JP2007146152A - 水性顔料分散液及びインクジェット記録用インク - Google Patents

水性顔料分散液及びインクジェット記録用インク Download PDF

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Abstract

【課題】耐水性、耐光性、発色性に優れ、高温での長期保存安定性、高光沢を同時に実現するバイオレット色の水性顔料分散液の製造方法を提供する。
【解決手段】(a)C.I.ピグメントバイオレット23、(b)酸価50〜300mgKOH/gのスチレン−アクリル酸系共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、(d)水、及び(e)湿潤剤を含有する混合物を混練し、着色混練物を製造する混練工程と、前記着色混練物をメディアを用いた分散機で水性媒体中に分散する分散工程を有し、前記混練工程において、(b)/(a)の質量比が0.15〜0.45の範囲、混練工程の前半における(d)/(a)の質量比が0.04〜0.42の範囲であり、分散工程中の被分散物の粘度変化が10%以内である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、バイオレット顔料を用いた水性顔料分散液の製造方法、及び該水性顔料分散液の製造方法を用いて製造された水性顔料分散液を主成分として含有するインクジェット記録用インクに関する。
水性インクは、油性インクのような火災の危険性や変異原性などの毒性を低減できるため、産業用途以外のインクジェット記録用途の主流となっている。係る水性インクとしては、安定性が高く、ノズル目詰まりが少なく良好な発色性を有し高画質の印刷を可能とすることから、着色剤として染料が用いられてきたが、染料は、画像の耐水性、耐光性に劣るという問題があった。特に印刷物が産業用として野外にて、また屋内であっても長期間観賞用として使用される機会の増加に伴って、インクジェット記録用インクにより形成された絵柄に優れた耐水性、耐光性が要求されている。
この問題を解決するため、染料から顔料への転換が活発に図られている。しかし、顔料インクは優れた耐水性、耐光性が期待できるが、顔料の凝集・沈降に伴うノズル目詰まりが発生しやすい。そこで、高分子系の分散剤を用いて顔料を水性媒体中に分散させ、良好な分散安定性や、インクジェット記録を行う時の良好な吐出性を得る方法が検討されている。
特に近年、カラー印刷に使用されてきたブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクに加え、レッド、バイオレットなどの色調を有するインクを用いることにより、印刷画像の色域を拡大させ良好な色再現を得る検討がなされている。このため従来の基本4色に加えて、それ以外の特色と呼ばれる色調についても、顔料を用いて、インクジェット記録用インクにより形成された絵柄の耐水性、耐光性向上を行う試みがなされている。
そのような特色のための色調の一つとして紫色がある。そして発色と耐光性に優れたバイオレット顔料として、C.I.ピグメントバイオレット23があり、C.I.ピグメントバイオレット23を用いた、インクジェット記録用インクが報告されている(特許文献1、特許文献2参照)。
こうした顔料をインクジェット用インクに適用する場合、特に50℃以上の高温条件でもインクの液中で分散した顔料粒子の平均粒径や粘度を長時間維持できる高い安定性が重視され、特にサーマルジェット記録方式のインクジェットプリンターを用いたインクジェット記録を行う場合には、そのような高温保存安定性が必須である。しかし、C.I.ピグメントバイオレット23は、他の顔料に比して、分散樹脂として良好に使用されるアニオン性基を有する樹脂、例えばスチレン−アクリル酸系樹脂が顔料表面から脱離し易く、上記特許文献1または2に記載された方法で作製されたインクジェエト記録用インクでは、必ずしも十分な安定性が得られない。
特許文献1に記載された方法では、分散剤としてスチレン−(メタ)アクリル酸系水溶性樹脂を用いてC.I.ピグメントバイオレット23を分散させている。分散はサンドミルを使用して行われているが、該分散に先立つ混練工程は存在しない。このためもともと樹脂が脱離しやすいC.I.ピグメントバイオレット23の顔料表面への樹脂被覆が強固には行われず、樹脂が脱離し易いために十分な分散安定性を確保することができない。
また特許文献2には混練工程を用いた水性顔料分散液の製造方法が記載されており、該製造方法に適した装置、分散剤等が記載されている。また使用しうる顔料としてC.I.ピグメントバイオレット23も例示され、樹脂にスチレン−アクリル酸系樹脂を用いている。しかし、C.I.ピグメントバイオレット23を用いた水性顔料分散液の製造については実施例が明示されておらず、他の顔料に比較して、C.I.ピグメントバイオレットの顔料表面からは、スチレン−アクリル酸系樹脂が極めて脱離しやすいにもかかわらず、その特殊性を考慮した具体的な検討もなされていない。したがって該顔料を用いた水性顔料分散液の製造方法に対して、特に混練工程における原料の選定や配合の最適化、あるいは工程条件の検討は未だなされていない。このため高温における長期保存安定性を十分に満たすためには、開示された製造方法では不十分であった。
このようにC.I.ピグメントバイオレット23は良好な耐光性を有するにもかかわらず、従来の製造方法では、樹脂をC.I.ピグメントバイオレット23の顔料表面に強固に付着させておくことができず、良好な分散安定性を有するインクジェット記録用インクを形成することができなかった。このため高温における長期保存安定時に凝集を発生することが多く、特にサーマルジェット記録法によって印刷や画像の形成を行う用途に用いた時、十分な吐出安定性や保存安定性、及び光沢を発現させることができなかった。
特開2004−217765号公報(実施例1) 特開2004−143316号公報(段落0055)
本発明の目的は、耐水性、耐光性、発色性に優れ、その上で高温での長期保存安定性、高光沢を同時に実現するバイオレット色の水性顔料分散液の製造方法を提供することであり、インクジェット記録用インク、特にサーマルジェットプリント方式のインクジェット記録用プリンターに適したインクジェット記録用インクを提供すること、及び該インクの製造に用いられる水性顔料分散液の製造方法を提供することである。
本発明者らは、このような状況に鑑み、鋭意検討した結果、C.I.ピグメントバイオレット23と、スチレン−アクリル酸系共重合体、アルカリ金属水酸化物、水及び湿潤剤を用い、それら構成原料を特定の範囲の比率で混合した後、特定の工程条件における混練工程と分散工程を経ることによって、顔料表面からスチレン−アクリル酸共重合体の脱離しやすいC.I.ピグメントバイオレット23を用いたときも、良好な分散安定性を有する水性顔料分散液を作製することができ、上述の課題を達成できることを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明は、(a)C.I.ピグメントバイオレット23、(b)酸価50〜300mgKOH/gのスチレン−アクリル酸系共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、(d)水、及び(e)湿潤剤を含有する混合物を混練し、着色混練物を製造する混練工程と、前記着色混練物を水性媒体で稀釈し、メディアを用いた分散機で水性媒体中に分散する分散工程を有する水性顔料分散液の製造方法であって、前記混練工程において、(b)/(a)の質量比が0.15〜0.45の範囲、混練工程の前半における(d)/(a)の質量比が0.04〜0.42の範囲であり、被分散物の分散工程中の粘度変化が10%以内であることを特徴とする水性顔料分散液の製造方法を提供するものである。
さらに本発明は上記水性顔料分散液の製造方法によって製造された水性顔料分散液を、主成分として含有するインクジェット記録用インクを提供する。
なお、本発明において、混練工程前半とは、混練工程の開始時点から全混練時間の半分の時間の経過時点までをいう。
本発明によれば、耐光性と発色性に優れたC.I.ピグメントバイオレット23を顔料として使用しており、個々の顔料粒子が樹脂によって良好に被覆されるため、耐水性、耐光性、発色性に優れ、その上で高温での長期保存安定性、高光沢を同時に実現するバイオレット色の水性顔料分散液を製造することができる。また、この水性顔料分散液を用いることにより、インクジェット記録用インク、特にサーマルジェットプリント方式のインクジェット記録用プリンターに適したインクジェット記録用インクを製造することができる。
本発明の水性顔料分散液の製造方法は、まず第1に(a)C.I.ピグメントバイオレット23、と(b)スチレン−アクリル酸系共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、(d)水、及び(e)湿潤剤を含有する混合物を混練する混練工程を設け、さらに(b)/(a)の質量比を0.15〜0.45の範囲、(d)/(a)の質量比を混練工程の前半において0.04〜0.42の範囲と、その混練条件を顔料であるC.I.ピグメントバイオレット23に対して最適に調整している。このことにより、顔料の解砕と、解砕された顔料表面のスチレン−アクリル酸系共重合体による被覆が同時に、極めて効率的に進行し、顔料表面に樹脂が強固に吸着した着色混練物が形成される。本発明においては樹脂/顔料の比率を適正に設定しているため、C.I.ピグメントバイオレット23の着色力を良好に維持しつつ、該顔料表面を樹脂が十分に被覆する。また顔料の吸着力を上回る過剰の樹脂が水性媒体中に残存して、水性顔料分散液の保存安定性を低下させることがない。さらにまた本発明においては混練工程における水/顔料の比率を規定して、アルカリ金属水酸化物の水溶液を形成するに必要な水以外は添加量を抑制し、混練物の粘度調整は主に湿潤剤で行うことにより、結果的に強力な剪断力の発生を可能とし、顔料表面へのスチレン−アクリル酸系共重合体の強固な吸着を達成した。
このため、該着色混練物をメディアを用いた分散機で水性媒体中に分散し、容易に該着色混練物を、個々の樹脂被覆された顔料粒子を含む水性顔料分散液へと変換することができる。
さらに本発明の水性顔料分散液の製造方法においては、分散工程中の被分散物の粘度変化が10%以内であることを特徴とする。分散工程中の粘度変化が小さい条件で分散工程を行うことにより、混練工程でC.I.ピグメントバイオレット23の表面に対して吸着したスチレン−アクリル酸系共重合体は、再度顔料表面から脱離することがなく、顔料を伴わない樹脂として水性媒体中に溶解したり分散したりすることがない。したがってそのような樹脂が顔料の凝集を起こし分散安定性を低下させたり、ノズルの内壁に吸着してインク吐出不良の原因となったりすることがない。
このように分散工程中の粘度変化を10%以内に抑えることが重要である理由としては、既述のようにC.I.ピグメントバイオレット23の表面から、スチレン−アクリル酸系共重合体が剥離し易く、安定的に吸着する量が少ないことがあげられる。このためはじめから樹脂の配合量を極めて低減させて混練を行うが、分散工程中における概共重合体の剥離が、被分散物に10%を超える粘度変化を発生させるほど進行してしまうと、もともと少量であるC.I.ピグメントバイオレット23の表面に残存する樹脂量が減少してしまい、表面を安定的に被覆できなくなると考えられる。
そして上記混練工程と分散工程を有する製造方法を用いることが、特にC.I.ピグメントバイオレット23の高温保存安定性に極めて顕著な効果を発揮する。
このため上記製造方法を用いて製造された水性顔料分散液から作製されたインクジェット記録用インクは、サーマルジェット方式のインクジェット記録用プリンターに良好に適用することができる。
本発明の製造方法においては、混練工程の前半のみならず全工程において前記(d)水/(a)C.I.ピグメントバイオレット23の質量比を0.04〜0.42の範囲において行うことが、インクジェット記録用インクを作製したときにより一層良好な高温保存安定性を有する点において好ましい。
本発明の水性顔料分散液の製造方法においては、(b)スチレン−アクリル酸系共重合体/(a)C.I.ピグメントバイオレット23の質量比と、(d)水/(a)C.I.ピグメントバイオレット23の質量比を特定の範囲に規定する他、(e)湿潤剤/(a)C.I.ピグメントバイオレット23の質量比を0.15〜0.60の範囲とすることによって、水性顔料分散液から製造したインクジェット記録用インクの高温保存安定性がさらに向上し好ましい。
本発明の水性顔料分散液の製造方法において、(b)スチレン−アクリル酸系共重合体は全モノマー単位の総量に対して60質量%以上のスチレン系モノマー単位及び6000〜40000の重量平均分子量を有すると、水性顔料分散液の分散性、及び該水性顔料分散液から作製したインクジェット記録用インクの分散安定性、及び吐出性が向上し好ましい。
また前記混練工程に続く分散工程としては、分散工程後における粒径1μm以上の粗粒の数が、15〜100千万個/mLであることが水性顔料分散液から製造したインクジェット記録用インクの高温保存安定性がさらに向上し好ましい。
本発明の水性顔料分散液を製造する方法は、固形の着色混練物を作製する混練工程、これに続くメディア分散機による分散工程を含むが、遠心分離工程を有することが好ましい。混練工程では、凝集状態にある顔料粒子の表面をスチレン−アクリル酸系共重合体で被覆しながら、凝集体の解砕を進行させる。分散工程では顔料の分散を一層完全なものとし、微分散顔料粒子とする。遠心分離工程では、分散工程で十分に分散できなかった粗粒成分を除去することで、その平均分散粒径を一層小さくすることができる。
また、分散工程の後に遠心分離を行うことによって、該水性顔料分散液から作製したインクジェット記録用インクが優れた耐水性、耐光性、発色性、光沢、高温での長期保存安定性に加え、優れた吐出性を発現する水性顔料分散液を製造することができる。以下、各工程別にその内容を説明する。
1.混練工程
混練工程では、(a)C.I.ピグメントバイオレット23、(b)スチレン−アクリル酸系共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、(d)水、及び(e)湿潤剤を必須成分として形成された粘土状の混合物に対して強い剪断力を与えながら混練をおこなう。本混練工程において顔料の解砕及び顔料表面の樹脂被覆が良好に行われるための、強力な剪断力を混合物に加えるためには、顔料に合わせて混合物の固形分比を適宜調整することが必要なことは当然であるが、本発明においてはさらに(b)スチレン−アクリル酸系共重合体/(a)C.I.ピグメントバイオレット23の質量比と、(d)水/(a)C.I.ピグメントバイオレット23の質量比とを特定範囲に規定している。特にC.I.ピグメントバイオレット23を顔料として用いる場合には、顔料表面へスチレン−アクリル酸系共重合体を強固に固着させるために、顔料と水の比率を特定の範囲に調整することが必要であり、さらに好ましくは、顔料と湿潤剤の比率を特定の範囲とすることが好ましい。さらに混練機からの強力な剪断力で、顔料の解砕と顔料表面の樹脂被覆が良好に進行するためには、スチレン−アクリル酸系共重合体におけるスチレン系モノマー単位の比率と、重量平均分子量とを特定範囲に規定することが重要である。
このように規定して混練工程を行うことによって、解砕が良好に進行して微粒子化が進むと共に、スチレン−アクリル酸系共重合体は混練工程で強固に顔料表面に吸着する。そして顔料を被覆した樹脂は着色混練物を水性媒体中に分散させる工程で、さらに顔料表面から剥離することが少ない。このため固形混練物が分散される過程においても固形混練物を構成する個々の顔料の被覆状態が維持される。
本発明の製造方法の混練工程においては(b)スチレン−アクリル酸系共重合体/(a)C.I.ピグメントバイオレット23の質量比は前述のとおり、0.15〜0.45の範囲とする。当該比率がこの範囲の下限値より少ないと樹脂分が不足して顔料凝集物の被覆が不十分となり易く、顔料同士の凝集が起こりやすくなる。またインクジェット記録用組成物を形成し、印刷物を作製したときの光沢が不足するといった不具合を生じる傾向がある。またこの範囲の上限値より大きいと、発色が不十分になる、分散安定性が低下するといった不具合を生じ易い。樹脂の量は顔料を被覆する最低限に留めることが好ましく、顔料表面に固着しない樹脂が水性顔料分散液中や、インク中に存在する比率を出来るだけ低下させることが好ましく、(b)/(a)の値は0.15〜0.35が好ましい。特にサーマルジェットタイプのインクジェット記録用インクにおける使用を念頭においた、高温保存安定性を良好に保つためには(b)/(a)の値は重要である。
(c)アルカリ金属水酸化物に関しては、これを中和率として80〜120%となる範囲で用いるのが好ましい。この際、アルカリを水で予め均一に希釈した水溶液を添加することにより、混練工程の混合物に対し(c)アルカリ金属水酸化物と(d)水の添加を行うと、極めて作業性が良い。
(d)水の量は、混練工程の前半において(d)/(a)の質量比が0.04〜0.42の範囲となるように調整を行うが、0.05〜0.03となる範囲で混練を行うことが好ましく、0.05〜0.20となる範囲で混練を行うことがより好ましい。該質量比が0.04より少ないとアルカリが十分溶解せず、樹脂が中和されずに固体のままで顔料と相互作用しなくなる。また、該質量比が0.42を超えると、そもそも混練物の粘度の低下を招いてしまい、混練工程において十分な剪断力が混練物に働かなくなる。またスチレン−アクリル酸系共重合体が水中に出やすくなり、C.I.ピグメントバイオレット23の表面に効率的に吸着されにくくなる。特に概共重合体の配合量を混練の当初から低減させているときは、水の添加量による影響が大きい。
このため水の添加量としてはアルカリ金属水酸化物の水溶液を形成するのに必要な量以外は添加を抑制することが好ましく、混練物の粘度調整を主に(e)湿潤剤で行うことが好ましい。
本発明において混練工程前半とは、全混練時間の半分の時間の経過時点までであり、この時間内における(d)/(a)の調整が重要である。混練開始後2特間以内に(d)/(a)を上記範囲に維持することがさらに好ましく、混練開始後1時間以内では(d)/(a)を0.06〜0.15の範囲とすることがさらに好ましい。通常水性顔料分散液を製造する際の混練工程においては、混練工程の後半に徐々に水を添加して混練を進行させることが行われ、添加する水の量は特に規定されない。しかし顔料がC.I.ピグメントバイオレット23の場合には、混練の全行程を通じて0.04〜0.42の上記範囲内に水の添加量を抑えることが、より顔料表面に樹脂が強固に吸着するので好ましい。こうすると安定性確保に有益な樹脂、即ちスチレンアクリル酸系共重合体による顔料の被覆が充分に進行し、かつC.I.ピグメントバイオレットの顔料表面に該樹脂が強固に固着する。
(e)湿潤剤の量は、(e)湿潤剤/(a)C.I.ピグメントバイオレット23の質量比が 0.15〜0.6となる範囲が好ましい。該比率がこの範囲の下限値より少ないと、顔料と樹脂との相互作用が不十分となり、顔料凝集物の解砕と顔料表面の被覆が進み難い傾向にあり、また、またこの範囲の上限値より大きいと、混練物の粘性が低減してしまい、十分なせん断力が顔料に加わらず、顔料の解砕が充分に進行し難い傾向にある。
混練工程に用いる装置としては、ロールまたは攪拌翼を有する、公知慣用の混練設備を用いることが可能であるが、なかでも攪拌槽と攪拌翼を有する加圧ニーダー、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサーが好ましく、さらに攪拌翼が自公転できる型の混練装置が好適である。その代表例として、加圧ニーダー、プラネタリーミキサを挙げることができ、対応する粘度領域の広い点、混練温度を低温度化できる点で後者が特に好ましい。
特にプラネタリーミキサーによる混練の効果を満足に得る為には、容量20〜100リッターのプラネタリーミキサーで自転回転数20〜40rpm、公転回転数7〜30rpmの条件で、混練時間として300分以上、好ましくは340分以上が必要である。より好ましくは容量50リッターのプラネタリーミキサーであれば、自転回転数30〜40rpm、公転回転数20〜30rpmが好ましく、回転数はプラネタリーミキサーの大きさによって上記範囲から周速がほぼ等しくなる範囲で適宜さらに最適な範囲を設定することが出来る。また、温度条件として70〜120℃、好ましくは80〜105℃を例示できる。該温度範囲より低温で行うと、樹脂と顔料の相互作用が不十分となり易く、該範囲より高温でおこなうと樹脂の熱による分解を引き起こし易い。
次いで、こうして得た混練物に、混練後の後処理である稀釈操作として、水を緩やかな速度で添加して、分散工程で用いる分散機の適正粘度に応じて顔料濃度を10〜40質量%に調製することが好ましく、特に20〜30質量%とするとより好ましい。稀釈時の水の添加速度は、水/顔料の質量比の増大速度にして通常、0.005/分〜0.2/分である。これに対して、混練工程で水を添加するときの添加速度は、水/顔料の質量比の増大速度として0.002/分以下であり、希釈時(レットダウン時)のそれに比し、十分に遅くすることが好ましい。
稀釈操作の際、必要に応じて、有機溶媒や防腐剤や抑泡剤、消泡剤などが共に添加されても良い。この希釈操作は混練に用いた装置の攪拌槽のなかでそのまま行われてよく、また別の容器へ移送後に行われてもよく、両者を適宜組み合わせることも可能である。また稀釈操作が円滑に進行するために、混練工程終了後の着色混練物の固形分比は50〜80質量%が好ましい。固形分比が80質量%を超えると混練後の稀釈操作に長時間を要する傾向にあり、固形分比が50質量%未満では混練時に強力な剪断力が発生しにくい傾向がある。稀釈操作によって15mPa・s以下の粘度に調製し、分散工程に移行することが好ましい。
2.分散工程
かくして得た混合物を、メディアを用いた分散機で水性媒体中に分散させ、顔料であるC.I.ピグメントバイオレット23の分散を促進させる。この工程で重要な点は、過度な分散をおこなうと、樹脂と顔料の良好な相互作用を低下させ、顔料表面を強い相互作用で被覆した樹脂が顔料表面から脱離することである。樹脂が脱離した顔料表面は、他の顔料と集合体を形成しやすく、また経時的な凝集を起こしやすく分散安定性に悪影響を及ぼす。特にC.I.ピグメントバイオレット23は顔料表面から樹脂が脱離し易く、顔料同士の吸着が特に高温領域で進行しやすい。
これらを防止するためには混練工程でスチレン−アクリル酸系共重合体をできるだけ強固に顔料に吸着させ、安定な被覆状態を形成した後は、被覆状態を崩さないように穏やかな分散工程で水性媒体中に分散させることが好ましい。
このような分散条件を実現するためには、基本的に分散工程中の粘度変化が10%以内であるように分散を行うことが必要である。このように分散工程中に粘度変化が無いときは、分散粒子の小粒径化等は進行するものの、基本的に顔料表面から樹脂が脱離することはほとんどなく、分散液中に、顔料に吸着せずに存在している樹脂の量に変わりはないものと考えられる。例えば、混練工程で十分に解砕を進行させて顔料の微粒子化を行い、分散工程では樹脂被覆され微粒子化された顔料の固体着色混練物を、個々の構成顔料粒子へ解きほぐすだけに留まるような、分散条件を設定することが好ましい。かりに分散工程終了後に粗粒が水性分散液内に残留したとしても、遠心分離工程で除去が可能である。一方、樹脂が脱離した微粒子は凝集を引き起こしやすく、水性分散液の保存安定性を低下させるが、一度このような顔料粒子が出来てしまうと、もはや遠心分離工程で除去を行うことは不可能である。このような顔料粒子同士は当初は分散していても、経時とともに凝集して、水性顔料分散液の保存安定性を低下させる。特に高温保存時は凝集の進行が早くなるため、サーマルジェット方式のインクジェット記録用プリンターへの適用が不可能となる。
かかる理由で、分散工程では、粒径1μm以上の粒子(以降、粗粒と記す)が15〜100千万個/mLの範囲とすることが好ましく、25〜100千万個/mLであることがさらに好ましい。粗粒が該範囲の下限値未満となるところまで分散工程による剪断力を強く設定し、あるいは分散時間を長く設定して分散工程を行うと、上記樹脂の脱離による凝集が生じやすくなる。一方上記範囲の上限値を超える粗粒が存在するときは、粗粒が多すぎ、吐出性や光沢に悪影響を及ぼす傾向がある。しかし分散安定性確保の観点では、むしろ分散工程で粗粒を強力に解砕し、粗粒量を極端に低減することの方が好ましくない。分散工程においては解砕による顔料の微粒子化は極力行わず、固体混練物の解きほぐしに留めておいて、残留する粗粒は遠心分離工程で除去するようにすることが好ましい。
分散工程における分散液の粘度は過度な分散により顔料表面から脱離した樹脂が液相へ溶解することにより上昇するが、分散工程中における粘度変化(粘度上昇)を10%以下にすることが必要である。粘度は顔料濃度にも依存するが、分散工程後の分散液の粘度が顔料濃度が10質量%のとき5.0mPa・s以下であることが好ましく、顔料濃度が20質量%のとき5.0mPa・s以下であることがさらに好ましい。これらの、分散工程後の分散液の粗粒の数や粘度によって、最終的にインクジェット記録用インクを調整したときの分散液の安定性を推測することができる。
かかる分散は通常、0〜50℃の範囲で行えるが温度は特に限定されない。具体的には連続式ビーズミルを用いた場合、既述の混練工程を行った後にビーズの充填率を約80体積%にして、1〜5分間、好ましくは2〜4分間の滞留時間でおこなうと上記の範囲内の粗粒濃度を得ることが容易である。
分散工程に使用されるメディアを用いた分散機としては、サンドミル、ペイントシェーカー、ボールミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、スパイクミル、アジテーターミル、ピンミル等を挙げることができる。
分散工程における粘度上昇は溶剤の蒸発によっても起こりうる。しかし通常、メディアを用いた分散機において、分散媒であるメディアと被分散物の混在する分散領域は、供給口と排出口を除いては準密閉構造となっており、溶剤の蒸発は少ないと考えられる。このため、溶剤の揮散による粘度上昇は基本的に考慮不要である。
なお、本発明においてメディアとは、分散体機中にて、被分散質と共存させ、これを破砕するビーズ等の媒介物のことであり、分散メディアともいう。
3.遠心分離工程
上記工程の後に遠心分離をおこなうことで、残留した粗粒を低減でき、より吐出特性に優れたインクを与える水性顔料分散液が得られる。遠心分離工程後の水性顔料分散液中の粒径1μm以上の粗粒濃度は1千万個/mL以下に抑えることが好ましい。遠心分離操作は慣用の遠心分離設備で実施されてよく、5000〜30000Gの遠心力で、10〜70℃の温度、2〜10分の時間の条件の中で適宜最適な条件を設定して行うことができる。また遠心分離操作は繰り返し行われてもよい。また遠心分離工程の後にろ過の工程を用いることも可能である。得られた遠心分離工程後の水性顔料分散液中の顔料濃度は10〜20質量%であることが好ましい。
遠心分離工程を活用することによって、顔料に固着した樹脂が脱離するような強い分散条件で分散工程を行わないために、かりに粗大粒子が水性顔料分散液中に残存したとしても、これを効果的にとりのぞくことが出来る。
こうして得られた水性顔料分散液は通常、平均粒径が100nm程度の微分散した顔料分散粒子を含み、該水性顔料分散液より、インクジェット記録用インクを常法により調製することができる。
以下に上記水性顔料分散液の製造工程において使用する各原料について記載する。
本発明で用いる顔料である(a)C.I.ピグメントバイオレット23は、発色と耐光性に優れており、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの基本4色を補助するインクジェット用顔料として優れている。C.I.ピグメントバイオレット23の粒径は電子顕微鏡観察により得られる平均粒径が200nm以下であることが好ましく、100nm以下であるとさらに好ましい。粒径が200nmを超えると、これを含むインクの吐出性に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明において用いられる(b)スチレン−アクリル酸系共重合体は、その構成モノマーとして少なくともスチレン系モノマーと、アクリル酸及びメタクリル酸のうちの一種以上を含み、好ましくはスチレン系モノマー、アクリル酸、メタクリル酸を全て含んでいる。該スチレン−アクリル酸系共重合体は、構成モノマー組成比において、スチレン系モノマー単位の、全モノマー単位の総量に対する割合が60質量%以上であることが好ましく、60〜90質量%の範囲であることが一層好ましい。特に、スチレン系モノマー単位とアクリル酸モノマー単位とメタクリル酸モノマー単位の和が全モノマー単位の総量に対して95質量%以上であることが好ましい。
スチレン系モノマー単位の量が60質量%未満であると、(a)C.I.ピグメントバイオレット23への(b)スチレン−アクリル酸系共重合体の親和性が不充分となり易く、分散安定性が低下する傾向があり、又得られるインクジェット記録用インクを用いた普通紙記録特性が劣化し易く、画像記録濃度が低下する傾向がある。また耐水特性も低下しやすい。スチレン系モノマー単位の量が90質量%より多いと、(b)スチレン−アクリル酸系共重合体の水性媒体に対する溶解性が低下し、水性顔料分散液における顔料の分散性や分散安定性が低下する傾向にあり、インクジェット記録用インクに適用した場合の印字安定性が低下しやすい。
本発明で使用するスチレン−アクリル酸系共重合体を構成するスチレン系モノマー単位としては、公知の化合物を用いることができる。例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−エチルスチレン、α−ブチルスチレン、α−ヘキシルスチレンの如きアルキルスチレン、4−クロロスチレン、3−クロロスチレン、3−ブロモスチレンの如きハロゲン化スチレン、更に3−ニトロスチレン、4−メトキシスチレン、ビニルトルエン等を挙げることができる。
これらスチレン系モノマーのなかでもアルキルスチレンモノマーを用いることが好ましく、スチレンモノマーを用いることが最も好ましい。
本発明の水性顔料分酸液に使用する(b)スチレン−アクリル酸系共重合体の酸価は50〜300である。酸価が50より小さいと親水性が小さくなり、顔料であるC.I.ピグメントバイオレット23の分散安定性が低下する傾向がある。一方酸価が300より大きいと顔料の凝集が発生し易くなり、またインクを用いた印字物の耐水性が低下する傾向がある。酸価の値としては60〜250が好ましく、70から200の範囲であることがさらに好ましい。なお、酸価は、試料1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で表され、その単位は、mgKOH/gである。
(b)スチレン−アクリル酸系共重合体はその構成モノマーとして、アクリル酸とメタクリル酸を併用すると、樹脂合成時のランダム共重合性が向上して、樹脂の溶解性を向上させる効果があり好ましい。
(b)スチレン−アクリル酸系共重合体には、スチレン系モノマー、アクリル酸、メタクリル酸以外で、これらのモノマーと重合可能なモノマーが成分量として5質量%未満含まれていても良い。このようなモノマーの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-メチルブチル(メタ)アクリレート、2-エチルブチル(メタ)アクリレート、3-メチルブチル(メタ)アクリレート、1,3-ジメチルブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;2-エトキシエチルアクリレート、3-エトキシプロピルアクリレート、2-エトキシブチルアクリレート、3-エトキシブチルアクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチル-α-(ヒドロキシメチル)アクリレート、メチル-α-(ヒドロキシメチル)アクリレートのような(メタ)アクリル酸エステル誘導体;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸アリールエステル類及び(メタ)アクリル酸アラルキルエステル類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ビスフェノールAのような多価アルコール、多価フェノールのモノ(メタ)アクリル酸エステル類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルのようなマレイン酸ジアルキルエステル等を挙げることができる。これらのモノマーはその1種又は2種以上をモノマー単位として添加することができる。
本発明において用いられる(b)スチレン−アクリル酸系共重合体の重量平均分子量は6,000〜40,000の範囲である。重量平均分子量は7,500〜30,000の範囲内にあることが好ましく、7,500〜12,000の範囲内にあることがより好ましい。重量平均分子量が6,000未満であると、(a)C.I.ピグメントバイオレット23の初期の分散小粒径化は容易であるが、分散液の長期保存安定性が悪くなる傾向にあり、C.I.ピグメントバイオレット23の凝集などによる沈降が発生する場合がある。
(b)スチレン−アクリル酸系共重合体の重量平均分子量が40,000を超えると、これを用いた水性顔料分散液から調製したインクジェット記録用インクの粘度が高くなって、インクの吐出安定性が損なわれる傾向にある。
本発明において用いられる(b)スチレン−アクリル酸系共重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体の何れであっても良い。グラフト共重合体としてはポリスチレンあるいはスチレンと共重合可能な非イオン性モノマーとスチレンとの共重合体が幹又は枝となり、アクリル酸、メタクリル酸とスチレンを含む他のモノマーとの共重合体を枝又は幹とするグラフト共重合体をその一例として示すことができる。(b)スチレン−アクリル酸系共重合体は、上述の共重合体とランダム共重合体の混合体であってもよい。
本発明の水性顔料分散液において、(a)C.I.ピグメントバイオレット23、100質量部に対する、(b)スチレン−アクリル酸系共重合体の含有量は既述のように15〜45質量部である。20〜40質量部であるとさらに好ましい。(b)スチレン−アクリル酸系共重合体の含有量が15質量部未満であると、水性顔料分散液の分散安定性が低下するとともに水性顔料分散液を用いてインクジェット記録用インクにしたとき、耐摩擦性が低下する傾向にあり、45質量部を超えた場合は、インクジェット記録用インクの粘度が高くなりすぎる傾向が認められる。特にC.I.ピグメントバイオレット23は顔料表面から樹脂が脱離し易く、インクの粘度が上昇しやすいので、スチレン−アクリル酸系共重合体は顔料表面を被覆するための必要最低限であることが好ましい。
本発明において用いられる(c)アルカリ金属水酸化物は、スチレン−アクリル酸系共重合体の酸基の一部を中和し、混練工程で樹脂を軟化させ、樹脂による顔料の被覆過程を円滑にするとともに、樹脂被覆された顔料の分散性を良好にする、アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を例示でき、特に水酸化カリウムが好ましい。また、(c)アルカリ金属水酸化物の添加量は、(b)スチレン−アクリル酸系共重合体の酸価に基づき、中和率として80〜120%となる範囲であることが好ましい。
中和率を80%以上と設定すると、水性媒体中の分散速度の向上、分散安定性、保存安定性の点から好ましい。また中和率を120%以下と設定することは、長期保存時におけるゲル化を防ぐ点においても、インクによって作製した印字物の耐水性の点でも好ましい。
なお本発明において、中和率とはアルカリ金属水酸化物の配合量がスチレン−アクリル酸系共重合体中の全カルボキシル基を中和するのに必要な量に対して何%(何倍)であるかを示す数値であって、以下の式で計算される。
Figure 2007146152
本発明において用いられる製造方法において、水はイオン交換水あるいはイオン交換水と同等にまで、不純物の低減された水を使用することが好ましい。
本発明の水性顔料分散液における(d)水の含有量は、3〜50質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。この下限値未満では、乾燥防止効果が不充分となる傾向にあり、上限値を超えると、分散液の分散安定性が低下する傾向にある。
本発明において用いられる(e)湿潤剤としては公知慣用のものが使用でき、例えばグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-へキサンジオール、1,2,6-へキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール類;2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、ε-カプロラクタム等のラクタム類;1,3-ジメチルイミダゾリジン等が挙げられる。これら湿潤剤は高沸点のため、混練工程において揮散することなく、安定した混練条件が維持される。また本来湿潤剤はインクジェット記録用インクの組成の一部であるため、混練終了後も留去する必要が無く、そのまま分散工程以降の工程へと移行することが可能である。
以上の原料を用いて製造される水性顔料分散液からインクジェット記録用水性インクを作製するには、前記水性顔料分散液をさらに水、湿潤剤等の水性媒体で適宜稀釈して作製することができる。
本発明のインクジェットインク用水性顔料分散液から調製するインクジェット記録用インクに占める、C.I.ピグメントバイオレット23の量は、十分な画像濃度を得る必要性と、インク中での分散粒子の分散安定性を確保するために、2〜10質量%であることが好ましい。
水性顔料分散液を希釈する水性媒体には湿潤剤が配合されていると、インクジェット記録用インクにおいて、乾燥防止、粘度調整、濃度調整に寄与するため好ましい。水性媒体としては上述の水性顔料分散液用の着色混練物を分散するために用いたものと同様のものを例示することができる。乾燥防止を目的とする湿潤剤のインク中の含有量は3〜50質量%であることが好ましい。
また、インクジェット記録用インクを調製する場合、被記録媒体への浸透性改良や記録媒体上でのドット径調整を目的として浸透剤を添加することができる。
浸透剤としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、エチレングリコールヘキシルエーテルやジエチレングリコールブチルエーテル等のアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物やプロピレングリコールプロピルエーテル等のアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。インク中の浸透剤の含有量は0.01〜10質量%であることが好ましい。
インクジェット記録用インクを調製する場合、表面張力等のインク特性を調整するために、界面活性剤を添加することができる。これらの界面活性剤は、単独で用いることもでき、また、2種類以上を混合して用いることもできる。また、界面活性剤の溶解安定性等を考慮すると、そのHLB(Hydrophile-Lipophile Balance)は、7〜20の範囲であることが好ましい。
界面活性剤を添加する場合は、その添加量はインクジェット記録用インクの全質量に対し、0.001〜1質量%の範囲が好ましく、0.001〜0.5質量%であることがより好ましく、0.01〜0.2質量%の範囲であることが更に好ましい。界面活性剤の添加量が0.001質量%未満の場合は、界面活性剤添加の効果が得られない傾向にあり、1質量%を超えて用いると、画像が滲む等の問題を生じやすくなる。
本発明のインクジェットインク用水性顔料分散液を用いてインクジェット記録用インクを調製する場合は、必要に応じて防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等をも添加することができる。
インクジェット記録用インクを調製する場合は、粗大粒子が、ノズル詰まり、その他の画像特性を劣化させる原因になるため、インク調製後に、遠心分離、あるいは濾過処理等により粗大粒子を除去してもよい。
このインクジェット記録用インクは、インクジェット記録用のインクとして好適に用いることができる。適用するインクジェットの方式は特に限定するものではないが、荷電制御型、スプレー型等の連続噴射型、ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式等のオンデマンド型、等の公知のものを例示することができる。中でも、サーマルインクジェット記録方式のプリンターに使用することが好ましい。
以下に、実施例を用いて、本発明をさらに詳しく説明する。
以下の合成例、実施例、比較例において、「部」及び「%」は「質量部」及び
「質量%」を示す。
<合成例1>
撹拌装置、滴下装置、還流装置を有する反応容器にメチルエチルケトン100部を仕込み、攪拌しながら反応容器内を窒素置換した。反応容器内を窒素雰囲気に保ちながら加温し、メチルエチルケトン還流状態とした後、滴下装置からスチレン77部、アクリル酸10部、メタクリル酸13部及び重合触媒 (和光純薬工業社製/「V−59」)8部の混合液を2時間かけて滴下した。なお滴下の途中より、反応系の温度を75℃に保った。
滴下終了後、同温度でさらに25時間反応を続けた。なお、反応の途中において、原料の消費状況を確認しながら、適宜、重合触媒を追加した。反応終了後、放冷しメチルエチルケトンを加えて固形分濃度50%のアニオン性基を有するスチレン−アクリル酸共重合体(A−1)の溶液を得た。スチレン−アクリル酸共重合体(A−1)の酸価は152mgKOH/g、重量平均分子量は11500であった。
なお、本発明における重量平均分子量は、GPC(ゲル・浸透・クロマトグラフィー)法で測定される値であり、標準物質として使用するポリスチレンの分子量に換算した値である。なお測定は以下の装置及び条件により実施した。
送液ポンプ:LC−9A
システムコントローラー:SLC−6B
オートインジェクター:S1L−6B
検出器:RID−6A
以上島津製作所社製
データ処理ソフト:Sic480IIデータステーション(システムインスツルメンツ社製)。
カラム:GL−R400(ガードカラム)+GL−R440+GL−R450+GL−R400M(日立化成工業社製)
溶出溶媒:THF
溶出流量:2ml/min
カラム温度:35℃
<合成例2>
合成例1において、スチレン77部、アクリル酸10部、メタクリル酸13部をスチレン73部、アクリル酸10部、メタクリル酸15部にかえて重合を行い、8800の重量平均分子量、184mgKOH/gの酸価を有するスチレン−アクリル酸共重合体(A−2)を得た。
<実施例1>
〈水性顔料分散液の調製〉
スチレン−アクリル酸共重合体(A−1) 150部
C.I.ピグメントバイオレット23 500部
(Hostaperm Violet RL Spec.クラリアント社製)
8N水酸化カリウム水溶液 67.1部
ジエチレングリコール 260部
上記配合の混合物を作製し、50L容量のプラネタリーミキサー(井上製作所製PLM-V-50V)に投入し、自転回転数35rpm、公転回転数24rpmで360分間混練を行った。20分後に、混合物が纏まり、棒状となりそのままを続けた。この間の消費電流値は6〜12アンペアで攪拌翼の回転周期に応じて増減を繰り返した。これは混合物が極めて高粘度の半固形であるために、容器内部に均一に分布せず、攪拌翼が、混合物を周期的にせん断する毎に大きな力がこれに加わることによる。
360分経過後、レットダウン操作として、水/顔料質量比の増大速度として平均約0.015/分となる速度で添加し、顔料濃度が29.3質量%の均一な混合物を得た。
得られた混合物をステンレスドラムに移送し、
イオン交換水 1162部
ジエチレングリコール 220部
を加え、攪拌モーターで均一に混合したものを、ビーズミル(浅田鉄工(株)製ナノミルNM-G-2L)に通じ、20℃の温度、2.5分の滞留時間で分散し分散物を得た。
次いで、この分散物を、連続式遠心分離機(国産遠心器(株)製 H-600S、2L容量)に通じ、25℃の温度、18900Gの遠心力、10分間の滞留時間で、連続的に遠心分離行い、14.8%の顔料濃度を有する水性顔料分散液を得た。
<実施例2>
実施例1において、混練開始後0〜180分に、15部のイオン交換水、同180〜360分(レットダウン前)に更に35部の水を水/顔料の質量比の増大速度にして0.002/分以下で添加する操作を加えた以外は、実施例1と同様にして、14.5%の顔料濃度を有する水性顔料分散液を得た。
<実施例3>
実施例1のスチレン−アクリル酸共重合体(A−1)にかえて、スチレン−アクリル酸共重合体(A−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、14.7%の顔料濃度を有する水性顔料分散液を得た。
<実施例4>
実施例1において、混練開始後180〜360分間(レットダウン前)に、205.7部のイオン交換水を、水/顔料の質量比の増大速度にして0.002/分以下で添加する操作を加えた以外は、実施例1と同様にして、14.4%の顔料濃度を有する水性顔料分散液を得た。
<実施例5>
実施例1において、ビーズミルでの滞留時間2.5分を0.8分とした以外は、実施例1と同様にして、14.5%の顔料濃度を有する水性顔料分散液を得た。
<実施例6>
実施例1において、ビーズミルでの滞留時間2.5分を4.0分とした以外は、実施例1と同様にして、14.5%の顔料濃度を有する水性顔料分散液を得た。
<比較例1>
実施例1において、8Nの水酸化カリウム水溶液(関東化学製)67.1部に代えて、水酸化カリウム(粒状、関東科学製)22.8部を用いた以外は実施例1と同様にして、14.8%の顔料濃度を有する水性顔料分散液を得た。
<比較例2>
実施例1において、混練開始後0〜120分に、205.7部のイオン交換水を、水/顔料の質量比の増大速度にして0.002/分以下で添加する操作を加えた以外は、実施例1と同様にして、14.4%の顔料濃度を有する水性顔料分散液を得た。
<比較例3>
実施例1において、ビーズミルでの滞留時間2.5分を0.2分とした以外は、実施例1と同様にして、14.6%の顔料濃度を有する水性顔料分散液を得た。
<比較例4>
実施例1において、ビーズミルでの滞留時間2.5分を6.0分とした以外は、実施例1と同様にして、14.6%の顔料濃度を有する水性顔料分散液を得た。
上記の実施例と比較例について、以下の評価方法で特性を評価した。
A.分散工程条件の測定
<粘度の評価>
混練工程において作製された固形着色混練物を稀釈操作し、分散工程開始時の粘度と終了時の粘度から分散工程中の粘度変化を測定した。測定には、東機産業(株)製TV-22を用い、3mLの試料の粘度を、100rpmの回転数、25℃の温度条件にて測定した。
B.水性顔料分散液の特性測定
<粗粒の定量>
上記の実施例、比較例で得られた水性顔料分散液を、イオン交換水で100倍に希釈し、サイジングシステムズ製のアキュサイザー780APS粒度分析装置に通じ、1μm以上の粗粒の個数を求め、稀釈前の1mL中の個数に換算した。測定は分散工程後と遠心分離工程後に行った。
<分散性評価>
各実施例、比較例で得られた水性顔料分散液中の顔料の粒径及び粘度を測定した。なお、粒径は「マイクロトラックUPA150」(リージ・アンド・ノースラップ(Leeds & Northrup)社製)を用い、体積平均粒径を水性分散液の粒径として測定した。粘度はE型粘度計(TVE−20L、トキメック社製)を用いて25℃にて測定した。
C.インクジェット記録用インキ適性の評価
<吐出性の確認/光沢の評価>
上記の実施例、比較例で得られた水性顔料分散液を用いて、以下の配合によりインクジェット記録用インクを調製した。
水性顔料分散液 5.52部
2-ピロリジノン 1.60部
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 1.60部
サーフィノール440 (日信化学工業(株)) 0.10部
グリセリン 0.60部
イオン交換水 10.58部
調製したインクを、インクジェットプリンターEM−930C (EPSON社製)のブラックカートリッジ位置に搭載し、記録媒体としてPremiun Glossy Photo Paper (EPSON社製)を用いて、95%画像濃度の記録を行い、得られた画像の光沢を「micro-TRI-gloss」(BYK-Gardner社製)を用いて、20°の角度のグロス値として測定した。
なお、いずれの実施例、比較例の水性顔料分散液から作製したインクであっても、光沢測定用の画像は良好に形成することができ吐出性が良好であることが確認できた。
<安定性評価>
光沢の評価で調製したインクを、90℃の温度条件下で12週間静置し、静置前後の粒径の変化を調べ、安定性の指標とした。
なお本発明では耐水性、耐光性に優れる着色剤である顔料のなかでも、特に耐光性の良好なC.I.ピグメントバイオレット23を用いており、印刷された画像の耐水性、耐光性は、すべての実施例、比較例について良好であった。
(表1)
Figure 2007146152
(表1において、V23は、C.I.ピグメントバイオレット23を表す。)
表1に示すように、(a)C.I.ピグメントバイオレット23、(b)酸価50〜300mgKOH/gのスチレン−アクリル酸系共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、(d)水、及び(e)湿潤剤を含有する混合物を分散して水性顔料分散液を製造する製造方法であって、(b)/(a)の質量比を0.15〜0.45の範囲、(d)/(a)の質量比を混練の前半で0.04〜0.42の範囲で混練する混練工程を有する実施例1〜6の製造方法で製造された水性顔料分散液は、粒径1μm以上の粗粒が少なく、かつ100nm程度の微小な体積平均粒径を有している。また該水性顔料分散液を主成分として含有するインクジェット記録用インクは、比較例と比して高温保存時の安定性が良好で粒径変化率が小さい。実施例4においては混練工程後半において水を添加したため、やや混練時のシェアが低下したため、高温保存時の粒径変化率が大きくなっている。実施例6では分散時間を4分に延ばしたため、分散工程後の粗粒個数は小さな値に留まっているが、分散時間を長くした分、樹脂の脱離による水性顔料分散液の粘度上昇が大きくなる。高温保存時の粒径変化率も実施例1〜実施例3で作製したインクより高い値を示していて、高温保存時の熱安定性がやや低下するのがわかる。一方、分散時間を0.8分と短縮した実施例5においては、分散工程後の粗粒個数はそれほど増大せず同程度に抑えられている。実施例5では工程中の粘度変化が小さく抑えられ、実施例1〜3と同等の小粒径、低粘度の水性顔料分散液が作製されており、光沢の良好な画像を形成することができる。実施例5は実施例1と同様の良好な混練条件で混練工程をおこなっているため、分散工程の時間を実施例実施例1〜実施例3の三分の一程度にしても、分散後の粗粒は増加せず、高温保存時の分散安定性も実施例とほぼ同等のものが得られる。むしろ分散工程が短い分だけ、樹脂の脱離は小さく、分散工程中の粘度変化は極めて小さくなっている。
これに対して(d)/(a)の質量比が前記範囲を下回る比較例1では、混練工程における顔料の解砕が不十分で粗粒の比率が高く、インクジェット記録用インクを形成したときの画像の光沢も極めて低い。また、共重合体による顔料の被覆が不十分なため高温保存安定性にも劣っている。(d)/(a)の質量比が全混練時間の前半において前記範囲を上回る比較例2の場合には、混練工程における剪断力の不足から顔料の解砕が進まず、分散工程後も粗粒を微粒子化できない。また遠心分離工程後も多くの数の粗粒が残存する。
また混練工程で剪断力が不足するため共重合体による顔料被覆が不十分で比較例1ほどではないが高温保存安定性が悪い。また分散工程にかける時間を長くした比較例4においては、水性顔料分散液の初期特性は低下していないが、該水性顔料分散液から作製したインクジェット記録用インクを高温にて保存したときの粒径変化率が大きく、安定性が低下していることがわかる。一方分散工程にかける時間を極端に短くした比較例3においては、粗粒の除去が行われにくくなり、画像を形成したときの光沢が低下する。
なお、混練工程の後半より水を添加し(d)/(a)の質量比を前記範囲を超える値とした実施例4においては、各特性は低下するものの比較例1、2に比べるとはるかに良好な特性を維持している。このことから特に混練工程の前半における(d)/(a)の管理が重要であることがわかる。
本発明の製造方法は、耐水性、耐光性、発色性に優れ、その上で高温での長期保存安定性、高光沢を同時に実現するバイオレット色の水性顔料分散液を製造することができ、かつ、この水性顔料分散液は、インクジェット記録用インク、特にサーマルジェットプリント方式のインクジェット記録用プリンターに適したインクジェット記録用インクを製造することができるため、産業上有用である。

Claims (8)

  1. (a)C.I.ピグメントバイオレット23、(b)酸価50〜300mgKOH/gのスチレン−アクリル酸系共重合体、(c)アルカリ金属水酸化物、(d)水、及び(e)湿潤剤を含有する混合物を混練し、着色混練物を製造する混練工程と、前記着色混練物をメディアを用いた分散機で水性媒体中に分散する分散工程を有する水性顔料分散液の製造方法であって、前記混練工程において、(b)/(a)の質量比が0.15〜0.45の範囲、混練工程の前半における(d)/(a)の質量比が0.04〜0.42の範囲であり、分散工程中の被分散物の粘度変化が10%以内であることを特徴とする水性顔料分散液の製造方法。
  2. 前記混練工程の全工程において、前記(d)/(a)の質量比が0.04〜0.42の範囲である請求項1に記載の水性顔料分散液の製造方法。
  3. (e)/(a)の質量比が0.15〜0.60の範囲である請求項1に記載の水性顔料分散液の製造方法。
  4. (b)スチレン−アクリル酸系共重合体は全モノマー単位の総量に対して60質量%以上のスチレン系モノマー単位、及び6000〜40000の重量平均分子量を有する請求項1に記載の水性顔料分散液の製造方法。
  5. 前記分散工程の後に遠心分離を行う遠心分離工程を有する請求項1に記載の水性顔料分散液の製造方法。
  6. 前記分散工程は分散工程後における粒径1μm以上の粗粒の数が、15〜100千万個/mLである請求項1に記載の水性顔料分散液の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の水性顔料分散液の製造方法によって製造された水性顔料分散液を、主成分として含有するインクジェット記録用インク。
  8. 前記インクジェット記録用インクは、サーマルジェットプリント方式のインクジェット記録用プリンターに用いられるものである請求項7に記載のインクジェット記録用インク。
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