JPH10298296A - 水性顔料分散液の製造方法 - Google Patents

水性顔料分散液の製造方法

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JPH10298296A
JPH10298296A JP10642797A JP10642797A JPH10298296A JP H10298296 A JPH10298296 A JP H10298296A JP 10642797 A JP10642797 A JP 10642797A JP 10642797 A JP10642797 A JP 10642797A JP H10298296 A JPH10298296 A JP H10298296A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャープな粒度分布を有する微細な顔料粒子
を含み、かつ分散安定性および経時安定性にすぐれた水
性顔料分散液をうること。 【解決手段】 (a)顔料と樹脂とを予備混練してなる
混合物を加熱された3本ロールで混練分散し、(b)水
媒体中においてアルカリ剤で中和したのち、(c)ジェ
ット粉砕機にかけて顔料を水媒体中に分散させる工程か
らなる水性顔料分散液の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性顔料分散液の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から印刷インキ、筆記具用インキ、
捺染などの用途に水分散顔料が用いられてきた。しかし
ながら、水分散顔料は、公知の製造方法であるボールミ
ル、サンドミル、振動ミル、超音波分散機などの分散機
械によって顔料粒子を水中に細かく分散するので、工程
中において不純物の混入があり、コンタミネーションの
問題があった。しかも、インクジェット用やカラーフィ
ルター用に用途が拡大されつつあり、そのために要求さ
れる品質として顔料の微粒子化、透明性、さらにシャー
プな粒度分布が求められつつあるが、品質管理面で分散
安定性に劣るという欠点があった。
【0003】ところで、たとえば特公昭57−5694
4号公報においては、サンドミルなどで予備混練し、つ
いでロールミルで分散する方法、特開平7−19893
3号公報においては2本ロールミルを用いる方法が提案
されている。しかし、これらの方法によってえられた水
分散顔料は、依然として顔料粒子に粗大粒子を多く含ん
でおり、しかもシャープな粒度分布がえられず、経時安
定性も不充分であるという問題があった。
【0004】すなわち、従来の方法では、不純物の混入
を極力減らし、シャープな粒度分布を有する微細な顔料
粒子を含み、かつ分散安定性および経時安定性にすぐれ
た水性顔料分散液はえられなかった。
【0005】そこで、本発明者らは、前記問題点を克服
すべく鋭意研究を重ねた結果、3本ロールおよびジェッ
ト粉砕機を組み合わせて用いる二段分散法によれば、す
ぐれた水性顔料分散液をうることができることを見出し
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明の目
的は、不純物の混入を防ぎ、シャープな粒度分布を有す
る微細な顔料粒子を含み、かつ経時安定性にすぐれた水
性顔料分散液の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)顔料と
樹脂とを予備混練してなる混合物を加熱された3本ロー
ルで混練分散し、(b)水媒体中においてアルカリ剤で
中和溶解したのち(c)ジェット粉砕機にかけて顔料を
水媒体中に分散させる工程からなる水性顔料分散液の製
造方法に関する。
【0008】前記樹脂としては、親水性基を分子中に有
し、モノマー成分としてのスチレンおよび/またはメチ
ルスチレンの含有量が50〜95重量%である共重合体
であり、かつ平均分子量が2000〜20000、Tg
が50〜130℃であるものが好ましい。
【0009】前記3本ロールは70〜150℃に加熱し
て混練分散に用いるのが好ましい。
【0010】前記混合物は、加熱された3本ロールで混
練分散したのちに、水媒体中においてアルカリ剤で中和
溶解するのが好ましい。
【0011】また、前記ジェット粉砕機が壁面衝突型ま
たは対向衝突型であり、通過処理をするときの狭くした
流路の処理圧力が500〜4000kg/cm2である
のが好ましい。
【0012】また、本発明の製造方法においては、工程
中の不純物の混入量が50ppm以下であるのが好まし
い。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、(a)顔料と樹脂とを
予備混練してなる混合物を加熱された3本ロールで混練
分散し、(b)水媒体中においてアルカリ剤で中和溶解
したのち、(c)ジェット粉砕機にかけて顔料を水媒体
中に分散させる工程からなる水性顔料分散液の製造方法
に関する。
【0014】本発明においては、まず工程(a)におい
て、顔料と樹脂とを予備混練して混合物をうる。
【0015】本発明において用いることのできる顔料と
しては、とくに制限はないが、従来からインキ、塗料な
どの分野で用いられているものであればよく、たとえば
有機顔料であっても無機顔料であってもよい。
【0016】前記有機顔料としては、たとえばアゾレー
キ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料
などのアゾ顔料類、フタロシアニン顔料、ペリレン顔
料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン
顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソイン
ドリノン顔料、キノフタロン顔料などの多環式顔料類、
染料レーキなどがあげられる。
【0017】前記無機顔料としては、たとえば酸化チタ
ン、ベンガラ、酸化クロム、鉄黒などの酸化物やカドミ
ウムイエロー、クロムバーミリオン、紺青、群青、カー
ボンブラック、黄色酸化鉄などがあげられる。
【0018】また、非常に彩度の高い鮮やかな色調が要
求されるばあいや目だつ色が必要なばあいには、たとえ
ば硫化亜鉛、ケイ酸亜鉛、硫化亜鉛カドミウムなどを焼
結した無機顔料やホルマリン縮合樹脂、アクリル樹脂、
グアナミン樹脂などを基体としたプラスチックタイプの
有機顔料などの蛍光顔料を用いることもできる。
【0019】さらに、真珠のようなキラキラした光沢色
のある色相が必要とされるばあいには、たとえば魚のう
ろこより加工した天然パールエッセンス、塩基性炭酸
鉛、酸塩化ビスマス、雲母の表面に二酸化チタンをコー
ティングしたものなどのパール顔料を用いることもでき
る。
【0020】また、本発明において用いる顔料の形態と
しては、とくに制限はないが、たとえば粉体、水性分散
体、水性ペーストなどのいずれであってもよい。
【0021】本発明において用いることのできる樹脂と
しては、とくに制限はないが、アルカリで中和して水可
溶性となるために酸価が50〜300、好ましくは10
0〜200であるものがよい。また、前記樹脂は、その
酸価の量をコントロールするためにカルボキシル基、ス
ルホン酸基、水酸基などの親水性基を分子中に有してい
なければならない。当該親水基の含有量としては、樹脂
の酸価が前記範囲内となる範囲であればよい。
【0022】また、前記樹脂は、疎水性を有するモノマ
ーを含有することにより活性効果を高めて分散性を向上
させるという点からモノマー成分としてのスチレンおよ
び/またはメチルスチレンの含有量が50〜95重量
%、好ましくは60〜95重量%である共重合体である
のがよい。さらに、平均分子量は極端に低分子量でも高
分子量でも分散性能に劣るという点から2000〜20
000、好ましくは2500〜15000であるのがよ
い。また、3本ロールで加熱溶融させて混練することが
可能であるという点からTgが50〜130℃、好まし
くは55〜120℃であるのがよい。
【0023】本発明において用いることのできる樹脂と
しては、具体的には、たとえばスチレン−アクリル酸共
重合体、スチレン−メチルスチレン−アクリル酸共重合
体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル(C1
〜C4程度の低級アルキルエステル、以下同様)共重合
体、スチレン−メタクリル酸共重合体もしくはスチレン
−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体など;た
とえばスチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メチ
ルスチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル
酸エステル−マレイン酸共重合体もしくはスチレン−メ
タクリル酸エステル−マレイン酸共重合体など;たとえ
ばスチレン−アクリル酸エステル−スチレンスルホン酸
共重合体、スチレン−メタクリルスルホン酸共重合体も
しくはスチレン−アクリル酸エステル−アリルスルホン
酸共重合体など、またはそれらのナトリウム、カリウ
ム、アンモニウムなどの塩をあげることができる。これ
らは、単独で、または2種以上を混合して用いてもよ
い。また、本発明において用いる樹脂の形態としては、
とくに制限はないが、たとえば粉体、エマルジョン、液
状物(たとえばアルコールなどに溶解させたもの)など
のいずれであってもよい。
【0024】本発明の工程(a)における予備混練と
は、前記顔料と樹脂とを充分に接触させかつ練り合わ
せ、効率よく分散させるための前作業である。すなわち
顔料と樹脂とを固形分比(重量)で80:20〜40:
60、好ましくは70:30〜50:50の範囲で配合
し、ニーダーなどを用いて常法で充分に混練させる。ま
た、たとえば前記顔料および樹脂の形態に応じて、水が
混合されている系であっても差しつかえない。そのばあ
いは、通常の撹拌機でも充分である。しかし、予備混練
が不足していたり、全然されていなかったりしたばあい
には目的とする品質の水性顔料分散液がえられないた
め、顔料と樹脂とが充分に混ざりあい、しかも顔料の表
面に樹脂が吸着して湿潤する程度に常法で適宜予備混練
するとよい。
【0025】工程(a)においては、予備混練してえた
混合物を3本ロールで混練分散させるが、3本ロールを
70〜150℃の範囲に加熱して作業するのが好まし
い。温度が70℃未満では樹脂が充分に溶融しないまま
ロール上で混練分散が行なわれて分散が不充分となり、
また、150℃を超えると樹脂がロール上でベトついて
うまく分散できないからである。さらには、樹脂の融点
以上でないと分散不良をきたすという点から好ましくは
90〜140℃で混練分散するのがよい。
【0026】ついで、本発明においては、工程(a)に
おいて加熱した3本ロールで混練分散した前記混合物に
水媒体を添加し、前記混合物中の顔料が細かい粒子状と
なって分散された水分散体をうるために、アルカリ剤で
前記混合物中の樹脂を中和溶解させる。このばあいに添
加する水はイオン交換水が好ましく、前記混合物がアル
カリ剤で溶解させるために撹拌できる範囲の粘度になる
ように適宜加える。
【0027】本発明において用いることのできるアルカ
リ剤としては、とくに制限はないが、たとえばアンモニ
ア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、モルホリンなどの有機アミン類、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなど
のアルカリ金属塩などが有用である。
【0028】アルカリ剤の添加量としては、完全に酸性
基を中和する、すなわち100%であるのが理想である
という点から樹脂の酸価から式(1): 中和率(%)={(添加したアルカリ剤の当量)/(酸当量)}×100 (1) にもとづいて算出した中和率が80〜150%、好まし
くは90〜120%になる範囲であればよい。さらに、
中和溶解させる際により一層溶解を助長させるという点
から50℃以上の温度に加熱して行なうのが好ましい。
【0029】なお、水溶性有機溶剤を工程(a)におい
て前添加しておくことによって顔料の湿潤性をよくし分
散を向上させることも可能である。このばあいは、湿潤
効果があり、沸点が高く乾燥性が低いという点からとく
に遅乾性有機溶剤が好ましく、たとえばモノエチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブ
タンジオール、ポリグリセリン、チオジグリコール、ポ
リエチレングリコール、N−メチル−2−ピロリドンな
どがあげられる。前記前添加をするばあいの水溶性有機
溶剤の添加量としては、前記混合物の粘度を極端に上げ
て品質を悪化させない範囲であればよいが、本発明の水
性顔料分散液を塗布したばあいの、たとえば紙などの材
料への浸透性および乾燥性という点から前記混合物の1
0重量%以下であるのが好ましい。
【0030】本発明においては、前記工程(a)および
(b)において顔料分散がかなり進んでいるが、顔料粒
子自体は、まだ粗大粒子を残しており、目的とする微粒
子の粒子径には至っていても、シャープな粒度分布を有
するまでには到達していない。つまり工程(a)の3本
ロールによる分散は、ロールの強力な剪断力でもって顔
料を粉砕するのであるが、結晶形や一次粒子径のバラツ
キおよび顔料の表面処理などの違いによりつぶれにくか
ったり、バラツいたりしてシャープな粒度分布がえられ
ないのである。
【0031】そこで本発明においては、工程(a)およ
び(b)を経たあとの前記混合物を工程(c)において
ジェット粉砕機にかけ、水媒体中に顔料をさらに微分散
させて本発明の水性顔料分散液をうる。かかるジェット
粉砕機はどのようなタイプのものであってもよいが、た
とえば壁面衝突型もしくは対向衝突型がある。また、ジ
ェット粉砕機による前記混合物の処理条件としては、顔
料粒子をより細かく微粒子に分散でき、しかもシャープ
な粒度分布がえられるため、混合物が通過して処理(粉
砕)される狭くした流路の圧力、すなわち処理圧力が5
00〜4000kg/cm2であるのがよく、好ましく
は800〜3500kg/cm2であるのがよい。ま
た、本発明におけるジェット粉砕機による通過処理は1
回でも充分であるが、数回以上行なってもよい。
【0032】なお、ジェット粉砕機に関して、壁面衝突
型とは一つの壁面に流体を高速で衝突させて当該流体中
の顔料などを粉砕させるものをいい、たとえばナノマイ
ザー社製のナノマイザー、ゴーリン社製のホモゲナイザ
ー、マイクロフルイディックス社製のマイクロフルイダ
イザーなどがあげられる。また、対向衝突型とは流体同
士を高速で衝突させて当該流体中の顔料などを粉砕させ
るものをいい、たとえば(株)スギノマシン製のアルテ
ィマイザーなどがあげられる。
【0033】以上のように、工程(a)〜(c)からな
る本発明の製造方法は、3本ロールとジェット粉砕機を
組み合わせた二段分散法であり、えられる水性顔料分散
液に含まれる不純物、たとえばNa、K、Fe、Cr、
Siなどの不純物が少ない点ですぐれている。好ましく
は不純物混入量が50ppm以下であるのがよい。
【0034】さらに、本発明の水性顔料分散液は、ジェ
ット粉砕機によって充分満足のいく品質を有してはいる
が、他の工程、たとえばさらにメンブランフィルターで
濾過したり、遠心分離処理することによって粗大粒子を
除去し、より一層すぐれた品質をうることも可能であ
る。
【0035】なお、本発明においては、たとえば水性顔
料分散液としての各種物性を向上せしめるために、本発
明の効果を損なわない範囲で必要に応じて通常用いられ
ている、たとえば防腐剤、防カビ剤、消泡剤、紫外線吸
収剤などの添加剤、エマルジョン、糖類などを添加して
もよい。
【0036】本発明においては、0.35μm以上の最
大粒径をもつ顔料粒子を含まず、かつ0.05〜0.3
0μm程度の範囲に顔料粒子が70%以上存在し、分布
幅が狭く正規分布ないしそれに近い形をとっており、ピ
ークが2つあったりトップピークがくだけていたりする
ことのないシャープな粒度分布をもつ顔料粒子を含む水
性顔料分散液をうることができる。
【0037】本発明においてえられる水性顔料分散液
は、たとえば印刷インキ、筆記具用インキ、捺染、カラ
ーフィルター、インクジェットなどに好適に用いること
ができる。
【0038】
【実施例】以下に本発明の水性顔料分散液の製造方法を
実施例にもとづいてさらに詳細に説明するが、本発明は
かかる実施例のみに限定されるものではない。なお、各
実施例および比較例中、「部」は「重量部」を意味す
る。
【0039】実施例1 スチレン−アクリル酸樹脂(スチレン/アクリル酸=8
8/12(重量比)、酸価94、分子量12000、T
g102℃)40部、黄顔料(ピグメントイエロー1
4)60部をニーダーで30分間予備混練してえた混合
物を、85℃に加熱した3本ロールを用いて混練分散し
た。そこへ水酸化ナトリウム4部、イオン交換水170
部を添加し、80℃で3時間撹拌し中和溶解させた。
【0040】つぎに、グリセリン5部、防腐剤0.1
部、イオン交換水70部を添加して混合したのち、ナノ
マイザーで処理圧力を800kg/cm2として2回通
過処理させ、本発明の水性顔料分散液をえた。
【0041】えられた水性顔料分散液をリーズ&ノース
ラップ社製のマイクロトラックUPAで確認したとこ
ろ、最大粒径が0.35μm以上の粗大粒子はなく、
0.10〜0.24μmの範囲に顔料粒子が80%存在
するシャープな粒度分布を有していた。
【0042】さらに、この水性顔料分散液100部にジ
エチレングリコール50部およびイオン交換水130部
を混合撹拌して黄色の筆記具用水性インキをえた。この
インキを用いて筆記試験を行なったところ、ペン先から
の流出性およびドライアップ性にすぐれていた。また描
画試験を行なったところ、筆記500mでかすれはなか
った。
【0043】なお、この水性顔料分散液の経時安定性試
験、沈降度(分散安定性)試験を以下に示す方法にした
がって調べた。その結果を表1に示す。
【0044】(経時安定性試験)密閉ガラス容器に入れ
た水性顔料分散液を50℃の恒温槽の中に入れ、3カ月
間静置し粘度変化があるかどうかを確認する。
【0045】増粘などの粘度変化を生じた状態を異常と
して評価し、異常なしのばあいを○、異常ありのばあい
を×とした。結果を表1に示す。
【0046】(沈降度試験)分散安定性を調べるために
えられた水性顔料分散液を20℃恒温室に6カ月間静置
し、顔料の沈降の有無を確認する。分離や水浮きまたは
沈降が少しでも生じた状態を異常と評価し、異常なしの
ばあいを○とし、異常ありのばあいを×とした。結果を
表1に示す。
【0047】実施例2 スチレン−メチルスチレン−アクリル酸樹脂(スチレン
/メチルスチレン/アクリル酸=40/30/30(重
量比)、酸価234、分子量9000、Tg95℃)3
5部、赤顔料(ピグメントレッド22)65部をニーダ
ーで30分間予備混練してえた混合物を、95℃に加熱
した3本ロールを用いて混練分散した。そこへアンモニ
ア水18部、イオン交換水200部を添加し、室温で6
時間撹拌し中和溶解させた。つぎに、グリセリン5部、
防腐剤0.1部、イオン交換水50部を添加して混合し
たのち、ホモゲナイザーで処理圧力を1000kg/c
2として3回通過処理させ、本発明の水性顔料分散液
をえた。さらに13000回転で10分遠心分離処理を
行なった。このえられた水性顔料分散液をマイクロトラ
ックUPAで確認したところ、最大粒径0.35μm以
上の粗大粒子はなく、0.10〜0.29μmの範囲に
顔料粒子が85%存在するシャープな粒度分布を有して
いた。
【0048】さらに、この水性顔料分散液10部にレジ
ューサ80部と固着剤(アクリルエマルジョン)10部
を混合撹拌したのち、シルクスクリーン法で印捺した
が、顔料がスクリーンに目づまりすることはなかった。
【0049】なお、この水性顔料分散液の経時安定性試
験、沈降度試験を実施例1と同様の方法にしたがって調
べた。結果を表1に示す。
【0050】実施例3 スチレン−マレイン酸樹脂(スチレン/マレイン酸=6
0/40(重量比)、酸価190、分子量3000、T
g110℃)30部、青顔料(ピグメントブルー15:
6)70部をニーダーで30分間予備混練してえた混合
物を、110℃に加熱した3本ロールを用いて混練分散
した。そこへモノエタノールアミン7部、イオン交換水
240部を添加し、80℃で3時間撹拌し中和溶解させ
た。つぎに、グリセリン5部、防腐剤0.1部、イオン
交換水150部を添加して混合したのち、マイクロフル
イダイザーで処理圧力を1200kg/cm2として2
回通過処理させ、本発明の水性顔料分散液をえた。この
えられた水性顔料分散液をマイクロトラックUPAで確
認したところ、最大粒径0.35μm以上の粗大粒子は
なく、0.08〜0.17μmの範囲に顔料粒子が80
%存在するシャープな粒度分布を有していた。
【0051】さらに、この水性顔料分散液16部に、5
%ゼラチン水溶液80部、光硬化性樹脂5部、光重合開
始剤0.2部ならびにイオン交換水30部を加え、ガラ
ス基板にスピンコーターにより塗布した。ついで乾燥塗
膜を露光現像したのち、ベーキングした。えられたカラ
ーフィルターは、鮮明で透明性にすぐれていた。
【0052】なお、この水性顔料分散液の経時安定性試
験、沈降度試験を実施例1と同様の方法にしたがって調
べた。結果を表1に示す。
【0053】実施例4 スチレン−メタクリル酸樹脂(スチレン/メタクリル酸
=78/22(重量比)、酸価170、分子量8500
0、Tg115℃)32部、緑顔料(ピグメントグリー
ン7)68部をニーダーで30分間予備混練してえた混
合物を、110℃に加熱した3本ロールを用いて混練分
散した。そこへ水酸化カリウム5部、イオン交換水21
0部を添加し、50℃で4時間撹拌し中和溶解させた。
つぎに、ポリエチレングリコール5部、防腐剤0.1
部、イオン交換水280部を添加して混合したのち、ア
ルティマイザーで処理圧力を2400kg/cm2とし
て2回通過処理させ、本発明の水性顔料分散液をえた。
このえられた水性顔料分散液をマイクロトラックUPA
で確認したところ、最大粒径0.35μm以上の粗大粒
子はなく、0.08〜0.17μmの範囲に顔料粒子が
90%存在するシャープな粒度分布を有していた。
【0054】さらに、この水性顔料分散液10部に、ジ
エチレングリコール20部、グリセリン5部ならびにイ
オン交換水60部を混合撹拌して緑色の水性インキをえ
た。このインキを用いてインクジェットプリンタPM−
700C(セイコーエプソン(株)製)にて印字テスト
を行なった。その結果、目づまりもなく、印字品質にす
ぐれ、保存安定性のすぐれたものであった。
【0055】なお、この水性顔料分散液の経時安定性試
験、沈降度試験を実施例1と同様の方法にしたがって調
べた。その結果を表1に示す。
【0056】比較例1 実施例1の工程中でナノマイザーで処理する工程を除い
たほかは実施例1と同様にして水性顔料分散液をえた。
このえられた水性顔料分散液をマイクロトラックUPA
で確認したところ、最大粒径0.35μm以上の粗大粒
子が5%存在することが認められ、0.10〜0.24
μmの範囲の顔料粒子は52%存在するのみであった。
【0057】なお、この水性顔料分散液の経時安定性試
験、沈降度試験を実施例1と同様の方法にしたがって調
べた。結果を表1に示す。
【0058】比較例2 3本ロールで処理する工程を除いたほかは実施例2と同
様にして水性顔料分散液をえた。このえられた水性顔料
分散液をマイクロトラックUPAで確認したところ、最
大粒径0.35μm以上の粗大粒子が11%存在するこ
とが認められ、0.10〜0.29μmの範囲の顔料粒
子は45%存在するのみであった。
【0059】なお、この水性顔料分散液の経時安定性試
験、沈降度試験を実施例1と同様の方法にしたがって調
べた。結果を表1に示す。
【0060】比較例3 マイクロフルイダイザーで処理する工程を除いたほかは
実施例3と同様にして水性顔料分散液をえた。このえら
れた水性顔料分散液をマイクロトラックUPAで確認し
たところ、最大粒径0.35μm以上の粗大粒子が7%
存在することが認められ、0.08〜0.17μmの範
囲の顔料粒子は42%存在するのみであった。
【0061】なお、この水性顔料分散液の経時安定性試
験、沈降度試験を実施例1と同様の方法にしたがって調
べた。結果を表1に示す。
【0062】比較例4 3本ロールのかわりに2本ロールを用い、アルティマイ
ザーで処理する工程を除いたほかは実施例4と同様にし
て水性顔料分散液をえた。このえられた水性顔料分散液
をマイクロトラックUPAで確認したところ最大粒径
0.35μm以上の粗大粒子が7%存在することが認め
られ、0.08〜0.17μmの範囲の顔料粒子は51
%存在するのみであった。
【0063】なお、この水性顔料分散液の経時安定性試
験、沈降度試験を実施例1と同様の方法にしたがって調
べた。結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、シャープな粒度分布を
有する微細な顔料粒子を含み、かつ分散安定性および経
時安定性にすぐれた水性顔料分散液をうることができ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)顔料と樹脂とを予備混練してなる
    混合物を加熱された3本ロールで混練分散し、(b)水
    媒体中においてアルカリ剤で中和溶解したのち、(c)
    ジェット粉砕機にかけて顔料を水媒体中に分散させる工
    程からなる水性顔料分散液の製造方法。
  2. 【請求項2】 工程(a)において用いる樹脂が、親水
    性基を分子中に有し、モノマー成分としてのスチレンお
    よび/またはメチルスチレンの含有量が50〜95重量
    %である共重合体であり、かつ平均分子量が2000〜
    20000、Tgが50〜130℃である請求項1記載
    の水性顔料分散液の製造方法。
  3. 【請求項3】 工程(a)において70〜150℃に加
    熱した3本ロールで混合物を混練分散する請求項1記載
    の水性顔料分散液の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記混合物を3本ロールで混練分散した
    のち水媒体中でアルカリ剤で中和溶解する請求項1記載
    の水性顔料分散液の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記ジェット粉砕機が壁面衝突型または
    対向衝突型であり、通過処理をするときの狭くした流路
    の処理圧力が500〜4000kg/cm2である請求
    項1記載の水性顔料分散液の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記工程中における不純物の混入量が5
    0ppm以下である請求項1記載の水性顔料分散液の製
    造方法。
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