JP2996607B2 - 油性ボールペン用インキおよび油性ボールペン - Google Patents

油性ボールペン用インキおよび油性ボールペン

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JP2996607B2 JP7143941A JP14394195A JP2996607B2 JP 2996607 B2 JP2996607 B2 JP 2996607B2 JP 7143941 A JP7143941 A JP 7143941A JP 14394195 A JP14394195 A JP 14394195A JP 2996607 B2 JP2996607 B2 JP 2996607B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油性ボールペン用インキ
および油性ボールペンに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、油性ボールペンはその簡単な構造によりチップ先端
からインキが漏れ出す、いわゆる垂れ下がり現象を抑制
するため1万数千mPa・s以上の高粘度インキを使用
しているが、筆記時のボールの回転抵抗が大きいため
に、書き味が重く悪い。
【0003】一方、滑らかで良好な書き味を得るために
インキ粘度を下げると垂れ下がり現象が生じるといった
問題がある。
【0004】また、インキ粘度を下げ、インキの紙への
浸透性を強くし、チップ先端の余剰インキを紙へ浸透さ
せ、ボテ現象を抑制するといった低粘度インキについて
は、インキの紙への浸透性が強すぎるため、著しい筆跡
滲みが発生する。また、金属同志の接触度合いの増加、
すなわち境界潤滑領域となり、チップ内ボールとボール
座の金属接触抵抗が生じるため、油性ボールペンの特徴
である滑らかな書き味が損なわれる。さらに、ボールと
ボール座が接触するためボール座は摩耗し、カスレ、濃
淡などの筆跡乱れを生じる。特に油性ボールペンの重要
な特徴の一つである伝票複写などの高筆圧筆記に対して
の耐久性が著しく劣化する。
【0005】本発明の目的は垂れ下がり現象や筆跡の滲
みがなく、伝票複写などの高筆圧下における耐久性をボ
ールペンに付与し、滑らかで良好な書き味が得られ、さ
らにボテが良好に防止できる油性ボールペン用インキお
よびボールペンを得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者は上
記欠点を改良するため、油性ボールペン用インキについ
て鋭意検討を行った。その結果、特定の非ニュートン粘
性指数と特定の剪断速度での粘度との関係がインキの性
能に大きな影響を与えることを知見し、本発明に至った
ものである。
【0007】すなわち、本発明は 「1.着色剤、溶剤、バインダ樹脂、およびインキ全量
に対し、0.1〜5重量%の非ニュートン粘性付与剤と
20℃における曳糸長が100mm以上である曳糸性を
付与する曳糸性付与樹脂を含有し、非ニュートン粘性指
数が0.2〜0.95であり、剪断速度500s-1にお
ける粘度が1,000〜10,000mPa・s(20
℃)である油性ボールペン用インキ。
【0008】2.非ニュートン粘性指数が0.4〜0.
9である第1項に記載の油性ボールペン用インキ。
【0009】3.前記非ニュートン粘性付与剤が脂肪酸
アマイドであり、曳糸性付与樹脂が重量平均分子量10
0万以上のポリビニルピロリドンである、第1項または
第2項に記載の油性ボールペン用インキ。
【0010】4.前記曳糸性付与樹脂が重量平均分子量
200万以上のポリビニルピロリドンである第1項〜第
3項のいずれかに記載の油性ボールペン用インキ。
【0011】5.第1項〜第4項のいずれかに記載の油
性ボールペン用インキをインキ収容部に詰めたボールペ
ン。」である。
【0012】本発明のインキは、着色剤、溶剤、バイン
ダ樹脂、非ニュートン粘性付与剤および20℃における
曳糸長が100mm以上である曳糸性を付与する曳糸性
付与樹脂を含有してなるインキで、剪断速度500s-1
における粘度が1,000〜10,000mPa・s
(20℃)である。ここで剪断速度500s-1としたの
は筆記時にボールの回転によりインキに剪断力がかか
り、実際の筆記における剪断速度が500s-1以上であ
るからである。
【0013】本発明の目的の一つである書き味の滑らか
さは官能的な特性であるが、筆記抵抗との相関性が大き
い。筆記抵抗はチップ内ボールの回転抵抗であり、筆記
時のインキ粘度とまた、ボール座の金属接触による摩擦
抵抗の二要因に支配される。
【0014】剪断速度500s-1におけるインキの粘度
が1,000mPa・s以上では、筆記時にボールとボ
ール座との間にボールの回転によりインキ油膜を形成す
るため流体潤滑領域となり金属接触は生じないので、抵
抗が低く書き味の滑らかさに優位性を与える。10,0
00mPa・s以下では抵抗は低く書き味の滑らかさに
優位性を与える。一方、10,000mPa・sより大
きくなると書き味が悪くなる。
【0015】これに対し、剪断速度500s-1における
インキの粘度が1,000mPa・sより小さいと、筆
記時に粘度が低いために紙へのインキの浸透性が高くな
り、滲みのない筆跡が得られない。また、筆記時に金属
接触度合いが増して境界潤滑領域となり、摩擦抵抗が生
じるため、書き味の滑らかさが悪くなる。さらに、前述
のごとく境界潤滑領域となるので、ボール座が摩耗し、
カスレ、濃淡などの筆跡不良が発生する。これに対し、
粘度が1,000mPa・s以上では問題なく、特にボ
ール径が大きくなるにつれて、すなわち0.7mmまた
はこれより大きい直径のボールであると、面圧が低下す
るためボール座摩耗を抑制し、高筆圧に対する筆跡安定
性はより良くなる。
【0016】したがって、滑らかな書き味、ボール座の
摩耗による筆跡劣化の防止、特に高筆圧における筆跡の
安定性、滲みのない筆跡を得るためには、剪断速度50
0s -1 における粘度が1,000〜10,000mPa
・s(20℃)であることが必要である。
【0017】前記の非ニュートン粘性指数を有するイン
キは剪断減粘性を示す。前述のように流体潤滑要因はイ
ンキ粘度とボール回転速度、つまり筆記速度であり、遅
いほど境界潤滑領域に近づく。したがって非ニュートン
粘性指数0.2〜0.95をインキに付与することによ
り筆記速度変化に対応したボール座摩耗の抑制効果が得
られる。
【0018】剪断速度500s-1におけるインキの粘度
の測定は、イギリス、キャリメ社製CSLレオメータ等
を用いて、温度20℃で行った。
【0019】本発明の油性インキは、剪断速度500s
-1における粘度が1,000〜10,000mPa・s
であるインキにおいて、非ニュートン粘性指数が0.2
〜0.95、好ましくは0.4〜0.9である。非ニュ
ートン粘性指数はS=αDn(但し、1>n>0)で示
される粘性式中、「n」を指す。なお、Sは剪断応力
(dyne/cm2)、Dは剪断速度(s-1)、αは非ニ
ュートン粘性係数を示す。非ニュートン粘性指数の測定
は、温度20℃でコーンプレートの角度、直径を適切な
値とし、剪断速度1〜600s-1で行った。
【0020】また、剪断減粘性が付与されたインキは、
ボール静止時におけるチップ内インキ粘度がボール回転
時に比較し高くなる。図面を用いて説明すると、チップ
内インキ、すなわち図1の符号4で示す箇所のインキが
自重によりチップ先端部より滲み出る。これが垂れ下が
りの原因であり、防止するには滲み出る速度、つまりイ
ンキ流動速度を遅くし、チップ先端部でのインキを乾燥
させやすくすればよい。
【0021】非ニュートン粘性指数が0.2より小さく
なると、筆記時に剪断力のかかっていないインキ、つま
りカートリッジ内インキ粘度が高すぎて筆記によるカー
トリッジ内インキ流動を阻害するためインキ追従不良を
起こし、カスレ、線切れなどの筆跡不良を生じる。特に
速書き時に顕著である。一方、非ニュートン粘性指数が
0.95より大きいと垂れ下がりを防止するのに必要な
インキ粘度は得られない。
【0022】したがって、垂れ下がりがないほかインキ
追従性がよく、特に速書き時に安定した筆跡を得るため
には、非ニュートン粘性指数が0.2〜0.95である
ことが必要である。
【0023】本発明において、20℃における曳糸長が
100mm以上であることが好ましい。ボテの抑制はイ
ンキの粘弾性が重要であり、特に曳糸性と大きな相関が
ある。曳糸長が100mm未満では、インキの粘弾性要
素の弾性成分が不足であるため、チップ先端の余剰イン
キをチップ内に戻す力が不足し、それが筆記時ボテとし
て現れる。200mm以上ならより充分な効果が得られ
る。
【0024】曳糸長の測定は、次のようにして行った。
すなわち、室温20℃の環境下、20mlのガラスビー
カーにインキを約10g採取する。次に、直径5mmの
ガラス棒の先端がインキ中に5mm浸漬するようセット
する。引き続き、引き上げ速度31mm/secで垂直
方向に定速度でガラス棒を引き上げた時、インキの曳糸
が切れた時点の長さを測定し、これを曳糸長とした。
【0025】本発明に用いる着色剤は、従来油性ボール
ペン用インキに用いている染料または顔料を特に限定す
ることなく用いることができる。顔料として無機、有
機、加工顔料、例えばカーボンブラック、フタロシアニ
ン系、アゾ系、キナクリドン系、アントラキノン系、イ
ンジゴ系などがある。また染料としてアルコール可溶性
染料、油溶性染料、直接染料、酸性染料、塩基性染料、
含金染料、および各種造塩タイプの染料が使用可能であ
る。また、これらは単独、あるいは混合して使用するこ
とができる。配合割合はインキ全量に対して5〜50重
量%が好ましい。
【0026】本発明に用いる溶剤は、粘度をインキに与
えるほか、着色剤ないし非ニュートン粘性付与剤の溶解
または分散媒、樹脂の溶媒などの目的で使用され、従来
の油性ボールペン用インキに用いる有機溶剤が使用でき
る。具体的には、ベンジルアルコール、プロピレングリ
コール、ブチレングリコールなどのアルコール系および
グリコール系、フェニルセロソルブなどのセロソルブ
系、フェニルカービトールなどのカービトール系、N−
メチルピロリドンなどの含窒素溶剤系が単独または混合
して使用可能である。これらはインキ全量に対して大体
30〜90重量%でよいが、粘度を考慮すれば30〜7
0重量%が最適である。
【0027】本発明に用いる非ニュートン粘性付与剤
は、油性インキに剪断減粘性を付与する目的で使用さ
れ、脂肪酸アマイドおよびその誘導体、長鎖脂肪酸エス
テル重合体、酸化ポリエチレン、硬化ヒマシ油、有機ベ
ントナイト、シリカ、硫酸エステル系アニオン活性剤な
どが使用可能である。これらはインキ全量に対して0.
1〜5重量%の添加によりインキに0.2ないし0.9
5の非ニュートン粘性指数を与えることができる。
【0028】本発明に用いるバインダ樹脂は、着色剤の
筆記後の定着やインキの粘度調整などの目的で使用する
ものであって、従来油性ボールペン用インキに用いられ
ているバインダ樹脂を使用することができる。具体的に
は、フェノール樹脂、アミド樹脂、キシレン樹脂、水添
ロジン樹脂、ケトン樹脂などが挙げられる。これらは単
独または混合して使用することができる。配合量はイン
キ全量に対して0.5〜40重量%が好ましい。
【0029】曳糸性付与樹脂は、インキに20℃におけ
る曳糸長が100mm以上の曳糸性を付与する目的で使
用され、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイ
ド、ヒドロキシプロピルセルローズ、ゴム系高分子化合
物などが使用できる。この中で好適なものは重量平均分
子量100万以上の曳糸性付与樹脂、例えばポリビニル
ピロリドン樹脂が挙げられる。具体的にはPVP K−
90(GAF社製、重量平均分子量128万)がある。
最も好適には、重量平均分子量200万以上のポリビニ
ルピロリドン樹脂が挙げられる。具体的にはPVP K
-120(GAF社製、重量平均分子量280万)があ
る。
【0030】配合量は、少なすぎると曳糸長が100m
m未満となってボテが発生し、多すぎると弾性要素が強
すぎてボール表面へのインキの乗りが悪くなり筆跡カス
レが発生するため、インキ全量に対して0.1〜5重量
%が好ましい。
【0031】その他添加剤として必要に応じて、界面活
性剤、分散剤、防錆剤、防菌剤、潤滑剤、pH調整剤、
染料溶解安定剤など適宜選択して添加することができ
る。
【0032】本発明の油性ボールペンは、図1に示すよ
うなボール1とボール受け2からなるチップ3のほか、
インキ収容部としてのインキ収容管、軸筒、キャップな
どから構成され、本発明のインキを充填したものであ
る。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を示す。
【0034】実施例1 ニグロシンEX(染料) 15.0重量% バリファーストバイオレット1701(染料) 15.0重量% (オリエント化学工業(株)製) ハイラック111(バインダ樹脂) 4.0重量% (ケトン樹脂、日立化成(株)製) オレイン酸(溶剤) 3.0重量% フェニルグリコール(溶剤) 36.0重量% ベンジルアルコール(溶剤) 24.0重量% PVP K−90(曳糸性付与樹脂) 0.5重量% ターレン7200(非ニュートン粘性付与剤) 2.5重量% (脂肪酸アマイド、共栄社化学(株)製) 上記成分を混合後、60℃に加温攪拌し、染料、バイン
ダ樹脂および曳糸性付与樹脂を溶解し、黒色油性ボール
ペン用インキを得た。このインキの剪断速度500s-1
における粘度は6,000mPa・s(20℃)であ
り、非ニュートン粘性指数は0.3であった。また、こ
のインキの曳糸長(20℃)は120mmであった。
【0035】実施例2 ニグロシンEX 10.0重量% バリファーストバイオレット1701 20.0重量% ハイラック111 4.0重量% オレイン酸 3.0重量% フェニルグリコール 36.6重量% ベンジルアルコール 24.4重量% PVP K-120 0.5重量% ターレン7200 1.5重量% 上記成分を実施例1と同様に混合、加温攪拌および溶解
し、黒色油性ボールペン用インキを得た。このインキの
剪断速度500s-1における粘度は7,000mPa・
s(20℃)であり、非ニュートン粘性指数は0.5で
あった。また、このインキの曳糸長(20℃)は250
mmであった。
【0036】実施例3 ニグロシンEX 15.0重量% バリファーストバイオレット1701 15.0重量% ハイラック111 4.0重量% オレイン酸 3.0重量% フェニルグリコール 37.2重量% ベンジルアルコール 24.8重量% PVP K-120 0.5重量% ターレン7200 0.5重量% 上記成分を実施例1と同様に混合、加温攪拌および溶解
し、黒色油性ボールペン用インキを得た。このインキの
剪断速度500s-1における粘度は6,800mPa・
s(20℃)であり、非ニュートン粘性指数は0.9で
あった。また、このインキの曳糸長(20℃)は240
mmであった。
【0037】実施例4 ニグロシンEX 15.0 重量% バリファーストバイオレット1701 15.0 重量% ハイラック111 7.0 重量% オレイン酸 3.0 重量% フェニルグリコール 34.92重量% ベンジルアルコール 23.28重量% PVP K−90 0.6 重量% ターレン7200 1.2 重量% 上記成分を実施例1と同様に混合、加温攪拌および溶解
し、黒色油性ボールペン用インキを得た。このインキの
剪断速度500s-1における粘度は9,300mPa・
s(20℃)であり、非ニュートン粘性指数は0.6で
あった。また、このインキの曳糸長(20℃)は150
mmであった。
【0038】比較例1 ニグロシンEX 10.0重量% バリファーストバイオレット1701 10.0重量% ハイラック111 1.0重量% オレイン酸 3.0重量% フェニルグリコール 45.6重量% ベンジルアルコール 30.4重量% 上記成分を実施例1と同様に混合、加温攪拌および溶解
し、黒色油性ボールペン用インキを得た。このインキの
剪断速度500s-1における粘度は500mPa・s
(20℃)であり、非ニュートン粘性指数は1.0であ
った。また、このインキの曳糸長(20℃)は20mm
であった。
【0039】比較例2 ニグロシンEX 15.0 重量% バリファーストバイオレット1701 15.0 重量% ハイラック111 8.0 重量% オレイン酸 3.0 重量% フェニルグリコール 35.37重量% ベンジルアルコール 23.58重量% ターレン7200 0.05重量% 上記成分を実施例1と同様に混合、加温攪拌および溶解
し、黒色油性ボールペン用インキを得た。このインキの
剪断速度500s-1における粘度は14,000mPa
・s(20℃)であり、非ニュートン粘性指数は0.9
7であった。また、このインキの曳糸長(20℃)は6
0mmであった。
【0040】比較例3 ニグロシンEX 10.0重量% バリファーストバイオレット1701 10.0重量% ハイラック111 1.0重量% オレイン酸 3.0重量% フェニルグリコール 42.3重量% ベンジルアルコール 28.2重量% ターレン7200 5.5重量% 上記成分を実施例1と同様に混合、加温攪拌および溶解
し、黒色油性ボールペン用インキを得た。このインキの
剪断速度500s-1における粘度は700mPa・s
(20℃)であり、非ニュートン粘性指数は0.1であ
った。また、このインキの曳糸長(20℃)は30mm
であった。
【0041】比較例4 ニグロシンEX 15.0重量% バリファーストバイオレット1701 15.0重量% ハイラック111 8.0重量% オレイン酸 3.0重量% フェニルグリコール 32.1重量% ベンジルアルコール 21.4重量% ターレン7200 5.5重量% 上記成分を実施例1と同様に混合、加温攪拌および溶解
し、黒色油性ボールペン用インキを得た。このインキの
剪断速度500s-1における粘度は15,000mPa
・s(20℃)であり、非ニュートン粘性指数は0.1
であった。また、このインキの曳糸長(20℃)は70
mmであった。
【0042】比較例5 ニグロシンEX 30.0重量% ハイラック111 5.0重量% オレイン酸 5.0重量% フェニルグリコール 35.4重量% ベンジルアルコール 23.6重量% ターレン7200 1.0重量% 上記成分を実施例1と同様に混合、加温攪拌および溶解
し、黒色油性ボールペン用インキを得た。このインキの
剪断速度500s-1における粘度は4200mPa・s
(20℃)であり、非ニュートン粘性指数は0.7であ
った。また、このインキの曳糸長(20℃)は45mm
であった。
【0043】上記実施例1〜3、比較例1、3および4
のインキをそれぞれボールペン(商品名「BP−S、
(株)パイロット製、0.7mm径のボールを備えたス
テンレス鋼製ボールペンチップ)に詰め試験を行った。
また、実施例4、比較例2のインキをそれぞれボールペ
ン(商品名「BP−S、(株)パイロット製、0.5m
m径のボールを備えたステンレス鋼製ボールペンチッ
プ)に詰め、試験を行った。結果をインキ組成などと共
に以下に示す。
【0044】
【表1】
【0045】書き味 :粘度(500s-1)2
0,000mP・s、20℃のインキを充填したボール
ペンを比較サンプルとして用意し、このサプルと各例の
ボールペンとの官能テストを1対比較法で行った。すな
わち、比較サンプルには記号をつけず、順序効果を打ち
消すために順序を入れ替え、その組み合わせが同数発生
するようにして行った。繰り返し回数は4回。テスト人
数10人。表中、○は比較サンプルに対して書き味が滑
らかで良いことに有意差あり、×は有意差なし、をそれ
ぞれ示す。
【0046】垂れ下がり現象:各例のボールペンをチッ
プを下向きに直立して温度40℃、湿度95%RHで2
4時間放置後のチップ先端部のインキ流出の有無を観察
した。表中、○は無し、×は有り、を示す。
【0047】インキ追従性 :連続筆記したときの筆跡
線切れの有無を観察した。表中、○は線切れなし、×は
線切れあり、を示す。
【0048】ボテ :各例あたり4本のボール
ペンを使用し、走行試験機を用いた。走行試験は荷重2
00g、速度4m/minで行い、100m当たりのボ
テの発生個数を数え、4本の平均をとった。表中、◎は
0個、○は1個、△は1〜5個、×は5個以上、を示
す。
【0049】筆跡滲み :筆跡の滲みの有無を観察
した。表中、○はなし、×はあり、を示す。
【0050】ボール座摩耗量:走行試験機を用い、荷重
200g、速度4m/minで1,000m筆記前後の
チップボール出代変化を測定した。ボール座摩耗量およ
びボール出代変化をそれぞれ図1の符号L1およびL2
で示す。
【0051】
【発明の効果】本発明の油性ボールペン用インキおよび
油性ボールペンは、垂れ下がり現象や筆跡のカスレ、線
切れ、滲みがなく、伝票複写などの高筆圧下における耐
久性を付与でき、滑らかで良好な書き味が得られ、さら
に、インキに20℃における曳糸長が100mm以上の
曳糸性を付与する曳糸性樹脂を含有しているので、本発
明のインキおよびボールペンはボテを良好に防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油性ボールペンのチップ拡大図であ
る。
【符号の簡単な説明】
1 ボール 2 ボール受け 3 チップ 4 チップ内インキ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着色剤、溶剤、バインダ樹脂、およびイン
    キ全量に対し 0.1〜5重量%の非ニュートン粘性付
    与剤と20℃における曳糸長が100mm以上である曳
    糸性を付与する曳糸性付与樹脂を含有し、非ニュートン
    粘性指数が0.2〜0.95であり、剪断速度500s
    -1における粘度が1,000〜10,000mPa・s
    (20℃)である油性ボールペン用インキ。
  2. 【請求項2】非ニュートン粘性指数が0.4〜0.9で
    ある請求項1に記載の油性ボールペン用インキ。
  3. 【請求項3】前記非ニュートン粘性付与剤が脂肪酸アマ
    イドであり、曳糸性付与樹脂が重量平均分子量100万
    以上のポリビニルピロリドンである、請求項1または2
    に記載の油性ボールペン用インキ。
  4. 【請求項4】前記曳糸性付与樹脂が重量平均分子量20
    0万以上のポリビニルピロリドンである請求項3に記載
    の油性ボールペン用インキ。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の油性ボー
    ルペン用インキをインキ収容部に詰めたボールペン。
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