JP4291910B2 - ボールペン用水性白色又はパステル調インキ組成物 - Google Patents

ボールペン用水性白色又はパステル調インキ組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はボールペン用水性白色又はパステル調インキ組成物に関する。更に詳細には鮮明な白色又はパステル調の筆跡が得られるボールペン用水性白色又はパステル調インキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、白色の筆跡が得られるボールペン用水性白色インキ組成物が特開平7−216283号公報に開示されており、前記インキ組成物の着色剤として酸化チタンが用いられている。前記酸化チタンは隠蔽性に優れることから従来より修正液等に使用されており、近年は濃色の紙面に白色の筆跡を描くためのボールペンインキ用着色剤としても用いられるようになった。
更に、白色の筆跡のみならず、隠蔽性に優れた有色の筆跡(パステル調の筆跡)を得るため酸化チタンと有色染料或いは有色顔料を併用したボールペン用水性インキ組成物が開示されている(特開平8−113752号公報)。
しかしながら、着色剤として用いられる酸化チタンは比重が凡そ3.9であり、溶剤や他の添加剤と比較して著しく高いため、経時によりインキ組成物中で沈降、凝集し易い。よって、筆記先端部を下向き状態(倒立状態)で放置すると目づまりを生じて筆跡がかすれたり、或いは、筆記不能になる恐れがある。
前記酸化チタンの沈降、凝集を防止するために粒子径が0.1〜0.5μmの微粒子状酸化チタンを用いる方法が考えられるが、前記粒子径の酸化チタンを用いると溶媒と共に前記酸化チタンが紙面の繊維間に浸透し、鮮明な白色の筆跡が得られ難くなる。
更に、前記酸化チタンによる鮮明な白色の筆跡を形成するために、樹脂粒子を添加して酸化チタンが紙面の繊維間に浸透することを防止する試み(特開平8−325503号公報)が開示されているが、前記樹脂粒子を添加することにより酸化チタンの添加量が相対的に減少して隠蔽性の高い白色の筆跡が得られ難くなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した問題を解消するものであって、即ち、インキ組成物中で 沈降、凝集し難く、しかも、濃色の紙面にも白色或いはパステル調の鮮明且つ隠蔽性の高い筆跡を形成できるボールペン用水性白色又はパステル調インキ組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記した従来の問題点を解消するため鋭意検討した結果、酸化チタンが紙面内部まで浸透したり、インキ組成物中で凝集することを防止するために、酸化チタンを内包したマイクロカプセル顔料を適用することを見出した。更に、前記マイクロカプセル顔料と酸化チタンを併用した系においては、着色剤として酸化チタンのみを用いた場合や、酸化チタンと樹脂粒子を併用した場合と比較して凝集、沈降が生じ難く、しかも、鮮明な白色を呈することができること、前記マイクロカプセル顔料と有色染料や有色顔料を併用したインキ組成物は、前記マイクロカプセル顔料が有色染料や有色顔料の紙面内部への浸透を抑制して鮮明なパステル調の筆跡が得られることを見出した。
【0005】
即ち、本発明は、必須成分として、酸化チタンを内包したマイクロカプセル顔料と、水と、水溶性有機溶剤とから少なくともなり、前記マイクロカプセル顔料と、マイクロカプセルに内包しない酸化チタンを併用してなる用水性白色インキ組成物を要件とする。更には、マイクロカプセル顔料は、油溶性樹脂及び/又は非水系分散剤を含む油性媒体中に酸化チタンが均質状態に分散してなる着色媒体を内包した顔料であること、マイクロカプセル顔料は、1〜10μmの粒子径範囲に80重量%以上の粒子分布を示す顔料であること、インキ組成物中における酸化チタンとマイクロカプセル顔料の重量比率が1:0.07〜40であること、更には、前記インキ組成物中に有色染料及び/又は有色顔料を含有してなるボールペン用水性パステル調インキ組成物を要件とする。更には、前記インキ組成物中に、剪断減粘性付与剤を含有してなり、粘度が25〜160mPa・s(25℃でEM型回転粘度計における回転数100rpmでの値)の範囲にあり、0.1〜0.7の剪断減粘指数を示すボールペン用水性白色又はパステル調インキ組成物を要件とする。
【0006】
前記マイクロカプセル顔料は、酸化チタンを油性媒体に分散させた着色液を公知のマイクロカプセル化法により壁膜形成物質からなる殻体に内包させた着色粒子である。
前記殻体を形成する壁膜形成物質としては、ゼラチン、シェラック、アラビアガム、ロジン、ロジンエステル、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、パラフィン、トリステアリン、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリイソブテン、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン、メラミン樹脂等を単独又は混合して使用することができる。
適用できるマイクロカプセル化法としては、コアセルベーション法、インサイチュー重合法、界面重合法、液中硬化被膜法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中けん濁被覆法、スプレードライイング法等の公知の方法が挙げられる。
本発明インキに適用されるマイクロカプセル顔料は1〜10μmの粒子径範囲に80重量%以上の粒子分布を示す着色粒子である。
1μm未満のマイクロカプセル顔料が多量に存在すると、紙内部に浸透する量が多くなるため鮮明な白色の筆跡が得難い。10μmを越えるマイクロカプセル顔料が多量に存在すると、筆記先端部で目づまりを生じて筆跡がかすれたり、或いは、筆記不能になり易くなる。
なお、着色剤として前記マイクロカプセル顔料のみを用いる場合、インキ組成中10乃至35重量%の範囲で用いられる。
【0007】
前記マイクロカプセル顔料は、酸化チタンを油溶性樹脂及び/又は非水系分散剤を含む油性媒体中に分散させた着色体を前記したマイクロカプセル化法により内包して調製することが好ましい。これは、マイクロカプセル内で酸化チタンが凝集、沈降することを防止して均質状態を維持でき、初期と同様の白色を呈するマイクロカプセル顔料を得ることができるからである。
前記油性媒体は一塩基酸エステル、二塩基酸モノ−又はジエステル,多価アルコールの部分エステル乃至完全エステル等のエステル類、アルキルベンゼン,アルキルナフタレン等の芳香族炭化水素類、高級アルコール類、ケトン類、エーテル類から選ばれる1種又は2種以上の混合物である。
前記油溶性樹脂としては、セルロース樹脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂、マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、ロジンエステル、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
前記非水系分散剤としては、アミン系界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤、アニオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0008】
また、所望により白色をより鮮明にするため、マイクロカプセル外に白色顔料を存在させることもできる。
前記マイクロカプセル顔料と、白色顔料を併用する系においては、インキ組成物中のマイクロカプセル顔料の添加量は白色顔料1に対して0.07〜40であることが好ましい。これは、沈降、凝集を生じることなく、より鮮明な白色の筆跡が得られるための適正重量比率であり、前記した比率範囲外であると、鮮明な白色の筆跡が得られ難くなったり、凝集、沈降を起こして筆記できなくなることがある。マイクロカプセル顔料と白色顔料を併用する場合、前記顔料の総量がインキ組成中5乃至40重量%の範囲で用いられ、好ましくは5乃至35重量%である。
前記酸化チタンとしては、ルチル型、アナターゼ型等の酸化チタンが使用でき、市販されている商品としては、サンダイスーパーホワイトU〔山陽色素(株)製〕、クロノスKA−10、KA−20、KR−310、KR−380〔チタン工業(株)製〕、タイトーンR−3L、R−5N〔堺化学工業(株)製〕、タイピュアR−900、R−931(デュポン社製)等が挙げられる。
なお、前記酸化チタンは表面処理を施したものを用いてもよい。
【0009】
更に、前記マイクロカプセル顔料と、有色染料及び/又は有色顔料を併用することにより、隠蔽性に優れた有色の筆跡(パステル調の筆跡)を呈するボールペン用水性パステル調インキ組成物が得られる。
なお、前記有色染料や有色顔料は、マイクロカプセル中に酸化チタンと共に内包してもよいし、マイクロカプセル外に存在させてもよい。更には、マイクロカプセル内とマイクロカプセル外に共に存在させることもできる。
【0010】
前記有色染料としては、カラーインデックスのソルベント染料及び分散染料に分類される油溶性染料や分散染料が例示でき、アゾ系、金属錯塩アゾ系、アンスラキノン系及び金属フタロシアニン系の構造を有する染料が挙げられる。
前記顔料はアゾ系、アンスラキノン系、縮合ポリアゾ系、チオインジゴ系、金属錯塩系、フタロシアニン系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系及びキナクリドン系の有機顔料等や無機顔料が挙げられる。
なお、前記有色染料や有色顔料は、インキ組成中1乃至25重量%の範囲で用いられる。
【0011】
前記水溶性有機溶剤は水に相溶性のある溶剤が全て有効であり、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジエチレングリコール、ソルビトール、グリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエタノールアミン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド等を一種又は二種以上併用して用いることができ、添加量はインキ組成物中2〜35重量%が好ましい。
【0012】
また、所望に応じて防腐剤、消泡剤、酸化防止剤、安定剤、PH調製剤、界面活性剤、潤滑剤等の慣用の添加剤を添加することもできる。
前記添加剤は、PH調整剤として、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等が適用できる。
防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等が適用できる。
防腐剤、防黴剤としては、石炭酸、1,2−ベンズチアゾリン3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等が適用できる。
湿潤剤としては、尿素、ノニオン系界面活性剤、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等が適用できる。
潤滑剤としては、リン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸の塩類、アミノ酸型ベタイン両性界面活性剤、ジチオカルバミン酸誘導体、アルキルスルファミン酸塩、ワックスエマルジョン、脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物、アルキルアミンのアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられ、単独或いは併用して適用することができる。前記潤滑剤はインキ組成物中0.05〜5重量%の範囲で用いることが好ましい。
【0013】
なお、好適に用いられる潤滑剤としては、下記一般式(1)又は特公平1−13508号公報に記載のリン酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
【化1】
Figure 0004291910
(式中、R1 は8〜18のアルキル基、アルケニル基、或いは、フェニル基、アルキルフェニル基を示し、R2 はOH、OM、R−O−(CH2 CH2 O)n を示し、Mは、アルカリ金属、アミン、アルカノールアミンを示し、nは、1〜30を示す。)
【0014】
その他、インキの浸透性向上剤としてのフッ素系界面活性剤やシリコン系、ノニオン、アニオン、カチオン系の界面活性剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤、分散剤等を使用してもよい。
前記添加剤はいわゆる慣用的添加剤と呼ばれるもので、公知の化合物から適宜必要に応じて使用することができる。
更に、水性ビヒクル媒体にはインキの流動性の向上や分散安定化、粘着性の微調整の目的で従来公知の水溶性樹脂や、水性樹脂エマルジョンを添加することもできる。
【0015】
本発明のインキ組成物をボールペンに適用する場合、マイクロカプセル顔料やマイクロカプセル系外の着色剤がインキ組成物中で更に沈降し難くするため、インキ組成物中に剪断減粘性付与剤を添加して、得られたインキ組成物の25℃におけるEMD型粘度計を用いた100rpmの粘度が25〜160mPa・sであり、且つ、剪断減粘指数が0.1〜0.7を示すように調整することが好ましい。前記した調整によってマイクロカプセル顔料やマイクロカプセル系外の着色剤の沈降、分離もなく経時的に安定なボールペンを得ることができる。
前記100rpmにおけるインキ粘度が160mPa・sを越えるとインキ吐出性が低下して、筆記不能になったり、かすれを生じる。また、25mPa・s未満では顔料の分散安定性が充分に保てない。更に、剪断減粘指数が前記範囲外では剪断減粘性による効果が適正でなく、粘着性着色樹脂粒状体の分離防止、インキ吐出性及び筆跡性能に支障を来す。
なお、前記におけるインキの剪断減粘指数は、剪断応力値(T)及び剪断速度値(j)の如き粘度計による流動学測定から得られる実験式(T=Kjn :K及びnは計算された定数である)にあてはめることによって計算されるn値である。
【0016】
前記剪断減粘性付与剤としては、従来公知の化合物を用いることが可能であり、キサンタンガム、ウエランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グリコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体等を例示でき、単独或いは混合して使用することができる。
更に、剪断減粘性付与剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンヒマシ油類、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、脂肪酸アミド類等から選ばれるHLB値が8〜12の範囲のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の中和物、N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物等を例示でき、単独或いは混合して使用することができる。
前記剪断減粘性付与剤はインキ組成物中0.1〜20重量%の範囲で用いることが好ましい。
【0017】
ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、従来より汎用のものが適用でき、例えば、軸筒内にインキ組成物を充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールを先端部に装着したチップに連通しており、さらにインキの端面には逆流防止用の液栓が密接しているボールペンが例示できる。
【0018】
前記インキ組成物を充填するボールペンについて更に詳しく説明すると、筆記先端部(チップ)の構造は、従来より汎用の機構が有効であり、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属製のパイプや金属材料の切削加工により形成したチップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
又、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等の0.3〜1.2mm径程度のものが適用できる。
【0019】
前記インキ組成物を収容するインキ収容管は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる成形体が、インキの低蒸発性、生産性の面で好適に用いられる。
又、前記インキ収容管は、2.5〜10mmの内径を有するものが好適に用いられる。
更に、前記インキ収容管として透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を確認できる。
前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結してもよい。
尚、前記インキ収容管は、ボールペン用レフィルの形態として、前記レフィルを軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
前記軸筒内に収容するレフィルの内径は、2.5〜5mmのものが好適に用いられ、インキを直接収容する軸筒の内径は、4〜10mmのものが好適に用いられる。
【0020】
前記インキ収容管に収容したインキ組成物の後端にはインキ逆流防止体を充填することが好ましい。
前記インキ逆流防止体としては、液状または固体のいずれを用いることもでき、前記液状のインキ逆流防止体としては、ポリブテン、シリコーン油等の不揮発性媒体が挙げられ、所望により前記媒体中にシリカ、珪酸アルミニウム等を添加することもできる。
また、固体のインキ逆流防止体としては樹脂成形物が挙げられる。
更に、前記液状及び固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明のボールペン用水性白色又はパステル調インキ組成物は、前記公知のマイクロカプセル化法により調製されるマイクロカプセル顔料分散液、別に調製される水性樹脂液及び水の所定量を混合して得られる混合物を、ディスパーにかけ約1時間攪拌し、必要によってその他添加剤を添加して更に約1時間攪拌することにより得られる。
【0022】
【実施例】
以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、実施例中の数字は重量部を示す。
又、実施例における粒子径分布の測定にはレーザー回折式粒度分布測定機〔(株)島津製作所製;SALD1100〕を用いて測定した。
【0023】
酸化チタンを内包したマイクロカプセル顔料分散液の調製
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂で表面処理された酸化チタン(チバガイギー社製、商品名:マイクロリスホワイトR−K)12.5重量部、及び、2−エチルヘキサン酸セチル12.5重量部を酢酸エチル50.0重量部中に分散、溶解した分散体に芳香族多価イソシアネート10.0重量部を加えて加温下均質に混合した混合物を、約70℃に加温された5%水溶性保護コロイド分散媒100.0重量部中に加えて約3μmの微小滴となるよう高速攪拌した。ついで、水溶性脂肪族ポリアミン1.0重量部を水24.0重量部中に溶解した溶液を微量ずつ添加した後、液温を80℃にあげて約3時間攪拌を続けることにより酢酸エチルを揮散させ、室温下で放冷した。
更に水を加えて固形分(マイクロカプセル顔料)を50重量%に調製して酸化チタンを内包したマイクロカプセル顔料分散液Aを得た。
なお、前記分散液を遠心分離法によって固液分離して得られるマイクロカプセル顔料の平均粒子径は3.2μmであり、1〜10μmの粒子径範囲に全顔料の91.3重量%が含まれるものであった。
【0024】
比較例3
ボールペン用水性白色インキ組成物の調製
以下の組成によりインキ組成物を調製した。
マイクロカプセル顔料分散液A 60.0
ジエチレングリコール 9.0
エチレングリコール 5.0
シリコーン変性消泡剤 0.1
防腐剤(ゼネカ社製、商品名:プロキセルXL−2) 0.1
サクシノグリカン(有機酸修飾ヘテロ多糖体、平均分子量約100万〜800万) 0.2
リン酸エステル系界面活性剤〔日光ケミカルズ(株)製、商品名:TDD−10〕 0.5
トリエタノールアミン 0.5
水 24.6
合計 100.0
前記配合物を混合してディスパーにて均質になるまで攪拌してインキ組成物を得た。得られたインキ組成物の粘度は48mPa・s(EM型回転粘度計における回転数100rpmでの値、25℃)であり、剪断減粘指数は0.240であった。
【0025】
Figure 0004291910
前記配合物を混合してディスパーにて均質になるまで攪拌してインキ組成物を得た。得られたインキ組成物の粘度は44mPa・s(EM型回転粘度計における回転数100rpmでの値、25℃)であり、剪断減粘指数は0.234であった。
【0026】
実施例3
酸化チタンを内包したマイクロカプセル顔料分散液の調製
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂で表面処理された酸化チタン(チバガイギー社製、商品名:マイクロリスホワイトR−K)10.0重量部、及び、ミリスチン酸ステアリル15.0重量部を酢酸エチル50.0重量部中に分散、溶解した分散体にエポキシ樹脂(ビスフェノールA/ジグリシジルエーテル系樹脂、エポキシ当量184〜194)10.0重量部を加えて加温下均質に混合した混合物を、約70℃に加温された5%ゼラチン水溶液60.0重量部中に加えて約5μmの微小滴となるよう高速攪拌した。ついで、エポキシ樹脂硬化剤(脂肪族ポリアミン)2.5重量部を水22.5重量部中に溶解した溶液を微量ずつ添加した後、液温を80℃にあげて約5時間攪拌を続けることにより酢酸エチルを揮散させ、室温下で放冷した。
更に水を加えて固形分(マイクロカプセル顔料)を50重量%に調製して酸化チタンを内包したマイクロカプセル顔料分散液Bを得た。
なお、前記分散液を遠心分離法によって固液分離して得られるマイクロカプセル顔料の平均粒子径は5.8μmであり、1〜10μmの粒子径範囲に全顔料の90.2重量%が含まれるものであった。
【0027】
Figure 0004291910
前記配合物を混合してディスパーにて均質になるまで攪拌してインキ組成物を得た。得られたインキ組成物の粘度は55mPa・s(EM型回転粘度計における回転数100rpmでの値、25℃)であり、剪断減粘指数は0.298であった。
【0028】
Figure 0004291910
前記配合物を混合してディスパーにて均質になるまで攪拌してインキ組成物を得た。得られたインキ組成物の粘度は45mPa・s(EM型回転粘度計における回転数100rpmでの値、25℃)であり、剪断減粘指数は0.233であった。
【0029】
Figure 0004291910
前記配合物を混合してディスパーにて均質になるまで攪拌してインキ組成物を得た。得られたインキ組成物の粘度は53mPa・s(EM型回転粘度計における回転数100rpmでの値、25℃)であり、剪断減粘指数は0.234であった。
【0030】
Figure 0004291910
前記配合物を混合してディスパーにて均質になるまで攪拌してインキ組成物を得た。得られたインキ組成物の粘度は44mPa・s(EM型回転粘度計における回転数100rpmでの値、25℃)であり、剪断減粘指数は0.256であった。
【0031】
Figure 0004291910
前記配合物を混合してディスパーにて均質になるまで攪拌してインキ組成物を得た。得られたインキ組成物の粘度は72mPa・s(EM型回転粘度計における回転数100rpmでの値、25℃)であり、剪断減粘指数は0.336であった。
【0032】
ボールペンの作成
透明ポリプロピレン製パイプの一端に、直径0.7mmの超硬合金製ボールを抱持したステンレススチール製チップを備えたレフィールを、透明な軸筒内に嵌挿させてなる構造のボールペンを用いて、前記レフィール内に実施例及び比較例のインキ組成物を各々、所定量充填した後、前記インキ組成物の後端面に密接させてシリコーングリース系インキ逆流防止体を充填してボールペンを得た。
【0033】
初期筆記試験
前記各ボールペンを用いて黒色画用紙〔リンテック(株)製、ニューカラー(カラーNo.418)〕に直径20mmの円形を手書きにより連続筆記し、その筆跡濃度を目視により観察した。
【0034】
経時筆記試験
前記各ボールペンを筆記先端部が下向き状態(倒立状態)で、50℃の温度下で1カ月間放置した後、直径20mmの円形を手書きにより連続筆記して、その筆跡の状態を目視により観察した。
【0035】
テスト結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004291910
【0036】
表中の評価基準は以下のとおり。
初期筆記試験
◎:紙内部に着色剤が浸透せず、しかも、鮮明な白色又はパステル調の筆跡が視覚される。
○:紙内部に着色剤が浸透せず、白色又はパステル調の筆跡が視覚される。
△:紙内部に着色剤が若干浸透して、筆跡が若干黒く視覚される。
×:紙内部に着色剤が浸透して筆跡が黒ずみ、鮮明な白色又はパステル調の筆跡が視覚されない。
経時筆記試験
○:連続した良好な筆跡が得られる。
×:筆跡がかすれたり、線切れを生じる。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、着色剤として用いられる着色剤として酸化チタンを内包したマイクロカプセル顔料を用いることにより、白色の鮮明且つ隠蔽性の高い筆跡を初期及び経時後も形成することができるボールペン用水性白色インキ組成物を提供できる。また、インキ組成物中に前記マイクロカプセル顔料と、マイクロカプセルに内包しない酸化チタンを併用することによって、より鮮明な白色の筆跡を形成できる白色インキ組成物を提供でき、更に、有色染料や有色顔料を併用することによって、隠蔽性に優れた鮮明な有色の筆跡、所謂パステル調の筆跡を形成できるパステル調白色インキ組成物を提供することができる。

Claims (6)

  1. 必須成分として、酸化チタンを内包したマイクロカプセル顔料と、水と、水溶性有機溶剤とから少なくともなり、前記マイクロカプセル顔料と、マイクロカプセルに内包しない酸化チタンを併用してなるボールペン用水性白色インキ組成物。
  2. 前記マイクロカプセル顔料は、油溶性樹脂及び/又は非水系分散剤を含む油性媒体中に酸化チタンが均質状態に分散してなる着色媒体を内包した顔料である請求項1記載のボールペン用水性白色インキ組成物。
  3. 前記マイクロカプセル顔料は、1〜10μmの粒子径範囲に80重量%以上の粒子分布を示す顔料である請求項1又は2記載のボールペン用水性白色インキ組成物。
  4. インキ組成物中における酸化チタンとマイクロカプセル顔料の重量比率が1:0.07〜40である請求項1乃至3のいずれかに記載のボールペン用水性白色インキ組成物。
  5. 請求項1乃至4記載のいずれかのインキ組成物中に、有色染料及び/又は有色顔料を含有してなるボールペン用水性パステル調インキ組成物。
  6. 請求項1乃至記載のいずれかのインキ組成物中に、剪断減粘性付与剤を含有してなり、粘度が25〜160mPa・s(25℃でEM型回転粘度計における回転数100rpmでの値)の範囲にあり、0.1〜0.7の剪断減粘指数を示す請求項1乃至5記載のいずれかのボールペン用水性白色又はパステル調インキ組成物。
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