JP4244621B2 - 水性顔料分散液用混練物およびこれを用いた水性顔料分散液とインク組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性顔料分散液用混練物およびこれを用いた水性顔料分散液とインク組成物の製造方法に関し、特にインクジェット記録用に適したものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、水を主成分とする液媒体中に顔料を分散した水性顔料分散液が提案され、これを希釈してインク組成物が製造されている。
水性顔料分散液を製造するにあたっては、顔料、水、有機溶剤、樹脂、アルカリ剤を混合し、分散機を用いて顔料の分散処理を行うのが一般的である。その結果、粒子状の顔料が樹脂にて被覆された複数の樹脂被覆粒子が水溶性溶剤(水性媒体)中に分散した水性顔料分散液が得られる。なお本発明において水溶性溶剤もしくは水性媒体とは、水、あるいは水に水と容易に混ざり合う水溶性有機溶剤を含有する溶剤のことを示す。
【0003】
一方、水性顔料分散液を使用してインクジェット記録用のインク組成物を製造すると、従来の染料を用いたものと比べて耐光性、耐水性などが格段にすぐれたものが得られる。
なお、インクジェット記録用のインク組成物においては、インクジェットから吐出されるときの安定性(吐出安定性)、長期保存安定性などが、他の用途に比較して厳しく要求されている。すなわち、できるだけ粒子径の揃った微細な顔料粒子が、樹脂に被覆された状態で、水溶性溶剤中に長期にわたって安定に分散している必要がある。そして、これらの要求を満足するためには、水性顔料分散液の段階で、良好な分散安定性と、長期保存可能な分散安定性を有することが必要とされる。
【0004】
そこで、最近では、水性顔料分散液について、インクジェット記録用に適した組成や顔料の分散方法などについて種々の検討が行われはじめている。
例えば、水溶性樹脂とアルカリ成分を水に溶解した水溶液を作成し、これに顔料を加えて充分撹拌した後、さらに分散効率の高い高速のサンドミルなどを用いて分散させて水性顔料分散液を得る方法が提案されている。(例えば特許文献1参照。)。
【0005】
しかしながら、この方法においては、分散時間が長時間にわたり、製造効率が低いという問題があった。また、この様にして得られた水性顔料分散液においても、分散安定性は未だ不充分であった。
すなわち、サンドミルによる水性顔料分散液の分散工程は、通常固形分比率の小さい低粘度の被分散液で行われる。そのため、被分散液は顔料濃度が低く、また粘度も低いため、顔料に強力なシェアがかかりにくく、顔料の粗大粒子を粉砕するのに多くの時間がかかるという問題があった。
また、この様にして得られた水性顔料分散液には、分散後にも相当量の粒径1μm以上の粗大粒子が含まれている。そして、このままではインクジェットの吐出安定性が確保できないので、さらに遠心分離、濾過などによってこの粗大粒子を除去する工程が必要であり、さらなる製造効率の低下と収率の低下という問題があった
これに対して、樹脂と顔料もしくは、樹脂、水、水溶性有機溶剤からなる水性樹脂溶液と顔料の混合物を、ロールで練肉することも行われている。二本ロールにおいては、上記混合物を混練して顔料を含む固形チップを作製し、該固形チップに主に水と水溶性有機溶剤を添加してハイスピードミキサー、ホモジナイザー等で分散して水性顔料分散液を得る方法も行われている。(例えば特許文献2、特許文献3参照。)。
しかしながら、このような方法を用いると、確かに顔料はロール間でシェアを受けて細かく粉砕されるものの、練肉はあくまで開放系で行われるため、練肉中に水、水溶性有機溶剤が蒸発して最終的には固形分比率の高い固形のチップ状となる。そのため、これに続く分散工程で、さらに水、水溶性有機溶剤を添加して固形チップの粉砕、溶解及び顔料の再分散を行わなければならない。
したがって、ロールで練肉する操作に続く、分散工程に負担がかかり、分散時間が長時間化したり、また、たとえ長時間の分散を行ったとしても、粗大粒子が残存する可能性があった。また、ロールで練肉した後の固形チップは顔料の表面が樹脂被覆されていても、このように該固形チップを粉砕、溶解する分散工程を経るため、水性顔料分散液作製後の顔料表面の樹脂被覆が必ずしも十分でないことがあった。
さらに、二本ロールを用いた練肉においては、練肉中に練肉物がロール間でシート状になり、かつロールから脱離しないことが必要とされる。そのため、練肉開始時における顔料に対する樹脂、水溶性有機溶剤の比率が一定値以上でないと、前記シート状の練肉物を形成することが出来ないため、顔料、樹脂、水、水溶性有機溶媒等の配合比率の設定自由度は必ずしも高くなく、顔料比率をあまり高く設定できない。さらに使用樹脂の組成や熱特性によっては混練物がうまくまとまらないなど、樹脂そのものの選定にも制約が課せられる可能性があった。とくに印字塗膜の耐久性やインク組成物の熱安定性を考慮したとき、Tgの高い樹脂を使い、また例えばスチレンアクリル系樹脂においてスチレン比率を高めることが行われるが、樹脂Tgが90℃を超え、もしくはスチレン比率が25%を超えると混練中の樹脂がまとまりにくくなるため、このような高耐久性の要望に応えるのが難しかった。
また三本ロールを用いた練肉は、二本ロールに比べると遙かに低固形分比率の混合物に対して用いられ、顔料の配合比率をあまり高く設定することができない。被混練物の粘度も低く、前処理として用いるには被混練物にかかるシェアをあまり大きくできないという難点がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平10ー60332号公報(第2 3頁)
【特許文献2】
特開2000−80299号公報(第2 3頁)
【特許文献3】
特開2001−81390号公報(第2 3 4 5頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記事情に鑑てなされたもので、顔料が安定に分散し(分散安定性が良好で)、それが長期保存においても維持される(長期保存安定性が良好で)、優れた水性顔料分散液とインク組成物を得ることができる技術を提供することを課題とする。
また、分散時間などの製造に要する時間が短く、水性顔料分散液とインク組成物の製造方法を提供することを課題とする。
また、収率が高く、製造効率が高いと共に、樹脂の選定や樹脂、顔料等の配合比率の選択の自由度が高い水性顔料分散液とインク組成物の製造方法を提供することを課題とする。
そして、特に吐出特性、耐水性および耐光性に優れたインクジェット記録用のインク組成物を得ることができる技術を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明においては以下の様な解決手段を提案する。すなわち、少なくとも樹脂、水溶性有機溶剤、顔料を含む混合物を混練して水性顔料分散液用混練物を製造する水性顔料分散液用混練物の製造方法であって、前記混合物中の固形分比率が50質量%以上であり、前記混合物中の前記水溶性有機溶剤は、質量比で前記顔料の1/3以上であり、かつ密閉可能な撹拌槽と、1軸または多軸の撹拌羽根とを備えた混練機を用いて閉鎖系で混練することを特徴とする水性顔料分散液用混練物の製造方法である。前記固形分比率は60質量%以上であることが好ましい。また、本発明においては、このような水性顔料分散液用混練物の製造方法によって、該水性顔料分散液用混練物を製造する工程と、該混練物を水を主成分とする溶液に分散させて水性顔料分散液を製造する工程とを有する水性顔料分散液の製造方法を提供する。なお、本明細書においては、水性顔料分散液用混練物の製造工程において、混練前のものを混合物、混練中または混練後のものを混練物と呼ぶ。また、さらに本発明においては、前記水性顔料分散液を製造する工程と、該水性顔料分散液を水溶性溶剤で希釈してインク組成物を得る工程を有するインク組成物の製造方法を提供する。固形分比率をこのように高めることによって混練中の混練物の粘度を高く保ち、混練中に、混練機によって混練物にかけられるシェア(剪断力)を大きくして、混練物中の顔料の粉砕と顔料の樹脂による被覆を同時に進行させることができる。さらに本願発明においては、密閉可能な撹拌槽と、1軸または多軸の撹拌羽根とを備えた混練機を用いて閉鎖系で混練を行う。すなわち混練当初の配合が、水や水溶性有機溶剤の蒸発によって変化することなく、混練開始時から実質的に変化せず、一定の溶剤を含んだ状態で混練が進行する。このため混練工程中、溶剤によって樹脂の膨潤状態または溶解状態が保たれるため、より効果的に樹脂が顔料を被覆することができる。また、混練終了後においても溶剤が混練開始時とほぼ同量残っており、混練後の混合物の溶解、分散を極めて短時間に進行させることができる。また、前記水性顔料分散液用混練物の製造方法においては、前記水溶性有機溶剤を、質量比で前記顔料の1/3以上用いる。水溶性有機溶剤を質量比で顔料の1/3以上用いることにより、混練工程における開始時から終了時に至るまで、常に一定量の溶剤の存在のもとに混練が進行する。これにより、常に樹脂を溶解状態に保持する事はもとより、樹脂によっては半溶解もしくは膨潤状態に保持しつつ混練工程を進行させることができ、顔料表面への樹脂被覆が良好に行われる。さらに、本発明の水性顔料分散液用混練物の製造方法においては、密閉可能な撹拌槽と、1軸または多軸の撹拌羽根とを備えた混練機を用いて混練する。このような混練機においては、上述のロールを用いた練肉機と異なり、撹拌槽を密閉することが可能であって、混練中の水、もしくは水溶性有機溶剤の蒸発を防ぎ、混練中の混練物の質量が実質的に変化しないようにすることができる。そして、混練中の前記混合物の質量は、混練前の仕込量に対して90質量%以上の範囲で維持されていることが好ましい。さらに、本発明の水性顔料分散液用混練物の製造方法においては、前記混練機がプラネタリーミキサーであることが好ましい。プラネタリーミキサーは、互いに自転と公転を行う2軸の撹拌羽根を使用して、撹拌槽中の混練物を撹拌、混練する構造を有しており、撹拌槽中に撹拌羽根の到達しないデッドスペースが少ない。また、羽根の形状が肉厚で、高負荷をかけることができるが、一方では撹拌羽根を撹拌槽中で回す通常の撹拌機の様に使用することも出来る。このため高負荷領域から低負荷領域まで、混練対象にすることができる被混練物の幅が広く、混練終了後の混練物に、そのまま水と水溶性有機溶剤の一方あるいは両方を添加して希釈、撹拌、分散の全てを、混練物をプラネタリーミキサーから取り出さずに、該同じミキサーの中で行うことができる。また、本発明の水性顔料分散液用混練物の製造方法においては、前記混合物が35質量%以上の顔料を含有することが好ましい。その結果、混練時の顔料含有率を35質量%以上として混練することができ、混練物の不揮発分中の顔料濃度を高くすることができる。水性顔料分散液の分散安定化のためには、顔料が樹脂で被覆されていることが必要とされるが、顔料の被覆に寄与しなかった樹脂は樹脂粒子となったり、溶剤中に溶解したり、溶剤中で膨潤したりして、水性顔料分散液の粘度上昇や、分散性の不安定化の原因となりやすい。特に該水性顔料分散液からインクジェット記録用インク組成物を構成するときは、このような余剰の樹脂がインクジェット用ノズルに局在してインクの不吐出を発生させる危険性があり、サーマルジェットプリンター用に用いたときに特にその危険性が高い。これに対し、上述のように顔料の含有比率を35質量%以上に設定することにより、混練物中の樹脂比率を低くできるため、上述の様な余剰の樹脂による問題が発生しにくい。また、本発明の水性顔料分散液用混練物の製造方法においては、前記樹脂の重量平均分子量が4000〜40000であることが好ましい。このような範囲の重量平均分子量を有する樹脂を用いることにより、水溶性溶剤(水性媒体)中の顔料の安定性、吐出性と、インク組成物によって被記録媒体上に形成された印刷塗膜の耐久性を両立させることができる。さらに、本発明の水性顔料分散液用混練物の製造方法においては、前記樹脂のガラス転移点が90℃以上であることが好ましい。このようなガラス転移点を有する樹脂を用いることにより、インク組成物によって被記録媒体に形成された塗膜の耐久性を良好に出来ると共に、該水性顔料分散液から作製されたインクジェット記録用水性インク組成物をサーマルジェットタイプのインクジェット記録用に用いても、加熱によって塗出不良を起こすような特性変化を生じない。さらに、本発明の水性顔料分散液用混練物においては、前記樹脂が、スチレンモノマー成分と(メタ)アクリル酸系モノマー成分からなる共重合樹脂であることが好ましい。このような共重合樹脂を用いることによって、水性顔料分散液の顔料の分散安定性が高く、かつこの分散液からインクジェット記録用インク組成物を作製したときに、インク組成物により、被記録媒体上に形成された印刷塗膜の耐久性の高いインク組成物を提供することができる。さらに、前記水性顔料分散液用混練物の製造方法においては、前記共重合脂中にスチレンモノマー成分が20質量%以上含まれていることが好ましい。このような比率の共重合樹脂を用いることによって、水性顔料分散液の分散安定性と、該水性顔料分散液からインクジェット記録用インク組成物を構成したとき、該インク組成物によって形成される被記録媒体上の印刷塗膜の耐久性とを共に満たす水性顔料分散液を提供することができる。特に該インク組成物をサーマルジェットタイプのインクジェット記録用に用いたときに、加熱時の特性変化が少なく安定性に優れている。なお前記水性顔料分散液用混練物を、これに好ましくは水を主成分とする水溶性溶剤に分散させて水性顔料分散液を作製するときは、メディアを用いた分散機で分散させることが好ましい。このような分散機を用いることにより、顔料の粉砕による小粒径化と該顔料表面への樹脂吸着とを同時に進行させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
ところで、水性顔料分散液において、顔料の分散状態は、顔料の粒径、顔料が樹脂に被覆された樹脂被覆粒子の粒径、顔料と樹脂との比率や、樹脂や水溶性溶剤の組成などに影響される。そして、微細な顔料の粒子の表面が樹脂によって薄く均一に被覆された微細な樹脂被覆粒子が、水溶性溶剤(水性媒体)中に安定に分散し、かつその分散状態が長期保存後も維持されていることが、インクジェット記録用のインク組成物において、吐出安定性などの効果を得るために、好ましい。
以下、本発明について、水性顔料分散液用混練物の製造方法、水性顔料分散液の製造方法、インク組成物の製造方法について、順に例を挙げて詳細に説明する。
(1)水性顔料分散液用混練物の製造方法:
水性顔料分散液用混練物の製造においては、少なくとも
▲1▼樹脂、
▲2▼水溶性有機溶剤、
▲3▼顔料、
を含む混合物を、その質量が混練中に実質的に変化しない様に混練することを特徴とする。
なお、▲1▼樹脂と▲3▼顔料とを合わせた固形分比率は、この混合物中、50質量%以上、好ましくは60質量%以上とされる。実質的には90質量%以下とされる。50質量%未満では、混合物の粘度が低下するため混練が十分に行われないことから、顔料の解砕が十分に行われないため不都合である。
【0010】
▲1▼樹脂
前記樹脂は、特に限定せず、この用途に用いる公知のものを用いることができるが、分散安定性、長期保存安定性の点から、モノマー成分として親水基と疎水基を含む樹脂などが好ましい。
モノマー成分として親水基と疎水基を含む樹脂としては、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂、マレイン酸系樹脂、ポリビニール酢酸系樹脂、ポリビニールスルフォン酸系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニールアルコール系樹脂、ポリピロリドン樹脂、セルロース系樹脂などを例示することができる。
そして、この樹脂は、好ましくは疎水基を有する疎水性モノマーと、親水基を持つモノマーとを共重合させて得ることができる。
なお、ここで、単にモノマーという場合には、重合前のモノマーを指し、モノマー成分という場合には、樹脂中に含まれるモノマー由来の構造を示すものとする。
【0011】
前記樹脂に用いる疎水基を有する疎水性モノマーとしては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート,フェニルエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アリルエステル;
スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレートなどのスルホン酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有の(メタ)アクリル酸エステル;
スチレン、αメチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系モノマー;
アクリロニトニル;アクリルアミド;酢酸ビニル;塩化ビニル;ビニルピロリドン;ビニルアルコール;エチレン;などを例示することができる。
中でもスチレン系モノマー、さらにはスチレンモノマーが好ましい。
これらは1種または2種以上併用して用いることができる。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/またはメタアクリレートを示し、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及び/またはメタアクリル酸を示す。
【0012】
また、親水基を持つモノマーとしては、酸基を有するモノマーであることが好ましく、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を含むモノマーなどを例示する
ことができる。特に分散安定性、長期保存安定性の点から、カルボキシル基を含むモノマーが好ましく、例えば(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸などが挙げられる。本発明においては、分散安定性、長期保存安定性の点から、特に(メタ)アクリル酸に由来する構造を有している(メタ)アクリル酸系モノマーを用いると好ましい。
【0013】
さらに、分散安定性、長期保存安定性の点から、疎水性モノマー成分であるスチレンモノマー成分と、酸基を有するモノマー成分、特に(メタ)アクリル酸系モノマー成分とからなる共重合樹脂などが好ましい。なお、酸基を有するモノマーは親水性モノマーであると好ましい。
【0014】
スチレンモノマー成分と(メタ)アクリル酸系モノマーからなる共重合樹脂においては、スチレンモノマー成分が20質量%以上、好ましくは40質量%以上、好ましくは95質量%以下含まれていると望ましい。
共重合樹脂中のスチレンモノマー成分の含量を20質量%以上とすることにより、共重合樹脂の疎水性が増加し、水系においてはより強固に顔料への樹脂被覆が行われる。その結果、インク組成物をインクジェットに用いたときに、樹脂被覆粒子が加熱されても、その粒径が安定であり、粒径安定性が向上する。その結果、インク組成物としたときには吐出安定性が向上し、かつ高い印字濃度が得られ、また印字品の耐水性の向上が達成される。なお、95質量%をこえると分散に寄与する酸基を有するモノマー成分の配合量が低下し、水系での分散安定性、長期保存安定性が低下するおそれがある。
【0015】
なお、長期的な保存安定性の点から、樹脂の酸価は60〜300mgKOH/g、好ましくは100〜180mgKOH/g、さらに好ましくは120〜170mgKOH/g範囲とされる。なお酸価とは、樹脂1gを中和するに必要な水酸化カリウム(KOH)のミリグラム(mg)数であり、mgKOH/gにて示す量である。
酸価が60より小さいと、顔料の分散安定性が低下するおそれがある。一方、酸価が300より大きいと、顔料の凝集が発生し易くなり、またインク組成物の印字品の耐水性が低下するおそれがある。
【0016】
なお、樹脂の重量平均分子量は4000〜40000、さらに好ましくは5000〜30000、最も好ましくは5000〜20000とされる。4000以上とされる理由は、低分子量である程初期的な分散性が優れているが、長期的な保存安定性が低下する傾向があるためである。なお、40000をこえると水性顔料分散液粘度が高くなるだけでなく、分散性が低下する傾向がある。樹脂の溶解性などが低下し、不都合である。特に5000〜20000の範囲はインク組成物の加熱時の安定性と吐出性を両立できるため、該インク組成物をサーマルジェットタイプのインクジェット記録用に用いる時に好適である。
【0017】
また、樹脂のガラス転移点は90℃以上、好ましくは100℃以上、実質的には150℃以下とされる。
ガラス転移点が90℃以上であると、インク組成物によって形成された画像の耐久性が向上し、また、インク組成物の熱安定性が向上し、好ましい。なお、樹脂のガラス転移点は分子量などの変更によって調整することができる。
【0018】
▲2▼混練時に使用する水溶性有機溶剤
水性顔料分散液用混練物に水溶性有機溶剤を配合することにより、この水溶性有機溶剤が前記樹脂を溶解、一部溶解若しくは膨潤させた状態で顔料と混練することで、顔料の粒子の表面に樹脂の均一な被膜を容易に形成することができる。その結果、水性顔料分散液とインク組成物において顔料の分散安定性を格段に向上させることができる。
【0019】
水溶性有機溶剤としては、公知のものを特に制限なく使用することができる。
例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類;
ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、およびこれらと同族のジオールなどのジオール類;
ラウリン酸プロピレングリコールなどのグリコールエステル;
ジエチレングリコールモノエチル、ジエチレングリコールモノブチル、ジエチレングリコールモノヘキシルの各エーテル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、およびトリエチレングリコールエーテルを含むセロソルブなどのグリコールエーテル類;
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、およびこれらと同族のアルコールなどのアルコール類;
あるいは、スルホラン;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;
N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドンなどのラクタム類;
グリセリンおよびその誘導体など、水溶性有機溶剤として知られる他の各種の溶剤などを挙げることができる。
これらの水溶性有機溶剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
【0020】
中でも、水性顔料分散液やインク組成物において、乾燥防止剤としての役割も果たすため、高沸点、低揮発性で、高表面張力の多価アルコール類が好ましく、特にジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類が好ましい。グリコール類は一般的にインク組成物に含まれている場合が多く、最終製品中に残留しても問題がない。
【0021】
なお、水溶性有機溶剤は、混合物中10〜50質量%、好ましくは20〜40質量%配合される。また、水溶性有機溶剤は、混合物中の樹脂の質量に対応した量が添加される。その添加量は、樹脂の質量の1/2〜5倍程度であり、好ましくは樹脂の質量の1〜4倍程度である。 水溶性有機溶剤量が樹脂の質量の1/2未満では樹脂を溶解、部分溶解、または膨潤させることができず、顔料の分散安定性が低下するおそれがある。また5倍をこえても混練物の粘度が低下しすぎて、十分な混練が行えないため、顔料の分散性が低下し、インク組成物において、塗出不良等の画質低下を生じるおそれがある。
また、混練時に水溶性有機溶剤は顔料に対して、質量比で1/5倍以上、好ましくは1/3〜1倍配合される。1/5倍未満では、混練初期に顔料の表面を充分に濡らすことができなかったり、樹脂を溶解、部分溶解、または膨潤させることができず、顔料の樹脂による被覆状態が不安定になり、顔料の分散安定性が低下するおそれがある。
【0022】
▲3▼顔料
顔料は、公知のものを特に制限なく使用することができる。例えばカーボンブラック、チタンブラック、チタンホワイト、硫化亜鉛、ベンガラなどの無機顔料;モノアゾ系、ジスアゾ系などのアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、レーキ顔料などの有機顔料;などを用いることができる。
前記顔料は、混合物中に35質量%以上、好ましくは40質量%以上配合される。
一般に水性顔料分散液を希釈して、一定顔料濃度のインク組成物を得るために、水性顔料分散液中の濃度を極力上げて生産することは、より多くのインク組成物を製造できることから生産効率上有利となる。しかし、顔料濃度を上げると、水性顔料分散液の保存安定性が悪化するため、実質的には顔料の分散安定性、水性顔料分散液用混練物等の安定性確保の点から60質量%以下、好ましくは50質量%以下とされる。
さらに顔料と樹脂の比率に関しては、樹脂の量は顔料表面を安定に被覆するのに必要な量が確保されていれば十分であり、それ以上の樹脂の含有はむしろ好ましくない。樹脂が過剰量存在すると、水性顔料分散液やインク組成物を作製したときに、顔料に吸着しない遊離の樹脂が増加するため、特にインクジェット記録用インク組成物として使用したときに該樹脂がインクノズルに固着してインク吐出不良の原因となりやすい。特にサーマルジェットプリンターにおいては同障害の発生する危険性が高い。
本発明の水性顔料分散液用混練物における、顔料と樹脂の含有比率は質量比で10:0.5〜10:20、より好ましくは10:0.5〜10:10とされる。 この範囲外であると樹脂が少ない場合分散安定性が悪化するおそれがあり、樹脂が多いと遊離樹脂が増加しインクジェット記録用のインク組成物としたときに、インク組成物粘度の上昇等の不良を引き起こすおそれがある。
【0023】
▲4▼混練方法
本発明においては、混練中に水溶性有機溶剤などが蒸発しない様にして、混練物の質量が実質的に変化しない様に混練する。そのため、混練開始から終了までの間、混合物中に、常に一定量の水溶性有機溶剤が存在し、混練初期に顔料の表面を濡らした水溶性有機溶剤が、当該溶剤によって好ましくは溶解、膨潤あるいは部分溶解した樹脂に置き換えられ、顔料の樹脂による被覆がスムーズに進行し、充分に被覆される。その結果、分散安定性、長期保存安定性が向上する。
【0024】
このためには、閉鎖系で混練する混練機が好ましく、撹拌槽と、一軸あるいは多軸の撹拌羽根を備えた混練機を用いると好ましい。撹拌羽根の数は特に限定しないが、高い混練作用を得るためには二つ以上の撹拌羽根のものが好ましい。この様な構成の混練機を用いると、水性顔料分散液用混練物を製造した後、これを同一撹拌槽中で直接水溶性溶剤で希釈し、分散させて、水性顔料分散液を製造することができる。
なお、本発明において、実質的に質量が変化しないとは混練前の仕込み量に対して、混練物の重さが90質量%以上の範囲で維持されていることを示すが、質量の変化率は小さいほど混練中の混練条件が一定に保たれるため好ましく、95質量%以上の範囲で維持されることがさらに好ましい。
【0025】
この様な装置としてはヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサーなどが例示され、特にプラネタリーミキサーなどが好適である。本発明においては、好ましくは顔料濃度と、顔料と樹脂からなる固形分濃度が高い状態で混練するため、混練物の混練状態に依存して粘度が広い範囲で変化するが、プラネタリーミキサーは低粘度から高粘度まで広範囲に対応することができるためである。
特に水性顔料分散液用の混練物を作製するときは、該混練物を水溶性溶媒中へ分散する必要があり、混練物をできるだけ均一に低粘度化して粗大粒子の発生を防ぎ、分散工程に供することが重要であるが、プラネタリーを用いるとこの高粘度から低粘度への分散工程への移行段階を混練から引き続き同一機種内で連続的に実施することができ、このことが粗大粒子の発生防止、生産効率の向上に極めて効果的である。
【0026】
図1〜図3はプラネタリーミキサーの構成の一例を示したものである。図中符号1は撹拌槽であって、この中空円筒形の撹拌槽1は上下に略二分割されている。撹拌槽1の上方部材2の上面の内側には図2に拡大図で示した様に、枠型ブレードからなる撹拌羽根4、5が回転自在に設けられている。
そして、撹拌時には上方部材2と下方部材3とが一体化し、閉鎖系となる。そして、図3に示した様に、攪拌羽根4と5の回転軸自体がローター6によって互いに一つの共通な軸の周りを同一方向に位相を180度ずらして回転(公転)するとともに、2本の撹拌羽根4、5がそれぞれ回転(自転、すなわち遊星運動(プラネタリー運動))しながら撹拌槽1内部に装填された混練対象物の混練が行われる。なお、図3に示したのは撹拌槽1の公転1回転における2本の撹拌羽根4、5の先端の軌跡である。このような攪拌羽根の運動により、攪拌羽根の回転軸位置が固定された混練装置よりもさらに優れた混練効率と均一な混練を実施できる。このため、顔料の微細化と水性溶媒中への微分散が必要なインクジェット記録用の水性顔料分散液用混練物の製造に好適である。
【0027】
プラネタリーミキサーにおいては、この様な撹拌羽根4、5のプラネタリー運動により、撹拌羽根4、5相互間、および撹拌羽根4、5と撹拌槽1内面との間で強力な剪断力が作用し、高度の撹拌、混練、分散作用が得られる。
ここでプラネタリーミキサーで使用される羽根は、フック型、枠型、捻り型等、様々な羽根形状が提案されているが、本発明においては、どのような羽根でも使用可能であり、特定されることは無いが、混練物粘度に耐え得る強度を有することが必要であり、枠型が強度、混練性等の面から好ましい。
また、自転、公転の方向、については、同方向、異方向等が考えられるが、使用される原材料の特性により種々使い分けられる。自転、公転の回転数比についても種々の組み合わせが考えられるが、使用される原材料の特性により各々の回転数、及び回転数比を選択することができる。
【0028】
なお、プラネタリーミキサーなどの閉鎖系の混練機を用いて混練すると、時間とともに消費電流が徐々に増加し、およそ30分以内に極大値に達した後、徐々に減少する。
すなわち、所定の温度(樹脂の種類などにもよるが、例えば40〜70℃)に加温しつつ、樹脂と、水溶性有機溶剤および顔料を混ぜ合わせていると、樹脂が水溶性有機溶剤にて溶解、一部溶解あるいは膨潤し、粘ちょうとなり、顔料と混合されることにより、撹拌羽根4、5の回転に大きな負荷がかかる。このとき、撹拌羽根4、5相互間およびこれら撹拌羽根4、5と撹拌槽1との間において、材料に大きな剪断力が印加され、顔料の微粉砕が行われるとともに、顔料は材料中に、充分に分散、混合され、樹脂にて被覆される。そして、特にプラネタリーミキサーの様に閉鎖系の混練機を用いると、効果的な混練が行われるため、およそ30分以内に樹脂、顔料、水溶性有機溶剤がほぼ完全に混ざり合い、撹拌羽根4、5にかかる負荷が小さくなる。そのため、消費電流が徐々に減少する。
【0029】
この様に本発明において、プラネタリーミキサーなどの閉鎖系の混練機を用いて混合を行うと、混練時間と混練機(プラネタリーミキサー)の消費電力との関係のグラフにおいて、1つ以上の消費電力の極大値が得られるという特徴が見られる。
【0030】
本発明においては、混練中に混合物(混練物)の質量が実質的に変化せず、仕込み時とほぼ同様の組成を備えた水性顔料分散液用混練物を得ることができ、製造安定性が向上する。
また混練物を構成する材料の投入時の形態、あるいは混練物の混練中の形態、力学的な特性に制限が少ないため、樹脂、顔料の選定やその配合比率の選択に自由度が高く、従来、混練が困難なため使用を見合わされてきた樹脂を使用して混練を行うことが可能となった。
例えば、Tg90℃以上の樹脂、分子量5000〜20000の樹脂、スチレンアクリル系樹脂でスチレンモノマー成分の40質量%以上のものなど、いずれも特にサーマルジェットプリンター用のインク組成物に用いる樹脂としては好適な樹脂でありながら、2本ロールによる混練が容易には実施できず、特に吐出性や顔料濃度向上のため樹脂/顔料の値を1以下にしたときに混練が困難であったが本発明の製造方法を用いることにより容易に混練することができる。
また、混練初期から顔料濃度、固形分濃度が高い状態で混練するため、混練によって加えられる剪断力によって顔料が解砕され、未分散の粗大粒子が減少する。その結果、後の工程で粗大粒子を除去する必要がなく、収率が良好となり、製造効率も向上する。
なお、水溶性有機溶剤を除去する場合には、混練後に加熱、乾燥して除去することもできる。
【0031】
(2)水性顔料分散液の製造方法
水性顔料分散液用混練物は顔料濃度が高く、通常、常温で粘土状あるいは固体状の堅練品なので、物理的にその表面を細かく削り取り、水溶性溶剤中に分散させて水性顔料分散液を製造すると好ましい。なお、水性顔料分散液用混練物中の顔料は水性顔料分散液用混練物の製造時に既に解砕されているので、水性顔料分散液を得るための分散時間が短く、製造効率が向上する。
【0032】
本発明において、水溶性溶剤とは、水、あるいは水と容易に混ざり合う水溶性有機溶剤を含むものとする。ここで用いる水溶性有機溶剤としては、例えばエチレングリコールヘキシルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテルなどのアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物やプロピレングリコールプロピルエーテルなどのアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物などが挙げられる。
【0033】
そして、上記水溶性溶剤を用いて水性顔料分散液用混練物を希釈し、このあとの分散工程で使用する分散機に適した粘度領域に調整を行う。例えばサンドミルを用いる場合には、固形分濃度で10〜40質量%に調整し、数十センチポイズの粘度に調整して分散を行う。
【0034】
水性顔料分散液用混練物の分散に用いる分散機としては、公知のものを用いることができ、例えば、メディアを用いたものでは、上記サンドミルの他に、ペイントシェーカー、ボールミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、スパイクミル、アジテーターミルなどを挙げられる。またメディアを用いないものとしては、超音波ホモジナイザー、ナノマイザー、デゾルバー、ディスパー、高速インペラー分散機などがあげられるが、これらの中でもメディアを用いた分散機は分散能力が高いため好ましい。
なお、分散後に必要に応じて水溶性溶剤で濃度調整を行ってもよい。
【0035】
(3)インク組成物の製造方法
インク組成物は、上述の様にして得られた水性顔料分散液をさらに水溶性溶剤にて希釈して製造することができる。インク組成物中に含有される顔料濃度は2〜10質量%程度が好ましい。
【0036】
水性顔料分散液を希釈する水溶性溶剤に、水溶性有機溶剤が配合されていると、インク組成物において、乾燥防止、粘度調整、濃度調整に寄与するため、好ましい。水溶性有機溶剤としては、上述の水性顔料分散液用混練物を分散するために用いるものと同様のものを例示することができる。
【0037】
また、記録媒体への浸透性を示す水溶性有機溶剤が配合されていると、インク組成物に浸透性を付与することができ、好ましい。インク組成物において、浸透性は、記録媒体へのインク組成物(顔料)の侵透性や記録媒体上でのドット径の調整を行うために必要な特性である。
浸透性を示す水溶性有機溶剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;エチレングリコールヘキシルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテルなどのアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物;プロピレングリコールプロピルエーテルなどのアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物などが挙げられる。
【0038】
インク組成物には、水溶性溶剤と水性顔料分散液用混練物の他に、例えば公知の添加剤などを配合することができる。
配合可能なものとしては、例えばアルカリ剤、pH調整剤、界面活性剤、防腐剤、キレート剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線硬化性樹脂などを例示することができる。
本発明においては、例えば水性顔料分散液、水溶性溶剤、必要に応じて各種添加剤を加えて均一に撹拌することにより、インク組成物を製造することができる。
【0039】
このインク組成物は、インクジェット記録用のインクとして好適に用いることができる。適用するインクジェットの方式は特に限定されるものではないが、連続噴射型(荷電制御型、スプレー型など)、オンデマンド型(ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式など)などの公知のものを例示することができる。
そして、このインク組成物は、これら各種のインクジェット方式に適用した場合に、極めて安定したインク吐出が可能となる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。なお特に断りがない限り「部」は「質量部」、「%」は「質量%」である。
【0041】
(実施例1)
スチレン/MAA/AA=77/13/10(質量比)、酸価=150mgKOH/g、重量平均分子量=7500、ガラス転移点:107℃の樹脂300g、三菱化学製カーボンブラック#45L1200g、ジエチレングリコール(DEG)600gを3Lの加圧ニーダーに仕込み、ニーダーの内温が60℃になるまで加温した。ここでAAはアクリル酸、MAAはメタクリル酸を示す。
【0042】
ニーダーの内温が60℃になった時点で混練を開始した。このときのニーダー電流値は7Aであった。混練開始から5分後に回転を高速とした。このときのニーダー電流値は、10A、内温は65℃であった。混練開始後14分でニーダー電流値は16Aで、内温は82℃であった。混練開始後20分でのニーダー電流値は12Aで内温は88℃であった。
ここで、ニーダーに冷却水を通水し、混練を継続した。
冷却水通水後15分間で混練を終了し、混練物を取り出した。混練物の一部をサンプリングし、150℃の容器温度の真空乾燥機で5時間以上乾燥し、乾燥前後の質量変化により固形分濃度を求めたところ73%であった。従ってこれを仕込み時の固形分濃度と比較し、混練前後の質量変化を算出すると、仕込み時の97.8%の質量が維持されていることになる。
【0043】
取り出した混練物55.15gをイオン交換水30g、水酸化ナトリウム0.84g、DEG16.87gの水溶液に加え、分散撹拌機で攪拌、分散した後、下記条件で、アイメックス株式会社製サンドグラインダーにて分散を行い、分散液(水性顔料分散液)A1を得た。
【0044】
サンドグラインダー条件
ベッセル容量:800ml
ビーズ:φ2.5mmジルコニアビーズ 640g
回転数:2500r.p.m.
ジャケット温度:10℃
分散時間 3時間
【0045】
(比較例1)
スチレン/MAA/AA=77/13/10(質量比)、酸価=150mgKOH/g、重量平均分子量=7500、ガラス転移点:107℃の樹脂50gをMEK50gに溶解し、さらにイオン交換水100g、水酸化ナトリウム5.4gを加えよく撹拌し、樹脂溶液Bを作成した。樹脂溶液Bをウォータバス温度45℃、40hPaの減圧条件でMEKを除去し、110.7gの樹脂溶解アルカリ水溶液を得た。得られた樹脂水溶液に水を加え撹拌し、総質量155.6gの樹脂水溶液B'を得た。
樹脂水溶液B' 24.5g、水14.2g、DEG32.6g、三菱化学製カーボンブラック#45L 31.5gを混合撹拌し、実施例1と同条件でアイメックス株式会社製サンドグラインダーにて分散を行い、分散液(水性顔料分散液)B1を得た。
【0046】
(実施例2)
スチレン/MAA/AA=77/13/10(質量比)、酸価=150mgKOH/g、重量平均分子量=11000、ガラス転移点:107℃の樹脂を4kg、銅フタロシアニン(ファストゲンブルーTGR:大日本インキ化学工業製)8kg、ジエチレングリコール5kgを容量50LのプラネタリーミキサーPLM−V−50V(株式会社井上製作所製)に仕込み、下記運転条件で混練を行った。
【0047】
すなわち、プラネタリーミキサーの回転数は自転35rpm、公転24rpmとした。仕込み直後のスタート時点のみは、それぞれ21rpm、14rpmと回転数を落としたが、15分後にはそれぞれ前記回転数に設定した。負荷電流値はスタート時点で6Aであったが、45分後には最大の9.5Aに到達した。その後徐々に減少し135分以降は5.5〜5.2Aと漸減しつつも安定した。120分後以降混練終了近くまでにジエチレングリコールの追加分11kgを少量追加し、245分後混練を終了した。混練後の混練物の固形分濃度は44%であり、これをもとに混練前後の混練物の質量変化を算出すると97.4%の質量が維持されたことになる。
【0048】
この混練物を混練物10kg、水8kg、85%KOH水溶液0.252kgの配合で、分散撹拌機を用いて分散液化した。
【0049】
この分散液を、2.5L横型ピンミル(NETZSCH社製LMJ2)で下記条件にて分散を行った。
ビーズ:φ1.25mmジルコニアビーズ
ビーズ充填量:85%
冷却水温度:10℃
送液量:200g/min.
回転数:1600r.p.m.
【0050】
本分散は、同一条件でピンミルに4回(4パス)通することで実施し分散液C1を得た。横型ピンミルでの分散作業は良好で、1パス〜4パス上記条件通りに作業することが可能であった。
【0051】
(比較例2)
スチレン/MAA/AA=77/13/10(質量比)、酸価=150mgKOH/g、重量平均分子量=11000、ガラス転移点:107℃の樹脂5kgをMEK5kgに溶解し、さらにイオン交換水10kg、85%KOH水溶液882gを加えよく撹拌し、樹脂溶液Dを作成した。樹脂溶液Dをウォータバス温度45℃、40hPaの減圧条件でMEKを除去し、10.6kgの樹脂溶解アルカリ水溶液を得た。得られた、樹脂溶解アルカリ水溶液 3.03kg、銅フタロシアニン(ファストゲンブルーTGR)2.86kg、DEG 5.71kg、水 6.61kgを加え、分散撹拌機で撹拌し、分散液化した。
【0052】
この分散液を実施例2と同様に、横型ピンミル(2.5Lネッチェ)で、実施例2と同一条件にて本分散を実施し、分散液D1を得た。
ただし、この本分散において、1パス目は、ピンミルへの送液圧力が高くなり、送液量を50ml/min.まで減少して実施した。2パス目以降は、200ml/min.の送液量で実施可能であった。
【0053】
(水性顔料分散液の評価)
実施例1、比較例1において、得られたカーボンブラックの水性分散液を固形分濃度が18.1%になるように、水を加えて調整した。
調整した分散液を、マイクロトラックUPA粒度分析計(Leeds & Northrup社製)で粒径測定を実施した。その際、粒径測定サンプルは測定可能な濃度となるよう、水で適宜希釈した。
また、調整した分散液をスライドグラス上に極少量取り、カバーグラスを乗せ分散液膜厚を一定にした条件で、200倍の倍率で透過光による顕微鏡観察を行い、粗大粒子の状態を確認した。その結果を以下の表1に示した。
【0054】
【表1】
顕微鏡観察評価基準
1:粒径2μ以上の粗大粒子が多い。もしくは粒径5μ以上の粗大粒子が存在する。
2:粗大粒子が多いが、粒径は2μ未満である。
3:粗大粒子はあるがまばらで、視野中に200個以下である。
4:粗大粒子はあるが、数えられる程度で視野中に50個以下である。ある。
5:粗大粒子は殆ど観察されない。
【0055】
実施例2、比較例2も同様にして、銅フタロシアニン顔料を含む固形分濃度が21.8%になるように、水を加えて調整し、粒径測定、顕微鏡観察を行った。結果を表2に示した。
【0056】
【表2】
【0057】
(分散安定性の評価)
実施例1、比較例1において、固形分濃度が18.1%になるようにイオン交換水を加えて調整した。また、実施例2、比較例2において、固形分濃度が21.8%になるようにイオン交換水を加えて調整した。
これらの分散液をガラス容器に密栓し、60℃の恒温器で1週間の加熱試験を実施し、粒径の変化を見た。結果を表3に示した。
【0058】
【表3】
【0059】
表3に示した結果より、実施例1と比較例1との比較においては、実施例1が粒径変化率が小さくより安定であることが判った。また、加熱試験後の容器底を確認したところ、比較例1では、黒い凝集物が沈降しており、実施例1では沈降は認められなかった。
また、実施例2、比較例2では、共に容器底には沈降物は認められなかったが、粒径変化率の結果より、実施例2の粒径変化率が小さく、より安定であることが判った。
【0060】
(インクの調整)
実施例1で得られたカーボンブラック分散液A1、16.3部に、DEGを9.8部、サンニックスGP−600(三洋化成製)を5.0部、イオン交換水を68.8部を加えて調整し、顔料濃度5%のインク組成物A2を得た。
【0061】
同様に、カーボンブラック分散液A1にかえて比較例1で得られたカーボンブラック分散液B1を用いて顔料濃度5%のインク組成物B2を得た。
【0062】
実施例2で得られた銅フタロシアニン分散液C1、12.7部にDEGを11.0部、サンニックスGP−600を5.0部、イオン交換水を71.3部加えて調整し、顔料濃度2%のインク組成物C2を得た。
同様に、銅フタロシアニン分散液C1にかえて比較例2で得られた銅フタロシアニン分散液D1を用いて、顔料濃度2%のインク組成物D2を得た。
【0063】
(印字試験)
これらのインク組成物を、インクジェットプリンタ(ENCAD社製NOVAJET PRO)に搭載し、印字試験を実施した。試験は、A4の印字用紙(ユポIJ専用紙)4枚に、ベタ印字と細線印字を行い、インク組成物の吐出状態を確認した。その結果を表4に示した。
【0064】
【表4】
◎ :全ての印字サンプルにおいて均一なベタ印字で細線部でも吐出不良が無い。
○ :全ての印字サンプルにおいてほぼ均一なベタ印字で細線部では吐出不良は無いが印字位置ズレがわずかに見られる。
△ :ベタ印字で吐出不良による印字ムラが見られ、細線部でも吐出不良による印字欠けが一部見られる。
×:吐出不良により印字ムラが顕著で、画像がかすれる。
【0065】
表4に示した結果から明らかな様に、本発明に係る実施例のインク組成物においてはいずれも良好な結果が得られた。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明においては、水性顔料分散液用混練物の製造過程で粗大粒子を各段に減少し、粗大粒子を分離する特別な工程を経ることなく、分散安定性が良好で、かつその安定性が長期間維持される水性顔料分散液を得ることができ、同様の特性を備えた耐水性、耐光性に優れたインク組成物を得ることができる。特に、インクジェット用のインクにした場合、吐出安定性に優れ、各段に信頼性の高いインク組成物を得ることができる。
そして、この様に、工程数が少なく、かつ水性顔料分散液の製造時の分散時間などの製造に要する時間が短く、製造効率が高く、また、粗大粒子を除去する必要がないため、収率が高く、製造効率も向上する、という効果も得られる。
また、水性顔料分散液用混練物の製造工程において、混練物の形態に制限が少ないため、樹脂の選定や樹脂、顔料等の配合比率の選択の自由度が高い、という効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 プラネタリーミキサーの構成の一例を示した斜視図。
【図2】 プラネタリーミキサーの一部拡大図。
【図3】 プラネタリーミキサーにおける撹拌羽根の軌跡を示した説明図。
【符号の説明】
1…撹拌槽、4、5…撹拌羽根。
6…ローター
Claims (12)
- 少なくとも樹脂、水溶性有機溶剤、および顔料を含む混合物を混練して水性顔料分散液用混練物を製造する水性顔料分散液用混練物の製造方法であって、
前記混合物中の固形分比率が50質量%以上であり、前記混合物中の前記水溶性有機溶剤は、質量比で前記顔料の1/3以上であり、かつ密閉可能な撹拌槽と、1軸または多軸の撹拌羽根とを備えた混練機を用いて閉鎖系で混練することを特徴とする水性顔料分散液用混練物の製造方法。 - 前記固形分比率が60質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の水性顔料分散液用混練物の製造方法。
- 混練中の前記混合物の質量は、混練前の仕込量に対して90質量%以上の範囲で維持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の水性顔料分散液用混練物の製造方法。
- 前記混練機がプラネタリーミキサーである請求項3に記載の水性顔料分散液用混練物の製造方法。
- 前記混合物中に35質量%以上の顔料を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性顔料分散液用混練物の製造方法。
- 前記樹脂の重量平均分子量が4000〜40000である請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性顔料分散液用混練物の製造方法。
- 前記樹脂のガラス転移点が90℃以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性顔料分散液用混練物の製造方法。
- 前記樹脂が、スチレンモノマー成分と(メタ)アクリル酸系モノマー成分からなる共重合樹脂である請求項1〜7のいずれか一項に記載の水性顔料分散液用混練物の製造方法。
- 前記共重合樹脂中にスチレンモノマー成分が20質量%以上含まれている請求項8に記載の水性顔料分散液用混練物の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の水性顔料分散液用混練物の製造方法によって水性顔料分散液用混練物を製造する工程と、
該水性顔料分散液用混練物を水溶性溶剤中に分散させて、水性顔料分散液を製造する工程とを有する水性顔料分散液の製造方法。 - 請求項10に記載の水性顔料分散液の製造方法において、前記水性顔料分散液用混練物を、メディアを用いた分散機で分散させる水性顔料分散液の製造方法。
- 請求項10または11に記載の水性顔料分散液の製造方法によって水性顔料分散液を製造する工程と、
該水性顔料分散液を水溶性溶剤で希釈してインク組成物を得る工程とを有するインク組成物の製造方法。
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