JP2014237791A - 筆記具用インク組成物および色材 - Google Patents

筆記具用インク組成物および色材 Download PDF

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Abstract

【課題】インク溶媒に対する色材の溶解性が良好で、筆記した描線のブリード・滲みが生じにくく、耐水性が向上した筆記具用インク組成物および色材を提供する。【解決手段】式(I)で示されるジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオン及び酸性染料とで構成される造塩染料を、p−トルエンスルホン酸アミドとホルムアルデヒドから編合反応により得られるスルホン酸樹脂よりなる化合物に添加することにより得られた色材を含むことを特徴とする筆記具用インク組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、筆記具用インク組成物および色材に関し、更に詳しくは、インク溶媒に対する色材の溶解性が良好で、筆記した描線のブリード・滲みが生じにくく、耐水性が向上した筆記具用インク組成物および色材に関する。
従来より、筆記具用インク組成物には、いろいろな種類の色材が用いられている。
例えば、1)着色剤として塩基性染料を母体とした造塩染料を使用することを特徴とする油性ボールペン用黒インク組成物(例えば、特許文献1参照)、2)ロイコ染料である電子供与性呈色性有機化合物と、電子受容性化合物と、これらの呈色反応をコントロールする反応媒体からなる可逆熱変色性組成物を用いたボールペン用油性インク組成物(例えば、特許文献2参照)が知られている。
しかしながら、これらの造塩染料、ロイコ色素を筆記具用インク組成物の色材として使用する場合には、未だインクの溶媒に対する溶解性が不足したり、描線の滲みやブリード(描線の移行)が生じたり、耐水性が充分ではない場合があるなどの課題がある。
特開平8−134393号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2009−292935号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、インク溶媒に対する色材の溶解性が良好で、筆記した描線のブリード・滲みが生じにくく、耐水性が向上した筆記具用インク組成物および色材などを提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等に鑑み、鋭意研究を行った結果、特定の造塩染料を、特定の化合物に添加することにより得られた色材を用いることにより、上記目的の筆記具用インク組成物、色材などが得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(5)に存する。
(1) 下記式(I)で示されるジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオン及び酸性染料とで構成される造塩染料を、下記式(II)で示される化合物に添加することにより得られた色材を含むことを特徴とする筆記具用インク組成物。
Figure 2014237791
Figure 2014237791
(2) 前記色材に含まれる式(II)の化合物と前記造塩染料の質量比が、1:0.1〜2の範囲にあることを特徴とする上記(1)記載の筆記具用インク組成物。
(3) 上記(1)又は(2)に記載のインク組成物を搭載したことを特徴とする筆記具。
(4) 下記式(I)で示されるジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオン及び酸性染料とで構成される造塩染料を、下記式(II)で示される化合物に添加することにより得られたことを特徴とする色材。
Figure 2014237791
Figure 2014237791
(5) 前記色材に含まれる式(II)の化合物と前記造塩染料の質量比が、1:0.1〜2の範囲にあることを特徴とする上記(4)記載の色材。
本発明によれば、インク溶媒に対する色材の溶解性が良好で、筆記した描線のブリード・滲みが生じにくく、耐水性が向上した筆記具用インク組成物および色材が提供される。また、得られる色材は、染料と樹脂が一体となっているので、固形分が多いことを条件とする筆記具用インクを調製する場合において、配合の自由度を確保することができる。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の筆記具用インク組成物は、下記式(I)で示されるジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオン及び酸性染料とで構成される造塩染料を、下記式(II)で示される化合物に添加することにより得られた色材を含むことを特徴とする筆記具用インク組成物。
Figure 2014237791
Figure 2014237791
〔造塩染料〕
本発明に用いる造塩染料は、上記式(I)で示されるジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオン及び酸性染料とで構成されるものであり、具体的には、上記式(I)で示されるジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオンと酸性染料とから生成される造塩染料を用いる。
用いることができる酸性染料としては、例えば、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同52、同107、同109、同110、同119、同154、C.I.アシッドエロー7、同17、同19、同23、同25、同29、同38、同42、同49、同61、同72、同78、同110、同127、同135、同141、同142、C.I.アシッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同51、同52、同57、同82、同87、同92、同94、同115、同129、同131、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.アシッドバイオレット17、同18、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、同22、同23、同25、同40、同41、同43、同62、同78、同83、同90、同93、同103、同112、同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同16、同25、同27などが挙げられる。
本発明に用いる造塩染料は、以下のようにして得ることができる。
例えば、水(精製水、蒸留水、純水等、以下同様)に本発明のジメチルジステアリルアンモニウム塩を加え、室温条件下において攪拌して溶解させた溶液1を調製する。一方、溶液2として、水に上記酸性染料を加え、必要に応じて、NaOH水溶液を滴下してアルカリ側にpH調整後、室温条件下において攪拌して溶解させた溶液2を調製する。この溶液2に攪拌しながら、溶液1を添加後、塩酸水溶液などの酸水溶液を滴下し、酸性サイドにpH調整をした後、濾過を行い、更に水洗及び/又は溶剤洗浄を経て乾燥させることによって、造塩染料を得ることができる。
なお、本発明のジメチルジステアリルアンモニウム塩および上記酸性染料の添加量は、イオン価に基づいた当量にしたがって決められる。すなわち、酸性染料が1価の陰イオンである場合には、1当量のジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオンが、酸性染料が2価の陰イオンである場合には、2当量のジメチルステアリルアンモニウム塩のカチオンが添加される。ただし、反応性を考慮して一方の化合物を前記理論値よりも多く添加する場合もある。
〔色材〕
本発明の色材は、上記式(I)で示されるジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオン及び酸性染料とで構成される造塩染料を、下記式(II)で示される化合物に添加することにより得られるものである。
Figure 2014237791
上記式(II)で示される化合物は、p−トルエンスルホン酸アミドとホルアルデヒドとを加え、加熱して縮合反応により得られるスルホン酸樹脂であり、パラ位(p位)が主成分となる(p位が50質量%を超えて多くなる)ものであり、化合物中には、オルト位(o位)の化合物が混在していても良いものである。さらに、ベンゾグアナミンなどの架橋剤を適宜量加えて得た化合物であっても良く、この架橋剤の添加により、更に経時的な劣化の抑制を発揮せしめることができる。なお、式(II)中のnは、正の数であり、後述する色材の好ましい重量平均分子量の範囲内で調整される。
本発明の色材の重量平均分子量は、300〜3000の範囲であることが好ましい。この色材の重量平均分子量が300未満であると、耐水性などの堅牢性が低下する傾向となり、一方、3000を超えるものであると、粘度が高くなってしまい、好ましくない。更に好ましくは、500〜2000であり、より好ましくは500〜1000の範囲である。なお、本発明(後述する実施例を含む)において重量平均分子量の測定は、GPCにて行い、その値はポリスチレン換算値である。
具体的な色材の製造としては、例えば、1)p−トルエンスルホン酸アミドとホルアルデヒド等とを混合し加熱して縮合反応によって得られる上記式(II)のスルホン酸樹脂の縮合過程において、上記造塩染料を加えて、縮合脱水終了後、冷却し固化することにより得ることでき、また、2)製造された上記式(II)の化合物(スルホン酸樹脂)に上記造塩染料を添加して混練し、または必要に応じて加熱しながら混練し、次いで、冷却し固化することなどにより得ることできる。
本発明の色材において、色材に含まれる上記式(II)の化合物と前記造塩染料との質量比は、好ましくは、1:0.1〜2の範囲、更に好ましくは、1:0.2〜1.2の範囲にあることが望ましい。
上記造塩染料の各質量比が下限値である0.1未満であると、十分な色濃度が得られず、一方、上限値である2を超えると、溶媒への溶解度が低下して析出を生じやすくなり、好ましくない。
本発明の色材は、上記式(I)で示されるジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオン及び酸性染料とで構成される造塩染料を、上記式(II)で示される化合物(スルホン酸樹脂)に添加することにより得られるものであり、造塩染料はスルホン酸アミドと結合して樹脂と一体となったものであり、その色素を溶出することがなく、造塩染料が本来有する機能を損なうことなく、インク溶媒となる有機溶剤に対して良好な溶解性を有し、外部環境の影響を受けにくくなり、筆記具用インクに用いた場合に、筆記した描線のブリード・滲みが生じにくい色材となるものである。また、得られる色材は、染料と樹脂が一体となっているので、固形分が多いことを条件とする筆記具用インクを調製する場合において、配合の自由度を確保することができ、その量を設定する際の設定の自由度を広げると共に、製造の負荷の低減と、造塩染料による各色の多様化の向上を図ることができる。
<筆記具用インク組成物>
本発明の筆記具用インク組成物は、上記構成の造塩染料を、上記式(II)で示される化合物に添加することにより得られた色材を含むことを特徴とするものであり、好ましくは、油性のボールペン用、マーキングペン用等の筆記具用インク組成物として用いることをできる。
これらの色材の含有量は、筆記具の用途(ボールペン、マーキングペン、サインペン、等)により変動するものであるが、インク組成物全量に対して、好ましくは、0.1〜30質量%(以下、単に「%」という)、更に好ましくは、0.5〜25%とすることが望ましい。
これらの色材の含有量が0.1%未満であると、着色力、発色性が不十分となり、一方、30%を超えると、カスレが生じやすくなり、好ましくない。
本発明の筆記具用インク組成物において、上記色材の他、従来用いられている種々の有機溶剤を用いることができる。好ましい溶剤としては、アルコール系溶剤、多価アルコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤から選ばれる溶剤を挙げることができる。
アルコール系溶剤は、炭素数が2以上の脂肪族アルコールであり、具体的には、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert-ブチルアルコール、1−ペンタノール、イソアミルアルコール、sec-アミルアルコール、3−ペンタノール、tert-アミルアルコール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2−エチルブタノール、n-ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、ウンデカノール、n−デカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、ヘプタデカノール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、2−フェノキシエタノールやその他多くの高級アルコール等が挙げられる。
多価アルコール系溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の分子内に2個以上の炭素、2個以上の水酸基を有する多価アルコールが挙げられる。
以上挙げた溶剤の中で特に好ましい溶剤は、炭素数2〜7のグリコールエーテルである。また、安全性および経口毒性等の点から、エチレングリコール誘導体等以外の有機溶剤を使用した方が好ましい。それらの例として、多価アルコール類誘導体があり、ソルビタン脂肪酸系、ポリグリセリン高級脂肪酸系、ショ糖脂肪酸系、プロピレングリコール脂肪酸系等の誘導体も挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤としては、メチルイソプロピルエーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールターシャリーブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
上記の溶剤の他にエステル系溶剤も用いることができる。エステル系溶剤としては、例えば、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸イソアミル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピル、吉草酸メチル、吉草酸エチル、吉草酸プロピル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸プロピル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、トリメチル酢酸プロピル、カプロン酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸プロピル、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプリル酸プロピル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、カプリル酸トリグリセライド、クエン酸トリブチルアセテート、オキシステアリン酸オクチル、プロピレングリコールモノリシノレート、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、3−メトキシブチルアセテート等様々なエステルが挙げられる。
また、分子内に水酸基を持たないジエーテルやジエステルとしては、具体的には、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
これらの溶剤の含有量は、筆記具の用途、含有する染料種等により変動するものであるが、インク組成物全量に対して、好ましくは、20〜97%、更に好ましくは、30〜95%とすることが望ましい。
本発明の筆記具用インク組成物では各種樹脂を使用してもよい。これらの樹脂は、インクの定着性向上、筆跡の裏写り防止の他、色材の分散剤としての機能や粘度調整、色材の溶解促進のために含有するものである。樹脂としては、従来、油性ボールペン用インクに用いられているいずれの樹脂も用いることができる。
本発明の筆記具用インク組成物に使用することができる樹脂としては、例えば、色材の分散剤としても使用可能なケトン樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、フェノール系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、尿素アルデヒド系樹脂、マレイン酸系樹脂、シクロヘキサノン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン等に代表される樹脂が挙げられる。
これらの樹脂の含有量としては、粘度調整、書き味などの点から、好ましくは、0.5〜35%、更に好ましくは、1.0〜20%とすることが望ましい。
上述した成分に加えて、更に、本発明では必要に応じて、インクに悪影響を及ぼさず相溶することができる種々の添加剤、例えば、防錆剤、防黴剤、界面活性剤、潤滑剤および湿潤剤等を適宜量含有することができる。また、色材がロイコ染料を用いた場合には、ロイコ染料を発色させる能力を有する成分となる顕色剤などを適宜量用いることができる。
この筆記具用インク組成物を製造するには、従来から知られている方法が採用可能であり、例えば、上記色材の他、上記有機溶剤、樹脂などの各成分を所定量配合し、ホモミキサー、もしくはディスパー等の攪拌機により攪拌混合することによって得られる。更に必要に応じて、ろ過や遠心分離によってインク組成物中の粗大粒子を除去してもよい。
このように構成される本発明の筆記具用インク組成物では、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップを筆記先端部に備えたマーキングペン体や、ボールペンチップを筆記先端部に備えたボールペン体に搭載して使用に供される。
本発明の筆記具用インク組成物及び筆記具では、上記式(I)で示されるジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオン及び酸性染料とで構成される造塩染料を、上記式(II)で示される化合物に添加することにより得られた色材を含有する油性のインクを処方し、このインクを搭載したボールペン体、マーキングペン体などの筆記具にて紙面等に筆記しても、耐水性及び耐ブリード性に優れたものとなる。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
〔色材の製造:製造例1〜3〕
下記製造例1〜3により造塩染料を用いた色材を製造した。
(造塩染料1の製造)
用いる造塩染料は、いずれも次の製造工程により製造した。
溶液1:蒸留水100gに本発明のジメチルジステアリルアンモニウム塩20gを加え、室温条件下において攪拌して溶解させた。
溶液2:蒸留水100gにC.I.アシッドレッド52を10g加え、必要に応じて、NaOH水溶液を滴下してアルカリ側にpH調整後、室温条件下において攪拌して溶解させた。
攪拌しながら、溶液2に溶液1を添加後、18%塩酸水溶液を滴下し、酸性サイドにpH調整をした後、濾過を行い、更に水洗および溶剤洗浄を経て乾燥させることによって各造塩染料を得た。
(造塩染料2の製造)
上記造塩染料1の製造において、酸性染料であるC.I.アシッドレッド52に代え、C.I.アシッドバイオレット17を13g用いて造塩染料1の製造と同様にして造塩染料2を製造した。
(造塩染料3の製造)
上記造塩染料1の製造において、酸性染料であるC.I.アシッドレッド52に代え、C.I.アシッドブルー9を9.1g用いて造塩染料1の製造と同様にして造塩染料3を製造した。
(製造例1:色材A−1の製造)
トルエンスルホン酸アミド72g、ホルムアルデヒド水溶液(38%)24gを97℃で2時間混合攪拌し、これに上記ジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオン及び酸性染料であるC.I.アシッドレッド52とで構成される造塩染料1を41g加え、さらに150〜160℃で1時間加熱して共縮合させた。これを真空乾燥させることにより水分を除去した後、粉砕して粉末化させて色材A−1を製造した。なお、トルエンスルホン酸アミド:ホルムアルデヒドは、3:2molで計算した(以下、同様)。また、樹脂(p−トルエンスルホン酸アミド+ホルムアルデヒドとの樹脂、以下同様)と造塩染料との質量比は、1:0.5であった。
(製造例2:色材A−2の製造)
上記製造例1において、造塩染料1に代え、造塩染料2を24g用いて製造例1と同様にして色材A−2を製造した。樹脂と造塩染料との質量比は、1:0.3であった。
(製造例3:色材A−3の製造)
上記製造例1において、造塩染料1に代え、造塩染料3を56g用いて製造例1と同様にして色材A−3を製造した。樹脂と造塩染料との質量比は、1:0.7であった。
(実施例1〜3及び比較例1〜3)
(インクの処方)
下記表1に示す配合処方で、常法により各油性のボールペン用水性インク組成物を調製した。
(ボールペンの作製)
上記で得られた各インク組成物を用いてボールペンを作製した。具体的には、ボールペン〔三菱鉛筆株式会社製、商品名:SG−100〕の軸を使用し、内径1.75mm、長さ135mmポリプロピレン製インク収容管とステンレス製チップ(超硬合金ボール、ボール径0.5mm)及び該収容管と該チップを連結する継手からなるリフィールに上記各油性インクを充填し、インク後端に鉱油を主成分とするインク追従体を装填し、油性ボールペンを作製した。
得られた実施例1〜3及び比較例1〜3の各ボールペンを用いて、下記評価方法で耐水性、耐ブリード性の評価を行った。
これらの結果を下記表1に示す。
(耐水性の評価方法)
得られた各筆記具用インク組成物を充填した筆記具を用いて、描線を筆記した筆記用紙を蒸留水に浸漬し、24時間後の状態を目視で観察し、下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:描線に変化はない。
△:やや描線のにじみが観察される。
×:描線濃度・状態に大きな変化が見られる。
(ブリードの評価方法)
描線を筆記した筆記用紙を紙に挟み込み、クリアファイルに入れて50℃、60%RHの条件下で2週間保管後、筆記要旨の裏面を目視で観察し、下記評価基準で評価した。
評価基準:
○:変化なし。
△:描線がやや移行している。
×:多量の描線が移行している。
Figure 2014237791
上記表1の結果から明らかなように、本発明となる実施例1〜3の筆記具用インク組成物は、本発明の範囲外となる比較例1〜3の筆記具用インク組成物に較べて、耐水性及び耐ブリード性に優れた筆記具用インク組成物となることが判明した。
これに対して、比較例1〜3は、式(II)の化合物に添加されていない造塩染料1〜3を含有する各インク組成物では、満足のいく十分な耐水性、耐ブリード性が得られないものであった。
ボールペン、マーキングペンなどの筆記具に好適な筆記具用インク組成物、及びそれに用いる色材として好適なものとなる。

Claims (5)

  1. 下記式(I)で示されるジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオン及び酸性染料とで構成される造塩染料を、下記式(II)で示される化合物に添加することにより得られた色材を含むことを特徴とする筆記具用インク組成物。
    Figure 2014237791
    Figure 2014237791
  2. 前記色材に含まれる式(II)の化合物と前記造塩染料の質量比が、1:0.1〜2の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の筆記具用インク組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のインク組成物を搭載したことを特徴とする筆記具。
  4. 下記式(I)で示されるジメチルジステアリルアンモニウム塩のカチオン及び酸性染料とで構成される造塩染料を、下記式(II)で示される化合物に添加することにより得られたことを特徴とする色材。
    Figure 2014237791
    Figure 2014237791
  5. 前記色材に含まれる式(II)の化合物と前記造塩染料の質量比が、1:0.1〜2の範囲にあることを特徴とする請求項4記載の色材。
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