JP5002973B2 - 水性顔料分散液及びインクジェット記録用インク組成物 - Google Patents

水性顔料分散液及びインクジェット記録用インク組成物 Download PDF

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Description

本発明は、赤橙色顔料を用いた水性顔料分散液及び該顔料分散液を用いたインクジェット記録用インク組成物に関する。
水性インクは、油性インクのような火災の危険性や変異原性などの毒性を低減できるため、産業用途以外のインクジェット記録用途の主流となっている。
係る水性インクとしては、安定性が高く、ノズル目詰まりが少なく良好な発色性を有し高画質の印刷を可能とすることから、着色剤として染料が用いられてきたが、染料は、画像の耐水性、耐光性に劣るという問題があった。
この問題を解決するため、染料から顔料への着色剤の転換が活発に図られている。顔料インクは優れた耐水性、耐光性が期待できるが、顔料の凝集・沈降に伴うノズル目詰まりが問題となる。そこで、微粒子化した顔料を高分子系の分散剤を用いて水性媒体中に分散させる方法が検討されている。
これら着色剤に顔料を使用したインクを用いて、多色印刷を行うためには、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクすべてについて、発色性のみならず、良好な分散性、吐出性、保存安定性が満たされねばならい。そこで、それぞれの色に応じて最適な顔料の選定、及びそれぞれの顔料を良好に、かつ安定して分散しうる高分子分散剤の選択、およびそれらを用いた上でさらに水性顔料分散液の製造方法が詳細に検討されている。しかし各色に対応する顔料の種類の多さに加え、用いるべき最適の分散方法の詳細は顔料毎に異なっていて、必ずしも、全ての色について最適なインクジェット記録用インクが得られているわけではない。
近年、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクに加え、レッド、オレンジ、グリーン、バイオレットなどの色調を有するインクを用いて、印刷画像の色再現性を向上させる試みが行われており、さらに多くの色について分散安定性を満たし、かつ良好な発色性、光沢を有するインクジェット記録用顔料インクが求められている。
オレンジ、グリーン、バイオレットの3色は、好適な発色域の顔料を用いることによって、既述の基本的な4色と組み合わせることで、極めて色域の拡大された色再現性のよい画像の形成が可能である。
しかし理想的な発色域を有しつつ、上記のインクジェット適性を有する顔料を選定し、かつ良好な分散性、吐出性、保存安定性を併有するインクジェット記録用インクを実現することは容易ではない。
例えば赤橙(オレンジ)色は、光の三原色の一つR(レッド)に用いられるため、カラーフィルター用ペースト製造用の顔料として、ピグメントレッド166、168、177、224、254、ピグメントオレンジ36、43など多くの顔料が例示されている(特許文献1参照)。
これら赤橙色顔料は、その用途の大部分がカラーフィルター用印刷インクであるため、インクジェット記録用としての使用が想定されていないことが多く、低粘度の水性顔料分散液としたときの、良好な分散性、吐出性を実現するための検討はほとんどなされていなかったが、最近になってカラーフィルターをインクジェット記録法で形成する試みが行われるようになり、上記顔料を用いたカラーフィルター形成用のインクをインクジェット記録法に適用することが一部行われている。
しかし温度制御された工場内で、ほぼ連続的に行われる専用機を用いたカラーフィルターの印刷に比べ、広い温度範囲において不定期な随時の印刷要求に応じ、ほとんどメンテナンスフリーで印刷する必要のある、汎用のインクジェットプリンター機を用いた通常の印刷においては、インクジェット記録用インクに対してより高い分散安定性、長期保存安定性が求められる。
上記赤橙色顔料はカラーフィルター用としての使用実績があるため、インクジェット記録用インクについても同様に使用可能な顔料として、公知文献中に例示されることが多い。しかし通常のインクジェット記録に用いられる基本4色とは異なって、赤橙色の顔料を用いたインクジェット記録用インクのための検討は未だ極めて小数しかなされていない。このため、赤橙色のインクジェット記録用インクは、基本4色と同等の十分な吐出性、分散性、保存安定性が得られることが期待されているにもかかわらず、実際は必ずしも十分な特性を示すものが得られていない。
さらにまた近年、印刷画像の発色の長期安定性に対する要求が高まっており、また産業用として被印刷物が野外で使用される機会の増加に伴って、インクジェット記録用顔料インクに対しては、優れた耐光性も併せて要求されるようになった。またサーマルジェット記録用のインクとしての使用が想定される場合には、さらに高温における保存安定性も必須と考えられ、インクに対する要求はより厳しいものとなっている。
そのような条件を満たすためには、組み合わせるべき高分子分散剤や、さらには該分散剤を用いたときの最適な配合、該配合を用いた製造方法についての詳細な検討が必要である。しかし、そのような赤橙色顔料を用いた高性能のインクジェット記録用インクの検討はほとんど成されてきていない。
特にピグメントレッド168は、固く解砕が困難であり、また臭素を含んでいて高比重であるため液中で沈降し易く、インクジェット記録用インクのような低粘度インクにおける分散を維持することが極めて困難であった。また顔料粒子が針状の形状を有するため顔料の方向を揃えて凝集が起こりやすいため、良好な分散のためには顔料表面への高分子分散剤の吸着を行って立体障害による分散安定化を行うことが極めて重要である。さらに、高光沢の実現の為には、顔料粒径を小さくする必要があるが、ピグメントレッド168の様な針状形状を有する顔料は自ずと長手方向の粒径減少には限度があり、良好な分散が実現出来ないと光沢が著しく低下するおそれもある。
このように赤橙色顔料の中でも特にピグメントレッド168に対しては、インクジェット用インクの作製について上記のような困難が想定され、良好な分散性付与のためにはより多くの検討の必要性が予想されたため、インクジェット記録用インクとしての検討がほとんどなされていない。
例えば、顔料中のリンの濃度を規定して、コゲーションの起こりにくいインクジェット記録用インク組成物を得る例としてピグメントレッド168を用いた製造例が開示されている(特許文献2参照)。しかし本文献の目的は多くの顔料についての共通の課題であるコゲーションの防止であって、顔料中のリン濃度のみが重要とされており、ピグメントレッド168の顔料における最適な分散剤の選定については検討されていない。さらに分散性、保存安定性、耐光性等、インクジェット記録用インクに用いられる顔料が満たすべき他の重要な特性についても何ら言及されていない。
一方、顔料と組み合わせるべき高分子分散剤としては、別途種々の検討がなされてきた。しかしそれら多くの高分子分散剤の中で、ピグメントレッド168を初めとする、赤橙色を示す顔料に対して、どのような樹脂組成が分散剤として特に適しているかの選択の指針は特に示されていない。例えばインクジェット記録用インクに用いられる高分子分散剤に言及した文献の一つとして、50〜90質量%のスチレン系モノマー単位とアクリル酸モノマー単位またはメタクリル酸モノマー単位とを有し、かつ酸価50〜300のスチレン−アクリル系樹脂、顔料、湿潤剤及び塩基性化合物を混練し、着色混練物を作製する工程を有するインクジェットインク用水性顔料分散液の製造方法が開示されている(特許文献4参照)。しかし、上記公報中には、特に好適に組み合わせられる使用顔料の規定がなく、公知の多くの赤橙色の顔料の中でどの顔料を用いれば、優れた特性の赤橙色のインクジェット記録用インクが得られるかについては全く開示されていない。そもそもピグメントレッド168等の赤橙色顔料を用いて、実際にインクジェット記録用水性顔料分散液を作製している例が極めて少なく、特にピグメントレッド168に限っては、上記特許文献2の他は、カラーフィルターの作製方法に関する文献の中で、カラーフィルター形成用の専用インクとして、特許文献3を初めとする数件中(特許文献5〜8)に記載あるのみである。該文献中には高分子分散剤の選定等の水性顔料分散液の最適配合については検討されておらず、従って、これら文献を参照したとしても、優れた耐光性、発色性を有するピグメントレッド168を用いて、汎用のインクジェットプリンターで、優れた分散性、吐出性、良好な長期保存安定性を有する水性顔料分散液を作製することはできなかった。
特開平10−115709号公報 特開2001−158864号公報(実施例3) 特開2001−108819号公報 特開2005−048014号公報 特開平8−271715号公報 特開平8−005831号公報 特開2004−090596号公報 特開2004−302086号公報
本願発明の目的は、優れた長期保存安定性、高光沢、印刷画像の耐光性、及び良好な吐出性を同時に実現し、インクジェット記録法の色域拡大、色再現性の向上を可能とする、赤橙色のインクジェット記録用インク組成物、およびその製造に用いられる水性顔料分散液を提供することである。
さらにまた本願発明の目的は上記特性を有するインクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法を提供することである。
本出願人は、前述のような状況に鑑み、鋭意検討した結果、特定の構造の赤橙色顔料と、特定の構成を有するスチレン−アクリル酸共重合体とを主成分とする水性顔料分散液が上述の課題を達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、(a)赤橙色顔料、(b)スチレン−アクリル酸共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、(d)湿潤剤を含有する水性顔料分散液であって、前記(a)赤橙色顔料はピグメントレッド168であり、前記(b)スチレンーアクリル酸共重合体は60質量%以上のスチレン系モノマー単位と、130〜200の酸価、及び6000〜40000の重量平均分子量を有することを特徴とする水性顔料分散液を提供するものである。
本発明の水性顔料分散液は、耐光性と発色性の良好なピグメントレッド168を用いており、しかも特定の組成と特性を有するスチレン−アクリル酸共重合体を分散剤として用いているため、初期分散粒径が極めて細かく、分散安定性に優れていてノズル目詰まりを発生せず吐出性に優れている。さらに高温保存時の保存安定性に優れている。
さらに本発明は前記水性顔料分散液を主成分として含有するインクジェット記録用インク組成物を提供する。
本願発明のインクジェット記録用インク組成物は、吐出性が良好で、優れた保存安定性を有すると共に、他の色のインクジェット記録用インク組成物と組み合わせられてインクセットを構成し、色再現性の良い画像を形成することができる。
さらにまた本発明は、(a)赤橙色顔料、(b)スチレン−アクリル酸共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、(d)湿潤剤、および(f)水を含有する混合物を分散する工程を有する水性顔料分散液の製造方法であって、前記(a)赤橙色顔料はピグメントレッド168であり、前記(b)スチレン−アクリル酸共重合体は60質量%以上のスチレン系モノマー単位と、130〜200の酸価、及び6000〜40000の重量平均分子量を有することを特徴とする水性顔料分散液の製造方法を提供する。
本願発明の水性顔料分散液は上記特定のモノマー組成と酸価、及び分子量を有するスチレン−アクリル酸共重合体とピグメントレッド168の組み合わせにより、優れた、分散性を有し、また該水性顔料分散液を主成分として含有するインクジェット記録用インクは優れた保存安定性を有すると共に、該インクで形成された画像は良好な光沢と耐光性を発現する。また他の色のインクジェット記録用インクと併用されて、色再現性に優れた多色の印刷画像を形成することができる。
本発明で用いられる(a)顔料は、C.I.ピグメントレッド168である。その化学式は
下記、式(1)で表されるアンタントロン系顔料であり、4,10,ジブロモアンタントロンとの化合物名称を有する。
Figure 0005002973
(1)
C.I.ピグメントレッド168の粒径は、特に限定されないが、電子顕微鏡観察により得られるその平均粒径が200nm以下であることが好ましい。粒径が200nmを超えると、これを含むインクの吐出性が低下する傾向がある。高比重の顔料であるピグメントレッド168は、液中で沈降し易く、安定した分散が困難であり、また通常は針状の形状を有しており良好な分散のためには顔料表面へ樹脂の吸着を行って立体障害による分散安定化を行うことが重要となる。
本発明において用いられる(b)スチレン−アクリル酸共重合体は、その構成モノマーとして少なくともスチレンと、アクリル酸及びメタクリル酸のうちの一種以上を含み、好ましくはスチレン、アクリル酸、メタクリル酸を全て含む。該共重合体は構成モノマー組成比において、スチレンモノマーが60質量%以上であり、好ましくは90質量%以下である。特に、スチレンモノマー単位とアクリル酸モノマー単位とメタクリル酸モノマー単位の和が95質量%以上であることが好ましい。本発明のスチレン−アクリル酸共重合体は、60質量%以上もの高濃度のスチレンモノマー単位を含むため、疎水性の顔料表面に良好に吸着し、該顔料の分散性を良好に保持することができる。前記吸着は強固であり、特にピグメントレッド168に対しては極めて強固に吸着し、他顔料に適用した場合と比較して、高温ではるかに長期間保存した後も安定した分散性が維持される。
一方でスチレンモノマー単位が60質量%未満であると、(a)顔料への(b)スチレンアクリル酸共重合体の親和性が不充分となり、分散安定性が低下する傾向があり、又得られるインクジェット記録用インク組成物を用いた普通紙記録特性が劣化し、画像記録濃度が低下する傾向があり、耐水特性も低下しやすい。スチレンモノマー単位が90質量%より多いと、(b)スチレンーアクリル酸共重合体の水性媒体に対する溶解性が低下し、水性顔料分散液における顔料の分散性や分散安定性が低下する傾向にあり、インクジェット記録用インクに適用した場合の印字安定性が低下しやすい。
本発明の水性顔料分酸液に使用する(b)スチレン−アクリル酸共重合体の酸価は130〜200である。酸価が130より小さいと親水性が小さくなり、顔料の分散安定性が低下する傾向がある。一方酸価が200より大きいと顔料の凝集が発生し易くなり、またインク組成物を用いた印字物の耐水性が低下する傾向がある。酸価の値としては145〜195が好ましく、155から190の範囲であることがさらに好ましい。
(b)スチレン−アクリル酸共重合体はその構成モノマーとして、アクリル酸とメタクリル酸を併用すると、樹脂合成時のランダム共重合性が向上して、樹脂の溶解性を向上させる効果があり好ましい。
(b)スチレン−アクリル酸共重合体には、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸以外のこれらのモノマーと重合可能なモノマー単位が5質量%未満含まれていても良い。このようなモノマーの例としては、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-メチルブチル(メタ)アクリレート、2-エチルブチル(メタ)アクリレート、3-メチルブチル(メタ)アクリレート、1,3-ジメチルブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;2-エトキシエチルアクリレート、3-エトキシプロピルアクリレート、2-エトキシブチルアクリレート、3-エトキシブチルアクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチル-α-(ヒドロキシメチル)アクリレート、メチル-α-(ヒドロキシメチル)アクリレートのような(メタ)アクリル酸エステル誘導体;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸アリールエステル類及び(メタ)アクリル酸アラルキルエステル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ビスフェノールAのような多価アルコール、多価フェノールのモノ(メタ)アクリル酸エステル類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルのようなマレイン酸ジアルキルエステル等を挙げることができる。これらのモノマーはその1種又は2種以上をモノマー単位として添加することができる。
本発明において用いられる(b)スチレンーアクリル酸共重合体の重量平均分子量は6,000〜40,000の範囲である。重量平均分子量は7,500〜30,000の範囲内にあることが好ましく、7,500〜12,000の範囲内にあることがより好ましい。重量平均分子量が6,000未満であると、(a)顔料の初期の分散小粒径化は容易であるが、分散液の長期保存安定性が悪くなる傾向にあり、顔料の凝集などによる沈降が発生する場合がある。
(b)スチレンーアクリル酸共重合体の重量平均分子量が40,000を超えると、これを用いた水性顔料分散液から調製したインクジェット記録用インクの粘度が高くなって、インクの吐出安定性が損なわれる傾向にある。
本発明において用いられる(b)スチレンーアクリル酸共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体の何れであっても良い。グラフト共重合体としてはポリスチレンあるいはスチレンと共重合可能な非イオン性モノマーとスチレンとの共重合体が幹又は枝となり、アクリル酸、メタクリル酸とスチレンを含む他のモノマーとの共重合体を枝又は幹とするグラフト共重合体をその一例として示すことができる。(b)スチレンーアクリル酸共重合体は、上述の共重合体とランダム共重合体の混合物であってもよい。
本発明の水性顔料分散液において、(a)顔料100質量部に対する、(b)スチレンーアクリル酸共重合体の含有量は10〜50質量部であることが好ましく、20〜40質量部であることがより好ましい。(b)スチレンーアクリル酸共重合体の含有量が10質量部未満であると、水性顔料分散液の分散安定性が低下するとともに水性顔料分散液を用いてインクジェット記録用インクにしたとき、耐摩擦性が低下する傾向にあり、50質量部を超えた場合は、インクジェット記録用インクの粘度が高くなる傾向が認められる。
本発明において用いられる(c)アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を例示でき、特に水酸化カリウムが好ましい。また、(c)アルカリ金属水酸化物の添加量は、(b)スチレン−アクリル酸共重合体の酸価に基づき、中和率として80〜120%となる範囲であることが好ましい。
中和率を80%以上と設定することが、水性媒体中の分散速度の向上、分散安定性。保存安定性の点から好ましい。また長期保存時におけるゲル化を防ぐ点においても、インク組成物によって作製した印字物の耐水性の点でも120%以下とすることが好ましい。
なお本発明において、中和率とはアルカリ金属水酸化物の配合量がスチレン−アクリル酸共重合体中の全カルボキシル基を中和するのに必要な量に対して何%(何倍)であるかを示す数値であって、以下の式で計算される。
Figure 0005002973
本発明において用いられる(d)湿潤剤としては公知慣用のものが使用でき、例えばグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-へキサンジオール、1,2,6-へキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール類、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、ε-カプロラクタム等のラクタム類、1,3-ジメチルイミダゾリジン等が挙げられる。
本発明の水性顔料分散液における(d)湿潤剤の含有量は、3〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。3質量%未満では、乾燥防止効果が不充分となる傾向にあり、50質量%を超えると、分散液の分散安定性が低下する傾向にある。
本願発明で用いられる(e)分散助剤としては、トリエタノールアミンが好ましい。トリエタノールアミンは、(b)スチレン−アクリル酸共重合体のカルボキシル基に結合するとともに、ピグメントレッド168に対する(b)スチレン−アクリル酸共重合体の吸着を良好にする。このためピグメントレッド168は、より強固に(b)スチレン−アクリル酸共重合体によって被覆される。トリエタノールアミンは、アルカリ金属水酸化物と同様に、(b)スチレン−アクリル共重合体のカルボキシル基に結合してこれを中和するが、最終的にインク組成物中に遊離して含有されることとなっても、インクの吐出性、保存安定性等に与える影響が極めて小さいため分散助剤として特に好ましい。
トリエタノールアミンの添加量としては、ピグメントレッド168に対して1〜10質量%が好ましく、3〜7質量%がさらに好ましい。
本発明の水性顔料分散液を調製する方法としては、(a)赤橙色顔料、(b)スチレン−アクリル酸共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、(d)湿潤剤、および(f)水を含有する混合物に対して、分散処理を施す工程を有する水性顔料分散液の製造方法であって、前記(a)赤橙色顔料はピグメントレッド168であり、前記(b)スチレン−アクリ酸共重合体は60質量%以上のスチレンモノマー単位と、130〜200の酸価、及び6000〜40000の重量平均分子量を有することを特徴とする水性顔料分散液の製造方法である。
より具体的には下記の方法を採用することができる。
(1)(b)スチレン−アクリル酸共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、(d)湿潤剤及び水からなる水性媒体に、(a)顔料を添加した後、攪拌・分散装置を用いて(a)顔料を該水性媒体中に分散させることにより、水性顔料分散液を調製する方法。
(2)(a)顔料、(b)スチレン−アクリル酸共重合体、及び必要に応じて有機溶剤を2本ロール、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミル等の混練機を用いて混練し、得られた混練物を水と(c)アルカリ金属水酸化物、(d)湿潤剤を含む水性媒体中に添加し、攪拌・分散装置を用いて水性顔料分散液を調製する方法。なお必要に応じて混練時には(c)アルカリ金属水酸化物、および(d)湿潤剤が添加される。
上記水性顔料分散液の製造方法の中では、インクジェット記録用インクを作製したときの分散性、特に高温保存安定性の点で(2)がより好ましく、中でも(a)赤橙色顔料、(b)スチレンーアクリル酸共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、及び(d)湿潤剤を含有する混合物を混練して固形の着色混練物を製造する混練工程と、前記固形の着色混練物を水性媒体中へ分散させる分散工程を有し、前記(a)赤橙色顔料はピグメントレッド168であり、前記(b)スチレン−アクリル酸共重合体は60質量%以上のスチレン系モノマー単位と、130〜200の酸価、及び6000〜40000の重量平均分子量を有することを特徴とする水性顔料分散液の製造方法が好ましい。
本願発明で使用するスチレン−アクリル酸共重合体は、ピグメントレッド168の表面に特に強固に吸着しやすいため、混練方法を用いない上記(1)の製造方法においても分散性の良好な水性顔料分散液を製造することができ、該水性顔料分散液を用いて高温における長期保存安定性の極めて優れたインクジェット記録用インクを作製することが出来る。
しかし、より少ない樹脂で効率的に、かつより強固に顔料表面を被覆するためには、スチレン−アクリル酸共重合体、ピグメントレッド168、及びアルカリ金属水酸化物を含有する混合物を混練して着色混練物を作製する混練工程と、該着色混練物を水性媒体中へ分散させる分散工程を有する製造方法を用いることが好ましい。このような製造方法を用いて水性顔料分散液を製造することにより、該水性顔料分散液を主成分として含有するインクジェット記録用インク組成物の保存安定性が、高温においてより一層向上するとともに、該インク組成物中に、顔料から遊離して分散もしくは溶解するスチレン−アクリル酸共重合体が減少する。このためノズル内壁への前記共重合体の沈着に起因する、インク目詰まりによる吐出不良が発生し難い。
なお、本発明の水性顔料分散液には、トリエタノールアミンが含有されることが好ましく、水性顔料分散液の製造方法としては、その分散、拡販時における混合物中に、トリエタノールアミンが含有されるようにすることが好ましいが、混練工程を有する水性顔料分散液の製造方法にあっては、混練工程における混合物にトリエタノールアミンが含有されるようにして混練工程を行い、着色混練物を作製し、しかるのち該着色混練物を水性媒体中に分散させるようにして製造することが好ましい。
以下に、特に好ましい混練工程を有する製造方法について各工程毎に説明を行う。
(a)混練工程
本発明における混練工程においては、ピグメントレッド168、60質量%以上のスチレンモノマー単位と、130〜200の酸価、及び6,000〜40,000の重量平均分子量を有するスチレン−アクリル酸共重合体、及びアルカリ金属水酸化物、さらに必要に応じて湿潤剤を含有する混合物を混練する。
本混錬工程において、スチレン−アクリル酸共重合体は、該共重合体中のカルボキシル基がアルカリ金属水酸化物によって中和されることにより分散性が増し、また該共重合体が湿潤剤により膨潤して表面が軟化し、ピグメントレッド168とともにひとかたまりの混合物を形成する。該混合物は常温では固形であるが50〜90℃の混錬温度では極めて強い粘調性を有するため、混錬時に該混合物に大きな剪断力を加えることができ、ピグメントレッド168は微粒子へと解砕され、さらに該微粒子表面がスチレン−アクリル酸共重合体によって被覆される。
前記混練工程では、アルカリ金属水酸化物と湿潤剤の添加によってスチレン−アクリル酸共重合体が膨潤状態となるため、該共重合体をガラス転移点よりはるかに低温において軟化させることができる。混練温度(Mt)は高剪断力下における混練が可能となるよう前記スチレン−アクリル酸共重合体の温度特性に応じて適宜調整することができるが、混練温度(Mt)と該共重合体のガラス転移点(Tg)とが以下の式を満たす温度範囲で混練することが好ましい。
Tg−50≦Mt≦Tg
このような関係式を満たす混練温度で混練する事により、混練中に該共重合体の溶融によって混練粘度が減少して剪断力が低下し混練が不十分となることがない。また低温における混練であるため液体成分の揮散が少なく、混練終了後の着色混練物の固形分比が上昇しにくい。さらに(Tg)との差が50℃以下の混練温度(Mt)で混練することにより、混練の初期段階で樹脂と顔料が一体化し以後の混練工程が極めて効率的に進行する。このように低温の混練工程を経て製造された混練終了後の混練物は液体分を多く含み、次段の分散工程においては、混練工程で微細化され、カプセル化されたピグメントレッド168の水性媒体中への分散が非常に容易に行われる。このため一度該顔料に吸着しこれを被覆した前記共重合体が以降の工程で脱離しにくく、かつ吸着した前記共重合体が前記水性媒体中に分散された前記ピグメントレッド168の凝集を防ぎ、分散安定性を向上させる。
本願発明の水性顔料分散液の製造方法においては、分散助剤としてトリエタノールアミンを併用することが分散安定性の向上の点で好ましく、特に混練工程において混合物に添加して用いることが好ましい。
本発明の水性顔料分散液の製造方法における混練工程においては、湿潤剤を併用すると、アルカリ金属水酸化物と湿潤剤の存在下でスチレン系樹脂が膨潤状態となって軟化するため、該樹脂を溶解させるための溶解性の高い溶剤を添加する必要がなく、混練後に該溶剤を留去する工程が不要のため生産効率が高い。
このように、樹脂のガラス転移温度以下の温度で効率的な混練を行うことが可能となる。このため、溶融しにくいために混練が困難とされてきた、高Tgのスチレン−アクリル酸共重合体を用いて水性顔料分散液の製造が出来るようになる。このような製造方法を用いることにより高いガラス転移点を有するスチレン−アクリル酸共重合体を、低温度で混練し水性媒体に分散させることができ、サーマルジェット方式のインクジェット記録に用いられるインクジェット記録用水性インクの製造に適用して、熱安定性の良い水性顔料分散液を容易に製造することができる。
本発明の混練工程においては、二本ロール、三本ロールのようなロール練肉機を用いることも出来る。
しかし混練中の固形分比を一定値以内におさめ、安定した剪断力が終始着色混練物に加わるようにするためには、湿潤剤等の揮散を抑えることができる閉鎖系又は閉鎖系となりうる混練機が好ましく、撹拌槽と、撹拌槽の蓋、一軸あるいは多軸の撹拌羽根を備えた混練機を用いると好ましい。撹拌羽根の数は特に限定しないが、高い混練作用を得るためには二つ以上の撹拌羽根を有するものが好ましい。
この様な構成の混練機を用いると、混練工程を経て水性顔料分散液用の着色混練物を製造した後、該混練物を取り出さずに同一撹拌槽中で直接希釈し、そのまま攪拌して初期の分散を施したり、分散を進行させて水性顔料分散液を製造したりすることが可能である。
この様な装置としてはヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー等が例示され、特にプラネタリーミキサーが好適である。プラネタリーミキサーとはプラネタリー型混練装置のことであり、遊星運動を行う撹拌羽根を有する混練装置の総称である。(以下プラネタリーミキサーとの呼称を用いる。)本発明の製造方法においては、顔料と樹脂を含有する固形分濃度の高い着色混練物の混練を行うため、混練物の混練状態に依存して粘度が広い範囲で変化するが、プラネタリーミキサーは特に低粘度から高粘度まで広範囲に対応することができ、混練開始から混練後の希釈を含む分散工程への移行段階を同一機種内で連続的に実施することができる。更に湿潤剤の追加も容易で減圧蒸留も可能であり混練時の粘度及び剪断力の調整が容易である。
このように混錬工程から連続的に希釈を行うことによって、顔料表面をカプセル状に被覆したスチレン−アクリル酸共重合体中のアニオン性の親水性基を、カプセル状態を保ちつつ徐々に周囲の水性媒体の方向に配向させていくことが可能であり、水性媒体に対する濡れ性が良好で且つ安定な被覆状態を実現できる。
本発明の製造方法において、スチレン−アクリル酸共重合体の膨潤状態を保ちつつ、ピグメントレッド168との混練を高粘度下で効率的に行うには、混練中のスチレン−アクリル酸共重合体とピグメントレッド168を含有する混合物の固形分比率が、50〜80質量%であることが好ましく、60〜75質量%の範囲であることが更に好ましい。固形分比率が50質量%未満では混合物の粘度が低下するため、混練が十分に行われなくなりやすく、顔料の解砕が不十分となる傾向がある。一方、固形分比率を50〜80質量%の範囲に維持することによって、混練中の着色混練物の粘度を適度に高く保ち、混練機から着色混練物にかかるシェアを大きくして、着色混練物中の顔料の粉砕と、該顔料の樹脂による被覆を同時に進行させることができる。但し固形分比率が80質量%を超えると、たとえ加温して樹脂を十分に軟化させたとしても混練が困難になりやすく、分散工程で水性媒体中に該着色混練物を分散させにくくなる可能性がある。
なお混練工程においては必要に応じて湿潤剤の他に適宜水を加えて混練を行なってもよい。
本発明の製造方法における混練工程において固形のインクジェットインク用着色混練物を製造するときは、該着色混練物における、ピグメントレッド168の合計100質量部に対するスチレン−アクリル酸系共重合体の使用量は10〜50質量部であることが好ましく、20〜40質量部であることがさらに好ましい。スチレン−アクリル酸共重合体の使用量が10質量部未満であると、インクジェットインク用水性顔料分散液の分散安定性が低下するとともに、インクジェット記録用インク組成物を調製した時、耐摩擦性が低下する傾向にある。一方、50質量部を超えた場合にはインクジェット記録用インク組成物の粘度が高くなりすぎる傾向がある。混練工程において使用されるアルカリ金属水酸化物は、アルカリ金属水酸化物の水溶液、又は有機溶剤溶液として添加する。この場合、アルカリ金属水酸化物の水溶液又は有機溶剤溶液の濃度は、20質量%〜50質量%であることが好ましい。また、アルカリ金属水酸化物を溶解する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、等のアルコール系溶剤を用いることが好ましい。中で
も、本発明の製造方法では、アルカリ金属水酸化物の水溶液を用いることが好ましい。
また、該アルカリ金属水酸化物はスチレン−アクリル酸共重合体が有する全カルボキシル基を中和するために必要な量の0.8〜1.2倍に相当する量であることが好ましい。
混練工程における湿潤剤の添加量は、ピグメントレッド168の100質量部に対して、40〜80質量部の範囲内が好ましい。湿潤剤の量が80質量部より多いと、固形分濃度が低下するため十分な剪断力を負荷することができなくなる傾向がある。また40質量部より少ないと、固形物同士を融合して混練に適した混合物とすることが困難となりやすく、やはり十分な剪断力を負荷することができにくくなる傾向がある。この結果ピグメントレッド168を十分に粉砕し且つスチレン−アクリル酸共重合体をその表面に吸着させにくくなり、均一なインクジェットインク用着色混練物が得られなくなる傾向がある。
さらに湿潤剤は、使用する樹脂によっても異なるが、通常は仕込みの混合物中に10〜50質量%配合することが好ましく、20〜40質量%配合することがさらに好ましい。その添加量は、使用する湿潤剤によっても異なるが、樹脂量の1/2〜5倍程度が好ましく、樹脂量の2〜4.5倍程度がさらに好ましい。湿潤剤の量が樹脂量の1/2未満では樹脂を混練に適した状態へと膨潤状態とし、軟化させることができず、顔料の分散安定性が低下するおそれがある。また5倍を超えると混練時の混合物粘度が低下し、十分な混練が行えないため、顔料の分散性が低下し、インクジェット記録用水性インクを製造したときに、吐出不良等の画質低下を生じさせるおそれがある。
混練工程で作製された着色混練物には、水、または水及び湿潤剤を添加して、次工程である分散工程に適した粘度の液体混合物とすることが好ましい。該液体混合物を作製するときには、凝集粒子が発生しないように、着色混練物に水または水及び湿潤剤を添加しつつ撹拌を行って、徐々に粘度低下を行うことが好ましく、撹拌槽と撹拌羽根を有する混練機を用いることによって、混練工程終了後の撹拌槽内の着色混練物をそのまま稀釈することが出来好ましい。
(b)分散工程
混練工程を終了した水性顔料分散液用の着色混練物は、常温で固体状の混練物である。分散工程においては、このインクジェットインク用着色混練物を水性媒体中に希釈後、分散処理を行ってインクジェットインク用水性顔料分散液を製造する。分散処理を行うことによって、インクジェットインク用水性顔料分散液中の粗大分散粒子が更に粉砕され、より分散粒子の粒径が微細化されることによって、インクジェット記録用インク組成物の吐出安定性、印字濃度等のインクジェット特性が改善される。なお、本願の製造方法においては、分散工程のインクジェットインク用着色混練物中のピグメントレッド168は、混練工程において既に解砕されており、分散剤であるスチレン−アクリル酸共重合体によって被覆されているので、水に対する分散性が良好となっている。このためピグメントレッド168は水性媒体中に短時間で容易に分散し製造効率が向上する。
本願発明の水性顔料分散液の製造方法においては分散安定性向上のために、分散助剤としてトリエタノールアミンを併用してもよい。
インクジェット記録用水性顔料分散液に占める、ピグメントレッド168の量は5〜25質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。ピグメントレッド168の量が5質量%より少ない場合は、インクジェットインク用水性顔料分散液から調製したインクジェット記録用インク組成物の着色が不十分であり、十分な画像濃度が得られない傾向にある。また、逆に25質量%よりも多い場合は、インクジェットインク用水性顔料分散液において顔料の分散安定性が低下する傾向がある。
本発明において、水性媒体とは、水、又は水と湿潤剤とを主成分とするものである。ここで用いる湿潤剤としては、第1の工程における混練時に使用したものと同様のものを用いることができる。
分散工程に用いる分散機は、公知のものを用いることができ、例えば、メディアを用いたものではペイントシェーカー、ボールミル、ナノミル、アトライター、バスケットミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、スパイクミル、アジテーターミル等が挙げられる。またメディアを用いないものとしては、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ナノマイザー、デゾルバー、ディスパー、高速インペラー分散機等が挙げられ、これらのうちの一つを単独で用いてもよく、2種類以上の装置を組み合わせて用いてもよい。これらの中でもメディアを用いた分散機は分散能力が高いため好ましい。なお分散後に必要に応じて水性媒体で濃度調整を行ってもよい。
なお、用いる分散機の種類によっては、分散機で分散(本分散)を行う前に、必要に応じて混練工程終了後の着色混練物に水性媒体を添加し、混合、希釈して、該分散機で処理するのに適した粘度に予め調整すると好ましい(以下、この粘度調整されたものを粘度調整物と呼ぶ場合がある)。この粘度調整は混練工程で撹拌槽と撹拌羽根を有する混練装置を用いた場合には該撹拌槽中で着色混練物の取り出し前に行うことができる。
例えばサンドミルを用いる時には、固形分濃度で10〜40質量%となる様に希釈し数十〜数百mPa・secの粘度に調整した後にサンドミルに移送して分散を行うと好ましい。
着色混練物を希釈する際の水性媒体はインクジェットインク用水性顔料分散液の乾燥防止、及び分散処理実施時の粘度調整の必要性から湿潤剤を含んでいてもよく、その量はインクジェットインク用着色混練物中の湿潤剤と合わせて、インクジェットインク用水性顔料分散液中に3〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。3質量%未満では、乾燥防止効果が不十分となる傾向にあり、50質量%を超えると分散液の分散安定性が低下する傾向にある。インクジェットインク用着色混練物の製造時に用いられる湿潤剤と、これを希釈する際に用いられる水性媒体中に使用される湿潤剤は、同一でもよく、異なっていてもよい。
上記(1)または(2)の方法で製造された水性顔料分散液に対しては、遠心分離を行って、水性顔料分散液中に存在する粗大粒子を除去する操作を行っても良い。
分散工程を終了して分散液調整後に遠心分離を行うことにより、分散が不十分であった粗大粒子の除去を行うことが出来る。遠心分離の条件としては、例えば10,000Gで3分間以上の遠心分離を行う方法を用いることができる。かかる粗大粒子の除去工程により、除去工程後の水性顔料分散液中の顔料の沈降が相当程度抑制され、特にこの除去工程を繰り返すと、本発明の実施例に示す通りその効果は一層顕著なものとなる。
特にピグメントレッド168は顔料が固く、通常の混練機、分散機では他の顔料に比して解砕に極めて多くの時間を要する。このため粗大粒子が完全に消失するまで混練機、分散機の運転を継続するよりは、適宜、遠心分離装置による粗大粒子の除去作業と組み合わせて分散工程を行う方が、製造効率の点からも、また長時間の運転による顔料微粉の発生を抑制する点からも好ましい、
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、前記水性顔料分散液を用いて、常法により調製することができる。
本発明の水性顔料分散液を用いてインクジェット記録用インク組成物を調製する場合、改善目的や調整に応じた下記の(i)〜(iv)の処理や添加剤の使用ができる。
(i)インクの乾燥防止を目的として、先に例示した(d)湿潤剤を同様に添加することができる。乾燥防止を目的とする(d)湿潤剤のインク中の含有量は3〜50質量%であることが好ましい。
(ii)被記録媒体への浸透性改良や記録媒体上でのドット径調整を目的として浸透剤を添加することができる。
浸透剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、エチレングリコールヘキシルエーテルやジエチレングリコールブチルエーテル等のアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物やプロピレングリコールプロピルエーテル等のアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
インク中の浸透剤の含有量は0.01〜10質量%であることが好ましい。
(iii)表面張力等のインク特性を調整するために、界面活性剤を添加することができる。このために添加することのできる界面活性剤は特に限定されるものではなく、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、これらの中では、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、これらの具体例として、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩などを挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、等を挙げることができ、これらの中では、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが好ましい。
その他の界面活性剤として、ポリシロキサンオキシエチレン付加物のようなシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルのようなフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸、ラムノリピド、リゾレシチンのようなバイオサーファクタント等も使用することができる。
これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、又2種類以上を混合して用いることもできる。
また、界面活性剤の溶解安定性等を考慮すると、そのHLBは、7〜20の範囲であることが好ましい。
界面活性剤を添加する場合は、その添加量はインクの全質量に対し、0.001〜1質量%の範囲が好ましく、0.001〜0.5質量%であることがより好ましく、0.01〜0.2質量%の範囲であることがさらに好ましい。界面活性剤の添加量が0.001質量%未満の場合は、界面活性剤添加の効果が得られにくい傾向にあり、1質量%を超えて用いると、画像が滲むなどの問題を生じやすくなる。
(iV)必要に応じて防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、可塑剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。
本発明の水性顔料分散液に占める、(a)顔料の量は5〜25質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。(a)顔料の量が5質量%より少ない場合は、本発明の水性顔料分散液から調製したインクジェット記録用インクの着色が不充分であり、充分な画像濃度が得られない傾向にある。また、逆に25質量%よりも多い場合は、水性顔料分散液において顔料の分散安定性が低下する傾向がある。
本発明の水性顔料分散液から調製するインクジェット記録用インク組成物に占める、(a)顔料の量は、充分な画像濃度を得る必要性と、インク中での顔料の分散安定性を確保するために、2〜10質量%であることが好ましい。
以下に、実施例を用いて、本発明をさらに詳しく説明する。
以下の合成例、実施例、比較例において、「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」を示す。
<合成例1>
撹拌装置、滴下装置、還流装置を有する反応容器にメチルエチルケトン100部を仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した。反応容器内を窒素雰囲気に保ちながら加温し、メチルエチルケトン還流状態とした後、滴下装置からスチレン77部、アクリル酸10部、メタクリル酸13部及び重合触媒 (和光純薬工業社製/「V−59」)8部の混合液を2時間かけて滴下した。なお滴下の途中より、反応系の温度を80℃に保った。
滴下終了後、同温度でさらに25時間反応を続けた。なお、反応の途中において、原料の消費状況を確認しながら、適宜、重合触媒を追加した。反応終了後、放冷しメチルエチルケトンを加えて固形分濃度50%のアニオン性基を有するスチレン-アクリル酸共重合体(A−1)の溶液を得た。このスチレン−アクリル酸共重合体(A−1)は酸価140mgKOH/g、ガラス転移点107℃(計算値)、重量平均分子量7,600であった。
なお、本発明における重量平均分子量は、GPC(ゲル・浸透・クロマトグラフィー)法で測定される値であり、標準物質として使用するポリスチレンの分子量に換算した値である。なお測定は以下の装置及び条件により実施した。
送液ポンプ:LC−9A
システムコントローラー:SLC−6B
オートインジェクター:S1L−6B
検出器:RID−6A
以上島津製作所社製
データ処理ソフト:Sic480IIデータステーション(システムインスツルメンツ社製)。
カラム:GL−R400(ガードカラム)+GL−R440+GL−R450+GL−R400M(日立化成工業社製)
溶出溶媒:THF
溶出流量:2ml/min
カラム温度:35℃
合成例1の製造方法に準じ、モノマー種類とモノマー配合量、反応条件を調整して以下のスチレンアクリル酸共重合体を合成した。
<合成例2>
モノマー組成比においてスチレン/アクリル酸/メタクリル酸=77/10/13(質量比)であり、重量平均分子量20000、酸価151mgKOH/g、ガラス転移点107℃であるスチレン−アクリル酸共重合体(A−2)を合成した。
<合成例3>
モノマー組成比においてスチレン/アクリル酸/メタクリル酸=74/11/15(質量比)であり、重量平均分子量8200、酸価183mgKOH/g、ガラス転移温度110℃であるスチレン−アクリル酸共重合体(A−3)を合成した。
<合成例4>
モノマー組成比においてスチレン/アクリル酸/メタクリル酸=77/10/13(質量比)であり、重量平均分子量5000、酸価150mgKOH/g、ガラス転移点107℃であるスチレン−アクリル酸共重合体(A−4)を合成した。
<合成例5>
モノマー組成比においてスチレン/アクリル酸/メタクリル酸=77/10/13(質量比)であり、重量平均分子量45000、酸価152mgKOH/g、ガラス転移点107℃であるスチレン−アクリル酸共重合体(A−5)を合成した。
<合成例6>
モノマー組成比においてスチレン/メタクリル酸メチル/アクリル酸/メタクリル酸=50/27/10/13(質量比)であり、重量平均分子量12000、酸価149mgKOH/g、ガラス転移点106℃であるスチレン−アクリル酸共重合体(A−6)を合成した。
<合成例7>
モノマー組成比においてスチレン/アクリル酸/メタクリル酸=83/7/10(質量比)であり、重量平均分子量8300、酸価120mgKOH/g、ガラス転移温度105℃であるスチレン−アクリル酸共重合体(A−7)を合成した。
<合成例8>
モノマー組成比においてスチレン/アクリル酸/メタクリル酸=69/13/18(質量比)であり、重量平均分子量8600、酸価219mgKOH/g、ガラス転移温度111℃であるスチレン−アクリル酸共重合体(A−8)を合成した。
<実施例1>
〈水性顔料分散液の調製〉
合成例1で得られたスチレン−アクリル酸共重合体(A−1)を固形分濃度として50質量%含むメチルエチルケトン溶液100gを攪拌しながら、この溶液に市販の1規定KOH水溶液125mlとイオン交換水75mlとの混合液を添加し、スチレン−アクリル酸共重合体(A−1)を中和した。減圧下でメチルエチルケトンを留去した後、イオン交換水を加えて固形分濃度20%の、スチレン−アクリル酸共重合体(A−1)を含む水溶液(B−1)を得た。
次に、容量250mlの容器に下記の組成の仕込みを行った後、ペイントコンディショナーを用い、4時間かけて分散処理を行った。分散処理終了後、更にイオン交換水11.5部を加えた後、ジルコニアビーズを濾別し、顔料濃度14.5%の水性顔料分散液を得た。
スチレン−アクリル酸共重合体水溶液 (B−1) 15部
C.I.ピグメントレッド168 (商品名 Hostaperm Scarlet GO transp.「クラリアント(株)製」) 10 部
ジエチレングリコール 20 部
イオン交換水 20 部
ジルコニアビーズ (1.25mm径) 400 部
<実施例2>
実施例1のスチレン−アクリル酸共重合体(A−1)にかえて、スチレン−アクリル酸共重合体(A−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、水性顔料分散液を得た。
<実施例3>
実施例1において得た顔料分散液を、さらに(株)コクサン製H−600S型遠心分離機(ローター番号=I)を用いて、12,800Gで10分間、遠心分離を行って、顔料濃度が12.7%の水性顔料分散液を得た。
<実施例4>
実施例2において、顔料分散液を、(さらに(株)コクサン製H−600S型遠心分離機(ローター番号=I)を用いて、12,800Gで10分間、遠心分離を行って、顔料濃度が11.6%の水性顔料分散液を得た。
<実施例5>
実施例3において、トリエタノールアミン0.5重量部を加えた以外は、同様にして、水性顔料分散液を得た。
<実施例6>
実施例3において、トリエタノールアミン1.0重量部を加えた以外は、同様にして、水性顔料分散液を得た。
<実施例7>
実施例3のスチレン−アクリル酸共重合体(A−1)にかえて、スチレン−アクリル酸共重合体(A−3)を用いた以外は実施例3と同様にして水性顔料分散液を得た。
<比較例1〜3>
実施例1のスチレン−アクリル酸共重合体(A−1)にかえて、スチレン−アクリル酸共重合体(A−4〜A−6)を用いた以外は実施例1と同様にして、水性顔料分散液を得た。
<比較例4、5>
実施例1のスチレン−アクリル酸共重合体(A−1)にかえて、スチレン−アクリル酸共重合体(A−7,A−8)を用いた以外は実施例1と同様にして、水性顔料分散液を得た。
<比較例6>
実施例1のC.I.ピグメントレッド168にかえて、C.I.ピグメントオレンジ16 (商品名 Symler Fast Orange V「大日本インキ化学工業(株)製」) を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、顔料濃度14.4%の水性顔料分散液を得た。
<比較例7>
実施例1のC.I.ピグメントレッド168にかえて、C.I.ピグメントレッド166 (商品名 Cromophtal Scarlet RI「チバスペシャリティケミカルズ(株)製」) を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、顔料濃度14.7%の水性顔料分散液を得た。
<比較例8>
実施例1のC.I.ピグメントレッド168にかえて、C.I.ピグメントレッド177 (商品名 Cromophtal Red A2B「チバスペシャリティケミカルズ(株)製」) を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、顔料濃度14.5%の水性顔料分散液を得た。
<比較例9>
実施例1のC.I.ピグメントレッド168にかえて、C.I.ピグメントオレンジ38 (商品名 Novoperm Red HFG「クラリアント(株)製」) を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、顔料濃度14.4%の水性顔料分散液を得た。
<比較例10>
実施例1のC.I.ピグメントレッド168にかえて、C.I.ピグメントオレンジ43 (商品名 Hostaperm Orange GR「クラリアント(株)製」) を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、顔料濃度14.9%の水性顔料分散液を得た。
<比較例11>
実施例1のC.I.ピグメントレッド168にかえて、C.I.ピグメントレッド242 (商品名 Hostaperm Scarlet 4RF「クラリアント(株)製」) を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、顔料濃度15.0%の水性顔料分散液を得た。
以上実施例、比較例の水性顔料分散液の構成を表1に示した。
Figure 0005002973
上記実施例1〜7、比較例1〜11で作製した水性顔料分散液に対して、下記の評価項目によって評価を行った。
<粗大粒子の定量>
各実施例、比較例で得られた水性顔料分散液を、イオン交換水で100倍に希釈し。サイジングシステムズ製のアキュサイザー780APS粒度分析装置に通じ、1μm以上の粗粒の濃度を求めた。尚、該濃度は希釈前の水性顔料分散液を基準とする。結果を表2に示す。
<分散性評価>
各実施例、比較例で得られた水性顔料分散液の粒径及び粘度を測定した。なお、粒径は「マイクロトラックUPA150」(リージ・アンド・ノースラップ(Leeds & Northrup)社製)を用い、体積平均粒径を水性分散体の粒径として測定した。粘度はE型粘度計(TVE−20L、トキメック社製)を用いて25℃にて測定した。結果を表2に示す。
<インクジェット記録用インク適性の評価(1)(吐出性)>
各実施例、比較例で得られた水性顔料分散液を用いて、以下の配合によりインクジェット記録用インクを調製した。
水性顔料分散液 5.52部
2-ピロリジノン 1.60部
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 1.60部
サーフィノール440 (日信化学工業(株)) 0.10部
グリセリン 0.60部
イオン交換水 10.58部
調製したインクを孔径5μmのメンブランフィルターを用いて濾過した後、インクジェットプリンター「ノバ・ジェット (NOVA・Jet) PRO36」(ENCAD社製)に搭載し、インクジェット記録適性の評価、すなわち、A0サイズ用紙の80%面積範囲に100%画像濃度の連続印字を行い、印字前後のインク吐出特性を評価した。結果を表2に示す。

吐出性の評価基準:
○:吐出不良が観察されなかった。
△:連続印字後、インク吐出方向異常が認められたが、印字濃度むらは認められなかった。
×:連続印字後、印字濃度むらが認められ、極端な印字濃度低下が観察された。
<インクジェット記録用インク適性の評価(2)(耐光性・光沢)>
インクジェット記録用インキ適性の評価(1)で調製したインクを、インクジェットプリンターEM−930C (EPSON社製)のブラックカートリッジ位置に搭載し、記録媒体としてPremiun Glossy Photo Paper (EPSON社製)を用いて、100%画像濃度の記録を行い、得られた画像の彩度を「SpetroScan」(Gretag Macbeth社製)で測定した。また、95%の画像濃度の記録を行い、各々得られた画像の光沢を「micro-TRI-gloss」(BYK-Gardner社製)を用いて、20°の角度で測定した。光沢の値は画像濃度95%のときの値である。
また、上記画像の耐光性を、キセノンアークランプで765W/mの光を48時間照射前後の画像劣化を、前記のスペクトルスキャンを用いて得たΔE値により求めた。
耐光性の評価基準:
:ΔEが4以下であり、良好であった。
△ :ΔEが4以上7未満であった。
× :ΔEが4以上7以上であった。
結果を表2に示す。
<安定性評価>
インクジェット記録用インキ適性の評価(1)で調製したインクを、70℃の温度条件下で4週間静置し、静置前後の粒径、粘度と静置後の凝集物の発生状態を調べ静置前後の粒径、粘度の変化率、凝集物の発生の有無を安定性の指標として評価した。粒径、粘度の測定は分散性評価において用いたと同じ装置、方法を用いた。結果を以下の表2に示す。
Figure 0005002973
表2の実施例1〜7より明らかなように、本発明の水性顔料分散液は、ピグメントレッド168と、全モノマー成分に対して60質量%以上のスチレン系モノマー単位と、130〜200の酸価、及び6000〜40000の重量平均分子量を有するスチレン−アクリル酸共重合体を組み合わせることにより、分散性、保存安定性に優れた水性顔料分散液を与える。ペイントシェーカーによる分散で解砕しきれなかった粗大粒子は、実施例3、4のようにさらに遠心分離工程を行うことによって、大幅に低減することができ、光沢を上昇させることができる。さらに分散時にトリエタノールアミンを添加することにより、実施例5、6のように分散体の体積平均粒経を低減し、光沢値がさらに上昇していることがわかる。また実施例7のように酸価を180付近に調整することにより、トリエタノールアミンを添加しなくても、添加したのと同等以上の効果をあげることができることがわかる。
これに対してスチレン−アクリル酸共重合体の重量平均分子量が6000未満の比較例1は分散体の粒経は低減されるが、保存安定性がやや低下し、また吐出性が低下するために95%画像濃度の記録を行ったときの光沢が低下する。さらにスチレン−アクリル酸共重合体の重量平均分子量が40000を超えている比較例2においては、粗大粒子の個数及び分散体の体積平均粒経が増加し、保存安定性も悪化して特に粘度の上昇が著しい。またスチレン−アクリル酸系共重合体におけるスチレン系モノマー単位が60質量%に満たない比較例3は分散後の体積平均粒経が増加し、保存安定性も低下するが、特に吐出性が大きく低下する。さらにスチレン−アクリル酸共重合体の酸価が130〜200の適正範囲をはずれた比較例4,5は、粗大粒子が激増し加熱後の粒径変化率、粘度変化率も極めて悪化する。その結果光沢が低下し、さらに良好な吐出性を得ることができないことがわかる。
またピグメントレッド168以外のオレンジ色顔料を用いた比較例6〜比較例11においては、分散後の体積平均粒経、保存安定性、光沢、吐出性等を総合的に考慮して、ピグメントレッド168より劣っている。特に保存安定性の点で実施例に大きく及ばない。比較例6のピグメントレッド16は、唯一優れた保存安定性、吐出性、分散後の小さな体積平均粒経を有しているが、耐光性が悪く、インクジェット記録用インク組成物とするには問題がある。
このようにピグメントレッド168と、前記特定のスチレン−アクリル産共重合体を組み合わせてなる水性顔料分散液を主成分とするインクジェット記録用インクは、長期保存安定性に加え、高光沢で耐光性に優れ、吐出性が良好でインクジェット記録に好適である。これに対して、ピグメントオレンジ16を用いたインクジェット記録用インクは、保存安定性、光沢は良好であるが耐光性が劣っており、その他のオレンジ色顔料を用いたインクジェット記録用インクは分散後の体積平均粒経では良好のものもあるが、保存安定性、光沢ともにピグメントレッド168を用いた実施例に及ばないことがわかる。
以下に、混練工程を有する水性顔料分散液の製造方法について、実施例を記載する。
<実施例8>
〈水性顔料分散体の調製〉
スチレン−アクリル酸共重合体(A-3) 150部
ピグメントレッド168 600部
(クラリアント製、Hostaperm Scarlet GO transp)
8Nの水酸化カリウム水溶液 80.3部
ジエチレングリコール 150部
上記配合の混合物を作製し、60℃に保温された、50L容量のプラネタリーミキサー(井上製作所製PLM-V-50V)に投入し、自転回転数59rpm、公転回転数22rpmで混練を開始した。30分後に、混合物が纏まり、棒状となりそのまま240分間混練を続けた。混練中、4回に分けて計40部のジエチレングリコールを添加した。混練中240分間の消費電流値は5〜12アンペアで攪拌翼の回転周期に応じて増減を繰り返した。これは混合物が極めて高粘度の半固形であるために、容器内部に均一に分布せず、攪拌翼が、混合物を周期的にせん断する毎に大きな力がこれに加わることによる。
240分経過後、レッドダウン操作として、水1200部添加し、顔料濃度が28.2質量%の均一な混合物を得た。
得られた混合物をステンレスドラムに移送し、
イオン交換水 738部
ジエチレングリコール 240部
を加え、攪拌モーターで均一に混合したものを、ビーズミル(浅田鉄工(株)製ナノミルNM-G-2L)に通じ、25℃の温度、2.5分の滞留時間で分散し分散物を得た。
次いで、この分散体を、連続式遠心分離機(国産遠心機(株)製 H-600S、2L容量)に通じ、35℃の温度、18900Gの遠心力、10分間の滞留時間で、連続的に遠心分離行い、14.7%の顔料濃度を有する水性顔料分散体を得た。
<実施例9>
実施例8において、プラネタリーミキサーに投入する混合物を
スチレン−アクリル酸共重合体(A-3) 150部
ピグメントレッド168 600部
(クラリアント製、Hostaperm Scarlet GO transp)
8Nの水酸化カリウム水溶液 80.3部
ジエチレングリコール 120部
トリエタノールアミン 18部
とした。また、混練中に添加したジエチレングリコールを5部とした以外は、実施例8と同様にして、16.9%の顔料濃度を有する水性顔料分散体を得た。
以上の混練工程を有する製造方法によって製造された水性顔料分散液の構成を表3に示す。
Figure 0005002973
このように混練工程を有する製造方法によって得られた実施例8、実施例9の水性顔料分散体について、実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例11で得られた水性顔料分散液に対して行ったと同じ方法で、粗大粒子の定量し、さらに分散体粒径及び分散体粘度を測定して分散性の評価を行った。
さらに実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例11で行ったと同様にインクジェット記録用インクを調整し、該インクの加熱前後の粒径変化及び粘度変化を測定し保存安定性を評価した。さらに該インクを実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例11で行ったと同様のインクジェットプリンターによって印刷し、吐出性、耐光性を評価した。結果を表4に示す。
Figure 0005002973
表4から明らかなように、混練工程を経て製造された実施例8、実施例9の水性顔料分散液、及び該分散液を主成分として含有するインクジェット記録用インクは、実施例1〜実施例7の水性顔料分散液、インクジェット記録用インクに比較して、同等以上の特性を有することがわかる。特に粗大粒子の少なさ、保存安定性の点で優れている。ここで実施理1〜実施例7においてはスチレン−アクリル酸共重合体/顔料が30/100であるが、実施例8、実施例9においては25/100であって、より少ないスチレン−アクリル酸共重合体量で安定した水性顔料分散液を作製できていることがわかる。このことはすなわち、混練工程によって膨潤した該共重合体がピグメントレッド168の表面に押しつけられ、効率的な顔料表面に被覆が可能となったからに他ならない。
このようにより少ないスチレン−アクリル酸共重合体量で安定したピグメントレッド168の分散が可能であると、水性顔料分散液中やインクジェット記録用インク中に熔解しているスチレン−アクリル酸共重合体の量をより低減することができるため、さらに良好な高温保存安定性を得ることが出来るようになる。

Claims (10)

  1. (a)赤橙色顔料、(b)スチレン−アクリル酸共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、及び(d)湿潤剤を含有する水性顔料分散液であって、前記(a)赤橙色顔料はピグメントレッド168であり、前記(b)スチレン−アクリル酸共重合体は60質量%以上のスチレン系モノマー単位と、130〜200の酸価、及び6000〜40000の重量平均分子量を有することを特徴とする水性顔料分散液。
  2. さらに(e)分散助剤を含有し、前記分散助剤はトリエタノールアミンである請求項1に記載の水性顔料分散液。
  3. 前記(c)アルカリ金属水酸化物の配合量が(b)スチレン−アクリル酸共重合体に対して、80〜120%の中和率に該当する量である請求項1に記載の水性顔料分散液。
  4. 前記(e)分散助剤の配合量がピグメントレッド168に対して、1〜10質量%である請求項2に記載の水性顔料分散液。
  5. 前記(b)スチレン−アクリル酸共重合体は、スチレン系モノマー単位とアクリル酸モノマー単位とメタクリル酸モノマー単位の和が95質量%以上である請求項1に記載の水性顔料分散液。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の水性顔料分散液を主成分として含有するインクジェット記録用インク組成物。
  7. (a)赤橙色顔料、(b)スチレン−アクリル酸共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、(d)湿潤剤、および(f)水を含有する混合物を分散する工程を有する水性顔料分散液の製造方法であって、前記(a)赤橙色顔料はピグメントレッド168であり、前記(b)スチレン−アクリル酸共重合体は60質量%以上のスチレン系モノマー単位と、130〜200の酸価、及び6000〜40000の重量平均分子量を有することを特徴とする水性顔料分散液の製造方法。
  8. 前記混合物を分散する工程において、該混合物がさらに(e)分散助剤を含有し、前記分散助剤はトリエタノールアミンである請求項7に記載の水性顔料分散液の製造方法。
  9. (a)赤橙色顔料、(b)スチレン−アクリル酸系共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、及び(d)湿潤剤を含有する混合物を混練して固形の着色混練物を製造する混練工程と、前記固形の着色混練物を水性媒体中へ分散させる分散工程を有する請求項7または8に記載の水性顔料分散液の製造方法。
  10. 前記混練工程における混合物がさらに(e)分散助剤を含有し、前記分散助剤はトリエタノールアミンである請求項9に記載の水性顔料分散液の製造方法。
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