JP2003041170A - 油性インキ組成物及びその用途 - Google Patents

油性インキ組成物及びその用途

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JP2003041170A JP2001232222A JP2001232222A JP2003041170A JP 2003041170 A JP2003041170 A JP 2003041170A JP 2001232222 A JP2001232222 A JP 2001232222A JP 2001232222 A JP2001232222 A JP 2001232222A JP 2003041170 A JP2003041170 A JP 2003041170A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルコールまたはエーテルなどの酒性系溶剤
を使用する際に、青色を主とする染料として高濃度の添
加を可能として高濃度条件下における欠点を解決し、ま
た金属錯塩染料やインキ中の他の原材料に対しても相溶
性が良好であり、低温経時安定性に優れた、油性インキ
組成物を提供すること。 【解決手段】 色材として下記化学構造式1あるいは2
で示される染料を少なくとも一種類以上含み、溶剤とし
てアルコールまたはエーテルを含むインキ組成物。好ま
しい態様では、金属錯塩染料または顔料を更に含め、ま
たトリアリールメタン系染料を併用する。樹脂としてポ
リビニルブチラールを含む。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筆記具用油性イン
キ組成物として好適に用いられ、インキ中での染料溶解
性や他の原材料との相溶性に優れた特性を持つインキ組
成物及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、油性の青系インキとしては、色相
及び堅牢性の面から金属錯塩染料を使用する場合が多
い。特に銅フタロシアニン系染料は、金属錯塩染料とし
て必須成分に近い。しかし、金属錯塩染料は油性溶剤に
対する溶解性に問題があった。また、金属錯塩染料だけ
では隠蔽性が低いという欠点があり、金属錯塩染料を使
用する場合は発色が良好なトリアリールメタン系の染料
と併用し色相を調整することが多い。このようにインキ
組成物では金属錯塩染料は各種の他の原材料あるいは溶
剤と混合して使用されるが、金属錯塩染料はやはり溶解
性、特に相溶性が悪いために、使用する溶剤や原材料及
びそれらの添加量によっては極端なインキ粘度の増粘や
沈降物の発生等インキの不具合を引き起こす原因にもな
っていた。
【0003】また、金属錯塩染料の代わりに堅牢性を付
与するために顔料分散体が使用される場合もあるが、顔
料はもともと溶解性、相溶性がないため、金属錯塩染料
を使用する場合と同様に他の材料を併用する場合に増粘
や沈降物の発生等の問題が生じることがしばしばであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
記のような従来技術の問題点に鑑み、広く各種の油性溶
剤、特に炭素数2以上のアルコール、多価アルコールな
どのアルコール、グリコールエーテル類などのエーテル
などの酒性系溶剤を使用する際に、青色を主とする染料
として高濃度の添加を可能として高濃度条件下における
上記の欠点を解決し、また金属錯塩染料やインキ中の他
の原材料に対しても相溶性が良好であり、低温経時安定
性に優れた、油性インキ組成物を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、広く各種の油
性溶剤、特に酒性溶剤(アルコールやエーテル)に対す
る溶解性、他の材料との相溶性に優れた、しかも所望の
色調の青色系染料を提供し、それをインキ組成物の青色
材成分として使用することにより、上記課題を解決する
ものである。具体的には、本発明は以下にある。
【0006】(1)色材として下記化学構造式1あるい
は2で示される染料を少なくとも一種類以上含み、溶剤
としてアルコールまたはエーテルを含むことを特徴とす
るインキ組成物。
【0007】
【化3】
【0008】
【化4】
【0009】(これらの式中、Aは同じでも異なっても
よく、3〜4級アンモニウム基である。) (2)前記染料が化学構造式1あるいは2においてAが
4級アンモニウムイオン基であり、かつ溶剤として使用
する炭素数2以上のアルコールまたはエーテルに少なく
とも20質量%以上溶解するものである、(1)記載の
インキ組成物。
【0010】(3)金属錯塩染料または顔料を更に含む
(1)(2)記載のインキ組成物。
【0011】(4)さらに樹脂として少なくともポリビ
ニルブチラールを含む(1)〜(3)に記載のインキ組
成物。
【0012】(5)トリアリールメタン系染料を併用す
る(1)〜(4)に記載のインキ組成物。
【0013】(6)アルコールまたはエーテルからなる
前記溶剤であって脂肪族系溶剤である溶剤が、インキ組
成物の全溶剤の40質量%以上を占める、(1)〜
(5)に記載のインキ組成物。
【0014】(7)金属錯塩染料としては銅フタロシア
ニン系染料を使用する(3)〜(6)に記載のインキ組
成物。
【0015】(8)前記溶剤が炭素原子数2以上の脂肪
族アルコール、多価アルコールまたはグリコールエーテ
ルから選ばれたものである、(1)〜(7)に記載のイ
ンキ組成物。
【0016】(9)(1)〜(8)に記載の油性インキ
組成物を用いたサインペン、スタンプ台及びボールペ
ン。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の組成物に用いる染料は、
上記化学構造式1あるいは2で表される染料である。
【0018】下記化学構造式3で表される化合物は、酸
染Acid Dye FD & C Blue No.1、 C.I. 42090、 Food Bl
ue 2、 3844-45-9であり、公知であり、市販されてい
る。また、化学構造式4で表される化合物も、酸染Acid
Dye D & C Blue No.4、 C.I.42090、 Acid Blue 9、 2
650-18-2であり、公知であり、市販されている。化学構
造式3あるいは4で表される化合物はナトリウム塩ある
いはアンモニウム塩であるが、その他の塩の形で入手
し、あるいはその他の塩の形に変換したものを出発化合
物としてもよい。
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】本発明によれば、化学構造式1あるいは2
で表される染料は、化学構造式3あるいは4で表される
染料の有する所望のスカイブルー系の色相を有してお
り、それゆえに銅フタロシアニン染料を含む青色系金属
錯塩染料に代えて青色色素として使用でき、しかも金属
錯塩染料の持つ溶解性、相溶性の不都合がないので、金
属錯塩染料では可能でなかった新たな特徴、性質を有す
る油性インキ組成物を構成することができることが見出
されたものである。
【0022】本発明で使用する化学構造式1あるいは2
で表される染料は、水溶性スルフォン酸塩である化学構
造式3あるいは4で表される化合物あるいはそれ以外の
塩を3〜4級アンモニウム塩に変換して疎水性の塩とす
ること(造塩)により製造することができる。
【0023】染料を油溶性造塩する3〜4級アンモニウ
ムイオン基の供給成分に関しては、3級アミンあるいは
3〜4級アンモニウム塩等が使用される。3〜4級アン
モニウム基であれば造塩体が油溶性(疎水性)を持ちか
つ造塩分離できるからである。代表的には種々のアルカ
ノールアミンやアルキルアミン及びアンモニウム塩があ
るが、その他、アミン成分であって造塩染料としての使
用溶剤中での親和性に悪影響を及ぼさないものであれば
よい。一般式NR4(式中、Rは飽和炭化水素等から構
成され、その側鎖等が水酸基、アルキル基、アリール
基、ハロゲン基などで置換されたあるいは置換されない
化学種である。特に染料を化学構造上、疎水性にするた
めには立体障害を造り易くするように化学構造的に大き
いものや、疎水基の割合や大きさを増やしたものが好ま
しい。)で表される化合物を用いることができる。本発
明の目的からは疎水性が高いことが望ましいので、アミ
ン成分の有機基が多く(3級、4級)、炭素原子数が多
い基を持つことが効果が大きいので好ましい。実用性の
観点からは、炭素原子数6〜20のアルキル基を含む長
鎖アルキルアンモニウム塩、特にそのような長鎖アルキ
ル基を1つ以上持つ4級アンモニウム塩が好ましく使用
できる。
【0024】特に好適に使用できる4級アンモニウム塩
の例を下記に示す。
【0025】
【化7】
【0026】Rとしては例えばC16H33,C12H25,C10H21,C
14H29,C8H2などが好適に用いられる。
【0027】造塩方法は常法にしたがうことができ、典
型的には、化学構造式3,4で表される水溶性染料また
はその類似塩を加温された水中に溶解し、攪拌しながら
アミンなどの造塩成分を加えて造塩させればよい。また
は、逆に造塩成分を加温された水中に溶解し、これに上
記水溶性染料を加えて造塩させてもよい。反応温度、反
応のpH、反応終了時のpH等の詳細な条件は造塩する
染料によって適宜決定する。造塩体を水中から回収、精
製するには、濾過、塩析、溶媒抽出、貧溶媒添加など各
種の方法を単独でまたは併用すればよい。
【0028】この様にして得られる疎水性を高められた
造塩染料を一種あるいはそれ以上の配合状態で使用する
ことで、安定性の高い青色の油性インキ組成物が得られ
る。この造塩染料はそれ自体が高濃度に溶解して油性イ
ンキ組成物を構成できるので、金属錯塩染料や顔料分散
体を使用しないでも、隠蔽力の高い良好なインキ組成物
として使用できる。
【0029】また、この造塩染料は、それ自体油性溶媒
に高濃度に溶解できるのみならず、金属錯塩染料や顔料
分散体などとも安定に混在することが可能である。この
ため、金属錯塩染料や顔料分散体などと併用して隠蔽力
を高めたり色相を調整したりすることができるのみなら
ず、特に金属錯塩染料あるいは顔料の使用量を減らすこ
とができるので堅牢性と隠蔽力の両方の高いインキ組成
物を構成することができ、さらに他の材料成分との相溶
性が優れているので金属錯塩染料あるいは顔料の使用量
を減らして他の成分を添加しても溶液の安定性を保つこ
とができる効果がある。特に金属錯塩染料あるいは顔料
を用いながらトリメタノール系染料を併用してもインキ
組成物が安定であることができる効果は重要である。
【0030】これらの染料の配合量としては、インキ組
成物全量の0.5〜30質量%程度が可能であり、使用
する製品によって異なる。例えば油性サインペンであれ
ば、0.5〜15質量%であるが、油性ボールペンや油
性スタンプ台などでは0.5〜30質量%の範囲とな
る。
【0031】本発明の溶解性、相溶性の向上という目的
から、本発明で用いる化学構造式1、2の染料は、溶剤
として使用するアルコールあるいはエーテルに20質量
%以上、より好ましくは30質量%以上溶解するものが
好適である。染料の溶解性が高いほど、インキ組成物の
安定性が向上するからである。勿論染料の溶解性は用い
る溶剤の種類に依存する。従って、本発明では、染料及
び/又は溶剤の組合せによって上記の溶解性が達成され
ればよい。
【0032】本発明において有利に併用できるトリメタ
ノール系染料としては、BasicViolet系の染
料を骨格とする造塩染料がある。この染料は調色のため
インキの隠蔽性を向上させるため青や藍色として必要と
なる染料である。
【0033】本発明の油性用インキ組成物に用いる化学
構造式1あるいは2で表される造塩染料以外の着色剤と
しては、各種の染料及び顔料が使用できる。
【0034】染料としては、通常の染料インキ組成物に
用いられる直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染・酸
性媒染染料、酒精溶性染料、アゾイック染料、硫化・硫
化建染染料、建染染料、分散染料、油溶染料、食用染
料、金属錯塩染料等や通常の顔料インキ組成物に用いら
れる無機および有機顔料の中から任意のものを使用する
ことができる。その配合量は、組成物全量当たり1〜5
0質量%の範囲で選ばれる。
【0035】また、顔料としては、用いる有機溶剤に溶
解し難く分散後の平均粒径が30nm〜700nmとなるも
のが好ましい。顔料の配合量は、インキ組成物全量に対
し、0.5〜25質量%、好ましくは0.5〜20質量
%までの範囲で必要に応じて配合することができる。
【0036】使用できる顔料は、単独又は2種以上の混
合で使用することができる。また、必要に応じて無機顔
料を用いた分散体や染料等も分散安定性に悪影響を与え
ない程度で添加することができる。更に、スチレン、ア
クリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸、メタ
アクリル酸エステル、アクリルニトリル、オレフィン系
モノマーを重合して得られる樹脂エマルションや、イン
キ中では膨潤して不定形となる中空樹脂エマルション、
または、これらのエマルション自身を着色剤で染着して
得られる染着樹脂粒子からなる有機多色顔料等が挙げら
れる。
【0037】本発明のインキ組成物の色材に顔料を使用
した場合、用いる分散剤としては、ケトン樹脂、スチレ
ン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、テルペンフェノール
樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンフェノール樹
脂、アルキルフェノール樹脂、フェノール系樹脂、スチ
レンマレイン酸樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、
尿素アルデヒド系樹脂、マレイン酸系樹脂、シクロヘキ
サノン系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロ
リドン等に代表される樹脂の中から顔料を分散できるも
のを選択して使用することができ、活性剤やオリゴマー
でも目的にあえばどの様なものでも種類を問わない。具
体的な分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルエ
ーテル、スチレン−マレイン酸共重合体、ケトン樹脂、
ヒドロキシエチルセルロースやその誘導体、スチレン−
アクリル酸共重合体等の合成樹脂やPO・EO付加物や
ポリエステルのアミン系オリゴマー等が挙げることがで
きる。
【0038】本発明に使用する色材が顔料である場合
は、顔料分散インキ組成物を製造するには、従来から公
知の種々の方法が採用できる。例えば、上記各成分を配
合し、ディゾルバー等の攪拌機により混合攪拌すること
によって、また、ボールミルやロールミル、ビーズミ
ル、サンドミル、ピンミル等によって混合粉砕した後、
遠心分離や濾過によって顔料の粗大粒子、及び未溶解
物、混入固形物を取り除くことによって容易に得ること
ができる。
【0039】本発明の組成物に用いられる溶剤として
は、多価アルコールを含むアルコール、エーテル、特に
グリコールエーテルから選ばれる溶剤が好ましい。
【0040】具体的に、アルコール類としては、炭素数
が2以上の脂肪族アルコールが好ましく、エタノール、
n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、イソブタノール、tert−ブチルアルコール、1
−ペンタノール、イソアミルアルコール、sec−アミ
ルアルコール、3−ペンタノール、tert−アミルア
ルコール、n−ヘキサノール、メチルアミルアルコー
ル、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、2−ヘ
プタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2
−オクタノール、2−エチルヘキサノール、3,5,5
−トリメチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノー
ル、ウンデカノール、n−デカノール、トリメチルノニ
ルアルコール、テトラデカノール、ヘプタデカノール、
シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、
ベンジルアルコールやその他多種の高級アルコール等が
挙げられる。
【0041】また、多価アルコールとしてはエチレング
リコール、ジエチレングリコール、3−メチル−1,3
−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレ
ングリコール、オクチレングリコール等の分子内に2個
以上の炭素、2個以上の水酸基を有する多価アルコール
が挙げられる。
【0042】エーテルとしては、メチルイソプロピルエ
ーテル、エチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エ
チルブチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエ
ーテル、ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテ
ル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレ
ングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコー
ルモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチル
エーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、3−
メトキシ−1−ブタノール、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエー
テル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プ
ロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレング
リコールフェニルエーテル、プロピレングリコールター
シャリ−ブチルエーテルジプロピレングリコールモノメ
チルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエー
テル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、
ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレン
グリコールモノブチルエーテル、テトラプロピレングリ
コールモノブチルエーテル等が挙げられる。グリコール
エーテルが溶解性が高いので好ましい。
【0043】以上挙げた溶剤の中で特に好ましいのは、
炭素数2〜7のグリコールエーテルが特に効果がある。
【0044】また、安全性及び経口毒性等の点から好ま
しくはエチレングリコール誘導体等以外の有機溶剤を使
用した方が好ましい。
【0045】それらの例として、多価アルコール類誘導
体があり、ソルビタン脂肪酸系、ポリグリセリン高級脂
肪酸系、ショ糖脂肪酸系、プロピレングリコール脂肪酸
系等の誘導体も挙げられる。
【0046】エステル類の溶剤としては例えば、プロピ
レングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレン
グリコールジアセテート、3−メチル−3−メトキシブ
チルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテル
アセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテ
ート、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸イソアミル、
酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イ
ソブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロ
ピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸
イソブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸メチル、酪
酸エチル、酪酸プロピル、イソ酪酸メチル、イソ酪酸エ
チル、イソ酪酸プロピル、吉草酸メチル、吉草酸エチ
ル、吉草酸プロピル、イソ吉草酸メチル、イソ吉草酸エ
チル、イソ吉草酸プロピル、トリメチル酢酸メチル、ト
リメチル酢酸エチル、トリメチル酢酸プロピル、カプロ
ン酸メチル、カプロン酸エチル、カプロン酸プロピル、
カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプリル酸プロ
ピル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、オレイン
酸メチル、オレイン酸エチル、カプリル酸トリグリセラ
イド、クエン酸トリブチルアセテート、オキシステアリ
ン酸オクチル、プロピレングリコールモノリシノレー
ト、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、3−メトキシブチ
ルアセテート等様々なエステルが挙げられる。
【0047】また、分子内に水酸基を持たない溶剤ジエ
ーテルやジエステルは具体的には、エチレングリコール
ジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエ
ーテル等が挙げられる。
【0048】以上の中で、化学構造式1または2の染料
は特に脂肪族系溶剤に使用できることを目的に開発され
たものであり、脂肪族系溶剤に特異的に有利な造塩体染
料の場合に、溶剤中に芳香環を持つ様な溶剤成分が多量
にあると通常の脂肪族系溶剤とは異なる溶解性を示す場
合があるので、そのような場合には芳香族系溶剤量を制
限することが好ましい。即ち、脂肪族系溶剤成分は40
%以上を使用することが好ましい。
【0049】本発明のボールペン用油性インキ組成物に
使用される樹脂としては、顔料の分散剤としても使用可
能なケトン樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹
脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹
脂、ロジンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、
フェノール系樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ロジン系
樹脂、アクリル系樹脂、尿素アルデヒド系樹脂、マレイ
ン酸系樹脂、シクロヘキサノン系樹脂、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルピロリドン等に代表される樹脂が挙
げられる。
【0050】ここで、ポリビニルブチラール樹脂は、顔
料の分散剤として使用されるほか、筆記描線の造膜性や
インキの増粘作用が強いため添加樹脂として使用する場
合が多い。しかし、ポリビニルブチラール樹脂は溶剤中
の酸塩基成分に溶剤中での溶存状態に非常に左右される
ことが多く、原材料の使用種については注意を払う必要
がある。特に造塩染料を使用する際、そのインキの安定
性領域が大きく異なることがあり、ポリビニルブチラー
ルを使用するためにはより安定な染料を使用する必要が
ある。しかも染料インキでは通常銅フタロシアニン系造
塩染料が必須成分となるため、染料間及び原材料間の相
溶性については更に安定性が高い染料が望まれる。ポリ
ビニルブチラールを中心としてこれらの樹脂の配合量と
しては、1〜30質量%がよく、より好ましくは1〜2
0質量%である。その配合量が1質量%未満であると粘
度調整やペン先での摩耗が困難となり、30質量%超だ
と樹脂以外の原材料が配合できなくなったり、書き味に
悪影響を及ぼすことになる。
【0051】更に、本発明では必要に応じて、インキに
悪影響を及ぼさず相溶することができる防錆剤、防黴
剤、界面活性剤、潤滑剤及び湿潤剤等を配合することが
できる。特に脂肪酸などは、潤滑剤として好適に使用で
きる。また、乾燥抑制用添加剤として製品特性上、悪影
響を及ぼさない範囲で主溶剤に相溶する不揮発性溶剤等
も配合することができる。
【0052】本発明の油性インキ組成物によれば、金属
錯塩染料または顔料分散体を使用する場合は発色が良好
なトリアリールメタン系の染料と併用することが多く、
使用する溶剤や原材料及びそれらの添加量によっては極
端なインキ粘度の増粘や沈降物の発生等インキの不具合
を引き起こす等の欠点を解決するもので、炭素数2以上
のアルコール、多価アルコール、グリコールエーテルな
どのエーテル類を使用した際、黒や青色で隠蔽性を付与
する染料として高濃度の添加が可能で、高濃度条件下に
おいても金属錯塩染料やインキ中の他の原材料、特にポ
リビニルブチラール樹脂との相溶性も良好にすることが
可能となり、低温経時安定性に優れた油性インキ組成物
を提供することを可能にする。
【0053】この様な効果を発揮する理由としてはイン
キ組成物に特徴があり、アルコールや多価アルコールそ
してグリコールエーテルなどのエーテルにスカイブルー
系の色相として通常使用する銅フタロシアニン系染料が
高濃度条件下で溶存する際、ポリビニルブチラール樹脂
の様な吸着性の高い樹脂に対しても粘度増加や沈降物発
生等の不具合が起こりやすいことが解った。そのため銅
フタロシアニン系染料の濃度低減を化学構造式1や2で
示される酒性溶性型の造塩染料で部分的に代替すること
で銅フタロシアニンの持つ耐光性を維持し、経時的な安
定性や相溶性をより向上させることができると考えられ
る。そのため、高濃度条件下や低温での経時安定性に対
しても優れた油性インキ組成物を提供することが可能と
なった。
【0054】
【実施例】以下実施例により本発明を更に具体的に説明
するが、本発明は、この実施例によって限定されるもの
ではない。
【0055】染料の製造 化学構造式3または4の染料(Na塩、NH4塩、癸巳
化成製)20gを90℃に加熱した精製水に80gに溶
解し、攪拌しながら、これに反応液のpHが6.0とな
るまで下記化学構造式5
【0056】
【化8】
【0057】を有する4級アンモニウム塩を加え、その
後30分攪拌した。添加した化学構造式3を有する4級
アンモニウムは20gであった。攪拌終了後、反応液を
放冷し室温にした後、沈殿した粘ちょう体を分取し、更
にその水分を取り除き、造塩体染料を得た。
【0058】得られた造塩染料は下記化学構造式6,7
で表される化合物であった。
【0059】
【化9】
【0060】
【化10】
【0061】 油性サインペン形態 (比較例1) スピロンブルー2GNH new [保土ヶ谷化学工業製] 6.0% エスレックB.BL−1 [積水化学製] 1.5% マルキードNo. 34 [荒川化学製] 3.0% エタノール 39.5% プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.0% 3−メトキシ、1−ブタノール 20.0% (実施例1) スピロンブルー2GNH new [保土ヶ谷化学工業製] 2.0% 化学構造式6の造塩染料 4.0% エスレックB.BL−1 [積水化学製] 1.5% マルキードNo. 34 [荒川化学製] 3.0% エタノール 39.5% プロピレングリコールモノメチルエーテル 30.0% 3−メトキシ、1−ブタノール 20.0% 実施例1は、ブルー色を全てフタロシアニン染料(スピ
ロンブルー2GNHnew)で発色させているポリビニ
ルブチラール樹脂(エスレックB.BL−1)入りのイ
ンキ組成物である比較例1に対して、本発明の造塩染料
を用いてフタロシアニン染料の使用量を減らしたポリビ
ニルブチラール樹脂入りのインキ組成物である。なお、
以下でもエスレック(B.BL−Sなど)はポリビニル
ブチラールである。
【0062】 (実施例2) シアニンブルーZCA350EP [大日精化製] 3.0% 化学構造式7の造塩染料 2.0% エスレックB.BL−1 [積水化学製] 1.0% エタノール 50.0% プロピレングリコールモノメチルエーテル 34.0% ベンジルアルコール 10.0% (比較例2) シアニンブルーZCA350EP [大日精化製] 5.0% エスレックB.BL−1 [積水化学製] 2.0% エタノール 50.0% プロピレングリコールモノメチルエーテル 33.0% ベンジルアルコール 10.0% 実施例2は、ブルー色を全てフタロシアニン顔料(シア
ニンブルーZCA350EP)で発色させているインキ
組成物である比較例2に対して、本発明の造塩染料を用
いてフタロシアニン顔料の使用量を減らしたインキ組成
物である。
【0063】 (比較例3) SPTブルー#26 [保土ヶ谷化学工業製] 7.0% エスレックB.BL−S [積水化学製] 1.5% YP90L [ヤスハラケミカル製] 1.5% エタノール 40.0% プロピレングリコールモノメチルエーテル 35.0% ベンジルアルコール 15.0% (実施例3) SPTブルー#26 [保土ヶ谷化学工業製] 2.0% 化学構造式6の造塩染料 3.0% C.I.Basic Violet 4とアルキルジフェニルエーテルジスルフォン 酸ナトリウムの造塩体 2.0% エスレックB.BL−S [積水化学製] 1.5% YP90L [ヤスハラケミカル製] 1.5% エタノール 40.0% プロピレングリコールモノメチルエーテル 35.0% ベンジルアルコール 15.0% 実施例3は、ブルー色を全てフタロシアニン染料(SP
Tブルー#26)で発色させているインキ組成物である
比較例3に対して、本発明の造塩染料を用いてフタロシ
アニン染料の使用量を減らし、トリフェニルメタン系染
料(B.V.4系造塩染料)を用いたインキ組成物であ
る。
【0064】 油性スタンプ台の形態 (比較例4) シアニンブルーZCA350EP [大日精化製] 12.0% エスレックB.BM−1 [積水化学製] 3.0% ポリプロピレングリコール 43.0% ジプロピレングリコール 42.0% (実施例4) シアニンブルーZCA350EP [大日精化製] 5.0% 化学構造式7の造塩染料 5.0% C.I.Basic Violet 4とアルキルジフェニルエーテルジスルフォン 酸ナトリウムの造塩体 2.0% エスレックB.BM−1 [積水化学製] 3.0% ポリプロピレングリコール 43.0% ジプロピレングリコール 42.0% 実施例4は、ブルー色を全てフタロシアニン顔料(シア
ニンブルーZCA350EP)で発色させているインキ
組成物である比較例4に対して、本発明の造塩染料を用
いてフタロシアニン顔料の使用量を減らし、トリフェニ
ルメタン系色素(B.V.4系造塩染料)を含むインキ
組成物である。
【0065】 (比較例5) SPTブルー#26 [保土ヶ谷化学工業製] 15.0% エスレックB.BL−S [積水化学製] 6.0% タマノル531 [荒川化学製] 8.0% ジグリセリンモノステアレート 1.0% ジプロピレングリコール 25.0% 3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 45.0% (実施例5) SPTブルー#26 [保土ヶ谷化学工業製] 10.0% 化学構造式6の造塩染料 5.0% エスレックB.BL−S [積水化学製] 6.0% タマノル531 [荒川化学製] 8.0% ジグリセリンモノステアレート 1.0% ジプロピレングリコール 25.0% 3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 45.0% 実施例5は、ブルー色を全てフタロシアニン染料(SP
Tブルー#26)で発色させているインキ組成物である
比較例5に対して、本発明の造塩染料を用いてフタロシ
アニン染料の使用量を減らしたインキ組成物である。
【0066】 (比較例6) スピロンブルー2GNH new [保土ヶ谷化学工業製] 20.0% C.I.Basic Violet 4とC.I.Acid Yellow 36の造塩体 3.0% エスレックB.BL−1 [積水化学製] 5.0% YP90L [ヤスハラケミカル製] 5.0% 3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 52.0% ベンジルアルコール 15.0% (実施例6) スピロンブルー2GNH new [保土ヶ谷化学工業製] 10.0% 化学構造式7の造塩染料 10.0% C.I.Basic Violet 4とC.I.Acid Yellow 36の造塩体 3.0% エスレックB.BL−1 [積水化学製] 5.0% YP90L [ヤスハラケミカル製] 5.0% 3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 52.0% ベンジルアルコール 15.0% 実施例6は、ブルー色としてフタロシアニン染料(スピ
ロンブルー2GNHnew)とトリフェニルメタン系染
料(B.V.4系造塩染料)を含むインキ組成物である
比較例6に対して、本発明の造塩染料を用いてフタロシ
アニン染料の使用量を減らした、トリフェニルメタン系
染料を含むインキ組成物である。
【0067】 油性ボールペン (比較例7) サビニルブルーGLS [クラリアント製] 25.0% エスレックB.BM−1 [積水化学製] 5.0% ラロパールA101 [BASF製] 5.0% ジプロピレングリコール 10.0% 3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 40.0% ベンジルアルコール 15.0% (実施例7) サビニルブルーGLS [クラリアント製] 10.0% 化学構造式7の造塩染料 15.0% エスレックB.BM−1 [積水化学製] 5.0% ラロパールA101 [BASF製] 5.0% ジプロピレングリコール 10.0% 3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 40.0% ベンジルアルコール 15.0% 実施例7は、ブルー色を全てフタロシアニン染料(サビ
ニルブルーGLS)で発色させているインキ組成物であ
る比較例7に対して、本発明の造塩染料を用いてフタロ
シアニン染料の使用量を減らしたインキ組成物である。
【0068】 (比較例8) SPTブルー#26 [保土ヶ谷化学工業製] 22.0% C.I.Basic Violet 4とアルキルジフェニルエーテルジスルフォン 酸ナトリウムの造塩体 8.0% エスレックB.BM−1 [積水化学製] 7.0% ラロパールA101 [BASF製] 5.0% ジプロピレングリコール 3.0% 3−メトキシ、1−ブタノール 15.0% 3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 40.0% (実施例8) SPTブルー#26 [保土ヶ谷化学工業製] 10.0% 化学構造式6の造塩染料 12.0% C.I.Basic Violet 4とアルキルジフェニルエーテルジスルフォン 酸ナトリウムの造塩体 8.0% エスレックB.BM−1 [積水化学製] 7.0% ラロパールA101 [BASF製] 5.0% ジプロピレングリコール 3.0% 3−メトキシ、1−ブタノール 15.0% 3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 40.0% 実施例8は、ブルー色としてフタロシアニン染料()と
トリフェニルメタン系染料(B.V.4系染料)を含む
インキ組成物である比較例8に対して、本発明の造塩染
料を用いてフタロシアニン染料の使用量を減らした、ト
リフェニルメタン系染料を含むインキ組成物である。
【0069】 (比較例9) SPTブルー#26 [保土ヶ谷化学工業製] 17.0% C.I.Basic Violet 4とC.I.Acid Yellow 36の造塩体 10.0% C.I.Basic Violet 4とアルキルスルホン酸ナトリウムの造塩体 8.0% エスレックB.BM−1 [積水化学製] 6.0% YP90L [ヤスハラケミカル製] 5.0% 3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 35.0% ベンジルアルコール 6.0% ジエチレングリコールモノフェニルエーテル 13.0% (実施例9) SPTブルー#26 [保土ヶ谷化学工業製] 7.0% 化学構造式7の造塩染料 10.0% C.I.Basic Violet 4とC.I.Acid Yellow 36の造塩体 10.0% C.I.Basic Violet 4とアルキルスルホン酸ナトリウムの造塩体 8.0% エスレックB.BM−1 [積水化学製] 6.0% YP90L [ヤスハラケミカル製] 5.0% 3−メトキシ、3−メチル、1−ブタノール 35.0% ベンジルアルコール 6.0% ジエチレングリコールモノフェニルエーテル 13.0% 実施例9は、スカイブルー色としてフタロシアニン染料
(SPTブルー#26)と2種のトリフェニルメタン系
染料(B.V.4系造塩染料)を含むインキ組成物であ
る比較例9に対して、本発明の造塩染料を用いてフタロ
シアニン染料の使用量を減らした、2種のトリフェニル
メタン系染料を含むインキ組成物である。
【0070】 (比較例10) シアニンブルーZCA350EP [大日精化製] 25.0% エスレックB.BL−1 [積水化学製] 5.0% ポリビニルブチラールBM−1 [積水化学製] 2.0% ベンジルアルコール 15.0% ジエチレングリコールモノフェニルエーテル 53.0% (実施例10) シアニンブルーZCA350EP [大日精化製] 5.0% 化学構造式7の造塩染料 10.0% C.I.Basic Violet 4とアルキルジフェニルエーテルジスルフォン 酸ナトリウムの造塩体 10.0% エスレックB.BL−1 [積水化学製] 3.0% ポリビニルブチラールBM−1 [積水化学製] 2.0% ベンジルアルコール 20.0% ジエチレングリコールモノフェニルエーテル 53.0% 実施例10は、ブルー色として2種の樹脂(高分子量の
ポリビニルブチラールBM−1と低分子量のBL−1)
を用いてフタロシアニン顔料(シアニンブルーZCA3
50EP)を分散させたインキ組成物である比較例10
に対して、本発明の造塩染料を用いてフタロシアニ顔料
の使用量を減らしトリフェニルメタン系染料(B.V.
4系造塩染料)を用いた、2種の樹脂を含むインキ組成
物である。
【0071】以上の様な配合でディスパー攪拌あるいは
ビーズミルまたはロールミル分散によってインキを得
た。その後、インキの評価テストとして下記の様に行っ
た。
【0072】インキの低温安定性評価 実施例、比較例で得られた各インキを20mlのガラス瓶
に15ml程度入れ、密栓した後、0℃の恒温層にて1ヶ
月間放置し、インキの流動性をスパチュラなどで観察す
る。更に、各製品形態に整え、製品の劣化性も観察し
た。
【0073】(油性サインペン形態の場合)実施例、比
較例で得られた各インキをフェルトのペン芯を使用した
マーキングペン(三菱油性マーカー[ピース])に適量
充填し、評価用試験サンプルとした。
【0074】(油性スタンプ台の形態)実施例5、比較
例5で得られた各インキを羊毛フェルトと極細繊維を使
用したスタンプ台(三菱油性スタンプ台[HSP−2
G])に適量充填し、評価試験用サンプルとした。
【0075】但し、実施例6,7及び比較例6,7につ
いてはインキ粘度が低いため、ニードルフェルトと平織
りの極細繊維を使用した。
【0076】(油性ボールペンの形態)実施例、比較例
で得られた各インキを内径1.60mmのポリプロピレン
チューブに適量充填し、ステンレスチップ(ボールは超
硬合金で、直径1.0mmである)に装着し、後端部にイ
ンキ追従体を入れボールペン形態とし、評価試験用サン
プルとした。
【0077】評価項目 1)インキ低温安定性/ガラス瓶中のインキ流動性の状
態確認 インキ流動性に問題がないもの;○、インキ流動性に対
して初期状態より抵抗が感じられるもの;△、インキ流
動性に対して非常に抵抗を感じられるもの;× 2)製品劣化度 a)油性サインペン形態の場合 PPC用紙にフリーハンド筆記(丸書き)し、「カス
レ」が生じる度合いについて、カスレが生じ難いもの;
○、カスレがやや生じているもの;△、カスレが生じや
すいもの;×とした。
【0078】b)油性スタンプ台の形態 ゴム印にスタンプ台のインキを転写させ、PPC用紙に
捺印する時、盤面と印面間でのはりつき現象(タック性
とする)において、タック性が生じていないもの;○、
タック性が少ないもの;△、タック性が非常によく解る
もの;×とした。
【0079】c)油性ボールペンの形態 PPC用紙にフリーハンド筆記(丸書き)し、「カス
レ」が生じる度合いについて、カスレが生じ難いもの;
○、カスレがやや生じているもの;△、カスレが生じや
すいもの;×とした。
【0080】
【表1】
【0081】表1の結果から明らかなように本発明の範
囲となる実施例1〜10のインキ組成物は、本発明の範
囲外となる比較例1〜10のインキ組成物に比べて、イ
ンキ低温安定性や製品としての性能劣化の点で非常に優
れていることが判明した。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、従来の油性インキ組成
物には得られ難い性能としてアルコールまたはエーテル
を使用した際、青色を主とする染料として高濃度の添加
が可能で、高濃度条件下においても上記欠点を解決する
もので、金属錯塩染料やインキ中の他の原材料に対して
も相溶性を良好にし、低温経時安定性に優れた油性イン
キ組成物を提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 猪飼 敬幸 神奈川県横浜市神奈川区入江2丁目5番12 号 三菱鉛筆株式会社横浜研究開発センタ ー内 Fターム(参考) 4H056 BA02 BB01 BD01 BF28 BF37 4J039 AD07 BC02 BC03 BC07 BC12 BC13 BC32 BC33 BC44 BC60 BC79 BE01 BE02 BE12 CA04 EA44 GA07 GA26 GA27

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材として下記化学構造式1あるいは2
    で示される染料を少なくとも一種類以上含み、溶剤とし
    てアルコールまたはエーテルを含むことを特徴とするイ
    ンキ組成物。 【化1】 【化2】 (これらの式中、Aは同じでも異なってもよく、3〜4
    級アンモニウムイオン基である。)
  2. 【請求項2】 前記染料が化学構造式1あるいは2にお
    いてAが4級アンモニウムイオン基であり、かつ溶剤と
    して使用する炭素数2以上のアルコールまたはエーテル
    に少なくとも20%質量以上溶解するものである、請求
    項1記載のインキ組成物。
  3. 【請求項3】 金属錯塩染料または顔料を更に含む請求
    項1又は2記載のインキ組成物。
  4. 【請求項4】 さらに樹脂として少なくともポリビニル
    ブチラールを含む請求項1〜3のいずれかに記載のイン
    キ組成物。
  5. 【請求項5】 トリアリールメタン系染料を併用する請
    求項1〜4のいずれかに記載のインキ組成物。
  6. 【請求項6】 アルコールまたはエーテルからなる前記
    溶剤であって脂肪族系溶剤である溶剤が、インキ組成物
    の全溶剤の40質量%以上を占める、請求項1〜5のい
    ずれかに記載のインキ組成物。
  7. 【請求項7】 金属錯塩染料としては銅フタロシアニン
    系染料を使用する請求項3〜6のいずれかに記載のイン
    キ組成物。
  8. 【請求項8】 前記溶剤が炭素原子数2以上の脂肪族ア
    ルコール、多価アルコールまたはグリコールエーテルか
    ら選ばれたものである、請求項1〜7のいずれかに記載
    のインキ組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のイ
    ンキ組成物を用いた油性サインペン。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    インキ組成物を用いた油性スタンプ台。
  11. 【請求項11】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の
    インキ組成物を用いた油性ボールペン。
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