JP2000043465A - 油性ボールペン - Google Patents

油性ボールペン

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JP2000043465A
JP2000043465A JP10214694A JP21469498A JP2000043465A JP 2000043465 A JP2000043465 A JP 2000043465A JP 10214694 A JP10214694 A JP 10214694A JP 21469498 A JP21469498 A JP 21469498A JP 2000043465 A JP2000043465 A JP 2000043465A
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ink
ball
oil
newtonian viscosity
viscosity
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Hajime Tomita
肇 富田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】書き味が滑らかで、線割れ現象、泣きボテ現
象、紙面への滲みがない良好な筆跡で筆記可能な油性ボ
ールペンを提供する。 【解決手段】着色剤、有機溶剤、非ニュートン粘性付与
剤を含有した油性ボールペン用インキにおいて、非ニュ
ートン粘性指数が0.5以下で、剪断速度500S-1
における粘度を100〜2,000mPa.S(20
℃)とする。前記インキを、表面の算術平均粗さ(R
a)が0.004〜0.010μmであるボールを回転
自在に抱持したボールペンチップを具備したインキ収容
筒又は軸筒内に収容して油性ボールペンとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非ニュートン粘性
付与剤を含有した油性ボールペン用インキを収容した油
性ボールペンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、油性ボールペン用インキとし
て、余剰のインキがボールペンチップの先端の外周に付
着してインキが滴下する泣きボテ現象を抑制するために
ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール等のポリ
マーを添加して粘弾性を付与したものは知られている。
このインキを収容した油性ボールペンにおいては、ボー
ル表面に付着した余剰のインキをボールペンチップの先
端内に引き戻すことにより、泣きボテ現象を抑制する効
果をもたらすことが知られている。
【0003】また、特開平6−313144号の公報に
は、着色剤、溶剤および添加剤とからなる油性ボールペ
ンインキにおいて、溶剤中に蒸気圧0.1mmHg(20
℃)以下の有機溶媒を60重量%以上含有し、インキの
粘度が剪断速度400S-1 において100mPa.S
以下として、余剰インキを紙に浸透させることにより泣
きボテ現象を抑制することの発明が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の場合に
は、油性インキに粘弾性を付与するために、筆跡の中抜
けいわゆる線割れ現象が生じやすく、均一な筆跡が得ら
れにくいという問題がある。また後者の場合には、イン
キ粘度が低くかつ蒸気圧の低い溶剤を使用しているた
め、紙面上のインキは乾燥しにくく、その結果、筆跡が
滲んでしまうという問題がある。
【0005】本発明は前記問題に鑑み、書き味が滑らか
で、線割れ現象、泣きボテ現象、紙面への滲みがない良
好な筆跡で筆記可能な油性ボールペンを提供するもので
ある。
【0006】泣きボテ現象は、紙面に転写されなかった
余剰インキがチップカシメ部に移動し、この余剰インキ
が溜まり紙面に落ちてボテとなる。線割れ現象は、ボー
ル表面へのインキ付着状態に関係し、均一に所定の厚み
で付着させることにより抑制できる。つまり、ボール表
面上のインキ付着量及び状態の面からは泣きボテと線割
れ現象の抑制は相反する関係にあり、両立させることは
できなかった。
【0007】ところで、凝集力の大きいインキは、濡れ
性の面では余剰インキがカシメ部に移動するのを抑制
し、チップ内に引き戻す作用を生じる。平滑なボール表
面ではインキがはじかれて均一に付着し難くなり、部分
的にインキの厚みが大きくなり物理的にカシメ部でしご
かれて泣きボテ現象を抑制することは難しい。
【0008】しかし、本発明者達が鋭意検討したところ
によれば、適度の表面粗度を有するボールの表面におい
ては、泣きボテ及び線割れ現象を抑制するためにボール
表面に充分均一な厚みでインキが付着することが判っ
た。また、インキの凝集力は非ニュートン粘性指数と関
係があり、非ニュートン粘性指数が小さいと凝集力が大
きいことを見出し、本発明に至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明は、着色剤、有機溶剤、非ニュートン粘性付与
剤を含有し、非ニュートン粘性指数が0.5以下であ
り、剪断速度500S-1における粘度が100〜2,0
00mPa.S(20℃)である油性ボールペン用イン
キを収容し、表面の算術平均粗さ(Ra)が0.004
〜0.01μmであるボールを回転自在に抱持したボー
ルペンチップを具備してなる油性ボールペンとするもの
である。
【0010】さらには、前記非ニュートン粘性付与剤
を、膨潤分散した平均粒子径が5μm以下の脂肪酸アマ
イド系ワックスとするものである。
【0011】またさらには、前記脂肪酸アマイド系ワッ
クスが脂肪酸ビスアマイドであるものである。
【0012】本発明においては、非ニュートン粘性付与
剤として脂肪酸アマイド系ワックスを添加すると、イン
キは凝集力が大きくなるので好ましく、具体的には脂肪
酸ビスアマイドが好適である。さらに、平均分散粒子径
が小さい程インキの凝集力は著しく大きくなり、好まし
くは平均粒子径が5μm以下が良い。さらに好ましく
は、1μm以下が良い。
【0013】筆跡の滲みは、インキの粘度と凝集力と乾
燥性が関与するが、油性ボールペン用インキは放置後の
書き出し性能を良くするために一般的に蒸気圧の低い溶
剤を添加しているため、前者のインキの粘度と凝集力の
影響の方が大きい。 非ニュートン粘性指数が0.5よ
り大きいと凝集力が小さくなり、線割れ及び泣きボテ現
象を抑制するのを妨げることが、種々検討した結果判っ
た。また、非ニュートン粘性指数が0.5以下である場
合には、筆記時(剪断速度500S-1)のインキの粘度
が2,000mPa.S(20℃)より高いとインキの
紙への浸透が抑制され、ボール表面の余剰インキが多す
ぎて充分な泣きボテの抑制効果が得られなく、逆に10
0mPa.S(20℃)未満であると、線割れ現象や筆
跡に滲みが生じてしまう事が判った。従って、非ニュー
トン粘性指数が0.5以下である場合には、インキの粘
度は、100〜2,000mPa.S(20℃)が良
い。さらに好ましくは、500〜1,000mPa.S
(20℃)が良い。
【0014】油性ボールペンにおけるボールペンチップ
のボールに、インキに対する濡れ性による適度な量のイ
ンキを付着させるには、表面の算術平均粗さ(Ra)が
0.004μm以上であることが必要である。0.00
4μm以下だと、ボールのインキに対する濡れ性が不十
分となり、筆記時に筆跡が線かすれや線割れが生じやす
くなる。しかし、表面の算術平均粗さ(Ra)の値が大
き過ぎても、ボールへのインキの濡れ性が大きすぎイン
キの付着量が多くなる傾向となり、筆跡にボテが生じや
すくなる。また、その反面、理由は定かでないが、ボー
ルへのインキの付着量が多くても、インキの非ニュート
ン粘性指数や筆記時(剪断速度500S -1)のインキの
粘度との関係から、線割れ現象は生じてしまう事が、実
験結果から判った。すなわち、インキの非ニュートン粘
性指数が0.5以下で、インキの粘度が100〜2,0
00mPa.S(20℃)の油性ボールペン用インキ
と、ボールの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.004
〜0.010μmの範囲であるボールペンチップの組み
合わせにより、本発明の目的である、書き味が滑らか
で、線割れ現象、泣きボテ現象、紙面への滲みがない良
好な筆跡で筆記可能な油性ボールペンを得ることができ
るのである。
【0015】
【発明の実施の形態】着色剤、有機溶剤、非ニュートン
粘性付与剤、さらに潤滑剤やバインダ樹脂等の添加剤を
混合後、加温撹拌して、非ニュートン粘性指数が0.5
以下であり、剪断速度500S-1 における粘度が10
0〜2,000mPa.S(20℃)である油性ボール
ペン用インキを調製する。該油性ボールペン用インキ
を、ボール径が0.7mmで、表面の算術平均粗さ(R
a)が0.004〜0.010μmであるボールを回転
自在に抱持したボールペンチップを先端に具備したイン
キ収容筒内に充填し、そのインキ収容筒を軸筒内に挿着
して油性ボールペンを得る。
【0016】本発明における着色剤としては、従来の油
性ボールペン用インキに用いている染料又は顔料を特に
限定することなく用いることができる。顔料として無
機、有機、加工顔料、例えばカーボンブラック、フタロ
シアニン系、アゾ系、キナクリドン系、アントラキノン
系、インジゴ系等がある。また染料としてアルコール可
溶性染料、油溶性染料、直接染料、酸性染料、塩基性染
料、含金染料、および各種造塩タイプの染料が使用可能
である。また、これらを単独、あるいは混合して使用す
ることができる。配合量は、インキ全量に対し5〜50
重量%が好ましい。
【0017】有機溶剤としては、着色剤ないし非ニュー
トン粘性付与剤の溶解または分散媒、樹脂の溶媒等の目
的で使用され、従来の油性ボールペン用インキに用いる
有機溶剤が使用できる。具体的には、ベンジルアルコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のア
ルコール系およびグリコール系、フェニルセロソルブ等
のセロソルブ系、フェニルカービトール等のカービトー
ル系、N−メチルピロリドン等の含窒素溶剤系が単独又
は混合して使用可能である。配合量は、インキ全量に対
し30〜90重量%が好ましい。
【0018】非ニュートン粘性付与剤としては、脂肪酸
アマイド系ワックス、硫酸エステル系アニオン活性剤、
ポリビニルアセトアミド及びその誘導体、架橋型アクリ
ル酸及びその誘導体、酸化ポリエチレン、硬化ひまし
油、長鎖脂肪酸エステル重合体、有機ベントナイト、シ
リカ等のインキに非ニュートン粘性を与える物質が挙げ
られる。脂肪酸アマイド系ワックスとしては、脂肪酸モ
ノアマイド、脂肪酸ビスアマイド及びこれらの誘導体を
用いることができ、これらを併用しても良い。配合の割
合は、インキ全量に対し1.0〜10重量%が好まし
い。
【0019】添加剤として必要に応じて、潤滑剤、バイ
ンダ樹脂、界面活性剤、分散剤、防錆剤、防菌剤、pH
調整剤等を適宜選択して添加することができる。
【0020】ボールペンチップの回転自在に抱持したボ
ールの材質としては、タングステンカーバイト系超硬
材、シリカ系、アルミナ系、ジルコニア系、炭化ケイ素
系セラミック材を用いることができる。
【0021】非ニュートン粘性指数の測定は、イギリス
のキャリメ社製:CSレオメータを用い、温度20℃で
コーンプレートの角度、直径を適正な値とし、剪断速度
1〜600S-1 で行った。非ニュートン粘性指数は、
S=αDn(但し、1>n>0)で示される粘性式中,
「n」を指す。なお、Sは剪断応力(dyne/c
)、Dは剪断速度(S-1)、αは非ニュートン粘性
係数を示す。
【0022】粘度の測定は、イギリスのキャリメ社製:
CSレオメータを用い、温度20℃で行った。
【0023】算術平均粗さ(Ra)とは、触針式表面粗
さ測定器(Rank TaylorHobson社製の
機種名:Form−Talysurf−S1F−50)
により測定された粗さ曲線から、その平均線の方向に基
準長さLだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から
測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値であ
る。
【0024】
【式1】
【0025】
【実施例】本発明の実施例を説明する。 実施例1 着色剤としてスピロンブラックGMH−スペシャル(保
土谷化学工業株式会社製)とバリファーストバイオレッ
ト1701(オリエント化学工業株式会社製)の2種類
を、有機溶剤としてフェニルグリコールとベンジルアル
コールを、非ニュートン粘性付与剤として脂肪酸ビスア
マイド(共栄社化学株式会社製、製品名:フローノンS
H−290)を膨潤分散させて平均粒子径が5μmとし
たものを、潤滑剤としてオレイン酸を、下記に示す割合
で混合した後、60℃に加温してディスパーを用いて染
料、樹脂が溶解して均一な状態になるまで撹拌し、黒色
の油性ボールペン用インキを得た。 スピロンブラックGMH−スペシャル 12.0重量% バリファーストバイオレット1701 15.0重量% オレイン酸 2.0重量% フェニルグリコール 20.0重量% ベンジルアルコール 45.0重量% 脂肪酸ビスアマイド(平均粒子径5μm) 6.0重量%
【0026】イギリスのキャリメ社製:CSレオメータ
を用いて、20℃での剪断速度500S-1 における粘
度を測定したところ120mPa.Sであった。非ニュ
ートン粘性指数を算出したところ、0.08であった。
【0027】前記油性ボールペン用インキを、直径が
0.7mmで表面の算術平均粗さ(Ra)が0.007μ
mであるボールを回転自在に抱持したボールペンチップ
を先端に具備したインキ収容筒内に充填し、そのインキ
収容筒を軸筒内に挿着して油性ボールペンを得た。
【0028】実施例2〜7 インキの配合を表1に示す通りとした以外は、実施例1
と同様にして、表1に示したような20℃での剪断速度
500S-1 における粘度と非ニュートン粘性指数を有
する黒色の油性ボールペン用インキを得た後、表面の算
術平均粗さ(Ra)が表1に示した値であるボールを回
転自在に抱持したボールペンチップを先端に具備したイ
ンキ収容筒内に充填し、そのインキ収容筒を軸筒内に挿
着して各油性ボールペンを得た。 注)実施例2は、バインダ樹脂としてハイラック11
1(ケトン樹脂、日立化成株式会社製)を添加した。 実施例3は、非ニュートン粘性付与剤として脂肪酸ビ
スアマイドを膨潤分散させて平均粒子径が0.8μmと
したものを用いた。 実施例4は、バインダ樹脂としてハイラック111
(ケトン樹脂、日立化成株式会社製)を添加し、非ニュ
ートン粘性付与剤として架橋型ポリビニルアセトアミド
を用いた。 実施例5及び6は、バインダ樹脂としてハイラック1
11(ケトン樹脂、日立化成株式会社製)を添加し、非
ニュートン粘性付与剤として脂肪酸ビスアマイドを膨潤
分散させて平均粒子径が0.8μmとしたものを用い
た。 実施例7は、非ニュートン粘性付与剤として脂肪酸ビ
スアマイドを膨潤分散させて平均粒子径が7μmのもの
と、0.8μmのものを作製し、それらを混合したもの
を用いた。
【0029】
【表1】
【0030】比較例1〜6 インキの配合を表2に示す通りとした以外は、実施例1
と同様にして、表2に示したような20℃での剪断速度
500S-1 における粘度と非ニュートン粘性指数を有
する黒色の油性ボールペン用インキを得た後、表面の算
術平均粗さ(Ra)が表1に示した値であるボールを回
転自在に抱持したボールペンチップを先端に具備し、実
施例1と同様のインキ収容筒内に充填し、そのインキ収
容筒を軸筒内に挿着して各油性ボールペンを得た。 注)比較例1は、非ニュートン粘性付与剤として脂肪
酸ビスアマイドを膨潤分散させて平均粒子径が0.8μ
mとしたものを用いた。 比較例2は、バインダ樹脂としてハイラック111
(ケトン樹脂、日立化成株式会社製)を添加し、非ニュ
ートン粘性付与剤として脂肪酸ビスアマイドを膨潤分散
させて平均粒子径が0.8μmとしたものを用いた。 比較例3は、バインダ樹脂としてハイラック111
(ケトン樹脂、日立化成株式会社製)を添加した。 比較例4は、非ニュートン粘性付与剤として脂肪酸ビ
スアマイドを膨潤分散させて平均粒子径が0.8μmと
したものを用いた。 比較例5は、非ニュートン粘性付与剤として脂肪酸ビ
スアマイドを膨潤分散させて平均粒子径が7μmとした
ものを用いた。 比較例6は、バインダ樹脂としてハイラック111
(ケトン樹脂、日立化成株式会社製)を添加し、非ニュ
ートン粘性付与剤を添加せず。
【0031】
【表2】
【0032】試験及び評価 前記各ボールペンについて、下記の性能試験を行ない、
評価した。
【0033】泣きボテ性能:室温が20℃で相対湿度
が65%時の環境下で、各4本の油性ボールペンを、走
行試験機(自社で製造)により筆圧加重が200gとな
るように設定して走行速度4m/min の条件下で円筆記
を100m行い、目視観察によりボテの個数を数え平均
した。 0個・・・・・・・・・◎ 1〜2個未満・・・・・○ 2〜5個未満・・・・・△ 5個以上・・・・・・・×
【0034】線割れ性能:前記泣きボテ現象の場合と
同様にして、各4本の油性ボールペンを走行試験機によ
り筆記を行い、筆跡を目視観察した。 線割れ現象無し・・・・・・・・◎ 線割れ現象が少し有り・・・・・○ 著しい線割れ現象有り・・・・・×
【0035】筆跡滲み性能:前記泣きボテ現象の場合
と同様にして、各4本の油性ボールペンを走行試験機に
より筆記を行い、筆跡を目視観察した。 筆跡に滲み無し・・・・・・・・○ 筆跡に滲み有り・・・・・・・・×
【0036】各実施例の評価結果は表1に、各比較例の
評価結果は表2に示す通りである。
【0037】比較例1は、剪断速度500S-1 におけ
る粘度が低いために、筆跡に滲みが生じてしまった。
【0038】比較例2は、剪断速度500S-1 におけ
る粘度が高すぎるために、インキの紙への浸透が抑制さ
れ、ボール表面の余剰インキが多すぎて泣きボテ性能が
悪かった。
【0039】比較例3は、非ニュートン粘性指数が高過
ぎ、インキの凝集力が小さくなり泣きボテ性能及び線割
れ性能が悪かった。
【0040】比較例4は、ボールの表面の算術平均粗さ
(Ra)の値が小さ過ぎ、ボールのインキに対する濡れ
性が不十分となり、泣きボテ性能及び線割れ性能が悪か
った。
【0041】比較例5は、ボールの表面の算術平均粗さ
(Ra)の値が大き過ぎ、ボールへのインキの濡れ性が
良すぎてインキの付着量が多くなり、泣きボテ性能及び
線割れ性能が悪かった。
【0042】比較例6は、非ニュートン粘性付与剤を添
加していないので、泣きボテ性能、筆跡の線割れ性能や
滲み性能において、全ての点で悪かった。
【0043】
【発明の効果】本発明は、着色剤、有機溶剤、非ニュー
トン粘性付与剤を含有した油性ボールペン用インキにお
いて、非ニュートン粘性指数及び剪断速度500S-1
における粘度を前述したように特定し、該インキを、表
面の算術平均粗さ(Ra)を特定したボールを回転自在
に抱持したボールペンチップを具備したインキ収容筒又
は軸筒内に収容したので、書き味が滑らかで、線割れ現
象、泣きボテ現象、紙面への滲みがない良好な筆跡が筆
記可能な油性ボールペンを得ることができた。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月3日(1998.9.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 油性ボールペン
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非ニュートン粘性
付与剤を含有した油性ボールペン用インキを収容した油
性ボールペンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、油性ボールペン用インキとし
て、余剰のインキがボールペンチップの先端の外周に付
着してインキが滴下する泣きボテ現象を抑制するために
ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール等のポリ
マーを添加して粘弾性を付与したものは知られている。
このインキを収容した油性ボールペンにおいては、ボー
ル表面に付着した余剰のインキをボールペンチップの先
端内に引き戻すことにより、泣きボテ現象を抑制する効
果をもたらすことが知られている。
【0003】また、特開平6−313144号の公報に
は、着色剤、溶剤および添加剤とからなる油性ボールペ
ンインキにおいて、溶剤中に蒸気圧0.1mmHg(20
℃)以下の有機溶媒を60重量%以上含有し、インキの
粘度が剪断速度400-1 において100mPa・s
以下として、余剰インキを紙に浸透させることにより泣
きボテ現象を抑制することの発明が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の場合に
は、油性インキに粘弾性を付与するために、筆跡の中抜
けいわゆる線割れ現象が生じやすく、均一な筆跡が得ら
れにくいという問題がある。また後者の場合には、イン
キ粘度が低くかつ蒸気圧の低い溶剤を使用しているた
め、紙面上のインキは乾燥しにくく、その結果、筆跡が
滲んでしまうという問題がある。
【0005】本発明は前記問題に鑑み、書き味が滑らか
で、線割れ現象、泣きボテ現象、紙面への滲みがない良
好な筆跡で筆記可能な油性ボールペンを提供するもので
ある。
【0006】泣きボテ現象は、紙面に転写されなかった
余剰インキがチップカシメ部に移動し、この余剰インキ
が溜まり紙面に落ちてボテとなる。線割れ現象は、ボー
ル表面へのインキ付着状態に関係し、均一に所定の厚み
で付着させることにより抑制できる。つまり、ボール表
面上のインキ付着量及び状態の面からは泣きボテと線割
れ現象の抑制は相反する関係にあり、両立させることは
できなかった。
【0007】ところで、凝集力の大きいインキは、濡れ
性の面では余剰インキがカシメ部に移動するのを抑制
し、チップ内に引き戻す作用を生じる。平滑なボール表
面ではインキがはじかれて均一に付着し難くなり、部分
的にインキの厚みが大きくなり物理的にカシメ部でしご
かれて泣きボテ現象を抑制することは難しい。
【0008】しかし、本発明者が鋭意検討したところに
よれば、適度の表面粗度を有するボールの表面において
は、泣きボテ及び線割れ現象を抑制するためにボール表
面に充分均一な厚みでインキが付着することが判った。
また、インキの凝集力は非ニュートン粘性指数と関係が
あり、非ニュートン粘性指数が小さいと凝集力が大きい
ことを見出し、本発明に至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明は、着色剤、有機溶剤、非ニュートン粘性付与
剤を含有し、非ニュートン粘性指数が0.5以下であ
り、剪断速度500-1 における粘度が100〜2,0
00mPa・s(20℃)である油性ボールペン用イン
キを収容し、表面の算術平均粗さ(Ra)が0.004
〜0.01μmであるボールを回転自在に抱持したボー
ルペンチップを具備してなる油性ボールペンとするもの
である。
【0010】さらには、前記非ニュートン粘性付与剤
を、膨潤分散した平均粒子径が5μm以下の脂肪酸アマ
イド系ワックスとするものである。
【0011】またさらには、前記脂肪酸アマイド系ワッ
クスが脂肪酸ビスアマイドワックスであるものである。
【0012】本発明においては、非ニュートン粘性付与
剤として脂肪酸アマイド系ワックスを添加すると、イン
キは凝集力が大きくなるので好ましく、具体的には脂肪
酸ビスアマイドワックスが好適である。さらに、平均分
散粒子径が小さい程インキの凝集力は著しく大きくな
り、好ましくは平均粒子径が5μm以下が良い。さらに
好ましくは、1μm以下が良い。
【0013】筆跡の滲みは、インキの粘度と凝集力と乾
燥性が関与するが、油性ボールペン用インキは放置後の
書き出し性能を良くするために一般的に蒸気圧の低い溶
剤を添加しているため、前者のインキの粘度と凝集力の
影響の方が大きい。 非ニュートン粘性指数が0.5よ
り大きいと凝集力が小さくなり、線割れ及び泣きボテ現
象を抑制するのを妨げることが、種々検討した結果判っ
た。また、非ニュートン粘性指数が0.5以下である場
合には、筆記時(剪断速度500-1 )のインキの粘
度が2,000mPa・s(20℃)より高いとインキ
の紙への浸透が抑制され、ボール表面の余剰インキが多
すぎて充分な泣きボテの抑制効果が得られなく、逆に1
00mPa・s(20℃)未満であると、線割れ現象や
筆跡に滲みが生じてしまう事が判った。従って、非ニュ
ートン粘性指数が0.5以下である場合には、インキの
粘度は、100〜2,000mPa・s(20℃)が良
い。さらに好ましくは、500〜1,000mPa・s
(20℃)が良い。
【0014】油性ボールペンにおけるボールペンチップ
のボールに、インキに対する濡れ性による適度な量のイ
ンキを付着させるには、表面の算術平均粗さ(Ra)が
0.004μm以上であることが必要である。0.00
4μm以下だと、ボールのインキに対する濡れ性が不十
分となり、筆記時に筆跡が線かすれや線割れが生じやす
くなる。しかし、表面の算術平均粗さ(Ra)の値が大
き過ぎても、ボールへのインキの濡れ性が大きすぎイン
キの付着量が多くなる傾向となり、筆跡にボテが生じや
すくなる。また、その反面、理由は定かでないが、ボー
ルへのインキの付着量が多くても、インキの非ニュート
ン粘性指数や筆記時(剪断速度500 -1 )のインキ
の粘度との関係から、線割れ現象は生じてしまう事が、
実験結果から判った。すなわち、インキの非ニュートン
粘性指数が0.5以下で、インキの粘度が100〜2,
000mPa・s(20℃)の油性ボールペン用インキ
と、ボールの表面の算術平均粗さ(Ra)が0.004
〜0.010μmの範囲であるボールペンチップの組み
合わせにより、本発明の目的である、書き味が滑らか
で、線割れ現象、泣きボテ現象、紙面への滲みがない良
好な筆跡で筆記可能な油性ボールペンを得ることができ
るのである。
【0015】
【発明の実施の形態】着色剤、有機溶剤、非ニュートン
粘性付与剤、さらに潤滑剤やバインダ樹脂等の添加剤を
混合後、加温撹拌して、非ニュートン粘性指数が0.5
以下であり、剪断速度500-1 における粘度が10
0〜2,000mPa・s(20℃)である油性ボール
ペン用インキを調製する。該油性ボールペン用インキ
を、ボール径が0.7mmで、表面の算術平均粗さ(R
a)が0.004〜0.010μmであるボールを回転
自在に抱持したボールペンチップを先端に具備したイン
キ収容筒内に充填し、そのインキ収容筒を軸筒内に挿着
して油性ボールペンを得る。
【0016】本発明における着色剤としては、従来の油
性ボールペン用インキに用いている染料又は顔料を特に
限定することなく用いることができる。顔料として無
機、有機、加工顔料、例えばカーボンブラック、フタロ
シアニン系、アゾ系、キナクリドン系、アントラキノン
系、インジゴ系等がある。また染料としてアルコール可
溶性染料、油溶性染料、直接染料、酸性染料、塩基性染
料、含金染料、および各種造塩タイプの染料が使用可能
である。また、これらを単独、あるいは混合して使用す
ることができる。配合量は、インキ全量に対し5〜50
重量%が好ましい。
【0017】有機溶剤としては、着色剤ないし非ニュー
トン粘性付与剤の溶解または分散媒、樹脂の溶媒等の目
的で使用され、従来の油性ボールペン用インキに用いる
有機溶剤が使用できる。具体的には、ベンジルアルコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のア
ルコール系およびグリコール系、フェニルセロソルブ等
のセロソルブ系、フェニルカービトール等のカービトー
ル系、N−メチルピロリドン等の含窒素溶剤系が単独又
は混合して使用可能である。配合量は、インキ全量に対
し30〜90重量%が好ましい。
【0018】非ニュートン粘性付与剤としては、脂肪酸
アマイド系ワックス、硫酸エステル系アニオン活性剤、
ポリビニルアセトアミド及びその誘導体、架橋型アクリ
ル酸樹脂及びその誘導体、酸化ポリエチレンワックス
硬化ひまし油、長鎖脂肪酸エステル重合体、有機ベント
ナイト、シリカ等のインキに非ニュートン粘性を与える
物質が挙げられる。脂肪酸アマイド系ワックスとして
は、脂肪酸モノアマイドワックス、脂肪酸ビスアマイド
ワックス及びこれらの誘導体を用いることができ、これ
らを併用しても良い。配合の割合は、インキ全量に対し
1.0〜10重量%が好ましい。
【0019】添加剤として必要に応じて、潤滑剤、バイ
ンダ樹脂、界面活性剤、分散剤、防錆剤、防菌剤、pH
調整剤等を適宜選択して添加することができる。
【0020】ボールペンチップの回転自在に抱持したボ
ールの材質としては、タングステンカーバイト系超硬
材、シリカ系、アルミナ系、ジルコニア系、炭化ケイ素
系セラミック材を用いることができる。
【0021】非ニュートン粘性指数の測定は、イギリス
のキャリメ社製:CSレオメータを用い、温度20℃で
コーンプレートの角度、直径を適正な値とし、剪断速度
1〜600-1 で行った。非ニュートン粘性指数は、
S=α (但し、1>n>0)で示される粘性式中,
「n」を指す。なお、Sは剪断応力(dyne/c
2)、Dは剪断速度(-1 )、αは非ニュートン粘性
係数を示す。
【0022】粘度の測定は、イギリスのキャリメ社製:
CSレオメータを用い、温度20℃で行った。
【0023】算術平均粗さ(Ra)とは、触針式表面粗
さ測定器(Rank TaylorHobson社製の
機種名:Form−Talysurf−S1F−50)
により測定された粗さ曲線から、その平均線の方向に基
準長さLだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から
測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値であ
る。
【0024】
【式1】
【0025】
【実施例】本発明の実施例を説明する。 実施例1 着色剤としてスピロンブラックGMH−スペシャル(保
土谷化学工業株式会社製)とバリファーストバイオレッ
ト1701(オリエント化学工業株式会社製)の2種類
を、有機溶剤としてフェニルグリコールとベンジルアル
コールを、非ニュートン粘性付与剤として脂肪酸ビスア
マイドワックス(共栄社化学株式会社製、製品名:フロ
ーノンSH−290)を膨潤分散させて平均粒子径が5
μmとしたものを、潤滑剤としてオレイン酸を、下記に
示す割合で混合した後、60℃に加温してディスパーを
用いて染料、樹脂が溶解して均一な状態になるまで撹拌
し、黒色の油性ボールペン用インキを得た。 スピロンブラックGMH−スペシャル 12.0重量% バリファーストバイオレット1701 15.0重量% オレイン酸 2.0重量% フェニルグリコール 20.0重量% ベンジルアルコール 45.0重量% 脂肪酸ビスアマイドワックス(平均粒子径5μm)
【0026】イギリスのキャリメ社製:CSレオメータ
を用いて、20℃での剪断速度500s-1 における粘度
を測定したところ120mPa・sであった。非ニュー
トン粘性指数を算出したところ、0.08であった。
【0027】前記油性ボールペン用インキを、直径が
0.7mmで表面の算術平均粗さ(Ra)が0.007μ
mであるボールを回転自在に抱持したボールペンチップ
を先端に具備したインキ収容筒内に充填し、そのインキ
収容筒を軸筒内に挿着して油性ボールペンを得た。
【0028】実施例2〜7 インキの配合を表1に示す通りとした以外は、実施例1
と同様にして、表1に示したような20℃での剪断速度
500s-1 における粘度と非ニュートン粘性指数を有す
る黒色の油性ボールペン用インキを得た後、表面の算術
平均粗さ(Ra)が表1に示した値であるボールを回転
自在に抱持したボールペンチップを先端に具備したイン
キ収容筒内に充填し、そのインキ収容筒を軸筒内に挿着
して各油性ボールペンを得た。 注)実施例2は、バインダ樹脂としてハイラック11
1(ケトン樹脂、日立化成株式会社製)を添加した。 実施例3は、非ニュートン粘性付与剤として脂肪酸ビ
スアマイドワックスを膨潤分散させて平均粒子径が0.
8μmとしたものを用いた。 実施例4は、バインダ樹脂としてハイラック111
(ケトン樹脂、日立化成株式会社製)を添加し、非ニュ
ートン粘性付与剤として架橋型ポリビニルアセトアミド
を用いた。 実施例5及び6は、バインダ樹脂としてハイラック1
11(ケトン樹脂、日立化成株式会社製)を添加し、非
ニュートン粘性付与剤として脂肪酸ビスアマイドワック
を膨潤分散させて平均粒子径が0.8μmとしたもの
を用いた。 実施例7は、非ニュートン粘性付与剤として脂肪酸ビ
スアマイドワックスを膨潤分散させて平均粒子径が7μ
mのものと、0.8μmのものを作製し、それらを混合
したものを用いた。
【0029】
【表1】
【0030】比較例1〜6 インキの配合を表2に示す通りとした以外は、実施例1
と同様にして、表2に示したような20℃での剪断速度
500s-1 における粘度と非ニュートン粘性指数を有す
る黒色の油性ボールペン用インキを得た後、表面の算術
平均粗さ(Ra)が表1に示した値であるボールを回転
自在に抱持したボールペンチップを先端に具備し、実施
例1と同様のインキ収容筒内に充填し、そのインキ収容
筒を軸筒内に挿着して各油性ボールペンを得た。 注)比較例1は、非ニュートン粘性付与剤として脂肪
酸ビスアマイドワックスを膨潤分散させて平均粒子径が
0.8μmとしたものを用いた。 比較例2は、バインダ樹脂としてハイラック111
(ケトン樹脂、日立化成株式会社製)を添加し、非ニュ
ートン粘性付与剤として脂肪酸ビスアマイドワックス
膨潤分散させて平均粒子径が0.8μmとしたものを用
いた。 比較例3は、バインダ樹脂としてハイラック111
(ケトン樹脂、日立化成株式会社製)を添加した。 比較例4は、非ニュートン粘性付与剤として脂肪酸ビ
スアマイドワックスを膨潤分散させて平均粒子径が0.
8μmとしたものを用いた。 比較例5は、非ニュートン粘性付与剤として脂肪酸ビ
スアマイドワックスを膨潤分散させて平均粒子径が7μ
mとしたものを用いた。 比較例6は、バインダ樹脂としてハイラック111
(ケトン樹脂、日立化成株式会社製)を添加し、非ニュ
ートン粘性付与剤を添加せず。
【0031】
【表2】
【0032】試験及び評価 前記各ボールペンについて、下記の性能試験を行ない、
評価した。
【0033】泣きボテ性能:室温が20℃で相対湿度
が65%時の環境下で、各4本の油性ボールペンを、走
行試験機(自社で製造)により筆圧加重が200gとな
るように設定して走行速度4m/min の条件下で円筆記
を100m行い、目視観察によりボテの個数を数え平均
した。 0個・・・・・・・・・◎ 1〜2個未満・・・・・○ 2〜5個未満・・・・・△ 5個以上・・・・・・・×
【0034】線割れ性能:前記泣きボテ現象の場合と
同様にして、各4本の油性ボールペンを走行試験機によ
り筆記を行い、筆跡を目視観察した。 線割れ現象無し・・・・・・・・◎ 線割れ現象が少し有り・・・・・○ 著しい線割れ現象有り・・・・・×
【0035】筆跡滲み性能:前記泣きボテ現象の場合
と同様にして、各4本の油性ボールペンを走行試験機に
より筆記を行い、筆跡を目視観察した。 筆跡に滲み無し・・・・・・・・○ 筆跡に滲み有り・・・・・・・・×
【0036】各実施例の評価結果は表1に、各比較例の
評価結果は表2に示す通りである。
【0037】比較例1は、剪断速度500s-1 における
粘度が低いために、筆跡に滲みが生じてしまった。
【0038】比較例2は、剪断速度500s-1 における
粘度が高すぎるために、インキの紙への浸透が抑制さ
れ、ボール表面の余剰インキが多すぎて泣きボテ性能が
悪かった。
【0039】比較例3は、非ニュートン粘性指数が高過
ぎ、インキの凝集力が小さくなり泣きボテ性能及び線割
れ性能が悪かった。
【0040】比較例4は、ボールの表面の算術平均粗さ
(Ra)の値が小さ過ぎ、ボールのインキに対する濡れ
性が不十分となり、泣きボテ性能及び線割れ性能が悪か
った。
【0041】比較例5は、ボールの表面の算術平均粗さ
(Ra)の値が大き過ぎ、ボールへのインキの濡れ性が
良すぎてインキの付着量が多くなり、泣きボテ性能及び
線割れ性能が悪かった。
【0042】比較例6は、非ニュートン粘性付与剤を添
加していないので、泣きボテ性能、筆跡の線割れ性能や
滲み性能において、全ての点で悪かった。
【0043】
【発明の効果】本発明は、着色剤、有機溶剤、非ニュー
トン粘性付与剤を含有した油性ボールペン用インキにお
いて、非ニュートン粘性指数及び剪断速度500s-1
おける粘度を前述したように特定し、該インキを、表面
の算術平均粗さ(Ra)を特定したボールを回転自在に
抱持したボールペンチップを具備したインキ収容筒又は
軸筒内に収容したので、書き味が滑らかで、線割れ現
象、泣きボテ現象、紙面への滲みがない良好な筆跡が筆
記可能な油性ボールペンを得ることができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着色剤、有機溶剤、非ニュートン粘性付与
    剤を含有し、非ニュートン粘性指数が0.5以下であ
    り、剪断速度500S-1における粘度が100〜2,0
    00mPa.S(20℃)である油性ボールペン用イン
    キを収容し、表面の算術平均粗さ(Ra)が0.004
    〜0.01μmであるボールを回転自在に抱持したボー
    ルペンチップを具備してなる油性ボールペン。
  2. 【請求項2】前記非ニュートン粘性付与剤が、膨潤分散
    した平均粒子径が5μm以下の脂肪酸アマイド系ワック
    スである請求項1に記載の油性ボールペン。
  3. 【請求項3】前記脂肪酸アマイド系ワックスが脂肪酸ビ
    スアマイドである請求項2に記載の油性ボールペン。
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