JP2009286818A - ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン - Google Patents

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Abstract

【課題】 使用時や保管時に不用意にペン先のインキ流通路が広がってしまった場合であっても、ドライアップ性能を悪化させることなくインキの垂れ下がりを抑制できる、筆記性能に優れたボールペン用水性インキ組成物とそれを内蔵したボールペンを提供する。
【解決手段】 着色剤と、水と、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールと、酸化ポリエチレン、酸化ポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種のワックスエマルションを含有するボールペン用水性インキ組成物。前記ボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペン。
【選択図】 なし

Description

本発明はボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペンに関する。詳細には、低粘度であっても垂れ下がりが生じ難いボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペンに関する。
従来、ボールペン用水性インキをインキ収容管に直接内蔵し、該インキの後端にインキ逆流防止体を備えたボールペンレフィルを軸筒に収容したボールペンが多数市場に出回っている。
前記ボールペンのうち、特に出没式機構を有するものはキャップ式のものと比べ、優れた筆記性能や保管時の性能(所謂垂れ下がりやボタ落ち性能)を長期間維持するためのインキ調製が必要とされる。例えば、内蔵されるインキが比較的高粘度である場合、ペン先からのインキの垂れ下がりをある程度抑制できるものの、筆記感が重くなったり、筆跡に線割れを生じる等、筆記性能を悪化する虞がある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記筆記性能を満足するために低粘度のインキを用いた際には、筆記時に紙繊維等をボールと小口の間に挟みこんだり、落下等によりチップ先端が傷付いたり変形することで不用意にインキ流通路が広がってしまった場合、インキの垂れ下がりやボタ落ちを生じることがある。これを抑制するために着色剤等によりインキ中の固形分を増量する試みも行われるが充分な効果は得られず、ペン先部が短時間で乾燥(ドライアップ)してしまい、筆跡にカスレ等を生じるものとなる。
特開2004−217729号公報
本発明は長期間のキャップオフ状態や、キャップを要しない構成のボールペンに適用された際に生じる問題点を解消するものであって、即ち、使用時や保管時に不用意にペン先のインキ流通路が広がってしまった場合であっても、ドライアップ性能を悪化させることなくインキの垂れ下がりを抑制することができる、筆記性能に優れたボールペン用水性インキ組成物とそれを内蔵したボールペンを提供することにある。
本発明は、着色剤と、水と、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールと、酸化ポリエチレン、酸化ポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種のワックスエマルションを含有するボールペン用水性インキ組成物を要件とする。
更に、前記インキ組成物の粘度が、20℃、30rpmでの回転粘度計による測定値が1〜20mPa・sの範囲にあると共に、剪断減粘指数が、0.6〜1.0の範囲にあることを要件とする。
更には、前記いずれかのボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペンを要件とし、前記ボールペンが0.7mm以上のボールを筆記先端部に備えること、前記ボールペンが、水性インキ組成物をレフィル内に内蔵したボールペンレフィルを1本又は複数本収容し、出没機構の作動によって前記ボールペンレフィルの筆記先端部が軸筒前端開口部から出没する出没式形態であることを要件とする。
本発明は、ペン先のインキ流通路が不用意に広がってしまった場合であっても、耐ドライアップ性能を悪化させることなくインキの垂れ下がりやボタ落ちを抑制することができると共に、安定して良好な筆跡が得られる筆記性能に優れたボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペンを提供できるものである。
本発明は、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールと、酸化ポリエチレン及び/又は酸化ポリプロピレンのワックスエマルションとをインキ中に添加することにより、異物をボールと小口の間に挟みこんだり、落下等によりチップ先端が傷付いて変形することでインキ流通路が広がった場合であっても、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールとインキ中のイオン性物質から形成される微粒子の作用と、酸化ポリエチレンや酸化ポリプロピレンの微粒子の作用により皮膜を形成し、前記インキ流通路を一時的に封鎖することで垂れ下がりを抑制するものと推測される。また、前記封鎖状態はボールの回転(筆記)により容易に解除されるため、耐ドライアップ性能を悪化させることなく使用でき、高い筆記性能を維持できる。
前記2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールは、インキ組成中0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%添加することができる。
0.05重量%以下ではインキ中のイオン性物質(例えば染料成分等)との反応量が充分ではなく、又、5重量%を越えて配合すると反応物(微粒子)が多量に生成されるためにインキの流通が阻害される虞が生じる。
前記酸化ポリエチレンと酸化ポリプロピレンの一種以上は、インキ組成物全量に対して0.1〜5.0重量%、好ましくは0.1〜3.0重量%の範囲で配合される。0.1重量%未満では被膜形成が充分でなく垂れ下がり防止効果が得られ難く、5.0重量%を越えるとインキの粘度が上昇して耐ドライアップ性能を悪化させる虞が生じる。
尚、前記酸化ポリエチレンや酸化ポリプロピレンを水性インキ中でより安定して分散させるために、ワックスタイプのものをエマルションとした状態で使用することが好ましい。
前記着色剤としては、水性媒体に溶解もしくは分散可能な染料及び顔料がすべて使用可能であり、その具体例を以下に例示する。
前記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができる。
酸性染料としては、ニューコクシン(C.I.16255)、タートラジン(C.I.19140)、アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッドバイオレット6B(C.I.42640)、ソルブルブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン(C.I.44025)、エオシン(C.I.45380)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、コンゴーレッド(C.I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、バイオレットBB(C.I.27905)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
前記顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤等を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、
C.I.Pigment Blue 15:3B〔品名:S.S.Blue GLL、顔料分22%、山陽色素株式会社製〕、
C.I. Pigment Red 146〔品名:S.S.Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕、
C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、
C.I.Pigment Red220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株式会社製〕等を挙げることができる。
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
その他、パール顔料、金色、銀色のメタリック顔料、蓄光性顔料、修正ペン等に用いられる二酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉、香料又は香料カプセル顔料などを例示できる。
尚、顔料を用いる場合、必要に応じて顔料分散剤を添加できる。
前記顔料分散剤としてはアニオン、ノニオン等の界面活性剤、ポリアクリル酸、スチレンアクリル酸等のアニオン性高分子、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の非イオン性高分子等が用いられる。
前記着色剤は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成中0.01乃至15重量%、好ましくは0.1乃至10重量%の範囲で用いられる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオプレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用することもできる。
前記成分以外に、耐乾燥性を妨げない範疇でアルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、λ−カラジーナン、ι−カラギーナン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩等の水溶性高分子を一種又は二種以上添加することができる。
その他、必要に応じてpH調整剤、防錆剤、防腐剤或いは防黴剤、潤滑剤、湿潤剤を添加することができる。
前記pH調整剤としては、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、トリエタノールアミンやジエタノールアミン等の水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等が挙げられる。
前記防錆剤としては、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、チオ硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、サポニン、ジアルキルチオ尿素等が挙げられる。
前記防腐剤或いは防黴剤としては、石炭酸、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等が挙げられる。
前記潤滑剤としては、オレイン酸等の高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐酸トリエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。
前記湿潤剤としては、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等が挙げられる。
その他、溶剤の浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン、アニオン、カチオン系界面活性剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤を添加することもできる。
前記インキ組成物をインキ収容管内に内蔵し、且つ、インキ組成物後端面にインキ逆流防止体を配設するタイプのボールペンに用いる場合、インキ中に気体が混入していると、経時により気体が集まって気泡が発生し、筆記時のインキ出に悪影響を与えると共に、筆記先端部に気泡が存在すると筆記不能になる虞があるため、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、エリソルビン酸、エルソルビン酸誘導体、α−トコフェロール、カテキン、カテキン誘導体、合成ポリフェノール、コウジ酸、アルキルヒドロキシルアミン、オキシム誘導体、α−グルコシルルチン、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、亜硫酸塩、スルホキシル酸塩、亜ジチオン酸塩、チオ硫酸塩、二酸化チオ尿素、ホルムアミジンスルフィン酸、グルタチオン等を添加して化学的に気泡を除去することが好ましい。
また、所望により剪断減粘性付与剤、例えば、水に可溶乃至分散性の、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類等を例示でき、単独或いは混合して使用することもできる。
更に、N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を用いることもできる。
尚、インキの剪断減粘性とは静止状態あるいは応力の低い時は高粘度で流動し難い性質を有し、応力が増大すると低粘度化して良流動性を示すレオロジー特性を言うものであり、チクソトロピー性あるいは擬似可塑性とも呼ばれる液性を意味している。
本発明のインキの物性値としては、粘度が20℃、30rpmにおいて1〜20mPa・sの範囲にあると共に、剪断減粘指数が0.6〜1.0の範囲にある場合(所謂低粘度インキ)により有用である。
前記物性のインキは、高粘度のものや剪断減粘指数が低いものに比べて、保管状態での垂れ下がりやボタ落ちを生じ易いため、より有効に作用し、垂れ下がり防止と耐ドライアップ性を満足させると共に、筆記性能、即ち、筆記感、初期書き出し、筆跡の乾燥性や良好な筆跡の形成等を満足させることができる。
尚、前記剪断減粘指数とは、粘度計による剪断応力値(T)及び剪断速度(j)値の流動学的測定により導かれる、実験式(T=Kj:但し、Kは計算された定数である)を適用して計算されるn値である。
本発明の水性インキ組成物を収容するボールペンは、キャップ式、出没式のいずれの形態も適用できる。
キャップ式ボールペンとしては、ボールペンチップが直接又は接続部材を介して連結されるインキ収容管を軸筒(外軸)又はレフィル(外軸内に収容するもの)として用い、該インキ収容管内にインキを直接収容したものが適用できる。
前記インキ収容管としては、金属加工体や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる樹脂成形体が用いられる。尚、前記樹脂製のインキ収容管においては、透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等が確認できるものとなる。
出没式ボールペンとしては、構造、形状を限定することなく汎用のものが用いられ、筆記先端部が外気に晒された状態で一本又は複数本(所謂多芯筆記具)のボールペンレフィルが軸筒内に収納されており、出没機構の作動によって軸筒開口部から前記筆記先端部が突出する構造を有するものである。
出没機構の操作方法としては、例えば、ノック式、回転式、スライド式等が挙げられる。
前記ノック式は、軸筒後端部や軸筒側面にノック部を有し、該ノック部の押圧により、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に設けたクリップ部を押圧することにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記回転式は、軸筒後部に回転部を有し、該回転部を回すことによりボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記スライド式は、軸筒側面(窓孔内)にスライド部を有し、該スライドを操作することによりボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に設けたクリップ部をスライドさせることにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。また、スライド式筆記具としては、前記スライド部と接続された状態のレフィルが窓孔後端等から交換可能な構造の多芯筆記具も例示できる。
前記ボールペンチップ(筆記先端部)は、例えば、金属を切削加工して内部にボール受け座とインキ導出部を形成したもの、金属製パイプの先端近傍の内面に複数の内方突出部を外面からの押圧変形により設け、前記内方突出部の相互間に、中心部から径方向外方に放射状に延びるインキ流出間隙を形成したもの等を適用でき、特に押圧変形によるチップは、ボール後端との接触面積が比較的小であり、低筆記圧でのスムーズな筆記感を与えることができる。
前記ボールペンチップに抱持されるボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等の外径0.1〜2.0mm、好ましくは0.3〜1.6mm、より好ましくは0.7〜1.6mmのボールが有効であり、前記チップのボール抱持部の内径とボールとの径方向の可動距離は10〜50μm、ボールの軸方向の可動距離は10〜30μmの範囲であることが好ましい。
尚、前記ボールペンチップには、チップ内にボールの後端を前方に弾発する弾発部材を配して、非筆記時にはチップ先端の内縁にボールを押圧させて密接状態とし、筆記時には筆圧によりボールを後退させてインキを流出可能に構成することもできる。
前記弾発部材は、金属細線のスプリング、前記スプリングの一端にストレート部(ロッド部)を備えたもの、線状プラスチック加工体等を例示でき、10〜40gの弾発力により、押圧可能に構成して適用される。
前記ボールペンレフィルに収容したインキの後端にはインキ逆流防止体を充填することもできる。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体には、ゲル化剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物を例示できる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体組成物と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
以下に実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の表に実施例及び比較例の水性インキの組成、粘度、剪断減粘指数を示す。尚、表中の組成の数値は重量部を示す。
各実施例、比較例のインキ粘度は、20℃でB型回転粘度計〔東京計器(株)製〕を用いて30rpmで測定した。また、剪断減粘指数は各インキ粘度の測定値より算出した値である。
Figure 2009286818
表中の原料の内容について注番号に沿って説明する。
(1)オリエント化学工業(株)製、C.I.ダイレクトブラック154、商品名:フィスコブラック886(有効成分15%)
(2)アイゼン保土谷(株)製、C.I.45410、商品名:フロキシン
(3)住友化学工業(株)製、C.I.42655、商品名:アシッドブルーPG
(4)酸化ポリエチレンワックスエマルション、明成化学工業(株)製、商品名:メイカテックスPENO(有効成分:25%)
(5)酸化ポリプロピレンワックスエマルション、明成化学工業(株)製、商品名:メイカテックスAP−1550(有効成分:40%)
(6)太陽化学(株)製、商品名:サンカラ634
(7)BASF社製、商品名:ルビスコールK−30
(8)第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルリン酸モノエステル及びジエステル混合物
(9)1,2−ベンズチアゾリン−3−オン、アビシア(株)製、商品名:プロキセルXL−2
インキの調製
各実施例、比較例に記載された原料を混合して室温でディスパーにて攪拌した後、濾過することによりインキを作製した。
ボールペンレフィルの作製
ボールペンレフィルは、先端部に直径0.7mmのボールを回転可能に抱持したボールペンチップ(ボールを前方に弾発するボール押しバネを収容する)と、該ボールペンチップが前部に固着された接続部材と、該接続部材が先端開口部に固着され、且つ、内部に各インキ及びインキ逆流防止体が収容されたインキ収容管と、該インキ収容管の後端開口部に固着された尾栓からなる。尚、前記インキ逆流防止体は、基油としてポリブテン、増粘剤として脂肪酸アマイドを用いて混練したインキ逆流防止体である。
ボールペンの作製
試料ボールペンは、軸筒の後部外面にクリップを形成すると共に、軸筒の内部には、前記各ボールペンレフィルがコイルスプリングにより後方付勢状態で収容され、軸筒の後端部(ノック操作部)を前方へノック操作することにより軸筒の先端孔よりボールペンチップが外部に突出する機構を備えたものである。
前記各ボールペンにより以下の試験を行った。
垂れ下がり試験
各ボールペンのボールペンチップ先端に小傷を付けた後、温度20℃、相対湿度60%の雰囲気下にペン先下向き(出没状態)で20時間放置し、チップ先端の外観を目視で観察した。
耐ドライアップ試験
各ボールペンを横置き(出没状態)で温度20℃、相対湿度40%の雰囲気下に60日間放置した後、JIS P3201筆記用紙Aに手書きで丸を1行に12個筆記し、何個目から正常な筆跡が得られるかを目視により観察した。
試験結果を以下の表に示す。
Figure 2009286818
尚、テスト結果の評価の記号の内容は以下のとおり。
垂れ下がり試験
○:インキの垂れ下がりが認められない。
△:チップ先端にインキ小滴が認められる。
×:インキの垂れ下がりが認められる。
耐ドライアップ試験
○:書き出し1丸以内に正常な筆跡が得られる。
△:1行以内に筆記可能。
×:1行以内に筆記できない、或いは筆記不能。

Claims (5)

  1. 着色剤と、水と、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールと、酸化ポリエチレン、酸化ポリプロピレンから選ばれる少なくとも一種のワックスエマルションを含有するボールペン用水性インキ組成物。
  2. 前記インキ組成物の粘度が、20℃、30rpmでの回転粘度計による測定値が1〜20mPa・sの範囲にあると共に、剪断減粘指数が、0.6〜1.0の範囲にある請求項1記載のボールペン用水性インキ組成物。
  3. 前記請求項1又は2に記載のボールペン用水性インキ組成物を内蔵したボールペン。
  4. 前記ボールペンが0.7mm以上のボールを筆記先端部に備える請求項3記載のボールペン。
  5. 前記ボールペンが、水性インキ組成物をレフィル内に内蔵したボールペンレフィルを1本又は複数本収容し、出没機構の作動によって前記ボールペンレフィルの筆記先端部が軸筒前端開口部から出没する出没式形態である請求項3又は4に記載のボールペン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0892519A (ja) * 1994-07-26 1996-04-09 Mitsubishi Pencil Co Ltd 水性ボールペン用インキ組成物
JP2004352909A (ja) * 2003-05-30 2004-12-16 Pilot Ink Co Ltd ボールペン用水性インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペン
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