JP4534118B2 - 水性顔料分散液及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性顔料分散液および水性顔料分散液の製造方法に関し、特にインクジェット記録用水性インクの製造に適した水性顔料分散液の製造方法に関する。また、該製造方法によって製造された水性顔料分散液を用いて製造されるインクジェット記録用水性インク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
環境保全、作業の安全性、安定性の向上などを目的に、昨今になって特に油性インク、油性塗料の水性化への要請が高まっている。一方、印刷画像の耐水性、耐光性向上を目的として、従来の水性インクの着色剤である染料を顔料に転換する要請も高く、各種の画像形成用途のインクを製造するための中間材料として、水性顔料分散液の開発、改良が進められている。
【0003】
水性顔料分散液を製造するにあたっては、顔料を水性媒体中に安定して分散させる必要があり、各種の樹脂が被記録材への定着剤を兼ねて高分子分散剤として使用されている。このような水性顔料分散液としては、水性媒体中へ水溶性樹脂を分散剤として含有させる樹脂溶解型のものと、顔料を樹脂で被覆して、マイクロカプセル化して分散させる樹脂分散型のものに分類される。特に樹脂分散型の水性顔料分散液は、分散液の水分の蒸発に伴う粘度上昇が少ないため、吐出安定性や保存安定性の重要なインクジェット記録用水性インク組成物として優れた特性が期待でき、各種の水性顔料分散液がインクジェット記録用に提案されている。
【0004】
インクジェット記録用水性インク組成物は、このように作製された水性顔料分散液を希釈し、成分を調整することで作製されるが、微細なノズルからの吐出安定性を実現するためには、100nm程度の微小な顔料粒子を安定して分散させる必要があり、その分散状態に大きな影響のある樹脂の組成や、その分散方法について種々検討がなされている。
【0005】
出願人は、着色剤をマイクロカプセル化して着色樹脂粒子を形成するための好ましい樹脂組成として、酸価50〜280のスチレンアクリル系樹脂を提示し(例えば特許文献1参照)、スチレンモノマー60〜90モル、アクリル酸モノマー5〜15モル、メタクリル酸モノマー5〜25モルのモノマー構成を有する樹脂の分散安定性、吐出性が優れていることを示した。
【0006】
そして上記モノマー構成の樹脂を用いて、分子量50000の樹脂と顔料との混合物に対し、二本ロールによる混練を行って形成された固形チップを作製し、該固形チップをメチルエチルケトンを含有する水性媒体中で撹拌する工程を経て、水性顔料分散液が製造されている(例えば特許文献2参照)。また、分子量7200の樹脂を用いて、ペイントシェーカーによる分散工程を経て水性顔料分散液が製造されている。これら水性顔料分散液はそれぞれに良好な初期分散性を示し、前記スチレンアクリル系樹脂の分散剤としての良好な特性が示されている(例えば特許文献3参照)。
【0007】
しかし、これらの水性顔料分散液は、例えばサーマルインクジェット方式を想定した高温加熱環境等のより厳しい使用条件を満たすためには、さらに改良が必要で、樹脂の組成や、製造工程のさらなる検討が求められていた。
たとえば特許文献3に記載された製造方法においては、ペイントシェーカーによる分散に多くの時間がかかり、また本文献に記載の水性顔料分散液から作製された水性インク組成物は、特にサーマルインクジェット方式によるインクジェット記録に用いられたときの分散安定性が不十分であって、安定性を解決するためのより完全なカプセル化が求められていた。
また特許文献2に記載された製造方法は、樹脂と顔料から二本ロールを用いて固形チップを形成し、これを溶解して水性顔料分散液を形成するものであるが、固形チップの溶解過程において用いたメチルエチルケトンが水性インク組成物中に残留するのを防ぐため、これを確実に留去するための工程と装置が必要となっていた。
【0008】
また本文献に記載された水性顔料分散液は分子量50000の樹脂を用いたものであるため、該分散液から水性インク組成物を作製し、特にサーマルジェット記録用のインクとして用いるときに吐出不良を発生しやすく、この点でも改良が求められていた。このように、前記のスチレンアクリル系樹脂を用いた水性顔料分散液は、初期の分散性については良好であるものの、該水性顔料分散液から作製されたインクジェット記録用インク組成物に関し、製造効率の向上や、より厳しい環境下における各種特性の改良が課題となっており、特にサーマルジェットインキ用のインク組成物として用いたときの吐出性や加熱下における分散安定性を向上させることが求められていた。
さらに、二本ロールによって顔料とエチレン性不飽和単量体を混練し、固形チップを作製したのち、これを水性媒体に分散して得られる水性顔料分散体が提案されているが(例えば特許文献4参照)、インクジェット記録法に適していて、特にサーマルジェットインキ用に適用できる組成のものは作製されていない。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−183920号公報(特許請求の範囲)
【0010】
【特許文献2】
特開平10−88042号公報(特許請求の範囲 実施例)
【0011】
【特許文献3】
特開2002−256201号公報(実施例)
【0012】
【特許文献4】
特開2001−81390号公報(特許請求の範囲 製造例1 実施例1)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記事情に鑑てなされたもので、その目的は、分散安定性に優れたインクジェット記録用水性インク組成物を製造するための、水性顔料分散液及びその製造方法を提供することであり、特に高温加熱下における分散安定性に優れ、サーマルジェット方式のインクジェット用記録液として良好な吐出性を示す水性インク組成物、該組成物の製造に用いられる水性顔料分散液及びその製造方法を提供することである。
さらにまた本発明の目的は、上記の水性顔料分散液の特性を保ちつつ、製造に要する時間が短く、製造効率が高く、かつ製造コストの低い水性顔料分散液の製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
発明者らは顔料とスチレン系モノマー単位の多い特定の構成のスチレンアクリル系樹脂を用い、これに湿潤剤と塩基性化合物を加えることによって膨潤状態となった前記樹脂を高い剪断力で混練することにより、樹脂による顔料のカプセル化が良好に行えることを見出し本発明に到達した。
すなわち本発明は50〜90質量%のスチレン系モノマー単位と、アクリル酸モノマー単位またはメタクリル酸モノマー単位とを有し、かつ酸価50〜300のスチレンアクリル系樹脂、顔料、湿潤剤及び塩基性化合物を混練し、着色混練物を作製する第1の工程と、
前記着色混練物を水または水と湿潤剤からなる水性媒体中に分散する第2の工程を有することを特徴とするインクジェットインク用水性顔料分散液の製造方法を提供する。
【0015】
さらに本発明は前記水性顔料分散液の製造方法より得られる水性顔料分散液を、水性媒体で希釈して得られたインクジェット記録用水性インク組成物を提供する。
【0016】
本発明の製造方法によれば、顔料の水性媒体への分散に先立ち、予めスチレンアクリル系樹脂と、顔料と湿潤剤及び塩基性化合物との混練を行うため、顔料が微粉へと解砕され、同時に塩基性化合物の存在で水分散性を付与された樹脂が、微細化された顔料表面に効率的に吸着され、顔料表面が被覆される。特に本発明の製造方法において使用するスチレンアクリル系樹脂は、50〜90質量%のスチレン系モノマー単位を含むため、疎水性の顔料表面に対する吸着が良好でカプセル化が進行しやすい。この結果、混練終了後の分散工程においても顔料が水性媒体中へ速やかに分散する。このようにして作製された水性顔料分散液を水性媒体中に希釈してインクジェット記録用インク組成物を作製することにより、熱安定性に優れ、サーマルジェット方式のインクジェット用記録液として用いたときに良好な吐出安定性を示すインクジェット記録用インク組成物を得ることができる。
【0017】
さらに本製造方法によれば、湿潤剤と塩基性化合物の添加のみで樹脂を膨潤状態又は溶解状態として混練を開始できるため、樹脂の溶解性の強い溶剤によって前記樹脂を軟化または溶解して混練する必要がなく、添加した溶剤を工程中で留去させる必要もない。このため水性顔料分散液やインク組成物中に残留した溶剤によって前記樹脂が侵され、分散が不安定化することもない。さらに前記樹脂を加熱し、溶融状態のもとで混練を行う必要が無く、混練終了後における混練物の分散が容易な、より低温の混練を行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の製造方法についてさらに詳細に説明する。
本発明の製造方法に使用するスチレンアクリル系樹脂は、重量平均分子量が5000〜30000であることが好ましい。
このような重量平均分子量を有するスチレンアクリル系樹脂を使用して水性顔料分散液を作製し、またインクジェット記録用インク組成物を作製すると、特にサーマルジェット方式のインクジェット記録用インクとして吐出性の良好なインク組成物を形成することができる。
【0019】
本発明の製造方法に使用するスチレンアクリル系樹脂は、50〜90質量%のスチレン系モノマー単位と、アクリル酸モノマー単位またはメタクリル酸モノマー単位を含んでいる。スチレン系モノマー単位は60〜90質量%含まれることがさらに好ましく、70〜90質量%含まれることが最も好ましい。スチレン系モノマー単位の含有量を50質量%以上とすることにより、スチレンアクリル系樹脂の疎水性が増加し、水系においてはより強固に顔料への樹脂被覆が行われ安定な粒子を形成する。このため分散安定性が優れ、ノズル目詰まりも発生しにくい。さらにこのようなインクジェット記録用水性インク組成物を用いて普通紙上に印字を行うと、印刷画像の良好な耐水性が得られるとともに、高い画像濃度と良好な発色を得ることができる。
ただし、スチレン系モノマー単位の総量が90質量%をこえると分散に寄与するアニオン性基を有するモノマー単位の含有量が低下し、水系での分散安定性、長期保存安定性が低下するおそれがある。
【0020】
本発明で用いるスチレンアクリル系樹脂はスチレン系モノマー単位、アクリル酸モノマー単位、及びメタクリル酸モノマー単位を含むことが好ましい。
このように3種のモノマー単位全てを含むことによって、共重合により合成された樹脂の均一性が増し、保存安定性が良好で分散粒子がより微粒子化された水性顔料分散液を得ることができる。
【0021】
本発明の製造方法においてはさらにスチレン系モノマー単位、アクリル酸モノマー単位、およびメタクリル酸モノマー単位の総量が、全モノマー単位の総量の95質量%以上であることがより分散安定性に効果があり好ましい。
アクリル酸モノマー単位は3〜15質量%含まれることが好ましく、またメタクリル酸モノマー単位は4〜25質量%含まれることが好ましい。
【0022】
これらスチレンアクリル系樹脂を構成するスチレン系モノマー単位としては、公知の化合物を用いることができる。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−エチルスチレン、α−ブチルスチレン、α−ヘキシルスチレンの如きアルキルスチレン、4−クロロスチレン、3−クロロスチレン、3−ブロモスチレンの如きハロゲン化スチレン、更に3−ニトロスチレン、4−メトキシスチレン、ビニルトルエン等を挙げることができる。
本発明に用いるスチレンアクリル系樹脂は、前記スチレン系モノマー単位とアクリル酸モノマー単位、及びメタクリル酸モノマー単位に加えて、さらに任意成分として上記のモノマー成分以外の、従来よりインクジェット記録用の水性顔料分散液を作製するときに使用されている公知のモノマー単位を、用いることができる。
【0023】
そのようなモノマーの例としてはメチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、2−エチルブチルアクリレート、1,3−ジメチルブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、エチルメタアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、2−メチルブチルメタアクリレート、ペンチルメタアクリレート、ヘプチルメタアクリレート、ノニルメタアクリレート等のアクリル酸エステル類及びメタアクリル酸エステル類;3−エトキシプロピルアクリレート、3−エトキシブチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、エチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート、ジメチルアミノエチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレートのようなアクリル酸エステル誘導体及びメタクリル酸エステル誘導体;フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルエチルアクリレート、フェニルエチルメタアクリレートのようなアクリル酸アリールエステル類及びアクリル酸アラルキルエステル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ビスフェノールAのような多価アルコールのモノアクリル酸エステル類あるいはモノメタアクリル酸エステル類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルのようなマレイン酸ジアルキルエステル、酢酸ビニル等を挙げることができる。これらのモノマーはその1種又は2種以上をモノマー成分として添加することができる。
【0024】
本発明で使用するスチレンアクリル系樹脂は、水性媒体中で安定した顔料表面の被覆を形成することが好ましく、かつ塩基性化合物で酸基が中和されて安定した水分散性を有することが好ましい。このために酸価50〜300のものを使用する。酸価が50より小さいと、親水性が小さくなり、顔料の分散安定性が低下するおそれがある。一方、酸価が300より大きいと、顔料の凝集が発生し易くなり、またインク組成物を用いた印字品の耐水性が低下するおそれがある。酸価の値としては、60〜250が好ましく、70〜200の範囲であることがさらに好ましい。
【0025】
本発明の製造方法においてはスチレンアクリル系樹脂の重量平均分子量は5000〜30000の範囲のものを用いる。5000以上とされる理由は、低分子量である程初期的な分散性が優れているが、5000を下回ると長期的な保存安定性が低下する傾向があるためである。なお、30000をこえると水性顔料分散液の粘度が高くなる傾向にあり、インクジェット用記録液、とくにサーマルジェット方式のインクジェット用記録液として用いたときに、吐出安定性が低下する傾向にある。重量平均分子量の値としては7300〜30000のものがより好ましく、7300〜25000のものがさらに好ましい。
【0026】
また、スチレンアクリル系樹脂のガラス転移点は90℃以上であることが好ましく、100℃以上、で150℃以下であることがさらに好ましい。ガラス転移点が90℃以上であると、インク組成物の熱安定性が向上する。このため前記水性顔料分散液から作製されたインクジェット記録用水性インク組成物をサーマルジェット方式のインクジェット記録用に用いても、繰り返し加熱によって吐出不良を起こすような特性変化を生じず、好ましい。
なお本発明で使用するスチレンアクリル系樹脂のガラス転移点は、樹脂のモノマー構成から計算によって求められる値とする。
【0027】
本発明の製造方法の第1の工程において、スチレンアクリル系樹脂は、粉末状または粒状であることが好ましい。該樹脂は水溶液または溶剤溶液として添加して混練を行うことも出来るが、粉末状または粒状のものを使用することにより、顔料と樹脂が同時に高剪断力を受けるので、顔料の解砕と、塩基性化合物、湿潤剤によるスチレンアクリル系樹脂の膨潤または溶解が同時に進行し、解砕された顔料が直ちに樹脂によって被覆されるため、混練が効率的にかつ良好に進行し好ましい。
【0028】
本発明の水性顔料分散液の製造に用いる顔料は、公知のものを特に制限なく使用することができ、例えばカーボンブラック、チタンブラック、チタンホワイト、硫化亜鉛、ベンガラなどの無機顔料;モノアゾ系、ジスアゾ系などのアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、レーキ顔料などの有機顔料;などを用いることができる。
【0029】
さらに顔料と樹脂の質量比率に関しては、樹脂は顔料表面を安定に被覆するのに必要な量、存在していれば十分であり、それをこえる樹脂の含有はむしろ好ましくない。樹脂が過剰量存在すると、水性顔料分散液やインクジェット記録用インク組成物を作製したときに、顔料に吸着しない遊離の樹脂が増加するため、粘度上昇の原因となり、特にインクジェット記録用インク組成物として使用したときに前記樹脂がインクノズルに固着してインク吐出不良の原因となりやすく、特にサーマルジェットプリンターにおいてはこの吐出不良の問題が発生する危険性が高い。
【0030】
そのため、本発明の水性顔料分散液の製造において、樹脂/顔料の質量比率は顔料の種類によって多少異なるが、一般的に1/10〜2/1、好ましくは 1/10〜1/1となる様にすると好ましい。
また、顔料の分散安定性を増すために、前記顔料あるいは他の顔料の誘導体を併用してもよい。
【0031】
塩基性化合物としては、無機系塩基性化合物、有機系塩基性化合物のいずれも用いることができる。塩基性強度を調整し易い点において、無機系塩基性化合物がより好ましい。
【0032】
有機系塩基性化合物としては、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどの一般的なアミンを例示することができる。アミンの場合は一般に液体状であるので、そのままの形態で添加して用いることができる。
無機系塩基性化合物としては、カリウム、ナトリウム、リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム;カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、カルシム、バリウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩;などを例示することができる。
【0033】
中でも、スチレンアクリル系樹脂のカルボキシル基の中和によって前記樹脂の分散性を高めるためには強アルカリのものが好ましく、具体的には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物が好ましい。
これら塩基性化合物はそのままで、あるいは水溶液、溶剤溶液として混練用の混合物に添加される。塩基性化合物が、無機系塩基性化合物の場合は混合性向上の点などから、通常、20〜50質量%度程度の水溶液または溶剤溶液の形態で用いることが好ましい。
【0034】
本発明の製造方法においては、スチレンアクリル系樹脂は塩基性化合物によって中和され、該塩基性化合物と湿潤剤によって膨潤状態または溶解状態となり、顔料とともに混練される。塩基性化合物の沸点は、混練時の混練物温度より高いことが好ましい。このようにすることによって、混練中に塩基性化合物の揮散を防止でき、スチレンアクリル系樹脂を塩基性化合物で中和状態に保ちつつ、混練物の混練を進めることができる。
【0035】
塩基性化合物の配合量は、混練物を水性媒体中へと分散させる時の分散速度、水性顔料分散液またはインクジェット記録用インク組成物の分散安定性、や長期保存安定性の点から中和率は80%以上が好ましい。また長期保存時に分散が安定しており、さらに塩基性化合物添加後の水性顔料分散液のpHが中性領域から大きくずれず、ゲル化しないためにも、配合量は中和率200%以下に相当する量であることが好ましく、120%以下がさらに好ましい。
塩基性化合物は、予め自己水分散性樹脂と混合しておくことも可能であるが、他の配合成分とともに混練前に一括混合して用い、混練による顔料の解砕にあわせて中和過程が進行することが好ましい。
なお、ここで中和率とは、下記の式によって計算される値である。
中和率(%)=((塩基性化合物の質量(g)×56×1000)/(樹脂酸価×塩基性化合物の当量×樹脂量(g)))×100
本発明についていえば、スチレンアクリル系樹脂が有する全カルボキシル基を中和するために必要な塩基量に対し、当量にして何%の塩基が添加されたかを示す値である。
【0036】
本発明において使用される湿潤剤は、従来、インクジェット記録用インクに使用される公知の湿潤剤を用いることができる。湿潤剤を用いると混練時においては、まず顔料表面が湿潤剤によって濡れ、膨潤状態または溶解状態となったスチレンアクリル系樹脂が該湿潤剤に置き換わって顔料表面を被覆する。このため、カプセル化が効率的に進行し易い。湿潤剤の沸点は混練中に揮散しないように混練温度より高いことが好ましい。
混練で使用された湿潤剤は基本的に着色混練物中に残存し、インクジェット記録用インク組成物中に最終的に含有されるが、湿潤剤は本来、インクジェット記録用インク組成物中の成分として用いられるものなので、インク組成物中の通常の配合量程度の含有に留まる限り、インクの分散安定性、吐出性に対して基本的に支障となることは少なく、留去する必要性がない。
【0037】
このような湿潤剤として使用することができる有機化合物を例示すれば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等のラクタム類、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等が挙げられる。
【0038】
これらの湿潤剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
特に、沸点が150℃以上、より好ましくは200℃以上の湿潤剤を用いると、混練操作中にこれら湿潤剤が揮散しにくく、混練物の固形分比率を一定に保ちつつ混練を進行させることができる。特に高沸点、低揮発性で、高表面張力の多価アルコール類が好ましく、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類が好ましい。このような湿潤剤を用いて混練を行うことによって、たとえ長時間にわたる混練操作でも再現性良く良好な混練を行うことができる。
【0039】
なお、湿潤剤は、使用する樹脂によっても異なるが、通常は仕込みの混合物中に10〜60質量%、好ましくは20〜50質量%配合される。その配合量は、樹脂量の1/2〜6倍程度であり、好ましくは樹脂量の1〜4倍程度である。水溶性有機溶剤の量が樹脂量の1/2未満では樹脂を膨潤させることができず、顔料の表面を十分に濡らすことができないため分散安定性が低下するおそれがある。また6倍を超えると混練時の粘度が低下し、十分な混練が行えないため、顔料の分散性が低下し、インク組成物において、吐出不良等の画質低下を生じさせるおそれがある。
【0040】
本発明において第2工程における着色混練物の分散に使用される水性媒体は、水または水と湿潤剤との混合物である。
混練工程に使用する湿潤剤、あるいは第2工程である分散工程において、水性媒体として水と混合して使用することができる湿潤剤としては、前述の湿潤剤をはじめ公知の湿潤剤を用いることができるが、スチレンアクリル系樹脂の溶解力が強くなく、該樹脂濃度を25質量%として前記湿潤剤と樹脂とを撹拌した場合、均一溶液とならないものがより好ましい。あるいは、インクジェット記録用水性インク組成物中に前記湿潤剤が5質量%以上残存した場合にも、該水性インク組成物の特性を低下させないものであることがより好ましい。
【0041】
以下に本願発明の水性顔料分散液の製造方法についてのさらなる詳細を記載するとともに、好ましい形態を記載する。
(1)着色混練物の製造
本発明の製造方法においては、第1工程における混練物の固形分比を50〜80質量%に維持して混練を行うことが好ましい。このような固形分比を維持しつつ混練を進行させることにより、混練開始から終了までの間、樹脂と顔料が高い剪断力を受けて混練され、顔料がより粒径の細かな微粉へと解砕されるとともに、前記樹脂による顔料表面の被覆が効果的に進行する。その結果インク組成物の分散安定性、長期保存安定性を著しく向上させることができる。50質量%未満では混合物の粘度が低下するため、高シェアによる混練が十分に行われず、顔料の解砕が不十分となるため粗大粒子が水性顔料分散液に混入する原因となり好ましくない。80質量%を超えると、たとえ加温して樹脂を充分に軟化させたとしても混練が困難になる。また、混練終了後に混練物を水性媒体中に分散させることが困難となるおそれがある。固形分比の調整には湿潤剤のほか、適宜水を用いても良い。
【0042】
さらに、このような固形分比で混練を行うと、混練終了後においても少なくとも20質量%の湿潤剤等の液体分が混練物中に残存しているため、混練後に水性媒体を加えて攪拌するだけで混練物の水性媒体への分散を、極めて短時間に進行させることができ製造効率を向上させることができる。
【0043】
本発明の製造方法には、混練時に前記スチレンアクリル系樹脂を溶融する必要がないため、樹脂の融点に係わらず高温のTgを持つ樹脂に対しても広く適用することができる。混練温度(Mt)は高剪断力下における混練が可能となるように、樹脂の温度特性に応じて適宜調整する必要があるが、前記スチレンアクリル系樹脂のガラス転移点Tgとの差が50℃以下である温度で前記第1工程の混練を行うことが好ましく、またTgより低くかつTgとの差が50℃以下である混練温度(Mt)で混練を行うことがさらに好ましい。
【0044】
すなわち前述の好ましいTgの範囲に関する条件を考慮すれば、本発明の製造方法においては、前記スチレンアクリル系樹脂のガラス転移点Tgと前記第1工程の混練温度Mtとの関係が、Tg≧90℃及び(Tg−50℃)≦Mt≦(Tg+50℃)の2つの関係式を満足することが好ましい。このような関係式を満たす混練温度で混練する事により、混練温度が上昇しても、それに伴って該樹脂を含む混練物の混練粘度が減少して混練時の剪断力が低下することがない。また混練物の固形分比も上昇しにくいので、混練終了後の混練物の水性媒体中への分散が容易に行われる。しかも樹脂のTgが90℃以上なので熱安定性の良い水性顔料分散液を形成することができる。一方従来の二本ロール等による混練においては、混練中の固形分比の上昇が避けられず、高固形分比で高温下における溶融混練が多く行われているが、高い固形分比を持つ最終混練物の水性媒体中への分散に困難を伴うことが多かった。
【0045】
本発明の製造方法においては、閉鎖系の混練装置を用いると、混練中に水性媒体が揮散せず、固形分比の上昇を防ぎ、一定固形分比の範囲において混練を進行させることができ好ましい。さらに、水性媒体の総量を維持することができ、固体状の混練物の質量が実質的に変化しない様に混練することができる。
このため混練後にも混練物中に水性媒体が一定量残留するため、第2工程の分散時に水性媒体へ混練物を容易に分散させることができる。
【0046】
なお本発明において閉鎖系とは、必ずしも完全な密閉状態を指すものではなく、外気を完全に遮断した真空にもひけるほどの密閉状態による混練は必要ではない。本発明における閉鎖系の混練装置とは混練領域を閉鎖することのできる非開放的な混練装置であって、混練物の混練中の質量が90質量%以上の範囲で維持されるような混練装置である。
【0047】
このような閉鎖系の混練装置としては、撹拌槽と、一軸あるいは多軸の撹拌羽根を備えた混練装置を用いると好ましい。撹拌羽根の数は特に限定しないが、高い混練作用を得るためには二つ以上の攪拌羽根のものが好ましい。
このような混練装置は例えば二本ロールや三本ロールと異なって、混練開始時における仕込み原料の形態に制約が少なく、液体、固体の原料を直接攪拌槽に投入して原料混合を攪拌槽内で行い、そのまま混練工程へと移行することができる。
またさらにこの様な構成の混練装置を用いると、混練物を製造した後、これを同一撹拌槽中で直接水性媒体で希釈し分散させて、前記混練物の粘度を低下させ分散工程へと移行させることができるため、製造効率が良い。
この様な混練装置としてはヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサーなどが例示される。
【0048】
本発明の製造方法に用いる製造装置としては特にプレネタリーミキサーが好ましい。
本発明の製造方法においては、後述のように混練物の混練状態に依存してそのの粘度が広い範囲で変化するが、プラネタリーミキサーは特に低粘度から高粘度まで広範囲の粘度を有する混練物に対応することができ、攪拌槽中にデッドスペースが少なく、材料仕込みから混練、混練物の希釈に至るまで、攪拌槽中の混練物を一様に混練、攪拌できるため製造効率が良い。
【0049】
本発明の製造方法のうち、例えば混練にプラネタリーミキサーのような混練装置を用いると、二本ロールによる従来の混練方法では、高顔料存在比のもとでの混練が困難であった、Tg90℃以上、分子量30000以下の樹脂を用いた混練が容易となる。このためこれらTgの高い樹脂を用いた混練物から、加熱安定性の良い水性インク組成物、あるいは印刷画像の耐水性のよいインクジェット記録用水性インク組成物を作製することができ、また低分子量の樹脂を用いた混練物から、吐出性の良いサーマルジェット方式のインクジェット記録用水性インク組成物を作製することができる。
【0050】
(2)水性顔料分散液の製造
第1の工程で作製した着色混練物を水性媒体中に分散させて水性顔料分散液を製造する。なお、着色混練物中の顔料は第1工程における前記混練物の混練時に既に解砕されており、また、塩基性化合物で中和されたスチレンアクリル系樹脂に被覆されていて、水に対する分散性が良好なので、第2工程で水性媒体中に速やかに分散し製造効率が向上する。
本発明における水性媒体は水のみでも良いが、必要に応じて湿潤剤を添加することもできる。
【0051】
分散機は、公知のものを用いることができ、例えば、メディアを用いたものでは、ベイントシェーカー、ボールミル、アトライター、バスケットミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、スパイクミル、アジテーターミルなどを挙げられる。またメディアを用いないものとしては、超音波ホモジナイザー、ナノマイザー、デゾルバー、ディスパー、高速インペラー分散機などがあげられるが、これらの中でもメディアを用いた分散機は分散能力が高いため好ましい。なお分散後に必要に応じて水性媒体で濃度調整を行っても良い。
【0052】
また、必要に応じて水性顔料分散液調整時に、さらに塩基性化合物など各種公知の添加剤を配合することができる。塩基性化合物を添加すると分散安定性などが向上し好ましい。
【0053】
(3)インク組成物の製造
インク組成物は、上述の様にして得られた水性顔料分散液をさらに水性媒体にて希釈して製造することができる。インク組成物中に含有される顔料濃度は2〜10質量%程度が好ましい。
水性顔料分散液を希釈する水性媒体は水のみでもよいが、乾燥防止、粘度調整、濃度調整に寄与する湿潤剤を配合することができる。
【0054】
また、前記水性媒体中に記録媒体への浸透性を示す水溶性有機溶剤が配合されていると、インク組成物に浸透性を付与することができ、好ましい。
この他、インク組成物には公知の添加剤などを配合することができる。 配合可能なものとしては、例えばアルカリ剤、pH調整剤、界面活性剤、防腐剤、キレート剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線硬化性樹脂などを例示することができる。
【0055】
前記インク組成物は、顔料を用いた水性のインクジェット記録用のインクとして好適に用いることができる。適用するインクジェットの方式は特に限定するものではなく、連続噴射型(荷電制御型、スプレー型など)、オンデマンド型(ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式など)などの公知の方式のプリンターに等しく適用が可能である。また、特にサーマル方式のインクジェットプリンタに好適に適用することができ、分散安定性、保存安定性に加え、極めて安定したインク吐出が可能となる。
【0056】
【実施例】
以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。
なお、特に断りがない限り「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。
また、本実施例において用いた樹脂A、Bは以下の通りのものである。
樹脂A:モノマー組成比でスチレン/メタアクリル酸/アクリル酸=77/13/10(質量比)とし、分子量が質量平均分子量で7500、酸価150、ガラス転移点107℃である樹脂。
樹脂B:モノマー組成比でスチレン/メタアクリル酸/アクリル酸=77/13/10(質量比)とし、分子量が質量平均分子量で46000、酸価140、ガラス転移点107℃である樹脂。
【0057】
ここで重量平均分子量とはGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法で測定される値であり、標準物質として使用するポリスチレンの分子量に換算した値である。なお、測定は以下の装置及び条件により実施した。
送液ポンプ:LC−9A
システムコントローラー:SCL−6B
オートインジェクター:SIL−6B
検出器:RID−6A
以上島津製作所社製。
データ処理ソフト:Sic480IIデータステーション(システムインスツルメンツ社製)。
カラム:GL−R400(ガードカラム)+GL−R440+GL−R450+GL−R400M(日立化成工業社製)
溶出溶媒:THF
溶出流量:2ml/min
カラム温度:35℃
【0058】
(実施例1)
・着色混練物の作製
下記組成の混合物を、容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50V
(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを加温し、内容物温度が60℃になるまで低速(自転回転数:21r.p.m.,公転回転数:14r.p.m.)で混練を行い、内容物温度が60℃に達した後、高速(自転回転数:35r.p.m.,公転回転数:24r.p.m.)に切替、混練を継続した。
【0059】
樹脂A 2500g
ファストゲンブルーTGR(大日本インキ製) 5000g
34質量%水酸化カリウム水溶液(KOH) 1103g
ジエチレングリコール(DEG) 2390g
【0060】
プラネタリーミキサーが最大電流値を示してから、混練を3時間継続して得られた撹拌槽内の混練物に、混練を継続しつつ総量4000gのイオン交換水を添加し、混練を継続しながら、さらに総量4000gのイオン交換水を加えて粘度調整物を作製した。
【0061】
250mlのポリエチレン製の密栓可能な容器にφ1.2mmのジルコニアビーズ400gを入れ、取り出した粘度調整物:30.7g、DEG:12.2g、イオン交換水:10.1gを加えて、ペイントコンディショナー(東洋精機製)で2時間処理し、顔料分散液A1を得た。A1の固形分濃度は24質量%、顔料濃度は15.2質量%であった。
【0062】
(実施例2)
・着色混練物の作製
下記組成の混合物をステンレス容器に配合し、60℃に加温して良く撹拌した後、130℃に加熱した2本ロールにて混練を実施した。
樹脂A 25.5部
ファストゲンブルーTGR(大日本インキ製) 51部
34質量%水酸化カリウム水溶液(KOH) 11.3部
ジエチレングリコール(DEG) 12.2部
【0063】
混練を、混合物がまとまった後15分間継続した後、混練物を取り出した。混練物は冷却した後、粉砕機にて1mm角以下のサイズの粉体とした。このとき、混練物の固形分濃度は、87質量%であった。
・顔料分散液の作製
粉体状混練 27.6部
DEG 27.1部
イオン交換水 45.3部
【0064】
上記組成の混合物を作製し、分散攪拌機にて2時間混合、撹拌を実施し、予備分散液を作製した。
250mlのポリエチレン製の密栓可能な容器にφ1.2mmのジルコニアビーズ400gを入れ、作製した予備分散液:53gを加えて、ペイントコンディショナー(東洋精機製)で2時間処理し、顔料分散液A2を得た。A2の固形分濃度は24.1質量%、顔料濃度は15.5質量%であった。
【0065】
(比較例1)
・樹脂水溶液の作製
下記配合により、樹脂Aのメチルエチルケトン溶液を作製した。
メチルエチルケトン(MEK) 5000g
樹脂A 5000g
これにイオン交換水7794g、34質量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液2206gを加え、良く撹拌し、樹脂A溶液を得た。
この樹脂A溶液をウォーターバス温度45℃、40hPaの減圧条件でMEKを除去し、11350gの樹脂溶解アルカリ水溶液を得た。この樹脂溶解アルカリ水溶液にイオン交換水8650gを加え、20000gの樹脂溶解アルカリ水溶液H1とした。
【0066】
・顔料分散液の作製
樹脂溶解アルカリ水溶液H1 5720g
ファストゲンブルーTGR 2860g
(大日本インキ化学工業(株)製)
ジエチレングリコール 5720g
イオン交換水 4469g
上記配合物を分散撹拌機で混合、分散を2時間実施し、顔料分散液を作製した。
この顔料分散液を、さらにビーズミル(浅田鉄工製ナノミルNM−G2L)にて下記条件で分散を実施し、顔料分散液B1を得た。
【0067】
・分散条件
分散機 ナノミルNM−G2L(浅田鉄工所)
ビーズ φ0.3mmジルコニアビーズ
ビーズ充填量 85%
冷却水温度 10℃
回転数 2660r.p.m.
(ディスク周速:12.5m/sec)
送液量 200g/min.
【0068】
なお、分散は上記条件で、4回分散機を通す(4パス)ことで行った。
この顔料分散液では、分散1パス目において、分散機への送液圧力が上昇し、200ml/min.では送液できないため、50ml/min.まで送液量を低下させて行った。
【0069】
2パス目以降からは、200ml/min.で送液することが可能であり、4パスまで実施し、顔料分散液B1を得た。
顔料分散液B1の固形分濃度は24質量%で、顔料濃度は15.2質量%であった。
【0070】
(実施例3)
・着色混練物の作製
下記組成の混合物を、容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50V(株式会社井上製作所製)に仕込み、実施例1と同様の運転条件で混練を行った。
【0071】
樹脂A 1500g
カーボンブラック(三菱化学製#960) 5000g
DEG 3800g
34質量%水酸化カリウム水溶液 666g
【0072】
プラネタリーミキサーが最大電流値を示してから30分間、混練を継続して得た撹拌槽内の混練物に、イオン交換水を200gずつ、総量1000gのイオン交換水を加えながら約2時間混練した。
【0073】
・顔料分散液の作製
ついで、混練を継続し、500gずつ、総量5000gのイオン交換水を加えた後、プラネタリーミキサーから混練物を取り出した。この混練物の固形分濃度は、38.1重量%であった。
取り出した混練物10kgに、ジエチレングリコール3526g、イオン交換水1593gを分散撹拌機で撹拌しながら30分間で少量づつ添加し、粘度調整物を得た。
この粘度調整物を、ビーズミル(浅田鉄工製ナノミルNM−G2L)で比較例1と同一の分散条件にて分散を実施し、顔料分散液A3を得た。
なお、分散は上記条件で、4回分散機を通す(4パス)ことで行った。顔料分散液A3は、固形分濃度25質量%、顔料濃度18.7質量%であった。
【0074】
(比較例2)
・顔料分散液の作製
樹脂溶解アルカリ水溶液H1 5720g
カーボンブラック(三菱化学製#960) 4767g
ジエチレングリコール 9534g
イオン交換水 6867g
【0075】
上記配合物を分散撹拌機で混合、分散を2時間実施し、顔料分散液を作製した。この顔料分散液を、比較例1における分散の時と同様の条件で分散を実施した。この顔料分散液では、分散1パス目において、分散機への送液圧力が上昇し、200ml/min.では送液できないため、50ml/min.まで送液量を低下させて行った。2パス目以降からは、200ml/min.で送液することが可能であり、4パスまで実施し、顔料分散液B2を得た。
顔料分散液B2の固形分濃度は25質量%で、顔料濃度は18.7質量%であった。
【0076】
(比較例3)
・着色混練物の作製
実施例3で、34質量%水酸化カリウム水溶液の替わりに、純水を440gとして、実施例3と同様に容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50V(株式会社井上製作所製)に仕込み、実施例3と同様の運転条件で混練を行った。
【0077】
混練を継続したがプラネタリーミキサーの電流値は最大電流値を示すことが無く30分間、混練を継続した。このときの内容物は、塊状とはならず、粉体状であった。この様にして得た撹拌槽内の混練物に、ジエチレングリコール(DEG)を250g加えて混練を継続し、さらに250gのDEGを加え、同様に均一になるまで混合した。以下同様にして、DEGを250gづつ加え、総量1000gのDEGを加えながら約2時間混練した。
【0078】
混練を継続しながら、500gずつ、総量4500gのDEGを実施例3とほぼ同じ時間をかけて加え、プラネタリーミキサーから内容物を取り出した。
【0079】
・顔料分散液の作製
内容物は、樹脂、顔料ともに未分散状態で、粒子形状が認められた。また、この内容物の固形分を測定したところ、38.9質量%であった。
取り出した内容物10.00kgに、ジエチレングリコール120g、イオン交換水5565g、34質量%水酸化カリウム水溶液398gを分散撹拌機で撹拌しながら30分間で少量づつ添加して、分散させ予備分散液を得た。
【0080】
この予備分散液を、ビーズミル(浅田鉄工製ナノミルNM−G2L)にて実施例3と同一条件で分散の実施を試みたが、1パス目で、分散機への送液圧力が上がり、送液量を40g/min.まで低下させて分散実施した。2パス目以降は、通常の200g/min.で分散実施し、分散液B3を得た。
分散液B3の固形分濃度は25.1質量%で、顔料濃度は18.7質量%であった。
【0081】
(比較例4)
・樹脂水溶液の作製
下記配合により、樹脂Bのメチルエチルケトン溶液を作製した。
メチルエチルケトン(MEK) 5000g
樹脂B 5000g
【0082】
これにイオン交換水9000g、50質量%の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液1000gを加え、良く撹拌し、樹脂B溶液を得た。
この樹脂B溶液をウォーターバス温度45℃、40hPaの減圧条件でMEKを除去し、11350gの樹脂溶解アルカリ水溶液を得た。この樹脂溶解アルカリ水溶液にイオン交換水19900gを加え、31250gの樹脂溶解アルカリ水溶液H2とした。
【0083】
・顔料分散液の作製
樹脂溶解アルカリ水溶液H2 51部
カーボンブラック(三菱化学製#45L) 16.3部
ジエチレングリコール 32.7部
250mlのポリエチレン製の密栓可能な容器にφ.2mmのジルコニアビーズ400gを入れ、上記配合物:53gを加えて、ペイントコンディショナー(東洋精機製)で4時間処理し、顔料分散液B4を得た。B4の固形分濃度は25質量%、顔料濃度は16.3質量%であった。
【0084】
(比較例5)
・樹脂水溶液の作製
下記配合で樹脂Aのメチルエチルケトン溶液を作製した。
メチルエチルケトン(以下、MEKと略記する) 5000g
樹脂A 5000g
これにイオン交換水8740g、30質量%の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液1800gを加え、良く撹拌し、樹脂A溶液を得た。
この樹脂A溶液について、ウォーターバス温度45℃、40hPaの減圧条件でMEKを除去し、11070gの樹脂溶解アルカリ水溶液を得た。 得られた、樹脂溶解アルカリ水溶液にイオン交換水を加えて撹拌し、総質量15540gの樹脂溶解アルカリ水溶液H3を得た。
【0085】
・顔料分散液の作製
実施例1と同様に、250mlのポリエチレン製瓶にφ1.2mmのジ ルコニアビーズ400gを入れ、さらに下記配合物53gを加えて、ペイントコンディショナー(東洋精機製)で2時間処理し、顔料分散液B5を得た。
樹脂溶解アルカリ水溶液H3 17.7部
カーボンブラック(三菱化学製#45L) 19.0部
イオン交換水 25.4部
DEG 37.9部
得られた顔料分散液B5の固形分濃度は25質量%であり、カーボンブラック濃度は19質量%であった。
【0086】
(水性顔料分散液の分散性の評価)
上述の様にして得られた実施例、比較例の顔料分散液について、それぞれ顔料濃度が14.5質量%になるように、イオン交換水を加えて濃度調整を行った。
顔料濃度を調整した顔料分散液について、マイクロトラックUPA粒度分析計(Leeds & Northrup社製)で粒径測定を実施した。その際、粒径測定サンプルは粒径測定可能な濃度となるように、イオン交換水で適宜希釈した。
また、調整した顔料分散液をスライドグラス上に極少量採取し、スライドグラス上の分散液滴に空気を巻き込まないようにカバーグラスを乗せ、分散液膜厚を一定にした状態で、200倍の倍率で透過光による顕微鏡観察を行い、粗大粒子の観察を行った。
結果を表1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
分散判定に用いた判定基準は以下の通りである。
○:1μm以上の粒子が顕微鏡視野中にほとんど存在しない。
△:1μm以上の粒子が顕微鏡視野中にまばらに存在するが、5μm以上の粗大粒子はほとんど存在しない。
×:1μm以上の粒子が顕微鏡視野中に多数存在する。あるいは5μm以上の粗大粒子が顕微鏡視野中ににまばらに存在する。
【0089】
分散液の粒径測定結果や、顕微鏡観察結果から以下のことが判明した。すなわち、樹脂を固形分濃度が低い状態でビーズミル分散して作製した水性顔料分散液や、顔料と樹脂を塩基性化合物の未添加で混練した後ビーズミル分散する方法で作製した水性顔料分散液と比較して、実施例に示した水性顔料分散液においては、粒径を顕著に細かくすることができ、粗大粒子についてはその残存量を飛躍的に少なくすることができる。
【0090】
(加熱による分散安定性(保存安定性)の評価)
実施例、比較例の顔料分散液について、分散液の評価と同様に、それぞれ顔料濃度が14.5%になるようにイオン交換水を加えて調整を行った。 顔料濃度の調整を行った分散液について、スクリュー管等のガラス容器に密栓し、60℃の恒温器で1週間の加熱試験を行い、加熱試験前後の粒径変化及び沈降物の有無等の分散液状態を目視で観察することにより、分散安定性の評価を実施した。 結果を表2に示した。
【0091】
【表2】
【0092】
分散液を加温した状態で保存し、平均粒径変化、沈降物の有無を観察した結果から、実施例と比較例の分散液を比較してみると、実施例1、実施例2と比較例1では、粒径変化率の差は顕著では無いが、沈降物の有無では明確な差が認められ実施例の分散液が優れている。実施例3と比較例2、比較例3、比較例5の分散液を比較すると、実施例の分散液では、明らかに加熱試験後の平均粒径の増加が少ない。また比較例の分散液では沈降物の発生が認められるのに対し、実施例の分散液では沈降物の発生がないことから、本発明の実施例に示した水性顔料分散液の分散安定性が極めて良好であることが判った。
【0093】
(インク組成物の調整)
上記実施例、比較例で得られた分散液を下記配合にて調整し、それぞれの顔料により顔料濃度3〜5質量%のインク組成物を作製した。組成表を表3に示す。
【0094】
【表3】
*:三洋化成製 (単位:部)
【0095】
(印字試験)
得られた表3のインク組成物を、ENCAD社製NOVAJET PRO(サーマルジェット方式のインクジェットプリンター)に搭載し、印字試験を実施した。
具体的には、A0の印字用紙(ユポインクジェット専用紙)100枚に、ベタ印字と細線印字の連続印字を行い、インクの吐出状態を確認した。
【0096】
結果を表4に示した。
【表4】
【0097】
印字試験の評価基準を以下に示す。
(印字試験評価結果)
◎:全ての印字サンプルで均一なベタ印字、細線部でも吐出不良、印字位置ズレ無し。
○:全ての印字サンプルで均一なベタ印字、細線部では吐出不良は無いが、印字位置ズレが僅かに見られる。
△:初期印字では問題無いが、印字途中(数枚目以降)より吐出不良発生しベタ印字の濃度ムラ、細線部の印字抜けが見られる。
×:初期より吐出不良による濃度ムラがベタ印字で見られる。細線部でも初期より吐出不良による印字抜けがあり連続印字で悪化。
【0098】
この表4の結果より、本発明の実施例において実施例1、実施例3では初期印字、繰り返し印字において全く問題無い画像が得られている。また、実施例2では少なくとも初期印字では全て問題無い画像が得られており、繰り返し印字においてもやや位置ズレはあるものの、実用上問題無い。これに対し比較例1、比較例2、比較例3では初期印字からインクの吐出が不安定であり、インクの吐出安定性で大きな差が発生している。また比較例4、比較例5では、初期印字では問題無いものの、数枚目以降の繰り返し印字でインクの吐出が不安定となり、画像品質が劣る結果であり、インクの連続吐出安定性で大きな差が認められることから、実施例に示す製造方法によって作製されたインクが格段に優れた吐出安定性を有することが判る。
Claims (11)
- 50〜90質量%のスチレン系モノマー単位と、アクリル酸モノマー単位またはメタクリル酸モノマー単位とを有し、かつ酸価50〜300のスチレンアクリル系樹脂、顔料、沸点が150℃以上の湿潤剤及び塩基性化合物を混練し、着色混練物を作製する第1の工程と、
前記着色混練物を水または水と湿潤剤からなる水性媒体中に分散する第2の工程を有し、前記湿潤剤は第1の工程における仕込み原料の混合物中で10〜60質量%であることを特徴とするインクジェットインク用水性顔料分散液の製造方法。 - 前記湿潤剤の配合量は前記スチレンアクリル系樹脂の1/2以上である請求項1に記載のインクジェットインク用水性顔料分散液の製造方法。
- 前記スチレンアクリル系樹脂が重量平均分子量5000〜30000を有する請求項1または2に記載のインクジェットインク用水性顔料分散液の製造方法。
- 前記スチレンアクリル系樹脂が、スチレン系モノマー単位、アクリル酸モノマー単位、及びメタクリル酸モノマー単位を含み、これらモノマー単位の総量が、全モノマー単位の総量の95質量%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットインク用水性顔料分散液の製造方法。
- 前記塩基性化合物の配合量が、前記スチレンアクリル系樹脂の有する全てのカルボキシル基を中和するのに必要な量の0.8〜1.2倍に相当する量である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットインク用水性顔料分散液の製造方法。
- 前記塩基性化合物がアルカリ金属水酸化物である請求項5に記載のインクジェットインク用水性顔料分散液の製造方法。
- 前記第1の工程は、撹拌槽と一軸あるいは多軸の撹拌羽根を備え、混練領域を閉鎖することのできる混練装置を用いて行われる請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェットインク用水性顔料分散液の製造方法。
- 前記第1工程の混練における着色混練物の固形分比を、50〜80質量%にして混練を行う請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェットインク用水性顔料分散液の製造方法。
- 前記スチレンアクリル系樹脂のガラス転移点(Tg)は90度以上である請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェットインク用水性顔料分散液の製造方法。
- 前記スチレンアクリル系樹脂のガラス転移点(Tg)と前記第1工程の混練温度(Mt)との関係が、Tg≧90℃及び(Tg−50℃)≦Mt≦(Tg+50℃)の2つの関係式を満足する請求項9に記載のインクジェットインク用水性顔料分散液の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載されたインクジェットインク用水性顔料分散液の製造方法によって製造された水性顔料分散液を水性媒体で希釈したことを特徴とする、インクジェット記録用水性インク組成物。
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