JP2007277329A - 水性インク組成物、これを用いたインクジェット記録方法及び記録物 - Google Patents

水性インク組成物、これを用いたインクジェット記録方法及び記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】分散安定性(保存安定性)と優れた印刷品質(すなわち、濃淡ムラ、滲み、裏抜
け等が少ない)とを両立できる、とりわけ発色性に優れる水性インク組成物を提供する。
【解決手段】着色成分と、樹脂エマルジョンと、水と、を少なくとも含んでなる水性イン
ク組成物であって、前記着色成分が顔料であり、かつその表面に一般式(1)で表される
官能基あるいはその塩の少なくとも一種を直接あるいは間接的に結合するように表面処理
され、分散剤なしに水に分散可能とされた着色成分であり、前記樹脂エマルジョンとして
、水酸基価が50以上、酸価が50以下であり、かつガラス転移温度が30℃以上である
樹脂成分からなるものを用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、分散安定性(保存安定性)と優れた印刷品質とを両立できる、とりわけ発色
性に優れる水性インク組成物に関する。
インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着さ
せて記録を行な行う記録方法である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度、高品位
な画像を高速で記録可能であるという特徴を有する。この方法に用いられるインクに求め
られる特性としては、画像の耐水性や耐光性等の堅牢性が良好であること、不規則なイン
クの流れや付着したインク小滴より大きく広がる現象(以下これを“滲み”とする)が記
録媒体種を問わずに無いこと、不規則な画像濃度のムラ(以下これを“濃淡ムラ”とする
)が記録媒体種を問わずに無いこと、インクが紙の裏側にまで染み通ってしまう現象(以
下これを“裏抜け”とする)が記録媒体種を問わずに無いこと等が挙げられる。このよう
なインクジェット記録方法に使用されるインク組成物としては、水を主成分とし、これに
着色剤及び目詰まり防止等の目的でグリセリン等の保湿剤を含有したものが一般的に使用
されている。
インクジェット記録用水性インクの着色剤として、色剤の彩度の高さ、利用できる色剤
の種類の豊富さ、水への溶解性等の理由から水溶性染料が数多く使用されている。しかし
、染料は耐光性及び耐水性等の諸特性に劣ることがあり、耐水性については、インク吸収
層を有するインクジェット専用記録媒体により改善されているものの、普通紙や再生紙に
ついては未だ充分とは言い難い。
それに対して、顔料は染料に比べて耐光性及び耐水性に優れており、近年、耐光性及び
耐水性を改善する目的でインクジェット記録用インク組成物の着色剤としての利用が検討
されている。ここで、顔料は一般に水には不溶であるため、顔料を水系インク組成物に利
用する場合には、顔料粒子を水に安定分散できるようにあらかじめ調製した後に、インク
組成物とする必要がある。
その手段の一つとして、顔料粒子表面に分散性付与基を物理的あるいは化学的に結合さ
せることによって顔料の分散性を改善し、分散剤なしに水に分散可能なものとした、いわ
ゆる自己分散型の表面処理顔料(以下、「表面処理顔料」ということがある)が提案され
ている。その方法として、特開平10−195360号公報、特開平10−330665
号公報(特許文献1、特許文献2)には、カーボンブラックの表面に直接または他の原子
団を介してカルボキシル基、カルボニル基、スルホン基、ヒドロキシル基等の親水性基を
結合させた自己分散型カーボンブラックが提案されている。また、特開平8−3498号
公報、特開平10−195331号公報、特開平10−237349号公報(特許文献3
、特許文献4、特許文献5)には、カーボンブラックの表面を酸化処理して分散性を改善
することが提案されている。さらに、特開平8−283596号公報、特開平10−11
0110号公報、特開平10−110111号公報(特許文献6、特許文献7、特許文献
8)には、有機顔料の表面にスルホン基を導入した表面処理顔料が提案されている。また
、これら表面処理顔料を用いた水性インクとして、特開平10−110129号公報(特
許文献9)には、活性プロトンを有さない溶剤中に分散させた有機顔料をスルホン化剤で
処理して得られる“スルホン化表面処理有機顔料”を含むインクジェット用インクが記載
されている。
ところで、このような水系顔料インクにおいて、濃淡ムラ、滲み、裏抜け等を改善する
ために、インクに樹脂エマルジョンを添加することが提案されている。これは、インクに
樹脂エマルジョンを添加することによって、記録媒体の紙繊維間を樹脂で埋めて、紙の表
面に顔料が留まるようにして滲みや裏抜け等を改善するものである。このような樹脂とし
て、例えば、特開2003−41169号公報(特許文献10)等には、カルボキシル基
含有ポリエステル樹脂中のカルボキシル基の一部を塩基性化合物で中和したポリエステル
樹脂を用いることが提案されている。これは、樹脂成分中の酸基を塩基性化合物で中和す
ることにより、遊離基として水中に安定的に分散することができるものである。また、特
開2004−197104号公報(特許文献11)等には、ポリオールとポリイソシアネ
ートとポリアミンを反応させたウレタン樹脂からなる微粒子を添加剤として用いることが
提案されている。さらに、特開2002−88285号公報(特許文献12)等には、酸
価30〜300のスチレンーアクリル系樹脂をエマルジョン形態で分散させたインク組成
物が提案されている。
特開平10−195360号公報 特開平10−330665号公報 特開平8−3498号公報 特開平10−195331号公報 特開平10−237349号公報 特開平8−283596号公報 特開平10−110110号公報 特開平10−110111号公報 特開平10−110129号公報 特開2003−41169号公報 特開2004−197104号公報 特開2002−88285号公報
しかしながら、従来提案されている樹脂エマルジョン等を用いた場合、インクの使用環
境下によっては、増粒、増粘、または凝集物が発生するという不具合があった。その主な
要因としては、樹脂エマルジョン等に含まれている酸基の中和率にあり、長期間あるいは
高温環境下に放置した際に中和率が変化して、顔料や樹脂エマルジョン等の分散物の分散
環境が変化することによることが、特開2005−369029号公報に示されている。
そのため、この文献では、インク中に添加する塩基性化合物量を、樹脂中に含まれる酸基
が全部中和された時の量に対して80〜200%の範囲とすることで、このような不具合
を抑制できるものとしている。しかし、本発明者が詳細に検討した結果、ただ単にインク
中の塩基性化合物量を制御するだけでは、上記不具合が完全に改善できないことを確認し
た。そして、この点に関して種々検討した結果、酸価および水酸基価が所定の範囲にある
特定のガラス転移温度を有する樹脂エマルジョンを使用することにより、分散安定性(保
存安定性)を保持しつつさらに濃淡ムラ、滲み、裏抜け等が改善できるインク組成物が得
られる、との知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
したがって、本発明の目的は、分散安定性(保存安定性)と優れた印刷品質(すなわち
、濃淡ムラ、滲み、裏抜け等が少ない)とを両立できる、とりわけ発色性に優れる水性イ
ンク組成物を提供することにある。
本発明による水性インク組成物は、着色成分と、樹脂エマルジョンと、水と、を少なく
とも含んでなる水性インク組成物であって、前記着色成分が顔料であり、かつその表面に
下記式(一般式(1)):
Figure 2007277329
で表される官能基あるいはその塩の少なくとも一種を直接あるいは間接的に結合するよ
うに表面処理され、分散剤なしに水に分散可能とされた着色成分であり、前記樹脂エマル
ジョンが、水酸基価が50以上、酸価が50以下であり、かつガラス転移温度が30℃以
上である樹脂成分からなるものである。
本発明によれば、分散安定性(保存安定性)と優れた印刷品質(すなわち、濃淡ムラ、
滲み、裏抜け等が少ない)とを両立できる、とりわけ発色性に優れる水性インク組成物が
実現できる。
本発明による水性インク組成物は、着色成分と、特定の樹脂エマルジョンと、水とを必
須成分とするものである。ここで、樹脂エマルジョンとは、連続相である水と分散相であ
る樹脂成分(特に、熱可塑性樹脂成分)とからなるものである。以下、本発明による水性
インク組成物の構成成分について説明する。
<樹脂エマルジョン>
樹脂エマルジョンは、着色成分(表面処理顔料)が記録媒体中に染みこむことを抑制し
、その結果インクの発色性を向上させるとともに、インクの乾燥に伴い、樹脂エマルジョ
ンと着色成分とが互いに接着して着色成分を記録媒体に固着させるため、記録物の画像部
分の定着性を向上させる作用を持つ。
本発明による水性インク組成物に使用する樹脂エマルジョンは、水酸基価が50以上で
あり、かつ酸価が50以下である樹脂成分を含み、ガラス転移温度(以下、Tgともいう
)が30℃以上である。このような樹脂エマルジョンを使用することにより、滲み、濃淡
ムラ、裏抜け等のない記録物が得られるとともに、水性インク組成物の長期間あるいは高
温下での保存安定性が飛躍的に向上する。とりわけ、インクを高温環境下に放置した場合
であっても、粘度変化が極めて少なく、粒径変化等が大幅に低減できる。この理由は定か
ではないが以下のように考えられる。
本発明者は、普通紙や再生紙等の記録媒体において、滲み、濃淡ムラ、裏抜け等を抑制
するには、Tgが室温以上(概ね30℃以上)の樹脂成分からなる樹脂エマルジョンを使
用する必要があることを見出すとともに、このようなTgを有する樹脂エマルジョンを用
いると、インクの増粒・増粘・沈降物発生等の不具合が多発することを見出した。この理
由は、Tgが室温(概ね30℃)以上の樹脂エマルジョンにおいては、長期間あるいは室
温以上の温度環境下に放置すると、樹脂エマルジョン内部に残存する未中和の酸基が分子
運動によって樹脂エマルジョン粒子表面に現れて、その酸基自身がインク中の塩基性化合
物により中和されることで、結果的にインクのpHを酸性側にシフトさせてしまうことに
よるものと考えられる。そのような不具合を改善するために、従来技術では樹脂エマルジ
ョンを構成する樹脂成分の構造変更、特に酸価の低減化等による検討や、インク中の塩基
性化合物量の制御による検討等が種々なされてきた。しかし、酸価が低い樹脂成分を用い
た場合、これからなる樹脂エマルジョン中の親水性基含有量が少なくなるため、元々の分
散安定性に劣り、結果的にインクの増粘、顔料・樹脂固形分等による分散粒子径の増大や
インクのゲル化・析出沈降物が発生していた。また、塩基性化合物量で制御した場合、イ
ンク製造直後では酸基の中和に関与しない過剰の塩基性化合物が存在することとなり、樹
脂エマルジョン等に含まれる樹脂成分が水溶化して遊離し、この遊離樹脂成分によってイ
ンクの増粘、顔料・樹脂固形分等による分散粒子径の増大やインクのゲル化・析出沈降物
が発生していた。特に、長期間あるいは高温環境下で保存した場合に、このような不具合
が顕著に発生していた。
これに対し、樹脂エマルジョンを構成する樹脂成分中に親水性基として水酸基を一定量
以上含ませることで、これら不具合が発生しないことを見出し、本発明を完成するに至っ
た。樹脂成分中に水酸基を含ませることで上記のような不具合が発生しない理由は定かで
はないが、以下のように考えられる。すなわち、水酸基は、それ自身が解離せずに水に対
して親和性を有するため、酸基のように中和する必要がない。そのため、本発明において
は、所定量の水酸基、詳細には水酸基価で50以上含む樹脂成分からなる樹脂エマルジョ
ンとすることにより、酸基の量が酸価として50以下と少なくても、樹脂エマルジョン自
身の分散安定性が良好となるとともに、長期間あるいは室温以上の温度に放置した場合で
あっても、インクのpHを変化させることがなく、結果として、粘度変化や粒径変化等の
保存安定性が飛躍的に向上するものと考えられる。
上述したように、本発明においては、酸価が50以下、水酸基価が50以上の樹脂エマ
ルジョンを使用することにより、樹脂エマルジョン自身の分散安定性を確保でき、結果的
にこれを添加したインクを長期間あるいは高温に放置した場合であっても、増粘・増粒・
沈降物発生等を抑制できる。酸価が50より大きくなると、樹脂エマルジョン内部に未中
和基となっている酸基の量が多くなり、インクを長期間あるいは高温に放置した場合、酸
基が樹脂エマルジョン表面に現れてインクのpHが酸性側になり、その結果、増粘・増粒
・沈降物発生等の弊害が生じる場合がある。また、樹脂成分自体が水に溶けやすくなって
しまい、インク中に遊離したこれら樹脂成分の影響により記録画像に滲み・濃淡ムラ・裏
抜け等が発生しやすくなる。
本発明においては、樹脂エマルジョンを構成する樹脂成分の酸価は、水性インク組成物
における分散安定性(保存安定性)の観点から50以下が必須であるが、好ましくは5〜
40の範囲、より好ましくは8〜30の範囲である。
なお、樹脂エマルジョンのTgは、示差走査熱量計により測定することができる。
本発明において使用できる樹脂エマルジョンを構成する樹脂成分としては、アクリル系
樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリルアミド系樹脂、エ
ポキシ系樹脂等が挙げられ、またこれらの樹脂の混合系を用いてもよい。これらの樹脂成
分の中でより好ましくは、スチレン−アクリル酸系共重合体、スチレン−アクリル酸−ア
クリル酸アルキルエステル系共重合体、スチレン−マレイン酸系共重合体、スチレン−マ
レイン酸−アクリル酸アルキルエステル系共重合体、スチレン−メタクリル酸系共重合体
、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル系共重合体、スチレン−アクリ
ル酸−メタクリル酸アルキルエステル系共重合体、スチレン−マレイン酸−ハーフエステ
ル系共重合体等が挙げられる。
これらの樹脂成分は、その構造として疎水性部分と親水性部分とを併せ持つことが必須
である。ここで、疎水性部分とは、アルキル基、シクロアルキル基、芳香環、あるいは未
中和基を有する繰り返し単位を示す。未中和基とは、中和剤により中和され得る基であり
、酸基、アルカリ性基を挙げることができる。未中和基としては、具体的にはカルボン酸
基、スルホン酸基等が挙げられる。
また親水性部分としては、中和基を有する繰り返し単位、水酸基を有する繰り返し単位
が含まれる。ここで、中和基とは、未中和基が中和された基であり、イオン基であること
が好ましい。未中和基及び中和基は、アニオン性基であることが好ましく、特に、未中和
基がカルボン酸基、中和基がカルボン酸アニオン基(カルボン酸塩の基)である場合を好
適に例示できる。カルボン酸塩としては、カルボン酸リチウム塩、カルボン酸ナトリウム
塩、カルボン酸カリウム塩、カルボン酸アンモニウム塩等を挙げることができる。
樹脂エマルジョンを構成する樹脂成分が上述の構造を持つことで、疎水性部分は樹脂エ
マルジョンの内部に存在して水から隔離され、その表面に親水性部分が存在することで水
になじむことができるため、水中で安定的に分散する樹脂エマルジョンとなることができ
る。また、記録媒体上に付着した際、樹脂エマルジョン同士あるいは樹脂エマルジョンが
着色成分(表面処理顔料)に接着・皮膜化することで、疎水性部分が皮膜表面を覆うこと
が出来る。この皮膜は水に不溶で再分散せず、また着色成分と共に記録媒体上に強固に固
着するため、画像の定着性・耐水性が良好である。
このような樹脂エマルジョンは、種々の特性を満足するように合成して用いることもで
きる。アニオン性基を有するモノマーとしては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基
、ホスホン基からなる群から選ばれる1個以上のアニオン性基を有するアクリルモノマー
が挙げられ、これらの中でもカルボキシル基を有するアクリルモノマーが特に好ましい。
カルボキシキル基を有するアクリルモノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イ
タコン酸、フマール酸、マレイン酸などが挙げられる。これらの中でもアクリル酸または
メタクリル酸、マレイン酸が好ましい。
スルホン酸基を有するアクリルモノマーの具体例としては、スルホエチルメタクリレー
ト、ブチルアクリルアミドスルホン酸等が挙げられる。
ホスホン基を有するアクリルモノマーの具体例としては、ホスホエチルメタクリレート
等が挙げられる。
アニオン性基含有アクリルモノマーと共重合し得る他のモノマーの具体例としては、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−プロピ
ル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−プロピ
ル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、
メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ベンジル等のよう
な(メタ)アクリル酸エステル;ステアリン酸とグリシジルメタクリレートの付加反応物
等のような油脂肪酸とオキシラン構造を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとの
付加反応物;炭素原子数3以上のアルキル基を含むオキシラン化合物と(メタ)アクリル
酸との付加反応物;スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等のようなスチレン系モノ
マー;イタコン酸ベンジル等のようなイタコン酸エステル;マレイン酸ジメチル等のよう
なマレイン酸エステル;フマール酸ジメチル等のようなフマール酸エステル;アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸イソ
ボルニル、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸アミノプロピル、アクリル酸メチルアミ
ノエチル、アクリル酸メチルアミノプロピル、アクリル酸エチルアミノエチル、アクリル
酸エチルアミノプロピル、アクリル酸アミノエチルアミド、アクリル酸アミノプロピルア
ミド、アクリル酸メチルアミノエチルアミド、アクリル酸メチルアミノプロピルアミド、
アクリル酸エチルアミノエチルアミド、アクリル酸エチルアミノプロピルアミド、メタク
リル酸アミド、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸
メチルアミノエチル、メタクリル酸メチルアミノプロピル、メタクリル酸エチルアミノエ
チル、メタクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸アミノエチルアミド、メタクリ
ル酸アミノプロピルアミド、メタクリル酸メチルアミノエチルアミド、メタクリル酸メチ
ルアミノプロピルアミド、メタクリル酸エチルアミノエチルアミド、メタクリル酸エチル
アミノプロピルアミド、アクリル酸ヒドロキシメチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル
酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、N−メチロールア
クリルアミド、アリルアルコール等が挙げられる。
水酸基を樹脂成分中に含ませるモノマーとしては、例えば、メチルα−(ヒドロキシメ
チル)アクリレート、エチルα−(ヒドロキシメチル)アクリレート、n−ブチルα−(
ヒドロキシメチル)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1,4−シク
ロヘキサンジメタノールモノアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等が挙げ
られる。また、酢酸ビニル等のモノマーを用いて樹脂成分を合成した後、アルカリ剤によ
りケン化させることで水酸基を樹脂成分中に含ませることもできる。
これらの樹脂成分からなる樹脂エマルジョンは、本発明の水性インク組成物において一
種類あるいは複数種用いることができるが、それを構成する樹脂成分のTgが30℃以上
であることが必須である。その理由は、樹脂のTgが30℃以上である樹脂エマルジョン
を含むことにより、着色成分(表面処理顔料)が多く記録媒体表面に存在することができ
、その結果発色性が高くなる効果があるためである。
また、これら樹脂エマルジョンの添加量は定着性・発色性等を考慮して適宜決定してよ
いが、水性インク組成物中に固形分で0.1重量%〜20重量%の範囲が好ましい。樹脂
エマルジョンの添加量が0.1重量%未満であると、画像の発色性に乏しい場合がある。
反対に20重量%より多くなると、インク粘度が高くなってインクジェット記録方式用イ
ンクとして不向きとなる、インク中の固形分濃度が高くなるためヘッドノズルの目詰まり
が発生しやすくなる等の不具合がある。
<着色成分>
本発明の水性インク組成物には、着色成分として、官能基またはその塩を表面に有する
表面処理顔料を用いる。以下に、該表面処理顔料に用いられる顔料について詳細に説明す
る。
(顔料)
本発明の水性インク組成物に用いられる顔料としては、カーボンブラック、有機顔料を
好適に用いることができるが、特に以下に述べる顔料を用いると、記録媒体種によらずに
色再現性の良好な画像が得られるので好ましい。
本発明で好ましいカーボンブラックの具体例としては、No.2300、900、MC
F88、No.20B、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、M
A8、MA100、No.2200B等(以上全て商品名、三菱化学株式会社製)、カラ
ーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S
170、プリテックス35、U、V、140U、スペシャルブラック6、5、4A、4、
250等(以上全て商品名、デグサ社製)、コンダクテックスSC、ラーベン1255、
5750、5250、5000、3500、1255、700等(以上全て商品名、コロ
ンビアカーボン社製)、リガール400R、330R、660R、モグルL、モナーク7
00、800、880、900、1000、1100、1300、1400、エルフテッ
クス12等(以上全て商品名、キャボット社製)が挙げられる。なお、これらは本発明に
好適なカーボンブラックの一例の記載であり、これらによって本発明が限定されるもので
は無い。これらのカーボンブラックは一種または二種以上の混合物として用いてよい。ま
た、これらの顔料は水性インク組成物全量に対して0.5重量%〜15重量%、好ましく
は1重量%〜10重量%の添加が好ましい。
本発明で好ましい有機顔料としては、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料
、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンス
ロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピ
ロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チ
オインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系
顔料またはアゾ系顔料等が挙げられる。
本発明による水性インク組成物に用いられる有機顔料の具体例としては下記のものが挙
げられる。
シアンインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3
、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:34、15:6、16、17
:1、18、19、21、22、25、56、60、64、65、66等、C.I.バッ
トブルー4、60等が挙げられ、好ましくは、C.I.ピグメントブルー15:3、15
:4、及び60からなる群から選択される一種または二種以上の混合物である。また、こ
れらの顔料はシアンインク組成物に対して0.5重量%〜15重量%程度、好ましくは1
重量%〜10重量%程度含有してなる。
マゼンタインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、
3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19
、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)
、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、144、146、
149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、
179、184、185、187、188、189、190、194、202、209、
214、216、219、220、224、242、245等、C.I.ピグメントバイ
オレット19、23、31、32、33、36、38、43、50等が挙げられ、好まし
くはC.I.ピグメントレッド122、202、及び209、C.I.ピグメントバイオ
レット19からなる群から選択される一種または二種以上の混合物である。また、これら
の顔料はマゼンタインク組成物に対して0.5重量%〜15重量%程度、好ましくは1重
量%〜10重量%程度含有してなる。
イエローインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2
、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、55、61
、61:1、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、9
9、100、108、109、110、113、114、117、119、120、12
3、124、128、129、133、138、139、147、150、151、15
3、154、155、156、167、168、172、173、180、185等が挙
げられ、好ましくはC.I.ピグメントイエロー74、109、110、128、138
、及び180からなる群から選択される一種または二種以上の混合物である。また、これ
らの顔料はイエローインク組成物に対して0.5重量%〜15重量%程度、好ましくは1
重量%〜10重量%程度含有してなる。
オレンジインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ1、2
、5、7、13、14、15、16、24、31、34、36、38、40、42、43
、51、60、62、63等が挙げられ、好ましくはC.I.ピグメントオレンジ36も
しくは43またはこれらの混合物である。また、これらの顔料はオレンジインク組成物に
対して0.5重量%〜15重量%程度、好ましくは1重量%〜10重量%程度含有してな
る。
グリーンインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7、1
0、36、37、47等が挙げられ、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7もしくは
36またはこれらの混合物である。また、これらの顔料はグリーンインク組成物に対して
0.5重量%〜15重量%程度、好ましくは1重量%〜10重量%程度含有してなる。
(表面処理顔料)
上述した顔料を含む着色成分として、本発明の水性インク組成物では、その表面に下記
の式(一般式(1))で表わされる官能基またはその塩の少なくとも一種を直接または間
接的に結合するように表面処理され分散剤なしに水に分散可能なものとされたものである
、表面処理顔料を含んでなる。
Figure 2007277329
一つの顔料粒子に結合している官能基またはその塩は単一でも複数種であってもよい。
結合している官能基またはその塩の種類及びその程度は、水性インク組成物中での分散安
定性、色濃度、及びインクジェットヘッド前面での乾燥性等を考慮しながら適宜決定され
てよい。また本発明の水性インク組成物に含まれる表面処理顔料においては、前記の官能
基またはその塩が、少なくとも粒子表面上に存在すればよく、粒子内部に含まれていても
よい。
前記官能基またはその塩を顔料粒子の表面に直接または間接的に結合させる表面処理手
段としては、種々の公知の表面処理手段を適用することができる。
例えば、市販の酸化カーボンブラックにオゾンや次亜塩素酸ソーダ溶液を作用し、カー
ボンブラックをさらに酸化処理してその表面をより親水化処理する手段(例えば、特開平
7−258578号公報、特開平8−3498号公報、特開平10−120958号公報
、特開平10−195331号公報、特開平10−237349号公報)、カーボンブラ
ックを3−アミノ−N−アルキル置換ピリジウムブロマイドで処理する手段(例えば、特
開平10−195360号公報、特開平10−330665号公報)、有機顔料が不溶ま
たは難溶である溶剤中に有機顔料を分散させ、スルホン化剤により顔料粒子表面にスルホ
ン基を導入する手段(例えば、特開平8−283596号公報、特開平10−11011
0号公報、特開平10−110111号公報)、三酸化硫黄と錯体を形成する塩基性溶剤
中に有機顔料を分散させ、三酸化硫黄を添加することにより有機顔料の表面を処理し、ス
ルホン基又はスルホンアミノ基を導入する手段(例えば、特開平10−110114号公
報)、アゾカップリング反応によりカーボンブラックに結合させたフェニレン基を介する
ことで、水可溶化官能基とポリマーを顔料表面に導入する方法(例えば、特開2000−
53902号公報)等が挙げられるが、本発明の水性インク組成物で用いられる表面処理
顔料のための作製手段はこれらの手段に限定されるものではない。
また、本発明の水性インク組成物に用いられる表面処理顔料は、高分子物質を顔料粒子
の表面に、直接または間接的に導入(化学結合)することができる。高分子物質の顔料表
面への導入は、アシル化反応あるいはエステル基の求核置換反応等によって実現される。
このような高分子物質の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール、及びそれらの同属体(アルキル基の炭素数が1
〜10のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリ
コールのモノアルキルエーテル類またはモノアリールエーテル類、メトキシポリエチレン
グリコールのアミン類、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールとポリ酢酸ビニル
のコポリマー等)を挙げることができる。これらの高分子物質は、少なくとも一つのアミ
ノ基あるいはヒドロキシル基を末端に有することが望ましい。
本発明の水性インク組成物における、上記の表面処理顔料の粒径は、分散安定性の観点
から最大粒径で500nm以下が好ましく、より好ましくは300nm以下、さらに好ま
しくは平均粒径で10nm〜150nmの範囲である。
以上述べたような前記の官能基またはその塩を表面に有する表面処理顔料を着色成分と
して用いることによって、保存安定性に優れたインクジェット記録方式に好適な水性イン
ク組成物とすることができる。また、前述の着色成分を筆記具用インクにも好適に用いる
ことができる。
<浸透剤>
本発明による水性インク組成物は、浸透剤をさらに含んでなることが好ましい。浸透剤
は、記録媒体へのインク浸透性を速めるための添加剤であり、所望のインク乾燥時間によ
り適宜選択される。
浸透剤の一例としては、水性インク組成物の表面張力を下げる作用を持つものとして、
多価アルコールのグリコールモノエーテル誘導体、あるいは1,2−アルキルジオール類
から選択することが好ましい。
多価アルコールのグリコールモノエーテル誘導体としては、特にアルキルの炭素数は3
以上の多価アルコールの誘導体が好ましい。具体的には、エチレングリコールモノブチル
エーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ
−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、
エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−
1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレン
グリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピル
エーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル等が挙げられる。多価アルコールのグ
リコールモノエーテル誘導体の添加量は、水性インク組成物全量に対して15重量%以下
の範囲で添加することが好ましい。
1,2−アルキルジオール類としては、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサン
ジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール等の炭素数が4〜8の1,2−アルキル
ジオールが好ましい。この中で、炭素数6〜8の1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘ
プタンジオール、1,2−オクタンジオールは、記録媒体への浸透性が強く、特に好まし
い。これら1,2−アルキルジオールの添加量は、水性インク組成物全量に対して5重量
%以下の範囲で添加することが好ましい。
また、浸透剤の別の例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、
iso−プロピルアルコール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、n−ブタノール、
2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、2−メチル−1−ブタノ
ール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、n−ペンタノール、
2−ペンタノール、3−ペンタノール、tert−ペンタノール等の水可溶性の一価アル
コール類が挙げられる。これら一価アルコールの添加量は水性インク組成物全量に対して
10重量%以下の範囲が好ましい。
また、浸透剤の他の例としては、アセチレングリコール系界面活性剤あるいはアセチレ
ンアルコール系界面活性剤が挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤・アセチレ
ンアルコール系界面活性剤は、他の界面活性剤と比較して起泡性が少ない、あるいは無い
特性を持つため、本発明の水性インク組成物の添加剤として好ましい。
本発明において好ましいアセチレングリコール系界面活性剤あるいはアセチレンアルコ
ール系界面活性剤の具体例としては、サーフィノール104、104E、104H、10
4A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、
440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT
121、CT131、CT136、TG、GA(以上全て商品名、Air Produc
ts and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、S
TG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003
、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−10
3、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業
株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、
川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。これらアセチレングリコール系界面
活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤の添加量は、所望のインク浸透時間で適宜決
定されてよいが、水性インク組成物全量に対して10重量%以下が好ましい。
また、浸透剤の他の例としては、下記式(一般式(2))で表されるグリセリンエーテ
ル化合物が挙げられる。
Figure 2007277329
上記構造のグリセリンエーテル化合物を含むと、普通紙・再生紙等に印刷した際にさら
に滲み・濃淡ムラ・裏抜けが少なく画像濃度の高い鮮明な画像を示す、インクジェット記
録用インクとして好適な水性インク組成物が実現できる。また、このグリセリンエーテル
化合物は、浸透成分としても優れた特性を持ち、これらを含む水性インク組成物は記録媒
体種によらずに濡れ性・浸透速度が向上し、浸透性・乾燥性に優れるという特性をも示す
以上述べたグリセリンエーテル化合物は、上記式の構造を持つものであればどのような
ものでも用いることができるが、その中でも特に、3−メトキシ−1,2−プロパンジオ
ール、3−エトキシ−1,2−プロパンジオール、3−アリロキシ−1,2−プロパンジ
オール、3−(オクタデシロキシ)−1,2−プロパンジオール、モノオレイン、1,2
−ジヒドロキシ−3−(2−メトキシフェノキシ)プロパン、3−フェノキシ−1,2−
プロパンジオールからなる群から選ばれていることが好ましい。この群から選ばれる化合
物は、他のグリセリンエーテル化合物と比較して上述した特性に優れているため、本発明
の水性インク組成物に特に好適に用いることができる。
これらグリセリンエーテル化合物の添加量は、所望の効果が発現できるように適宜決定
されてよいが、水性インク組成物全量に対して10重量%以下が好ましい。この範囲であ
れば、インク粘度をインクジェット記録方式にて適正な粘度範囲に調整することができ、
所望の特性を発現することができる。
これらの浸透剤は上に列記したものを一種類で用いても良く、あるいは二種類以上を混
合して用いることもできる。特に、異なる構造の浸透剤を複数種併用した場合、異なる浸
透性・発色性を示す種々の記録媒体種に対して同じ様な画質を得ることができ、記録媒体
種対応性の観点から好ましい。
なお、乾燥時間が比較的長い水性インク組成物の場合は、以下に述べる保湿剤の中で水
溶液の表面張力が比較的小さくなるものを浸透剤の代用として用いることもでき、この場
合は上述の浸透剤を加えずに水性インク組成物とする事もできる。
<保湿剤>
本発明による水性インク組成物は、さらに保湿剤を含んでなることが好ましい。保湿剤
は水性インク組成物の乾燥を抑制するために添加するものであり、プリンタヘッドノズル
先端の乾燥による水分蒸発を抑制して、水性インク組成物の凝集・固化を防止する作用を
持つものである。
保湿剤は、水溶性で吸湿性の高い材料から選ばれ、グリセリン、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、2,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1
,3−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の
ポリオール類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のラクタム類、1,3−
ジメチルイミダゾリジノン類等の尿素類、を用いることができる。
さらに、上述の材料の能力を補助する目的で、水溶性の固体保湿剤を併用、添加するこ
とも可能である。詳しくは、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2
,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ
ール等のジオール類、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等、ε−カプロラ
クタム等のラクタム類、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等の尿素誘導体、グルコース、マ
ンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルド
ン酸、グルシトール(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロー
ス、トレハロース、マルトトリオース等の単糖類、二糖類、オリゴ糖類及び多糖類及びこ
れらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖、酸化糖、アミノ酸、チオ糖等が挙
げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビット等が
挙げられる。
これらの保湿剤の添加量は、単独あるいは複数混合して、水性インク組成物全量に対し
て40重量%以下が好ましい。これらの保湿剤は、他のインク添加剤と合わせてインク粘
度が25℃で25cPs以下になる添加量で加えることができる。
<水、その他の成分>
水は、本発明の水性インク組成物の中心となる媒体であり、好ましい水は、イオン性の
不純物を極力低減することを目的として、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水
等の純水、又は超純水を用いることができる。
また、紫外線照射、又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、水性インク組
成物を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好適であ
る。
本発明の水性インク組成物は、以上述べた着色成分(官能基またはその塩を表面に有す
る表面処理顔料)、水酸基価が50以上、酸価が50以下でかつガラス転移温度(Tg)
が30℃以上の樹脂成分からなる樹脂エマルジョン、及び水を必須成分としており、好ま
しくはさらに保湿剤、浸透剤を含んでなる。このような成分で構成されていればインクの
保存安定性・吐出安定性は良好であり、普通紙・再生紙においては滲み・濃淡ムラ・裏抜
けが少なく画像濃度の高い画像が得られるが、必要に応じて、以下に示す成分をさらに含
むことにより、種々の特性をさらに向上させることができる。以下、その成分について説
明する。
必要に応じて加える添加物としては、酸化防止剤・紫外線吸収剤、防腐剤・防かび剤、
界面活性剤等が挙げられる。
酸化防止剤・紫外線吸収剤としては、アロハネート、メチルアロハネート等のアロハネ
ート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレット等のビウレット類等
、L−アスコルビン酸及びその塩等、チバガイギー社製のTinuvin328、900
、1130、384、292、123、144、622、770、292、Irgaco
r252、153、Irganox1010、1076、1035、MD1024等、あ
るいはランタニドの酸化物等が用いられる。
防腐剤・防かび剤としては、例えば安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナト
リウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デ
ヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン等の中から選ぶことが
できる。
界面活性剤は、記録媒体へのインク浸透性をさらに速めるための添加剤であり、好適な
材料として、脂肪酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル等のノニオン性界
面活性剤、アセチレングリコール系ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両イ
オン性界面活性剤、シリコン系界面活性剤、燐系界面活性剤、硼素系界面活性剤等を必要
に応じて用いることができる。
シリコン系界面活性剤として、BYK−307、BYK−331、BYK−333、B
YK−348(以上全て商品名、ビックケミー株式会社製)等を挙げることができる。
本発明の水性インク組成物は、保存安定性(粒径変化、粘度変化等)・分散安定性を確
保する観点、及びインクジェット記録装置において水性インク組成物の流路に用いられて
いる場合のある金属部品の腐食防止の観点から、pHは中性又はアルカリ性に調整されて
いることが望ましい。より望ましくは、25℃における水性インク組成物のpHが7.0
〜10.0の範囲である。この範囲を逸脱すると、保存安定性・分散安定性及び腐食の点
で不具合が発生しやすい。
また、本発明の水性インク組成物は、インクジェット記録装置において吐出安定性を確
保する観点から、粘度は25℃において25cPs以下が好ましい。より好ましくは15
cPs以下である。
<水性インク組成物の調製>
次に、本発明の水性インク組成物に用いられる表面処理顔料の製造方法について説明す
る。
(表面処理顔料の製造方法)
[顔料の表面処理方法]
表面処理顔料の製造方法として、まず顔料を表面処理する工程を行う。この工程では、
水系あるいは非水系の溶媒中で、顔料と表面処理剤とを混合することにより、もしくは、
その混合物を加熱することにより、顔料の表面処理(上述した官能基あるいはその塩の導
入)を実施する。表面処理後、得られた反応生成物を水洗、限外濾過、逆浸透、遠心分離
及び/または濾過などを繰り返して、残留未反応物、反応副生成物、残留処理剤等の除去
を実施することにより、表面処理顔料を得ることができる。
なお、表面処理工程において使用する顔料は、上述の官能基あるいはその塩を導入する
前に、あらかじめ粉砕処理をして微粒化してあることが望ましい。顔料の粉砕処理手段と
しては、ジルコニアビーズ、ガラスビーズ、無機塩等の粉砕メディアを使用して、湿式粉
砕あるいは乾式粉砕により行うことができる。粉砕装置としては、アトライター、ボール
ミル、振動ミル等を挙げることができる。粉砕処理後は、顔料の洗浄、限外濾過等により
、粉砕メディアや粉砕装置から発生するコンタミ成分を除去することが望ましい。
特に、乾式粉砕と無機塩を組み合わせた粉砕処理方法(ソルトミリング法)は、粉砕メ
ディアより発生するコンタミ成分が水溶性の無機塩であるため、水による洗浄により簡便
に除去することができる。
ここで、本発明の水性インク組成物に用いられる表面処理顔料の製造方法の例として、
スルホン酸基あるいはスルフィン酸基を表面に有する表面処理顔料の製造方法の一例を以
下に挙げて、さらに詳しく説明する。
まず顔料を表面処理する工程では、微細な粒子状もしくは粉状の顔料を、顔料の3〜2
00重量倍量の非プロトン性溶媒(例えば、N−メチル−2−ピロリドンあるいはスルホ
ラン)中に入れ、顔料の整粒処理を行いながら、スルホン化剤で処理する。スルホン化剤
としては、例えば、スルホン化ピリジン塩、スルファミン酸、アミド硫酸、フルオロ硫酸
、クロロ硫酸、三酸化硫黄、発煙硫酸あるいは硫酸等を、単独であるいは2種以上を組み
合わせて用いることができる。スルホン化剤による処理は、加熱(約60〜200℃)下
及び撹拌下で行うことができ、加熱は、スルホン化剤の添加前あるいは添加後に行うこと
ができる。
スルホン化処理の後、得られた顔料スラリーから、非プロトン性溶媒と、残留するスル
ホン化剤とを除去する。除去処理は、水洗、限外濾過、逆浸透、遠心分離、及び/または
、濾過などを繰り返して実施することができる。また、前述の整粒分散処理、及びスルホ
ン化処理において混入したコンタミ成分も、非プロトン性溶媒、及びスルホン化剤と共に
除去される。
本発明の水性インク組成物における表面処理顔料の官能基の導入量は、顔料粒子1g当
たり、好ましくは10×10-6当量以上であり、より好ましくは15×10-6当量以上で
ある。官能基の導入量が、顔料粒子1g当たり5×10-6当量未満であると、分散してい
る顔料粒子の凝集等が発生し、分散液・水性インク組成物の増粘や分散している顔料粒子
の粒径拡大等、顔料分散液や水性インク組成物の保存安定性が低下する場合がある。
前記官能基あるいはその塩の導入量の測定は、例えば官能基がスルホン酸基あるいはス
ルフィン酸基の場合、顔料水性分散体を酸素フラスコ燃焼法で処理し、過酸化水素水溶液
に吸収させた後、イオンクロマトグラフ法で硫酸イオン(2価)を定量し、スルホン酸基
及びスルフィン酸基に換算することによって測定することができる。
また、本発明の水性インク組成物における表面処理顔料粒子のゼータ電位は、顔料濃度
が0.001重量%〜0.01重量%になるように表面処理顔料粒子をイオン交換水で希
釈した希釈液として測定した場合の、20℃、pH8〜pH9における顔料粒子のゼータ
電位の絶対値が30mV以上であることが好ましい。より好ましくは40mV以上であり
、さらにより好ましいゼータ電位の絶対値は50mV以上である。顔料粒子のゼータ電位
の絶対値が20mV以下の場合、分散性付与基の導入量が不充分である場合と同様に、顔
料分散液や水性インク組成物の保存安定性が低下する。
[表面処理顔料の分散液の製造方法]
本発明の水性インク組成物においては、上記の表面処理顔料をそのまま水性インク組成
物に添加することができるが、以下に述べる顔料分散液の形態にして用いた方が扱いやす
いため好ましい。
顔料分散液の製造においては、まず上記した顔料の表面処理工程で得られた表面処理顔
料、あるいは、表面処理顔料のスラリー、ウェットケーキ等を、5〜50重量%程度の顔
料濃度(重量換算)になるように、水系媒体(特にイオン交換水あるいは蒸留水)中に必
要に応じ中和剤等と共に添加する。続いて、攪拌装置または分散装置を用い、適当なせん
断力を与えて、顔料粒子を水系媒体で分散させることにより、表面処理顔料分散液を得る
ことができる。
この分散工程時に、上述した本発明のグリセリンエーテル化合物あるいは浸透剤を若干
量加えて分散することが好ましい。その理由は、これらグリセリンエーテル化合物及び浸
透剤は、顔料粒子が水性媒体になじみ易く(湿潤し易く)する効果を有し、かつ水性媒体
中の顔料粒子同士や顔料と分散メディアとの接触抵抗を大きくして、分散効率を上げる効
果があるためである。その結果として、分散処理工程における装置のせん断条件を緩やか
にでき(装置から顔料分散液に与えるせん断力を低くでき)、また、分散処理に要する時
間を短縮することが可能となる。そうした場合、分散メディアや分散装置起因のコンタミ
成分(特にはSi、Ca、Mg、Fe、Cr、Ni等の多価金属イオン等)の混入が少な
くなるため、顔料分散液やこの顔料分散液を用いた水性インク組成物の分散安定性・保存
安定性が向上するという効果がある。これらグリセリンエーテル化合物及び浸透剤は、分
散工程において少なくとも顔料と混合状態であればよく、顔料への添加時期は、分散工程
前であっても、分散工程の途中であってもかまわない。
分散処理の際に使用できる装置としては、スターラー、ペイントシェーカー、ボールミ
ル、サンドミル、ロールミル、スピードラインミル、ホモミキサー、超音波ホモジナイザ
ー、ナノマイザー、マイクロフルイダイザー等を挙げることができる。
中和剤は、表面処理顔料表面の官能基の塩生成基を解離するために添加するものであり
、上述したpH調整剤等を好適に用いることができる。
上述した顔料の表面処理工程とこの表面処理顔料の分散工程は、連続して実施すること
も可能である。特に、顔料の表面処理を水系溶媒で実施する場合、表面処理工程の反応溶
媒と分散工程の分散媒が同じ水系にできるため、連続した工程を組みやすい。但し、表面
処理工程の残留未反応物、反応副生成物等の除去は、分散工程の前に実施した方が、最終
的により分散安定性に優れる顔料分散液を得やすい。一方、表面処理工程の溶媒が非水系
溶媒である方が、目的物である表面処理顔料から残留未反応物等を分離除去しやすい場合
もある。
以上のようにして得られる着色剤の水性分散液に、樹脂エマルジョン及び水、さらに必
要に応じて前記した浸透剤、保湿剤、その他の成分を添加することによって、水性インク
組成物を好適に製造できる。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上述の水性インク組成物を微細なノズルより液滴
として吐出して、その液滴を記録媒体に付着させる方式であればいかなる方法も使用する
ことができる。その幾つかを説明すると、先ず静電吸引方式があり、この方式はノズルと
ノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印可し、ノズルからインクを液滴状で連続
的に噴射させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記
録する方式、あるいはインク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方
式がある。
第二の方法としては、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機
械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式である。噴射したイン
ク滴は噴射と同時に帯電させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向
電極に与えて記録する。
第三の方法は圧電素子を用いる方式であり、インク液に圧電素子で圧力と印刷情報信号
を同時に加え、インク滴を噴射・記録させる方式である。
第四の方式は熱エネルギーの作用によりインク液を急激に体積膨張させる方式であり、
インク液を印刷情報信号に従って微小電極で加熱発泡させ、インク滴を噴射・記録させる
方式である。
以上の様な種々のインクジェット記録方式の内、特に10m/s以下の比較的低速のイ
ンク吐出速度での印刷方法と本発明の水性インク組成物を組み合わせることで、吐出ノズ
ルへのインク付着を防止して安定にインクジェット記録を行うことができ、好ましい。
また、本発明の記録物は、上記した水性インク組成物をインクジェット記録方法にて印
刷して得られる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例により限
定されるものではない。なお、以下に示す「部」は、特に断りの無い限り「重量部」を意
味する。
<樹脂エマルジョンの調製>
撹拌機、還流冷却装置、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、メチルエチルケト
ン150部を添加し、加熱して液温を80℃に調整しながら窒素ガスで置換し、そのまま
窒素ガスを導入しながら、アクリル酸6部、アクリル酸エチル10部、メタクリル酸メチ
ル20部、スチレン51部、エチルα−(ヒドロキシメチル)アクリレート12部を加え
、よく撹拌混合して80℃に調整した。この撹拌混合物を撹拌しつつ、そこへ2,2’−
アゾビス(2,4−イソメチルバレロニトリル)1部をメチルエチルケトン50部に溶解
させた溶液を全量滴下して加え、液温を80℃に保持しつつ5時間撹拌混合して重合させ
、重合樹脂−メチルエチルケトン溶液を得た。その後、この溶液を徐々に冷却させて室温
にした。
別に用意した撹拌機、還流冷却装置を備えた四つ口フラスコ内に、イオン交換法と逆浸
透法により精製した超純水500部と、重合した樹脂の酸価に相当する水酸化カリウムと
を加え水溶液とした。このフラスコ内の水溶液を撹拌しながら、その中へ上記の重合樹脂
−メチルエチルケトン溶液を徐々に滴下しながら加え、2時間撹拌混合した。得られた撹
拌混合物を減圧下、60℃にてメチルエチルケトンの全量と水の一部を除去し、さらに樹
脂固形分が30重量%となるように調整して、樹脂エマルジョン1の分散液を得た。
また、下記表1に示した組成に変更した以外は、上記樹脂エマルジョン1と同様にして
樹脂エマルジョン2〜10の分散液を作製した。表1中の数値は、特に断りの無い限り重
量部を示す。また、得られた樹脂エマルジョン1〜10について、示差走査熱量計(DS
C6220:セイコーインスツルメンツ株式会社製)によりガラス転移温度を測定した。
樹脂エマルジョンのガラス転移温度(Tg)、酸価、水酸基価は表1に示される通りであ
った。
Figure 2007277329
<表面処理顔料の作製>
本発明の水性インク組成物に用いられる表面処理顔料及びこれを用いた顔料分散液を以
下に示す方法で作製した。以下の記載において、「部」と記載されている場合は、特に断
りの無い限り「重量部」を示す。
(1)表面処理顔料1の作製;カーボンブラック
顔料としてカーボンブラックであるMA−7(商品名、三菱化学株式会社製)15部を
スルホラン200部中に混合し、アイガーモーターミルM250型(商品名、アイガージ
ャパン社製)で、ビーズ充填率70%及び回転数5,000rpmの条件下で1時間分散
し、分散した顔料ペーストと溶剤の混合液をエバポレーターに移し、30mmHg以下に
減圧しながら、120℃に加熱して、系内に含まれる水分をできるだけ留去したのち、1
50℃に温度制御した。
次いで、三酸化硫黄25部を加えて6時間反応させ、反応終了後、過剰なスルホランで
数回洗浄した後に水中に注ぎ濾過することで、スルフィン酸基あるいはスルホン酸基等の
官能基をカーボンブラック表面に直接導入した、表面処理顔料1のスラリーを得た。
(2)表面処理顔料2の作製;C.I.ピグメントブルー15:3
顔料として有機顔料であるフタロシアニンブルー顔料(C.I.ピグメントブルー15
:3)20部をキノリン500部と混合し、アイガーモーターミルM250型(商品名、
アイガージャパン社製)でビーズ充填率70%及び回転数5,000rpmの条件下で2
時間分散し、分散した顔料ペーストと溶剤の混合液をエバポレーターに移し、30mmH
g以下に減圧しながら120℃に加熱し、系内に含まれる水分をできるだけ留去した後、
160℃に温度制御した。次いで、スルホン化ピリジン錯体20部を加えて8時間反応さ
せ、反応終了後に過剰なキノリンで数回洗浄した後に水中に注ぎ、濾過することで、スル
フィン酸基あるいはスルホン酸基等の官能基を有機顔料表面に直接導入した、表面処理顔
料2のスラリーを得た。
(3)表面処理顔料3の作製;C.I.ピグメントレッド122
顔料として有機顔料であるジメチルキナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド12
2)20部をキノリン500部と混合し、アイガーモーターミルM250型(商品名、ア
イガージャパン社製)でビーズ充填率70%及び回転数5,000rpmの条件下で2時
間分散させ、分散終了した顔料ペーストと溶剤の混合液をエバポレーターに移し、30m
mHg以下に減圧しながら、120℃に加熱し系内に含まれる水分をできるだけ留去した
後、160℃に温度制御した。次いで、反応剤としてスルホン化ピリジン錯体20部を加
えて4時間反応させ、反応終了後に過剰なキノリンで数回洗浄してから水中に注ぎ濾過す
ることにより、スルフィン酸基あるいはスルホン酸基等の官能基を有機顔料表面に直接導
入した、表面処理顔料3のスラリーを得た。
(4)表面処理顔料4の作製;C.I.ピグメントイエロー128
顔料として有機顔料である縮合アゾイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー128
)20部をキノリン500部と混合し、アイガーモーターミルM250型(商品名、アイ
ガージャパン社製)でビーズ充填率70%及び回転数5,000rpmの条件下で2時間
整粒分散させ、整粒分散終了した顔料ペーストと溶剤の混合液をエバポレーターに移し、
30mmHg以下に減圧しながら、120℃に加熱し系内に含まれる水分をできるだけ留
去した後、160℃に温度制御した。次いで、反応剤としてスルホン化ピリジン錯体20
部を加えて4時間反応させ、反応終了後に過剰なキノリンで数回洗浄してから水中に注ぎ
、濾過することで、スルフィン酸基あるいはスルホン酸基等の官能基を有機顔料表面に直
接導入した、表面処理顔料4のスラリーを得た。
(5)表面処理顔料5の作製;カーボンブラック
顔料としてカーボンブラックであるFW−18(商品名、デグサ社製)35部を水1,
000部中に混合してボールミルにて粉砕した。この粉砕原液に次亜塩素酸ナトリウム4
00部を加え、90〜110℃で10時間撹拌した。水洗と濾過を繰り返して、カルボン
酸基を直接カーボンブラック表面に導入した表面処理顔料5のスラリーを得た。
(6)表面処理顔料6の作製;C.I.ピグメントグリーン7
顔料として粉砕処理によりあらかじめ微粒化した有機顔料であるフタロシアニングリー
ン顔料(C.I.ピグメントグリーン7)20部をp−アミノベンゼンスルホン酸5部と
混合して70℃に加熱した。この混合物に水80部と亜硝酸ナトリウム2部の水溶液を急
速に加えて顔料スラリーとした。得られたスラリーに塩化水素水溶液をpHが2になるま
で加えて一時間攪拌し、水洗と濾過を繰り返して、顔料表面にフェニル基を介してスルホ
ン酸基を導入した表面処理顔料6のスラリーを得た。
(7)表面処理顔料7の作製;C.I.ピグメントレッド149
顔料として粉砕処理によりあらかじめ微粒化した有機顔料であるペリレンスカーレッド
顔料(C.I.ピグメントレッド149)50部をp−アミノ安息香酸6部と混合した。
この混合物に濃硝酸1.5部、水200部を加えて5℃に冷却し、さらに亜硝酸ナトリウ
ム1.2部と水50部からなる水溶液をゆっくり添加攪拌した。次に、この混合物を70
℃で8時間加熱攪拌して反応させた後、水洗と濾過を繰り返して、顔料スラリーを得た。
上記顔料スラリーに、さらにp−アミノ安息香酸エチル6部、濃硝酸1.5部、亜硝酸
ナトリウム1.2部、水200部を加えて上記と同様に反応させ、水洗と濾過を繰り返す
ことで、顔料表面にフェニル基を介してカルボン酸及びカルボン酸エチル基を導入した表
面処理ペリレンスカーレッド顔料のスラリーを得た。
次いで、ポリエチレングリコール(重量平均分子量:2,000)40部とジアザビシ
クロウンデセン0.3部をエタノール100部に溶かし、上記で合成した表面処理ペリレ
ンスカーレッド顔料をゆっくり添加攪拌した。続いて、混合物のpHを10に調製して2
4時間還流した。
得られた混合物をエタノールによる洗浄、濾過を繰り返して、最終的にフェニル基を介
してカルボン酸とポリエチレンオキシドプロピレンオキシドベンズアミドを導入した表面
処理顔料7を得た。
(8)表面処理顔料8の作製;C.I.ピグメントオレンジ36
顔料として粉砕処理によりあらかじめ微粒化した有機顔料であるベンズイミダゾロンオ
レンジ顔料(C.I.ピグメンオレンジ36)20部をp−アミノ−N−エチルピリジニ
ウムブロマイド62部とを水150部中に混合・分散させ、これに硝酸32部を滴下し、
75℃で5分撹拌した。亜硝酸ナトリウムの水溶液を加え、さらに2時間撹拌した。水洗
と濾過を繰り返して、最終的にフェニル基を介してN−エチルピリジル基を導入した表面
処理顔料8のスラリーを得た。
<顔料分散液の作製>
(1)顔料分散液1
表面処理顔料1(カーボンブラック)20部、中和剤としてトリエタノールアミン3部
、イオン交換水77部とを混合し、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填
率60%;メディア径1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が10
0nmになるまで分散することで、顔料濃度20重量%の顔料分散液1を作製した。
(2)顔料分散液2
表面処理顔料2(C.I.ピグメントブルー15:3)20部、浸透剤であるアセチレ
ングリコール系界面活性剤のサーフィノール465(商品名、Air Products
and Chemicals. Inc.社製)2部、中和剤としてトリエタノールア
ミン4部、イオン交換水74部とを混合し、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビ
ーズ充填率60%、メディア径1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径
)が95nmになるまで分散することで、顔料濃度が20重量%の顔料分散液2を作製し
た。
(3)顔料分散液3
表面処理顔料3(C.I.ピグメントレッド122)20部、浸透剤であるアセチレン
グリコール系界面活性剤のサーフィノール465(商品名、Air Products
and Chemicals. Inc.社製)5部、浸透剤である1,2−ヘキサンジ
オール10部、中和剤としてアンモニア30%水溶液3部、イオン交換水62部とを混合
し、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率60%、メディア径1.7m
m)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100nmになるまで分散すること
で、顔料濃度20重量%の顔料分散液3を作製した。
(4)顔料分散液4
表面処理顔料4(C.I.ピグメントイエロー128)20部、浸透剤であるアセチレ
ングリコール系界面活性剤のサーフィノール104(商品名、Air Products
and Chemicals. Inc.社製)1部、浸透剤であるトリエチレングリ
コールモノブチルエーテル10部、中和剤として水酸化カリウム1部、イオン交換水68
部とを混合し、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率60%、メディア
径1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が130nmになるまで分
散することで、顔料濃度20重量%の顔料分散液4を作製した。
(5)顔料分散液5
表面処理顔料5(カーボンブラック)20部、中和剤として水酸化ナトリウム2部、イ
オン交換水78部とを混合し、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;ビーズ充填率6
0%、メディア径1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子径)が100n
mになるまで分散することで、顔料濃度20重量%の顔料分散液5を作製した。
(6)顔料分散液6
表面処理顔料6(C.I.ピグメントグリーン7)20部、中和剤としてアンモニア3
0%水溶液3部、イオン交換水77部とを混合し、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使
用;ビーズ充填率60%、メディア径1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次
粒子径)が120nmになるまで分散することで、顔料濃度20重量%の分散液6を作製
した。
(7)顔料分散液7
表面処理顔料7(C.I.ピグメントレッド149)20部、中和剤として水酸化ナト
リウム1部、イオン交換水79部とを混合し、ペイントシェーカー(ガラスビーズ使用;
ビーズ充填率60%、メディア径1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二次粒子
径)が90nmになるまで分散することで、顔料濃度20重量%の顔料分散液7を作製し
た。
(8)顔料分散液8
表面処理顔料8(C.I.ピグメントオレンジ36)20部、中和剤としてアンモニア
30%水溶液3部、イオン交換水77部とを混合し、ペイントシェーカー(ガラスビーズ
使用;ビーズ充填率60%、メディア径1.7mm)を使用して、顔料の平均粒子径(二
次粒子径)が90nmになるまで分散することで、顔料濃度20重量%の顔料分散液8を
作製した。
<インク組成物の調製>
上記のようにして得られた樹脂エマルジョンおよび顔料分散液を用い、下記表2に示し
た組成にしたがって、全量が100gとなるように各成分を加え、2時間攪拌した。その
後、孔径約1.2μmのメンブランフィルタ(商品名、日本ミリポア・リミテッド製)に
て濾過して実施例1〜16及び比較例1〜4の水性インク組成物を調製した。
Figure 2007277329
<インクの評価>
(1)保存安定性
実施例1〜16及び比較例1〜4の水性インク組成物を以下の(I)〜(III)の環境下
に放置した。
(I)60℃で1ヶ月放置
(II)凍結した状態で1ヶ月放置
(III)60℃で2週間放置した後、凍結した状態で1週間放置
上記の3種の条件下で放置した後、水性インク組成物の粘度及び粒径について、インク
調製直後と放置後との比較を行った。判定基準は以下の通りとした。
粘度
A:全ての放置条件下で変化幅が±3%未満
B:変化幅が±3%以上、±6%未満となる放置条件がある
C:変化幅が±6%以上、±10%未満となる放置条件がある
D:変化幅が±10%以上となる放置条件がある
粒径
A:全ての放置条件で変化幅が±5%未満
B:変化幅が±5%以上、±10%未満となる放置条件がある
C:変化幅が±10%以上、±20%未満となる放置条件がある
D:変化幅が±20%以上となる放置条件がある
評価結果は、下記の表3に示される通りであった。
(2)吐出安定性
実施例1〜16及び比較例1〜4の水性インク組成物をインクジェットプリンタPX−
V600(セイコーエプソン株式会社製)に搭載した。記録媒体としてA4版のXero
x P(富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)を用い、20〜25℃で40〜6
0%RHの環境下で、文字と塗り潰しとが混在する画像を連続的に印刷した。印刷設定は
、「用紙種類;普通紙、印刷品質;ファイン」とした。得られた印刷物について、印刷画
像中の飛行曲がりや抜け等の不具合の有無を目視にて測定した。判定基準は以下の通りと
した。
A:200枚まで連続印刷しても、飛行曲がり・抜けが発生しない
B:100枚までの連続印刷で、飛行曲がり・抜けが発生しない
C:100枚までの連続印刷で、飛行曲がり・抜けが発生したが10箇所未満である
D:100枚までの連続印刷時に、飛行曲がり・抜けが10箇所以上発生する
評価結果は、下記の表3に示される通りであった。
(3)印刷品質
実施例1〜16及び比較例1〜4の水性インク組成物を上記と同様のインクジェットプ
リンタに搭載した。印刷設定を「用紙種類;普通紙、印刷品質;ファイン」にして、2〜
20ポイントのゴシック文字を1ポイント刻みで印刷した。また、同様の印刷設定で5%
から100%まで5%刻みで塗り潰し密度を変えた画像を印刷した。記録媒体は、普通紙
として、Xerox Premium Multipurpose 4024(Xero
x Corporation社製、以下略号として「Xerox 4024」と記載する
)、Xerox P(富士ゼロックスオフィスサプライ社製)、REYMAT(Auss
edat rey社製)、及びHammermill Copy Plus(Inter
national Paper社製、以下略号として「HCP」と記載する)の4種類を
用い、再生紙としてXerox R(富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)を用
いた。
得られた各印刷物について、文字の滲みによる印刷品質(文字品質)を目視にて観察し
た。また、塗り潰し密度を変えた印刷物について、濃淡ムラや裏抜け状態による印刷品質
(塗り潰し画像品質)を目視にて観察した。評価基準は以下の通りとした。
文字品質
A:全てのポイントの文字において、滲みがわからない
B:5ポイント以下の文字で、わずかに滲みが認められる
C:滲みのため、5ポイント以下の文字が太く見える
D:滲みが著しく、5ポイント以下の文字が判別できない
塗り潰し画像品質
A:全ての塗り潰し画像において、ほとんど濃淡ムラが認められず裏抜けも無い
B:塗り潰し密度100%画像でわずかに濃淡ムラが認められるが、実用上問題無い
レベルであり、裏抜けもほとんど認められない
C:塗り潰し密度80%以上の画像で濃淡ムラ、裏抜けが認められる
D:塗り潰し密度50%以上の画像で濃淡ムラ、裏抜けが認められる
評価結果は、下記の表3に示される通りであった。
Figure 2007277329
表3に示した結果からも明らかなように、実施例1〜16の水性インク組成物は、保存
安定性(粘度変化、粒径変化)が良好であり、インクジェットプリンタにおける吐出安定
性も問題がない。また、印刷品質(文字品質、塗り潰し画像品質)も記録媒体の種類に関
係無く良好であった。
これに対して、本発明による樹脂エマルジョンを添加しなかった比較例1の水性インク
組成物においては、印刷品質(文字品質、塗り潰し画像品質)で滲み・濃淡ムラ・裏抜け
が発生する紙種があった。また、酸価が50を超える樹脂エマルジョン8を添加した比較
例2の水性インク組成物においては、インクの保存安定性(粘度変化、粒径変化)に欠け
、吐出安定性も悪く、かつ印刷品質(文字品質、塗り潰し画像品質)で滲み・濃淡ムラ・
裏抜けが発生する紙種があった。さらに、水酸基価が50より少ない樹脂エマルジョン9
を添加した比較例3の水性インク組成物においては、インクの保存安定性(粘度変化、粒
径変化)、及び吐出安定性に欠け、かつ印刷品質(文字品質、塗り潰し画像品質)で滲み
・濃淡ムラ・裏抜けが発生する紙種があった。また、酸価及び水酸基価は本発明の範囲内
であるがTgが30℃未満である樹脂エマルジョン10を添加した比較例4の水性インク
組成物においては、印刷品質(文字品質、塗り潰し画像品質)で滲み、濃淡ムラ、裏抜け
が発生する紙種があった。

Claims (10)

  1. 着色成分と、樹脂エマルジョンと、水と、を少なくとも含んでなる水性インク組成物で
    あって、
    前記着色成分が顔料であり、かつその表面に下記式:
    Figure 2007277329
    で表される官能基あるいはその塩の少なくとも一種を直接あるいは間接的に結合するよう
    に表面処理され、分散剤なしに水に分散可能とされた着色成分であり、
    前記樹脂エマルジョンが、水酸基価が50以上、酸価が50以下であり、かつガラス転
    移温度が30℃以上である樹脂成分からなる、水性インク組成物。
  2. 前記樹脂成分が、疎水性部分と親水性部分とを併せ持つ構造を有する、請求項1に記載
    の水性インク組成物。
  3. 前記親水性部分が、中和基を有する繰り返し単位、及び水酸基を有する繰り返し単位を
    含んでなる、請求項2に記載の水性インク組成物。
  4. 前記中和基が、カルボン酸アニオン基である、請求項3に記載の水性インク組成物。
  5. 前記樹脂エマルジョンが、インク全体に対して固形分換算で0.1〜20重量%含まれ
    てなる、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の水性インク組成物。
  6. 浸透剤をさらに含んでなる、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の水性インク組
    成物。
  7. 前記浸透剤が、一価のアルコール類、多価アルコールのグリコールモノエーテル誘導体
    、1,2−アルカンジオール類、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコ
    ール系界面活性剤、および、下記式:
    Figure 2007277329
    で表される化合物、からなる群から選択される一種以上を含んでなる、請求項6に記載の
    水性インク組成物。
  8. 前記着色剤が、有機顔料またはカーボンブラックである、請求項1〜請求項7のいずれ
    か一項に記載の水性インク組成物。
  9. インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印刷を行うインクジェッ
    ト記録方法であって、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の水性インク組成物を用
    いる、インクジェット記録方法。
  10. 請求項9に記載のインクジェット記録方法によって記録が行われた、記録物。
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