JP5483306B2 - 水性ボールペン - Google Patents

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Description

本発明は水性ボールペンに関する。更には、水性インキ組成物と該インキの消費に伴って追従するインキ逆流防止体を内蔵する水性ボールペンに関する。
従来、ボールペンに収容される水性インキのうち、高分子多糖類等の剪断減粘性付与剤を添加することで剪断減粘性を備えた水性ボールペン用インキ組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この種のインキは、剪断応力が加わらない静置時には高粘度であり、機構内において安定的に保持されており、筆記時にあっては高速回転するボールによる高剪断力によってボール近傍のインキが低粘度化し、その結果、インキはボールとボール収容部の間隙から吐出して紙面に転写される。前記紙面に転写されたインキは剪断力から解放されるため再び高粘度状態となり、従来の水性インキ組成物の欠点である筆跡の滲みを発生させない。
更に、前記した剪断減粘性に依存してインキ漏れが発生することなく、しかも、インキ流量を調節する流量調節部材(ペン芯)を要しないので、チップを先端に配設したインキ収容管内にインキを内蔵する簡易な構造のボールペンを構成できる。
尚、前記簡易構造のボールペンのインキ後端面には、インキ中の溶剤が蒸発することを防止したり、筆記先端部(チップ)上向き状態(正立状態)でのインキの後方移動や逆流を防止することを目的として、インキの消費に伴って追従するインキ逆流防止体(液栓)が充填される。
前記構造のボールペンでは、内蔵するインキがインキ逆流防止体により外部の空気と遮断された気密空間で存在するため、インキ中に気体が混入していると、経時により気体が集まって気泡が発生し、筆記時のインキ出に悪影響を与えることがある。特に、気泡が後方に移動し難い剪断減粘性を有するインキにおいては顕著であり、筆記先端部に気泡が存在すると筆記不能になる虞がある。
これとは別に、前記インキ逆流防止体が充填される簡易構造タイプのボールペンに低粘度インキを内蔵した場合には、前記のような気泡が発生した際、インキとインキ逆流防止体の間に気泡が存在する状態で加温されると、前記気泡が膨張してインキ逆流防止体を崩壊したり、インキを噴き出す虞があり、該現象により筆記性能に悪影響を与えることがある。
前記した問題を解決するためには、機械的にインキ中の気体を取り除く脱泡処理が主に行われているが、この方法のみでは充分な脱泡ができ難く、インキ中に気体が残ることがある。また、顔料、金属粉、酸化チタン等の溶剤に不溶の着色剤を用いる場合、ビヒクルとの比重差が大きいものにおいては、遠心脱泡等の処理を行うと前記着色剤がインキ収容容器中に偏在するといった不具合を生じる。
従って、インキ中の気体を化学的に除去する方法が考えられ、例えば、アスコルビン酸誘導体を添加したり、α−トコフェロールを添加する試みが開示されている(例えば、特許文献2乃至3参照)。
特開平4−214782号公報 特公平7−113101号公報 特開平10−330672号公報
しかしながら、前記インキ中の気体を化学的に除去する化合物のうち、アスコルビン酸誘導体は着色剤として顔料を用いる系においては、前記顔料の凝集を生じ易くなり実用が制限される。また、α−トコフェロールは水不溶性のため経時によって分離し、気体の除去機能を永続して発現させ難いものである。
本発明は、インキ後端に液栓を充填する構成のボールペンに、前記したインキ中の気体を化学的に除去する特定の化合物を用いたインキを内蔵することで、良好な筆記性能を長期的に得ることができる水性ボールペンを提供するものである。
本発明は、着色剤と、水と、潤滑剤としてのリン酸エステル系界面活性剤と、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのモノマーを含有する水性インキ組成物を内蔵すると共に、前記インキの消費に伴って追従するインキ逆流防止体をインキ後端に密接配置してなる水性ボールペンが、50℃、相対湿度20%の雰囲気下に60日間放置した後のインキ重量Yと、放置前のインキ重量Xが、Y/X≦0.960を満たし、前記水性インキ組成物の20℃における溶存酸素量が0.1〜10mg/Lであることを要件とする。
更には、前記水性インキ組成物が剪断減粘性付与剤を含むこと、前記水性インキ組成物の20℃におけるEM型回転粘度計100rpmでのインキ粘度が25〜160mPa・sの範囲にあり、且つ、剪断減粘指数が0.1〜0.7の範囲にあること、前記剪断減粘性付与剤がサクシノグリカン又はカラギーナンのいずれかであることを要件とする。
本発明により、インキ後端に液栓を充填する構成のボールペンにおいても、経時によってインキ内に気泡が発生することなく、筆記先端部へのインキ導出が円滑に行われるため、安定した筆記性能を持続させることができ、継続して良好な筆跡が得られる。特に、剪断減粘性を有するインキにおいては、筆記先端部近傍に気泡が存在することで生じる筆記不良をより効果的に抑制できる。
本発明は、インキ後端に接触状態でインキ逆流防止体を充填する構成のボールペンに、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのモノマーを含有する水性インキを収容することで、インキ中の気体を化学的に除去して気泡の発生を抑制し、長期的に良好な筆記が可能な水性ボールペンである。
前記ボールペンの筆記先端部となるボールペンチップの構造は、従来汎用の機構が有効であり、例えば、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属製のパイプや金属材料の切削加工により形成したチップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
また、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂等からなるものが適用でき、直径0.10mm〜2.0mmの範囲のものが用いられる。
前記筆記先端部が直接又は接続部材を介して連結されるインキ収容管は、水性インキ組成物を直接収容することが可能な形態であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂からなる成形体が、インキの低蒸発性、生産性の面で好適に用いられるが、金属加工体を用いることも可能である。更に、前記樹脂製のインキ収容管は透明、着色透明、或いは半透明の成形体を用いることにより、インキ色やインキ残量等を確認できる。
尚、前記インキ収容管はそれ自体を把持用外装(軸筒)として使用する他、ボールペン用レフィルの形態として、該レフィルを別部材からなる軸筒内に収容するものでもよい。
前記インキ収容管を用いたボールペンは、キャップ式、出没式のいずれの形態であっても適用できる。出没式ボールペンとしては、ボールペンレフィルに設けられた筆記先端部が外気に晒された状態で軸筒内に収納されており、出没機構の作動によって軸筒開口部から筆記先端部が突出する構造であれば全て用いることができる。
出没機構の操作方法としては、例えば、ノック式、回転式、スライド式等が挙げられる。
前記ノック式は、軸筒後端部や軸筒側面にノック部を有し、該ノック部の押圧により、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に設けたクリップ部を押圧することにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記回転式は、軸筒後部に回転部を有し、該回転部を回すことによりボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記スライド式は、軸筒側面にスライド部を有し、該スライドを操作することによりボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成、或いは、軸筒に設けたクリップ部をスライドさせることにより、ボールペンレフィルの筆記先端部を軸筒前端開口部から出没させる構成を例示できる。
前記出没式ボールペンは外軸内に複数のボールペンレフィルを収容してなる複合タイプの出没式ボールペンであってもよい。
前記ボールペンに内蔵される水性インキ組成物には、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのモノマーが添加されており、インキ中で良好な酸素吸収能を発現するため、インキ中の酸素を含む気体が集まって気泡となることを抑制すると推察される。
前記2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのモノマーは、インキ組成中0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%添加することができる。
0.01重量%以下では所期の気泡発生抑止効果を得ることは困難であり、又、5重量%を越えて配合しても更なる気泡抑制効果は得られないので、これ以上の添加を要しない。
前記着色剤としては、水性系媒体に溶解もしくは分散可能な染料及び顔料がすべて使用可能であり、その具体例を以下に例示する。
前記染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を使用することができる。
酸性染料としては、
ニューコクシン(C.I.16255)、
タートラジン(C.I.19140)、
アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、
ギニアグリーン(C.I.42085)、
ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、
アシッドバイオレット6B(C.I.42640)、
ソルブルブルー(C.I.42755)、
ナフタレングリーン(C.I.44025)、
エオシン(C.I.45380)、
フロキシン(C.I.45410)、
エリスロシン(C.I.45430)、
ニグロシン(C.I.50420)、
アシッドフラビン(C.I.56205)等が用いられる。
塩基性染料としては、
クリソイジン(C.I.11270)、
メチルバイオレットFN(C.I.42535)、
クリスタルバイオレット(C.I.42555)、
マラカイトグリーン(C.I.42000)、
ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、
ローダミンB(C.I.45170)、
アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、
メチレンブルーB(C.I.52015)等が用いられる。
直接染料としては、
コンゴーレッド(C.I.22120)、
ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、
バイオレットBB(C.I.27905)、
ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、
カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、
ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、
フタロシアニンブルー(C.I.74180)等が用いられる。
前記顔料としては、カーボンブラック、群青などの無機顔料や銅フタロシアニンブルー、ベンジジンイエロー等の有機顔料の他、予め界面活性剤や樹脂を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等が用いられ、例えば、C.I.Pigment
Blue 15:3B〔品名:Sandye Super Blue GLL、顔料分24%、山陽色素株式会社製〕、
C.I. Pigment Red 146〔品名:Sandye Super Pink FBL、顔料分21.5%、山陽色素株式会社製〕、
C.I.Pigment Yellow 81〔品名:TC Yellow FG、顔料分約30%、大日精化工業株式会社製〕、
C.I.Pigment Red 220/166〔品名:TC Red FG、顔料分約35%、大日精化工業株式会社製〕等を挙げることができる。
尚、前記顔料を分散する樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリル酸樹脂、マレイン酸樹脂、アラビアゴム、セルロース、デキストラン、ガゼイン等、およびそれらの誘導体、前記した樹脂の共重合体等が挙げられる。
蛍光顔料としては、各種蛍光性染料を樹脂マトリックス中に固溶体化した合成樹脂微細粒子状の蛍光顔料が使用できる。
また、二酸化チタン等の白色顔料、アルミニウム等の金属粉、天然雲母、合成雲母、アルミナ、ガラス片から選ばれる芯物質の表面を二酸化チタン等の金属酸化物で被覆したパール顔料、コレステリック液晶型光輝性顔料等を使用することもできる。
更に、可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料や、前記可逆熱変色性組成物と共に、染料や顔料を内包したマイクロカプセル顔料等の熱変色性顔料を使用することもできる。
前記着色剤は一種又は二種以上を適宜混合して使用することができ、インキ組成物中1〜25重量%、好ましくは2〜15重量%の範囲で用いられる。
また、前記インキ中には必要に応じて水溶性有機溶剤を添加することができ、水に相溶性のある従来汎用のものが用いられる。
前記水溶性有機溶剤としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオプレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
尚、前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用することもでき、インキ組成物中2〜60重量%、好ましくは5〜35重量%の範囲で用いられる。
更に、潤滑剤を添加してボール受け座の摩耗防止効果を付与することができる。
前記潤滑剤としては、オレイン酸等の高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐酸トリエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。
また、前記インキ中に剪断減粘性付与剤を添加することによって、インキを充填するボールペンの不使用時にボールとチップの間隙からのインキ漏れだしを防止したり、筆記先端部を上向き(正立状態)で放置した場合のインキの逆流を防止したり、顔料の凝集、沈降を防止することができる。
尚、前記剪断減粘性付与剤を添加したインキ組成物の粘度は、20℃でのEM型回転粘度計100rpmにおけるインキ粘度が25〜160mPa・sを示し、且つ、剪断減粘指数が0.1〜0.7を示すことが好ましい。
尚、剪断減粘指数(n)は、剪断応力値(T)及び剪断速度値(j)の如き粘度計による流動学測定から得られる実験式T=Kj(Kは非ニュートン粘性係数)にあてはめることによって計算される値である。
前記剪断減粘性付与剤としては、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、アルカガム、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類(カラギーナン等)、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類、N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を例示できる。
特に、少量の添加で所望の条件を発現することからサクシノグリカンやカラギーナンが有効である。
その他、必要に応じてpH調整剤、防腐剤或いは防黴剤を添加することができる。
前記pH調整剤としては、アンモニア、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、トリエタノールアミンやジエタノールアミン等の水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物、乳酸、クエン酸等が挙げられる。
前記防腐剤或いは防黴剤としては、石炭酸、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等が挙げられる。
更には、溶剤の浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン、アニオン、カチオン系界面活性剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤を添加することもできる。
また、耐乾燥性を妨げない範疇でアルキッド樹脂、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合物、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等の水溶性樹脂を一種又は二種以上添加したり、尿素、ソルビット、マンニット、ショ糖、ぶどう糖、還元デンプン加水分解物、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤を一種又は二種以上添加することもできる。
前記水性インキ組成物は、20℃における溶存酸素量が0.1〜10mg/Lの範囲とすることが好ましい。
前記範囲とすることで、インキ収容管内に内蔵された状態で水分が蒸発した場合であっても気体が生じ難くなるため、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのモノマーによる化学的な気体除去効果がより有利なものとなり、気泡の発生をより効果的に抑制できる。
前記インキ収容管に収容したインキ組成物の後端には、インキ逆流防止体が充填される。
前記インキ逆流防止体組成物としては不揮発性液体又は難揮発性液体からなり、具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等が挙げられ、一種又は二種以上を併用することができる。
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体には、ゲル化剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物を例示できる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体組成物と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
前記水性インキ組成物とインキ逆流防止体を収容する水性ボールペンは、50℃、相対湿度20%の雰囲気下に60日間放置した後のインキ重量Yと、放置前のインキ重量Xが、Y/X≦0.960の関係を満たすこと、即ち、インキ中の水分蒸発量が放置前の全重量の4.0%以上である場合、溶媒蒸発し易い組成のインキ組成物であるため、水分蒸発に伴う気体の発生が起こり易い。そのため、本願の2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのモノマーによる化学的な気体除去効果がより有利なものとなり、気泡の発生をより効果的に抑制できる。
以下に実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に実施例及び比較例のボールペン用水性インキの組成を示す。表中の組成の数値は重量部を示す。
尚、各インキ粘度は、20℃でEM型回転粘度計〔東京計器(株)製、EMアダプター使用〕を用いて100rpmにて測定した値であり、剪断減粘指数(n)は、前記粘度値から算出した値である。また、溶存酸素量は、20℃で溶存酸素計〔飯島電子工業(株)製〕を用いて測定した値である。
Figure 0005483306
表中の原料の内容について注番号に沿って説明する。
(1)山陽色素(株)製、商品名:サンダイスーパーカラー ブルー GLL
(2)アイゼン保土ヶ谷(株)製、商品名:フロキシン
(3)オリエント化学工業(株)製、商品名:ウォーターブラック100L、C.I.ダイレクトブラック19、染料分20%
(4)2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール
(5)2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールの2量体
(6)リン酸エステル系界面活性剤、第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL
(7)アーチケミカルズジャパン社製、商品名:プロキセルXL−2
インキの調製
前記実施例及び比較例の配合量で各原料を混合し、20℃で3時間撹拌溶解することにより水性インキ組成物を得た。
インキ逆流防止体の調製
基油としてポリブテン98.5部中に、増粘剤として脂肪酸アマイド1.5部を添加した後、3本ロールにて混練してインキ逆流防止体を得た。
ボールペンの作製
直径0.4mmの超硬合金製ボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプ(外径5.4mm、内径3.8mm、全長100mm)の一端に嵌着されたボールペンレフィル内に、前記各インキ組成物1.0gを充填し、その後端に前記インキ逆流防止体0.1gを配設した後、前記ボールペンレフィルを軸筒に組み込み、試料ボールペンを作製した。
試験A
前記試料ボールペンを50℃で60日間放置した後、インキ収容管内の気泡の発生の有無、及び、筆記試験(JIS P3201筆記用紙Aに手書き筆記)による筆跡の状態を目視により観察した。
試験B
前記試料ボールペンを50℃、相対湿度20%の雰囲気下に60日間放置した後のインキ重量Yを測定し、放置前のインキ重量Xからどれだけ減少したかを測定してY/Xの値を求めた。
その結果を以下に示す。
Figure 0005483306
尚、前記表中の判定基準は以下の通り。
筆記試験
○:良好な筆跡が得られる。
×:筆跡にカスレや線飛びが見られる。

Claims (4)

  1. 着色剤と、水と、潤滑剤としてのリン酸エステル系界面活性剤と、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールのモノマーを含有する水性インキ組成物を内蔵すると共に、前記インキの消費に伴って追従するインキ逆流防止体をインキ後端に密接配置してなる水性ボールペンが、50℃、相対湿度20%の雰囲気下に60日間放置した後のインキ重量Yと、放置前のインキ重量Xが、Y/X≦0.960を満たし、前記水性インキ組成物の20℃における溶存酸素量が0.1〜10mg/Lである水性ボールペン。
  2. 前記水性インキ組成物が剪断減粘性付与剤を含む請求項1記載の水性ボールペン。
  3. 前記水性インキ組成物の20℃におけるEM型回転粘度計100rpmでのインキ粘度が25〜160mPa・sの範囲にあり、且つ、剪断減粘指数が0.1〜0.7の範囲にある請求項2記載の水性ボールペン。
  4. 前記剪断減粘性付与剤がサクシノグリカン又はカラギーナンのいずれかである請求項2又は3に記載の水性ボールペン。
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