には、インク小滴がヘッドノズル面及びインク母体からきれいに液滴状態になって離れることが必要となる。特に高速印刷する場合には、この押し出し−小滴形成−飛翔の繰り返し周期がより速く(つまり駆動周波数がより高くなる)なるため、この特性(吐出安定性)を向上させることがより重要となっている。この吐出安定性に大きく影響するものとしては、顔料インクの分散安定性・保存安定性、表面張力・界面張力(特には顔料インクとヘッドノズル面との界面張力)等の特性が挙げられ、これら特性が適正な範囲に入ることが重要である。上述したように、顔料インクでは、水に不溶あるいは難溶である顔料とこれを水中に分散させる分散剤を用いることが一般的である。もともと水に馴染みにくい顔料を水中に安定して分散させるためには、分散剤がその顔料粒子表面に強固に吸着して容易に離れないようにすること、分散体同士が相互作用して凝集等が生じないことが必要である。その方法の一つとして加熱処理が有効である旨が、従来技術の特開2000−345093号公報に示唆されている。しかし、本発明者がこの従来技術に記載されている材料・方法で検討したところ、分散安定性・保存安定性については若干の効果は認められたものの、吐出安定性においては不充分な場合があること、その理由としては使用している分散剤(アルカリ可溶型樹脂分散剤)を用いて顔料分散液を調製する方法が起因していることを発見した。特開2000−345093号公報では、酸価90以下のアルカリ可溶型樹脂分散剤と顔料とから少なくともなる顔料分散液を用いている。そして分散液の調製方法として、まず顔料を界面活性剤と共に水中で微粒子化して、そこへ中和剤(アルカリ剤)で完全中和して水溶化させた樹脂分散剤の水溶液を加えて撹拌混合した後に加熱処理を行なう旨が記載されている。この調製方法では、顔料粒子に吸着せずに分散液中に溶解している樹脂分散剤が少なからず存在していることを、本発明者がこの調製方法を詳細に検討して見出した。この場合、これを用いたインク組成物の中にも溶解している樹脂分散剤が存在する。その結果、インク中に溶解している樹脂分散剤がプリンタ内部のインク流路中の部材、特にヘッドノズル面に吸着してインク−ヘッドノズル面間の界面張力を下げてしまい、インク小滴がきれいに離れない場合が発生することを、本発明者は見出した。そこで、そのようにならない顔料分散液を鋭意検討した結果、本発明のように、顔料の分散剤として水不溶性ポリマーを用いればよいこと、さらにこれと上述した特定量の湿潤剤とを共存させた上で加熱処理することにより吐出安定性効果が格段に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明における、顔料と顔料を被覆して水に分散可能とする水不溶性ポリマーと湿潤剤からなる分散液を加熱処理することで、これを用いた水性インク組成物の吐出安定性が格段に向上する理由は未だ明らかではないが、推定するに本発明に好適な湿潤剤は、その分子構造として疎水性部分と親水性部分とがバランスよく配置されており、顔料表面及び水不溶性ポリマーの双方に親和性が高いため、加熱処理することにより顔料と水不溶性ポリマーとの隙間に入り込んで相互の仲立ちをして、水不溶性ポリマーの顔料表面への吸着性を向上させて分散安定性を向上させ、ひいてはそれが吐出安定性向上に寄与していることが考えられる。また本発明に好適な湿潤剤は、インクジェット記録方法に用いるインク組成物の表面張力・界面張力を適正な範囲にする特性に優れており、また分散体表面(水不溶性ポリマー表面)にも吸着しやすい。この作用が加熱処理することで格段に向上して、より分散体同士の相互作用が少なくなって凝集しにくくなることが考えられる。その結果インク組成物としての流動性が向上して、吐出安定性が向上するのではないかと推定している。
(その他の添加剤等)
本発明の顔料分散液の構成材料において、上述した顔料、水不溶性ポリマー、湿潤剤、水の他に、水溶性有機溶剤を含むことが好ましい。水溶性有機溶剤は、顔料分散液の表面張力・界面張力、粘度等を適正な範囲に調整できるものから選ばれる。この水溶性有機溶剤は加熱処理における分散液中に湿潤剤とともに含まれてもよく、あるいは加熱処理後に添加してもよいが、加熱処理における分散液中に湿潤剤とともに含まれていることが好ましい。その好ましい形態の場合には、当該水溶性有機溶剤に求められる特性として、上述した特性に加えて、加熱処理における顔料と水不溶性ポリマーとの相互作用を促進して、水不溶性ポリマーが顔料粒子表面により強固に吸着・被覆化する作用を持つものから選ばれることが好ましい。
そのような作用を持つ水溶性有機溶剤としては、一価アルコール類、多価アルコール類、糖類、グリコールエーテル類、1,2−アルキルジオール類が挙げられ、これらからなる群から一種類以上選択されていることがより好ましい。
一価アルコール類の例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、tert−ペンタノール等の水可溶性のものが挙げられる。これら一価アルコール類の添加量は顔料分散液全量に対して10質量%以下の範囲が好ましい。
多価アルコール類の例としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。これら多価アルコール類の添加量は顔料分散液全量に対して20質量%以下の範囲が好ましい。
糖類の例としては、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の単糖類、二糖類、オリゴ糖類及び多糖類及びこれらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖、酸化糖、アミノ酸、チオ糖等が挙げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビット等が挙げられる。これら糖類の添加量は顔料分散液全量に対して20質量%以下の範囲が好ましい。
グリコールエーテル類の例としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル等が挙げられる。これらグリコールエーテル類の添加量は、顔料分散液に対して15質量%以下の範囲で添加することが好ましい。
1,2−アルキルジオール類の例としては、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール等の炭素数が4〜8の1,2−アルキルジオールが好ましい。この中で、炭素数6〜8の1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールはより好ましい。これら1,2−アルキルジオールの添加量は、顔料分散液全量に対して5質量%以下の範囲が好ましい。
上記の水溶性有機溶剤の他に、必要に応じて加える添加物としては、酸化防止剤・紫外線吸収剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等が挙げられる。酸化防止剤・紫外線吸収剤としては、アロハネート、メチルアロハネート等のアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレット等のビウレット類等、L−アスコルビン酸及びその塩等、チバガイギー社製のTinuvin328、900、1130、384、292、123、144、622、770、292、Irgacor252、153、Irganox1010、1076、1035、MD1024等、あるいはランタニドの酸化物等が用いられる。防腐剤・防かび剤としては、例えば安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン等の中から選ぶことができ、また市販品としてプロキセルXL2、プロキセルGXL(以上商品名、アビシア社製)や、デニサイドCSA、NS−500W(以上商品名、ナガセケムテックス株式会社製)等を用いることもできる。これら酸化防止剤・紫外線吸収剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等は、顔料分散液全量に対して1質量%以下の範囲が好ましい。この酸化防止剤・紫外線吸収剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等は加熱処理における分散液中に湿潤剤とともに含まれてもよく、あるいは加熱処理後に添加してもよい。
〔水性インク組成物〕
本発明の水性インク組成物は、上述した材料・方法にて調製された顔料分散液を含んでなる。このことにより、高駆動周波数において連続的に吐出させてもその飛翔安定性、すなわち吐出安定性に優れ、高精細・高速なインクジェット記録方法に好適なインクとなるが、さらにその特性を向上すること、インク組成物の乾燥性を向上すること、ヘッドノズルの目詰まりを防止すること等の目的で、種々の添加剤をさらに含むことが好ましい。
(浸透剤)
本発明による水性インク組成物は、浸透剤をさらに含んでなることが好ましい。浸透剤は、記録媒体へのインク浸透性を速めるための添加剤であり、所望のインク乾燥時間により適宜選択される。
浸透剤の一例としては、水性インク組成物の表面張力を適正な範囲にする作用を持つものとして、本発明の顔料分散液に用いることのできる水溶性有機溶剤として上述したグリコールエーテル類、1,2−アルキルジオール類、一価アルコール類から選択することが好ましい。これら浸透剤は、水性インク組成物全量に対して15質量%以下の範囲となるように添加されることが好ましい。
(保湿剤)
本発明による水性インク組成物は、さらに保湿剤を含んでなることが好ましい。保湿剤は水性インク組成物の乾燥を抑制するために添加するものであり、プリンタヘッドノズル先端の乾燥による水分蒸発を抑制して、水性インク組成物の凝集・固化を防止する作用を持つものである。
保湿剤は、水溶性で吸湿性の高い材料から選ばれるが、好ましくは本発明の顔料分散液に用いることのできる水溶性有機溶剤として上述した多価アルコール類、糖類が挙げられる。またその他に、2−ピロリドン等のラクタム類、1,3−ジメチルイミダゾリジノン類等の尿素類等を用いることができる。さらに、上述の材料の能力を補助する目的で、水溶性の固体保湿剤を併用、添加することも可能である。詳しくは、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等の尿素誘導体等が挙げられる。これら保湿剤の添加量は、単独あるいは複数混合して、水性インク組成物全量に対して40質量%以下となるように添加されることが好ましい。これらの保湿剤は、他のインク添加剤と合わせてインク粘度が25℃で25cPs以下になる添加量で加えることができる。
(ポリマーエマルジョン)
本発明によるインク組成物は、更にポリマーエマルジョンを含んでもよい。ポリマーエマルジョンは、定着性向上、分散安定性向上あるいは光沢性付与のために添加される。本発明におけるポリマーエマルジョンとしては特に限定されることはないが、上述の水不溶性ポリマーあるいは構成成分が類似構造である水不溶性のポリマーを分散体とする水分散液であることが好ましい。このようなポリマーエマルジョンをさらに含むことにより、記録画像の光沢性向上効果やブロンズ改善効果がより顕著となる。
水不溶性ポリマーが顔料分散液中に多量に含有されるほど記録画像の光沢性向上効果やブロンズ改良効果を得ることができるが、水不溶性ポリマーを顔料の被覆材料のみで導入しようとすると、顔料と顔料を被覆する水不溶性ポリマーの比率が質量比で顔料:水不溶性ポリマー=10:2〜10:10の範囲を超えた場合には、分散安定性が低下する傾向にある。従って、上記のように水不溶性ポリマーをポリマーエマルジョンとして顔料を被覆する水不溶性ポリマーとは別に添加することで、顔料分散液中の水不溶性ポリマーの含有量を増加させることができ、分散安定性を保持しながら、記録画像の光沢性向上効果やブロンズ改善効果が顕著に得られる。
かかるポリマーエマルジョンを調製する方法としては、水不溶性ポリマーを有機溶剤に溶解して溶液とし、ここへ中和剤及び水を添加して分散処理を行なって水中油滴型の分散体を作成し、得られた分散体分散液から有機溶剤を除去することによって、得ることができる。ここで用いる中和剤は、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、モルホリンのような揮発性アミン化合物、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等の揮発しにくい高沸点のアミン等の有機アミン類、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、アンモニア等が好ましく、得られるポリマーエマルジョンの25℃におけるpHが6〜10の範囲であることが好ましい。また、このポリマーエマルジョンにおける水不溶性ポリマーの分散体の平均粒子径は、体積平均粒子径として20nm〜200nmの範囲にあることが、分散安定性や記録画像の光沢性向上・ブロンズ改善向上の観点から好ましい。
(その他添加剤等)
上記の他に、必要に応じて加える添加物としては、本発明の顔料分散液に用いることのできる添加剤として上述した酸化防止剤・紫外線吸収剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等を用いることができる。また、さらに界面活性剤等を添加することもできる。界面活性剤は、記録媒体へのインク浸透性をさらに速めるための添加剤であり、本発明の顔料分散液に用いる上述の湿潤剤として挙げたうちの界面活性剤類が好適に用いられる。
(水性インク組成物の物性値等)
本発明の水性インク組成物は、保存安定性(粒径変化、粘度変化等)・分散安定性を確保する観点、及びインクジェット記録装置において水性インク組成物の流路に用いられている場合のある金属部品の腐食防止の観点から、pHは中性又はアルカリ性に調整されていることが望ましい。より望ましくは、25℃における水性インク組成物のpHが7.0〜10.0の範囲である。この範囲を逸脱すると、保存安定性・分散安定性及び腐食の点で不具合が発生しやすい。
また、本発明の水性インク組成物は、インクジェット記録装置において吐出安定性を確保する観点から、粘度は25℃において25cPs以下が好ましい。より好ましくは15cPs以下である。
〔インクジェット記録方法〕
本発明のインクジェット記録方法は、上述の水性インク組成物を微細なノズルより液滴として吐出して、その液滴を記録媒体に付着させる方式であればいかなる方法も使用することができる。その幾つかを説明すると、第一に静電吸引方式があり、この方式はノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印可し、ノズルからインクを液滴状で連続的に噴射させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する方式、あるいはインク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方式がある。
第二の方法としては、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式である。噴射したインク滴は噴射と同時に帯電させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する。
第三の方法は圧電素子を用いる方式であり、インク液に圧電素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、インク滴を噴射・記録させる方式である。
第四の方式は熱エネルギーの作用によりインク液を急激に体積膨張させる方式であり、インク液を印刷情報信号に従って微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射・記録させる方式である。
また、本発明の記録物は、上記した水性インク組成物をインクジェット記録方法にて印刷して得られる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例により限定されるものではない。なお、以下に示す「部」は、特に断りの無い限り「質量部」を意味する。
〔顔料分散液の調製〕
(水不溶性ポリマーの合成)
撹拌機、還流冷却装置、窒素ガス導入管、滴下漏斗を備えた四つ口フラスコを用意し、四つ口フラスコ中に有機溶剤であるメチルエチルケトンを20部、重合連鎖移動剤である2−メルカプトエタノールを0.03部、下記の表1に示した各モノマーの混合物100部を入れ、窒素ガスで置換して液温を80℃に調整し、四つ口フラスコ中の溶液混合物を撹拌しながら、予め滴下漏斗に入れた重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.9部をメチルエチルケトン40部に溶解した溶液を徐々に滴下して加えた。そのまま液温を80℃に保持しつつ、撹拌混合しながら10時間重合させて、水不溶性ポリマー1〜水不溶性ポリマー4の溶液を得た。得られた水不溶性ポリマー溶液を減圧乾燥して、本実施例における水不溶性ポリマー1〜水不溶性ポリマー4の乾燥固化物を得た。本実施例にて得た水不溶性ポリマー1〜水不溶性ポリマー4のモノマー構成は表1に示す通りである。なお、表中の数値は質量%を示す。
Figure 2009235387
(実施例1A)顔料分散液K1A
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;98部に、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるオルフィンE1010(商品名、日信化学工業株式会社製);2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて5時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K1A(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.6質量%)を得た。
(実施例2A)顔料分散液Y1A
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;6部をメチルエチルケトン;45部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー74;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7.5部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール104PG−50(商品名、日信化学工業株式会社製);0.5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま70℃に加熱しながら50時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y1A(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例3A)顔料分散液M1A
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントバイオレット19;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオール;1.95部と、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるアセチレノールE00(商品名、川研ファインケミカル株式会社製);3部と、防腐剤であるプロキセルXL2(商品名、アビシア社製);0.05部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M1A(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例4A)顔料分散液C1A
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;20部をメチルエチルケトン;80部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:4;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール465(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製);1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま95℃に加熱しながら2時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C1A(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例5A)顔料分散液K2A
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化カリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA7(商品名、三菱化学株式会社製);15部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:6.7(質量比))。
上記材料・方法で得られた顔料分散液;95部に、湿潤剤としてアセチレンアルコール系界面活性剤であるサーフィノール61(商品名、日信化学工業株式会社製);5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて20時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K2A(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例6A)顔料分散液Y2A
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液にアンモニア水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー180;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:4(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;85部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるマルチトール;4.9部と、湿潤剤としてアセチレンアルコール系界面活性剤であるオルフィンB(商品名、日信化学工業株式会社製);10部と、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま65℃に加熱しながら72時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y2A(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:17.0質量%)を得た。
(実施例7A)顔料分散液M2A
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;5部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液にトリエタノールアミン水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントレッド122;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコール;4.9部と、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール420(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M2A(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例8A)顔料分散液C2A
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;8部をメチルエチルケトン;30部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化リチウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:8(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるトリメチロールプロパン;7.6部と1,2−ヘキサンジオール;2部と、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるオルフィンE1010(商品名、日信化学工業株式会社製);0.2部とサーフィノール104PG−50(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製);0.2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま100℃に加熱しながら30分撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C2(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(比較例1A)顔料分散液K3A
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例1A)顔料分散液K1Aと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本比較例による顔料分散液K3Aを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(比較例2A)顔料分散液Y3A
加熱処理において、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール104PG−50(商品名、日信化学工業株式会社製)を加えず、分散液を92部、水溶性有機溶剤であるグリセリンを6部、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを2部とした混合物を用いた他は、前記(実施例2A)顔料分散液Y1Aと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.4質量%である本比較例による顔料分散液Y3Aを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(参考例3A)顔料分散液M3A
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例3A)顔料分散液M1Aと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.0質量%である本参考例による顔料分散液M3Aを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(参考例4A)顔料分散液C3A
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例4A)顔料分散液C1Aと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液C3Aを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(参考例5A)顔料分散液K4A
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例1A)顔料分散液K1Aと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本参考例による顔料分散液K4Aを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(参考例6A)顔料分散液Y4A
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例2A)顔料分散液Y1Aと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液Y4Aを得た(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(比較例7A)顔料分散液M4A
加熱処理において、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるアセチレノールE00(商品名、川研ファインケミカル株式会社製)を0.05部、水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオールを4.9部とした他は、前記(実施例3A)顔料分散液M1Aと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が19.4質量%である本比較例による顔料分散液M4Aを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(比較例8A)顔料分散液C4A
加熱処理において、湿潤剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール465(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)を11部、分散液を80部とした他は、前記(実施例4A)顔料分散液C1Aと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が16.0質量%である本比較例による顔料分散液C4Aを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(比較例9A)顔料分散液K5A
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、界面活性剤としてポリオキシエチレンアセチルエーテル(日光ケミカルズ株式会社製);5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液K5Aを作成した(顔料:水可溶性ポリマー=10:1.5(質量比))。
〔水性インク組成物Aの作成〕
(ポリマーエマルジョンの調製)
本発明におけるポリマーエマルジョン(以後の水性インク組成物B〜Oにも使用)の調製は、前記(水不溶性ポリマーの合成)にて得られる水不溶性ポリマーを用いて行なうことができる。
(1)ポリマーエマルジョン1
前記(水不溶性ポリマーの合成)に示した材料・方法にて得られた水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%のポリマーエマルジョン1を作成した。
(2)ポリマーエマルジョン2
前記(水不溶性ポリマーの合成)に示した材料・方法にて得られた水不溶性ポリマー2の乾燥固化物を用いた他は、前記(1)ポリマーエマルジョン1に示した材料・方法と同様にして、固形分濃度が20質量%のポリマーエマルジョン2を作成した。
(3)ポリマーエマルジョン3
前記(水不溶性ポリマーの合成)に示した材料・方法にて得られた水不溶性ポリマー3の乾燥固化物を用いた他は、前記(1)ポリマーエマルジョン1に示した材料・方法と同様にして、固形分濃度が20質量%のポリマーエマルジョン3を作成した。
(4)ポリマーエマルジョン4
前記(水不溶性ポリマーの合成)に示した材料・方法にて得られた水不溶性ポリマー4の乾燥固化物を用いた他は、前記(1)ポリマーエマルジョン1に示した材料・方法と同様にして、固形分濃度が20質量%のポリマーエマルジョン4を作成した。
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Aに示す組成にて、実施例9A〜24A、比較例10A、11A、16A〜18A、及び参考例12A〜15Aの水性インク組成物を作成した。各水性インク組成物は、表2Aに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2A中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2009235387
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(実施例1B)顔料分散液K1B
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;98部に、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるBYK−347(商品名、ビックケミー株式会社製);2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて5時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K1B(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.6質量%)を得た。
(実施例2B)顔料分散液Y1B
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;6部をメチルエチルケトン;45部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー74;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7.5部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるKF−6015(商品名、信越化学工業株式会社製);0.5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま70℃に加熱しながら50時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y1B(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例3B)顔料分散液M1B
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントバイオレット19;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオール;1.95部と、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるFZ−2118(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製);3部と、防腐剤であるプロキセルXL2(商品名、アビシア社製);0.05部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M1B(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例4B)顔料分散液C1B
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;20部をメチルエチルケトン;80部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:4;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるFZ−2162(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製);1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま95℃に加熱しながら2時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C1B(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例5B)顔料分散液K2B
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化カリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA7(商品名、三菱化学株式会社製);15部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:6.7(質量比))。
上記材料・方法で得られた顔料分散液;95部に、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるKF−640(商品名、信越化学工業株式会社製);5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて20時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K2B(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例6B)顔料分散液Y2B
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液にアンモニア水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー180;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:4(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;85部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるマルチトール;4.9部と、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるKF−354L(商品名、信越化学工業株式会社製);10部と、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま65℃に加熱しながら72時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y2B(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:17.0質量%)を得た。
(実施例7B)顔料分散液M2B
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;5部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液にトリエタノールアミン水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントレッド122;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコール;4.9部と、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるFZ−7002(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M2B(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例8B)顔料分散液C2B
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;8部をメチルエチルケトン;30部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化リチウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:8(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるトリメチロールプロパン;7.6部と1,2−ヘキサンジオール;2部と、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるKF−6011(商品名、信越化学工業株式会社製);0.2部とKF−6015(商品名、信越化学工業株式会社製);0.2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま100℃に加熱しながら30分撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C2B(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(比較例1B)顔料分散液K3B
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例1B)顔料分散液K1Bと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本比較例による顔料分散液K3Bを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(比較例2B)顔料分散液Y3B
加熱処理において、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるKF−6015(商品名、信越化学工業株式会社製)を加えず、分散液を92部、水溶性有機溶剤であるグリセリンを6部、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを2部とした混合物を用いた他は、前記(実施例2B)顔料分散液Y1Bと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.4質量%である本比較例による顔料分散液Y3Bを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(参考例3B)顔料分散液M3B
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例3B)顔料分散液M1Bと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.0質量%である本参考例による顔料分散液M3Bを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(参考例4B)顔料分散液C3B
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例4B)顔料分散液C1Bと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液C3Bを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(参考例5B)顔料分散液K4B
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例1B)顔料分散液K1Bと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本参考例による顔料分散液K4Bを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(参考例6B)顔料分散液Y4B
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例2B)顔料分散液Y1Bと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液Y4Bを得た(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(比較例7B)顔料分散液M4B
加熱処理において、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるFZ−2118(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)を0.05部、水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオールを4.9部とした他は、前記(実施例3B)顔料分散液M1Bと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が19.4質量%である本比較例による顔料分散液M4Bを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(比較例8B)顔料分散液C4B
加熱処理において、湿潤剤としてシロキサン系界面活性剤であるFZ−2162(商品名、東レ・ダウコーニング株式会社製)を11部、分散液を80部とした他は、前記(実施例4B)顔料分散液C1Bと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が16.0質量%である本比較例による顔料分散液C4Bを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(比較例9B)顔料分散液K5B
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、シロキサン系界面活性剤であるKF−640(商品名、信越化学工業株式会社製);5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液K5Bを作成した(顔料:水可溶性ポリマー=10:1.5(質量比))。
〔水性インク組成物Bの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Bに示す組成にて、実施例9B〜24B、比較例10B、11B,16B〜18B,及び参考例12B〜15Bの水性インク組成物を作成した。各水性インク組成物は、表2Bに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2B中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2009235387
Figure 2009235387
Figure 2009235387
(実施例1C)顔料分散液K1C
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;98部に、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるエフトップEF−105(商品名、株式会社ジェムコ製);2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて5時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K1C(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.6質量%)を得た。
(実施例2C)顔料分散液Y1C
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;6部をメチルエチルケトン;45部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー74;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7.5部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるメガファックF−470(商品名、DIC株式会社製);0.5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま70℃に加熱しながら50時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y1C(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例3C)顔料分散液M1C
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントバイオレット19;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオール;1.95部と、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるメガファックF−477(商品名、DIC株式会社製);3部と、防腐剤であるプロキセルXL2(商品名、アビシア社製);0.05部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M1C(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例4C)顔料分散液C1C
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;20部をメチルエチルケトン;80部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:4;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるフタージェント150CH(商品名、株式会社ネオス製);1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま95℃に加熱しながら2時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C1C(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例5C)顔料分散液K2C
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化カリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA7(商品名、三菱化学株式会社製);15部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:6.7(質量比))。
上記材料・方法で得られた顔料分散液;95部に、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるエフトップEF−122B(商品名、株式会社ジェムコ製);5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて20時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K2C(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例6C)顔料分散液Y2C
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液にアンモニア水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー180;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:4(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;85部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるマルチトール;4.9部と、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるエフトップEF−122A(商品名、株式会社ジェムコ製);10部と、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま65℃に加熱しながら72時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y2C(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:17.0質量%)を得た。
(実施例7C)顔料分散液M2C
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;5部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液にトリエタノールアミン水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントレッド122;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコール;4.9部と、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるメガファックF−494(商品名、DIC株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M2C(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例8C)顔料分散液C2C
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;8部をメチルエチルケトン;30部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化リチウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:8(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるトリメチロールプロパン;7.6部と1,2−ヘキサンジオール;2部と、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるエフトップEF−105(商品名、株式会社ジェムコ製);0.2部とメガファックF−470(商品名、DIC株式会社製);0.2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま100℃に加熱しながら30分撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C2C(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(比較例1C)顔料分散液K3C
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例1C)顔料分散液K1Cと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本比較例による顔料分散液K3Cを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(比較例2C)顔料分散液Y3C
加熱処理において、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるメガファックF−470(商品名、DIC株式会社製)を加えず、分散液を92部、水溶性有機溶剤であるグリセリンを6部、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを2部とした混合物を用いた他は、前記(実施例2C)顔料分散液Y1Cと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.4質量%である本比較例による顔料分散液Y3Cを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(参考例3C)顔料分散液M3C
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例3C)顔料分散液M1Cと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.0質量%である本参考例による顔料分散液M3Cを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(参考例4C)顔料分散液C3C
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例4C)顔料分散液C1Cと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液C3Cを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(参考例5C)顔料分散液K4C
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例1C)顔料分散液K1Cと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本参考例による顔料分散液K4Cを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(参考例6C)顔料分散液Y4C
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例2C)顔料分散液Y1Cと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液Y4Cを得た(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(比較例7C)顔料分散液M4C
加熱処理において、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるメガファックF−477(商品名、DIC株式会社製)を0.05部、水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオールを4.9部とした他は、前記(実施例3C)顔料分散液M1Cと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が19.4質量%である本比較例による顔料分散液M4Cを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(比較例8C)顔料分散液C4C
加熱処理において、湿潤剤としてフッ素系界面活性剤であるフタージェント150CH(商品名、株式会社ネオス製)を11部、分散液を80部とした他は、前記(実施例4C)顔料分散液C1Cと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が16.0質量%である本比較例による顔料分散液C4Cを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(比較例9C)顔料分散液K5C
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、フッ素系界面活性剤であるエフトップEF−122B(商品名、株式会社ジェムコ製);5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液K5Cを作成した(顔料:水可溶性ポリマー=10:1.5(質量比))。
〔水性インク組成物Cの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Cに示す組成にて、実施例9C〜24C、比較例10C、11C,16C〜18C,及び参考例12B〜15Bの水性インク組成物を作成した。各水性インク組成物は、表2Cに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2C中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2009235387
Figure 2009235387
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(実施例1D)顔料分散液K1D
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;98部に、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるニューコール2308(商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、日本乳化剤株式会社製);2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて5時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K1D(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.6質量%)を得た。
(実施例2D)顔料分散液Y1D
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;6部をメチルエチルケトン;45部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー74;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7.5部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるエマルゲン105(商品名、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、花王株式会社製);0.5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま70℃に加熱しながら50時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y1D(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例3D)顔料分散液M1D
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントバイオレット19;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオール;1.95部と、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるEMALEX DAPE−0207(商品名、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンデシルエーテル、日本エマルジョン株式会社製);3部と、防腐剤であるプロキセルXL2(商品名、アビシア社製);0.05部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M1D(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例4D)顔料分散液C1D
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;20部をメチルエチルケトン;80部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:4;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるEMALEX OD−5(商品名、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、日本エマルジョン株式会社製);1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま95℃に加熱しながら2時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C1D(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例5D)顔料分散液K2D
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化カリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA7(商品名、三菱化学株式会社製);15部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:6.7(質量比))。
上記材料・方法で得られた顔料分散液;95部に、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるレオドールTW−S120V(商品名、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、花王株式会社製);5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて20時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K2D(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例6D)顔料分散液Y2D
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液にアンモニア水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー180;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:4(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;85部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるマルチトール;4.9部と、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるニューコール747(商品名、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、日本乳化剤株式会社製);10部と、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま65℃に加熱しながら72時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y2D(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:17.0質量%)を得た。
(実施例7D)顔料分散液M2D
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;5部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液にトリエタノールアミン水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントレッド122;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコール;4.9部と、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるEMALEX RWIS−105(商品名、イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、日本エマルジョン株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M2D(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例8D)顔料分散液C2D
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;8部をメチルエチルケトン;30部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化リチウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:8(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるトリメチロールプロパン;7.6部と1,2−ヘキサンジオール;2部と、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるニューコールCMP−1(商品名、ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル、日本乳化剤株式会社製);0.2部とEMALEX TPS−305(商品名、ポリオキシエチレントリステアリン酸トリメチロールプロパン、日本エマルジョン株式会社製);0.2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま100℃に加熱しながら30分撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C2D(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(比較例1D)顔料分散液K3D
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例1D)顔料分散液K1Dと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本比較例による顔料分散液K3Dを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(比較例2D)顔料分散液Y3D
加熱処理において、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるエマルゲン105(商品名、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、花王株式会社製)を加えず、分散液を92部、水溶性有機溶剤であるグリセリンを6部、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを2部とした混合物を用いた他は、前記(実施例2D)顔料分散液Y1Dと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.4質量%である本比較例による顔料分散液Y3Dを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(参考例3D)顔料分散液M3D
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例3D)顔料分散液M1Dと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.0質量%である本参考例による顔料分散液M3Dを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(参考例4D)顔料分散液C3D
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例4D)顔料分散液C1Dと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液C3Dを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(参考例5D)顔料分散液K4D
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例1D)顔料分散液K1Dと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本参考例による顔料分散液K4Dを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(参考例6D)顔料分散液Y4D
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例2D)顔料分散液Y1Dと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液Y4Dを得た(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(比較例7D)顔料分散液M4D
加熱処理において、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるEMALEX DAPE−0207(商品名、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンデシルエーテル、日本エマルジョン株式会社製)を0.05部、水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオールを4.9部とした他は、前記(実施例3D)顔料分散液M1Dと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が19.4質量%である本比較例による顔料分散液M4Dを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(比較例8D)顔料分散液C4D
加熱処理において、湿潤剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるEMALEX OD−5(商品名、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、日本エマルジョン株式会社製)を11部、分散液を80部とした他は、前記(実施例4D)顔料分散液C1Dと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が16.0質量%である本比較例による顔料分散液C4Dを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(比較例9D)顔料分散液K5D
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、ポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤であるポリオキシエチレンアセチルエーテル(日光ケミカルズ株式会社製);5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液K5Dを作成した(顔料:水可溶性ポリマー=10:1.5(質量比))。
〔水性インク組成物Dの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Dに示す組成にて、実施例9D〜24D、比較例10D、11D,16D〜18D,及び参考例12D〜15Dの水性インク組成物を作成した。各水性インク組成物は、表2Dに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2D中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2009235387
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(実施例1E)顔料分散液K1E
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;98部に、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるディスロールSH(商品名、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム塩、日本乳化剤株式会社製);2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて5時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K1E(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.6質量%)を得た。
(実施例2E)顔料分散液Y1E
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;6部をメチルエチルケトン;45部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー74;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7.5部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるSS−40N(商品名、ステアリン酸ナトリウム、花王株式会社製);0.5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま70℃に加熱しながら50時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y1E(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例3E)顔料分散液M1E
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントバイオレット19;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオール;1.95部と、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるニューコール707−SFC(商品名、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、日本乳化剤株式会社製);3部と、防腐剤であるプロキセルXL2(商品名、アビシア社製);0.05部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M1E(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例4E)顔料分散液C1E
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;20部をメチルエチルケトン;80部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:4;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるネオペレックスG−65(商品名、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、花王株式会社製);1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま95℃に加熱しながら2時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C1E(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例5E)顔料分散液K2E
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化カリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA7(商品名、三菱化学株式会社製);15部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:6.7(質量比))。
上記材料・方法で得られた顔料分散液;95部に、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるアントックスEHD−PNA(商品名、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、日本乳化剤株式会社製);5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて20時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K2E(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例6E)顔料分散液Y2E
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液にアンモニア水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー180;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:4(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;85部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるマルチトール;4.9部と、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるニューコールB13−SN(商品名、ポリオキシエチレンアリールエーテル硫酸エステル塩、日本乳化剤株式会社製);10部と、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま65℃に加熱しながら72時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y2E(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:17.0質量%)を得た。
(実施例7E)顔料分散液M2E
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;5部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液にトリエタノールアミン水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントレッド122;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコール;4.9部と、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるニューコール290−A(商品名、ジアルキルサクシネートスルホン酸ナトリウム塩、日本乳化剤株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M2E(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例8E)顔料分散液C2E
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;8部をメチルエチルケトン;30部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化リチウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:8(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるトリメチロールプロパン;7.6部と1,2−ヘキサンジオール;2部と、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるニューコール1525−SFC(商品名、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル硫酸エステル塩、日本乳化剤株式会社製);0.2部とニューコール293(商品名、モノアルキルサクシネートスルホン酸ジナトリウム塩、株式会社製);0.2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま100℃に加熱しながら30分撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C2E(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(比較例1E)顔料分散液K3E
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例1E)顔料分散液K1Eと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本比較例による顔料分散液K3Eを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(比較例2E)顔料分散液Y3E
加熱処理において、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるSS−40N(商品名、ステアリン酸ナトリウム、花王株式会社製)を加えず、分散液を92部、水溶性有機溶剤であるグリセリンを6部、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを2部とした混合物を用いた他は、前記(実施例2E)顔料分散液Y1Eと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.4質量%である本比較例による顔料分散液Y3Eを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(参考例3E)顔料分散液M3E
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例3E)顔料分散液M1Eと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.0質量%である本参考例による顔料分散液M3Eを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(参考例4E)顔料分散液C3E
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例4E)顔料分散液C1Eと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液C3Eを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(参考例5E)顔料分散液K4E
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例1E)顔料分散液K1Eと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本参考例による顔料分散液K4Eを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(参考例6E)顔料分散液Y4E
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例2E)顔料分散液Y1Eと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液Y4Eを得た(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(比較例7E)顔料分散液M4E
加熱処理において、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるニューコール707−SFC(商品名、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、日本乳化剤株式会社製)を0.05部、水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオールを4.9部とした他は、前記(実施例3E)顔料分散液M1Eと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が19.4質量%である本比較例による顔料分散液M4Eを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(比較例8E)顔料分散液C4E
加熱処理において、湿潤剤としてアニオン系界面活性剤であるネオペレックスG−65(商品名、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、花王株式会社製)を11部、分散液を80部とした他は、前記(実施例4E)顔料分散液C1Eと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が16.0質量%である本比較例による顔料分散液C4Eを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(比較例9E)顔料分散液K5E
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、アニオン系界面活性剤であるアントックスEHD−PNA(商品名、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、日本乳化剤株式会社製);5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液K5Eを作成した(顔料:水可溶性ポリマー=10:1.5(質量比))。
〔水性インク組成物Eの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Eに示す組成にて、実施例9E〜24E、比較例10E、11E,16E〜18E,及び参考例12E〜15Eの水性インク組成物を作成した。各水性インク組成物は、表2Eに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2E中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2009235387
Figure 2009235387
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(実施例1F)顔料分散液K1F
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;98部に、湿潤剤として樹脂溶剤である酢酸エチル;2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて5時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K1F(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.6質量%)を得た。
(実施例2F)顔料分散液Y1F
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;6部をメチルエチルケトン;45部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー74;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7.5部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤として樹脂溶剤であるプロピレンオキシド;0.5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま70℃に加熱しながら50時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y1F(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例3F)顔料分散液M1F
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントバイオレット19;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオール;1.95部と、湿潤剤として樹脂溶剤であるスルホラン;3部と、防腐剤であるプロキセルXL2(商品名、アビシア社製);0.05部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M1F(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例4F)顔料分散液C1F
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;20部をメチルエチルケトン;80部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:4;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤として樹脂溶剤である1−ニトロプロパン;1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま95℃に加熱しながら2時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C1F(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例5F)顔料分散液K2F
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化カリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA7(商品名、三菱化学株式会社製);15部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:6.7(質量比))。
上記材料・方法で得られた顔料分散液;95部に、湿潤剤として樹脂溶剤であるアセトニルアセトン;5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて20時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K2F(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例6F)顔料分散液Y2F
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液にアンモニア水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー180;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:4(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;85部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるマルチトール;4.9部と、湿潤剤として樹脂溶剤であるN,N−ジメチルホルムアミド;10部と、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま65℃に加熱しながら72時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y2F(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:17.0質量%)を得た。
(実施例7F)顔料分散液M2F
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;5部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液にトリエタノールアミン水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントレッド122;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコール;4.9部と、湿潤剤として樹脂溶剤である2−エチルヘキシルアセタート;0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M2F(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例8F)顔料分散液C2F
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;8部をメチルエチルケトン;30部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化リチウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:8(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるトリメチロールプロパン;7.6部と1,2−ヘキサンジオール;2部と、湿潤剤として樹脂溶剤であるチオフェン;0.2部と2−ヘプタノール;0.2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま100℃に加熱しながら30分撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C2F(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(比較例1F)顔料分散液K3F
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例1F)顔料分散液K1Fと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本比較例による顔料分散液K3Fを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(比較例2F)顔料分散液Y3F
加熱処理において、湿潤剤として樹脂溶剤であるプロピレンオキシドを加えず、分散液を92部、水溶性有機溶剤であるグリセリンを6部、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを2部とした混合物を用いた他は、前記(実施例2F)顔料分散液Y1Fと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.4質量%である本比較例による顔料分散液Y3Fを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(参考例3F)顔料分散液M3F
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例3F)顔料分散液M1Fと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.0質量%である本参考例による顔料分散液M3Fを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(参考例4F)顔料分散液C3F
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例4F)顔料分散液C1Fと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液C3Fを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(参考例5F)顔料分散液K4F
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例1F)顔料分散液K1Fと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本参考例による顔料分散液K4Fを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(参考例6F)顔料分散液Y4F
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例2F)顔料分散液Y1Fと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液Y4Fを得た(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(比較例7F)顔料分散液M4F
加熱処理において、湿潤剤として樹脂溶剤であるスルホランを0.05部、水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオールを4.9部とした他は、前記(実施例3F)顔料分散液M1Fと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が19.4質量%である本比較例による顔料分散液M4Fを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(比較例8F)顔料分散液C4F
加熱処理において、湿潤剤として樹脂溶剤である1−ニトロプロパンを11部、分散液を80部とした他は、前記(実施例4F)顔料分散液C1Fと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が16.0質量%である本比較例による顔料分散液C4Fを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(比較例9F)顔料分散液K5F
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、樹脂溶剤であるアセトニルアセトン;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液K5Fを作成した(顔料:水可溶性ポリマー=10:1.5(質量比))。
〔水性インク組成物Fの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Fに示す組成にて、実施例9F〜24F、比較例10F、11F,16F〜18F,及び参考例12F〜15Fの水性インク組成物を作成した。各水性インク組成物は、表2Fに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2F中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2009235387
Figure 2009235387
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(実施例1G)顔料分散液K1G
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;98部に、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である3−メトキシ−1,2−プロパンジオール;2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて5時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K1G(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.6質量%)を得た。
(実施例2G)顔料分散液Y1G
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;6部をメチルエチルケトン;45部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー74;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7.5部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である3−エトキシ−1,2−プロパンジオール;0.5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま70℃に加熱しながら50時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y1G(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例3G)顔料分散液M1G
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントバイオレット19;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオール;1.95部と、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である3−アリロキシ−1,2−プロパンジオール;3部と、防腐剤であるプロキセルXL2(商品名、アビシア社製);0.05部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M1G(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例4G)顔料分散液C1G
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;20部をメチルエチルケトン;80部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:4;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である3−(オクタデシロキシ)−1,2−プロパンジオール;1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま95℃に加熱しながら2時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C1G(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例5G)顔料分散液K2G
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化カリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA7(商品名、三菱化学株式会社製);15部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:6.7(質量比))。
上記材料・方法で得られた顔料分散液;95部に、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物であるモノオレイン;5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて20時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K2G(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例6G)顔料分散液Y2G
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液にアンモニア水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー180;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:4(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;85部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるマルチトール;4.9部と、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である1,2−ジヒドロキシ−3−(2−メトキシフェノキシ)プロパン;10部と、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま65℃に加熱しながら72時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y2G(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:17.0質量%)を得た。
(実施例7G)顔料分散液M2G
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;5部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液にトリエタノールアミン水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントレッド122;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコール;4.9部と、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である3−フェノキシ−1,2−プロパンジオール;0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M2G(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例8G)顔料分散液C2G
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;8部をメチルエチルケトン;30部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化リチウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:8(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるトリメチロールプロパン;7.6部と1,2−ヘキサンジオール;2部と、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物であるモノオレイン;0.2部と3−アリロキシ−1,2−プロパンジオール;0.2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま100℃に加熱しながら30分撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C2G(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(比較例1G)顔料分散液K3G
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例1G)顔料分散液K1Gと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本比較例による顔料分散液K3Gを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(比較例2G)顔料分散液Y3G
加熱処理において、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である3−エトキシ−1,2−プロパンジオールを加えず、分散液を92部、水溶性有機溶剤であるグリセリンを6部、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを2部とした混合物を用いた他は、前記(実施例2G)顔料分散液Y1Gと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.4質量%である本比較例による顔料分散液Y3Gを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(参考例3G)顔料分散液M3G
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例3G)顔料分散液M1Gと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.0質量%である本参考例による顔料分散液M3Gを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(参考例4G)顔料分散液C3G
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例4G)顔料分散液C1Gと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液C3Gを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(参考例5G)顔料分散液K4G
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例1G)顔料分散液K1Gと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本参考例による顔料分散液K4Gを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(参考例6G)顔料分散液Y4G
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例2G)顔料分散液Y1Gと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液Y4Gを得た(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(比較例7G)顔料分散液M4G
加熱処理において、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である3−アリロキシ−1,2−プロパンジオールを0.05部、水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオールを4.9部とした他は、前記(実施例3G)顔料分散液M1Gと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が19.4質量%である本比較例による顔料分散液M4Gを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(比較例8G)顔料分散液C4G
加熱処理において、湿潤剤としてグリセリンエーテル化合物である3−(オクタデシロキシ)−1,2−プロパンジオールを11部、分散液を80部とした他は、前記(実施例4G)顔料分散液C1Gと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が16.0質量%である本比較例による顔料分散液C4Gを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(比較例9G)顔料分散液K5G
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、グリセリンエーテル化合物であるモノオレイン;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液K5Gを作成した(顔料:水可溶性ポリマー=10:1.5(質量比))。
〔水性インク組成物Gの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Gに示す組成にて、実施例9G〜24G、比較例10G、11G,16G〜18G,及び参考例12G〜15Gの水性インク組成物を作成した。各水性インク組成物は、表2Gに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2G中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2009235387
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(実施例1H)顔料分散液K1H
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;98部に、湿潤剤としてアミド化合物であるラクトアミド;2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて5時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K1H(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.6質量%)を得た。
(実施例2H)顔料分散液Y1H
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;6部をメチルエチルケトン;45部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー74;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7.5部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてアミド化合物であるカルバミン酸メチル;0.5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま70℃に加熱しながら50時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y1H(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例3H)顔料分散液M1H
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントバイオレット19;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオール;1.95部と、湿潤剤としてアミド化合物であるカルバミン酸エチル;3部と、防腐剤であるプロキセルXL2(商品名、アビシア社製);0.05部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M1H(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例4H)顔料分散液C1H
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;20部をメチルエチルケトン;80部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:4;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてアミド化合物であるプロピオンアミド;1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま95℃に加熱しながら2時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C1H(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例5H)顔料分散液K2H
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化カリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA7(商品名、三菱化学株式会社製);15部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:6.7(質量比))。
上記材料・方法で得られた顔料分散液;95部に、湿潤剤としてアミド化合物であるニコチンアミド;5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて20時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K2H(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例6H)顔料分散液Y2H
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液にアンモニア水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー180;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:4(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;85部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるマルチトール;4.9部と、湿潤剤としてアミド化合物である5−メチル−2−ピロリドン;10部と、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま65℃に加熱しながら72時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y2H(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:17.0質量%)を得た。
(実施例7H)顔料分散液M2H
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;5部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液にトリエタノールアミン水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントレッド122;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコール;4.9部と、湿潤剤としてアミド化合物である5−ヒドロキシメチル−2−ピロリドン;0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M2H(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例8H)顔料分散液C2H
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;8部をメチルエチルケトン;30部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化リチウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:8(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるトリメチロールプロパン;7.6部と1,2−ヘキサンジオール;2部と、湿潤剤としてアミド化合物であるδ−バレロラクタム;0.2部とピログルタミン酸;0.2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま100℃に加熱しながら30分撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C2H(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(比較例1H)顔料分散液K3H
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例1H)顔料分散液K1Hと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本比較例による顔料分散液K3Hを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(比較例2H)顔料分散液Y3H
加熱処理において、湿潤剤としてアミド化合物であるカルバミン酸メチルを加えず、分散液を92部、水溶性有機溶剤であるグリセリンを6部、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを2部とした混合物を用いた他は、前記(実施例2H)顔料分散液Y1Hと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.4質量%である本比較例による顔料分散液Y3Hを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(参考例3H)顔料分散液M3H
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例3H)顔料分散液M1Hと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.0質量%である本参考例による顔料分散液M3Hを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(参考例4H)顔料分散液C3H
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例4H)顔料分散液C1Hと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液C3Hを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(参考例5H)顔料分散液K4H
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例1H)顔料分散液K1Hと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本参考例による顔料分散液K4Hを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(参考例6H)顔料分散液Y4H
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例2H)顔料分散液Y1Hと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液Y4Hを得た(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(比較例7H)顔料分散液M4H
加熱処理において、湿潤剤としてアミド化合物であるカルバミン酸エチルを0.05部、水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオールを4.9部とした他は、前記(実施例3H)顔料分散液M1Hと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が19.4質量%である本比較例による顔料分散液M4Hを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(比較例8H)顔料分散液C4H
加熱処理において、湿潤剤としてアミド化合物であるプロピオンアミドを11部、分散液を80部とした他は、前記(実施例4H)顔料分散液C1Hと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が16.0質量%である本比較例による顔料分散液C4Hを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(比較例9H)顔料分散液K5H
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、アミド化合物であるニコチンアミド;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液K5Hを作成した(顔料:水可溶性ポリマー=10:1.5(質量比))。
〔水性インク組成物Hの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Hに示す組成にて、実施例9H〜24H、比較例10H、11H,16H〜18H,及び参考例12H〜15Hの水性インク組成物を作成した。各水性インク組成物は、表2Hに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2H中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2009235387
Figure 2009235387
Figure 2009235387
(実施例1I)顔料分散液K1I
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;98部に、湿潤剤としてイミダゾール誘導体であるイミダゾール;2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて5時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K1I(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.6質量%)を得た。
(実施例2I)顔料分散液Y1I
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;6部をメチルエチルケトン;45部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー74;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7.5部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてイミダゾール誘導体であるN−メチルイミダゾール;0.5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま70℃に加熱しながら50時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y1I(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例3I)顔料分散液M1I
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントバイオレット19;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオール;1.95部と、湿潤剤としてイミダゾール誘導体である2−メチルイミダゾール;3部と、防腐剤であるプロキセルXL2(商品名、アビシア社製);0.05部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M1I(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例4I)顔料分散液C1I
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;20部をメチルエチルケトン;80部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:4;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてイミダゾール誘導体である2−ヒドロキシイミダゾール;1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま95℃に加熱しながら2時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C1I(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例5I)顔料分散液K2I
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化カリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA7(商品名、三菱化学株式会社製);15部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:6.7(質量比))。
上記材料・方法で得られた顔料分散液;95部に、湿潤剤としてイミダゾール誘導体である4−ヒドロキシイミダゾール;5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて20時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K2I(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例6I)顔料分散液Y2I
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液にアンモニア水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー180;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:4(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;85部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるマルチトール;4.9部と、湿潤剤としてイミダゾール誘導体である2−エチルイミダゾール;10部と、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま65℃に加熱しながら72時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y2I(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:17.0質量%)を得た。
(実施例7I)顔料分散液M2I
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;5部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液にトリエタノールアミン水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントレッド122;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコール;4.9部と、湿潤剤としてイミダゾール誘導体であるヒスタミン;0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M2I(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例8I)顔料分散液C2I
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;8部をメチルエチルケトン;30部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化リチウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:8(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるトリメチロールプロパン;7.6部と1,2−ヘキサンジオール;2部と、湿潤剤としてイミダゾール誘導体であるイミダゾール酢酸;0.2部と4−メチルイミダゾール;0.2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま100℃に加熱しながら30分撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C2I(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(比較例1I)顔料分散液K3I
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例1I)顔料分散液K1Iと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本比較例による顔料分散液K3Iを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(比較例2I)顔料分散液Y3I
加熱処理において、湿潤剤としてイミダゾール誘導体であるN−メチルイミダゾールを加えず、分散液を92部、水溶性有機溶剤であるグリセリンを6部、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを2部とした混合物を用いた他は、前記(実施例2I)顔料分散液Y1Iと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.4質量%である本比較例による顔料分散液Y3Iを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(参考例3I)顔料分散液M3I
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例3I)顔料分散液M1Iと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.0質量%である本参考例による顔料分散液M3Iを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(参考例4I)顔料分散液C3I
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例4I)顔料分散液C1Iと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液C3Iを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(参考例5I)顔料分散液K4I
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例1I)顔料分散液K1Iと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本参考例による顔料分散液K4Iを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(参考例6I)顔料分散液Y4I
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例2I)顔料分散液Y1Iと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液Y4Iを得た(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(比較例7I)顔料分散液M4I
加熱処理において、湿潤剤としてイミダゾール誘導体である2−メチルイミダゾールを0.05部、水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオールをとした他は、前記(実施例3I)顔料分散液M1Iと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が19.4質量%である本比較例による顔料分散液M4Iを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(比較例8I)顔料分散液C4I
加熱処理において、湿潤剤としてイミダゾール誘導体である2−ヒドロキシイミダゾールを11部、分散液を80部とした他は、前記(実施例4I)顔料分散液C1Iと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が16.0質量%である本比較例による顔料分散液C4Iを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(比較例9I)顔料分散液K5I
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、イミダゾール誘導体である4−ヒドロキシイミダゾール;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液K5Iを作成した(顔料:水可溶性ポリマー=10:1.5(質量比))。
〔水性インク組成物Iの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Iに示す組成にて、実施例9I〜24I、比較例10I、11I,16I〜18I,及び参考例12I〜15Iの水性インク組成物を作成した。各水性インク組成物は、表2Iに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2I中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2009235387
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(実施例1J)顔料分散液K1J
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;98部に、湿潤剤としてアジン化合物であるピラジン;2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて5時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K1J(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.6質量%)を得た。
(実施例2J)顔料分散液Y1J
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;6部をメチルエチルケトン;45部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー74;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7.5部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてアジン化合物であるヘキサヒドロピラジン;0.5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま70℃に加熱しながら50時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y1J(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例3J)顔料分散液M1J
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントバイオレット19;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオール;1.95部と、湿潤剤としてアジン化合物であるピラジン−2,3−ジカルボン酸;3部と、防腐剤であるプロキセルXL2(商品名、アビシア社製);0.05部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M1J(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例4J)顔料分散液C1J
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;20部をメチルエチルケトン;80部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:4;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてアジン化合物であるピリダジン;1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま95℃に加熱しながら2時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C1J(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例5J)顔料分散液K2J
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化カリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA7(商品名、三菱化学株式会社製);15部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:6.7(質量比))。
上記材料・方法で得られた顔料分散液;95部に、湿潤剤としてアジン化合物である4−ピリダジンカルボン酸;5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて20時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K2J(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例6J)顔料分散液Y2J
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液にアンモニア水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー180;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:4(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;85部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるマルチトール;4.9部と、湿潤剤としてアジン化合物であるシトシン;10部と、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま65℃に加熱しながら72時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y2J(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:17.0質量%)を得た。
(実施例7J)顔料分散液M2J
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;5部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液にトリエタノールアミン水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントレッド122;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコール;4.9部と、湿潤剤としてアジン化合物であるシトシン−5−カルボン酸;0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M2J(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例8J)顔料分散液C2J
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;8部をメチルエチルケトン;30部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化リチウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:8(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるトリメチロールプロパン;7.6部と1,2−ヘキサンジオール;2部と、湿潤剤としてアジン化合物であるトリアジン;0.2部とシアヌル酸;0.2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま100℃に加熱しながら30分撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C2J(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(比較例1J)顔料分散液K3J
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例1J)顔料分散液K1Jと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本比較例による顔料分散液K3Jを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(比較例2J)顔料分散液Y3J
加熱処理において、湿潤剤としてアジン化合物であるヘキサヒドロピラジンを加えず、分散液を92部、水溶性有機溶剤であるグリセリンを6部、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを2部とした混合物を用いた他は、前記(実施例2J)顔料分散液Y1Jと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.4質量%である本比較例による顔料分散液Y3Jを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(参考例3J)顔料分散液M3J
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例3J)顔料分散液M1Jと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.0質量%である本参考例による顔料分散液M3Jを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(参考例4J)顔料分散液C3J
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例4J)顔料分散液C1Jと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液C3Jを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(参考例5J)顔料分散液K4J
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例1J)顔料分散液K1Jと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本参考例による顔料分散液K4Jを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(参考例6J)顔料分散液Y4J
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例2J)顔料分散液Y1Jと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液Y4Jを得た(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(比較例7J)顔料分散液M4J
加熱処理において、湿潤剤としてアジン化合物であるピラジン−2,3−ジカルボン酸を0.05部、水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオールを4.9部とした他は、前記(実施例3J)顔料分散液M1Jと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が19.4質量%である本比較例による顔料分散液M4Jを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(比較例8J)顔料分散液C4J
加熱処理において、湿潤剤としてアジン化合物であるピリダジンを11部、分散液を80部とした他は、前記(実施例4J)顔料分散液C1Jと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が16.0質量%である本比較例による顔料分散液C4Jを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(比較例9J)顔料分散液K5J
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、アジン化合物である4−ピリダジンカルボン酸;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液K5Jを作成した(顔料:水可溶性ポリマー=10:1.5(質量比))。
〔水性インク組成物Jの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Jに示す組成にて、実施例9J〜24J、比較例10J、11J,16J〜18J,及び参考例12J〜15Jの水性インク組成物を作成した。各水性インク組成物は、表2Jに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2J中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2009235387
Figure 2009235387
Figure 2009235387
(実施例1K)顔料分散液K1K
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;98部に、湿潤剤としてアゾール化合物である1,2,3−トリアゾール;2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて5時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K1K(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.6質量%)を得た。
(実施例2K)顔料分散液Y1K
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;6部をメチルエチルケトン;45部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー74;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7.5部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてアゾール化合物である1,2,4−トリアゾール;0.5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま70℃に加熱しながら50時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y1K(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例3K)顔料分散液M1K
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントバイオレット19;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオール;1.95部と、湿潤剤としてアゾール化合物である1H−ベンゾトリアゾール−1−メタノール;3部と、防腐剤であるプロキセルXL2(商品名、アビシア社製);0.05部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M1K(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例4K)顔料分散液C1K
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;20部をメチルエチルケトン;80部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:4;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてアゾール化合物であるピラゾール;1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま95℃に加熱しながら2時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C1K(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例5K)顔料分散液K2K
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化カリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA7(商品名、三菱化学株式会社製);15部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:6.7(質量比))。
上記材料・方法で得られた顔料分散液;95部に、湿潤剤としてアゾール化合物であるテトラゾール;5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて20時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K2K(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例6K)顔料分散液Y2K
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液にアンモニア水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー180;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:4(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;85部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるマルチトール;4.9部と、湿潤剤としてアゾール化合物であるチアゾール;10部と、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま65℃に加熱しながら72時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y2K(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:17.0質量%)を得た。
(実施例7K)顔料分散液M2K
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;5部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液にトリエタノールアミン水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントレッド122;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコール;4.9部と、湿潤剤としてアゾール化合物である1,2,3−チアジアゾール;0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M2K(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例8K)顔料分散液C2K
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;8部をメチルエチルケトン;30部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化リチウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:8(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるトリメチロールプロパン;7.6部と1,2−ヘキサンジオール;2部と、湿潤剤としてアゾール化合物であるオキサゾール;0.2部と2−アミノチアゾール;0.2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま100℃に加熱しながら30分撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C2K(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(比較例1K)顔料分散液K3K
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例1K)顔料分散液K1Kと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本比較例による顔料分散液K3Kを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(比較例2K)顔料分散液Y3K
加熱処理において、湿潤剤としてアゾール化合物である1,2,4−トリアゾールを加えず、分散液を92部、水溶性有機溶剤であるグリセリンを6部、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを2部とした混合物を用いた他は、前記(実施例2K)顔料分散液Y1Kと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.4質量%である本比較例による顔料分散液Y3Kを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(参考例3K)顔料分散液M3K
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例3K)顔料分散液M1Kと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.0質量%である本参考例による顔料分散液M3Kを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(参考例4K)顔料分散液C3K
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例4K)顔料分散液C1Kと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液C3Kを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(参考例5K)顔料分散液K4K
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例1K)顔料分散液K1Kと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本参考例による顔料分散液K4Kを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(参考例6K)顔料分散液Y4K
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例2K)顔料分散液Y1Kと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液Y4Kを得た(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(比較例7K)顔料分散液M4K
加熱処理において、湿潤剤としてアゾール化合物である1H−ベンゾトリアゾール−1−メタノールを0.05部、水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオールを4.9部とした他は、前記(実施例3K)顔料分散液M1Kと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が19.4質量%である本比較例による顔料分散液M4Kを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(比較例8K)顔料分散液C4K
加熱処理において、湿潤剤としてアゾール化合物であるピラゾールを11部、分散液を80部とした他は、前記(実施例4K)顔料分散液C1Kと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が16.0質量%である本比較例による顔料分散液C4Kを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(比較例9K)顔料分散液K5K
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、アゾール化合物であるテトラゾール;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液K5Kを作成した(顔料:水可溶性ポリマー=10:1.5(質量比))。
〔水性インク組成物Kの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Kに示す組成にて、実施例9K〜24K、比較例10K、11K,16K〜18K,及び参考例12K〜15Kの水性インク組成物を作成した。各水性インク組成物は、表2Kに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2K中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2009235387
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Figure 2009235387
(実施例1L)顔料分散液K1L
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;98部に、湿潤剤としてアミジン誘導体であるグアニジン;2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて5時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K1L(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.6質量%)を得た。
(実施例2L)顔料分散液Y1L
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;6部をメチルエチルケトン;45部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー74;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7.5部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてアミジン誘導体である1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン;0.5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま70℃に加熱しながら50時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y1L(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例3L)顔料分散液M1L
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントバイオレット19;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオール;1.95部と、湿潤剤としてアミジン誘導体である1−アミル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジン;3部と、防腐剤であるプロキセルXL2(商品名、アビシア社製);0.05部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M1L(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例4L)顔料分散液C1L
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;20部をメチルエチルケトン;80部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:4;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてアミジン誘導体であるニトログアニジン;1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま95℃に加熱しながら2時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C1L(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例5L)顔料分散液K2L
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化カリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA7(商品名、三菱化学株式会社製);15部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:6.7(質量比))。
上記材料・方法で得られた顔料分散液;95部に、湿潤剤としてアミジン誘導体であるスルファグアニジン;5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて20時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K2L(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例6L)顔料分散液Y2L
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液にアンモニア水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー180;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:4(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;85部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるマルチトール;4.9部と、湿潤剤としてアミジン誘導体であるグアニジノ酢酸;10部と、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま65℃に加熱しながら72時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y2L(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:17.0質量%)を得た。
(実施例7L)顔料分散液M2L
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;5部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液にトリエタノールアミン水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントレッド122;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコール;4.9部と、湿潤剤としてアミジン誘導体であるアミノグアニジン;0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M2L(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例8L)顔料分散液C2L
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;8部をメチルエチルケトン;30部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化リチウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:8(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるトリメチロールプロパン;7.6部と1,2−ヘキサンジオール;2部と、湿潤剤としてアミジン誘導体であるカナバニン;0.2部とアルギニン;0.2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま100℃に加熱しながら30分撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C2L(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(比較例1L)顔料分散液K3L
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例1L)顔料分散液K1Lと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本比較例による顔料分散液K3Lを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(比較例2L)顔料分散液Y3L
加熱処理において、湿潤剤としてアミジン誘導体である1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジンを加えず、分散液を92部、水溶性有機溶剤であるグリセリンを6部、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを2部とした混合物を用いた他は、前記(実施例2L)顔料分散液Y1Lと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.4質量%である本比較例による顔料分散液Y3Lを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(参考例3L)顔料分散液M3L
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例3L)顔料分散液M1Lと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.0質量%である本参考例による顔料分散液M3Lを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(参考例4L)顔料分散液C3L
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例4L)顔料分散液C1Lと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液C3Lを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(参考例5L)顔料分散液K4L
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例1L)顔料分散液K1Lと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本参考例による顔料分散液K4Lを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(参考例6L)顔料分散液Y4L
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例2L)顔料分散液Y1Lと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液Y4Lを得た(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(比較例7L)顔料分散液M4L
加熱処理において、湿潤剤としてアミジン誘導体である1−アミル−3−ニトロ−1−ニトロソグアニジンを0.05部、水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオールを4.9部とした他は、前記(実施例3L)顔料分散液M1Lと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が19.4質量%である本比較例による顔料分散液M4Lを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(比較例8L)顔料分散液C4L
加熱処理において、湿潤剤としてアミジン誘導体であるニトログアニジンを11部、分散液を80部とした他は、前記(実施例4L)顔料分散液C1Lと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が16.0質量%である本比較例による顔料分散液C4Lを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(比較例9L)顔料分散液K5L
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、アミジン誘導体であるスルファグアニジン;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液K5Lを作成した(顔料:水可溶性ポリマー=10:1.5(質量比))。
〔水性インク組成物Lの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Lに示す組成にて、実施例9L〜24L、比較例10L、11L,16L〜18L,及び参考例12L〜15Lの水性インク組成物を作成した。各水性インク組成物は、表2Lに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2L中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2009235387
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Figure 2009235387
(実施例1M)顔料分散液K1M
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;98部に、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である2−ピリジノール;2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて5時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K1M(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.6質量%)を得た。
(実施例2M)顔料分散液Y1M
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;6部をメチルエチルケトン;45部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー74;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7.5部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である3−メチル−2−ピリジノール;0.5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま70℃に加熱しながら50時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y1M(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例3M)顔料分散液M1M
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントバイオレット19;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオール;1.95部と、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である6−メチル−2−ピリジノール;3部と、防腐剤であるプロキセルXL2(商品名、アビシア社製);0.05部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M1M(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例4M)顔料分散液C1M
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;20部をメチルエチルケトン;80部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:4;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である2−ピリジンメタノール;1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま95℃に加熱しながら2時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C1M(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例5M)顔料分散液K2M
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化カリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA7(商品名、三菱化学株式会社製);15部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:6.7(質量比))。
上記材料・方法で得られた顔料分散液;95部に、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である2−ピリジンエタノール;5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて20時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K2M(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例6M)顔料分散液Y2M
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液にアンモニア水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー180;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:4(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;85部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるマルチトール;4.9部と、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である4−ピリジンエタノール;10部と、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま65℃に加熱しながら72時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y2M(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:17.0質量%)を得た。
(実施例7M)顔料分散液M2M
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;5部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液にトリエタノールアミン水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントレッド122;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコール;4.9部と、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である3−ピリジンプロパノール;0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M2M(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例8M)顔料分散液C2M
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;8部をメチルエチルケトン;30部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化リチウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:8(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるトリメチロールプロパン;7.6部と1,2−ヘキサンジオール;2部と、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体であるα−メチル−2−ピリジンメタノール;0.2部と2,3−ピリジンジオール;0.2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま100℃に加熱しながら30分撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C2M(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(比較例1M)顔料分散液K3M
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例1M)顔料分散液K1Mと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本比較例による顔料分散液K3Mを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(比較例2M)顔料分散液Y3M
加熱処理において、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である3−メチル−2−ピリジノールを加えず、分散液を92部、水溶性有機溶剤であるグリセリンを6部、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを2部とした混合物を用いた他は、前記(実施例2M)顔料分散液Y1Mと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.4質量%である本比較例による顔料分散液Y3Mを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(参考例3M)顔料分散液M3M
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例3M)顔料分散液M1Mと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.0質量%である本参考例による顔料分散液M3Mを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(参考例4M)顔料分散液C3M
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例4M)顔料分散液C1Mと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液C3Mを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(参考例5M)顔料分散液K4M
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例1M)顔料分散液K1Mと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本参考例による顔料分散液K4Mを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(参考例6M)顔料分散液Y4M
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例2M)顔料分散液Y1Mと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液Y4Mを得た(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(比較例7M)顔料分散液M4M
加熱処理において、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である6−メチル−2−ピリジノールを0.05部、水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオールを4.9部とした他は、前記(実施例3M)顔料分散液M1Mと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が19.4質量%である本比較例による顔料分散液M4Mを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(比較例8M)顔料分散液C4M
加熱処理において、湿潤剤としてヒドロキシピリジン誘導体である2−ピリジンメタノールを11部、分散液を80部とした他は、前記(実施例4M)顔料分散液C1Mと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が16.0質量%である本比較例による顔料分散液C4Mを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(比較例9M)顔料分散液K5M
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、ヒドロキシピリジン誘導体である2−ピリジンエタノール;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液K5Mを作成した(顔料:水可溶性ポリマー=10:1.5(質量比))。
〔水性インク組成物Mの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Mに示す組成にて、実施例9M〜24M、比較例10M、11M,16M〜18M,及び参考例12M〜15Mの水性インク組成物を作成した。各水性インク組成物は、表2Mに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2M中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2009235387
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(実施例1N)顔料分散液K1N
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;98部に、湿潤剤としてプリン誘導体であるプリン;2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて5時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K1N(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.6質量%)を得た。
(実施例2N)顔料分散液Y1N
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;6部をメチルエチルケトン;45部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー74;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7.5部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてプリン誘導体である2−アミノ−6−メルカプトプリン;0.5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま70℃に加熱しながら50時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y1N(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例3N)顔料分散液M1N
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントバイオレット19;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオール;1.95部と、湿潤剤としてプリン誘導体であるグアニン;3部と、防腐剤であるプロキセルXL2(商品名、アビシア社製);0.05部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M1N(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例4N)顔料分散液C1N
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;20部をメチルエチルケトン;80部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:4;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてプリン誘導体である2’−デオキシグアノシン;1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま95℃に加熱しながら2時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C1N(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例5N)顔料分散液K2N
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化カリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA7(商品名、三菱化学株式会社製);15部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:6.7(質量比))。
上記材料・方法で得られた顔料分散液;95部に、湿潤剤としてプリン誘導体であるメチルグアニン;5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて20時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K2N(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例6N)顔料分散液Y2N
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液にアンモニア水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー180;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:4(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;85部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるマルチトール;4.9部と、湿潤剤としてプリン誘導体であるキサンチン;10部と、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま65℃に加熱しながら72時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y2N(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:17.0質量%)を得た。
(実施例7N)顔料分散液M2N
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;5部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液にトリエタノールアミン水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントレッド122;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコール;4.9部と、湿潤剤としてプリン誘導体であるテオフィリン;0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M2N(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例8N)顔料分散液C2N
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;8部をメチルエチルケトン;30部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化リチウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:8(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるトリメチロールプロパン;7.6部と1,2−ヘキサンジオール;2部と、湿潤剤としてプリン誘導体であるテオブロミン;0.2部とアデノシン;0.2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま100℃に加熱しながら30分撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C2N(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(比較例1N)顔料分散液K3N
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例1N)顔料分散液K1Nと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本比較例による顔料分散液K3Nを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(比較例2N)顔料分散液Y3N
加熱処理において、湿潤剤としてプリン誘導体である2−アミノ−6−メルカプトプリンを加えず、分散液を92部、水溶性有機溶剤であるグリセリンを6部、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを2部とした混合物を用いた他は、前記(実施例2N)顔料分散液Y1Nと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.4質量%である本比較例による顔料分散液Y3Nを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(参考例3N)顔料分散液M3N
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例3N)顔料分散液M1Nと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.0質量%である本参考例による顔料分散液M3Nを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(参考例4N)顔料分散液C3N
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例4N)顔料分散液C1Nと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液C3Nを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(参考例5N)顔料分散液K4N
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例1N)顔料分散液K1Nと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本参考例による顔料分散液K4Nを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(参考例6N)顔料分散液Y4N
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例2N)顔料分散液Y1Nと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液Y4Nを得た(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(比較例7N)顔料分散液M4N
加熱処理において、湿潤剤としてプリン誘導体であるグアニンを0.05部、水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオールを4.9部とした他は、前記(実施例3N)顔料分散液M1Nと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が19.4質量%である本比較例による顔料分散液M4Nを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(比較例8N)顔料分散液C4N
加熱処理において、湿潤剤としてプリン誘導体である2’−デオキシグアノシンを11部、分散液を80部とした他は、前記(実施例4N)顔料分散液C1Nと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が16.0質量%である本比較例による顔料分散液C4Nを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(比較例9N)顔料分散液K5N
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、プリン誘導体であるメチルグアニン;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液K5Nを作成した(顔料:水可溶性ポリマー=10:1.5(質量比))。
〔水性インク組成物Nの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Nに示す組成にて、実施例9N〜24N、比較例10N、11N,16N〜18N,及び参考例12N〜15Nの水性インク組成物を作成した。各水性インク組成物は、表2Nに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2N中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2009235387
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(実施例1O)顔料分散液K1O
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;98部に、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物である4−ヒドロキシピペリジン;2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて5時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K1O(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.6質量%)を得た。
(実施例2O)顔料分散液Y1O
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;6部をメチルエチルケトン;45部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー74;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7.5部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−メチル−3−ヒドロキシピペリジン;0.5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま70℃に加熱しながら50時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y1O(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例3O)顔料分散液M1O
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントバイオレット19;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオール;1.95部と、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−メチル−3−ヒドロキシメチルピペリジン;3部と、防腐剤であるプロキセルXL2(商品名、アビシア社製);0.05部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、65℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M1O(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例4O)顔料分散液C1O
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;20部をメチルエチルケトン;80部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:4;20部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるグリセリン;7部とトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル;2部と、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン;1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま95℃に加熱しながら2時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C1O(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(実施例5O)顔料分散液K2O
水不溶性ポリマー2の乾燥固化物;10部をメチルエチルケトン;50部に溶かした水不溶性ポリマー2溶液に水酸化カリウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤としてカーボンブラックであるMA7(商品名、三菱化学株式会社製);15部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:6.7(質量比))。
上記材料・方法で得られた顔料分散液;95部に、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン;5部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、90℃環境下にて20時間加熱処理した後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液K2O(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例6O)顔料分散液Y2O
水不溶性ポリマー3の乾燥固化物;4部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー3溶液にアンモニア水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントイエロー180;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;150部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:4(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;85部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるマルチトール;4.9部と、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−(2−ヒドロキシエチル)ピロール;10部と、防腐剤であるデニサイドCSA(商品名、ナガセケムテックス株式会社製);0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま65℃に加熱しながら72時間撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液Y2O(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:17.0質量%)を得た。
(実施例7O)顔料分散液M2O
水不溶性ポリマー4の乾燥固化物;5部をメチルエチルケトン;20部に溶かした水不溶性ポリマー4溶液にトリエタノールアミン水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントレッド122;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;100部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;95部に水溶性有機溶剤であるトリエチレングリコール;4.9部と、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるピロリノール;0.1部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて100時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液M2O(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:19.0質量%)を得た。
(実施例8O)顔料分散液C2O
水不溶性ポリマー1の乾燥固化物;8部をメチルエチルケトン;30部に溶かした水不溶性ポリマー1溶液に水酸化リチウム水溶液を加えて中和させ、ここへ着色剤として有機顔料であるC.I.ピグメントブルー15:3;10部を加えて、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行ない、混練物を調製した。得られた混練物にさらにイオン交換水;120部を加え撹拌混合した後、混合物をエバポレーターに移して減圧環境下で60℃に加熱しながらメチルエチルケトン全量と水を一部除去し、固形分濃度が20質量%の分散液を作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:8(質量比))。
上記材料・方法で得られた分散液;90部を撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に入れ、そこへ水溶性有機溶剤であるトリメチロールプロパン;7.6部と1,2−ヘキサンジオール;2部と、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンイミン;0.2部と3−オキシピラゾール;0.2部を加え、よく撹拌混合した。得られた分散液混合物をそのまま100℃に加熱しながら30分撹拌還流させて加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、本実施例による顔料分散液C2O(顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度:18.0質量%)を得た。
(比較例1O)顔料分散液K3O
加熱処理を行なわなかった他は、前記(実施例1O)顔料分散液K1Oと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本比較例による顔料分散液K3Oを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(比較例2O)顔料分散液Y3O
加熱処理において、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−メチル−3−ヒドロキシピペリジンを加えず、分散液を92部、水溶性有機溶剤であるグリセリンを6部、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルを2部とした混合物を用いた他は、前記(実施例2O)顔料分散液Y1Oと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.4質量%である本比較例による顔料分散液Y3Oを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(参考例3O)顔料分散液M3O
加熱処理において、加熱温度を120℃、加熱時間を30分とした他は、前記(実施例3O)顔料分散液M1Oと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.0質量%である本参考例による顔料分散液M3Oを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(参考例4O)顔料分散液C3O
加熱処理において、加熱温度を60℃、加熱時間を100時間とした他は、前記(実施例4O)顔料分散液C1Oと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液C3Oを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(参考例5O)顔料分散液K4O
加熱処理において、加熱時間を20分とした他は、前記(実施例1O)顔料分散液K1Oと同様の材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が19.6質量%である本参考例による顔料分散液K4Oを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:5(質量比))。
(参考例6O)顔料分散液Y4O
加熱処理において、加熱時間を120時間とした他は、前記(実施例2O)顔料分散液Y1Oと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分が18.0質量%である本参考例による顔料分散液Y4Oを得た(顔料:水不溶性ポリマー=10:3(質量比))。
(比較例7O)顔料分散液M4O
加熱処理において、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−メチル−3−ヒドロキシメチルピペリジンを0.05部、水溶性有機溶剤である1,2−ヘキサンジオールを4.9部とした他は、前記(実施例3O)顔料分散液M1Oと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が19.4質量%である本比較例による顔料分散液M4Oを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:2(質量比))。
(比較例8O)顔料分散液C4O
加熱処理において、湿潤剤としてヒドロキシ環状アミン化合物であるN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジンを11部、分散液を80部とした他は、前記(実施例4N)顔料分散液C1Nと同様な材料・方法を用いて、顔料−水不溶性ポリマー固形分濃度が16.0質量%である本比較例による顔料分散液C4Oを作成した(顔料:水不溶性ポリマー=10:10(質量比))。
(比較例9O)顔料分散液K5O
顔料としてカーボンブラックであるMA100(商品名、三菱化学株式会社製);20部、ヒドロキシ環状アミン化合物であるN−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン;5部、消泡剤としてアセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール440(商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)の1質量%水溶液;30部、イオン交換水;30部を撹拌混合し、さらにナノマイザーにて分散した。そこへ分散樹脂として水可溶性ポリマーであるスチレン−アクリル酸系樹脂のジョンクリル611(商品名、BASFジャパン株式会社製、重量平均分子量8,100、酸価53KOHmg/g)のトリエタノールアミン中和物の20質量%水溶液;15部を加え、25℃環境下で30時間撹拌混合した。得られた分散液混合物をポリプロピレン製容器に密封し、70℃環境下にて20時間加熱処理した。その後室温まで自然冷却させて、顔料−水可溶性ポリマー固形分が23質量%の本比較例による顔料分散液K5Oを作成した(顔料:水可溶性ポリマー=10:1.5(質量比))。
〔水性インク組成物Oの作成〕
上記の材料・方法にて得た顔料分散液とポリマーエマルジョンを用い、表2Oに示す組成にて、実施例9O〜24O、比較例10O、11O,16O〜18O,及び参考例12O〜15Oの水性インク組成物を作成した。各水性インク組成物は、表2Oに示す材料・分量を室温下で2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブレンフィルタにて濾過することで作成した。ここで、表2O中の数値は全て質量%で示してあり、顔料分散液の( )内の数値は顔料固形分濃度、及びポリマーエマルジョンの( )内の数値はポリマー固形分濃度を示している。また、イオン交換水の「残量」とは、インク全量が100質量%となるようにイオン交換水を加えたことを示す。
Figure 2009235387
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<顔料分散液、及び水性インク組成物の評価>
(1)保存安定性
上記で作成した実施例、比較例並びに参考例の顔料分散液、及び、実施例、比較例並びに参考例の水性インク組成物を以下の(I)〜(III)の環境下に放置した。
(I)60℃で1ヶ月放置
(II)凍結した状態で1ヶ月放置
(III)60℃で2週間放置した後、凍結した状態で1週間放置
上記の3種の条件下で放置した後、顔料分散液及び水性インク組成物の粘度及び粒径について、作成直後と放置後との比較を行った。判定基準は以下の通りとした。
・粘度
AA:全ての放置条件下で変化幅が±3%未満
A:変化幅が±3%以上、±5%未満となる放置条件がある
B:変化幅が±5%以上、±10%未満となる放置条件がある
C:変化幅が±10%以上、±15%未満となる放置条件がある
D:変化幅が±15%以上となる放置条件がある
・粒径
AA:全ての放置条件下で変化幅が±5%未満
A:変化幅が±5%以上、±10%未満となる放置条件がある
B:変化幅が±10%以上、±20%未満となる放置条件がある
C:変化幅が±20%以上、±30%未満となる放置条件がある
D:変化幅が±30%以上となる放置条件がある
評価結果は、下記の表3A〜表3Oに示される通りであった。
Figure 2009235387
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(2)吐出安定性
上記で作成した実施例、比較例及び参考例の水性インク組成物をインクジェットプリンタPX−G5300(商品名、セイコーエプソン株式会社製)に搭載した。記録媒体としてA4版のフォトマット紙/顔料専用(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用い、20℃〜25℃で40%RH〜60%RHの環境下で、文字・塗り潰し・写真画像が混在する画像を連続的に1,000枚まで印刷した。印刷設定は、「用紙種類;普通紙、印刷品質;標準」とした。得られた印刷物について、印刷画像中の飛行曲がりや抜け等の不具合の有無を目視にて確認した。判定基準は以下の通りとした。
・飛行曲がり、抜け
AA:1,000枚まで連続印字しても、飛行曲がり・抜けが発生しない
A:500枚までの連続印刷で、飛行曲がり・抜けが発生しない
B:200枚までの連続印刷で、飛行曲がり・抜けが発生しない
C:200枚までの連続印刷で、飛行曲がり・抜けが発生したが10箇所未満である
D:200枚までの連続印刷時に、飛行曲がり・抜けが10箇所以上発生する
評価結果は、下記の表4A〜表4Oに示される通りであった。
Figure 2009235387
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表3A〜表3O、及び表4A〜表4Oに示した結果からも明らかなように、実施例の顔料分散液は、保存安定性(粘度変化、粒径変化)が良好であった。また、これらの顔料分散液を用いた実施例の水性インク組成物は、保存安定性(粘度変化、粒径変化)が良好であり、インクジェットプリンタにおける吐出安定性も問題がなかった。
これに対して、比較例の顔料分散液は、保存安定性(粘度変化、粒径変化)に欠けていた。またこの顔料分散液を用いた比較例の水性インク組成物は、保存安定性(粘度変化、粒径変化)及びインクジェットプリンタにおける吐出安定性に欠けていた。
以上述べたように、本発明による顔料分散液は保存安定性に優れ、これを含む水性インク組成物は保存安定性及び吐出安定性に優れる。従って、本発明の顔料分散液を含む水性インク組成物は、インクジェット記録方法において高駆動周波数に適用しても吐出安定性に優れ高精細な印刷が実現できる。

Claims (18)

  1. 顔料と、該顔料を被覆して水中に分散可能とする水不溶性ポリマーと、湿潤剤と、水とを少なくとも含んでなる顔料分散液であって、
    前記顔料と、前記水不溶性ポリマーと、分散液全量に対する量として0.1質量%〜10質量%の湿潤剤とを少なくとも含有する分散液を加熱してなることを特徴とする、顔料分散液。
  2. 顔料と、該顔料を被覆して水中に分散可能とする水不溶性ポリマーと、湿潤剤と、水とを少なくとも含んでなる顔料分散液であって、
    前記顔料を前記水不溶性ポリマーで被覆してなる分散体と、分散液全量に対する量として0.1質量%〜10質量%の湿潤剤と、水とを少なくとも含有する分散液を加熱してなることを特徴とする、請求項1記載の顔料分散液。
  3. 前記分散液に含まれる湿潤剤が、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、シロキサン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、樹脂溶剤、下記式(I)で表わされるグリセリンエーテル化合物、アミド化合物、イミダゾール誘導体、アジン化合物、アゾール化合物、アミジン誘導体、ヒドロキシピリジン誘導体、プリン誘導体、およびヒドロキシ環状アミン化合物からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の顔料分散液。
    Figure 2009235387

    (式中、Rは炭素数1〜20の二重結合、三重結合あるいは置換基を有していても良い直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基、若しくは置換基を有していても良いアリール基を示す。Xは水素原子、水酸基あるいは炭素数1〜5の直鎖状あるいは分岐状アルコキシ基を示す。)
  4. 前記加熱処理の加熱温度が65℃〜100℃の範囲であり、かつ加熱時間が30分〜100時間の範囲であることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の顔料分散液。
  5. 前記分散液が、さらに水溶性有機溶剤を含んでなることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の顔料分散液。
  6. 前記水溶性有機溶剤が、一価アルコール類、多価アルコール類、糖類、グリコールエーテル類、1,2−アルキルジオール類からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする、請求項5に記載の顔料分散液。
  7. 水性インク組成物に用いられる顔料分散液の製造方法であって、
    顔料と、該顔料を被覆して水中に分散可能とする水不溶性ポリマーと、湿潤剤とを少なくとも含んでなる分散液を加熱する加熱処理工程を含み、
    前記加熱処理工程において、前記湿潤剤の含量が総量で前記分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることを特徴とする、顔料分散液の製造方法。
  8. 前記加熱処理工程が、前記顔料を前記水不溶性ポリマーで被覆した分散体と、湿潤剤と、水とを少なくとも含んでなる分散液を加熱する加熱処理工程であって、
    前記加熱処理工程において、前記湿潤剤の含量が総量で前記分散液全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲であることを特徴とする請求項7記載の顔料分散液の製造方法。
  9. 前記湿潤剤が、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、シロキサン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、樹脂溶剤、下記式(I)で表わされるグリセリンエーテル化合物、アミド化合物、イミダゾール誘導体、アジン化合物、アゾール化合物、アミジン誘導体、ヒドロキシピリジン誘導体、プリン誘導体、およびヒドロキシ環状アミン化合物からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の顔料分散液の製造方法。
    Figure 2009235387

    (式中、Rは炭素数1〜20の二重結合、三重結合あるいは置換基を有していても良い直鎖状、分岐状あるいは環状アルキル基、若しくは置換基を有していても良いアリール基を示す。Xは水素原子、水酸基あるいは炭素数1〜5の直鎖状あるいは分岐状アルコキシ基を示す。)
  10. 前記加熱処理工程において、加熱温度が65℃〜100℃の範囲であり、かつ加熱時間が30分〜100時間の範囲であることを特徴とする、請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の顔料分散液の製造方法。
  11. 前記分散液が、さらに水溶性有機溶剤を含むことを特徴とする、請求項7乃至請求項10のいずれか一項に記載の顔料分散液の製造方法。
  12. 前記水溶性有機溶剤が、一価アルコール類、多価アルコール類、糖類、グリコールエーテル類および1,2−アルキルジオール類からなる群から選ばれる一種類以上であることを特徴とする、請求項11に記載の顔料分散液の製造方法。
  13. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載された顔料分散液、または請求項7乃至請求項12のいずれか一項に記載された顔料分散液の製造方法によって得られる顔料分散液を含んでなることを特徴とする、水性インク組成物。
  14. 一価アルコール類、グリコールエーテル類及び1,2−アルキルジオール類からなる群から選ばれる一種以上の浸透剤を含んでなることを特徴とする、請求項13に記載の水性インク組成物。
  15. 多価アルコール類、糖類、ラクタム類及び尿素類からなる群から選ばれる一種以上の保湿剤を含んでなることを特徴とする、請求項13または請求項14に記載の水性インク組成物。
  16. さらにポリマーエマルジョンを含んでなることを特徴とする、請求項13乃至請求項15のいずれか一項に記載の水性インク組成物。
  17. インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印刷を行なうインクジェット記録方法であって、請求項13乃至請求項16のいずれか一項に記載の水性インク組成物を用いることを特徴とする、インクジェット記録方法。
  18. 請求項17に記載のインクジェット記録方法によって記録されたことを特徴とする、記録物。
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