JPWO2020105441A1 - 水性顔料分散体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明が解決しようとする課題は、経時的な粗大粒子の発生を防止でき、かつ、顔料等の経時的な沈降の発生を防止可能な分散安定性を備え、かつ、優れた吐出安定性を備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体の製造方法を提供することである。本発明は、バイオレット顔料、グリーン顔料及びオレンジ顔料からなる群より選ばれる1種以上を含む顔料と樹脂とを含有する不揮発分50質量%以上の組成物を所定の条件で混練し、遠心分離処理することを特徴とする水性顔料分散体の製造方法に関するものである。

Description

本発明は、例えばインクの製造に使用可能な水性顔料分散体の製造方法に関するものである。
インクジェット印刷法は、様々な印刷物の製造場面で採用されている。インクジェット印刷法は、通常、吐出ノズルからインクを吐出させ、紙や布帛等の被記録媒体の表面に着弾させることによって印刷物を製造する方法である。そのため、インクには、経時的に吐出ノズルの目詰まりを引き起こしにくく、また、経時的にインクの吐出体積及び方向が変化しない吐出安定性が求められている。
前記インクジェット印刷用インクは、一般に、予め顔料が水性媒体に分散された水性顔料分散体に、必要に応じてバインダー樹脂や水溶性溶剤や水性媒体等を供給し混合することによって製造される。そのため、前記インクに良好な吐出安定性を付与するためには、前記吐出ノズルの目詰まりの原因となりうる粗大粒子の発生を低減でき、また、顔料等の経時的な沈降を防止可能な水性顔料分散体を使用することが重要である。
前記粗大粒子の発生を低減でき、顔料等の経時的な沈降を防止可能な水性顔料分散体としては、例えば少なくともアニオン性基を有する樹脂、顔料、及び塩基性化合物を含む混合物を閉鎖系の混練装置で混練し、固体もしくは半固体状の混練物を用いた水性顔料分散液が知られている(例えば特許文献1参照。)。
しかし、高精細な印刷物の製造に使用可能な、微細化されかつ高密度化されたインク吐出ノズルは、インク中の極僅かな粗大粒子や沈殿物の影響によって目詰まりやインクの吐出異常を発生させやすく、その結果、印刷物にスジ等を発生させる場合があった。
とりわけ、一般にラインヘッドによるシングルパス方式でのインクジェット印刷法では、いわゆるマルチパス方式(スキャン方式)でのインクジェット印刷法と比較して、吐出ノズルの目詰まり等に起因した画像品質の低下を引き起こしやすい場合があった。
以上のとおり、高精細な印刷物の製造に使用可能な微細化されたインク吐出ノズルの目詰まり等の原因となるインク中の粗大粒子や沈降物の経時的な発生を効果的に抑制できることが産業界から求められているものの、従来技術ではその要求性能にあと一歩及ばない場合があった。
ところで、前記水性顔料分散体で使用される顔料としては、いわゆる基本色といわれるイエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色のほかに、バイオレット色やオレンジ色やグリーン色が知られている。
前記バイオレット顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット23が知られているが、かかる顔料は基本色で使用される顔料と比較して、スチレン−アクリル酸系顔料分散樹脂をはじめとする顔料分散剤を脱離させやすいという特徴を有する。そのため、前記C.I.ピグメントバイオレット23を含有する従来のインクを約1週間程度放置した後、インクジェット印刷装置を用い吐出しようとしても、吐出方向の異常が生じたり、吐出ノズルの詰まり等を引き起こす場合があった。
また、前記オレンジ顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ43が知られているが、かかる顔料は基本色で使用される顔料と比較して疎水性であるため、水性媒体中に安定して分散させることできず、経時的に沈降物を形成する場合があった。
また、前記グリーン顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン36が知られているが、かかる顔料は、他の顔料と比較して比重が大きいため、水性媒体中に安定して分散させることできず、経時的に沈降物を形成する場合があった。また、C.I.ピグメントグリーン36はインクを比較的高粘度化しやすいため、かかるインクをインクジェット記録法で使用した場合に、吐出方向の異常が生じる場合があった。
以上のように、インクやその製造に使用される水性顔料分散体の分散性や保存安定性は、顔料の種類と分散樹脂との相互作用に起因する場合が多い。よって、基本色の顔料分散体で使用した顔料分散樹脂を、前記特色用の顔料と組合せ使用した場合であっても、ただちに良好な分散性を発現できるとは限らないため、特色用の顔料分散体の分散性を向上させるためには、当業者の相当の試行錯誤を伴う場合があった。
特開2003−226832号公報
本発明が解決しようとする課題は、経時的な粗大粒子の発生を防止でき、かつ、顔料等の経時的な沈降の発生を防止可能なレベルの分散安定性を備え、かつ、優れた吐出安定性を備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体の製造方法を提供することである。
本発明者は、バイオレット顔料、グリーン顔料及びオレンジ顔料からなる群より選ばれる1種以上を含む顔料と樹脂とを含有する不揮発分50質量%以上の組成物(a1)を、混練することによって混練物(a2)を製造する工程[1]、少なくとも前記混練物(a2)と水性媒体とを混合することによって組成物(a3)を製造する工程[2]、及び、前記組成物(a3)を30℃〜70℃の範囲内で遠心分離処理する工程[3]を有することを特徴とする水性顔料分散体の製造方法によって前記課題を解決した。
本発明の製造方法で得られた水性顔料分散体は、バイオレット顔料、グリーン顔料及びオレンジ顔料からなる群より選ばれる1種以上を含む顔料を使用した場合であっても、それらの経時的な粗大粒子の発生や経時的な沈降の発生を防止可能な分散安定性を備える。前記水性顔料分散体は、吐出安定性に優れたインクジェット印刷用インクの製造に好適に使用することができる。
本発明の水性顔料分散体の製造方法は、バイオレット顔料、グリーン顔料及びオレンジ顔料からなる群より選ばれる1種以上を含む顔料と樹脂とを含有する不揮発分50質量%以上の組成物(a1)を、混練することによって混練物(a2)を製造する工程[1]、少なくとも前記混練物(a2)と水性媒体とを混合することによって組成物(a3)を製造する工程[2]、及び、前記組成物(a3)を30℃〜70℃の範囲内で遠心分離処理する工程[3]を有することを特徴とする。
(工程[1]の説明)
工程[1]は、バイオレット顔料、グリーン顔料及びオレンジ顔料からなる群より選ばれる1種以上を含む顔料と樹脂とを含有する不揮発分50質量%以上の組成物(a1)を、混練することによって混練物(a2)を製造する工程である。
前記組成物(a1)としては、顔料と樹脂と、必要に応じて塩基性化合物、水性媒体等の溶媒、顔料誘導体、界面活性剤等の任意成分とを含有するものを使用することができる。
前記工程[1]で使用する組成物(a1)としては、その不揮発分が50%質量以上のものを使用することが好ましく、50〜90質量%のものを使用することがより好ましく、50〜85質量%のものを使用することが特に好ましい。
ここで、前記不揮発分とは、約1gの前記組成物(a1)を、3hPaの減圧条件下、175℃で4時間加熱した後に残存した成分の質量と、加熱前の前記組成物(a1)の質量と、式[質量/質量]×100に基づいて算出された値を指す。
前記不揮発分が50質量%以上の前記組成物(a1)を使用することによって、混練中の前記混練物(a2)の粘度を適度に保ち、混練装置から混練物(a2)にかかるシェアを大きくすることで、前記顔料の凝集物の粉砕と、前記樹脂の前記顔料への吸着とを効率よく並行して進行させることができ、その結果、経時的な粗大粒子の発生抑止と、顔料等の経時的な沈降発生の防止とを両立可能な優れた分散安定性と吐出安定性とを備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体を得ることができる。
(顔料)
前記組成物(a1)に使用可能な顔料としては、バイオレット顔料、グリーン顔料及びオレンジ顔料からなる群より選ばれる1種以上を含む顔料が挙げられ、前記した顔料を単独または2種以上組み合わせ使用してもよく、前記した顔料と、前記以外の顔料(例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の顔料)とを組み合わせ使用してもよい。
前記バイオレット顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、3、5:1、16、19、23、38等を使用することができ、より一層優れた発色性と耐光性とを両立するうえでC.I.ピグメントバイオレット23を使用することが好ましい。
前記C.I.ピグメントバイオレット23は、発色性と耐光性に優れており、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの基本4色を補助するインクジェット用顔料である。
前記C.I.ピグメントバイオレット23等のバイオレット顔料としては、電子顕微鏡観察により得られる平均粒径が200nm以下であるものを使用することが好ましく、100nm以下であるものを使用することが、吐出安定性に優れ、高光沢の印刷物の製造に使用可能な水性顔料分散体を得ることができるためより好ましい。
前記水性顔料分散体として、水性バイオレット顔料分散体を製造する場合であれば、前記バイオレット顔料は、前記顔料の全量に対し60〜99質量%の範囲で使用することが好ましく、80〜99質量%の範囲で使用することがより好ましい。
前記グリーン顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、50、58、76等を使用することができ、より一層優れた発色性を付与するうえでC.I.ピグメントグリーン36を使用することが好ましい。
前記C.I.ピグメントグリーン36としては、その一次粒子径が150nm以下であるものを使用することが好ましく、10〜100nmであるものを使用することがより好ましく、10〜70nmであるものを使用することが最も好ましい。なお、上記一次粒子径の測定は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して測定した粒子径の値を採用することができる。
前記水性顔料分散体として、水性グリーン顔料分散体を製造する場合であれば、前記グリーン顔料は、前記顔料の全量に対し60〜99質量%の範囲で使用することが好ましく、80〜99質量%の範囲で使用することがより好ましい。
前記オレンジ顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、34、36、43、51、64、71等のオレンジ顔料を使用することができ、ピグメントオレンジ34またはピグメントオレンジ43を使用することが、耐光性が良好で高彩度の印刷物を得るうえで好ましい。
前記C.I.ピグメントオレンジ34のオレンジ顔料としては、一次粒子径が100nm以下のものを使用することが、基本色のインクや水性顔料分散体に匹敵するレベルの分散性や、経時での物性変化を抑制可能なレベルの保存安定性を実現するうえで好ましい。また、前記C.I.ピグメントオレンジ34のオレンジ顔料の一次粒子径が30〜100nmであるものを使用することが好ましく、40〜80nmの範囲であるものを使用することが、保存安定性をより一層向上させるうえでより好ましい。
前記C.I.ピグメントオレンジ43のオレンジ顔料としては、一次粒子径が150nm以下のものを使用することが、基本色のインクや水性顔料分散体に匹敵するレベルの分散性や、経時での物性変化を抑制可能なレベルの保存安定性を実現するうえで好ましい。また、前記C.I.ピグメントオレンジ43等のオレンジ顔料の一次粒子径が50〜130nmであるものを使用することが好ましく、65〜120nmの範囲であるものを使用することが、保存安定性をより一層向上させるうえでより好ましい。なお、上記一次粒子径の値は、以下の装置及び条件で測定した。
はじめに、顔料(A)1質量部とエタノール99質量部とを混合したものを、コロジオン膜付きメッシュに滴下し乾燥させたものを測定試料とした。
次に、前記測定試料の任意の1000個を、走査透過型電子顕微鏡(STEM、JSM−7500FA、日本電子株式会社製、加速電圧:30kv)を用いて観察し、長径の平均値を一次粒子径とした。
前記バイオレット顔料、グリーン顔料及びオレンジ顔料は、いずれも、例えば乾式粉砕、湿式粉砕、ソルベントソルトミリング等を行うことによって前記した範囲に粒子径を調整したものを使用することが好ましい。しかし、乾式粉砕や湿式粉砕は、金属製のビーズを用いるため、不純物として金属が混入する可能性が高い。そこで、前記方法としては、金属の混入が低いソルベントソルトミリングを採用するのが好ましい。
ソルベントソルトミリングとは、粗顔料と、無機塩と、有機溶剤とを少なくとも含む混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、トリミックス、アトライター等の混練機を用いて混練摩砕する方法である。
前記ソルベントソルトミリングで使用可能な無機塩としては、水溶性無機塩を使用することが好ましく、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることが好ましい。前記無機塩としては、一次粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。当該無機塩の使用量は、粗顔料1質量部に対して3〜20質量部とするのが好ましく、5〜15質量部とするのがより好ましい。
前記ソルベントソルトミリングで使用可能な有機溶剤としては、結晶成長を抑制し得る有機溶剤を使用することが好ましく、このような有機溶剤としては水溶性有機溶剤が好適に使用でき、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール等を用いることができる。
前記有機溶剤は、粗顔料1質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。
前記ソルベントソルトミリングで混練摩砕する際の温度は、30〜150℃であることが好ましい。混練摩砕する時間は、2時間から20時間であることが好ましい。
以上の方法によって、一次粒子径が150nm以下である顔料と前記無機塩と前記有機溶剤との混合物を得ることができる。前記混合物を用いて本発明の水性顔料分散体及びインクを製造する際には、必要に応じて前記無機塩と前記有機溶剤を洗浄濾別した後、乾燥、粉砕したものを使用することができる。
前記洗浄濾別工程では、水洗、湯洗のいずれも採用できる。また、前記顔料の結晶状態を変化させないように、酸やアルカリや溶剤を用いて洗浄してもよい。前記洗浄は、1〜5回の範囲で繰り返し行うこともできる。前記無機塩及び有機溶剤として水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を用いた場合であれば、前記洗浄によって容易に水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を除去することが出来る。
前記乾燥工程では、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120℃の加熱等により、顔料の脱水及び/又は脱溶剤をする回分式あるいは連続式の乾燥方法を行うことが出来る。前記乾燥機としては、箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライヤー等を使用することができる。
前記粉砕工程は、前記顔料の比表面積を大きくしたり一次粒子径をより一層小さくしたりするための工程ではなく、例えば箱型乾燥機やバンド乾燥機を用いた際に、前記顔料がランプ状等になったものを解して粉末化するために行ってもよい工程である。
前記粉砕工程では、例えば、乳鉢、ジューサー、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等を使用することができる。
前記ソルベントソルトミリングで得られた顔料は、前記顔料全体に対して70〜100質量部含まれることが、より一層優れた保存安定性を備えた水性顔料分散体を得るうえで好ましく、100質量部に近いほどより好ましい。
本発明で使用する顔料としては、前記バイオレット顔料、グリーン顔料及びオレンジ顔料の他に、必要に応じてその他の顔料を組み合わせ含有するものを使用することができる。
前記その他の顔料としては、例えば、酸化鉄、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラック、酸化チタン等の無機顔料、アゾ顔料、(モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、ピラゾロン顔料等の不溶性アゾ顔料やベンズイミダゾロン顔料、ベータナフトール顔料、ナフトールAS顔料、縮合アゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料など)、フタロシアニン顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなど有機顔料を使用することができる。前記顔料としては、単独または2種以上組み合わせ使用することができる。
前記顔料としては、カーボンブラックであれば三菱ケミカル株式会社製のNo.2300、No.2200B、No.995、No.990、No.900、No.960、No.980、No.33、No.40、No,45、No.45L、No.52、HCF88、MA7、MA8、MA100等、コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、Raven700等、キャボット社製のRegal 400R、Regal 330R、Regal 660R、Mogul L、Mogul 700、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400等、オリオン・エンジニアドカーボンズ株式会社製のColor Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 1400U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4、Special Black 4A、NIPEX150、NIPEX160、NIPEX170、NIPEX180、NIPEX95、NIPEX90、NIPEX85、NIPEX80、NIPEX75等を使用することができる。
前記顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、174、180、185等のイエロー顔料を使用することができる。
前記顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、146、149、150、168、176、184、185、202、209、213、269、282等のマゼンタ顔料を使用することができる。
前記顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、63、66等のシアン顔料を使用することができる。
前記顔料としては、ドライパウダーの状態のものや、ウェットケーキの状態のものを使用することができる。前記顔料としては、2種以上を含む混合物や固溶体を使用することができる。
前記顔料は、前記組成物(a1)の全量に対して30〜80質量%使用することが好ましく、35〜75質量%使用することが、前記混練物(a2)の粘度を適度に保ち、混練装置から前記混練物(a2)にかかるシェアを大きくすることで、前記顔料の凝集物の粉砕と、前記樹脂の前記顔料への吸着とを効率よく並行して進行させることができ、その結果、経時的な粗大粒子の発生抑止と、顔料等の経時的な沈降発生の防止とを両立可能な優れた分散安定性と吐出安定性とを備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体を得ることができるため特に好ましい。
(樹脂)
前記組成物(a1)に使用可能な樹脂としては、例えば顔料分散樹脂を使用することができる。前記顔料分散樹脂としては、従来知られたものを使用できる。例えばラジカル重合体を使用することができ、芳香族環式構造または複素環式構造を有するラジカル重合体を使用することが好ましく、酸価60〜300mgKOH/gのラジカル重合体を使用することが、経時的な粗大粒子の発生を防止でき、かつ、顔料等の経時的な沈降の発生を防止可能な分散安定性を備え、かつ、優れた吐出安定性を備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体を得るうえでより好ましい。
前記顔料分散樹脂としてアニオン性基を有するラジカル重合体を使用する場合には、後述するアニオン性基の一部または全部が塩基性化合物によって中和されたもの(中和物)を使用することが、経時的な粗大粒子の発生を防止でき、かつ、顔料等の経時的な沈降の発生を防止可能な分散安定性を備え、かつ、優れた吐出安定性を備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体を得るうえで好ましい。
前記芳香族環式構造または複素環式構造としては、後述する芳香族環式構造を有する単量体または複素環式構造を有する単量体を使用することによって前記ラジカル重合体に導入される環構造が挙げられる。
前記芳香族環式構造としては、ベンゼン環構造を使用することが好ましく、スチレン由来の構造であることがより好ましい。
前記芳香族環式構造または複素環式構造を有するラジカル重合体である顔料分散樹脂を使用することによって、前記顔料分散樹脂の前記顔料への吸着性を高めることができ、その結果、経時的な粗大粒子の発生を防止でき、かつ、顔料等の経時的な沈降の発生を防止可能な分散安定性を備え、かつ、優れた吐出安定性を備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体を効率よく得ることが可能となる。
また、前記顔料分散樹脂としては、酸価60〜300mgKOH/gのものを使用することが、前記顔料分散樹脂の前記顔料への吸着性を向上でき、その結果、経時的な粗大粒子の発生抑止と、顔料等の経時的な沈降の発生の防止とを両立可能なレベルの優れた分散安定性と吐出安定性とを備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体を得ることができるため特に好ましい。具体的には、前記範囲の酸価を有する顔料分散樹脂は、前記工程[1]において後述する水溶性有機溶剤に全部溶解または一部溶解したり、水溶性有機溶剤によって膨潤しやすく、その結果、後述する塩基性化合物と塩(中和物)を形成しやすい。このような顔料分散樹脂が顔料に吸着することで顔料の親水性が著しく向上し、その結果、より一層優れた分散安定性と吐出安定性とを備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体を得ることができる。
前記酸価は、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基等のアニオン性基に由来する酸価である。前記酸価は、80〜250mgKOH/gの範囲であることが好ましく、100〜200mgKOH/gの範囲であることが、経時的な粗大粒子の発生を防止でき、かつ、顔料等の経時的な沈降の発生を防止可能な分散安定性を備え、かつ、優れた吐出安定性を備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体を得るうえで特に好ましい。
なお、前記酸価は、溶剤としてジエチルエーテルの代わりにテトラヒドロフランを用いること以外は、日本工業規格「K0070:1992. 化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法」にしたがって測定された数値であり、樹脂1gを完全に中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)を指す。
前記顔料分散樹脂に使用可能な前記ラジカル重合体としては、例えば各種単量体をラジカル重合することによって得られた重合体を使用することができる。
前記単量体としては、前記顔料分散樹脂に芳香族環式構造を導入する場合であれば芳香族環式構造を有する単量体を使用することができ、複素環式構造を導入する場合であれば複素環式構造を有する単量体を使用することができる。
前記芳香族環式構造を有する単量体としては、例えばスチレン、p−tert−ブチルジメチルシロキシスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、m−tert−ブトキシスチレン、p−tert−(1−エトキシメチル)スチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−フロロスチレン、α−メチルスチレン、p−メチル−α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等を使用することができる。
前記複素環式構造を有する単量体としては、例えば2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン系単量体を使用することができる。
前記ラジカル重合体として芳香族環式構造及び複素環式構造の両方を有するものを使用する場合、前記単量体として、芳香族環式構造を有する単量体及び複素環式構造を有する単量体を組合せ使用することができる。
本発明では、前記顔料分散樹脂として芳香族環式構造を有するラジカル重合体を使用することが好ましいことから、前記単量体としても芳香族環式構造を有する単量体を使用することが好ましく、スチレン、α−メチルスチレン、tert−ブチルスチレンを使用することがより好ましい。
前記芳香族環式構造または複素環式構造を有する単量体は、前記顔料分散樹脂の前記顔料への吸着性をより一層高めるうえで、前記単量体の全量に対して20質量%以上使用することが好ましく、40質量%以上使用することがより好ましく、更に95質量%以下の範囲で使用することがより好ましい。
また、前記顔料分散樹脂としては、前記した特定範囲の酸価を有するラジカル重合体を製造するうえで、前記単量体としてアニオン性基を有する単量体を使用することができる。
前記アニオン性基を有する単量体としては、例えばカルボキシ基、スルホ基またはリン酸基等のアニオン性基を有する単量体を使用することができる。
前記アニオン性基を有する単量体としては、入手しやすく、カルボキシ基を有する単量体を使用することが、経時的な粗大粒子の発生を防止でき、かつ、顔料等の経時的な沈降の発生を防止可能な分散安定性を備え、かつ、優れた吐出安定性を備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体を得るうえで好ましく、アクリル酸またはメタクリル酸を使用することがより好ましい。
前記アニオン性基を有する単量体は、前記顔料分散樹脂の製造に使用可能な前記単量体の全量に対して5質量%〜80質量%の範囲で使用することが好ましく、5質量%〜60質量%で使用することが、前記した所定範囲の酸価を有するラジカル重合体を得るうえでより好ましい。
また、前記顔料分散樹脂の製造に使用可能な単量体としては、前記したもの以外に、必要に応じてその他の単量体を使用することができる。
前記その他の単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、1,3−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−エトキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチル−α−(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリセリン(メタ)アクリレート、ビスフェノールA(メタ)アクリレート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、酢酸ビニル等を単独または2種以上組合せ使用することができる。なお、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレートを指す。したがって実施の使用に際しては、アクリル酸エステル系単量体をそれぞれ単独で用いても良いし、あるいはこれらを任意の割合で混合して用いても良い。
また、前記顔料分散樹脂としては、前記単量体のラジカル重合によって形成される構造が線状(リニア)である重合体、分岐(グラフト)した構造を有する重合体、架橋した構造を有する重合体を使用することができる。それぞれの重合体において、モノマー配列は特に限定することはなく、ランダム型やブロック型配列の重合体を使用することができる。
前記架橋構造を有する重合体は、前記単量体として架橋性官能基を有する単量体を使用することによって製造することができる。
前記架橋性官能基を有する単量体としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンのアルキレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等を使用することができる。
本発明で使用する前記顔料分散樹脂としては、前記した単量体の重合体を使用できるが、アニオン性基を有する単量体及び芳香族環式構造または複素環式構造を有する単量体のみを重合して得られる重合体を使用することが好ましい。
本発明で使用する顔料分散樹脂としては、前記したなかでも、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸系エステル−(メタ)アクリル酸重合体等のスチレン構造単位と(メタ)アクリル酸構造単位とを有する重合体を使用することが好ましく、それらのうち、前記した好ましい範囲の酸価を有するものを使用することが、経時的な粗大粒子の発生をより一層効果的に防止でき、かつ、顔料等の経時的な沈降の発生をより一層効果的に防止可能な分散安定性を備え、かつ、優れた吐出安定性を備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体を得るうえで好ましい。
前記スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体としては、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−メタクリル酸共重合体のいずれも使用できるが、スチレン−アクリル酸−メタクリル酸共重合体を使用することが、前記単量体の共重合性が向上して、その結果、経時的な粗大粒子の発生をより一層効果的に防止でき、かつ、顔料等の経時的な沈降の発生をより一層効果的に防止可能な分散安定性を備え、かつ、優れた吐出安定性を備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体が得られるため好ましい。
前記スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体としては、その製造に使用する単量体の全量に対するスチレンとアクリル酸とメタクリル酸との合計量が80質量%〜100質量%であるものを使用することが好ましく、90質量%〜100質量%のものを使用することがさらに好ましい。
前記ラジカル重合体は、例えば前記した単量体を、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の方法でラジカル重合することによって製造することができる。
前記ラジカル重合体を製造する際には、必要に応じて公知慣用の重合開始剤、連鎖移動剤(重合度調整剤)、界面活性剤及び消泡剤を使用することができる。
前記重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド、ジブチルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。前記重合開始剤は、前記ラジカル重合体の製造に使用する単量体の全量に対して0.1質量%〜10質量%の範囲で使用することが好ましい。
前記顔料分散樹脂としては、その重量平均分子量が2000〜40000の範囲内であるものを使用することが好ましく、5000〜30000の範囲内にあることがより好ましく、5000〜20000範囲内にあることが、経時的な粗大粒子の発生を防止でき、かつ、顔料等の経時的な沈降の発生を防止可能なより一層優れた分散安定性及び吐出安定性を備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体を得るうえで特に好ましい。
なお、前記重量平均分子量とはGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法で測定される値であり、標準物質として使用するポリスチレンの分子量に換算した値である。
前記顔料分散樹脂として前記溶液重合法で得られたラジカル重合体を使用する場合、前記顔料分散樹脂としては、前記溶液重合法で得られたラジカル重合体溶液に含まれる溶媒を除去した後、乾燥、粉砕し微粒子化したものを使用することができる。
前記微粒子化されたラジカル重合体である顔料分散樹脂は、前記工程[1]において後述する水溶性有機溶剤に全部溶解または一部溶解したり、水溶性有機溶剤によって膨潤しやすく、その結果、顔料に吸着しやすくなることで、より一層優れた分散安定性と吐出安定性とを備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体を得ることができる。
前記顔料分散樹脂としては、メッシュ状のふるいにより分級したものを使用してもよく、その粒子径が概ね1mm以下であるものを使用することが好ましい。
前記組成物(a1)としては、前記顔料に対する前記顔料分散樹脂の重量比率が、5質量%〜200質量%の範囲であるものを使用することが好ましく、10質量%〜100質量%の範囲であるものを使用することが、前記工程[1]において、前記混練物(a2)を適正な粘度で混練でき、前記顔料分散樹脂を前記顔料に吸着させやすく、その結果、経時的な粗大粒子の発生抑止と、顔料等の経時的な沈降発生の防止とを両立可能な優れた分散安定性と吐出安定性とを備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体を得ることができるためより好ましい。
本発明で使用する樹脂としては、前記顔料分散樹脂のほかに、必要に応じてバインダー樹脂等を使用することもできる。
また、前記工程[1]で使用する前記組成物(a1)としては、前記顔料及び前記顔料分散樹脂の他に必要に応じて塩基性化合物を含有するものを使用することができる。
前記塩基性化合物は、前記顔料分散樹脂がアニオン性基を有する場合に、そのアニオン性基を中和する。前記顔料分散樹脂が前記塩基性化合物によって中和されることで、前記顔料分散樹脂が吸着した前記顔料の水媒体への親和性が高まる。その結果、前記水性顔料分散体中の顔料粒子の分散状態がより安定となり、経時的な粗大粒子の発生をより効果的に防止でき、かつ、顔料等の経時的な沈降の発生をより一層効果的に防止となる。
前記塩基性化合物としては、例えば無機系塩基性化合物、有機系塩基性化合物を使用することができる。
前記塩基性化合物としては、公知のものを使用でき、例えばカリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属などの炭酸塩;水酸化アンモニウム等の無機系塩基性化合物や、トリエタノールアミン、N,N−ジメタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミンなどのアミノアルコール類、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンなどのモルホリン類、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、ピペラジンヘキサハイドレートなどのピペラジン等の有機系塩基性化合物が挙げられる。なかでも、前記塩基性化合物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムに代表されるアルカリ金属水酸化物を使用することが、前記顔料分散樹脂の中和効率に優れるため、前記顔料分散樹脂が吸着した前記顔料の水性媒体に対する分散安定性が向上するため好ましく、特に水酸化カリウムが好ましい。
前記塩基性化合物は、前記顔料分散樹脂としてアニオン性基を有するものを使用する場合であれば、前記顔料分散樹脂の中和率が80%〜120%となる範囲で使用することが、中和された前記顔料分散樹脂の水性媒体に対する親和性を高め、その結果、前記顔料分散樹脂が吸着した前記顔料の水中での分散安定性が向上するため好ましい。
中和率(%)=((塩基性化合物の質量(g)×56×1000)/(顔料分散樹脂の酸価×塩基性化合物の当量×顔料分散樹脂の質量(g)))×100
また、前記工程[1]で使用する前記組成物(a1)としては、前記したものの他に、必要に応じて水溶性有機溶剤や水性媒体等の溶媒を含有するものを使用することができる。
前記水溶性有機溶剤は、前記工程[1]において、前記顔料分散樹脂の一部もしくは全部を溶解または膨潤させやすく、その結果、前記顔料分散樹脂が前記顔料に吸着しやすくなる。これにより、より一層優れた分散安定性と吐出安定性とを備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体を得ることができる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールなどのジオール類;ラウリン酸プロピレングリコールなどのグリコールエステル;ジエチレングリコールモノエチル、ジエチレングリコールモノブチル、ジエチレングリコールモノヘキシル、カルビトールなどのジエチレングリコールエーテル類;プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、およびトリエチレングリコールエーテルを含むセロソルブなどのグリコールエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコールなどのアルコール類;スルホラン、エステル、ケトン、γ−ブチロラクトンなどのラクトン類、N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドンなどのラクタム類、グリセリンおよびそのポリアルキレンオキサイド付加物など、水性有機溶剤として知られる他の各種の溶剤などを挙げることができる。これらの水性有機溶剤は、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
なかでも、前記水溶性有機溶剤としては、湿潤剤として機能する高沸点、低揮発性で、高表面張力の多価アルコール類、及び、グリセリンの誘導体類を使用することが好ましく、特にジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類、及び、グリセリンのポリエチレンオキサイド付加物等のグリセリンのポリオキシアルキレン付加物を使用することが好ましい。
前記水溶性有機溶剤は、前記工程[1]において、前記顔料の質量に対して、10質量%〜200質量%の範囲で使用することが好ましく、15質量%〜150質量%の範囲で使用することが、より一層優れた分散安定性と吐出安定性とを備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体を得るうえでより好ましい。
また、前記工程[1]で使用する前記組成物(a1)としては、前記顔料や前記顔料分散樹脂等の樹脂の他に必要に応じて顔料誘導体を含有するものを使用することができる。
前記顔料誘導体は、本発明の水性顔料分散体およびそれを用いたインクに、経時的な粗大粒子の発生防止と、顔料等の経時的な沈降の発生防止を可能にする分散安定性を付与することができる。
前記顔料誘導体としては、顔料に後述する特定の官能基を導入したものを使用することができる。前記顔料としては、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料が挙げられる。前記官能基としては、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、ニトロ基、酸アミド基、カルボニル基、カルバモイル基、フタルイミド基、スルホニル基が挙げられる。
前記溶媒の一部または全部に使用する水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。また、前記水としては、紫外線照射または過酸化水素添加等によって滅菌された水を用いることが、水性顔料分散体やそれを使用したインク等を長期保存する場合に、カビまたはバクテリアの発生を防止することができるため好適である。
前記工程[1]において、前記組成物(a1)の混練に使用可能な混練機としては、例えばヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、トリミックス、プラネタリーミキサー等を使用することができる。前記混練機としては、特にプラネタリーミキサーを使用することが、不揮発分50質量%以上の前記組成物(a1)に強いせん断力を与えることができ、前記顔料の凝集物の粉砕と、前記顔料分散樹脂の前記顔料への吸着のしやすさを高めることができるため好ましい。
また、前記プラネタリーミキサーは、前記組成物(a1)の粘度が広範なものであっても、前記顔料の凝集物の粉砕と、前記顔料分散樹脂の前記顔料への吸着のしやすさを高めることができるため好ましい。
また、前記プラネタリーミキサーは、前記工程[1]終了後に、前記ミキサー内に水性媒体を供給する工程[2]を引き続き行うことができるため好ましい。
前記工程[1]において前記組成物(a1)を混練する際の前記組成物(a1)の温度は、前記組成物(a1)に十分な剪断力が加わるように、前記顔料分散樹脂のガラス転移点等の温度特性を考慮して適宜調整することが好ましい。具体的には、前記混練する際の前記組成物(a1)の温度の上限は、好ましくは前記顔料分散樹脂のガラス転移温度(Tg)である。一方、前記混練する際の前記組成物(a1)の温度の下限は、好ましくは前記顔料分散樹脂のガラス転移温度よりも60℃低い温度である。前記組成物(a1)の混練を前記温度範囲内で行うことによって、前記組成物(a1)に十分なせん断力を与えることが可能となり、その結果、前記顔料の凝集物の粉砕と、前記顔料分散樹脂の前記顔料への吸着のしやすさを高めることができるため好ましい。
また、前記工程[1]では、前記組成物(a1)の温度上昇による著しい粘度の低下を引き起こす場合がある。前記組成物(a1)の粘度が低下すると、前記組成物(a1)に十分なせん断力を加えることができない場合があるため、前記工程[1]では、その途中で、後述する水性媒体等を添加し、意図的に前記組成物(a1)を冷却してもよい。
なお、前記顔料分散樹脂のガラス転移温度(Tg)は、前記顔料分散樹脂の製造に使用された各単量体の単独重合体のガラス転移温度に基づきFOXの式を用いて算出された値を指す。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+W3/Tg3・・・・・+Wn/Tgn
(式中、Tgnは前記顔料分散樹脂の製造に使用された各単量体の単独重合体のガラス転移温度(K)、Wnは単量体の質量分率)
前記混練装置としては、閉鎖型混練装置を使用することが好ましい。前記閉鎖型混練装置を使用することによって、水溶性有機溶剤の含有量が前記工程[1]中で著しく変化することを防止でき、その結果、水性顔料分散体の生産効率をより一層向上することができる。
なお、前記「著しく変化」とは、前記組成物(a1)の質量に対する、工程[1]終了後に得られた前記混練物(a2)の質量の割合が90質量%未満となる状態を指す。
前記閉鎖型混練装置としては、例えば撹拌槽と、一軸または多軸の撹拌羽根を備えた混練装置を使用することができる。
前記閉鎖型混練装置としては、高い混練作用を得るうえで、二つ以上の攪拌羽根を有するものを使用することが好ましい。
前記工程[1]で得られた前記混練物(a2)は、前記顔料の凝集体が解砕され、微粒化した前記顔料に前記顔料分散樹脂が吸着した、常温条件下で半固形または固形状態のものである。
(工程[2]の説明)
本発明の水性顔料分散体の製造方法を構成する前記工程[2]は、前記工程[1]で得られた前記混練物(a2)と水性媒体と、必要に応じてその他の成分とを混合することによって前記組成物(a3)を製造する工程である。
前記工程[2]では、前記混練物(a2)に前記水性媒体等を供給し混合してもよく、前記水性媒体等に前記混練物(a2)を供給し混合してもよい。
前記工程[1]においてプラネタリーミキサー等の閉鎖型混練装置を用いた場合には、前記混練物(a2)を含む前記混練装置に、水性媒体等を供給し混合することが、水性顔料分散体の製造効率を向上するうえで好ましい。この場合、前記混練装置が稼動した状態(前記混練物(a2)の撹拌が継続された状態)で、前記混練物(a2)の温度が低下する前に水性媒体を供給することが、前記混練物(a2)の前記水性媒体中への分散効率と前記組成物(a3)の生産効率を向上させるうえで好ましい。前記水性媒体としては、前記混練物(a2)の温度の著しい低下を抑制するうえで、25℃〜65℃の水を使用することが好ましい。
また、前記混練物(a2)に前記水性媒体を供給する方法としては、一括して供給する方法や、連続的または断続的に供給する方法が挙げられる。前記水性媒体を供給する方法としては、連続的または断続的に供給する方法を採用することが、前記水性媒体への前記混練物(a2)の分散を効率的に行え、前記水性顔料分散体の製造に要する時間を短縮できるため好ましい。
前記水性媒体としては、例えば水、水と容易に混ざり合う水溶性有機溶剤、または、水と水溶性有機溶剤との混合物を使用することができる。前記水溶性有機溶剤としては、前記工程[1]で使用可能なものとして例示したものと同様のものを1種または2種以上組み合わせ使用することができる。
前記工程[1]及び[2]を経ることによって得られた前記組成物(a3)は、前記顔料分散樹脂が吸着した前記顔料が、水性媒体中に分散した液体状のものである。
前記組成物(a3)は、前記組成物(a3)の全量に対する不揮発分が10質量%〜30質量%であることが好ましく、12質量%〜25質量%であることがより好ましい。
本発明では、前記工程[2]で得られた前記組成物(a3)を、前記工程[3]の前に、必要に応じて、分散装置を用いて分散処理を行ってもよい。前記分散装置としては、例えば、メディアを用いたものとして、ペイントシェーカー、ボールミル、アトライター、バスケットミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、スパイクミル、アジテーターミル等を使用することができ、メディアを用いないものとして超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ナノマイザー、デゾルバー、ディスパー、高速インペラー分散機等を使用することができる。
また、前記組成物(a3)中に多価金属イオン等の不純物が含まれる場合、本発明では、前記工程[2]で得られた前記組成物(a3)を、前記工程[3]の前に、必要に応じて、キレート樹脂を用いて不純物を除去する処理を行うことが好ましい。
インクジェット印刷方式としては、ピエゾ方式とサーマル方式とが知られている。特にサーマル方式では、インクを吐出する際のノズル内部の急激な温度上昇により、ノズル内部の発熱抵抗素子表面に、顔料分散樹脂等の樹脂と多価金属イオンとの凝集物や、前記多価金属イオン由来の多価金属塩などの凝集物が堆積するコゲーションという現象が発生する場合がある。前記凝集物は、インクの吐出不良の原因となるため、インクジェット記録用インクには、多価金属イオンの低減が強く望まれている。
前記多価金属イオンを低減する方法としては、例えば、水性顔料インクや水性顔料分散体にキレート形成基を持つ粒子又は繊維状樹脂を接触させて多価金属を取り除く方法が挙げられる。
(工程[3]の説明)
本発明の水性顔料分散体の製造方法を構成する前記工程[3]は、少なくとも前記工程[1]及び前記工程[2]を経ることによって得られた前記組成物(a3)を、30℃〜70℃の範囲内で遠心分離処理する工程である。
前記組成物(a3)には、前記顔料の凝集体の未粉砕物や前記顔料分散樹脂の未溶解物や、前記顔料分散樹脂が十分吸着していない顔料等の前記粗大粒子等の原因となりうる成分が、ごくわずかに残留する場合がある。そのため、産業界では、前記成分の含有量の低減が検討されていた。
しかし、高精細な印刷物の製造に使用可能な微細化され、かつ、高密度化されたインク吐出ノズルは、インク中の極僅かな粗大粒子や沈殿物の影響によって目詰まりやインクの吐出方向の異常を発生させやすく、その結果、印刷物にスジ等が発生させる場合があった。とりわけ、一般にラインヘッドによるシングルパス方式でのインクジェット印刷法では、いわゆるマルチパス方式(スキャン方式)でのインクジェット印刷法と比較して、吐出ノズルの目詰まり等に起因した画像品質の低下を引き起こしやすい場合があった。
本発明では、前記組成物(a3)を製造した後に、所定の条件下で遠心分離処理することによって、微細化されかつ高密度化されたインク吐出ノズルに適用した場合であってもインク吐出ノズルの目詰まり等を引き起こさないインクの製造に使用可能な水性顔料分散体を見出した。
ここで、本発明でいう粗大粒子は、Particle Sizing Systems社製の個数カウント方式による粒度分布計(Accusizer 780 APS)を用いて測定された粒子径が直径0.5μm以上のものを指す。
前記工程[3]では、単に遠心分離処理をすればよいわけではなく、30℃〜70℃の範囲で遠心分離処理する。30℃未満の温度下で前記工程[3]を行った場合、前記組成物(a3)の粘度が高くなり、効率よく、かつ、実用上十分に粗大粒子を除去することが困難な可能性がある。また、70℃を超える温度下で前記工程[3]を行った場合、前記組成物(a3)から水が蒸発しやすくなり粘度が高くなりやすく、効率よく、かつ、実用上十分に粗大粒子を除去することが困難な可能性がある。
前記工程[3]では、40℃〜65℃の範囲で遠心分離処理することが、効率よく、かつ、実用上十分に粗大粒子を除去するうえでより好ましい。なお、前記温度は、遠心分離される前記組成物(a3)の温度を指す。
前記組成物(a3)は、遠心分離装置に供給される前に、例えば熱交換装置等を用いて予め30℃〜70℃に温度調整されていてもよく、遠心分離装置として温度設定機能を有するものを使用する場合には、遠心分離装置に供給された後、前記温度範囲に調整されてもよい。
加温された前記組成物(a3)は、低粘度化されることによって、遠心分離効率が向上し、効率良く粗大粒子を取り除くことができる。また、前記組成物(a3)を上記の温度範囲で制御することにより、外気温による影響が受けにくくなり、粗大粒子の少ない水性顔料分散体を安定的に製造することができる。
前記遠心分離処理される前記組成物(a3)としては、25℃での粘度が13mPa・s以下であるものを使用することが、前記組成物(a3)から粗大粒子を一層効率よく、かつ、実用上十分に取り除くことができるため好ましい。
とりわけ、遠心分離装置として、後述する円筒型の遠心分離装置を使用する場合には、前記組成物(a3)として25℃での粘度が10.5mPa・s以下であることが好ましく、2mPa・s〜10.5mPa・sであるものことが、前記組成物(a3)から粗大粒子をより一層効率よく、かつ、実用上十分に取り除くことができるためより好ましい。
前記遠心分離装置としては、ローターの形状が円筒型の遠心分離装置を使用することが、前記粗大粒子を含む粘土状のスラッジがローター内に堆積したことに起因する遠心分離効率の低下を効果的に抑制できるため好ましい。
前記工程[1]及び前記工程[2]を経て得られた前記組成物(a3)は、前記顔料の粗大粒子、前記顔料の未粉砕物、または前記顔料分散樹脂の未溶解物等のさまざまな大きさの粗大粒子が含まれやすい。前記円筒型遠心分離装置を用いて前記工程[3]を行うことによって、生産性を損ねることなく、上記の粗大粒子を効率よく、かつ、継続的に除去でき、その結果、経時的な粗大粒子の発生抑止と、顔料等の経時的な沈降発生の防止とを両立可能な優れた分散安定性を得ることができる。
また、前記工程[3]は、前記円筒型遠心分離機が備えるローターに前記組成物(a3)を供給し、前記組成物(a3)の温度を30℃〜70℃の範囲内に維持した状態で行う工程であることが、安定的に好適な遠心分離効率を長期間維持でき、前記組成物(a3)から粗大粒子をより一層効率的かつ十分に取り除くことができるため好ましい。その際、前記ローターの容積に対する前記組成物(a3)の供給量(体積)の比率[組成物(a3)の供給量(体積)/ローターの容積]×100は、1000%〜8000%であることが好ましく、2000〜7000%であることが、粗大粒子ではない顔料等の成分が取り除かれることを抑制できる一方で、前記組成物(a3)から粗大粒子をより一層効率的に取り除くことができためより好ましい。
前記遠心分離装置の遠心加速度は、8000G〜20000Gの範囲であることが好ましく、9000〜20000Gの範囲であることが、前記顔料分散樹脂が顔料から引き剥がされることを防止でき、かつ、前記組成物(a3)から粗大粒子を効率良く取り除くことができるためより好ましい。
なお、前記遠心加速度は、相対遠心加速度を意味し、下記式により定義される。
遠心加速度(G)=r×(2πN/60)/g
(式中、Nは1分当たりの回転数(rpm)、rは回転半径(m)、gは重力加速度(9.8m/s)、πは円周率を指す)
以上のとおり、少なくとも前記工程[1]、前記工程[2]及び前記工程[3]を経ることによって得られた水性顔料分散体は、経時的な粗大粒子の発生を防止でき、かつ、顔料等の経時的な沈降の発生を防止可能な分散安定性を備え、かつ、優れた吐出安定性を備えたインクの製造に使用可能な水性顔料分散体である。
前記水性顔料分散体は、所望の濃度に希釈することによってインクとして使用することができる。
前記インクとしては、例えば自動車や建材用の塗料や、オフセットインキ、グラビアインキ、フレキソインキ、シルクスクリーンインキ等の印刷インキ、あるいはインクジェット印刷用インク等が挙げられる。
前記インクをインクジェット記録用インクとして使用する場合には、インク全量に対する顔料の濃度が1質量%〜10質量%であるものを使用することが好ましい。
前記インクは、本発明の水性顔料分散体と、必要に応じて水溶性有機溶剤や水等の溶媒と、バインダーとしてアクリル系樹脂やポリウレタン系樹脂等の樹脂と、乾燥抑止剤、浸透剤、界面活性剤、防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤とを混合することによって製造することができる。前記インクは、前記方法で製造した後に、遠心分離処理やろ過処理を施してもよい。
前記水溶性有機溶剤は、前記インクの乾燥を防止し、インクの粘度や濃度を好適な範囲に調整するうえで使用することができる。
前記水溶性有機溶剤としては、前記水性顔料分散体の前記工程[1]で使用可能なものとして例示したものと同様のものを使用することができる。なかでも、水溶性有機溶剤としては、被記録媒体へのインクの浸透性を高めるうえで、例えばエタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;エチレングリコールヘキシルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテルなどのアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物;プロピレングリコールプロピルエーテルなどのアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物などが挙げられる。
前記乾燥防止剤としては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、分子量2000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。なかでも、前記乾燥防止剤としては、グリセリン、トリエチレングリコールを使用することが、安全性を有し、かつインクが乾燥しにくく、吐出性能に優れたインクを得ることができる。
なお、前記乾燥防止剤は、水性顔料分散体で使用する前述の水溶性有機溶剤と同じ化合物を使用することができる。従って水性顔料分散体に既に水溶性有機溶剤を使用している場合、乾燥防止剤としての役割を兼ねることできる。
前記浸透剤は、記録媒体への浸透性改良や記録媒体上でのドット径調整を目的として使用することができる。
浸透剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;エチレングリコールヘキシルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル等のアルキルアルコールのグリコールモノエーテルが挙げられる。インク中の浸透剤の含有量は0.01〜10質量%であることが好ましい。
前記界面活性剤は、表面張力等のインク特性を調整するために使用することができる。界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、これらの中では、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩及びスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられ、これらの具体例として、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩などを挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールアミド、アルキルアルカノールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー等を挙げることができ、これらの中では、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、アセチレングリコール、アセチレングリコールのオキシエチレン付加物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマーが好ましい。
その他の界面活性剤として、ポリシロキサンオキシエチレン付加物のようなシリコーン系界面活性剤;パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテルのようなフッ素系界面活性剤;スピクリスポール酸、ラムノリピド、リゾレシチンのようなバイオサーファクタント等も使用することができる。
前記界面活性剤は、単独または2種類以上を組み合わせ使用することができる。前記界面活性剤の使用量は、前記インクの全質量に対し0.001質量%〜2質量%の範囲であることが好ましく、0.001質量%〜1.5質量%の範囲であることがより好ましく、0.01質量%〜1質量%の範囲であることが、印刷画像のにじみ等をより効果的に防止するうえでさらに好ましい。
上記方法で得られたインクは、インクジェット記録用インクとして好適に用いることができる。インクジェット記録方式としては、連続噴射型(荷電制御型、スプレー型など)、オンデマンド型(ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式など)などが挙げられる。なかでも、インクジェット記録方式として、一般に、マルチパス方式(スキャン方式)のインクジェット印刷法と比較して吐出ノズルの目詰まり等に起因した画像品質の低下を引き起こしやすいラインヘッドによるシングルパス方式でのインクジェット記録方式を選択し、本発明のインクと組み合わせ使用する印刷方法や印刷物の製造方法が、吐出ノズルの目詰まり等に起因した画像品質の低下を引き起こしにくく、スジ等の発生が抑制された印刷物を得るうえで好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
(顔料分散樹脂)
顔料分散樹脂Aとして、スチレン77質量部とアクリル酸10質量部とメタクリル酸13質量部との重合体(重量平均分子量11000、酸価150mgKOH/g、単独重合体のガラス転移温度に基づきFOXの式から算出した計算ガラス転移温度(Tg)113℃)を使用した。
顔料分散樹脂Bとして、スチレン83質量部とアクリル酸7質量部とメタクリル酸10質量部との重合体(重量平均分子量11000、酸価120mgKOH/g、上記式から算出した計算ガラス転移温度(Tg)110℃)を使用した。
顔料分散樹脂Cとして、スチレン72質量部とアクリル酸12質量部とメタクリル酸16質量部との重合体(重量平均分子量11000、酸価180mgKOH/g、上記式から算出した計算ガラス転移温度(Tg)116℃)を使用した。
前記顔料分散樹脂の製造に使用した各単量体の単独重合体のガラス転移温度(Tg)は、POLYMER HANDBOOK THIRD EDITION(A WILEY−INTERSCIENCE PUBLICATION)に収録された下記値を使用した。スチレンホモポリマー(Tg:100℃)、メタクリル酸ホモポリマー(Tg:228℃)、アクリル酸ホモポリマー(Tg:106℃)。
顔料分散樹脂A〜Cの重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法で測定した値であり、ポリスチレン分子量に換算した値である。測定条件は以下の通りである。
送液ポンプ:LC−9A
システムコントローラー:SLC−6B
オートインジェクター:S1L−6B
検出器:RID−6A
以上 (株)島津製作所製
データ処理ソフト:Sic480IIデータステーション(システムインスツルメンツ 社製)。
カラム:GL−R400(ガードカラム)+GL−R440+GL−R450+GL−R400M(日立化成工業(株)製)
溶出溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
溶出流量:2mL/min.
カラム温度:35℃
酸価は、溶剤としてジエチルエーテルの代わりにテトラヒドロフランを用いること以外は日本工業規格「K0070:1992. 化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法」にしたがって測定した。
水性顔料分散体の粘度は、25℃に恒温した水性顔料分散体を試料とし、ViscometerTVE−22L(東機産業(株)製)を用いて測定した。
(実施例1)
プラネタリーミキサー(株式会社井上製作所製PLM−50)の50Lジャケット付タンクに、3.0質量部の顔料分散樹脂Aと、10.0質量部のC.I.ピグメントバイオレット23を順番に投入し、ジャケット付タンクの温度を60℃に加温した後、5.0質量部のトリエチレングリコールと、1.3質量部の34質量%の水酸化カリウム水溶液を順番に供給することによって組成物(a1−1)を得た。組成物(a1−1)の不揮発分は69.6質量%であった。
(工程[1])
ジャケット付タンクの温度を60℃に保温した状態で、前記組成物(a1−1)を、自転回転数30rpm、公転回転数10rpmで10分間撹拌、混練した後、自転回転数51rpm、公転回転数17rpmで60分間混練することによって、固形状の混練物(a2−1)を得た。
(工程[2])
前記混練物(a2−1)に、60℃に加温したイオン交換水を少量ずつ添加し撹拌することで顔料濃度を15.2質量%に調整した後、さらに60℃に加温したイオン交換水で希釈したトリエチレングリコールを供給し、混合することによって、顔料濃度が14.7質量%、トリエチレングリコール濃度が14.7質量%、不揮発分が19.5質量%の組成物(a3−1)を得た。前記組成物(a3−1)の25℃における粘度は、4.0mPa・sであった。
(工程[3])
前記組成物(a3−1)を、熱交換装置(株式会社テイエルブイ製、真空蒸気加熱システム)で60℃に加温した後、円筒型遠心分離機(超遠心分離機ASM260FH、ローター容積7.7L、巴工業株式会社製)に1.0L/分の送液速度で供給し、20000Gの遠心加速度で連続的に遠心分離処理を行うことによって、水性顔料分散体(a4−1)を得た。前記ローターの容積に対する前記組成物(a3−1)の供給量(体積)の比率[組成物(a3−1)の供給量(体積)/ローターの容積]×100は、2700%であった。
(実施例2)
前記組成物(a3−1)を熱交換装置(株式会社テイエルブイ製、真空蒸気加熱システム)で加温する温度を60℃から40℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で水性顔料分散体(a4−2)を得た。
(比較例1)
前記組成物(a3−1)を熱交換装置(株式会社テイエルブイ製、真空蒸気加熱システム)で加温する温度を60℃から20℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で水性顔料分散体(a4−1‘)を得た。
(比較例2)
前記組成物(a3−1)を熱交換装置(株式会社テイエルブイ製、真空蒸気加熱システム)で加温する温度を60℃から20℃に変更し、かつ、円筒型遠心分離機(超遠心分離機ASM260FH、ローター容積7.7L、巴工業株式会社製)の代わりに円錐台の形状のローターを有する遠心分離機(H−600S、ローター容積2.0L、株式会社コクサン製)を用い、0.25L/分の送液速度で供給して連続的に遠心分離処理を行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で水性顔料分散体(a4−2‘)を得た。
(実施例3)
プラネタリーミキサー(株式会社井上製作所製PLM−50)の50Lジャケット付タンクに、2.5質量部の顔料分散樹脂Bと、10.0質量部のC.I.ピグメントオレンジ43を順番に投入し、ジャケット付タンクの温度を60℃に加温した後、3.4質量部のトリエチレングリコールと、0.9質量部の34質量%の水酸化カリウム水溶液を順番に供給することによって、組成物(a1−3)を得た。組成物(a1−3)の不揮発分は76.3質量%であった。
(工程[1])
ジャケット付タンクの温度を60℃に保温した状態で、前記組成物(a1−3)を、自転回転数30rpm、公転回転数10rpmで10分間撹拌し混練した後、自転回転数51rpm、公転回転数17rpmで60分間混練を行うことによって、固形状の混練物(a2−3)を得た。
(工程[2])
前記混練物(a2−3)に、60℃に加温したイオン交換水を添加し撹拌することで顔料濃度を16.0質量%に調整した後、さらに60℃に加温したイオン交換水で希釈したトリエチレングリコールを供給し、混合することによって、顔料濃度が15.6質量%、トリエチレングリコール濃度が15.6質量%、不揮発分が19.9質量%の組成物(a3−3)を得た。前記組成物(a3−3)の25℃における粘度は、4.0mPa・sであった。
(工程[3])
前記組成物(a3−3)を、熱交換装置(株式会社テイエルブイ製、真空蒸気加熱システム)で60℃に加温した後、円筒型遠心分離機(超遠心分離機ASM260FH、ローター容積7.7L、巴工業株式会社製)に1.6L/分の送液速度で供給し、20000Gの遠心加速度で連続的に遠心分離処理を行うことによって、水性顔料分散体(a4−3)を得た。前記ローターの容積に対する前記組成物(a3−3)の供給量(体積)の比率[組成物(a3−3)の供給量(体積)/ローターの容積]×100は、2500%であった。
(比較例3)
プラネタリーミキサー(株式会社井上製作所製PLM−50)の50Lジャケット付タンクに、2.5質量部の顔料分散樹脂Cと、10.0質量部のC.I.ピグメントオレンジ43を順番に投入し、ジャケット付タンクの温度を60℃に加温した後、10質量部のトリエチレングリコール、1.3質量部の34質量%の水酸化カリウム水溶液と、2.3質量部のイオン交換水を順番に供給することによって、組成物(a1−3‘)を得た。組成物(a1−3‘)の不揮発分は49.6質量%であった。
(工程[1])
ジャケット付タンクの温度を60℃に保温した状態で、前記組成物(a1−3‘)を、自転回転数30rpm、公転回転数10rpmで10分間撹拌した後、自転回転数51rpm、公転回転数17rpmで60分間混練を行うことによって、固形状の混練物(a2−3‘)を得た。
(工程[2])
前記混練物(a2−3‘)に、60℃に加温したイオン交換水を添加し撹拌することによって、顔料濃度を16.5質量%に調整した後、さらに60℃に加温したイオン交換水で希釈したトリエチレングリコールを供給し、混合することによって、顔料濃度が16.2質量%、トリエチレングリコール濃度が16.2質量%、不揮発分が21.0質量%の組成物(a3−3‘)を得た。前記組成物(a3−3‘)の25℃における粘度は、13.5mPa・sであった。
(工程[3])
前記組成物(a3−3‘)を、熱交換装置(株式会社テイエルブイ製、真空蒸気加熱システム)で60℃に加温した後、円筒型遠心分離機(超遠心分離機ASM260FH、ローター容積7.7L、巴工業株式会社製)に1.6L/分の送液速度で供給し、20000Gの遠心加速度で連続的に遠心分離処理を行うことによって、水性顔料分散体(a4−3‘)を得た。前記ローターの容積に対する前記組成物(a3−3‘)の供給量(体積)の比率[組成物(a3−3‘)の供給量(体積)/ローターの容積]×100は、2500%であった。
(実施例4)
プラネタリーミキサー(株式会社井上製作所製PLM−50)の50Lジャケット付タンクに、3.0質量部の顔料分散樹脂Cと、10.0質量部のC.I.ピグメントオレンジ34を順番に投入し、ジャケット付タンクの温度を60℃に加温した後、3.0質量部のトリエチレングリコールと、1.6質量部の34質量%の水酸化カリウム水溶液を順番に供給することによって、組成物(a1−4)を得た。組成物(a1−4)の不揮発分は65.8質量%であった。
(工程[1])
ジャケット付タンクの温度を60℃に保温した状態で、前記組成物(a1−4)を、自転回転数30rpm、公転回転数10rpmで10分間撹拌した後、自転回転数51rpm、公転回転数17rpmで60分間混練を行うことによって、固形状の混練物(a2−4)を得た。
(工程[2])
前記混練物(a2−4)に、60℃に加温したイオン交換水を添加し撹拌することによって、顔料濃度を16.0質量%に調整した後、さらに60℃に加温したイオン交換水で希釈したトリエチレングリコールを供給し、混合することによって、顔料濃度が15.6質量%、トリエチレングリコール濃度が15.6質量%、不揮発分が19.9質量%の組成物(a3−4)を得た。前記組成物(a3−4)の25℃における粘度は、4.0mPa・sであった。
(工程[3])
前記組成物(a3−4)を、熱交換装置(株式会社テイエルブイ製、真空蒸気加熱システム)で60℃に加温した後、円筒型遠心分離機(超遠心分離機ASM260FH、ローター容積7.7L、巴工業株式会社製)に1.6L/分の送液速度で供給し、20000Gの遠心加速度で連続的に遠心分離処理を行うことによって、水性顔料分散体(a4−4)を得た。前記ローターの容積に対する前記組成物(a3−4)の供給量(体積)の比率[組成物(a3−4)の供給量(体積)/ローターの容積]×100は、2500%であった。
(実施例5)
前記組成物(a3−4)の工程[3]の遠心加速度を、20000Gから9000Gに変更したこと以外は、実施例4と同様の方法で水性顔料分散体(a4−5)を得た。
(実施例6)
プラネタリーミキサー(株式会社井上製作所製PLM−50)の50Lジャケット付タンクに、2.0質量部の顔料分散樹脂Cと、10.0質量部のC.I.ピグメントグリーン36を順番に投入し、ジャケット付タンクの温度を60℃に加温した後、3.1質量部のトリエチレングリコールと、1.1質量部の34質量%の水酸化カリウム水溶液を順番に供給することによって、組成物(a1−6)を得た。
(工程[1])
ジャケット付タンクの温度を60℃に保温した状態で、前記組成物(a1−6)を、自転回転数30rpm、公転回転数10rpmで10分間撹拌した後、自転回転数51rpm、公転回転数17rpmで60分間混練を行うことによって、固形状の混練物(a2−6)を得た。
(工程[2])
前記混練物(a2−6)に、60℃に加温したイオン交換水を添加し撹拌することによって、顔料濃度を18.1質量%に調整した後、さらに60℃に加温したイオン交換水で希釈したトリエチレングリコールを供給し、混合することによって、顔料濃度が17.7質量%、トリエチレングリコール濃度が17.7質量%、不揮発分が21.9質量%の組成物(a3−6)を得た。前記組成物(a3−6)の25℃における粘度は、3.6mPa・sであった。
(工程[3])
熱交換装置(株式会社テイエルブイ製真空蒸気加熱システム)で60℃に加温した前記組成物(a3−6)を、円筒型遠心分離機(超遠心分離機ASM260FH、ローター容積7.7L、巴工業株式会社製)に0.8L/分の送液速度で供給し、20000Gの遠心加速度で連続的に遠心分離処理を行い、水性顔料分散体(a4−6)を得た。前記ローターの容積に対する組成物(a3−6)の供給量(体積)の比率[組成物(a3−6)の供給量(体積)/ローターの容積]×100は、2100%で行った。
(実施例7)
前記組成物(a3−6)の工程[3]のローターの容積に対する前記組成物(a3−4)の供給量(体積)の比率[組成物(a3−6)の供給量(体積)/ローターの容積]×100を2100%から5700%に変更したこと以外は、実施例6と同様の方法で水性顔料分散体(a4−7)を得た。
(インクジェット印刷用水性インクの製造方法)
実施例及び比較例で得られた各水性顔料分散体とイオン交換水と混合することによって、顔料濃度が6質量%の水性顔料分散体の希釈液を得た。
次に、8.0質量部の2−ピロリジノン、8.0質量部のトリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、3.0質量部のグリセリン、0.5質量部のサーフィノール440(エアープロダクツ社製)、30.5質量部のイオン交換水を含む混合液と、前記水性顔料分散体の希釈液50質量部とを混合撹拌することによって、顔料濃度が3質量%のインクジェット印刷用水性インクを得た。
〔体積平均粒子径の測定方法〕
実施例及び比較例で得られた水性顔料分散体をイオン交換水で下記の倍率で希釈したものを測定試料とした。前記測定試料の25℃における体積平均粒子径を、粒度分布測定装置(日機装株式会社製:Microtracモデル名Nanotrac−UPA150)を用いて測定した。
Figure 2020105441
〔粗大粒子数の測定方法〕
実施例及び比較例で得られた水性顔料分散体をイオン交換水で希釈したものを測定試料とした。前記測定試料に含まれる直径0.5μm以上の粗大粒子の数を、個数カウント方式粒度分布計(Particle Sizing Systems社製:アキュサイザー780APS)を用いて測定した。前記方法で測定された粗大粒子の数に、前記希釈倍率を乗じることによって、実施例及び比較例の水性顔料分散体1mLに含まれる粗大粒子数を算出した。なお、水性顔料分散体の希釈倍率は、毎秒当たりに検出器を通過する粒子径0.5μm以上の粗大粒子数が1000〜4000個/mlとなるように希釈を行った。
〔水性顔料分散体の経時的な粗大粒子の発生の有無の評価方法(保存安定性)〕
製造直後の水性顔料分散体に含まれる粗大粒子の数を、上記した方法で測定した。
次に、前記水性顔料分散体をポリプロピレン容器に密封し60℃条件下に4週間静置した。
次に、前記静置後の水性顔料分散体に含まれる粗大粒子の数を、上記した方法で測定した。
次に、前記静置前後の粗大粒子数の変化率(%)を、[(前記静置後の水性顔料分散体に含まれる粗大粒子数)/(製造直後の水性顔料分散体に含まれる粗大粒子数)×100]に基づき算出し、下記基準にしたがって評価した。
○ 前記変化率が10%未満
△ 前記変化率が10%以上20%未満
× 前記変化率が20%以上
〔インクジェット印刷用水性インクの経時的な粗大粒子の発生の有無の評価方法(保存安定性)〕
製造直後のインクジェット印刷用水性インクに含まれる粗大粒子の数を、上記した方法で測定した。
次に、前記インクジェット印刷用水性インクをポリプロピレン容器に密封し60℃条件下に4週間静置した。
次に、前記静置後のインクジェット印刷用水性インクに含まれる粗大粒子の数を、上記した方法で測定した。
次に、前記静置前後の粗大粒子数の変化率(%)を、[(前記静置後のインクジェット印刷用水性インクに含まれる粗大粒子数)/(製造直後のインクジェット印刷用水性インクに含まれる粗大粒子数)×100]に基づき算出し、下記基準にしたがって評価した。
○ 前記変化率が10%未満
△ 前記変化率が10%以上20%未満
× 前記変化率が20%以上
〔インクジェット印刷用水性インクに含まれる顔料等の経時的な沈降の有無の評価方法(沈降性)〕
実施例及び比較例で得たインクジェット印刷用水性インクを10mL容量のガラスバイアルに入れ、密封して25℃の条件下に2週間静置した。
前記静置後、前記ガラスバイアルを倒置した際に、前記ガラスバイアルの壁面に前記顔料等の沈降物の付着を目視で観察し、下記基準にしたがって評価した。
○ ガラスバイアルの壁面に顔料等の沈降物の付着が確認できなかった。
△ ガラスバイアルの壁面に顔料等の沈降物の付着が認められた。
× ガラスバイアルの壁面に顔料等の沈降物の付着が顕著に認められた。
〔インクジェット印刷用水性インクの初期吐出安定性〕
製造直後のインクジェット印刷用水性インクの吐出安定性を、市販のインクジェットプリンターENVY4500(HP社製)を用いて評価した。前記インクジェット印刷用水性インクを、ブラックカートリッジに充填し、ノズルチェック用パターンを印刷した(1回目)。次に、モノクロモードでA4用紙1枚の340cmの範囲に、印刷濃度設定100%でベタ印刷をした。次に、ノズルチェックテスト用パターンを再度印刷した(2回目)。前記1回目と2回目のノズルチェックテスト用パターンを比較することによって、インク吐出ノズルの目詰まり状態を評価した。
◎ 1回目及び2回目のノズルチェックテスト用パターンのいずれにおいても、印刷パターンの欠けが発生しなかった
○ 1回目のノズルチェックテスト用パターンで確認された印刷パターンの欠けの数と、2回目のノズルチェックテスト用パターンで確認された印刷パターンの欠けの数とが同一であった。
△ 1回目のノズルチェックテスト用パターンで確認された印刷パターンの欠けの数よりも、2回目のノズルチェックテスト用パターンで確認された印刷パターンの欠けの数の方が1〜5個多かった。
× 1回目のノズルチェックテスト用パターンで確認された印刷パターンの欠けの数よりも、2回目のノズルチェックテスト用パターンで確認された印刷パターンの欠けの数の方が6個以上多かった。
〔インクジェット印刷用水性インクの経時吐出安定性〕
製造直後のインクジェット印刷用水性インクを、ブラックカートリッジに充填し、常温下で4週間静置した。
次に、市販のインクジェットプリンターENVY4500(HP社製)を用いて評価した。前記インクジェット印刷用水性インクを、ブラックカートリッジに充填し、ノズルチェック用パターンを印刷した(1回目)。次に、モノクロモードでA4用紙1枚の340cmの範囲に、印刷濃度設定100%でベタ印刷をした。次に、ノズルチェックテスト用パターンを再度印刷した(2回目)。前記1回目と2回目のノズルチェックテスト用パターンを比較することによって、インク吐出ノズルの目詰まり状態を評価した。
◎ 1回目及び2回目のノズルチェックテスト用パターンのいずれにおいても、印刷パターンの欠けが発生しなかった。
○ 1回目のノズルチェックテスト用パターンで確認された印刷パターンの欠けの数と、2回目のノズルチェックテスト用パターンで確認された印刷パターンの欠けの数とが同一であった。
△ 1回目のノズルチェックテスト用パターンで確認された印刷パターンの欠けの数よりも、2回目のノズルチェックテスト用パターンで確認された印刷パターンの欠けの数の方が1〜5個多かった。
× 1回目のノズルチェックテスト用パターンで確認された印刷パターンの欠けの数よりも、2回目のノズルチェックテスト用パターンで確認された印刷パターンの欠けの数の方が6個以上多かった。
Figure 2020105441
Figure 2020105441
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Claims (8)

  1. バイオレット顔料、グリーン顔料及びオレンジ顔料からなる群より選ばれる1種以上を含む顔料と樹脂とを含有する不揮発分50質量%以上の組成物(a1)を、混練することによって混練物(a2)を製造する工程[1]、少なくとも前記混練物(a2)と水性媒体とを混合することによって組成物(a3)を製造する工程[2]、及び、前記組成物(a3)を30℃〜70℃の範囲内で遠心分離処理する工程[3]を有することを特徴とする水性顔料分散体の製造方法。
  2. 前記工程[3]が円筒型遠心分離装置を用いる工程である請求項1に記載の水性顔料分散体の製造方法。
  3. 前記工程[3]は、前記組成物(a3)である25℃での粘度が13mPa・s以下の組成物を、円筒型遠心分離装置で、遠心分離処理する工程である請求項1に記載の水性顔料分散体の製造方法。
  4. 前記工程[3]は、前記円筒型遠心分離装置が備えるローターに前記組成物(a3)を供給し、前記組成物(a3)の温度を30℃〜70℃の範囲内に維持して行う工程であって、前記ローターの容積に対する前記組成物(a3)の供給量(体積)の比率[組成物(a3)の供給量(体積)/ローターの容積]×100が1000%〜8000%であり、かつ、前記円筒型遠心分離装置の遠心加速度が8000G〜20000Gの範囲である請求項2または3に記載の水性顔料分散体の製造方法。
  5. 前記工程[1]で使用する混練装置が、閉鎖型混練装置である請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性顔料分散体の製造方法。
  6. 前記混練装置がプラネタリーミキサーである請求項5に記載の水性顔料分散体の製造方法。
  7. 前記工程[2]は、前記混練物(a2)に対して前記水性媒体を供給し不揮発分を10質量%〜30質量%の範囲に調整する工程である請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性顔料分散体の製造方法。
  8. 前記組成物(a1)が少なくとも顔料と樹脂と塩基性化合物と水溶性有機溶剤とを含有するものである請求項1〜7のいずれか1項に記載の水性顔料分散体の製造方法。
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