JP2011153211A - インクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法 - Google Patents
インクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011153211A JP2011153211A JP2010015374A JP2010015374A JP2011153211A JP 2011153211 A JP2011153211 A JP 2011153211A JP 2010015374 A JP2010015374 A JP 2010015374A JP 2010015374 A JP2010015374 A JP 2010015374A JP 2011153211 A JP2011153211 A JP 2011153211A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pigment
- aqueous
- kneading
- pigment dispersion
- dispersion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
【解決手段】顔料(a)、アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体(b)及び湿潤剤(d)を含有した混合物を混練する工程と、前記混練後の混合物に塩基性化合物の存在下、水性媒体を添加し混合、撹拌する工程を有し、前記顔料(a)は該顔料(a)の水性懸濁液を噴霧し乾燥する工程を経て作製された、平均一次粒径80nm以下の顔料である水性顔料分散体の製造方法を提供する。
【選択図】なし
Description
発明者らは、分散剤として、酸価が50〜300、重量平均分子量が5000〜40000であり、スチレンモノマーが50〜90モル%、アクリル酸系モノマーが5〜15モル%、メタアクリル酸系モノマーが5〜25モル%であるアニオン性基含有有機高分子化合物を分散剤として含有する水性顔料分散体を種々検討してきた(特許文献1参照)。そしてそのような高分子分散剤に塩基性化合物を添加して樹脂溶液を作製し、顔料、とともに湿潤剤を含有する水性媒体中に分散させて水性顔料分散体を作製した(特許文献2、特許文献3参照)。
さらに発明者らは、水性顔料分散体の製造に混練工程を導入して、高分子分散剤による顔料表面の被覆を進行させることにより、優れた分散安定性が実現されることを見出した。(特許文献4、5参照)。すなわち該方法は、例えば顔料、湿潤剤、アニオン性基を有する高分子分散剤、及び必要に応じて塩基性化合物を含有する混合物を、混練装置を用いた混練工程によって顔料の微細化及びその表面の分散剤による被覆を行った後に、水性媒体中に徐々に希釈し、さらに水性媒体中に分散させる方法である。
このインク中の粗大粒子は、下記のような種々の問題を発生させる。
(1)粗大粒子によるヘッドノズル部の目詰まりの発生。安定なインクの吐出特性が阻害され、結果として印字メディア上で、印字濃度の均一性と解像度の低下を招く。
(2)粗大粒子がインク中に存在した場合、印字面での平滑性が損なわれ、光沢の低下を招く。
これら粗大粒子は分散工程の後に、さらに、遠心分離、濾過等によって除去することができるが、そのような粗大粒子を除去するための工程が必須となり、またそれら工程で多くの粗大粒子を除去せねばならないので、それが更に製造効率を低下させ、収率を低下させる原因となっていた。
通常、顔料は、合成後に、顔料ウェットケーキを乾燥しやすいように押し出し機にて、整形し、熱風下で乾燥後、粉砕して顔料粉体として使用されるが、乾燥方法にも多くの試みが行われている。
しかし、インクジェット記録用水性インク組成物を作製するための顔料として使用する場合、どのような乾燥方法を用いた顔料の使用が、最もインク組成物の分散性向上に有効であるのかについては必ずしも明確でなかった。また仮に良好な顔料の乾燥方法が見いだされたとしても、これに適用すべき最適なインクジェット記録用水性インク組成物の製造方法が必ずしも明確になってはいなかった。特にインク組成物中の粗大粒子の低減を効果的に行うために、該組成物中で使用される顔料に対して適用されるべき乾燥方法の選定と、そのような乾燥方法を用いて製造された顔料に対して用いるべきインクジェット記録用水性インクの製造方法の最適な組み合わせが求められていた。
さらに本発明は上記製造方法で製造された水性顔料分散液を主成分として含有するインクジェット記録用水性インクを提供する。
なお混練工程においては、混合物中に予め塩基性化合物(c)を添加して混練を行うことが、さらに解砕効果と易分散効果を良好に発揮させる点で好ましい。
本発明のインクジェット記録用水性顔料分散液を主成分として用いたインクジェット記録用水性インクは、分散性、分散安定性に優れると共に、粗大粒子が少なく、印字安定性に優れ、インクヘッド部での目詰まりの無い高光沢の画像形成が可能である。また、高温保存環境下であっても長期間にわたって良好な分散性を保持するため、特にサーマルインクジェット記録用水性インクとして好適に使用できる。
さらに混練工程で塩基性化合物を添加すると、アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体(b)のアニオン性基が部分的に中和され、より効果的に膨潤が進行するため、混練工程における顔料表面の被覆がより効率的に進行する。このため水性顔料分散液を作製したときの分散性、分散安定性がさらに向上する。
本発明の製造方法で使用する顔料(a)は、噴霧乾燥工程で顔料の乾燥を行うことができる顔料であれば全て使用することが可能である。具体的には、従来公知の有機顔料であるフタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、アゾ系顔料等の有機顔料等が挙げられる。
このような分散顔料の体積平均粒径を実現するためには、顔料の平均一次粒径は75nm以下であることが好ましく、70nm以下であることがさらに好ましく、60nm以下であることがさらに好ましい。粗大粒子数の低減という目的のためには45nm以下であることがより好ましい。平均一次粒径が80nm以下であると、混練工程を経て水性顔料分散液を作製したときも、該分散液中の分散粒子の粒径を容易に低減することができ、粗大粒子の低減もより容易におこなうことができる。さらに粗大粒子の低減をより重要視する場合には、顔料の平均一次粒子径は40nm以下であることが最も好ましい。
顔料の平均一次粒径はTEM写真にて顔料の長軸長をn=20で測定し平均することによって求めることが出来る。
スチレンアクリル系共重合体(b)の構成成分としてのスチレン系モノマーの使用比率は、全モノマー成分に対して50〜90質量%であることが好ましく、60〜90質量%であることがより好ましく、70〜90質量%であることがさらに好ましい。スチレン系モノマーの使用比率が50質量%未満であると、顔料(a)へのアニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体(b)の親和性が不充分となり、インクジェット記録用水性顔料分散液の分散安定性が低下する傾向がある。また該水性顔料分散液から得られるインクジェット記録用水性インクの普通紙記録特性が劣化し、画像記録濃度が低下する傾向があり、更に耐水特性も低下する傾向がある。スチレン系モノマーの量が上記範囲であると、疎水性の顔料表面にアニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体(b)が吸着し易い。またアニオン性基を有するモノマーを構成成分として十分使用できるため、スチレンアクリル系共重合体(b)の水性媒体に対する分散性を良好にすることができ、インクジェット記録用水性顔料分散液における顔料の分散性や分散安定性を向上させることができ、顔料の微小粒径化に対する効果も大きい。更に、インクジェット記録用水性インクとして使用した場合の印字安定性が良好になる。一方、スチレン系モノマーの使用比率が90質量%を超えると、水性媒体への分散性が不十分となる傾向にあり、インクジェット記録用水性インクを作製したときの分散性、分散安定性が低下する傾向がある。
不飽和脂肪族カルボン酸モノマーとしては、公知の化合物を使用することができる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、α−メチルクロトン酸、α−エチルクロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸を使用するのが好ましく、両者を併用するのが特に好ましい。アクリル酸とメタクリル酸を併用することによって、樹脂合成時の共重合性が向上して、樹脂の均一性が良くなり、該樹脂による顔料分散を行った場合、分散剤の組成の不均一性に起因すると考えられる安定性の低下が抑制されると考えられる。
アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体(b)のガラス転移点は90〜150℃が好ましく、100〜150℃がさらに好ましい。ガラス転移点が90℃以上であると、水性インクの熱安定性が向上する。このため前記水性顔料分散液から製造されたインクジェット記録用水性インクをサーマルジェット方式のインクジェット記録に用いるときに、繰り返し加熱によって吐出不良を起こすような特性変化を生じにくく好ましい。
本発明の水性顔料分散液に含有される塩基性化合物は、アニオン性基を有するスチレンアクリル酸共重合体のアニオン性基を中和し、該共重合体の分散性を向上させる。その結果分散液中の該共重合体で被覆された顔料粒子の分散状態がより安定となり、分散安定性、長期保存安定性も向上する。
使用される塩基性化合物としては、無機系塩基性化合物、有機性塩基性化合物のいずれも用いることができるが、アルカリ強度を調整し易い点において、無機系塩基性化合物がより好ましい。有機系塩基性化合物としてはメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどの一般的なアミンを例示することができる。無機系塩基性化合物としては、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩;水酸化アンモニウムなどを例示することができる。中でも、強アルカリのものがスチレンアクリル系樹脂の中和によって該樹脂の分散性を高めるのに効果的であるため好ましく、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が使用できるが、特に、水酸化カリウムを使用することが好ましい。
混練工程において塩基性化合物を添加するときは、予めスチレンアクリル系樹脂と水と塩基性化合物を混合して樹脂水溶液を製造しておき、これを顔料等の他の配合成分に添加するなどして、複数段階に分けて混合し、製造することもできるが、塩基性化合物と他の配合成分を一括配合して混練用の混合物を製造するほうが、前記スチレンアクリル系樹脂の顔料表面への吸着が効率的に進行する点で好ましい。
本発明の製造方法は上記の各種原料を用いて以下の方法により行うことができる。すなわち本発明の水性顔料分散液の製造方法は、顔料(a)、及びアニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体(b)、及び湿潤剤(d)を含有する混合物を2本ロール、ミキサー等の混練機を用いて混練し、着色混練物を製造する混練工程である第1の工程と、前記着色混練物に塩基性化合物の存在下水性媒体を添加し、混合、撹拌する混合工程である第2の工程とを有する製造方法であって、前記顔料(a)は該顔料(a)の水性懸濁液を噴霧、乾燥する噴霧工程を経て作製されたものである。
第1工程である混練工程においては、顔料(a)、アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体(b)を湿潤剤(d)の存在下で、高剪断力下で混練を行うことによって、水性懸濁液を噴霧乾燥する工程を経て作製された顔料(a)の凝集を解砕し、更にその顔料粒子表面を、湿潤剤(d)で膨潤したアニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体(b)によって被覆することが重要である。
このために顔料(a)とアニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体(b)との質量比(b)/(a)は0.05〜0.5、すなわちスチレンアクリル系共重合体(b)の含有量が顔料(a)に対して、5〜50質量%であることが好ましい。(b)/(a)が0.05以上であると共重合体(b)による顔料(a)の被覆が十分に行われる傾向にあり、(b)/(a)が0.5以下であると、着色混練物を水性媒体中に分散したときに、顔料に未吸着の共重合体(b)が水性媒体中に存在することによるインク組成物形成時の吐出性の低下がなく、安定した吐出が得られる傾向にある。
混練工程においては高剪断力で上記混合物を混練するため、混練する際の着色混練物中の固形分濃度は50〜80質量%であることが好ましく、60〜80質量%であることがさらに好ましい。固形分濃度が50質量%以下であると十分な剪断力をかけることができず、顔料(a)の凝集を解砕することが不十分となる傾向があると同時に、均一な着色混練物が得られにくい傾向がある。一方固形分比が80質量%以上であると、たとえ加温して樹脂を充分に軟化させたとしても混練が困難になりやすい。加えて、固形分比率が高くなりすぎると、混練後の混合物を水性媒体中に分散する工程で、水性媒体による低粘度化が困難となる傾向がある。
また、湿潤剤を添加して混練を行うことによって、顔料の表面が十分に濡れるとともに、アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体(b)は湿潤剤(d)によって膨潤状態、または一部が溶解状態となりつつ混練が進行し、混練を行う混合物全体が粘土状の一つの固まりとなりやすく、混練工程が良好に進行する。その結果、顔料の解砕が良好に進行し粗大粒子が減少するとともに顔料表面の樹脂被覆が効果的に行われる。さらに本発明の製造方法における混練工程においては、混練後の混合物を水性媒体中に分散する工程において、該水性媒体中に用いられる湿潤剤を混練工程の主溶媒として用いることができる。このようにすることにより湿潤剤をそのまま分散工程においても用いることが出来るので、混練に用いた湿潤剤を混練後に留去する工程を設ける必要がない。
混練工程における湿潤剤の添加量は、顔料(a)100質量部に対して、10〜80質量部の範囲内であることが好ましい。湿潤剤の量が80質量部より多いと、固形分濃度が低下するため十分な剪断力を負荷することができなくなる傾向にある。また10質量部より少ないと、樹脂成分を膨潤状態とすることが困難となり、やはり十分な剪断力を負荷することができず、顔料(a)を十分に粉砕し、かつアニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体(b)をその表面に吸着させることが困難となり、均一な着色混練物が得られない傾向がある。
また、記録媒体への浸透性を示す水溶性有機溶剤が配合されていると、インク組成物に浸透性を付与することができ好ましい。インク組成物において浸透性は、記録媒体へのインク組成物の侵透性や記録媒体上でのドット径の調整を行うために必要な特性である。
浸透性付与に用いられる水溶性有機溶剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;エチレングリコールヘキシルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテルなどのアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物;プロピレングリコールプロピルエーテルなどのアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物などが挙げられる。
配合可能なものとしては、例えばアルカリ剤、pH調整剤、界面活性剤、防腐剤、キレート剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線硬化性樹脂などを例示することができる。
本発明の製造方法においては、例えばインクジェット記録用水性顔料分散液、水性媒体、必要に応じて選択される各種添加剤を加えて均一に撹拌することにより、インクジェット記録用水性インクを製造することができる。
このように作製したインクジェット記録用水性インクは、インクジェット記録用のインクとして各種のインクジェット用プリンターに好適に用いることができる。適用可能なインクジェットの方式は特に限定するものではないが、荷電制御型、スプレー型等の連続噴射型、ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式等のオンデマンド型の公知のものを例示することができる。そして、本願のインクジェット記録用水性インクは、これら各種のインクジェット方式に適用した場合に、極めて安定したインク吐出が可能となり、特にサーマルジェット方式のインクジェット記録に対して好適に用いることができる。
(粗製銅フタロシアニンの合成)
10Lグラスライニング製オートクレーブ容器に無水フタル酸1200部、尿素1565部、塩化第一銅200部、モリブデン酸アンモニウム5部、tert−アミルベンゼン(商品名、ハイゾールP、日本石油(株)製、アルキルベンゼン混合物)4Lを入れ200℃まで除々に加熱した後、2時間加熱攪拌し反応を終了させる。冷却後、反応物を取り出し、10倍量の2%NaOH水溶液、1%HCl水溶液、温水の順で洗浄、濾過を繰り返し、次いで乾燥し粗製銅フタロシアニン1065部を得た。上記で得られた粗製銅フタロシアニンは、平均一次粒子径が2〜100μmの粗大粒子で、β型結晶100%からなる粗製銅フタロシアニンであった。
2L双腕型ニーダーに、上記フタロシアニンの合成で得られた微細な粗製銅フタロシアニン120部、食塩1200部、ジエチレングリコール140部を加え、90〜95℃で約7時間加熱磨砕した。その間、内容物が均一な粘調性を保つように適宜ジエチレングリコールを加えた。得られた磨砕物を20倍の温水で洗浄し、β型銅フタロシアニン顔料を含む懸濁液を得た。得られた顔料の平均一次粒径は31nmであった。
得られたβ型銅フタロシアニン顔料の懸濁液を濾過、さらに水洗して顔料ウエットケーキ(含水率70質量%)を得た。これに水を加えて、含水量88質量%まで希釈した顔料スラリーを、ニロ・ジャパン社製スプレードライヤSD−100R−S1(連続式乾燥装置)で入口温度280℃、出口温度105℃にて乾燥を行い乾燥顔料粉末を得た。これをPigmentA(噴霧)とする。
上記フタロシアニンの合成で得られた粗製銅フタロシアニン120部、食塩840部、ジエチレングリコール140部を用いる以外は顔料の作製1と全く同様の操作を行って、平均一次粒径53nmのβ型銅フタロシアニン顔料を含む懸濁液を得た。その後、顔料の作製1で行ったと同様の噴霧乾燥を行い、乾燥顔料粉末を得た。これをPigmentB(噴霧)とする。
(顔料の作製3)
上記フタロシアニンの合成で得られた粗製銅フタロシアニン225部、食塩675部、ジエチレングリコール140部を用いる以外は顔料の作製1と全く同様の操作を行って、平均一次粒径102nmのβ型銅フタロシアニン顔料を含む懸濁液を得た。その後、顔料の作製1で行ったと同様の噴霧乾燥を行い、乾燥顔料粉末を得た。これをPigmentC(噴霧)とする。
顔料の作製2で作製したβ型銅フタロシアニン顔料を含む懸濁液(顔料の平均一次粒径53nm)を、濾過、水洗し、含水率70質量%のウエットケーキを得た。これを、通気バンド乾燥装置を用い熱風温度110℃で乾燥させ、さらにこれを粉砕して乾燥粉末を得た。これをPigmentBとする。
(顔料の作製5)
顔料の作製3で作製したβ型銅フタロシアニン顔料を含む懸濁液(顔料の平均一次粒径102nm)を、濾過、水洗し、含水率70質量%のウエットケーキを得た。これを通気バンド乾燥装置を用い熱風温度110℃で乾燥させ、さらにこれを粉砕して乾燥粉末を得た。これをPigmentCとする。
(樹脂の合成1)
撹拌装置、滴下装置、還流装置を有する反応容器にメチルエチルケトン100部を仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した。反応容器内を窒素雰囲気に保ちながら加温し、メチルエチルケトン還流状態とした後、滴下装置からスチレン74部、アクリル酸11部、メタクリル酸15部及び重合触媒(和光純薬工業社製/「V−59」)8部の混合液を2時間かけて滴下した。なお滴下の途中より、反応系の温度を80℃に保った。
滴下終了後、同温度でさらに25時間反応を続けた。なお、反応の途中において、原料の消費状況を確認しながら、適宜、重合触媒を追加した。反応終了後、メチルエチルケトンを減圧下で留去し、得られた固体を粉砕して、スチレン−アクリル酸系共重合体(A−1)の粉体を得た。
以上により、スチレン/アクリル酸/メタアクリル酸=74/11/15(重量%)であり、重量平均分子量9000、酸価185mgKOH/gであるスチレンアクリル酸系樹脂(A−1)が得られた。
使用モノマーをスチレン83部、アクリル酸7部、メタクリル酸10部に変更した他は実施例1と同様にして、スチレン/アクリル酸/メタアクリル酸=83/7/10(重量%)であり、重量平均分子量11000、酸価185mgKOH/gであるスチレンアクリル酸系樹脂(A−2)を製造した。
送液ポンプ:LC−9A
システムコントローラー:SCL−6B
オートインジェクター:SIL−6B
検出器:RID−6A
以上島津製作所社製。
データ処理ソフト:Sic480IIデータステーション(システムインスツルメンツ社製)。
カラム:GL−R400(ガードカラム)+GL−R440+GL−R450+GL−R400M(日立化成工業社製)
溶出溶媒:THF
溶出流量:2ml/min
カラム温度:35℃
フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigmentA(噴霧) 500部
(DIC社製:C.I.ピグメントブルー15:3)
スチレンアクリル系共重合体(A−1) 100部
上記を容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを60℃に加温し、低速(自転回転数:10rpm、公転回転数:29.4rpm)で混合した。その後、
ジエチレングリコール 250部
34%水酸化カリウム水溶液 54.4部
を添加し、高速(自転回転数:20rpm、公転回転数:58.8rpm))に切り替え、4時間混練を行った。
続いて、撹拌槽内の混練物に、攪拌を継続しながらイオン交換水1000部を徐々に加え、攪拌槽内の青色液状物全量を取り出し、さらに
ジエチレングリコール 163.1部
イオン交換水 1073.8部
からなる混合液(水性媒体)を加え、混合した。この水性顔料分散液の固形分濃度は19.1%、顔料濃度は15.4%であった。
フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigmentA(噴霧) 500部
(DIC社製:C.I.ピグメントブルー15:3)、
スチレンアクリル系共重合体(A−1) 150部
上記を容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを60℃に加温し、低速(自転回転数:10rpm、公転回転数:29.4rpm)で混合した。その後、
ジエチレングリコール 210部
34%水酸化カリウム水溶液 81.6部
を添加し、高速(自転回転数:20rpm、公転回転数:58.8rpm))に切り替え、4時間混練を行った。
続いて、撹拌槽内の混練物に、攪拌を継続しながらイオン交換水1000部を徐々に加え、攪拌槽内の青色液状物全量を取り出し、さらに
ジエチレングリコール 148.1部
イオン交換水 1040.6部
からなる混合液(水性媒体)を加え、混合した。この水性顔料分散液の固形分濃度は23.0%、顔料濃度は15.4%であった。
実施例2の水性顔料分散液を、さらに、ビーズミル(浅田鉄工製ナノミルNM−G2L)にて下記条件で分散を実施して、実施例3の水性顔料分散液を得た。
・・分散条件
分散機 ナノミルNM−G2L(浅田鉄工製)
ビーズ:φ0.3mm ジルコニアビーズ
ビーズ充填量:85%
冷却水温度:10℃
回転数:2660rpm
( ディスク周速:12.5m/s e c )
送液量:200g/min.
なお、分散は上記条件で、1回分散機を通す(1パス) ことで行った
フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigmentA(噴霧) 500部
(DIC社製:C.I.ピグメントブルー15:3)
スチレンアクリル系共重合体(A−2) 150部
上記を容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを60℃に加温し、低速(自転回転数:10rpm、公転回転数:29.4rpm)で混合した。その後、
ジエチレングリコール 270部
34%水酸化カリウム水溶液 51.2部
を添加し、高速(自転回転数:20rpm、公転回転数:58.8rpm))に切り替え、4時間混練を行った。
続いて、撹拌槽内の混練物に、攪拌を継続しながらイオン交換水1200部を徐々に加え、攪拌槽内の青色液状物全量を取り出し、さらに
ジエチレングリコール 124.3部
イオン交換水 1037.1部
からなる混合液(水性媒体)を加え、混合した。この水性顔料分散液の固形分濃度は20.6%、顔料濃度は15.4%であった。
フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigmentA(噴霧) 500部
(DIC社製:C.I.ピグメントブルー15:3)
スチレンアクリル系共重合体(A−2) 150部
上記を容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを60℃に加温し、低速(自転回転数:10rpm、公転回転数:29.4rpm)で混合した。その後、
ジエチレングリコール 290部
34%水酸化カリウム水溶液 51.2部
を添加し、高速(自転回転数:20rpm、公転回転数:58.8rpm))に切り替え、2時間混練を行った。
続いて、撹拌槽内の混練物に、攪拌を継続しながらイオン交換水1200部を徐々に加え、攪拌槽内の青色液状物全量を取り出し、さらに
ジエチレングリコール 102.3部
イオン交換水 981.2部
からなる混合液(水性媒体)を加え、混合した。この水性顔料分散液の固形分濃度は19.6%、顔料濃度は14.7%であった。
容量200mlの容器に下記の組成の仕込みを行った後、ペイントコンディショナーを用い、2時間かけて分散処理を行った。分散処理終了後、ジルコニアビーズを濾別し、顔料濃度15%の顔料水性分散液を得た。
フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigmentA(噴霧) 600部
(DIC社製:C.I.ピグメントブルー15:3)、
スチレンアクリル系共重合体(A−1) 180部
34%水酸化カリウム水溶液 98部
ジエチレングリコール 480部
イオン交換水 2640部
ジルコニアビーズ(1.25mm径) 18000部
結果を表2に示す。
<粗大粒子数>
実施例、及び比較例で作製した水性顔料分散液を2000倍に希釈し、アキュサイザー780APS(インターナショナル・ビジネス社製)にて測定を行った。粗大粒子数は希釈前の水性顔料分散液1ml当たりの粒子数に換算した。表中の粒子数には(×109個/ml)の単位を用いている。
<体積平均粒径>
実施例、及び比較例の水性顔料分散液を5000倍に希釈し、マイクロトラックUPA−150(リーズ&ノースロップ社製)で測定を行った。測定値は3度測定した平均値を取った。
<保存安定性>
実施例、及び比較例で作製した水性顔料分散液を60℃の恒温槽内に2週間静置し、沈殿物の有無を判定した。さらに静置後の体積平均粒径を上記と同様の方法で測定して、平均値を算出し、静置前後の体積平均粒径の平均値から粒径の増加率を計算した。こうして沈殿物、及び10%以上の体積平均粒径の増加率の有無を判定した。
以上の結果を表2に示す。
インクジェットの吐出特性の測定のために、実施例及び比較例で作製した顔料濃度約15質量%の水性顔料分散液を用いて、以下の評価用インクジェット記録用水性インクを作製した。水性顔料分散液は最終的な顔料濃度が2.7質量%となるように、全量が100部の以下配合において、各実施例、比較例における水性顔料分散液の顔料濃度に合わせて微調整した。
水性顔料分散液 約18部
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 8部
2−ピロリドン 8部
グリセリン 3部
サーフィノール440(日信化学工業社製) 0.5部
純水 残量
作製した各インクジェット記録用水性インクをインクジェットプリンター(EPSON社製EM−930C)を用いて試験した。インクをカートリッジに充填後ノズルチェックパターンを印刷した。更に単色モードでA4用紙1枚の340cm2の範囲に印刷濃度設定100%の印刷をした後に、再度ノズルチェックテスト用パターンを印刷し、試験前後のノズルの状態を比較し、ノズル欠けが増加するかどうかをチェックした。
さらに印刷濃度100%の印刷面の光沢を測定した。
フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigmentB(噴霧) 500部
(DIC株式会社製:C.I.ピグメントブルー15:3)
スチレンアクリル系共重合体(A−1) 150部
上記を容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを60℃に加温し、低速(自転回転数:10rpm、公転回転数:29.4rpm)で混合した。その後、
ジエチレングリコール 200部
34%水酸化カリウム水溶液 81.6部
を添加し、高速(自転回転数:20rpm、公転回転数:58.8rpm))に切り替え、4時間混練を行った。
続いて、撹拌槽内の混練物に、攪拌を継続しながらイオン交換水1200部を徐々に加え、攪拌槽内の青色液状物全量を取り出し、さらに、
ジエチレングリコール 188部
イオン交換水 1140.8部
からなる混合液(水性媒体)を加え、混合した。この水性顔料分散液の固形分濃度は20.9%、顔料濃度は15.4%であった。
フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigmentB 500部
(DIC株式会社製:C.I.ピグメントブルー15:3)
スチレンアクリル系共重合体(A−1) 150部
上記を容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを60℃に加温し、低速(自転回転数:10rpm、公転回転数:29.4rpm)で混合した。その後、
ジエチレングリコール 200部
34%水酸化カリウム水溶液 81.6部
を添加し、高速(自転回転数:20rpm、公転回転数:58.8rpm))に切り替え、2時間混練を行った。
続いて、撹拌槽内の混練物に、攪拌を継続しながらイオン交換水1200部を徐々に加え、攪拌槽内の青色液状物全量を取り出し、さらに、
ジエチレングリコール 162.4部
イオン交換水 762.1部
からなる混合液(水性媒体)を加え、混合した。この水性顔料分散液の固形分濃度は20.8%、顔料濃度は15.4%であった。
容量200mlの容器に下記の組成の仕込みを行った後、ペイントコンディショナーを用い、2時間かけて分散処理を行った。分散処理終了後、ジルコニアビーズを濾別し、顔料濃度15%の顔料水性分散液を得た。
フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigmentB(噴霧) 600部
(DIC社製:C.I.ピグメントブルー15:3)
スチレンアクリル系共重合体(A−1) 180部
34%水酸化カリウム水溶液 98部
ジエチレングリコール 480部
イオン交換水 2640部
ジルコニアビーズ(1.25mm径) 18000部
フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigmentB(噴霧)をフタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigmentBに換えた他は比較例3と同様にして、顔料濃度15%の顔料水性分散液を得た。
フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigmentC(噴霧) 500部
(DIC株式会社製:C.I.ピグメントブルー15:3)
スチレンアクリル系共重合体(A−2) 150部
上記を容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを60℃に加温し、低速(自転回転数:10rpm、公転回転数:29.4rpm)で混合した。その後、
ジエチレングリコール 230部
34%水酸化カリウム水溶液 51.2部
を添加し、高速(自転回転数:20rpm、公転回転数:58.8rpm))に切り替え、3.5時間混練を行った。
続いて、撹拌槽内の混練物に、攪拌を継続しながらイオン交換水1200部を徐々に加え、攪拌槽内の青色液状物全量を取り出し、さらに
ジエチレングリコール 145.7部
イオン交換水 819.4部
からなる混合液(水性媒体)を加え、混合した。この水性顔料分散液の固形分濃度は20.6%、顔料濃度は15.4%であった。
フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigmentC 500部
(DIC株式会社製:C.I.ピグメントブルー15:3)
スチレンアクリル系共重合体(A−1) 150部
上記を容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを60℃に加温し、低速(自転回転数:10rpm、公転回転数:29.4rpm)で混合した。その後、
ジエチレングリコール 180部
34%水酸化カリウム水溶液 81.6部
を添加し、高速(自転回転数:20rpm、公転回転数:58.8rpm))に切り替え、4時間混練を行った。
続いて、撹拌槽内の混練物に、攪拌を継続しながらイオン交換水1200部を徐々に加え、攪拌槽内の青色液状物全量を取り出し、さらに
ジエチレングリコール 222.1部
イオン交換水 1004.3部
からなる混合液(水性媒体)を加え、混合した。この水性顔料分散液の固形分濃度は21.2%、顔料濃度は15.6%であった。
容量200mlの容器に下記の組成の仕込みを行った後、ペイントコンディショナーを用い、2時間かけて分散処理を行った。分散処理終了後、ジルコニアビーズを濾別し、顔料濃度15%の顔料水性分散液を得た。
フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigmentC(噴霧) 600部
(DIC社製:C.I.ピグメントブルー15:3)
スチレンアクリル系共重合体(A−1) 180部
34%水酸化カリウム水溶液 98部
ジエチレングリコール 480部
イオン交換水 2640部
ジルコニアビーズ(1.25mm径) 18000部
容量200mlの容器に下記の組成の仕込みを行った後、ペイントコンディショナーを用い、2時間かけて分散処理を行った。分散処理終了後、ジルコニアビーズを濾別し、顔料濃度15%の顔料水性分散液を得た。
フタロシアニン系顔料ファストゲンブルーPigmentC 600部
(DIC社製:C.I.ピグメントブルー15:3)、
スチレンアクリル系共重合体(A−1) 180部
34%水酸化カリウム水溶液 98部
ジエチレングリコール 480部
イオン交換水 2640部
ジルコニアビーズ(1.25mm径) 18000部
さらに比較例5と比較例6、比較例7との比較からわかるように、平均一次粒径が80nmを超える顔料の場合でも、噴霧工程を経て製造された顔料を使用し、混練工程を経て水性顔料分散液を製造すると、それらを使用しなかったときに比べて大幅に粗大粒子が低減されることがわかする。
また比較例3もしくは比較例7からわかるように、たとえ噴霧工程を経て製造された顔料を用いたとしても、混練工程を用いない水性顔料分散液の製造方法に適用したのでは、本来の噴霧工程を経て製造した顔料の特長を発揮させることが困難であることがわかる。ペイントコンディショナーのようなメディアミリングでは、その効果は発揮されず、本発明に用いられる混練工程は必須工程であると言える。
比較例3、4、7、8については、2時間以上の分散行程を経ても、それ以上の微粒化、粗大粒子数の減少が確認されないことから、分散時間を2時間とした。また、実施例および比較例の水性顔料分散液のうち、混練工程を経て得られたものは60℃、2週間の加速安定性試験後も粒径変化、沈降物は認められなかった。一方、比較例で混練工程を用いずに作製された水性顔料分散液では、60℃条件下2週間の放置後の粒径の変化率が10%を超える傾向であった。
混練工程の後に、混合撹拌して水性顔料分散液を作製するに際し、さらに分散機による分散工程を追加したときの効果を検討するため、平均一次粒径の異なる2種類の顔料について、噴霧工程を経て製造された顔料と、従来の顔料を用いてそれぞれ分散工程による最終特性の差違を調査した。すなわち平均一次粒径50nmの顔料を用いた場合として、実施例6、比較例2の水性顔料分散液を選択し、平均一次粒径100nmの顔料を用いた場合として、比較例5、比較例6の水性顔料分散液を選択した。これらの水性顔料分散液をさらにビーズミルにて実施例5と同様の方法で分散を実施して、実施例7、比較例9、比較例10、比較例11の水性顔料分散液を得た。
表4、表5に比較のための結果を示す。
Claims (8)
- 顔料(a)、アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体(b)及び湿潤剤(d)を含有する水性顔料分散液の製造方法であって、顔料(a)、アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体(b)、及び湿潤剤(d)を含有した混合物を混練する混練工程と、前記混練後の混合物に塩基性化合物の存在下、水性媒体を添加し混合、撹拌する混合工程を有し、前記顔料(a)は該顔料(a)の水性懸濁液を噴霧し乾燥する噴霧工程を経て作製された、平均一次粒径80nm以下の顔料である水性顔料分散液の製造方法。
- 前記混合物を混練する工程においては、該混合物中に塩基性化合物(c)が含有される請求項1に記載の水性顔料分散液の製造方法。
- 前記顔料(a)はフタロシアニン系顔料である請求項1または2に記載の水性顔料分散液の製造方法。
- 前記アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体(b)は、構成モノマーとして50〜90質量%のスチレン系モノマー単位を有し、かつ酸価50〜300である請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性顔料分散液の製造方法。
- 前記アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体(b)は5000〜40000の質量平均分子量を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性顔料分散液の製造方法。
- 前記混合物を混練する工程においては、該混合物の固形分比が50〜80%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性顔料分散液の製造方法。
- 前記混合物を混練する工程においては、前記顔料(a)とアニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体(b)との質量比(b)/(a)が0.05〜0,5である請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性顔料分散液の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の水性顔料分散液の製造方法で製造された水性顔料分散体を含有するインクジェット記録用水性インク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010015374A JP2011153211A (ja) | 2010-01-27 | 2010-01-27 | インクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010015374A JP2011153211A (ja) | 2010-01-27 | 2010-01-27 | インクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011153211A true JP2011153211A (ja) | 2011-08-11 |
Family
ID=44539408
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010015374A Pending JP2011153211A (ja) | 2010-01-27 | 2010-01-27 | インクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011153211A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014058591A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-04-03 | Dic Corp | 顔料混練物、及び水性顔料分散体の製造方法 |
JP2014058590A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-04-03 | Dic Corp | 顔料混練物の製造方法、及び水性顔料分散体の製造方法 |
WO2017061301A1 (ja) * | 2015-10-08 | 2017-04-13 | Dic株式会社 | 水性顔料分散体、インクジェット記録用水性グリーンインクまたはインクジェット記録用水性レッドインク |
CN107208365A (zh) * | 2015-01-23 | 2017-09-26 | Dic株式会社 | 印花剂、布帛物及印花剂的制造方法 |
KR20190049558A (ko) * | 2017-10-31 | 2019-05-09 | 산요 시키소 가부시키가이샤 | C.i. 피그먼트 블루 16을 함유하는 청색 안료 조성물 및 그 제조 방법, 및 녹색 착색 조성물 |
JP2019206687A (ja) * | 2018-05-28 | 2019-12-05 | Dic株式会社 | 水性顔料分散体の製造方法 |
JP2021059691A (ja) * | 2019-10-09 | 2021-04-15 | Dic株式会社 | インクジェット印刷水性インク用水性顔料分散体 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003226831A (ja) * | 2001-11-29 | 2003-08-15 | Dainippon Ink & Chem Inc | 水性顔料分散液用混練物およびこれを用いた水性顔料分散液とインク組成物の製造方法 |
JP2006152103A (ja) * | 2004-11-29 | 2006-06-15 | Dainippon Ink & Chem Inc | 水性顔料分散体の製造方法及びインクジェット記録用水性インクの製造方法 |
JP2008111061A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Dainippon Ink & Chem Inc | 水性顔料分散液及びインクジェット記録用インク組成物 |
-
2010
- 2010-01-27 JP JP2010015374A patent/JP2011153211A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003226831A (ja) * | 2001-11-29 | 2003-08-15 | Dainippon Ink & Chem Inc | 水性顔料分散液用混練物およびこれを用いた水性顔料分散液とインク組成物の製造方法 |
JP2006152103A (ja) * | 2004-11-29 | 2006-06-15 | Dainippon Ink & Chem Inc | 水性顔料分散体の製造方法及びインクジェット記録用水性インクの製造方法 |
JP2008111061A (ja) * | 2006-10-31 | 2008-05-15 | Dainippon Ink & Chem Inc | 水性顔料分散液及びインクジェット記録用インク組成物 |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014058591A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-04-03 | Dic Corp | 顔料混練物、及び水性顔料分散体の製造方法 |
JP2014058590A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-04-03 | Dic Corp | 顔料混練物の製造方法、及び水性顔料分散体の製造方法 |
CN107208365A (zh) * | 2015-01-23 | 2017-09-26 | Dic株式会社 | 印花剂、布帛物及印花剂的制造方法 |
EP3249097A4 (en) * | 2015-01-23 | 2018-10-17 | DIC Corporation | Printing agent, fabric cloth article, and method for manufacturing printing agent |
CN107208365B (zh) * | 2015-01-23 | 2020-09-15 | Dic株式会社 | 印花剂、布帛物及印花剂的制造方法 |
WO2017061301A1 (ja) * | 2015-10-08 | 2017-04-13 | Dic株式会社 | 水性顔料分散体、インクジェット記録用水性グリーンインクまたはインクジェット記録用水性レッドインク |
JP6179695B1 (ja) * | 2015-10-08 | 2017-08-16 | Dic株式会社 | 水性顔料分散体、インクジェット記録用水性グリーンインクまたはインクジェット記録用水性レッドインク |
KR20190049558A (ko) * | 2017-10-31 | 2019-05-09 | 산요 시키소 가부시키가이샤 | C.i. 피그먼트 블루 16을 함유하는 청색 안료 조성물 및 그 제조 방법, 및 녹색 착색 조성물 |
JP2019081871A (ja) * | 2017-10-31 | 2019-05-30 | 山陽色素株式会社 | C.i.ピグメントブルー16を含有する青色顔料組成物及びその製造方法、並びに緑色着色組成物 |
KR102594287B1 (ko) | 2017-10-31 | 2023-10-26 | 산요 시키소 가부시키가이샤 | C.i. 피그먼트 블루 16을 함유하는 청색 안료 조성물 및 그 제조 방법, 및 녹색 착색 조성물 |
JP2019206687A (ja) * | 2018-05-28 | 2019-12-05 | Dic株式会社 | 水性顔料分散体の製造方法 |
JP2021059691A (ja) * | 2019-10-09 | 2021-04-15 | Dic株式会社 | インクジェット印刷水性インク用水性顔料分散体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2624913C (en) | Aqueous pigment dispersion liquid and ink-jet recording ink | |
KR101426968B1 (ko) | 수성 안료 분산액의 제조 방법 및 잉크 젯 기록용 잉크 | |
JP5725382B2 (ja) | 顔料分散体、水性顔料分散液及びインクジェット記録用インク | |
JP3981396B2 (ja) | 水系顔料分散体の製造方法 | |
JP4244622B2 (ja) | 水性顔料分散液用混練物およびこれを用いた水性顔料分散液とインク組成物の製造方法 | |
JP2011153211A (ja) | インクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法 | |
WO2011024855A1 (ja) | 水性顔料分散液およびインクジェット記録用水性インクの製造方法 | |
JP6056943B2 (ja) | 水性顔料分散液の製造方法 | |
JP4501366B2 (ja) | 水性イエロー顔料分散液用混練物及びこれを用いた水性イエロー顔料分散液とインク組成物の製造方法 | |
WO2005012443A1 (ja) | インクジェット記録用水性顔料分散液、インクジェット記録用インク組成物およびその製造方法 | |
JP4835798B2 (ja) | 水性顔料分散液およびインクジェット記録用水性インクの製造方法 | |
JP5146720B2 (ja) | 水性顔料分散液及びインクジェット記録用インク | |
JP4534118B2 (ja) | 水性顔料分散液及びその製造方法 | |
JP4561053B2 (ja) | 水性顔料分散液用混練物及びこれを用いた水性顔料分散液とインク組成物の製造方法 | |
JP4736001B2 (ja) | 水性顔料分散液およびインクジェット記録用水性インクの製造方法 | |
JP4314792B2 (ja) | 水性フタロシアニンブルー顔料分散液用混練物およびこれを用いた水性フタロシアニンブルー顔料分散液とインク組成物の製造方法 | |
JP4561052B2 (ja) | 水性カーボンブラック分散液用混練物およびこれを用いた水性カーボンブラック分散液とインク組成物の製造方法 | |
JP4736005B1 (ja) | 水性顔料分散液およびインクジェット記録用水性インクの製造方法 | |
JP4525012B2 (ja) | インクジェットインク記録用着色混練物、及びその製造法 | |
JP4984125B2 (ja) | 水性顔料分散液及びインクジェット記録用インク | |
JP2005048012A (ja) | インクジェットインク用顔料分散液、インクジェットインク組成物およびその製造法 | |
JP6064472B2 (ja) | 顔料混練物の製造方法、及び水性顔料分散体の製造方法 | |
JP4452912B2 (ja) | インクジェットインク用水性顔料分散液、インクジェットインク用水性インク組成物及びその製造方法 | |
JP6115054B2 (ja) | 顔料混練物、及び水性顔料分散体の製造方法 | |
JP4244621B2 (ja) | 水性顔料分散液用混練物およびこれを用いた水性顔料分散液とインク組成物の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20121115 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131225 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140121 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140226 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20141023 |