JP2004043630A - 水性顔料分散液の製造方法及びインクジェットプリンター用水性記録液の製造方法 - Google Patents

水性顔料分散液の製造方法及びインクジェットプリンター用水性記録液の製造方法 Download PDF

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村田 春夫
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Abstract

【課題】貯蔵安定性に優れた極めて実用性の高いインクジェットプリンター用水性記録液を得ることができる水性顔料分散液を提供する。
【解決手段】中和されたアニオン性基を有する有機高分子化合物と顔料とを含む水性懸濁液を、特定の分散媒体攪拌型分散装置にて混合し、顔料を微分散して水性顔料分散液とする水性顔料分散液の製造方法において、円筒状ロータ(II)の回転軸中心から外壁面までの円半径をR1とし、外部固定容器(I)の円筒状内壁に接する円半径をR2とした時、R1/R2=0.7〜0.9となる様にロータ(II)と容器(I)とを組み合わせ、かつ、粉砕室体積の50〜80%に相当する分散メディアを充填して、前記顔料の微分散を行うことを特徴とする水性顔料分散液の製造方法。
【選択図】なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規にして有用なる水性顔料分散液の製造方法及びインクジェットプリンター用水性記録液の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
水中への顔料分散方法として、従来から、さまざまな方法が提示され、また実施されている。例えばインクジェットプリンター用水性記録液の調製に適した水性顔料分散液の製造方法としては、特開平11−166145号公報に記載された方法が知られている。
しかしながら同公報に記載された製造方法では、ロータの回転数を増すことでの優れた分散性の水性顔料分散液を得ることが出来るが、一方で貯蔵安定性が不充分な水性顔料分散液しか得られないという欠点があった。
しかもロータの回転数が増すことで、分散メディアの消耗も激しく、得られた水性顔料分散液に分散メディアの切削微粒子が混入するという不都合も生じやすくなるし、分散メディアの交換頻度も高める必要もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、顔料の一次粒子の破砕を防ぎ、顔料分散性と貯蔵安定性とを兼備した水性顔料分散液の製造方法を提供すること、特に、顔料分散性と貯蔵安定性に関して、より高温で貯蔵されても増粘や分散粒子の成長が起こりにくい水性記録液が得られる水性顔料分散液を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、水性顔料分散液の製造方法につき鋭意検討した結果、分散装置を構成する円筒状ロータと内壁が円筒状の外部固定容器について、それらのサイズの関係を特定範囲となる様に調整して組み合わせた上で、分散メディアの充填率を特定範囲となる様に調整することで、顔料分散性と貯蔵安定性とを兼備した水性顔料分散液を製造出来ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち本発明は、中和されたアニオン性基を有する有機高分子化合物と顔料とを含む水性懸濁液を、特定分散装置にてロータ(II)を回転させながら、容器(I)の供給口からロータのスリットに向けて、液室に懸濁液を供給し、遠心力にて吐出孔から懸濁液を放出し、分散メディアを介してセパレータを通過した懸濁液を容器(I)の吐出口から取り出す様にして、懸濁液の供給と吐出を行って混合し、顔料を微分散して水性顔料分散液とする水性顔料分散液の製造方法において、
円筒状ロータ(II)の回転軸中心から外壁面までの円半径をR1とし、外部固定容器(I)の円筒状内壁に接する円半径をR2とした時、R1/R2=0.7〜0.9となる様にロータ(II)と容器(I)とを組み合わせ、かつ、
粉砕室体積の50〜80%に相当する分散メディアを充填して、懸濁液の供給と吐出を行って、前記顔料の微分散を行うことを特徴とする水性顔料分散液の製造方法。
【0006】
また本発明は、前記した製造方法により得られた顔料分散液に、酸性化合物を加えてアニオン性基有する有機高分子化合物を析出させることにより顔料をアニオン性基を有する有機高分子化合物で被覆し、次いで塩基性化合物を加えてアニオン性基を有する有機高分子化合物のアニオン性基を中和して水性媒体中に分散させて水性顔料分散液とし、これを用いて、インクを調製するインクジェットプリンター用水性記録液の製造方法を提供するものである。
【0007】
尚、前記特定分散装置とは、懸濁液の供給口と吐出口を有する、セパレータを有する内壁が円筒状の外部固定容器(I)と、その内部に所定間隙を介し設けられた、回転軸中心に回転可能な円筒状ロータ(II)とからなり、当該ロータ(II)が、円筒内部に中空の液室を有し、液室に向かって懸濁液が供給できる、当該供給口に対向するスリットと、液室外部に通じる円筒側壁に複数の液吐出孔とを有するロータ(II)であり、当該外部固定容器(I)が、当該ロータの円周外壁面と所定間隙を介して対向する、分散メディアよりも小さい所定径の複数の穴を有するセパレータが円筒状内壁に設けられた外部固定容器(I)であり、当該ロータとセパレータとの間隙には分散メディアが充填された分散装置、をいう。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、中和されたアニオン性基を有する有機高分子化合物と顔料とを含む水性懸濁液を混合し顔料を微分散して水性顔料分散液とする際に少なくとも前記した特定の分散装置を用いる水性顔料分散液の製造方法に関する。
【0009】
本発明において使用する分散装置は、前記の通りであるが、例えば図1に示される様な、短い円筒形粉砕部内のロータとセパレータを有する分散媒体撹拌型分散装置が挙げられる。
【0010】
以下、図1を例に説明する。本発明で使用できる分散装置は、外部固定容器(I)〔以下、外部固定容器1と表示する。〕内に、所定の間隙を介して、円筒状ロータ(II)〔以下、円筒状ロータ2と表示する。〕がそれの回転軸3を中心に回転可能な様に設けられている。図1では、水平、即ち地表面に対して平行となる関係となっている。また容器1には、顔料を含む懸濁液を供給するための供給口4と、吐出口9とが設けられている。
【0011】
外部固定容器1の内壁には、顔料を含む懸濁液中の顔料粒子が所定の粒子径となった時に通過可能となる所定径の複数の穴を有するセパレータ8が固定されており、容器1とロータ2の間隙には、懸濁液中の顔料を粉砕するための、所定径の分散メディア7の粒子が充填されている。
【0012】
一方、ロータ2の円筒内部には、中空となった液室6が設けられており、供給口4から供給された顔料を含む懸濁液が、更に液室6に供給出来るように、回転軸を中心にして2つの異なる半径の円で挟まれた形状のリング状切れ目からなるスリット5が設けられている。そして、このスリット5は供給口4に対向している。
【0013】
このロータ2の円筒側壁には、矢印の通りに液室6外部に通じる液吐出孔(符号なし)が複数設けられている。このロータ2の各液吐出孔は、分散メディア7の粒子より大きい孔径を有しており、当該懸濁液はこの液吐出孔から放出される様になっており、一方、セパレータ8に設けられた吐出口9に繋がる個々の穴の径は、この分散メディア7の粒子よりも小さい径となっており、分散メディア7自体が吐出口9に流出しない様になっている。
【0014】
そして、ロータ2の円周外壁面とセパレータ8とは対向しており、当該懸濁液は、液室6から分散メディア7の粒子が充填されている、容器1とロータ2との間隙に液吐出孔を通じて供給される様になっている。
【0015】
当該懸濁液は、供給口4から、スリット5を通じて液室6に向けて矢印に示される様に供給される。ロータ2を回転軸3中心に回転させた状態で当該懸濁液が中空の液室6に供給されると、この分散装置に固有の原理で顔料の粉砕が行われる。
【0016】
本発明で用いる装置の特徴は、ロータ2を回転させると遠心力が発生し、メディア7はセパレータ8内壁部に層状に押し付けられる。同時に、ロータ2の回転運動により、メディア7間に強力な剪断力が発生する。更に、遠心力と、当該顔料を含む懸濁液の流れる方向が同一なため、均一な粉砕・分散とセパレータ8からの大流量の当該懸濁液の排出が可能で、分散装置内の試料の滞在時間を短くできる。
【0017】
遠心力により液吐出孔から放出された当該懸濁液中の顔料は、分散メディア7の粒子が充填された間隙で粉砕され、セパレータ8に設けられた穴径よりも小さい顔料粒子となった段階で、当該穴を通過し、懸濁液の液媒体と共に、吐出口9から取り出される。こうして顔料が微分散された顔料分散液は吐出口9に取り出される。
【0018】
尚、ロータ2の回転軸3を水平とするのは、この遠心力による効果をより充分に利用するためである。
【0019】
本発明においては、次のA及びBの二条件を満足する様にして水性顔料分散液を製造する。
条件A:
円筒状ロータ(II)の回転軸中心から外壁面までの円半径をR1とし、外部固定容器(I)の円筒状内壁に接する円半径をR2とした時、R1/R2=0.7〜0.9となる様にロータ(II)と容器(I)とを組み合わる。
条件B:
粉砕室体積の50〜80%に相当する分散メディア7を充填する。
【0020】
条件Aは、分散装置内にとどまる分散すべき懸濁液の量を規定する指標である。R1/R2の値が1に近づく程、分散装置内にとどめることが出来る分散すべき懸濁液の体積は小さくなる。本発明においては、このR1/R2値を従来より小さくなるように、即ちこの値だけを見れば分散すべき懸濁液の量が従来より大きくなる様に、円筒状ロータ(I)と外部固定容器(II)の大きさを各々調整している。
【0021】
条件Bは、分散装置内にとどまる分散メディアの量を規定する指標である。本発明において粉砕室とは、外部固定容器(I)の実内部空間を言う。この実内部空間内には、実際はロータ(II)が配置され、実内部空間の体積からロータ(II)の占有体積を引いた差に当たる体積が、事実上の分散メディア7と分散すべき懸濁液の合計体積となる。しかしながら本発明では、外部固定容器(I)の実内部空間の体積からロータ(II)自体の占有体積を排除することなく、この実内部空間の体積、即ち粉砕室体積に基づいて分散メディア7の量を定める。図1で説明すれば、セパレータ8の内壁から内側が粉砕室体積に相当する。この値が100%に近づく程、分散メディア7の量が増す結果、粉砕室内にとどめることが出来る分散すべき懸濁液の体積は小さくなる。本発明においては、粉砕室体積に占める分散メディア7の量が従来より大きくなるように、即ち分散すべき懸濁液の量が従来より小さくなる様に、その使用量を調整している。
【0022】
本発明において、充填する分散メディア7の種類は、特に制約されるものではないが、例えばガラスビーズ、酸化ジルコニアビーズ、スチールビーズ、セラミックビーズなどが挙げられる。
【0023】
ビーズの大きさとしては細かくなるほど分散能力が上がる反面、セパレータでのビーズの分離のために大きな圧力を必要とするため、適正な範囲、例えば、直径0.05〜3mm、好ましくは直径0.1〜1mmのビーズを用いる。
【0024】
本発明において使用する分散装置の運転条件は、分散装置内での試料の滞在時間を30秒以下/パス(通過)とするのが好ましい。試料の滞在時間が長くなると顔料の一次粒子破砕が起きやすく、シャープな粒度分布が得られなくなる。その他の運転条件(回転数、分散試料温度、分散時間等)としては特に限定されるものではないが、装置の大きさ(容量)、分散試料の種類や量、目標とする粒度分布などによって適宜設定される。
【0025】
本発明では、前記した通り特定の有機高分子化合物と顔料とを含む懸濁液を、前記した様な分散装置に通過(パス)させることにより、顔料が微分散された顔料分散液を得る。供給口4への当該懸濁液の供給は、通常ポンプ(図示せず)によって行い、常に液室6が満たされている様に、当該懸濁液を連続供給するのが好ましい。
【0026】
当該懸濁液を分散装置にパス(通過)させる回数は特に制限されないが、充分に顔料が微分散した顔料分散液を得るには、2回以上、好ましくは100〜500回パスすることが好ましい。こうして分散装置を通す懸濁液中の顔料粒子含有率が飽和し一定になるまで、繰り返すことにより、当該セパレータ8の穴径よりも小さい、所定粒子径に粉砕され液媒体に微分散された、顔料粒子が均一に安定的に微分散した顔料分散液とすることが出来る。
【0027】
繰り返して、当該懸濁液を処理し、顔料分散液を得る場合には、当該懸濁液を保持する容器(図示せず)と、循環ポンプ(図示せず)を更に設け、顔料が所定の粒子径となった顔料分散液となる様、液吐出口9、懸濁液を保持する容器、循環ポンプ、液供給口4をこの順序となる様に連結し、懸濁液を前記滞在時間の範囲となる様に循環させるのが好ましい。
【0028】
次に本発明の顔料分散液を得るのに用いる、中和されたアニオン性基を有する有機高分子化合物と顔料とを含む懸濁液について説明する。
【0029】
本発明で用いる顔料としては、特に限定されるものではなく、従来公知の有機顔料と無機顔料がいずれも使用できる。更には、従来公知の有機顔料にスルホン酸基、アミノ基、フタルイミドアルキル基が置換した構造の有機顔料誘導体を適宜用いることもできる。
【0030】
本発明において使用するアニオン性基を有する有機高分子化合物としては、公知慣用のものが使用できるが、アニオン性基に基づく酸価(KOHmg/g)が30〜150の範囲にある有機高分子化合物が好ましい。アニオン性基としては、カルボキシル基が代表的である。
【0031】
このような有機高分子化合物としては、例えば、ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、カルボキシル基の導入の容易さ、被膜の強靭性などの面から、ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂からなる群から選ばれる一種以上を必須成分として用いることが好ましい。
【0032】
このようなビニル系共重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体樹脂、スチレン−(無水)マレイン酸共重合体樹脂などが挙げられる。
【0033】
本発明で使用するビニル系共重合体としては、酸価30〜250、好ましくは80〜150の、カルボキシル基を有するビニル系共重合体が好ましい。酸価が150を越えると、親水性が高くなり過ぎるため、被塗物の耐水性が著しく低下する傾向にあり、また、酸価が30よりも低いと、酸析して中和後の水への再分散性が低下する傾向にあるので、好ましくない。
【0034】
カルボキシル性基を有するビニル系共重合体は、酸価30〜150でかつ水酸基価20〜120の、カルボキシル基と水酸基を有するビニル系共重合体が、分散液の形成のための適度な親水性を有し、かつ皮膜の耐水性も良好な点でより好ましい。
【0035】
本発明において使用するアニオン性基を有する有機高分子化合物は、皮膜の強靱性が良好で微細な水性顔料分散液が得られやすい点で、重量平均分子量が10,000〜50,000の範囲にあるものが好ましい。
【0036】
アニオン性基を有する有機高分子化合物は、必要ならば、硬化剤を併用することで架橋させることも出来る。例えばアニオン性基を有する有機高分子化合物として、前記した様なカルボキシル基を有する有機高分子化合物を用いる場合には、硬化剤としてエポキシ基を含有する有機高分子化合物を併用することも出来る。
【0037】
次に、本発明の製造方法をその工程に従って、順次、説明する。本発明では、中和されたアニオン性基を有する有機高分子化合物と顔料とを含む懸濁液を、顔料が所定粒子径で狭い粒子径分布となり、均一に安定的微分散するまで前記した分散装置に通して、充分に混合して顔料分散液とする。
【0038】
この懸濁液には、当該有機高分子化合物と顔料の他に、分散すべき媒体たる液媒体とが通常は含まれる。この液媒体としては、有機溶剤や水性媒体が用いられる。本発明では、液媒体を構成する主たる溶媒が、有機溶剤のものを有機溶剤媒体、水のものを水性媒体という。
【0039】
塩基性化合物で中和されたアニオン性基を有する有機高分子化合物と顔料とを混合、分散する工程としては、次の2方法が適当である。
【0040】
有機溶剤媒体中で、塩基性化合物で中和されたアニオン性基を有する有機高分子化合物と顔料とを混合し懸濁液とし、顔料を分散した後、水性媒体中に分散する。
水性媒体中で、塩基性化合物で中和されたアニオン性基を有する有機高分子化合物と顔料とを混合し、分散する。
【0041】
塩基性化合物で中和されたアニオン性基を有する有機高分子化合物と顔料とを混合し、分散する工程に適用できる第1の方法である有機溶剤中での分散では、まず、塩基性化合物で中和されたアニオン性基を有する有機高分子化合物の有機溶剤溶液と顔料とを含む懸濁液を得て、これを、前記した様な、短い円筒形粉砕部内のロータとセパレータを有する分散媒体撹拌型分散装置を用いて微細に分散する。
【0042】
この時、使用される有機溶剤は、一般にアニオン性基を有する有機高分子化合物に対する溶解性が良く、アニオン性基を有する有機高分子化合物の合成上も問題がないもの、蒸気圧が水より高く、脱溶剤し易いもの、更に、水と混和性のあるものが好ましい。
【0043】
このような溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、酢酸エチル、テトラヒドロフランなどが特に好ましい。水との混和性は低いが、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−プロピルケトン、酢酸イソプロピル、酢酸n−プロピル、塩化メチレンなども使用できる。
【0044】
有機溶剤媒体中に分散させた、塩基性化合物で中和されたアニオン性基を有する有機高分子化合物と顔料とからなる顔料分散液を更に水性媒体中に分散させるには、次のような方法が適当である。
【0045】
水性媒体中に分散する時には、通常の低シェアーでの撹拌、ホモジナイザーなどでの高シェアー撹拌、あるいは、超音波などを使用して行う。また、水性媒体中への分散を補助する目的でもって、界面活性剤や保護コロイドなどを、塗膜の耐水性を著しく低下させない範囲で併用することもできる。
【0046】
アニオン性基を有する有機高分子化合物を中和するための塩基性化合物としては、アルカリ金属水酸化物やアンモニアの様な無機塩基と、アルカノールアミンの様な有機アミンが挙げられる。
【0047】
次に、塩基性化合物で中和されたアニオン性基を有する有機高分子化合物と顔料とを混合し、分散する工程に適用できる第2の方法である水性媒体中での分散は、まず、アニオン性基を有する有機高分子化合物のアニオン性基を前記した塩基性化合物を用いて中和し、水性媒体中で顔料と混合し、分散する。
【0048】
この時、水に溶解または分散したアニオン性基を有する有機高分子化合物が、有機溶剤を含有していても差し支えないし、脱溶剤を行って実質的に水のみの媒体であってもよい。顔料は、粉末顔料、水性スラリー、プレスケーキのいずれも使用できる。分散方法、有機溶剤、塩基性化合物は、有機溶剤媒体中での分散の場合と同じ方法、同じ材料で可能である。
【0049】
有機溶剤系、水性系いずれの分散の場合であっても、顔料の分散を補助する目的のために、顔料分散剤や湿潤剤を塗膜の耐水性を低下させない範囲で使用することもできる。
【0050】
塩基性化合物で中和されたアニオン性基を有する有機高分子化合物と顔料とを混合、分散する前記方法としては、前者(1)の方法が好適である。
【0051】
本発明では、前記した通り、顔料分散液を得て、それを用いて公知慣用の方法により、中和されたアニオン性基を有する有機高分子化合物で顔料が被覆されてなるインクジェットプリンター用水性記録液を得る。
【0052】
本発明の当該水性記録液は、好適には(i)アニオン性基を塩基性化合物で中和して水溶性化したアニオン性基を有する有機高分子化合物と水性媒体とを含有する、有機溶剤を含んでいても良い液媒体中に顔料を混合し懸濁液とし、懸濁液を更に充分に混合し、顔料を微分散させた後、(ii)この顔料分散液に酸性化合物を加えてアニオン性基有する有機高分子化合物を析出させることにより顔料をアニオン性基を有する有機高分子化合物で被覆し、(iii)次いで塩基性化合物を加えてアニオン性基を有する有機高分子化合物のアニオン性基を中和して水性媒体中に分散させてなる水性顔料分散液を調製し、これをインク調製に用いて水性記録液とすることが好ましい。これはインクジェットプリンター用水性記録液の調製において、最も好ましい製造方法である。
【0053】
前記(i)の、顔料が分散すべき液媒体に充分に均一分散していない状態にある懸濁液から、液媒体中に顔料が均一に微分散した顔料分散液を得る工程にて、前記した様な特定の分散装置を用いるわけである。尚、本発明では、酸性化合物を用いてアニオン性基有する有機高分子化合物を析出させることを、酸析と称する場合がある。
【0054】
また、顔料を分散する際、あるいは、分散後であって酸析する前に、顔料以外の物質、例えば、染料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、硬化触媒、防錆剤、香料などを添加することもできる。
【0055】
顔料を微細に分散しやすく、かつ水性顔料分散液を塗装剤などに使用した時に、配合設計上の自由度を高められる点で、アニオン性基を有する有機高分子化合物と顔料との割合は、顔料100質量部に対して、アニオン性基を有する有機高分子化合物の固形分量で10〜200質量部の範囲が好ましい。
【0056】
水性媒体中に微分散された顔料をアニオン性基を有する有機高分子化合物で被覆する目的で行われる酸析は、酸性化合物を加えてpHを中性または酸性とすることによって、塩基性化合物によって中和されたアニオン性基を有する有機高分子化合物を析出させるものである。
【0057】
使用される酸性化合物としては、例えば、塩酸、硫酸、燐酸、硝酸の如き無機酸類;蟻酸、酢酸、プロピオン酸の如き有機酸類などが使用できるが、排水中の有機物が少なく、かつ、酸析効果も大きい塩酸、硫酸が好ましい。酸析時のpHは3〜6の範囲が好ましいが、顔料によっては酸によって分解されるものもあり、このような顔料の場合には、pH4〜7の範囲で酸析することが好ましい。また、酸析を行う前に、系に存在する有機溶剤を減圧蒸留、常圧蒸留などの方法を用いて予め除いておくことが好ましい。
【0058】
酸析後、必要に応じて濾過および水洗を行って、アニオン性基を有する有機高分子化合物で被覆された顔料の含水ケーキを得る。濾過方法としては、吸引濾過、加圧濾過、遠心分離など公知の方法が採用できる。
【0059】
この含水ケーキは、乾燥させることなく、含水した状態のままで塩基性化合物でもってアニオン性基を再中和することによって、顔料粒子が凝集することなく、微細な状態を保持したままで、水性媒体中に再分散される。再分散させるための塩基性化合物としては、アニオン性基を有する有機高分子化合物を中和するために使用した塩基性化合物と同じ物が使用できる。
【0060】
このようにして得られる塩基で中和されたカルボキシル基を有する有機高分子化合物で顔料が被覆されてなる水性分散液は、体積平均粒子径が10〜500nmの範囲にあるものが好ましい。体積平均粒子径が500nmよりも大きい場合、塗膜の光沢、発色性、着色力に優れたものが得難くなる傾向にあるので好ましくなく、また、体積平均粒子径が10nmよりも小さいものを得ることは非常に困難で現実的ではない。
【0061】
本発明で得られる塩基で中和されたカルボキシル基を有する有機高分子化合物で顔料が被覆されてなる水性分散液の評価方法としては、例えば次の様な方法がある。
【0062】
まず、水性分散液に更にインクとしての印字特性を付与するため、エチレングリコール、グリセリン、pH調整剤、界面活性剤等を加えてインクジェットプリンター用水性記録液に調製した後、インクジェットプリンターのカートリッジに詰めて画像を印刷する。
【0063】
更に貯蔵安定性の評価としては、例えば調製したインクジェットプリンター用水性記録液を80℃の恒温槽中に静置保存し、粘度の変化及び体積平均粒子径の変化を測定することにより評価できる。この温度80℃における評価は、従来の70℃におけるそれよりも、厳しい条件である。70℃では同等の評価結果をもたらす対比すべき二つの試料が、80℃でも70℃の場合と同様の評価結果をもたらすとは限らない。インクジェットプリンター用水性記録液では、より高温での貯蔵安定性が求められている。
【0064】
前記のようにして得られるインクジェットプリンター用水性記録液を用いて記録画像を形成させる方法としては、例えばオンデマンドタイプのインクジェットプリンターを用いて、各種の紙、シート、フィルム、繊維、金属等に印字させる方法がある。
【0065】
インクジェットプリンターとしては、特に限定されないが、例えばプリンターヘッドに圧電素子を用いたピエゾ方式や、記録液に熱エネルギーを加え微細孔から記録液を液滴として吐出させて記録するサーマル方式等があげられる。更に、印字後に熱や紫外線等のエネルギーを加えることによって画像を定着させることも可能である。
【0066】
前記のようにして製造された水性顔料分散液はインクジェットプリンター用水性記録液として極めて実用的に使用できる。
【0067】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例において、「部」および「%」は、特に断りのない限り、すべて質量基準である。
【0068】
また、以下の実施例における分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定したものである。
【0069】
また、インクジェットプリンターに、キャノン社製のインクジェットプリンターBJC−400J、インクジェットプリンター用水性記録液の粘度測定にR−500型粘度計(東機産業社製、60rpm値)、体積平均粒子径測定にマイクロトラックUPA−150(日機装社製レーザードップラー式粒度分布計)を使用した。
【0070】
<実施例1>
冷却用ジャケットと攪拌機を備えた混合槽に、アニオン性基含有有機高分子化合物としてアクリル酸n−ブチル2.5部、メタクリル酸20部、メタクリル酸n−ブチル50部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル7.5部、スチレン20部の共重合体(重量平均分子量23,000)の50%メチルエチルケトン溶液4.0部、25%水酸化ナトリウム0.8部及びイオン交換水12.6部を加え、攪拌して、有機高分子化合物中のカルボキシル基を100%中和すると共に、有機高分子化合物を水中に溶解させた。
【0071】
次いで、前記有機高分子化合物の水溶液にFastogen Blue TGR(大日本インキ化学工業(株)製の銅フタロシアニンブルー顔料C.I.Pigment Blue 15:3)4.0部を加え、攪拌、混合した。
【0072】
分散装置としては、図1に示す、外部固定容器と内部攪拌装置(ロータ)を有する、ロータ回転軸が水平の分散媒攪拌型分散装置(SCミル SC200/70型、三井鉱山(株)製、ベッセルの実容量3.81L、モーター容量15kw)を用いた。
【0073】
また円筒状ロータとしては、分散装置の内部のロータ(II)の回転軸から外壁面までの円半径をR1、外部固定容器(I)の内壁に接する円半径をR2とした時のR1/R2が0.85となる大きさの円筒状ロータを使用し、粉砕室体積の61%が0.3mmφジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー社製YTZビーズ)により占められる様に調整した。
【0074】
顔料と水性媒体とを含む混合物及び水性顔料分散液を保持する共通の容器(保持容器)と、循環ポンプ、前記分散装置の液供給口、液吐出口、前記保持容器をこの順序となる様に連結し、前記保持容器に仕込んだ混合物が所定粒径の粒子を含む水性顔料分散液になるまで、分散系内で前記混合物を循環させた。
【0075】
尚、ロータの回転数1,120rpmとし、冷却用ジャケットには冷水を通して前記混合物の温度が40℃以下に保たれるようにした。また、分散時間は8時間であった。
【0076】
分散終了後、生成した水性顔料分散液を抜き取り、次いで水20部で保持容器及び分散装置流路を洗浄し、水性顔料分散液と合わせて希釈分散液を得た。蒸留装置に希釈分散液を入れ、メチルエチルケトンの全量と水の一部を留去し濃縮分散液を得た。
【0077】
室温まで放冷後、濃縮分散液に、ディスパーで攪拌しながら、2%塩酸を滴下してpHを4.5に調整した後、固形分を吸引濾過、水洗した。
【0078】
得られたケーキを容器に取り、25%水酸化カリウム水溶液1.0部を加え、分散攪拌機(TKホモディスパー20型、特殊機化工業株式会社製)にて再分散した。遠心分離機(2000B型、(株)国産製)にて粗大粒子を除去した後、不揮発分を調整して、不揮発分20%の塩基で中和されたカルボキシル基を有する有機高分子化合物で顔料が被覆されてなる水性顔料分散液を得た。
【0079】
得られた水性顔料分散液から以下の配合でインクジェットプリンター用水性記録液を調製した。
前記水性顔料分散液               20.0部
イオン交換水                  44.4部
エチレングリコール                4.0部
グリセリン                    8.0部
ジエタノールアミン                2.4部
エマルゲン147(花王(株)製のノニオン活性剤) 1.2部
こうして、塩基で中和されたカルボキシル性基を有する有機高分子化合物で顔料が被覆されてなるシアン色インクジェットプリンター用水性記録液を調製した。
【0080】
調製した前記記録液をキャノン社製のインクジェットプリンターBJC−400Jのカートリッジに詰め、カラーBJペーパー(キャノン社製)に印刷した結果、十分に発色の良いシアン色の画像を得た。
【0081】
更に、貯蔵安定性の評価として、調製した記録液を80℃の恒温槽中に1日静置し、静置開始時に対する粘度の変化(増粘率という)及び体積平均粒子径の変化(増粒率という)を測定した。結果を表−1に記すが、増粘率及び増粒率が小さく貯蔵安定性に優れていた。
【0082】
<実施例2>
実施例1で得られた有機高分子化合物の50%メチルエチルケトン溶液2.0部、メチルエチルケトン1.5部、25%水酸化ナトリウム0.5部及びイオン交換水12.4部を加え、攪拌して、有機高分子化合物中のカルボキシル基を100%中和すると共に、有機高分子化合物を水中に溶解させた。
【0083】
次いで、前記有機高分子化合物の水溶液にFastogen Super Magenta RTS(大日本インキ化学工業(株)製キナクリドン顔料C.I.Pigment Red 122)5.0部を加え、攪拌、混合した。
【0084】
分散装置は実施例1と同様図1のものを用いて、所定粒径の粒子を含む水性顔料分散液になるまで、分散系内で前記混合物を循環させた。この時の分散条件は、R1/R2=0.85、ロータの回転数1,070rpm、粉砕室体積の66%の0.3mmφジルコニアビーズ、分散時間は8時間であった。
【0085】
分散終了後、実施例1と同様にして、不揮発分20%の塩基で中和されたカルボキシル基を有する有機高分子化合物で顔料が被覆されてなる水性顔料分散液を得た。
【0086】
前記水性顔料分散液を、実施例1と同様にして、マゼンタ色インクジェットプリンター用水性記録液に調製し印刷した結果、十分に発色の良いマゼンタ色の画像を得た。
【0087】
更に、実施例1と同様にして、記録液の増粘率及び増粒率を測定した。結果を表−1に記すが、増粘率及び増粒率が小さく貯蔵安定性に優れていた。
【0088】
<比較例1>
分散条件以外は実施例1と同様にして、塩基で中和されたカルボキシル基を有する有機高分子化合物で顔料が被覆されてなるシアン色インクジェットプリンター用水性記録液を調製した。
【0089】
この時の分散条件は、円筒状ロータを交換してR1/R2=0.96となる様にし、内部ロータの回転数1,550rpm、粉砕室体積の30%の0.3mmφジルコニアビーズ、分散時間は8時間であった。
【0090】
調製した前記インクジェットプリンター用水性記録液を実施例1と同様にして、記録液の増粘率及び増粒率を測定した。結果を表−1に記すが、実施例1に比べて、水性記録液の増粘率及び増粒率が大きく貯蔵安定性に劣っていた。
【0091】
<比較例2>
分散条件以外は実施例2と同様にして、塩基で中和されたカルボキシル基を有する有機高分子化合物で顔料が被覆されてなるマゼンタ色インクジェットプリンター用水性記録液を調製した。
【0092】
この時の分散条件は、円筒状ロータを交換してR1/R2=0.96となる様にし、内部ロータの回転数1,550rpm、粉砕室体積の30%の0.3mmφジルコニアビーズ、分散時間は8時間であった。
【0093】
調製した前記インクジェットプリンター用水性記録液を実施例1と同様にして、記録液の増粘率及び増粒率を測定した。結果を表−1に記すが、実施例2に比べて、水性記録液の増粘率及び増粒率が大きく貯蔵安定性に劣っていた。
【0094】
【表1】
表−1
Figure 2004043630
【0095】
表−1に示した結果から、本発明の製造方法で得た塩基で中和されたカルボキシル基を有する有機高分子化合物で顔料が被覆されてなるインクジェットプリンター用水性記録液は、製造後80℃1日経過後において、粘度及び体積平均粒子径の変化が少ないことから貯蔵安定性に優れていることが理解できる。
【0096】
また、実施例の水性記録液はいずれも、インクジェットプリンターのノズル閉塞の原因となる微粉砕された分散メディアの混入が極めて少なかった。水性顔料分散液調製のための分散メディアの交換頻度を比較例の場合よりも減らすことが出来、水性顔料分散液の生産性をより向上できた。
【0097】
【発明の効果】
中和されたアニオン性基を有する有機高分子化合物で顔料が被覆されてなるインクジェットプリンター水性記録液のための水性顔料分散液の製造方法であって、その分散装置として、特定の分散媒体攪拌型分散装置を用いて、分散装置のロータの回転軸中心からロータ外壁面までの円半径をR1、外部固定容器の円筒状内壁に接する円半径をR2としたとき、R1/R2=0.7〜0.9となるように組み合わせ、かつ、粉砕室体積に対して50〜80%に相当する分散メディアを充填して顔料を微分散した顔料分散液を製造することで、それを水性記録液として用いた場合に、より高温においても貯蔵安定性に優れた極めて実用性の高いインクジェットプリンター用水性記録液を得ることができるという格別顕著な効果を奏する。
【0098】
しかも、水性記録液への分散メディアの混入も最小限とでき、水性顔料分散液調製のための分散メディアの交換頻度を減らすことが出来、その時間が分散液の製造に向けられ、分散装置の連続長期運転により水性顔料分散液の生産性をより向上できるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる分散装置の一例の断面図である。
【符号の説明】
1  外部固定容器
2  円筒状ロータ
3  ロータの回転軸
4  供給口
5  スリット
6  液室
7  分散メディア
8  セパレータ
9  吐出口

Claims (3)

  1. 中和されたアニオン性基を有する有機高分子化合物と顔料とを含む水性懸濁液を、下記の分散装置にてロータ(II)を回転させながら、容器(I)の供給口からロータのスリットに向けて、液室に懸濁液を供給し、遠心力にて吐出孔から懸濁液を放出し、分散メディアを介してセパレータを通過した懸濁液を容器(I)の吐出口から取り出す様にして、懸濁液の供給と吐出を行って混合し、顔料を微分散して水性顔料分散液とする水性顔料分散液の製造方法において、
    円筒状ロータ(II)の回転軸中心から外壁面までの円半径をR1とし、外部固定容器(I)の円筒状内壁に接する円半径をR2とした時、R1/R2=0.7〜0.9となる様にロータ(II)と容器(I)とを組み合わせ、かつ、
    粉砕室体積の50〜80%に相当する分散メディアを充填して、懸濁液の供給と吐出を行って、前記顔料の微分散を行うことを特徴とする水性顔料分散液の製造方法。

    懸濁液の供給口と吐出口を有する、セパレータを有する内壁が円筒状の外部固定容器(I)と、その内部に所定間隙を介し設けられた、回転軸中心に回転可能な円筒状ロータ(II)とからなり、当該ロータ(II)が、円筒内部に中空の液室を有し、液室に向かって懸濁液が供給できる、当該供給口に対向するスリットと、液室外部に通じる円筒側壁に複数の液吐出孔とを有するロータ(II)であり、当該外部固定容器(I)が、当該ロータの円周外壁面と所定間隙を介して対向する、分散メディアよりも小さい所定径の複数の穴を有するセパレータが円筒状内壁に設けられた外部固定容器(I)であり、当該ロータとセパレータとの間隙には分散メディアが充填された分散装置。
  2. 懸濁液を保持する容器と、循環ポンプを更に設け、顔料が所定の粒子径となった顔料分散液となる様、液吐出口、懸濁液を保持する容器、循環ポンプ、液供給口をこの順序となる様に連結し、懸濁液を前記滞在時間の範囲となる様に循環させ、繰り返して当該懸濁液を処理し、顔料分散液を得る請求項1記載の水性顔料分散液の製造方法。
  3. 請求項1の製造方法により得られた顔料分散液に、酸性化合物を加えてアニオン性基有する有機高分子化合物を析出させることにより顔料をアニオン性基を有する有機高分子化合物で被覆し、次いで塩基性化合物を加えてアニオン性基を有する有機高分子化合物のアニオン性基を中和して水性媒体中に分散させて水性顔料分散液とし、これを用いてインクを調製するインクジェットプリンター用水性記録液の製造方法。
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