JP2014058590A - 顔料混練物の製造方法、及び水性顔料分散体の製造方法 - Google Patents

顔料混練物の製造方法、及び水性顔料分散体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 加温冷却試験後であっても粗大粒子が発現せず、特に長期保存安定性が良好な水性顔料分散体を得る製造方法を提供する。
【解決手段】 顔料と、アニオン性基を有する樹脂と、アニオン性基を中和する中和剤とを混合し、水または水を主成分とする液媒体中でスラリー化した後噴霧乾燥もしくは凍結乾燥して複合顔料を得る工程(1)と、前記工程(1)で得た複合顔料と水溶性有機溶剤とを含む混合物を混練する工程(2)とを有する顔料混練物の製造方法、前記製造方法で得た顔料混練物に水または水を主成分とする液媒体を添加、撹拌して液体化する水性顔料分散体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は顔料混練物および水性顔料分散体の製造方法に関し、特にインクジェット記録用インクの製造に適した顔料混練物および水性顔料分散体の製造方法に関する。
従来、水、あるいは水を主成分とする液媒体中に顔料を分散した水性顔料分散体が提案されており、これを希釈したインクが製造されている。
水性顔料分散体を製造するにあたっては、水あるいは水を主成分とする液媒体(以下、「水、あるいは水を主成分とする液媒体」を水溶性媒体と称す)中に顔料、樹脂、樹脂の中和剤を混合し、分散機を用いて顔料の分散処理を行うのが一般的であり、顔料が樹脂で被覆され水溶性媒体中に分散した水性顔料分散体が得られる。
顔料を使用したインクは従来の染料を用いたものと比べて耐光性、耐水性などが格段にすぐれることから、様々な用途に使用される。
インクの1つであるインクジェット記録用のインクは、通常の印刷と異なり、プリンターヘッドからインク滴を吐出させて印字することから、吐出する際の安定性(吐出安定性)、長期保存安定性などが、他の用途に比較して厳しく要求されている。すなわち、できるだけ粒子径の揃った微細な顔料粒子が、樹脂に被覆された状態で、水溶性溶剤中に長期にわたって安定に分散している必要がある。そしてこれらの要求を満足するためには、水性顔料分散体の段階で、良好な分散安定性と、長期保存可能な分散安定性を有することが必要とされる。
このような、分散安定性や長期保存安定性が良好な水性顔料分散体が得られる方法として、本出願人らは先に、密閉可能な撹拌槽と1軸または多軸の撹拌羽根とを備えた混練機、例えばプラネタリーミキサーを用いて閉鎖系で混練する方法や(例えば特許文献1参照)、プラネタリーミキサーで混練する際に使用する顔料として、該顔料の水性懸濁液を噴霧し乾燥する噴霧工程を経て作製された、平均一次粒径80nm以下の顔料を使用する方法(例えば特許文献2参照)を開発している。該製造方法により、60℃の恒温器で1週間の加熱試験においても平均粒径に変化のない水性顔料分散体が得られる。
しかしながら近年のインクジェット記録用装置の開発に伴い、高温環境下での長期保存安定性だけではなく、あらゆる温度変化が加わっても安定なインクが要求されており、特許文献1の方法では対処できない場合が生じている。例えば、70℃の高温環境下とマイナス40度の低温環境下での保存安定性試験を繰り返す加温冷却試験では、特許文献1や2で得られた水性顔料分散体では粗大粒子が発現してしまう。
特開2003−226831号公報 特開2011−153211号公報
本発明は加温冷却試験後であっても粗大粒子が発現せず、特に長期保存安定性が良好な水性顔料分散体を得る製造方法を提供するものである。
本発明者らは、特許文献1に記載の製造方法で使用する顔料として、顔料と、アニオン性基を有する樹脂と、アニオン性基を中和する中和剤とを混合し、水または水溶性溶媒中でスラリー化した後噴霧乾燥して得た複合顔料を使用することで、上記課題を解決した。
本発明者らは、得られる水性顔料分散体が加温冷却試験後も安定性を保つためには、顔料表面に樹脂が均一且つ密に吸着していることが必要と考えた。そして鋭意検討の末、顔料を樹脂と共に水溶液中でスラリー化して、顔料の疎水性表面と樹脂が有する疎水性基との親和力をより高めた状態で顔料に吸着させ、その状態で噴霧乾燥もしくは凍結乾燥することで、顔料表面に樹脂が析出しより強固に樹脂を被覆した複合顔料を得、該複合顔料を水溶性有機溶剤と共に混練して得た顔料混練物を使用することで、加温冷却試験後であっても、粗大粒子が発現せず、分散安定性が良好で、長期保存安定性が良好な、優れた水性顔料分散体が得られることを見出した。
即ち本発明は、顔料と、アニオン性基を有する樹脂と、アニオン性基を中和する中和剤とを混合し、水または水を主成分とする液媒体中でスラリー化した後噴霧乾燥もしくは凍結乾燥して複合顔料を得る工程(1)と、前記工程(1)で得た複合顔料と水溶性有機溶剤とを含む混合物を混練する工程(2)とを有する顔料混練物の製造方法を提供する。
また本発明は、前記顔料混練物に水または水を主成分とする液媒体を添加、撹拌して液体化する水性顔料分散体の製造方法を提供する。
本発明により、加温冷却試験後であっても粗大粒子が発現せず、特に長期保存安定性が良好な水性顔料分散体を得ることができる。
(工程1 顔料)
本発明で使用する顔料は噴霧乾燥工程で顔料の乾燥を行うことができる顔料であれば特に限定されることなく、公知慣用の有機顔料あるいは無機顔料を使用することができる。また、本発明は未処理顔料、処理顔料のいずれでも適用することができる。
有機顔料としては、例えば、ペリレン・ペリノン系化合物顔料、キナクリドン系化合物顔料、フタロシアニン系化合物顔料、アントラキノン系化合物顔料、フタロン系化合物顔料、ジオキサジン系化合物顔料、イソインドリノン系化合物顔料、イソインドリン系化合物顔料、ジケトピロロピロール系化合物顔料、不溶性アゾ系化合物顔料、溶性アゾ系化合物顔料、縮合アゾ系化合物顔料、アニリンブラック顔料等が挙げられる。有機顔料の具体例を挙げると、例えば次の通りである。
ペリレン・ペリノン系化合物顔料としては、例えばC.I.PigmentViolet 29、C.I.Pigment Red 123、同149、同178、同179、C.I.Pigment Black 31、同32、C.I.Pigment Orange 43等の顔料が挙げられる。
キナクリドン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Violet 19、同42、C.I.Pigment Red 122、同202、同206、同207、同209、C.I.Pigment Orange 48、同49等の顔料が挙げられる。
フタロシアニン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、C.I.Pigment Green 7、同36等の顔料が挙げられる。
アントラキノン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Yellow 24、同108、C.I.Pigment Red 168、同177、C.I.Pigment Orange 40等の顔料が挙げられる。
フタロン系化合物顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 138等の顔料が挙げられる。
ジオキサジン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Violet 23、同37等の顔料が挙げられる。
イソインドリノン系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Yellow 109、同110、同173、C.I.Pigment Orange 61等の顔料が挙げられる。
イソインドリン系化合物顔料としては、例えばC.I.PigmentYellow 139、同185、C.I.Pigment Orange 66、C.I.Pigment Brown 38等の顔料が挙げられる。
ジケトピロロピロール系化合物顔料としては、例えばC.I.PigmentRed 254、同255等の顔料がある。
不溶性アゾ系化合物顔料としては、例えば C.I.Pigment Yellow 1、同3、同12、同13、同14、同17、同55、同73、同74、同81、同83、同97、同130、同151、同152、同154、同156、同165、同166、同167、同170、同171、同172、同174、同175、同176、同180、同181、同188、C.I.Pigment Orange 16、同36、同60、C.I.Pigment Red5、同22、同31、同112、同146、同150、同171、同175、同176、同183、同185、同208、同213、C.I.PigmentViolet 43、同44、C.I.Pigment Blue 25、同26等の顔料が挙げられる。
溶性アゾ系化合物顔料としては、例えばC.I.Pigment Red 53:1、同57:1、同48等の顔料がある。
縮合アゾ系化合物顔料としては、例えば C.I.Pigment Yellow 93、同94、同95、同128、同166、C.I.PigmentOrange 31C.I.Pigment Red 144、同166、同214、同220、同221、同242、同248、同262、C.I.Pigment Brown 41、同42等の顔料がある。
アニリンブラック顔料としては、C.I.Pigment Black 1があげられる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、硫化亜鉛、鉛白、亜鉛華、リトボン、アンチモンホワイト、塩基性硫酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、シリカ、カーボンブラック、鉄黒、チタンブラック、コバルトバイオレット、バーミリオン、モリブデンオレンジ、鉛丹、ベンガラ、黄鉛、カドミウムイエロー、ジンククロメート、イエローオーカー、酸化クロム、群青、紺青、コバルトブルー等が挙げられる。
本発明で使用する顔料の平均一次粒径は80nm以下が好ましく、より好ましくは20〜80nmの範囲内である。さらに好ましくは30〜80nmである。平均一次粒径が20nmを下回ると分散が困難となる傾向にあり、80nmを超えてくると、インクジェットインク適性に劣る傾向にある。
顔料の平均一次粒径はTEM写真にて顔料の長軸長をn=20で測定し平均することによって求めることが出来る。
(工程1 アニオン性基を有する樹脂)
本発明で使用する樹脂は特に限定はなく各種樹脂を使用することができる。例えば、ポリビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アミノ系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系高分子化合物等が挙げられる。
これらの樹脂は、得られる分散液の分散安定性や長期保存安定性の観点から、親水性基と疎水性基を有することが好ましい。親水性基としては例えばカルボキシル基、スルホン基又はホスホ基等のアニオン性基や、アミノ基等のカチオン性基、ノニオン性基等があげられるが、本発明においてはアニオン性基を有する樹脂がより分散安定性に優れ好ましい。また疎水性基は、顔料への吸着性の観点から芳香族基を有することが好ましい。このような、アニオン性基及び芳香族基を導入することが容易な樹脂として、アニオン性基を有するラジカル重合性モノマーと芳香族基を有するラジカル重合性モノマーとの共重合体を使用することが好ましい。中でも、アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体が好ましい。
アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体は、構成モノマーとして芳香族基を有するスチレン系モノマーと、ラジカル重合性の二重結合を有しアニオン性基を含有するモノマーを含有する。スチレン系モノマーとしては公知の化合物を用いることができる。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−エチルスチレン、α−ブチルスチレン、α−ヘキシルスチレン等のアルキルスチレン、4−フルオロスチレン、3−クロロスチレン、3−ブロモスチレン等のハロゲン化スチレン、更に3−ニトロスチレン、4−メトキシスチレン、ビニルトルエン等がある。
スチレンアクリル系共重合体の構成成分としてのスチレン系モノマーの使用比率は、全モノマー成分に対して50〜90質量%であることが好ましく、60〜90質量%であることがより好ましく、70〜90質量%であることがさらに好ましい。スチレン系モノマーの使用比率が50質量%未満であると、顔料へのアニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体の親和性が不充分となり、得られる水性顔料分散体の分散安定性が低下する傾向がある。またスチレン系モノマーの量が上記範囲であると、疎水性の顔料表面にアニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体が吸着し易い。またアニオン性基を有するモノマーを構成成分として十分使用できるため、スチレンアクリル系共重合体の水性媒体に対する分散性を良好にすることができ、インクジェット記録用水性顔料分散体における顔料の分散性や分散安定性を向上させることができ、顔料の微小粒径化に対する効果も大きい。更に、インクジェット記録用水性インクとして使用した場合の印字安定性が良好になる。一方、スチレン系モノマーの使用比率が90質量%を超えると、水性媒体への分散性が不十分となる傾向にあり、インクジェット記録用水性インクを作製したときの分散性、分散安定性が低下する傾向がある。
スチレン系モノマーと共重合させるラジカル重合性の二重結合とアニオン性基を有するモノマーのアニオン性基としては前述の通りカルボキシル基、スルホン基、ホスホ基等があげられるが、原料モノマーの入手しやすさ、価格等を考慮すると、中でもカルボキシル基またはスルホン基を含有するアニオン性基含有モノマーが好ましく、電気的中性状態と、アニオン状態の共存範囲を広く制御できる点で、カルボキシル基を有するアニオン性基含有モノマーが好ましく、その中でも特に不飽和脂肪族カルボン酸モノマーが好ましい。
不飽和脂肪族カルボン酸モノマーとしては、公知の化合物を使用することができる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、α−メチルクロトン酸、α−エチルクロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸を使用するのが好ましく、両者を併用するのが特に好ましい。アクリル酸とメタクリル酸を併用することによって、樹脂合成時の共重合性が向上して、樹脂の均一性が良くなり、該樹脂による顔料分散を行った場合、分散剤の組成の不均一性に起因すると考えられる安定性の低下が抑制されると考えられる。
このように、本発明で使用するアニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体の構成モノマーとしては、スチレン系モノマー、アクリル酸、及びメタクリル酸の3種のモノマーを使用するのが好ましく、それらのモノマーの含有比率の総和が、全モノマー成分に対して95質量%以上であることがさらに好ましい。
アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体には、スチレン系モノマー及びラジカル重合性の二重結合を有する不飽和脂肪族カルボン酸以外の公知のモノマーを使用できる。そのようなモノマーの例としては、メチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルブチルアクリレート、1,3−ジメチルブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−メチルブチルメタクリレート、ペンチルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、ノニルメタクリレート等のアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類;3−エトキシプロピルアクリレート、3−エトキシブチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、エチル−α−(ヒドロキシメチル)アクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートのようなアクリル酸エステル誘導体及びメタクリル酸エステル誘導体;フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルエチルアクリレート、フェニルエチルメタクリレートのようなアクリル酸アリールエステル類及びアクリル酸アラルキルエステル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ビスフェノールAのような多価アルコールのモノアクリル酸エステル類あるいはモノメタアクリル酸エステル類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルのようなマレイン酸ジアルキルエステル、酢酸ビニル等を挙げることができる。これらのモノマーはその1種又は2種以上をモノマー成分として添加することができる。
アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体の製造方法としては、通常の重合方法を採ることが可能で、溶液重合、懸濁重合、塊状重合等の方法で、重合触媒の存在下に重合反応を行う方法が挙げられる。重合触媒としては、例えば、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられ、その使用量は構成モノマー成分の総和の0.1〜10.0質量%が好ましい。
前記アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体等のアニオン性基を有する樹脂は、塩基性化合物等のアニオン性基を中和する中和剤で中和することにより安定した水分散性を得るため、50〜300の酸価を有することが好ましい。酸価が50より小さいと、親水性が小さくなり顔料の分散安定性が低下する。一方、酸価が300より大きいと、水性インクを用いた印字品の耐水性が低下するおそれがある。酸価の値としては、70〜250が好ましく、90〜200の範囲であることがさらに好ましい。
前記アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体等のアニオン性基を有する樹脂の重量平均分子量は5,000から40,000の範囲内にあることが好ましく、7,500から30,000の範囲内にあることがより好ましい。中でも、10,000〜25,000の範囲内にあることが特に好ましい。重量平均分子量が5,000未満であると、顔料のインクジェット記録用水性顔料分散体を作製したときの長期保存安定性が悪くなる傾向にあり、顔料の凝集等による沈降が発生する場合がある。アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体の重量平均分子量が40,000を超えると、これを用いたインクジェット記録用水性顔料分散体から調製したインクジェット記録用水性インクの粘度が高くなって、インクの吐出安定性が不安定になる傾向にある。なお、ここで重量平均分子量とはGPC(ゲル・浸透・クロマトグラフィー)法で測定される、ポリスチレン換算の値とする。アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体のガラス転移点は90〜150℃が好ましく、100〜150℃がさらに好ましい。ガラス転移点が90℃以上であると、水性インクの熱安定性が向上する。このため前記水性顔料分散体から製造されたインクジェット記録用水性インクをサーマルジェット方式のインクジェット記録に用いるときに、繰り返し加熱によって吐出不良を起こすような特性変化を生じにくく好ましい。
本発明で使用するアニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体でもよいが、グラフト共重合体であっても良い。グラフト共重合体としてはポリスチレンあるいはスチレンと共重合可能な非イオン性モノマーとスチレンとの共重合体が幹又は枝となり、アクリル酸、メタクリル酸とスチレンを含む他のモノマーとの共重合体を枝又は幹とするグラフト共重合体をその一例として示すことができる。アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体(b)は、このグラフト共重合体とランダム共重合体の混合あってもよい。
(工程1 アニオン性基を中和する中和剤)
本発明の製造方法では工程(1)においてアニオン性基を中和する中和剤を使用する。
アニオン性基を中和する中和剤としては具体的には塩基性化合物を使用することが好ましい。塩基性化合物は前記アニオン性基を有する樹脂のアニオン性基を中和し、該樹脂の分散性を向上させる。その結果分散体中の該共重合体で被覆された顔料粒子の分散状態がより安定となり、分散安定性、長期保存安定性も向上する。
使用される塩基性化合物としては、無機系塩基性化合物、有機性塩基性化合物のいずれも用いることができるが、アルカリ強度を調整し易い点において、無機系塩基性化合物がより好ましい。有機系塩基性化合物としてはメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどの一般的なアミンを例示することができる。無機系塩基性化合物としては、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩;水酸化アンモニウムなどを例示することができる。中でも、強アルカリのものがスチレンアクリル系樹脂の中和によって該樹脂の分散性を高めるのに効果的であるため好ましく、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が使用できるが、特に、水酸化カリウムを使用することが好ましい。
また、塩基性化合物の添加量は、前記アニオン性基を有する樹脂のアニオン性基がカルボキシル基である場合、全カルボキシル基を中和するために必要な添加量の0.8〜1.2倍に相当する量であることが好ましい。ここで、中和するために必要な添加量は樹脂の酸価から計算される塩基性化合物のモル比相当量とする。なお塩基性化合物は混合性の向上の点等から、20〜50質量%程度の水溶液または有機溶剤溶液で用いるのが好ましく、水溶液として添加するのがさらに好ましい。
(工程1 水または水を主成分とする液媒体)
本発明において、工程1で使用する溶媒は水であることが好ましいが、水100%ではなく水を主成分とする液媒体であってもよい。本発明において「水を主成分とする液媒体」とは、水を好ましくは80質量%以上含有し、且つ、水と相溶しうる液体を含む液媒体を示す。水と相溶しうる液体としては例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、アセトンがあげられる。
(工程1 スラリー工程)
本発明の工程1においては、前記顔料と、前記アニオン性基を有する樹脂と、前記アニオン性基を中和する中和剤とを混合し水または水を主成分とする液媒体中でスラリー化し、顔料組成物を得る。スラリー化する方法としては特に限定はなく、公知の方法、例えばメディアを用いたペイントシェーカー、ボールミル、アトライター、バスケットミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、スパイクミル、アジテーターミルや、メディアを用いない超音波ホモジナイザー、ナノマイザー、デゾルバー、ディスパー、高速インペラー分散機等があげられる。
前記スラリー化における、前記アニオン性樹脂を有する樹脂に対する顔料の割合は、樹脂の重量/顔料の重量=0.20〜0.40の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.20〜0.30である。前記樹脂が前記割合よりも少ない場合、得られる着色液体の分散安定性が低下するおそれがあり、一方樹脂が前記割合よりも多いと分散液が増粘しインクジェット特性を低下させるおそれがある。
(工程1 噴霧乾燥もしくは凍結乾燥工程)
前記スラリー化した顔料組成物を、噴霧乾燥もしくは凍結乾燥する。
噴霧乾燥即ちスプレードライする方法は特に限定はなく、例えば該スラリーを微細な霧状とし、これを熱風中に噴出させ、瞬間的に乾燥させることで、粉末状の複合顔料粉末を得ることが出来る。また凍結乾燥する方法にも特に限定はなく、例えば該スラリーを−20℃以下で凍結した後、減圧〜真空状態として凍結乾燥機で乾燥し、粉末状の複合顔料粉末を得ることが出来る。
前述の通り、工程1を経ることで、顔料表面に樹脂が析出した顔料を得ることができる。これは、単に樹脂で被覆された顔料ではなく、噴霧乾燥もしくは凍結乾燥により、通常の熱乾燥で生じる乾燥応力を極限まで低下し、水分の蒸発と樹脂の析出を顔料細孔内で瞬時に、もしくは顔料の一次粒子を保ったまま起こした結果、顔料の粒子のほぼ全域に至るまで樹脂が吸着した複合顔料となっているものと推定される。したがって、工程2の混練工程においては、該複合顔料の樹脂吸着を一層強固なものにした結果、良好な分散性を示す顔料分散体が得られたものと推定される。この推定は顔料分散体の樹脂吸着量によって裏付けられ、工程1を経た複合顔料を用いた顔料分散体は、工程1を経ない従前の方法に比し約2.5倍の樹脂吸着量を示すことからも裏付けられる。
(工程2 水溶性有機溶剤)
前記工程1で得た複合顔料と、水溶性有機溶剤とを含む混合物を混練する工程(2)を経ることで、顔料混練物が得られる。
本発明で使用する水溶性有機溶剤は特に限定はなく公知のものを使用することができる。例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、およびこれらと同族のジオールなどのジオール類;ラウリン酸プロピレングリコールなどのグリコールエステル;ジエチレングリコールモノエチル、ジエチレングリコールモノブチル、ジエチレングリコールモノヘキシルの各エーテル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、およびトリエチレングリコールエーテルを含むセロソルブなどのグリコールエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、およびこれらと同族のアルコールなどのアルコール類;あるいは、スルホラン;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドンなどのラクタム類;グリセリンおよびその誘導体など、水溶性有機溶剤として知られる他の各種の溶剤などを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
中でも、高沸点、低揮発性で、高表面張力の多価アルコール類が好ましく、特にジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類が好ましい。
前記水溶性有機溶剤は、質量比で前記複合顔料の1/5以上使用することが好ましく、1/3以上使用することが最も好ましい。水溶性有機溶剤を質量比で顔料の1/3以上使用することにより、混練工程における開始時から終了時に至るまで、常に一定量の溶剤の存在のもとに混練を進行させることができる。
一方、前記樹脂に対する量は任意であるが、質量比で前記樹脂の1/2〜5/1程度、好ましくは1/1〜4/1となるように仕込むことが好ましい。
前記混合物中の固形分比率は、高いほうが、混練中の混練物の粘度を高く保ち、混練中に、混練機によって混練物にかけられるシェア(剪断力)を大きくして、混練物中の顔料の粉砕と顔料の樹脂による被覆を同時に進行させることができる。このような観点から、固形分比率は40質量%以上が好ましく、50質量%以上がなお好ましい。
また、粘度を高く一定に保つ観点からも、後述の混練方法は、閉鎖型の混練機を使用し、混練中の前記混合物の質量が混練前の仕込量に対して90質量%以上の範囲で維持されるように混練することが必要となる。
(工程2 混練方法)
本発明における混練方法は、二本ロール等の撹拌槽を有しない開放型の混練機を用いるよりは、撹拌槽と混合用の攪拌羽根を有する混練機を用いることが好ましい。具体的には撹拌羽根は1軸または多軸であればよいが、高い混練作用を得るためには二つ以上の撹拌羽根のものが好ましい。この様な構成の混練機を用いると、顔料混練物を製造した後、これを同一撹拌槽中で直接水溶性溶剤で希釈し分散させることで、水性顔料分散体をも製造することができる。
この様な装置としてはヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサーなどが例示される。本発明においては、前記混練機がプラネタリーミキサーであることが好ましい。プラネタリーミキサーは、互いに自転と公転を行う2軸の撹拌羽根を使用して、撹拌槽中の顔料混練物を撹拌、混練する構造を有しており、撹拌槽中に撹拌羽根の到達しないデッドスペースが少ない。また、羽根の形状が肉厚で、高負荷をかけることができるが、一方では撹拌羽根を撹拌槽中で回す通常の撹拌機の様に使用することも出来る。このため高負荷領域から低負荷領域まで、混練対象にすることができる被混練物の幅が広い。また、工程(2)の混練終了後の顔料混練物に、そのまま水溶性媒体を添加、撹拌して液体化することで、水性顔料分散体を連続して得ることもできる。
また本発明における顔料混練物は、顔料と樹脂からなる固形分比率が高い状態で混練するため、顔料混練物の混練状態に依存して粘度が広い範囲で変化するが、プラネタリーミキサーは低粘度から高粘度まで広範囲に対応することが可能である。
(水性顔料分散体の製造方法)
前記製造方法で得た顔料混練物は、水溶性媒体を添加、撹拌して液体化することで、容易に水性顔料分散体とすることができる。その場合、混練装置としてプラネタリーミキサーを使用している場合は前述の通り前記工程(2)の混練終了後の顔料混練物に、そのまま水溶性媒体を添加、撹拌して液体化することで、水性顔料分散体を連続して得ることもできる。一方、混練終了後の顔料混練物を取り出して液状化を行うことももちろん可能である。その際使用できる分散装置としては、公知の分散装置を用いることが出来、メディアを用いたものではペイントシェーカー、ボールミル、アトライター、バスケットミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、スパイクミル、アジテーターミルなどが挙げられる。またメディアを用いないものとしては、ジュースミキサー、超音波ホモジナイザー、ナノマイザー、デゾルバー、ディスパー、高速インペラー分散機などがあげられるが、これらの中でもメディアを用いた分散機は分散能力が高いため好ましい。
ここで使用する水溶性媒体とは、前述の工程(1)と同様に、水、または水と相溶する水溶性有機溶剤を主成分とするものである。またここで用いる水溶性有機溶剤としては、混練工程において使用した水溶性有機溶剤と同様のものを用いることが出来る。
顔料混練物への前記水溶性媒体の添加は、一括で行って一度に液体化を行ってもよいが、全添加量を少量ずつ徐々に添加する方法が、より均一な水性顔料分散体を得ることででき好ましい。具体的には、1度目の水溶性媒体を添加後撹拌し混合物全体がなめらかな均一状態となってから、次添加、を繰り返し徐々に添加し均一な液体化を行う。あるいは顔料混練物を撹拌しながら少量を連続して添加してもよく特に限定はない。
本発明の製造方法で得た顔料混練物は、既に十分に解砕されており特に使用する顔料は工程(1)で得た複合顔料であるので、工程(2)の混練工程においてすでに大幅に粗大粒子が低減されている。このため塩基性化合物存在下に該混練物に水溶性媒体を添加し、混合、撹拌しただけで、粗大粒子の低減された水性顔料分散体を得ることが可能である。
(インクジェット記録用インクの製造方法)
本発明の製造方法で得た水性顔料分散体は、各種塗料や印刷インキ等に適用可能である。なかでも、加温冷却試験後であっても、粗大粒子が発現せず、分散安定性が良好で、長期保存安定性が良好なことから、インクジェット記録用インクとして特に好ましく適用可能である。
インクジェット記録用インクは、前記顔料分散体に、必要に応じてバインダー樹脂、湿潤剤(乾燥抑止剤)、浸透剤、あるいはその他の添加剤を添加して得ることができる。
(バインダー樹脂)
前記バインダー樹脂としては、特に限定なく、例えば、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、アラビアゴム、フィッシュグリューなどの天然タンパク質やアルギン酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、芳香族アミド、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリウレタン、ポリエステル、アクリル酸−アクリル酸エステル類の共重合体、スチレン−マレイン酸、スチレン−アクリル酸樹脂等の合成高分子等が挙げられる。
これら樹脂を使用する場合のインク中の含有割合は、30質量%以下が好ましく、20質量%以下が特に好ましい。
(湿潤剤)
前記湿潤剤は、インクの乾燥防止を目的として添加する。乾燥防止を目的とする湿潤剤のインク中の含有量は3〜50質量%であることが好ましい。
本発明で使用する湿潤剤としては特に限定はないが、水との混和性がありインクジェットプリンターのヘッドの目詰まり防止効果が得られるものが好ましい。例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール、等が挙げられる。中でも、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオールを含むことが安全性を有し、かつインク乾燥性、吐出性能に優れた効果が見られる。
(浸透剤)
前記浸透剤は、被記録媒体への浸透性改良や記録媒体上でのドット径調整を目的として添加する。浸透剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、エチレングリコールヘキシルエーテルやジエチレングリコールブチルエーテル等のアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物やプロピレングリコールプロピルエーテル等のアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
インク中の浸透剤の含有量は0.01〜10質量%であることが好ましい。
(界面活性剤)
前記界面活性剤は、表面張力等のインク特性を調整するために添加する。このために添加することのできる界面活性剤は特に限定されるものではなく、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、これらの中では、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、これらの具体例として、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩などを挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、等を挙げることができ、これらの中では、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが好ましい。
その他の界面活性剤として、ポリシロキサンオキシエチレン付加物のようなシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルのようなフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸、ラムノリピド、リゾレシチンのようなバイオサーファクタント等も使用することができる。
これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、又2種類以上を混合して用いることもできる。また、界面活性剤の溶解安定性等を考慮すると、そのHLBは、7〜20の範囲であることが好ましい。界面活性剤を添加する場合は、その添加量はインクの全質量に対し、0.001〜2質量%の範囲が好ましく、0.001〜1.5質量%であることがより好ましく、0.01〜1質量%の範囲であることがさらに好ましい。界面活性剤の添加量が0.001質量%未満の場合は、界面活性剤添加の効果が得られない傾向にあり、2質量%を超えて用いると、画像が滲むなどの問題を生じやすくなる。
また、必要に応じて防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。
前記インクジェット記録用インクに占める顔料量は、充分な画像濃度を得る必要性と、インク中での顔料の分散安定性を確保するために、1〜20質量%であることが好ましい。
前記インクジェット記録用インクの表面張力は、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、20mN/m以上40mN/m以下である。表面張力が20mN/m未満となるとノズル面に液体が溢れ出し、正常に印字できない場合がある。一方、60mN/mを超えると非吸収基材でのはじきが発生し易い傾向がある。
前記インクジェット記録用インクの粘度は、1.2mPa・s以上20.0 mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは2.0 mPa・s以上 15.0mPa・s未満、更に好ましくは3.0mPa・s以上 12.0 mPa・s未満である。粘度がこの範囲において、優れた吐出性と、長期間にわたる良好な噴射性の維持が達成できる。この、前記インクジェット記録用インクの表面張力や粘度は、含有する界面活性剤や水溶性溶媒の種類や添加量を調製するにより上記の好ましい範囲に維持することができる。
このように作製したインクジェット記録用水性インクは、インクジェット記録用のインクとして各種のインクジェット用プリンターに好適に用いることができる。適用可能なインクジェットの方式は特に限定するものではないが、荷電制御型、スプレー型等の連続噴射型、ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式等のオンデマンド型の公知のものを例示することができる。そして、本願のインクジェット記録用水性インクは、これら各種のインクジェット方式に適用した場合に、極めて安定したインク吐出が可能となり、特にサーマルジェット方式のインクジェット記録に対して好適に用いることができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、下記実施例に何ら制限されるものではない。なお、以下実施例中にある部、g、%は質量換算である。
(参考例 樹脂の合成1)
撹拌装置、滴下装置、還流装置を有する反応容器にメチルエチルケトン100部を仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した。反応容器内を窒素雰囲気に保ちながら加温し、メチルエチルケトン還流状態とした後、滴下装置からスチレン74部、アクリル酸11部、メタクリル酸15部及び重合触媒(和光純薬工業社製/「V−59」)8部の混合液を2時間かけて滴下した。なお滴下の途中より、反応系の温度を80℃に保った。 滴下終了後、同温度でさらに25時間反応を続けた。なお、反応の途中において、原料の消費状況を確認しながら、適宜、重合触媒を追加した。反応終了後、メチルエチルケトンを減圧下で留去し、得られた固体を粉砕して、スチレン−アクリル酸系共重合体(A−1)の粉体を得た。
以上により、スチレン/アクリル酸/メタアクリル酸=74/11/15(重量%)であり、重量平均分子量9000、酸価185mgKOH/gであるスチレンアクリル系樹脂(A−1)が得られた。
なお本発明における重量平均分子量は、GPC(ゲル・浸透・クロマトグラフィー)法で測定し、標準物質として使用するポリスチレンの分子量に換算した値である。なお、測定は以下の装置及び条件により実施した。
送液ポンプ:LC−9A
システムコントローラー:SCL−6B
オートインジェクター:SIL−6B
検出器:RID−6A
以上島津製作所社製。
データ処理ソフト:Sic480IIデータステーション(システムインスツルメンツ社製)。
カラム:GL−R400(ガードカラム)+GL−R440+GL−R450+GL−R400M(日立化成工業社製)
溶出溶媒:THF
溶出流量:2ml/min
(実施例1 顔料混練物の製造方法)
(工程(1) スラリー化工程)
フタロシアニン系顔料ファストゲンブルー(DIC社製:C.I.ピグメントブルー15:3)を10.5部、スチレンアクリル系共重合体(A−1)を3.1部、48%水酸化カリウム水溶液を1.2部を、撹拌層に投入し、スリーワンモーターにて3時間撹拌混合後、ビーズミル(浅田鉄工製ナノミルNM−G2L)にて下記条件で分散を実施し、顔料スラリーを得た。
(ビーズミル分散条件)
分散機:ナノミルNM−G2L(浅田鉄工製)
ビーズ:φ0.3mmジルコニアビーズ
ビーズ充填量:85%
冷却水温度:10度
回転数:2660rpm
送液量:200g/min
分散時間:3時間
(工程(1) 噴霧乾燥工程)
上記スラリーをスプレードライヤーにて下記条件にて噴霧乾燥を実施し、収率90%以上で複合顔料を得た。
(噴霧乾燥条件)
スプレードライヤー:L-8i型スプレードライヤー(大川原製作所)
出口温度:105〜110度
(工程(2) 混練工程)
前記工程(1)で得た複合顔料を65部、ジエチレングリコール21.5部を容量0.4LのプラネタリミキサーACM−0.4LVT(株式会社愛工舎製作所)に仕込み、ジャケットを80度に加温し、回転数80rpmにて1時間混練を行った。続いて、撹拌層内の混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水150部を徐々に加え、更に1時間撹拌した後に全量取り出し、顔料混練物を得た。
(実施例2 水性顔料分散体の製造方法)
実施例1で得た顔料混練物に更にジエチレングリコール18.5部とイオン交換水78.3部からなる混合液を加え、混合し、水性顔料分散体を得た。得られた水性顔料分散体の固形分濃度は19.2%、顔料濃度は14.1%であった。
(比較例1 水性顔料分散体の製造方法)
実施例1において、工程(1)における噴霧乾燥工程と、工程(2)の混練工程を除いて、水性顔料分散体を作成した。
即ち、フタロシアニン系顔料ファストゲンブルー(DIC社製:C.I.ピグメントブルー15:3)を10.5部、スチレンアクリル系共重合体(A−1)を3.1部、48%水酸化カリウム水溶液を1.2部を撹拌層に投入し、スリーワンモーターにて3時間撹拌混合後、ビーズミル(浅田鉄工製ナノミルNM−G2L)にて下記条件で分散を実施し、水性顔料分散体を得た。この水性顔料分散体の顔料濃度は15.0%であった。
分散条件
分散機:ナノミルNM−G2L(浅田鉄工製)
ビーズ:φ0.3mmジルコニアビーズ
ビーズ充填量:85%
冷却水温度:10度
回転数:2660rpm
送液量:200g/min
分散時間:3時間
(比較例2 水性顔料分散体の製造方法)
実施例1において、工程(1)を除いて水性顔料分散体を作成した。
即ち、フタロシアニン系顔料ファストゲンブルー(DIC社製:C.I.ピグメントブルー15:3)を50部、スチレンアクリル系共重合体(A−1)を 15部、48%水酸化カリウム水溶液を5.7部、ジエチレングリコールを21.5部を容量0.4LのプラネタリミキサーACM−0.4LVT(株式会社愛工舎製作所)に仕込み、ジェケットを80度に加温し、回転数80rpmにて1時間混練を行い、顔料混練物を得た。
続いて、撹拌層内の顔料混練物に、撹拌を継続しながらイオン交換水150部を徐々に加え、更に1時間撹拌した後に全量取り出した。この分散液に更に、ジエチレングリコール18.5部とイオン交換水72.7部とからなる混合液を加え、混合した。この水性顔料分散体の固形分濃度は19.9%、顔料濃度は14.7%であった。
上記実施例2、及び比較例1〜2で作製した水性顔料分散体に対して以下の項目を測定して評価を行った。
<作製直後の粗大粒子数(初期値)>
実施例2、及び比較例1〜2で作製した水性顔料分散体を2000倍に希釈し、アキュサイザー780APS(インターナショナル・ビジネス社製)にて測定を行った。粗大粒子数は希釈前の水性顔料分散液1ml当たりの粒子数に換算した。
<保存安定性試験後の粗大粒子数(安定性試験後)>
実施例、及び比較例で作製した水性顔料分散体を加温冷却恒温槽内に3日間静置し、上記と同様の方法にて粗大粒子数を測定した。
以上の結果を以下に示す。尚、表中の表記は以下の基準により判定した。
Figure 2014058590

Figure 2014058590
実施例2に示すように、工程(1)を経た水性顔料分散体は初期値、並びに安定性試験後でも粗大粒子数は極めて低いレベルを維持した。これに対し、工程(1)のみの水性顔料分散体(比較例1)、工程(2)のみの水性顔料分散体(比較例2)は、何れも粗大粒子数が多い結果となった。以上より、工程(1)と工程(2)の両方が粗大粒子数の低減に有効であると言える。

Claims (5)

  1. 顔料と、アニオン性基を有する樹脂と、アニオン性基を中和する中和剤とを混合し、水または水を主成分とする液媒体中でスラリー化した後噴霧乾燥もしくは凍結乾燥して複合顔料を得る工程(1)と、前記工程(1)で得た複合顔料と水溶性有機溶剤とを含む混合物を混練する工程(2)とを有することを特徴とする顔料混練物の製造方法。
  2. 前記工程(1)における前記アニオン性樹脂を有する樹脂に対する顔料の割合が、樹脂の重量/顔料の重量=0.20〜0.40の範囲である請求項1に記載の顔料混練物の製造方法。
  3. 前記工程(2)が、密閉可能な撹拌槽と1軸または多軸の撹拌羽根とを備えた閉鎖型の混練機を用い混練中の前記混合物の質量が混練前の仕込量に対して90質量%以上の範囲で維持されるように混練する工程である請求項1または2に記載の顔料混練物の製造方法。
  4. 前記アニオン性基を有する樹脂が、アニオン性基を有するスチレンアクリル系共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の顔料混練物の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかの製造方法で得た顔料混練物に水または水を主成分とする液媒体を添加、撹拌して液体化することを特徴とする水性顔料分散体の製造方法。
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