JP2015193682A - 油性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた油性ボールペン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、アゾ骨格酸性染料とトリアリールメタン骨格塩基性染料との造塩染料、ポリビニルブチラール樹脂、芳香族アルコール溶剤からなることを特徴とする油性ボールペン用インキ組成物とする。
【選択図】 図1
Description
「1.少なくとも、アゾ骨格酸性染料とトリアリールメタン骨格塩基性染料との造塩染料、ポリビニルブチラール樹脂、芳香族アルコール溶剤からなることを特徴とする油性ボールペン用インキ組成物。
2.前記ポリビニルブチラール樹脂の含有量が全樹脂の含有量に対して50%以上であることを特徴とする第1項に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
3.前記油性ボールペン用インキ組成物に、曳糸性付与樹脂を含有し、該曳糸性付与樹脂の含有量が全樹脂の含有量に対して0.1〜20%であることを特徴とする第1項 または第2項に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
4.20℃、剪断速度500sec−1におけるインキ粘度が、15000〜35000mPa・sであることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
5.前記油性ボールペン用インキ組成物に、リン酸エステル系界面活性剤を含有することを特徴とする第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
6.前記油性ボールペン用インキ組成物に、有機アミンを含有することを特徴とする第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
7.インキ収容筒の先端部に、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して装着し、前記インキ収容筒内に、第1項ないし第6項のいずれか1項に記載の油性ボールペン用インキ組成物を収容してなる油性ボールペンレフィルであって、前記ボールの表面の算術平均粗さが、0.1〜15nmであることを特徴とする油性ボールペンレフィル。
8.前記ボールの軸方向の移動量が、5〜20μmであることを特徴とする第1項ないし第7項のいずれか1項に記載の油性ボールペンレフィル。
9.前記油性ボールペンレフィルを軸筒内に配設したことを特徴とする第1項ないし第8項のいずれか1項に記載の油性ボールペン。
10.前記油性ボールペンレフィルを軸筒内に摺動自在に配設し、前記ボールペンチップのチップ先端部を前記軸筒先端部から出没可能とした出没式の油性ボールペンであることを特徴とする第1項ないし第8項のいずれか1項に記載の油性ボールペン。
」とする。
をブチルアルデヒド(BA)と反応させたものであり、ブチラール基、アセチル基、水酸基を有した構造であるが、従来技術としては、ポリビニルブチラール樹脂を顔料分散剤として、好適に用いた技術はあるが、本発明では、インキ垂れ下がり性能、書き味を向上することを見出した。
一方、脂肪族アルコールなどを用いると、ポリビニルブチラール樹脂と、アゾ骨格酸性染料とトリアリールメタン骨格塩基性染料との造塩染料と、の溶解安定性が劣り、揮発性が高い溶剤もあり、長期間インキ経時安定性を保つのは難しくなる。さらに、芳香族アルコール溶剤は、芳香環を有することで潤滑性を向上しやすいため、好ましい。そのため、芳香族のアルコ−ル溶剤を少なくとも用いる方が好ましい。そのため、本発明では、油性ボールペン用インキ組成物中に、ポリビニルブチラール樹脂、アゾ骨格酸性染料とトリアリールメタン骨格塩基性染料との造塩染料、および芳香族アルコール溶剤を含有することが重要である。
なお、前記ポリビニルブチラール樹脂の水酸基量(mol%)とは、ブチラール基(mol%)、アセチル基(mol%)、水酸基(mol%)の 全mol量に対して、水酸基(mol%)の含有率を示すものである。
なお、酸価については、試料1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で表すものとする。
なお、インキ消費量については、20℃、筆記用紙JIS P3201筆記用紙上に筆記角度70°、筆記荷重200gの条件にて、筆記速度4m/minの速度で、試験サンプル5本を用いて、らせん筆記試験を行い、その100mあたりのインキ消費量の平均値を、100mあたりのインキ消費量と定義する。
また、ボール径については、特に限定されないが、一般的には0.2〜2.0(mm)程度のボールを用いる。
なお、表面粗さの測定は(セイコーエプソン社製の機種名SPI3800N)で求めることができる。
実施例1の油性ボールペン用インキ組成物は、着色剤として染料、有機溶剤として芳香族アルコール溶剤、グリコールエーテル系溶剤、ポリビニルブチラール樹脂、潤滑剤としてリン酸エステル系界面活性剤、有機アミンとしてオキシエチレンアルキルアミン、曳糸性付与樹脂としてポリビニルピロリドンを採用し、これを所定量秤量して、60℃に加温した後、ディスパー攪拌機を用いて完全溶解させて油性ボールペン用インキ組成物を得た。具体的な配合量は下記の通りである。
尚、ブルックフィールド株式会社製粘度計 ビスコメーターRVDVII+Pro CP-52スピンドルを使用して20℃の環境下で剪断速度5sec−1(回転数2.5
rpm)にて実施例1のインキ粘度を測定したところ、インキ粘度=23000mPa・sであった。
また、実施例1で、前記有機アミンの全アミン価をX、前記リン酸エステル系界面活性剤の酸価をYとした場合、Y/X=0.32〜0.39の範囲であった。
また、実施例1の100mあたりのインキ消費量(M)は、ボール径(R)0.7mmのボールペンレフィルでらせん筆記試験を行ったところ、45mg/100mで、M/R=64であった。
着色剤(染料、アゾ骨格酸性染料とトリアリールメタン骨格塩基性染料との造塩染料)
18.0質量%
芳香族アルコール溶剤(ベンジルアルコール) 53.0質量%
グリコールエーテル系溶剤(エチレングリコールモノフェニルエーテル)16.5質量%
ポリビニルブチラール樹脂
(エスレックBH−3、水酸基量:34mol%、平均重合度:1700)9.0質量%
潤滑剤(リン酸エステル系界面活性剤) 1.0質量%
有機アミン(オキシエチレンアルキルアミン) 1.0質量%
曳糸性付与樹脂(ポリビニルピロリドン樹脂) 0.5質量%
表に示すように、各成分を変更した以外は、実施例1と同様な手順でインキ配実施例2〜16の油性ボールペン用インキ組成物を得た。表に測定、評価結果を示す。
また、実施例2〜16で、前記有機アミンの全アミン価をX、前記リン酸エステル系界面活性剤の酸価をYとした場合、Y/X=0.2〜0.8の範囲であった。
実施例1〜16及び比較例1〜7で作製した油性ボールペン用インキ組成物を、シリコーンでインキ収容筒(ポリプロピレン製)内壁に塗布したインキ収容筒2の先端に、ボール径がボール表面の算術平均粗さ(Ra)6nmのボール3(φ0.7mm)を回転自在に抱時したボールペンチップ4を装着するとともに、インキ収容筒2内に、実施例1の油性ボールペン用インキ10(0.2g)を直に収容してボールペンレフィル1を(株)パイロットコーポレーション製の油性ボールペン(商品名:スーパーグリップ)に配設して、油性ボールペンを作製し筆記試験用紙として筆記用紙JIS P3201を用いて以下の試験及び評価を行った。
チップ先端のインキ滴がないもの ・・・◎
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/4以内のもの ・・・○
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/4以上、1/2以内のもの・・・△
チップ先端のインキ滴がテーパー部の1/2以上のもの ・・・×
溶解安定しており、分離や、析出物がなく良好のもの ・・・◎
分離や、析出物が微少に発生したが、良好なもの ・・・○
分離や、析出物が発生したが、実用上問題のないもの ・・・△
分離や、析出物が発生し、インキ化できない、または筆記不良の原因になるもの・・・×
非常に滑らかなもの ・・・◎
滑らかであるもの ・・・○
実用上問題ないレベルの滑らかさであるもの ・・・△
重いもの ・・・×
筆跡にカスレがなく、筆跡が良好のもの ・・・◎
筆跡に若干カスレが出るが、問題ないもの ・・・○
筆跡にカスレが出るもの ・・・△
筆跡にカスレがひどかったもの ・・・×
表には記載していないが、各実施例及び比較例のボールペンは、筆記試験を行った時に、インキの消費にともないインキがインキ収容筒を移動するが、その際、シリコーンでインキ収容筒(ポリプロピレン製)内壁に塗布しているため、インキがインキ収容筒の内壁に付着しないので、インキ残量が明確に確認できた。一方、比較例8として、実施例1の油性ボールペン用インキ組成物を用いて、シリコーンでインキ収容筒(ポリプロピレン製)内壁に塗布しないボールペンで筆記試験を行ったところ、インキがインキ収容筒の内壁に付着してしまい、インキ残量が分からなかった。
2 インキ収容筒
3 ボール
4 ボールペンチップ
5 チップ先端部
6 ボール抱持室
7 インキ流通孔
8 インキ流通溝
9 ボール座
10 油性ボールペン用インキ
H ボール出
α カシメ角度
Claims (10)
- 少なくとも、アゾ骨格酸性染料とトリアリールメタン骨格塩基性染料との造塩染料、ポリビニルブチラール樹脂、芳香族アルコール溶剤からなることを特徴とする油性ボールペン用インキ組成物。
- 前記ポリビニルブチラール樹脂の含有量が全樹脂の含有量に対して50%以上であることを特徴とする請求項1に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
- 前記油性ボールペン用インキ組成物に、曳糸性付与樹脂を含有し、 該曳糸性付与樹脂の含有量が全樹脂の含有量に対して0.1〜20%であることを特徴とする請求項1または2に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
- 20℃、剪断速度500sec−1におけるインキ粘度が、15000〜35000mPa・sであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
- 前記油性ボールペン用インキ組成物に、リン酸エステル系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
- 前記油性ボールペン用インキ組成物に、有機アミンを含有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の油性ボールペン用インキ組成物。
- インキ収容筒の先端部に、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して装着し、前記インキ収容筒内に、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の油性ボールペン用インキ組成物を収容してなる油性ボールペンレフィルであって、前記ボールの表面の算術平均粗さが、0.1〜15nmであることを特徴とする油性ボールペンレフィル。
- 前記ボールの軸方向の移動量が、5〜20μmであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の油性ボールペンレフィル。
- 前記油性ボールペンレフィルを軸筒内に配設したことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の油性ボールペン。
- 前記油性ボールペンレフィルを軸筒内に摺動自在に配設し、前記ボールペンチップのチップ先端部を前記軸筒先端部から出没可能とした出没式の油性ボールペンであることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の油性ボールペン。
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