JP2000109787A - パラフィン類用のゲル化剤及びゲル化方法 - Google Patents

パラフィン類用のゲル化剤及びゲル化方法

Info

Publication number
JP2000109787A
JP2000109787A JP10283812A JP28381298A JP2000109787A JP 2000109787 A JP2000109787 A JP 2000109787A JP 10283812 A JP10283812 A JP 10283812A JP 28381298 A JP28381298 A JP 28381298A JP 2000109787 A JP2000109787 A JP 2000109787A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paraffins
acid
aluminum
gelling
paraffin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10283812A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadafumi Nanba
貞文 難波
Hiroshi Kamoi
博 鴨井
Yutaka Shioda
豊 潮田
Hiroyuki Shimada
宏幸 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HOPE SEIYAKU KK
Original Assignee
HOPE SEIYAKU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HOPE SEIYAKU KK filed Critical HOPE SEIYAKU KK
Priority to JP10283812A priority Critical patent/JP2000109787A/ja
Publication of JP2000109787A publication Critical patent/JP2000109787A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fats And Perfumes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動パラフィンに代表されるパラフィン類用
のゲル化剤及びそのゲル化方法を提供する。 【解決手段】 2−エチルヘキサン酸アルミニウムと脂
肪酸とを有効成分として含有することを特徴とするパラ
フィン類用のゲル化剤、及び該ゲル化剤を用いることを
特徴とするパラフィン類のゲル化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動パラフィンに
代表されるパラフィン類のゲル化方法に関し、特にイン
キ、塗料、電気電子、機械、建設、金属、自動車、潤滑
油、切削加工、医薬品、医薬部外品、化粧品、農業、畜
産、林業、水産、食品、化学、繊維、高分子、ゴム等の
加工分野等で利用されているパラフィン類に適用するこ
とができるパラフィン類のゲル化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、前記産業分野において、例えばイ
ンキや塗料用溶剤、化学反応の溶剤、潤滑油、熱媒、粘
度調整剤、顔料保持剤、希釈液などとして種々の油が用
いられている。これら油類を増粘、ゲル化する機能を有
するものとして、シリカ、合成スメクタイト、12−ヒ
ドロキシステアリン酸、金属石鹸、ジベンジリデンソル
ビトール、N−アシルグルタミン酸誘導体等が知られて
いる。また、吸油性高分子としてメタクリレート系架橋
重合体(特開昭50−15882号公報)、アクリル酸
エステル架橋重合体(特開平4−41538号公報)、
ポリノルボルネン(特開平3−221582号公報)、
スチレンーブタジエン共重合体(特開平7−10223
8号公報)等がある。
【0003】これらのうち、無機系ゲル化剤は、安価で
はあるが添加量が多く分離沈降性が高い。また、吸油性
高分子は油のみの選択吸油性能が高いものの高粘度潤滑
油等には適さず高価である。そのため、その使用はリサ
イクルして使用できる場合か、海上流出油などの漏洩処
理のような特殊な用途に提案されている。
【0004】一般的な増粘ゲル化剤としては、12−ヒ
ドロキシステアリン酸、ジベンジリデンソルビトール、
アミノ酸誘導体、アルミニウム石鹸等があるが、これら
は全て固体であるために分散性が悪く、加熱溶解させて
ゲル化させている。また、常温でゲル化させるため特殊
な有機溶剤に溶解させて使用する方法も提案されている
( 特開昭63−90599号公報、特開昭63−128
093号公報、特開平6−80986号公報)。
【0005】例えば、酢酸ビニルの共重合体と脂肪酸等
の組み合わせで廃食用油を20℃で分散溶解させて1時
間を要してゲル化している例(特開平8−127797
号公報)、2種類の(メタ)アクリレートと架橋剤の水
性懸濁重合体微粒子による膨潤性吸油剤(特開平6−1
66725号公報)は、トルエン、灯油については1〜
2分で膨潤するものの、菜種油の場合には45分を要し
ている。
【0006】また、特に機械油、潤滑油、切削油、動植
物油等のように粘度の高い油を常温で増粘、ゲル化する
方法があまりなかった。例えばポリビニルアルコール水
溶液とホウ酸の組み合わせ(特開平4−122796号
公報)もあるが、油100gをゲル化すると200g以
上のように体積が倍以上になる欠点を有している。ま
た、ジアミノシクロヘキサンのアミド誘導体やウレア誘
導体による有機液体のゲル化又は固化剤(特開平8−4
8965号公報、特開平8−231942号公報)の場
合は、60℃以上で加熱溶解した後冷却固化させてい
る。このように加熱固化するタイプは、固化物を攪拌す
るとぺ一スト状となり溶剤を分離する傾向があった。
【0007】以上述べたように、増粘ゲル化剤が種々提
案されているが、飽和炭化水素化合物を主成分とする有
機溶剤類、特に、パラフィン類の簡便な透明ゲル化方法
は知られていなかった。
【0008】アルミニウム石鹸は増粘ゲル化剤としてよ
く知られているが一般的に知られているステアリン酸ア
ルミニウムは、溶剤に対する溶解性が悪い。80℃以上
で加熱溶解し、冷却後は白濁不透明ながら固化するが、
経時で分離する傾向があるなど、パラフィン系溶剤には
向いていなかった。また、2 一エチルヘキサン酸アルミ
ニウムも一般的な溶剤に対しては容易にゲル化して透明
になるが、パラフィン系溶剤をゲル化することは困難で
あった。オクチル酸アルミニウムと高級脂肪酸アルミニ
ウムとを併用するか或いはオクチル酸アルミニウム中の
オクチル酸を高級脂肪酸で置換したものをゲル化剤とし
て用いる方法(特開平10−43282号公報)も提案
されているが、実用的でなく、この他にも容易なゲル化
手段は提案されていない。
【0009】本発明者らは、2−エチルヘキサン酸アル
ミニウムによる各種溶剤のゲル化についてすでに種々提
案している。その一つに、動植物油脂類に2−エチルヘ
キサン酸アルミニウムと不飽和脂肪酸を有効成分として
添加することで、常温でゲル化することを提案した(特
開平9−316436号公報)。
【0010】近年、化学物質が人体に与える影響に関し
て感心が高まってきている。そのうち、有機溶剤ではベ
ンゼンが発癌性物質に指定されていることはよく知られ
ているところである。そこで、より安全性を高めるため
に、種々の産業分野において飽和炭化水素化合物を主成
分とする有機溶剤類への転換が試みられている。ところ
が、非芳香族系溶剤、中でも飽和炭化水素系溶剤は芳香
族系溶剤に比べて溶解力や分子の極性が小さいことや或
いは化学的に安定であることなどから、従来と同様の薬
剤や処方では目的とする物性が得られず新たな対応を迫
られている産業分野もある。このような流れを背景にし
て、飽和炭化水素化合物を主成分とする有機溶剤、特
に、パラフィン類の増粘、ゲル化技術の開発が強く望ま
れてきている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、人体
に与える悪影響が少ないと考えられ、今後も各種産業分
野において使用されると考えられる飽和炭化水素化合物
を主成分とする有機溶剤類、特にパラフィン類をより簡
便にゲル化するゲル化剤とそのゲル化方法を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明者らは鋭意研究の結果、2−エチルヘキサン
酸アルミニウムと特定の脂肪酸とを用いることにより飽
和炭化水素化合物を主成分とする有機溶剤類、特にパラ
フィン類を増粘、ゲル化し得ることを見い出し本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、つぎの各発明
を包含する。
【0013】(1)2−エチルヘキサン酸アルミニウム
と脂肪酸を有効成分としてなるゲル化剤を用いることを
特徴とする、パラフィン類のゲル化方法。 (2)前記脂肪酸が炭素数8〜24である飽和脂肪酸及
び/又は不飽和脂肪酸である(1)項に記載のパラフィ
ン類のゲル化方法。 (3)パラフィン類100重量部に対して2−エチルヘ
キサン酸アルミニウム0.1〜100重量部と脂肪酸
0.1〜100重量部とを添加することにより、該パラ
フィン類をゲル化することを特徴とする(1)項又は
(2)項に記載のパラフィン類のゲル化方法。 (4)パラフィン類が、ノルマルパラフィン、イソパラ
フィン、流動パラフィン、パラフィンワックスなどの飽
和炭化水素を主成分とするパラフィン類であることを特
徴とする(1)項、(2)項又は(3)項に記載のパラ
フィン類のゲル化方法。
【0014】(5)2−エチルヘキサン酸アルミニウム
と脂肪酸を有効成分として含有することを特徴とする、
パラフィン類用のゲル化剤。 (6)前記脂肪酸が炭素数8〜24である飽和脂肪酸及
び/又は不飽和脂肪酸である(5)項に記載のパラフィ
ン類用のゲル化剤。 (7)パラフィン類が、ノルマルパラフィン、イソパラ
フィン、流動パラフィン、パラフィンワックスなどの飽
和炭化水素を主成分とするパラフィン類であることを特
徴とする(5)項又は(6)項に記載のパラフィン類用
のゲル化剤。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明によれば、2−エチルヘキ
サン酸アルミニウムと脂肪酸とを用いることにより、パ
ラフィン類のうち常温で液状であるものならば常温で増
粘、ゲル化することができ、また常温で固体であるもの
は液状になるよう加熱された条件下で増粘、ゲル化する
ことができる。その増粘、ゲル化物を塗料、インキ、潤
滑油、接着剤、粘着剤、高分子、ゴム、化粧品、医薬
品、農業分野等の基剤、もしくは製剤とすることがで
き、又、利用することができる。あるいは廃溶剤、廃食
用油、廃潤滑油、廃金属加工油等のいわゆる廃油を対象
とすることができる。
【0016】本発明の方法で使用できる脂肪酸とは、炭
素数が8〜24である飽和及び/又は不飽和脂肪酸であ
る。例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、ウ
ンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸な
どが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらは一種及び/又は複数種で用いることがで
き、さらには、溶剤等で希釈されたものでもよい。
【0017】本発明でゲル化対象とするパラフィン類と
しては、ノルマルペンタン、ノルマルヘキサン、ノルマ
ルデカン、ノルマルトリデカン、ノルマルテトラデカ
ン、ノルマルヘキサデカン、イソオクタン、イソドデカ
ン、シクロペンタン、シクロヘキサンのような一種から
なるものや、主として直鎖飽和炭化水素からなるノルマ
ルパラフィン、分枝鎖状飽和炭化水素を多く含むイソパ
ラフィン、主としてアルキルナフテンからなる流動パラ
フィン、主として炭素数25から35程度の直鎖炭化水
素混合物のパラフィンワックス等が挙げられるが、これ
らに限定されるものものではない。また、ポリブテンは
末端に二重結合を持つ合成高分子の炭化水素であるが、
このように一部オレフィンを含むような化合物も対象と
する。さらには、水素添加処理のように化学的にオレフ
ィン類をアルカンに、芳香族種を飽和環状炭化水素に変
性させたものも対象とすることができる。
【0018】本発明では、パラフィン類100重量部に
2−エチルヘキサン酸アルミニウムを0.1〜100重
量部、脂肪酸を0.1〜100重量部添加してもよい
が、2−エチルヘキサン酸アルミニウム0.1〜30重
量部、脂肪酸0.1〜30重量部の範囲で添加するのが
経済的にも好ましい。ただし、これらの範囲に限定され
るものではない。
【0019】本発明において、2−エチルヘキサン酸ア
ルミニウムはゲルを形成する主たる役割を担い、脂肪酸
は2−エチルヘキサン酸アルミニウムが有機溶剤に溶解
するのを助ける作用や架橋反応を起こすことを促進する
などの補助的役割を担うと考えられ、添加量は2−エチ
ルヘキサン酸アルミニウムの量を超えない範囲で十分で
あるが、必ずしも限定されるものではない。
【0020】また、上述のように脂肪酸が補助的な役割
を果たすことから、従来ゲル化剤としては2−エチルヘ
キサン酸アルミニウムに劣ると考えられてきた各種脂肪
酸のアルミニウム塩、例えば、ステアリン酸アルミニウ
ム、ラウリン酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウ
ム、ベヘニン酸アルミニウム、パルミチン酸アルミニウ
ム等が2−エチルヘキサン酸アルミニウムと脂肪酸がゲ
ルを形成するのを阻害しない範囲で2−エチルヘキサン
酸アルミニウムに混入されることができる。それは、例
えば2−エチルヘキサン酸アルミニウムとは別に脂肪酸
アルミニウムとして混入されてもよいし、又、2−エチ
ルヘキサン酸アルミニウムを製造する際に2−エチルヘ
キサン酸の一部が別の脂肪酸に置き換えられてもよい
し、例えば2−エチルヘキサン酸の一部が別の脂肪酸に
置き換えられて製造された主成分が2−エチルヘキサン
酸の脂肪酸アルミニウム塩に別の脂肪酸アルミニウムが
混入してもよい。もちろん混入される脂肪酸は一種類及
び/又は二種類以上の場合が考えられるがそのいずれで
もよい。
【0021】本発明において、パラフィン類のゲル化で
は、2−エチルヘキサン酸アルミニウムと脂肪酸とで常
温において透明ゲルが形成されるものもあるが、限定さ
れるものではない。すなわち、常温において不透明なゲ
ルを形成し、加熱により透明なゲルを形成するものもあ
る。また、常温においてゲルを形成せず、加熱により透
明及び/又は不透明なゲルを形成するものもある。さら
に、常温において固体状態のワックスのように加熱によ
り液状となるものにも効果がある。
【0022】本発明におけるパラフィン類のゲル化は、
パラフィン類の一種及び/又は二種以上を対象とするこ
とができるが、これらに限定されるものではない。すな
わち、パラフィン類を他の溶剤等に混在させてもよく、
また、接着剤、粘着剤、インキ、塗料、高分子あるいは
ゴム等に分散させたパラフィン類をゲル化する目的で混
在させることも可能である。
【0023】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、常温でのゲル形成の評価は、ゲル化剤添加後一昼夜
の後、ゲル化したものの評価を○とし、ゲル化しないも
のを×とした。また、加熱した場合の評価は、最高18
0℃まで加熱した際にその間にゲル化しないものを×と
し、加熱時にゲル化し、冷却後一週間ゲルに変化がみら
れなかったものを○とした。
【0024】各実施例等で使用した流動パラフィンは、
カネダ(株)製の商品名「ハイコールK−230」〔流
動パラフィン(70秒):13cSt(37.8
℃)〕、商品名「ハイコールK−350」〔流動パラフ
ィン(350秒):70cSt(37.8℃)〕であ
り、以下、単に「流動パラフィン(70秒)」、「流動
パラフィン(350秒)」を表示する。
【0025】実施例1 200mlビーカーに流動パラフィン(70秒)100
gを計り取り、攪拌しながら別に計り取った2−エチル
ヘキサン酸アルミニウム5.0gを徐々に加えていき、
15分間攪拌することで十分分散させた。これに、オレ
イン酸2.5gを加え1時間攪拌後静置した。この時点
ですでに増粘しており、2時間後には透明ゲルが形成さ
れていた。同様にして、種々の脂肪酸についてゲル化テ
ストしたものを表1 に示す。
【0026】
【表1 】
【0027】EHA:2−エチルヘキサン酸,OLA:
オレイン酸,StA:ステアリン酸,BeA:ベヘニン
酸,MHA:トリメチルヘキサン酸,UnA:ウンデシ
レン酸,LaA:ラウリン酸,iStA:イソステアリ
ン酸。
【0028】実施例2 200mlビーカーにノルマルデカン100gを計り取
り、攪拌しながら別に計り取った2−エチルヘキサン酸
アルミニウム5.0gを徐々に加えていき、15分間攪
拌することで十分分散させた。これに、オレイン酸2.
5gを加え1時間攪拌後静置した。この時点ですでに増
粘しており、翌日にはゲルが進行していた( 不透明ゲ
ル) 。加熱をしたが、少し白っぽさが残り、不透明であ
った。一週間後のゲルも安定であった。同様にして、そ
の他のパラフィン類に対して、2−エチルヘキサン酸ア
ルミニウムとオレイン酸を添加してゲル化テストしたも
のを表2及び表3に示す。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】表2及び表3中、「日石」は日本石油株式
会社製を表し、「日本精蝋」は日本精蝋株式会社製を表
す。また、EHA・Alは2−エチルヘキサン酸アルミ
ニウムを表す。
【0032】実施例3 200mlビーカーに流動パラフィン(350秒)10
0g計り取り、攪拌しながら別に計り取った2−エチル
ヘキサン酸アルミニウム3.0gとステアリン酸アルミ
ニウム2.0gとを徐々に加えていき、15分間攪拌す
ることで十分分散させた。これに、オレイン酸2.5g
を加え1時間攪拌後静置した。一昼夜の後も増粘のみで
固さや透明感が得られなかったので、加熱をしたところ
透明なゲルを形成した。このゲルは一週間後も安定であ
った。
【0033】実施例4 200mlビーカーに流動パラフィン(350秒)10
0gを計り取った。製造時に2−エチルヘキサン酸量を
100としたときの20重量部をステアリン酸に置き換
えて反応させた2−エチルヘキサン酸ステアリン酸混酸
アルミニウムを別に5.0g計り取り、攪拌しながら徐
々に加えていき、15分間攪拌することで十分分散させ
た。これにオレイン酸2.5gを加え1時間攪拌後静置
した。一昼夜の後も増粘のみで固さや透明感が得られな
かったので、加熱をしたところ透明なゲルを形成した。
このゲルは一週間後も安定であった。
【0034】比較例1 200mlビーカーに流動パラフィン(70秒)100
gを計り取り、攪拌しながらジベンジリデジソルビトー
ル5.0gを徐々に加えていき、15分間攪拌すること
で十分分散させた。一昼夜静置したが溶解せず沈降して
いたので、加熱して攪拌したが溶解しなかった。
【0035】比較例2 200mlビーカーに流動パラフィン(70秒)100
gを計り取り、攪拌しながら12−ヒドロキジステアリ
ン酸5.09gを徐々に加えていき、15分間攪拌する
ことで十分分散させた。一昼夜静置したが溶解せず沈降
していたので、加熱して撹絆すると、冷却後不透明なゲ
ルができた。このゲルに力を加えると、ゲルはくずれて
もとの形には戻らなかった。
【0036】比較例3 200mlビーカーに流動パラフィン(350秒)10
0gを計り取り、攪拌しながらアクリル酸系高分子であ
る「オレオソーブPW−170」〔(株)日本触媒社
製〕5.0gを徐々に加えていき、60分間攪拌し続け
た。その後一昼夜静置したところ、粒子が膨潤してゲル
状態になったが均一性がなく不透明であった。
【0037】比較例4 200mlビーカーに流動パラフィン(350秒)10
0gを計り取り、攪拌しながらスチレンーブタジエン系
高分子である「アルファゲル」〔(株)アルファジャパ
ン社製〕5.0gを徐々に加えていき、60分間攪拌し
続けた。その後一昼夜静置したところ、粒子が膨潤して
ゲル状態になったが不均一で分離をしていた。
【0038】比較例5 200mlビーカーに流動パラフィン(70秒)100
gをを計り取り、攪拌しながら別に計り取ったステアリ
ン酸アルミニウム5.0gを徐々に加えていき、15分
間攪拌することで十分分散させた。これに、オレイン酸
2.5gを加え1時間攪拌後静置した。一昼夜静置後に
ゲル化していないので、攪拌しながら70〜80℃に加
熱をしたところ不透明ながらゲルが形成された。しか
し、二日後位から流動パラフィンを吐き出しはじめ、一
週間後にはゲルがこわれていた。
【0039】比較例6 200mlビーカーに流動パラフィン(70秒)100
gを計り取り、攪拌しながら別に計り取ったラウリン酸
アルミニウム5.0gを徐々に加えていき、15分間攪
拌することで十分分散させた。これに、オレイン酸2.
5gを加え1時間攪拌後静置した。一昼夜静置後にゲル
化していないので、攪拌しながら70〜80℃に加熱を
したところ不透明ながらゲルが形成された。しかし、翌
日から流動パラフィンを吐き出しはじめ、一週間後には
ゲルがこわれていた。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、本発明はパラフィン
類をゲル化するための薬剤とその方法を提供するもので
あり、各実施例及び比較例から明らかなように、オクチ
ル酸アルミニウムと脂肪酸とを有効成分として併用する
ことにより、従来ゲル化が困難であったパラフィン類を
ゲル化することに顕著な効果を奏し得たものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H059 BA26 BA90 BB02 BB03 BB06 BC41 CA91 EA15 EA40

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−エチルヘキサン酸アルミニウムと脂
    肪酸を有効成分として含有するゲル化剤を用いることを
    特徴とする、パラフィン類のゲル化方法。
  2. 【請求項2】 前記脂肪酸が炭素数8〜24である飽和
    脂肪酸及び/又は不飽和脂肪酸である請求項1に記載の
    パラフィン類のゲル化方法。
  3. 【請求項3】 パラフィン類100重量部に対して2−
    エチルヘキサン酸アルミニウム0.1〜100重量部と
    脂肪酸0.1〜100重量部とを添加することにより、
    該パラフィン類をゲル化することを特徴とする請求項1
    又は2に記載のパラフィン類のゲル化方法。
  4. 【請求項4】 パラフィン類が、ノルマルパラフィン、
    イソパラフィン、流動パラフィン、パラフィンワックス
    などの飽和炭化水素を主成分とするパラフィン類である
    ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載のパラフィ
    ン類のゲル化方法。
  5. 【請求項5】 2−エチルヘキサン酸アルミニウムと脂
    肪酸を有効成分として含有することを特徴とするパラフ
    ィン類用のゲル化剤。
JP10283812A 1998-10-06 1998-10-06 パラフィン類用のゲル化剤及びゲル化方法 Pending JP2000109787A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10283812A JP2000109787A (ja) 1998-10-06 1998-10-06 パラフィン類用のゲル化剤及びゲル化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10283812A JP2000109787A (ja) 1998-10-06 1998-10-06 パラフィン類用のゲル化剤及びゲル化方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000109787A true JP2000109787A (ja) 2000-04-18

Family

ID=17670475

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10283812A Pending JP2000109787A (ja) 1998-10-06 1998-10-06 パラフィン類用のゲル化剤及びゲル化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000109787A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006063188A (ja) * 2004-08-26 2006-03-09 Toshiba Tec Corp インクジェット用油性インク組成物およびその製造方法
JP2006213545A (ja) * 2005-02-02 2006-08-17 Nof Corp 耐水性粒状爆薬組成物
JP2009120734A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Japan Energy Corp 蓄熱材組成物
JP2011052855A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Showa Denko Kk 蓄冷熱交換器およびその製造方法
WO2018207876A1 (ja) 2017-05-12 2018-11-15 日立化成株式会社 樹脂組成物、蓄熱材、及び物品
JP2019085452A (ja) * 2017-11-02 2019-06-06 アイシン化工株式会社 放熱成形体用組成物
WO2019221032A1 (ja) 2018-05-15 2019-11-21 日立化成株式会社 樹脂組成物、蓄熱材、及び物品
JP2020511484A (ja) * 2017-03-20 2020-04-16 トータル・マーケティング・サービシーズ バイオソースゲル化組成物
KR20210010446A (ko) 2018-05-15 2021-01-27 쇼와덴코머티리얼즈가부시끼가이샤 경화성 조성물, 경화성 조성물 세트, 축열재, 및 물품
KR20210038438A (ko) 2018-07-25 2021-04-07 쇼와덴코머티리얼즈가부시끼가이샤 아크릴 수지와 그 제조 방법, 수지 조성물 세트, 축열재 및 물품
JP2021123638A (ja) * 2020-02-04 2021-08-30 株式会社カネカ 蓄熱材の製造方法
KR20210141962A (ko) 2019-03-14 2021-11-23 쇼와덴코머티리얼즈가부시끼가이샤 경화성 조성물, 축열재, 및 물품
KR20220045144A (ko) 2019-08-09 2022-04-12 쇼와덴코머티리얼즈가부시끼가이샤 수지 조성물, 축열재, 및 물품
WO2024048146A1 (ja) * 2022-08-31 2024-03-07 三井金属鉱業株式会社 仮固定用組成物、接合構造体の製造方法及び仮固定用組成物の使用

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006063188A (ja) * 2004-08-26 2006-03-09 Toshiba Tec Corp インクジェット用油性インク組成物およびその製造方法
JP4634095B2 (ja) * 2004-08-26 2011-02-16 東芝テック株式会社 インクジェット用油性インク組成物およびその製造方法
JP2006213545A (ja) * 2005-02-02 2006-08-17 Nof Corp 耐水性粒状爆薬組成物
JP4622549B2 (ja) * 2005-02-02 2011-02-02 日油株式会社 耐水性粒状爆薬組成物
JP2009120734A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Japan Energy Corp 蓄熱材組成物
JP2011052855A (ja) * 2009-08-31 2011-03-17 Showa Denko Kk 蓄冷熱交換器およびその製造方法
JP2020511484A (ja) * 2017-03-20 2020-04-16 トータル・マーケティング・サービシーズ バイオソースゲル化組成物
US11352466B2 (en) 2017-05-12 2022-06-07 Showa Denko Materials Co., Ltd. Resin composition, heat storage material, and commodity
KR20200007785A (ko) 2017-05-12 2020-01-22 히타치가세이가부시끼가이샤 수지 조성물, 축열재 및 물품
WO2018207876A1 (ja) 2017-05-12 2018-11-15 日立化成株式会社 樹脂組成物、蓄熱材、及び物品
JP2019085452A (ja) * 2017-11-02 2019-06-06 アイシン化工株式会社 放熱成形体用組成物
WO2019221032A1 (ja) 2018-05-15 2019-11-21 日立化成株式会社 樹脂組成物、蓄熱材、及び物品
KR20210010446A (ko) 2018-05-15 2021-01-27 쇼와덴코머티리얼즈가부시끼가이샤 경화성 조성물, 경화성 조성물 세트, 축열재, 및 물품
KR20210010857A (ko) 2018-05-15 2021-01-28 쇼와덴코머티리얼즈가부시끼가이샤 수지 조성물, 축열재, 및 물품
KR20210038438A (ko) 2018-07-25 2021-04-07 쇼와덴코머티리얼즈가부시끼가이샤 아크릴 수지와 그 제조 방법, 수지 조성물 세트, 축열재 및 물품
US11965048B2 (en) 2018-07-25 2024-04-23 Resonac Corporation Acrylic resin, producing method thereof, resin composition set, heat storage material, and article
KR20210141962A (ko) 2019-03-14 2021-11-23 쇼와덴코머티리얼즈가부시끼가이샤 경화성 조성물, 축열재, 및 물품
KR20220045144A (ko) 2019-08-09 2022-04-12 쇼와덴코머티리얼즈가부시끼가이샤 수지 조성물, 축열재, 및 물품
JP2021123638A (ja) * 2020-02-04 2021-08-30 株式会社カネカ 蓄熱材の製造方法
JP7412199B2 (ja) 2020-02-04 2024-01-12 株式会社カネカ 蓄熱材の製造方法
WO2024048146A1 (ja) * 2022-08-31 2024-03-07 三井金属鉱業株式会社 仮固定用組成物、接合構造体の製造方法及び仮固定用組成物の使用
JP7465414B1 (ja) 2022-08-31 2024-04-10 三井金属鉱業株式会社 仮固定用組成物、接合構造体の製造方法及び仮固定用組成物の使用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000109787A (ja) パラフィン類用のゲル化剤及びゲル化方法
CA1193090A (en) Stearic acid-containing ink jet inks
US4390369A (en) Natural wax-containing ink jet inks
DE69735435T2 (de) Ester-terminierte polyamidgele
US5218039A (en) Pan emulsion
US4844826A (en) Use of organosilicon compounds to thicken oils
EP2569379A1 (en) Natural oil based marking compositions and their methods of making
DE3531971A1 (de) Oel-in-wasser-emulsion
PT1453885E (pt) Suspensões aquosas contendo poliamidas baseadas em ácido gordo polimerizado
KR880002514A (ko) 티로트로핀-방출호르몬(trh) 또는 그 상사체의 캡슐화
DE900737C (de) Schmierfette und Verfahren zu ihrer Herstellung
JP3620878B2 (ja) 有機液体のゲル化または固化剤
JP2646422B2 (ja) 有機液状物のゲル化又は固化剤
JPH06505030A (ja) 低腐食ホットメルトジェットインク
JP2006321960A (ja) ディーゼルエンジン用燃料油
JP2002212539A (ja) ゲル化剤及びゲル化方法
JP3509118B2 (ja) 化粧料または皮膚外用剤の稠度改善方法
DE2531182C2 (de) Fließfähiges Schleifmittel
US2490437A (en) Ddt in petroleum solvent stabilized with lanolin and dimerized eighteen carbon atom fatty acids
JP2001003033A (ja) エステル化合物等のゲル化剤及びゲル化方法
DE102004005287A1 (de) Kraftübertragungsflüssigkeit mit Disäureester-verbrücktem Dimer
JP5721989B2 (ja) ゲル化剤
US3377250A (en) Water-in-oil emulsions containing sulfonium copolymers
JP4038764B2 (ja) 有機溶媒または油脂類のゲル化方法
CA1271278A (fr) Emulsions cationiques de liants bitumineux du type bitume/polymere et systeme emulsifiant cationique utilisable notamment pour l'obtention de ces emulsions

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040727

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20050106

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20050201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050209

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050628