JP4984126B2 - 水性顔料分散液及びインクジェット記録用インク組成物 - Google Patents

水性顔料分散液及びインクジェット記録用インク組成物 Download PDF

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Description

本発明は、緑色顔料を用いた水性顔料分散液及び該顔料分散液を用いたインクジェット記録用インク組成物に関する。
水性インクは、油性インクのような火災の危険性や変異原性などの毒性を低減できるため、産業用途以外のインクジェット記録用途の主流となっている。
係る水性インクとしては、安定性が高く、ノズル目詰まりが少なく良好な発色性を有し高画質の印刷を可能とすることから、着色剤として染料が用いられてきたが、染料は、画像の耐水性、耐光性に劣るという問題があった。
この問題を解決するため、染料から顔料への着色剤の転換が活発に図られている。顔料インクは優れた耐水性、耐光性が期待できるが、顔料の凝集・沈降に伴うノズル目詰まりが問題となる。そこで、微粒子化した顔料を高分子系の分散剤を用いて水性媒体中に分散させる方法が検討されている。
これら着色剤に顔料を使用したインクを用いて、多色印刷を行うためには、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクすべてについて、発色性のみならず、良好な分散性、吐出性、保存安定性が満たされねばならい。そこで、それぞれの色に応じて最適な顔料の選定、及びそれぞれの顔料を良好に、かつ安定して分散しうる高分子分散剤との組み合わせ、および該組み合わせを用いた水性顔料分散液の製造方法がさらに詳細に検討されている。しかし各色に対応する顔料の種類の多さに加え、用いるべき分散方法の詳細は顔料毎に異なっていて、必ずしも、全ての色について最適なインクジェット記録用インクが得られているわけではない。
近年、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクに加え、レッド、グリーン、バイオレットなどの色調を有するインクを用いて、印刷画像の色再現性を向上させる試みが行われており、さらに多くの色について分散安定性を満たしつつ良好な発色性、光沢を有するインクジェット記録用顔料インクが求められている。
レッド、グリーン、バイオレットの3色は、好適な発色域の顔料を用いることによって、既述の基本的な4色との組み合わせで、極めて色域の拡大された色再現性のよい画像の形成が可能であることがわかっている。(特許文献1参照)
しかし理想的な発色域を有しつつ、上記のインクジェット適性を有する顔料を選定し、かつ分散性、吐出性、保存安定性を併有するインクジェット記録用インクを提供することは困難であった。
例えば緑色については、通常のインクジェット記録に用いられる基本色とは異なって、緑色の顔料を用いた緑色のインクジェット記録用インクのための検討は十分になされていない。このため、緑色のインクジェット記録用インクとして、十分満足な特性を示すものが得られてはいない。
さらにまた近年、印刷画像の発色の長期安定性に対する要求が高まっており、また産業用として被印刷物が野外で使用される機会の増加に伴って、インクジェット記録用顔料インクに対しては、優れた耐光性も併せて要求されている。加えて、特に、サーマルジェット記録用のインクとしての使用が想定される場合には、高温における保存安定性も必須と考えられ、インクに対する要求はより厳しいものとなっている。
そのような条件を満たすためには、組み合わせるべき高分子分散剤や、さらには該分散剤を用いたときの最適な配合、該配合を用いた製造方法についての検討が非常に重要である(特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。しかし、そのような高性能の緑色顔料を用いたインクジェット記録用インクの検討はまだ不十分で、優れた分散性、保存安定性、吐出性が実現されているとは言えない状況であった。
特にピグメントグリーン36については、緑色系の顔料として耐光性の良いことが知られており、ピグメントグリーン7とともに使用されることが多い。しかし臭素を多く含んでいて高比重であるため液中で沈降し易く、インクジェット記録用インクのような低粘度における分散を維持することが極めて困難であった。また顔料粒子の凝集が起こりやすいため、良好な分散のためには顔料表面への高分子分散剤の吸着を行って立体障害による分散安定化を行うこと、およびその分散方法を検討することが極めて重要である。しかし、そのような検討は不十分であった。
このように、緑色の顔料を使用した分散系水性インクジェット記録用インクを用いて、長期保存安定性、高光沢、耐光性、吐出性を同時に確保するためには、最適の高分子分散剤の選定、及び該分散剤を用いた製造方法を検討することが必須であるにもかかわらず、そのような検討は未だ十分になされていなかった。上記特許文献2〜4に記載されたインクジェット記録用インクは種々の分散剤や添加剤を適用して、分散安定性の向上を目指してはいるが、いまだに、特に70℃以上の過酷な条件での保存安定性については未だ十分に良好な特性を与える水性顔料分散液やインクジェット記録用インクが得られていなかった。
すなわち特許文献2においては色再現性を向上させるために、オレンジ、グリーン、シアンの各顔料を規定してインク組成物を形成し、これらを用いた画像形成方法を提示しているが、使用する樹脂や、概樹脂を用いた顔料分散方法に関し、特にC.I.ピグメントグリーン36について、本願発明におけるような保存安定性向上のための検討を加えているわけではない。
また特許文献3においてはリビング共重合アクリルポリマーを有効成分とする分散剤や、特定のグリコールエステル類からなる有機溶剤を用いて、インク組成物の保存安定性を検討しているが、実際にC.I.ピグメントグリーン36についての適用結果については開示されておらず、C.I.ピグメントグリーン36の有する特殊性について考慮されていない。
さらに特許文献4においては、分散ポリマーの芳香環の量を規定し、かつ特定の目詰まり防止剤を使用した水性インクが記載されているが、インクの吐出安定性や画像の光沢、発色性の向上が主目的であり、保存安定性については検討されていない。特にC.I.ピグメントグリーン36についての適用結果については開示されておらず、C.I.ピグメントグリーン36の有する特殊性についても考慮されていない。
特開2001−354886号公報(特許請求の範囲) 特開2000−186244号公報(実施例1、実施例2) 特開2003−096370号公報(特許請求の範囲) 特開2004−143387号公報(特許請求の範囲)
本願発明の目的は、長期保存安定性、高光沢、吐出性を実現する、緑色のインクジェット記録用インク組成物の製造に用いられる水性顔料分散液を提供することである。
さらに本願発明の目的は、長期保存安定性に優れ、かつ形成された印刷画像が良好な耐光性、光沢を有する緑色のインクジェット記録用インク組成物を提供することである。さらにまた本願発明の目的は上記特性を有するインクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法を提供することである。
本発明者は、このような状況に鑑み、鋭意検討した結果、(a)ピグメントグリーン36に含有される不純物を低減し、かつ特定の特性と構成を有するスチレン−アクリル酸共重合体を含有する水性顔料分散液、かつ概水性顔料分散液から作製されるインクジェット記録用インク組成物が上述の課題を達成できることを見出し、本発明に到達した。また本発明者は上記処置をした(a)ピグメントグリーン36と上記特定のスチレン−アクリル酸共重合体を用いた水性顔料分散液の製造方法が上述の課題を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は、(a)ピグメントグリーン36、(b)スチレン−アクリル酸共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、及び(d)湿潤剤を含有する水性顔料分散液であって、前記(a)ピグメントグリーン36中の鉄の含有量は40ppm以下であり、かつ前記(b)スチレン−アクリル酸共重合体は、120〜240mgKOH/gの酸価、6000〜40000の重量平均分子量、及び全モノマー成分に対して60質量%以上のスチレン系モノマー単位を含有することを特徴とする水性顔料分散液を提供する。
また、本発明は(a)ピグメントグリーン36、(b)スチレン−アクリル酸共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、(d)湿潤剤及び水性媒体を混合し、分散する分散工程を有する水性顔料分散液の製造方法であって、前記(b)スチレン−アクリル酸共重合体は120〜240mgKOH/gの酸価、6000〜40000の重量平均分子量、及び全モノマー成分に対して60質量%以上のスチレン系モノマー単位を含有し、かつ(a)ピグメントグリーン36は酸洗浄工程を経たものであることを特徴とする水性顔料分散液の製造方法を提供する。
さらに本発明は上記水性顔料分散液、または上記水性顔料分散液の製造方法で作製された水性顔料分散液を主成分として含有するインクジェット記録用インク組成物を提供する。
本発明の水性顔料分散液は、耐光性の良好な(a)ピグメントグリーン36を顔料として用いており、しかも概顔料に含有される特定の不純物の低減を行っている。さらに120〜240mgKOH/gの酸価、6000〜40000の重量平均分子量、及び全モノマー成分に対して60質量%以上のスチレン系モノマー単位を含有するスチレン−アクリル酸共重合体を分散剤として用いているため、初期分散粒径が極めて細かい。また概分散剤は顔料表面を良好に被覆しており、しかも顔料から遊離している樹脂がすくないため、分散安定性に優れていて、さらに高温保存時の保存安定性に優れている。
さらに本発明は前記水性顔料分散液を主成分として含有するインクジェット記録用インク組成物を提供するが、本願発明のインクジェット記録用インク組成物は、ノズル目詰まりを発生せず吐出性に優れており、また、優れた保存安定性を有する。
本願発明の水性顔料分散液、および本願発明の製造方法いより製造した水性顔料分散液は優れた分散性を有し、また該水性顔料分散液を主成分として含有するインクジェット記録用インクは優れた保存安定性を有すると共に、該インクで形成された画像は良好な光沢、耐光性を発現する。また他の色のインクジェット記録用インクと併用されて、色再現性に優れた多色の印刷画像を形成することができる。
特に高温保存時の保存安定性が良好であるので、サーマルジェット方式のインクジェット記録装置にインクジェット記録用インクとして好適に用いることができる。
本発明で用いられる顔料はC.I.ピグメントグリーン36である。その構造は銅フタロシアニンのベンゼン環の全水素を臭素で置換したものである。ここで、臭素の一部(30モル%以下)を塩素で置き換えたものも含まれてよい。
本発明で使用するC.I.ピグメントグリーン36は鉄の含有量が40ppm以下である。鉄は不純物としてC.I.ピグメントグリーン36に含有され、その量はICP発光分光分析にて定量可能である。鉄の含有量が40ppmを超えると、製造した水性顔料分散液や、概水性顔料分散液を主成分とするインクジェット記録用インク組成物の保存安定性が低下する。鉄の含有量としては35ppm以下であることが好ましく、30ppm以下であることがさらに好ましい。
C.I.ピグメントグリーン36の不純物としては、マグネシウム、珪素も含有されており、これらの含有量も低減することが好ましい。マグネシウムの含有量は70ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることがさらに好ましい。珪素については50ppm以下であることが好ましく、45ppm以下であることがさらに好ましい。
C.I.ピグメントグリーン36に含有される鉄、マグネシウム、珪素を低減させるためには酸洗浄を行うことが好ましい。
C.I.ピグメントグリーン36の粒径は、電子顕微鏡観察により得られるその平均一次粒径が150nm以下であることが好ましい。粒径が150nmを超えると、顔料分散液のろ過性や、これから得られるインクの吐出性や光沢に悪影響を及ぼす場合がある。高比重の顔料であるピグメントグリーン36は、液中で沈降し易く、安定した分散が困難であり、良好な分散のためには顔料表面へ樹脂の安定した吸着を行って、立体障害による分散安定化を行うことが重要となる。本発明では、この顔料を酸で洗浄することにより、マグネシウム, 珪素、鉄等の無機不純物イオンを低減させ、より高い保存安定性を得ることが可能となる。
C.I.ピグメントグリーン36の酸洗浄を行う酸洗浄工程においては、顔料のウエットケーキを酸溶液中に分散させ、撹拌、濾過をしてからさらに温水で洗浄する方法を用いることができる。酸溶液は無機酸の0.2〜5質量%溶液を使用できるが、塩酸水溶液を用いることが好ましい。
本発明において用いられる(b)スチレン−アクリル酸共重合体は、その構成モノマーとして少なくともスチレンと、ラジカル重合性の二重結合を有する不飽和脂肪族カルボン酸モノマーを含有するが、概不飽和脂肪族カルボン酸モノマーとしてアクリル酸及びメタクリル酸のうちの一種以上を含み、好ましくはスチレン、アクリル酸、メタクリル酸を全て含む。該共重合体は構成モノマー組成比において、スチレンモノマー成分の全モノマー成分に対する割合が60質量%以上であり、好ましくは90質量%以下である。特に、スチレンモノマー成分とアクリル酸モノマー成分とメタクリル酸モノマー成分の和が全モノマー成分に対して95質量%以上であることが好ましい。本発明のスチレン−アクリル酸共重合体は、60質量%以上もの高濃度のスチレン系モノマー単位を含むため、疎水性の顔料表面に良好に吸着し、該顔料の分散性を良好に保持することができる。前記吸着は強固であり、特にピグメントグリーン36に対しては極めて強固に吸着し、他顔料に適用した場合と比較して、高温で長期間保存した後もはるかに安定した分散性が維持される。
一方でスチレンモノマー成分量が60質量%未満であると、(a)顔料への(b)スチレンアクリル酸共重合体の親和性が不充分となり、分散安定性が低下する傾向があり、又得られるインクジェット記録用インク組成物を用いた普通紙記録特性が劣化し、画像記録濃度が低下する傾向があり、耐水特性も低下しやすい。スチレン成分量が90質量%より多いと、(b)スチレンアクリル酸共重合体の水性媒体に対する溶解性が低下し、水性顔料分散液における顔料の分散性や分散安定性が低下する傾向にあり、インクジェット記録用インクに適用した場合の印字安定性が低下しやすい。
本発明の水性顔料分酸液に使用する(b)スチレン−アクリル酸共重合体の酸価は120〜240mgKOH/gである。酸価が120mgKOH/gより小さいと親水性が小さくなり、顔料の分散安定性が低下する傾向がある。一方酸価が240mgKOH/gより大きいと顔料の凝集が発生し易くなり、またインク組成物を用いた印字物の耐水性が低下する傾向がある。酸価の値としては160から200mgKOH/gの範囲であることがさらに好ましく、175〜190mgKOH/gであると特に好ましい。
(b)スチレン−アクリル酸共重合体はその構成モノマーとして、アクリル酸とメタクリル酸を併用すると、骨格の規則性が損なわれて樹脂の溶解性を向上させる効果があり好ましい。
(b)スチレン−アクリル酸共重合体には、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸以外のこれらのモノマーと重合可能なモノマーが成分量として含まれていても良く、その含有量としては5質量%未満であることが好ましい。このようなモノマーの例としては、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-メチルブチル(メタ)アクリレート、2-エチルブチル(メタ)アクリレート、3-メチルブチル(メタ)アクリレート、1,3-ジメチルブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;2-エトキシエチルアクリレート、3-エトキシプロピルアクリレート、2-エトキシブチルアクリレート、3-エトキシブチルアクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチル-α-(ヒドロキシメチル)アクリレート、メチル-α-(ヒドロキシメチル)アクリレートのような(メタ)アクリル酸エステル誘導体;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸アリールエステル類及び(メタ)アクリル酸アラルキルエステル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ビスフェノールAのような多価アルコール、多価フェノールのモノ(メタ)アクリル酸エステル類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルのようなマレイン酸ジアルキルエステル等を挙げることができる。これらのモノマーはその1種又は2種以上をモノマー成分として添加することができる。
本発明において用いられる(b)スチレンアクリル酸共重合体の重量平均分子量は6,000〜40,000の範囲である。重量平均分子量は7,500〜30,000の範囲内にあることが好ましく、10,000〜14,000の範囲内にあることがより好ましい。重量平均分子量が6,000未満であると、(a)顔料の初期の分散小粒径化は容易であるが、分散液の長期保存安定性が悪くなる傾向にあり、顔料の凝集などによる沈降が発生する場合がある。また、印刷物の十分な光沢が得られない問題も生じる。
(b)スチレンアクリル酸共重合体の重量平均分子量が40,000を超えると、これを用いた水性顔料分散液から調製したインクジェット記録用インクの粘度が高くなって、インクの吐出安定性が損なわれる、あるいは分散体の濾過を阻害するゲル状の樹脂微粒子を生じやすい傾向にある。
本発明において用いられる(b)スチレンアクリル酸共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体の何れであっても良い。グラフト共重合体としてはポリスチレンあるいはスチレンと共重合可能な非イオン性モノマーとスチレンとの共重合体が幹又は枝となり、アクリル酸、メタクリル酸とスチレンを含む他のモノマーとの共重合体を枝又は幹とするグラフト共重合体をその一例として示すことができる。(b)スチレンアクリル酸共重合体は、上述の共重合体とランダム共重合体の混合物であってもよい。
本発明の水性顔料分散液において、(a)ピグメントグリーン36に対する、(b)スチレンアクリル酸共重合体の配合は、(b)/(a)質量比=0.15〜0.25であることが好ましい。(b)スチレンアクリル酸共重合体の含有量が少なく、前記質量比が0.15未満であると、グリーン36の顔料表面が十分に被覆されず、顔料分散が不十分となりやすく、水性顔料分散液を用いてインクジェット記録用インクにしたとき、印刷物の耐摩擦性や光沢が低下する傾向にある。また、スチレンアクリル酸共重合体の含有量が多く、前記質量比が0.25を超えた場合は、水性顔料分散液中に固形の遊離樹脂が析出し易く分散液のろ過性やインクの吐出性が悪くなる傾向がある。前記(b)/(a)の最適配合比は使用顔料と使用樹脂の組み合わせによって、様々な範囲に規定されうるが、グリーン36は臭素原子を含んでいるため比重が高く、他の顔料に比べて同一質量では表面積が小さいため、上記質量比(b)/(a)の最適範囲は他の顔料に比して小さい方向に移行する。さらに理由は必ずしも明確ではないが、グリーン36の場合はその最適範囲の上限が、比重の点を考慮したとしても極めて小さく、その結果質量比(b)/(a)の最適範囲は極めて狭くなる点、他の顔料と大きく異なっている。
本発明において用いられる(c)アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を例示でき、特に水酸化カリウムが好ましい。また、(c)アルカリ金属水酸化物の添加量は、(b)スチレン−アクリル酸共重合体の酸価に基づき、中和率として80〜130%となる範囲であることが好ましい。
中和率を80%以上と設定することが、水性媒体中の分散速度の向上、分散安定性。保存安定性の点から好ましい。また長期保存時におけるゲル化を防ぐ点においても、インク組成物によって作製した印字物の耐水性の点でも130%以下とすることが好ましい。
なお本発明において、中和率とはアルカリ金属水酸化物の配合量がスチレン−アクリル酸共重合体中の全カルボキシル基を中和するのに必要な量に対して何%(何倍)であるかを示す数値であって、例えば、アルカリ金属として水酸化カリウムを用いる場合は以下の式で計算される。
Figure 0004984126
本発明において用いられる(d)湿潤剤としては公知慣用のものが使用でき、例えばグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-へキサンジオール、1,2,6-へキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール類、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、ε-カプロラクタム等のラクタム類、1,3-ジメチルイミダゾリジン等が挙げられる。
本発明の水性顔料分散液を得る方法として、(a)ピグメントグリーン36、(b)スチレン−アクリル酸共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、(d)湿潤剤及び水性媒体混合し、概混合物を分散する公知の通常の方法を広く用いることができる。ここで前記スチレン−アクリル酸系樹脂は全モノマー成分に対して60質量%以上のスチレン系モノマー単位と、120〜240mgKOH/gの酸価、及び6000〜40000の重量平均分子量を有するものである。また上記工程において、質量比(b)/(a)は最終的に0.15〜0.25の範囲に調整されることが好ましい。
さらに前記分散工程の前に(a)ピグメントグリーン36、(b)スチレン−アクリル酸共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、及び(d)湿潤剤を含有する混合物を混練して着色混練物を作製する混練工程を有し、前記分散工程においては前記着色混練物を水性媒体中に分散することが好ましい。
本願発明で使用するスチレン−アクリル酸共重合体は、ピグメントグリーン36の表面に特に強固に吸着しやすいため、上記の製造方法において混練工程を用いなくても分散性のある程度良好な水性顔料分散液を製造することができ、印刷後の光沢の高く、分散性、分散安定性、保存安定性、吐出性の良いインクジェット記録用インクを得ることができる。
しかし、より少ない樹脂で効率的に、かつより強固に顔料表面を被覆して分散性をさらに向上させ、高温における長期保存安定性の極めて優れたインクジェット記録用インクを形成するためには、スチレン−アクリル酸共重合体、ピグメントグリーン36、及びアルカリ金属水酸化物を含有する混合物を混練して着色混練物を作製する混練工程と、該着色混練物を水性媒体中へ分散させる分散工程を有する製造方法を用いることが好ましい。このような製造方法を用いて水性顔料分散液を製造することにより、該水性顔料分散液を主成分として含有するインクジェット記録用インク組成物の保存安定性が、高温において一層向上する。また混練工程における(a)ピグメントグリーン36と(b)スチレンアクリル酸共重合体の質量比(b)/(a)を、0.15から0.25の範囲にすることにより、混練時における顔料の解砕、顔料表面の樹脂による被覆がより良好に進行し該インク組成物中に、顔料から遊離して分散もしくは溶解するスチレン−アクリル酸共重合体が減少する。このためノズル内壁への前記共重合体の沈着に起因する、インク目詰まりによる吐出不良が発生し難く好ましい。
以下に、特に好ましい混練工程を有する製造方法について工程毎に説明を行う。
(a)混練工程
本発明の水性顔料分散液を製造する混練工程においては、ピグメントグリーン36、60質量%以上のスチレン系モノマー単位と、120〜240mgKOH/gの酸価、及び6,000〜40,000の重量平均分子量を有するスチレン−アクリル酸共重合体、アルカリ金属水酸化物、及び湿潤剤を含有する混合物を混練する。
本混錬工程において、スチレン−アクリル酸共重合体は、該共重合体中のカルボキシル基がアルカリ金属水酸化物によって中和されることにより分散性が増し、また該共重合体が湿潤剤により膨潤して表面が軟化し、ピグメントグリーン36とともにひとかたまりの混合物を形成する。該混合物は常温では固形であるが50〜100℃の混錬温度では極めて強い粘調性を有するため、混錬時に該混合物に大きな剪断力を加えることができ、さらに該微粒子表面をスチレン−アクリル酸共重合体によって強固に被覆でき、水中で安定な微分散を実現することが出来る。
前記混練工程では、アルカリ金属水酸化物と湿潤剤の添加によってスチレン−アクリル酸共重合体が膨潤状体となるため、該共重合体をガラス転移点よりはるかに低温において軟化させることができる。
本発明の水性顔料分散液の製造方法における混練工程においては、湿潤剤を併用するが、、アルカリ金属水酸化物と湿潤剤の存在下でスチレン系樹脂が膨潤状態となって軟化するため、該樹脂を溶解させるための溶解性の高い溶剤を添加する必要がなく、混練後に該溶剤を留去する工程が不要のため生産効率が高い。
本発明の初性顔料分散液を製造する混練工程においては、二本ロール、三本ロールのようなロール練肉機を用いることも出来る。しかし混練中の固形分比を一定値以内におさめ、安定した剪断力が終始着色混練物に加わるようにするためには、湿潤剤等の揮散を抑えることができる閉鎖系又は閉鎖系となりうる混練機が好ましく、撹拌槽と、撹拌槽の蓋、一軸あるいは多軸の撹拌羽根を備えた混練機を用いると好ましい。撹拌羽根の数は特に限定しないが、高い混練作用を得るためには二つ以上の撹拌羽根を有するものが好ましい。
この様な構成の混練機を用いると、混練工程を経て水性顔料分散液用の着色混練物を製造した後、該混練物を取り出さずに同一撹拌槽中で直接希釈し、そのまま攪拌して初期の分散を施したり、分散を進行させて水性顔料分散液を製造したりすることが可能である。
この様な装置としてはヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー等が例示され、特にプラネタリーミキサーが好適である。プラネタリーミキサーとはプラネタリー型混練装置のことであり、遊星運動を行う撹拌羽根を有する混練装置の総称である。(以下プラネタリーミキサーとの呼称を用いる。)本発明の製造方法においては、顔料と樹脂を含有する固形分濃度の高い着色混練物の混練を行うため、混練物の混練状態に依存して混練の進行に伴い粘度が広い範囲で変化するが、プラネタリーミキサーは特に低粘度から高粘度まで広範囲に対応することができ、混練開始から混練後の希釈を含む分散工程への移行段階を同一機種内で連続的に実施することができる。更に湿潤剤の追加も容易で減圧蒸留も可能であり混練時の粘度及び剪断力の調整が容易である。
このように混錬工程から連続的に希釈を行うことによって、顔料表面をカプセル状に被覆したスチレン−アクリル酸共重合体中のアニオン性の親水性基を、カプセル状態を保ちつつ徐々に周囲の水性媒体の方向に配向させていくことが可能であり、水性媒体に対する濡れ性が良好で且つ安定な被覆状態を実現できる。
なお混練工程では必要に応じて湿潤剤の他に適宜水を加えて混練を行なってもよい。本発明の製造方法では、アルカリ金属水酸化物の添加にはアルカリ金属水酸化物の水溶液を用いることが好ましい。また、該アルカリ金属水酸化物はスチレン系樹脂が有する全カルボキシル基を中和するために必要な量の0.8〜1.3倍に相当する量であることが好ましい。
混練工程における(a)ピグメントグリーン36と(b)スチレン−アクリル酸共重合体の質量比(b)/(a)は0.15〜0.25とすることが好ましい。混練工程においてスチレン−アクリル酸共重合体の全必要量を添加することにより、顔料表面へのスチレン−アクリル酸共重合体の吸着をより強固に、かつ均一に進行させることができる。
混練工程における(d)湿潤剤の添加量は、(d)/(a)質量比を0.15〜0.30の範囲とすることが好ましい。湿潤剤の量がこの範囲を超えて多く配合されると、固形分濃度が低下するため十分な剪断力を与えることができなくなる。また該範囲より少なく配合されると、固形物同士を融合して混練に適した混合物とすることが困難となりやすく、やはり十分な剪断力を負荷することができにくくなる傾向がある。この結果ピグメントグリーン36を十分に粉砕し且つスチレン−アクリル酸共重合体をその表面に吸着させにくくなり、均一なインクジェットインク用着色混練物が得られなくなる傾向がある。
混練工程で作製された着色混練物には、水、または水及び湿潤剤を添加して、次工程である分散工程に適した粘度の液体混合物とすることが好ましい。該液体混合物を作製するときには、凝集粒子が発生しないように、着色混練物に水または水及び湿潤剤を添加しつつ撹拌を行って、徐々に粘度低下を行うことが好ましく、撹拌槽と撹拌羽根を有する混練機を用いることによって、混練工程終了後の撹拌槽内の着色混練物をそのまま稀釈することが出来好ましい。
(b)分散工程
混練工程を終了した水性顔料分散液用の着色混練物は、常温で固体状の混練物である。分散工程においては、このインクジェットインク用着色混練物を水性媒体中に希釈後、分散処理を行ってインクジェットインク用水性顔料分散液を製造する。分散処理を行うことによって、混練工程で解砕され、かつスチレン−アクリル酸共重合体によって被覆されつつ、緩い凝集体を形成して水性媒体中に存在している稀釈後の顔料が、凝集を解かれ、より分散粒子の粒径が微細化されることによって、インクジェット記録用インク組成物を作製したときの吐出安定性、印字濃度等のインクジェット特性が改善される。なお、本願の製造方法においては、分散工程のインクジェットインク用着色混練物中のピグメントグリーン36は、混練工程において既に解砕されており、分散剤であるスチレン−アクリル酸共重合体によって被覆されているので、水に対する分散性が良好となっている。このためピグメントグリーン36は水性媒体中に短時間で容易に分散し、製造効率が向上する。必要以上の分散時間はかえって好ましくない。たとえばビーズミルの一種であるナノミルの場合、分散時間としては30秒〜3分間が適切であり、当該範囲よりも分散時間が短いと、凝集粒子の除去が不完全となるため顔料の凝集沈降が生じ易い。一方、当該範囲を超え長い時間分散工程を行うと、混練工程で顔料表面に吸着したスチレン−アクリル酸共重合体が脱離し易くなり、顔料表面の被覆が不完全となるためインク化後の安定性が低下する傾向がある。
分散工程を終了して作製されたインクジェット記録用水性顔料分散液に占める、ピグメントグリーン36の量は5〜25質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることがより好ましい。ピグメントグリーン36の量が5質量%より少ない場合は、インクジェットインク用水性顔料分散液から調製したインクジェット記録用インク組成物の着色が不十分であり、十分な画像濃度が得られない傾向にある。また、逆に25質量%よりも多い場合は、インクジェットインク用水性顔料分散液において顔料の分散安定性が低下する傾向がある。またスチレン−アクリル酸共重合体によって被覆されたピグメントグリーン36の体積平均粒径は100nm以下であることが好ましい。ここでいう、体積平均粒径とは、実施例で記載のマイクロトラックUPA150により得られる値である。
本発明において、水性媒体とは、水、又は水と湿潤剤とを主成分とするものである。ここで用いる湿潤剤としては、混練時に使用したものと同様のものを用いることができる。
分散工程に用いる分散機は、公知のものを用いることができる。上記の混練に用いたプラネタリーミキサー等を適用することも可能である。より強力な分散力を得る場合には、例えば、メディアを用いたものではペイントシェーカー、ボールミル、ナノミル、アトライター、バスケットミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、スパイクミル、アジテーターミル等が用いられて良い。またメディアを用いないものとしては、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ナノマイザー、デゾルバー、ディスパー、高速インペラー分散機等が挙げられ、これらのうちの一つを単独で用いてもよく、2種類以上の装置を組み合わせて用いてもよい。これらの中でもメディアを用いた分散機は分散能力が高いため好ましい。なお分散後に必要に応じて水性媒体で濃度調整を行ってもよい。
なお、用いる分散機の種類によっては、分散機で分散(本分散)を行う前に、必要に応じて混練工程終了後の着色混練物に水性媒体を添加し、混合、希釈して、該分散機で処理するのに適した粘度に予め調整すると好ましい(以下、この粘度調整されたものを粘度調整物と呼ぶ場合がある)。この粘度調整は混練工程で撹拌槽と撹拌羽根を有する混練装置を用いた場合には該撹拌槽中で着色混練物の取り出し前に行うことができる。
例えばサンドミルを用いる時には、固形分濃度で10〜40質量%となる様に希釈し数十〜数百mPa・secの粘度に調整した後にサンドミルに移送して分散を行うと好ましい。
着色混練物を希釈する際の水性媒体はインクジェットインク用水性顔料分散液の乾燥防止、及び分散処理実施時の粘度調整の必要性から湿潤剤を含んでいてもよく、その量はインクジェットインク用着色混練物中の湿潤剤と合わせて、インクジェットインク用水性顔料分散液中に3〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。3質量%未満では、乾燥防止効果が不十分となる傾向にあり、50質量%を超えると分散液の分散安定性が低下する傾向にある。インクジェットインク用着色混練物の製造時に用いられる湿潤剤と、これを希釈する際に用いられる水性媒体中に使用される湿潤剤は、同一でもよく、異なっていてもよい。
(c)遠心分離工程
上記の方法で得た分散液に対してさらに、遠心分離を行って、水性顔料分散液中に存在する粗大粒子を除去する操作を行うことが重要である。
分散工程を終了して分散液調整後に遠心分離を行うことにより、分散が不十分であった粗大粒子の除去を行うことが出来る。遠心分離の条件として、10,000Gで3分間以上遠心分離を行う方法を例示でき、好ましくは15,000〜21000Gで、5〜10分間の遠心分離を行うことが好ましい。かかる粗大粒子の除去工程により、除去工程後の水性顔料分散液中の顔料の沈降が相当程度抑制される。
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、前記水性顔料分散液を用いて、常法により調製することができる。
本発明の水性顔料分散液を用いてインクジェット記録用インク組成物を調製する場合、改善目的や調整に応じた下記の(i)〜(iv)の処理や添加剤の使用ができる。
(i)インクの乾燥防止を目的として、先に例示した(d)湿潤剤を同様に添加することができる。乾燥防止を目的とする(d)湿潤剤のインク中の含有量は3〜50質量%であることが好ましい。
(ii)被記録媒体への浸透性改良や記録媒体上でのドット径調整を目的として浸透剤を添加することができる。
浸透剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、エチレングリコールヘキシルエーテルやジエチレングリコールブチルエーテル等のアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物やプロピレングリコールプロピルエーテル等のアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
インク中の浸透剤の含有量は0.01〜10質量%であることが好ましい。
(iii)表面張力等のインク特性を調整するために、界面活性剤を添加することができる。このために添加することのできる界面活性剤は特に限定されるものではなく、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、これらの中では、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、これらの具体例として、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩などを挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、等を挙げることができ、これらの中では、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが好ましい。
その他の界面活性剤として、ポリシロキサンオキシエチレン付加物のようなシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルのようなフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸、ラムノリピド、リゾレシチンのようなバイオサーファクタント等も使用することができる。
これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、又2種類以上を混合して用いることもできる。
また、界面活性剤の溶解安定性等を考慮すると、そのHLBは、7〜20の範囲であることが好ましい。
界面活性剤を添加する場合は、その添加量はインクの全質量に対し、0.001〜1質量%の範囲が好ましく、0.001〜0.5質量%であることがより好ましく、0.01〜0.2質量%の範囲であることがさらに好ましい。界面活性剤の添加量が0.001質量%未満の場合は、界面活性剤添加の効果が得られにくい傾向にあり、1質量%を超えて用いると、画像が滲むなどの問題を生じやすくなる。
(iV) 必要に応じて防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、可塑剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。
以下に、実施例を用いて、本発明をさらに詳細に説明する。
以下の合成例、実施例、比較例において、「部」及び「%」は「質量部」及び
「質量%」を示す。
<合成例1>
撹拌装置、滴下装置、還流装置を有する反応容器にメチルエチルケトン100部を仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した。反応容器内を窒素雰囲気に保ちながら加温し、メチルエチルケトン還流状態とした後、滴下装置からスチレン74部、アクリル酸11部、メタクリル酸15部及び重合触媒 (和光純薬工業社製/「V−59」)8部の混合液を2時間かけて滴下した。なお滴下の途中より、反応系の温度を80℃に保った。
滴下終了後、同温度でさらに25時間反応を続けた。なお、反応の途中において、原料の消費状況を確認しながら、適宜、重合触媒を追加した。反応終了後、放冷しメチルエチルケトンを加えて固形分濃度50%のアニオン性基を有するスチレン-アクリル酸共重合体(A−1)の溶液を得た。このスチレン−アクリル酸共重合体(A−1)は酸価185mgKOH/g、重量平均分子量10,200であった。
なお、本発明における重量平均分子量は、GPC(ゲル・浸透・クロマトグラフィー)法で測定される値であり、標準物質として使用するポリスチレンの分子量に換算した値である。なお測定は以下の装置及び条件により実施した。
送液ポンプ:LC−9A
システムコントローラー:SLC−6B
オートインジェクター:S1L−6B
検出器:RID−6A
以上島津製作所社製
データ処理ソフト:Sic480IIデータステーション(システムインスツルメンツ社製)。
カラム:GL−R400(ガードカラム)+GL−R440+GL−R450+GL−R400M(日立化成工業社製)
溶出溶媒:THF
溶出流量:2ml/min
カラム温度:35℃
合成例1の製造方法に準じ、モノマー種類とモノマー配合量、反応条件を調整して以下のスチレンアクリル酸共重合体を合成した。
<合成例2>
モノマー組成比においてスチレン/アクリル酸/メタクリル酸=77/10/13(質量比)であり、重量平均分子量12000、酸価152mgKOH/gであるスチレン−アクリル酸共重合体(A−2)を合成した。
<合成例3>
モノマー組成比においてスチレン/メタクリル酸メチル/アクリル酸/メタクリル酸=50/27/10/13(質量比)であり、重量平均分子量12000、酸価151mgKOH/gであるスチレン−アクリル酸共重合体(A−3)を合成した。
<合成例4>
モノマー組成比においてスチレン/アクリル酸/メタクリル酸=77/10/13(質量比)であり、重量平均分子量4900、酸価152mgKOH/gであるスチレン−アクリル酸共重合体(A−4)を合成した。
<合成例5>
モノマー組成比においてスチレン/アクリル酸/メタクリル酸=77/10/13(質量比)であり、重量平均分子量45000、酸価152mgKOH/gであるスチレン−アクリル酸共重合体(A−5)を合成した。
<調製例1>
塩酸濃度0.5重量%に調整した塩酸水溶液1000部中に、ピグメントグリーン36の顔料平均一次粒子径50nmであるウエットケーキ100部(顔料固形分40重量%固形分中のマグネシウムを130ppm、珪素を80ppm、鉄を100ppm含む。)を分散させ、70℃、1時間攪拌を行った後、濾過した。その後、温湯1000部を濾過したケーキ上に注ぎ込み、顔料表面中に存在する無機イオンを洗い落とした。その後、ウエットケーキを取り出し、90℃から100℃の乾燥機で24時間乾燥させて、マグネシウムを43ppm、珪素を40ppm、鉄を28ppmに低減したピグメントグリーン36(B−1)を得た。尚、金属の定量分析は以下の方法によった。
マイクロウェーブ試料前処理装置:Milestone General製 MLS-1200MEGA
ICP分析装置:Perkin Elmer製 Optima 3300DV
サンプル約0.2gを精秤し、上記マイクロウェーブ試料前処理装置で分解処理(分解試薬として精密分析用硝酸2mLを添加、)を行った。次いで 得られた分解液に超純水を加え、濾過した後のろ液25mlをメスフラスコで定容する。 この溶液を上記ICP分析装置で測定し、金属を定量した。結果を表2に一覧する。
<調製例2>
塩酸濃度2重量%に調整した塩酸水溶液1000部中に、ピグメントグリーン36の顔料平均一次粒子径50nmであるウエットケーキ100部(顔料固形分40重量%、固形分中のマグネシウムを130ppm、珪素を80ppm、鉄を100ppm含む。)を分散させ、70℃、1時間攪拌を行った後、濾過した。その後、温湯1000部を濾過したケーキ上に注ぎ込み、顔料表面中に存在する無機イオンを洗い落とした。その後、ウエットケーキを取り出し、90℃から100℃の乾燥機で24時間乾燥させて、マグネシウムを44ppm、珪素を30ppm、鉄を19ppmに低減したピグメントグリーン36(B−2)を得た。
<調製例3>
イオン交換水1000部中に調製例1で使用した同じウエットケーキ100部を分散させ、70℃、1時間攪拌を行った後、濾過した。その後、温湯1000部を濾過したケーキ上に注ぎ込み、顔料表面中に存在する無機イオンを洗い落すことを試みた。その後、ウエットケーキを取り出し、90℃から100℃の乾燥機で24時間乾燥させて、マグネシウムを120ppm、珪素を80ppm、鉄を100ppm含むピグメントグリーン36(B−3)を得た。
<実施例1>
合成例1で得られたスチレン−アクリル酸共重合体(A−1) 140部
調製例1で得られたピグメントグリーン36(B−1) 700部
8Nの水酸化カリウム水溶液 76部
ジエチレングリコール 155部
上記組成の混合物を作製し、60℃に保温された、50L容量のプラネタリーミキサー(井上製作所製PLM-V-50V)に投入し、自転回転数59rpm、公転回転数22rpmで混練を開始した。5分後に混合物が纏まり、そのまま240分間混練を続けた。240分経過後、レッドダウン操作として、水1000部添加し、顔料濃度が35.3質量%の均一な混合物を得た。
得られた混合物をステンレスドラムに移送し、イオン交換水1211部、ジエチレングリコール368部を加え、攪拌モーターで均一に混合したものを、ビーズミル(浅田鉄工(株)製ナノミルNM-G-2L)に通じ、20℃の温度、50秒の滞留時間で分散し分散物を得た。
次いで、この分散体を、連続式遠心分離機(国産遠心機(株)製 H-600S、2L容量)に通じ、27℃の温度、18900Gの遠心力、12分間の滞留時間で、連続的に遠心分離行い、15.1%の顔料濃度を有する水性顔料分散液を得た。
<実施例2>
実施例1において、調製例1で得たピグメントグリーン36(B−1)700部に代えて調製例2で得たピグメントグリーン36(B−2)700部を用いた以外は同様にして15.2%の顔料濃度を有する水星分散液を得た。
<実施例3>
合成例2で得られたスチレン−アクリル酸共重合体(A−2) 136部
調製例1 で得ピグメントグリーン36(B−1) 680部
8Nの水酸化カリウム水溶液 61部
ジエチレングリコール 158部
上記組成の混合物を作製し、60℃に保温された、50L容量のプラネタリーミキサー(井上製作所製PLM-V-50V)に投入し、自転回転数59rpm、公転回転数22rpmで混練を開始した。8分後に、混合物が纏まり、そのまま240分間混練を続けた240分経過後、レッドダウン操作として、水1000部添加し、顔料濃度が33.4質量%の均一な混合物を得た。
得られた混合物をステンレスドラムに移送し、イオン交換水1008部及びジエチレングリコール323部を加え、攪拌モーターで均一に混合したものを、ビーズミル(浅田鉄工(株)製ナノミルNM-G-2L)に通じ、15℃の温度、2.5分の滞留時間で分散し分散物を得た。
次いで、この分散体を、連続式遠心分離機(国産遠心機(株)製 H-600S、2L容量)に通じ、19℃の温度、18900Gの遠心力、12分間の滞留時間で、連続的に遠心分離行い、15.0%の顔料濃度を有する水性顔料分散液を得た。
<比較例1>
実施例1において、調製例1で得た顔料(B−1)に代えて、これと同量の調製例3で得た顔料(B−3)を用いる以外は同様にして、15.0%の顔料濃度を有する水性顔料分散液を得た。
<比較例2>
実施例2において、スチレン−アクリル酸共重合体(A−2)136部に代えて、合成例3で得られたスチレン−アクリル酸共重合体(A−5)136部を用いる以外は同様にして、15.2%の顔料濃度を有する水性顔料分散液を得た。
<比較例3>
実施例2において、スチレン−アクリル酸共重合体(A−2)136部に代えて、合成例4で得られたスチレン−アクリル酸共重合体(A−6)136部を用いる以外は同様にして、14.5%の顔料濃度を有する水性顔料分散液を得た。
<比較例4>
実施例2において、スチレン−アクリル酸共重合体(A−2)136部に代えて、合成例5で得られたスチレン−アクリル酸共重合体(A−7)136部を用いる以外は同様にして、14.4%の顔料濃度を有する水性顔料分散液を得た。
以上の実施例、比較例の水性顔料分散液の構成を表1に記す。
Figure 0004984126
Figure 0004984126
上述の実施例と比較例で得られた水性顔料分散液に対して、下記の評価項目によって評価を行い、得られた結果を表3に示す。
<粒径評価(分散性評価)>
各実施例、比較例で得られた水性顔料分散液を、イオン交換水で約1000倍に希釈し、「マイクロトラックUPA150」(リージ・アンド・ノースラップ(Leeds & Northrup)社製)を用い、室温にて測定した体積平均粒径を水性分散体の粒径として求めた。
<インクジェット記録用インクの保存安定性>
各実施例、比較例で得られた水性顔料分散液を用いて、以下の配合によりインクジェット記録用インクを調製した。
水性顔料分散液 5.34部
2-ピロリジノン 1.60部
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 1.60部
サーフィノール440 (日信化学工業(株)) 0.10部
グリセリン 0.60部
イオン交換水 10.77部
こうして調整されたインクの粒径を、イオン交換水で200倍に希釈し、「マイクロトラックUPA150」(リージ・アンド・ノースラップ(Leeds & Northrup)社製)を用い、室温にて測定した体積平均粒径を初期粒径として求めた。
次いで、インクをガラス瓶中で、60℃、35日間加熱した後、同様の粒径測定を行
加熱後粒径を求めた 粒径変化率を以下の様に定義した。
粒径変化率(%)= (加熱後粒径―初期粒径)/初期粒径 x100
また、本試験では目視にてインク中に発生する凝集体の有無を確認したが、いずれの実施例、比較例であっても凝集体の発生は確認できなかった。
<インクジェット記録用インクの吐出特性>
上記のインクをインクジェットプリンターEM−930C (EPSON社製)のブラックカートリッジ位置に搭載し、インクジェット記録適性の評価、すなわち、A0サイズ用紙の80%面積範囲に100%画像濃度の連続印字を行い、印字前後のインク吐出特性を評価した。吐出性の評価は、
良:吐出不良が観察されず、良好な画像が形成された。
不良:連続印字後、インク吐出方向異常または印字濃度むらが認められた。
<光沢>
上記のインクを、インクジェットプリンターEM−930C (EPSON社製)のブラックカートリッジ位置に搭載し、記録媒体としてPICTORICO PHOTO GALLERY GLOSSY PAPER (オリンパス社製)を用いて、40〜100%画像濃度の記録(5%きざみで)を行い、得られた画像の光沢を「micro-TRI-gloss」(BYK-Gardner社製)を用いて、20°の角度のグロス値として測定し、当該範囲でのグロスの最高値を光沢とした。
Figure 0004984126
表3に示す結果から実施例で作製した姿勢顔料分散液は細かな体積平均粒径を有し、初機分散性が良好であることがわかる。またこれらの水性顔料分散液からこれを主成分として作製されたインクジェット記録用インクは、加熱時においても良好な保存安定性を有し、吐出性、画像形成時の光沢も良好であることがわかる。これに対して鉄の含有量が40ppm以上であるC.I.ピグメントグリーン36を用いた比較例1は、水性顔料分散液の初期の体積平均粒径がやや大きくなり、インクの保存安定性、光沢ともに低下する。スチレン系モノマーの構成比の小さいスチレン−アクリル酸系共重合体を使用した比較例2、分子量が6000以下のスチレン−アクリル酸共重合体を用いた比較例3については、顔料分散が実施例で作製した水性顔料分散液ほど良好に進んでおらず、水性顔料分散液中の顔料粒径が大きくなるため光沢が低下する。また顔料の樹脂による被覆が不十分なため、作製したインクの保存安定性も実施例のインクに比べ低下する。分子量が40000以上のスチレン−アクリル酸系共重合体を用いた比較例4については、吐出性が不良のため形成した画像の光沢低下が著しく、インクの保存安定性も実施例より低下している。

Claims (7)

  1. (a)ピグメントグリーン36、(b)スチレン−アクリル酸共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、及び(d)湿潤剤を含有する水性顔料分散液であって、前記(a)ピグメントグリーン36中の鉄の含有量は40ppm以下であり、かつ前記(b)スチレン−アクリル酸共重合体は、120〜240mgKOH/gの酸価、6000〜40000の重量平均分子量、及び全モノマー成分に対して60質量%以上のスチレン系モノマー単位を含有することを特徴とする水性顔料分散液。
  2. 前記(a)ピグメントグリーン36中のマグネシウムの含有量が70ppm以下であり、かつ珪素の含有量が50ppm以下である請求項1に記載の水性顔料分散液。
  3. (a)ピグメントグリーン36、(b)スチレン−アクリル酸共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、(d)湿潤剤及び水性媒体を混合し、分散する分散工程を有する水性顔料分散液の製造方法であって、前記(b)スチレン−アクリル酸共重合体は120〜240mgKOH/gの酸価、6000〜40000の重量平均分子量、及び全モノマー成分に対して60質量%以上のスチレン系モノマー単位を含有し、かつ(a)ピグメントグリーン36は酸洗浄工程を経たものであることを特徴とする水性顔料分散液の製造方法。
  4. 前記分散工程の前に(a)ピグメントグリーン36、(b)スチレン−アクリル酸共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、及び(d)湿潤剤を含有する混合物を混練して着色混練物を作製する混練工程を有し、前記分散工程においては前記着色混練物を水性媒体中に分散する請求項3に記載の水性顔料分散液の製造方法。
  5. 前記酸洗浄工程において塩酸を用いる請求項3または4に記載の水性顔料分散液の製造方法。
  6. 請求項1または2のいずれかに記載の水性顔料分散液を主成分として含有するインクジェット記録用インク組成物。
  7. 請求項3〜5のいずれか1項に記載された水性顔料分散液の製造方法によって製造された水性顔料分散液を、主成分として含有するインクジェット記録用インク組成物。
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