JP4308675B2 - 筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具 - Google Patents
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Description
更に、前記した剪断減粘性に依存してインキ漏れが発生することなく、しかも、インキ流量を調節する流量調節部材(ペン芯)を要しないので、簡易な構造の筆記具が得られる。
従って、インキ中の気体を化学的に除去する方法が考えられ、例えば、アスコルビン酸誘導体を添加したり、α−トコフェロールを添加する試みが開示されている(例えば、特許文献2乃至3参照)。
本発明は、前記したインキ中の気体を化学的に除去する特定の化合物を用いることによって、実用性が広く、且つ、良好な筆記性能を得ることができる筆記具用水性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具を提供することにある。
前記クロロゲン酸類は、弱い還元性を示すので、インキ組成物中に添加することで良好な酸素吸収能を発現する。従って、インキ中の酸素を含む気体が集まって気泡となることを抑制するものと推察される。
一般式(1)
0.01重量%以下では所期の気泡発生抑止効果を得ることは困難であり、又、5重量%以下であれば所期の効果が十分に得られるので、これ以上の添加を要しない。
前記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができる。
酸性染料としては、
ニューコクシン(C.I.16255)、
タートラジン(C.I.19140)、
アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、
ギニアグリーン(C.I.42085)、
ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、
アシッドバイオレット6B(C.I.42640)、
ソルブルブルー(C.I.42755)、
ナフタレングリーン(C.I.44025)、
エオシン(C.I.45380)、
フロキシン(C.I.45410)、
エリスロシン(C.I.45430)、
ニグロシン(C.I.50420)、
アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
クリソイジン(C.I.11270)、
メチルバイオレットFN(C.I.42535)、
クリスタルバイオレット(C.I.42555)、
マラカイトグリーン(C.I.42000)、
ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、
ローダミンB(C.I.45170)、
アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、
メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
コンゴーレッド(C.I.22120)、
ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、
バイオレットBB(C.I.27905)、
ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、
カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、
ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、
フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
C.I. Pigment Red 146〔品名:Sandye Super Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕、
C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、
C.I.Pigment Red 220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株式会社製〕等を挙げることができる。
なお、前記顔料を分散する樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリル酸樹脂、マレイン酸樹脂、アラビアゴム、セルロース、デキストラン、ガゼイン等、およびそれらの誘導体、前記した樹脂の共重合体等が挙げられる。
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
また、二酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉、天然雲母、合成雲母、アルミナ、ガラス片から選ばれる芯物質の表面を二酸化チタン等の金属酸化物で被覆したパール顔料、コレステリック液晶型光輝性顔料等を使用することもできる。
更に、可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料や、前記可逆熱変色性組成物と共に、染料や顔料を内包したマイクロカプセル顔料等の熱変色性顔料を使用することもできる。
前記顔料は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成物中1乃至25重量%、好ましくは2乃至15重量%の範囲で用いられる。
尚、前記水溶性有機溶剤は1種又は2種以上を併用することもでき、インキ組成物中2〜60重量%、好ましくは5〜35重量%の範囲で用いられる。
前記pH調整剤としては、アンモニア、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、トリエタノールアミンやジエタノールアミン等の水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物、乳酸、クエン酸等が挙げられる。
前記防腐剤或いは防黴剤としては、石炭酸、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等が挙げられる。
更には、溶剤の浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン、アニオン、カチオン系界面活性剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤を添加することもできる。
前記剪断減粘性付与剤としては、水に可溶乃至分散性の物質が効果的であり、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類等を例示でき、単独或いは混合して使用することができる。
更に、N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を用いることもできる。
前記剪断減粘性付与剤は、インキ組成物中0.1〜20重量%の範囲で用いることができる。
前記防錆剤としては、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、チオ硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、サポニン、ジアルキルチオ尿素等が挙げられる。
前記潤滑剤としては、金属石鹸、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、リン酸エステル系活性剤、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩等が挙げられる。
尚、特に好適に用いられる潤滑剤としては、特公平1−13508号公報に記載の燐酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
又、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等が適用できる。
前記インキ収容管にはチップを直接連結する他、接続部材を介して前記インキ収容管とチップを連結してもよい。
尚、前記インキ収容管はレフィルの形態として、前記レフィルを軸筒内に収容するものでもよいし、先端部にチップを装着した軸筒自体をインキ収容体として、前記軸筒内に直接インキを充填してもよい。
前記インキ逆流防止体としては、液状または固体のいずれを用いることもでき、前記液状のインキ逆流防止体としては、ポリブテン、シリコーン油等の不揮発性媒体が挙げられ、所望により前記媒体中にシリカ、珪酸アルミニウム等を添加することもできる。
また、固体のインキ逆流防止体としては樹脂成形物が挙げられる。
更に、前記液状及び固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
尚、配合中の数字は重量部を示す。
実施例1
青色顔料 25.0
〔山陽色素(株)製、商品名:SS BLUE GLL〕
エチレングリコール 15.0
サクシノグリカン 0.3
(構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体)
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.1
〔ゼネカ(株)製、商品名:プロキセルXL−2〕
トリエタノールアミン 0.5
クロロゲン酸類 0.3
〔富士化学工業(株)製、商品名:カフェノールP−100〕
リン酸エステル系界面活性剤 0.5
〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL〕
水 58.3
合計 100.0
赤色染料 5.00
〔アイゼン(株)製、商品名:フロキシン、C.I.Acid Red92、C.I.45410〕
ジエチレングリコール 15.00
キサンタンガム 0.30
炭酸ナトリウム 0.30
石炭酸 0.30
クロロゲン酸類 0.05
〔富士化学工業(株)製、商品名:カフェノールP−100〕
水 79.05
合計 100.00
ピンク色蛍光顔料 40.0
〔日本蛍光化学(株)製、商品名:ルミコールNKW−2117〕
グリセリン 15.0
トリエタノールアミン 0.5
サクシノグリカン 0.3
ナトリウムオマジン 0.3
〔パーマケム(株)製、商品名:トップサイド280〕
クロロゲン酸類 0.2
〔富士化学工業(株)製、商品名:カフェノールP−100〕
水 43.7
合計 100.0
アルミペースト 7.0
〔東洋アルミニウム(株)製、商品名:96−2104〕
グリセリン 15.0
サクシノグリカン 0.3
(構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体)
ナトリウムオマジン 0.3
〔パーマケム(株)製、商品名:トップサイド280〕
EDTAのアミン塩 1.0
〔キレスト(株)製、商品名:キレストM−50〕
α−サイクロデキストリン 3.0
〔塩水港製糖(株)製、商品名:デキシパールK−100〕
トリエタノールアミン 0.3
リン酸エステル系界面活性剤 0.5
〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL〕
クロロゲン酸類 1.0
〔富士化学工業(株)製、商品名:カフェノールP−100〕
水 71.6
合計 100.0
感温変色性色彩記憶性組成物を内包したマイクロカプセル顔料 12.00
(34℃以上で無色に色変化し、13℃以下で青色に色変化する)
グリセリン 11.00
尿素 11.00
キサンタンガム 0.33
ノニオン系浸透性付与剤 0.55
〔サンノプコ(株)製、商品名:ノプコSW−WET−366〕
変性シリコーン系消泡剤 0.13
〔サンノプコ(株)製、商品名:ノプコ8034〕
クロロゲン酸類 0.20
〔富士化学工業(株)製、商品名:カフェノールP−100〕
1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン 0.13
〔ゼネカ(株)製、商品名:プロキセルXL−2〕
水 64.66
合計 100.00
実施例1で用いたクロロゲン酸類を水に換えた以外は同様の方法により筆記具用水性インキ組成物を得た。
実施例2で用いたクロロゲン酸類を水に換えた以外は同様の方法により筆記具用水性インキ組成物を得た。
実施例3で用いたクロロゲン酸類を水に換えた以外は同様の方法により筆記具用水性インキ組成物を得た。
実施例4で用いたクロロゲン酸類を水に換えた以外は同様の方法により筆記具用水性インキ組成物を得た。
実施例5で用いたクロロゲン酸類を水に換えた以外は同様の方法により筆記具用水性インキ組成物を得た。
その結果を以下に示す。
筆跡の状態
○:良好な筆跡が得られる。
×:筆跡にカスレが見られる。
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