JP4289221B2 - ボールペン用油性インキ組成物及びその製造方法 - Google Patents

ボールペン用油性インキ組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、着色剤、溶剤、樹脂を含有するボールペンに用いる油性インキ組成物に関する。
従来、ボールペン用油性インキ組成物は、染料や顔料などの着色材と、グリコール類や、グリコールエーテル類、高沸点のアルコール等の溶剤と、ケトン樹脂、キシレン樹脂、ロジン誘導樹脂などの紙面への定着を主な目的とした樹脂と、必要に応じてポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール等の粘度調整、流動特性調整、ボテを防止することを主な目的とした樹脂とからなっている。近年の傾向としては着色剤に顔料を使用することと、滑らかな書き味を得る為にインキの粘度を低く設定することが行われている。着色剤に顔料を使用すると筆跡の堅牢性が向上したり、外観の色が鮮やかになったり、染料中の不純物や分解物からくる健康に害を及ぼす恐れのある微量成分や、環境に影響を及ぼす重金属を含有し難いといった利点があり、顔料単独または染料と顔料との併用を行い、目的のボールペン用インキを得る研究がなされている。また、ボールペンとして実使用するに当たって水性のゲルインキボールペンの使用が多くなっている近年では、従来の油性ボールペンよりも更に書き味を滑らかにするべく、インキの粘度を低くしたり、インキにせん断減粘性や非ニュートン粘性といわれる物性を付与する試みがなされ、その多くが低粘度ゆえのインキ洩れや泣き出しボテに対する防止に研究の主眼が置かれている。インキ漏れ防止に関する手段としては、球状樹脂粒子を含有(特許文献1及び2)させる方法、球状シリコーン樹脂微粒子を含有(特許文献3)させる方法、架橋型N−ビニルアセトアミド系ポリマーを配合(特許文献4)させる方法、球状の疎水性シリカ微粒子を含有(特許文献5)させる方法、アクリル系超微粒子を添加(特許文献6)させる方法、0.2〜0.5の非ニュートン粘性指数、200mPa・s以下の粘度を有する(特許文献7)方法などがある。
特開昭63−218779号公報 特開昭63−256669号公報 特開平08−134391号公報 特開平09−078021号公報 特開2001−294798公報 特開2003−138196公報 特開平09−048941号公報
しかしながら、前述の漏れを球状粒子や微粒子で抑える方法は低粘度のインキでは効果が少なかったり、経時的に粒子が沈降し、かすれが生じたり、効果がなくなったりする問題があった。また、非ニュートン粘性を付与しても、経時的な吸湿の影響により物性が変化し、当初の書き味の維持が困難であったり、かすれが生じ易くなるなどの問題点があった。また、前述の球状粒子や微粒子は硬い粒子のため、書き味に影響がでたり、大きい粒子を使用するとインキ吐出が少なくなるという問題点もあった。
この改善策として、本発明は、予めゲル化剤であるヒドロキシプロピルセルロースをエチレングリコールモノフェニルエーテルに混合してゲル状粒子を存在させたゲル溶液を作成してから、別に予め混合しておいたヒドロキシプロピルセルロースに対して可溶性の溶剤と難溶性の溶剤の混合溶剤と樹脂と着色剤とを少なくとも含む成分と混合してヒドロキシプロピルセルロースを均一に分散し、ゲル状粒子が30μm以下であると共に、5μm以上の粒子を含むものとすると共に、せん断速度が100[1/sec]の時の粘度が25℃において1500〜4000[mPa・s]であるボールペン用油性インキ組成物の製造方法を要旨とするものである。
粘度の測定温度はボールペンを使用する環境として25℃を選択し、せん断速度は100[1/sec]での値を粘度としている。ボールペン用油性インキ組成物のような粘度範囲のインキは一般の回転式粘度計においては0.1〜10[1/sec]のせん断速度範囲で粘度を測定するのが通常であるが、書き味と筆記時の滑らかさを関連付けるには高せん断速度での粘度で評価するのが適しており、粘度の測定はせん断速度を任意に設定できるレオメーターを使用するのが好ましく、本発明においてはBohlin社製レオメーターCVOを使用してローターはφ40mm4°のコーンプレートを使用し、ギャップは0.15mmに設定している。
本発明において、ゲル状粒子は顕微鏡観察で形が確認できる粒子であり、力が加わると形が変わる柔らかい不定形粒子であり、ゲル化剤と呼ばれる物質を完全溶解させずにゲル状の粒子として溶液中に存在させたものである。このインキ中のゲル状粒子の観察はオリンパス光学工業(株)製顕微鏡BX−40にて行い、プレパラートに1滴インキを点滴した後、20×20mmのカバーグラスを載せて、充分インキが拡がった後で観察を行い、1目盛り10μmの目盛りのついたスライドグラスと、観察したゲルの大きさを比較し、様々な形のゲル状粒子の長い部分をゲル状粒子の大きさと判定する。また、観察中にカバーグラス表面をシャープペンシルの先などにより500g荷重程度で押し付けるとゲルが広がったり、形を変えたりすることにより柔らかいゲル状粒子であることが確認できる。
解決しようとする問題点は、比較的低粘度のインキにおける滑らかな書き味とインキ洩れ防止の両立である。
本発明の粘度範囲である1,500〜4,000[mPa・s]は、書き味が明らかに滑らかであると判別できる粘度範囲であり、粘度がこれより低くなると流動しやすくなりボテやインキ洩れが発生しやすくなる。
ゲル状粒子の大きさである5〜30μmは、漏れ防止効果を発現する最適な範囲であり、ゲル状粒子は従来の球状粒子や微粒子よりも粒子の比重をインキの比重に近づけることができ、低粘度での沈降や浮きが発生しにくいという利点がある。
また、本発明におけるゲル状粒子を使用することによって、ペン先先端部から仮にインキが滲み出してきたとしても、空気との接触によりゲル状粒子の表面が部分的に固化もしくはゲル化剤成分の結晶化が起こり、単純に柔らかい粒子よりも、表面が硬い粒子としてインキの漏出を防ぐ漏れ止め性能がより発揮される。
着色剤は、従来ボールペン用油性インキ組成物に使用されている顔料または染料を用いることができる。
黒色顔料としてはカーボンブラックが好適に使用できる。ファーネス法によって製造された中性〜アルカリ性カーボンブラックは顔料誘導体による極性基付与により着色力、黒色度の改良効果が大きく特に好適に使用できる。青色顔料としては例えばC.I.Pigment Blue 2、同9、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同28、同29、同36、同60、同68、同76等が使用できるがフタロシアニン系顔料は特に鮮明な筆跡が得られる。溶剤中での結晶安定性や分散安定性からC.I.Pigment Blue 15:4の顔料誘導体処理タイプや同15:6が好適に使用できる。濃色の筆跡が得られる顔料としてはC.I.Pigment Blue 60が好適である。赤色の顔料としてはC.I.Pigment Red 5、同8、同17、同31、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同53:1、同57:1、同122、同144、同146、同166、同170、同177、同202、同207、同211、同213、同254、同255、同264、同270、同272等が使用できる。耐光性が良いことと、インキをリフィルに充填した時の外観色が鮮明な赤になることからジケトピロロピロール系のC.I.Pigment Red 254、同255、同264が特に好適である。黄色の顔料としてはC.I.Pigment Yellow 1、同3、同12、同13、同14、同17、同55、同81、同83、同79、同93、同94、同95、同97、同109、同110、同120、同128、同138、同147、同151、同154、同167、同185、同191等が使用できる。緑色の顔料としてはC.I.Pigment Green 7、同36、同37等が使用できるが緑色インキとしては青色顔料と黄色顔料の調色でインキを作成する方がリフィル色が鮮明なインキとなる。これらの顔料の使用量は全インキ組成物に対し15〜40重量%にすることが充分な筆跡濃度を得る為にも好ましい。
顔料は単独でも使用できるが、分散剤を併用するとより安定性が向上するために有効である。具体的には、ディスパロンDA325、同DA375、同1800シリーズ(以上、楠本化成(株)社製)、ソルスパース12000、同20000、同24000、同27000、同28000(以上、アビシア(株)社製)、ディスパビッグ2000、同2001、同180番シリーズ(以上、ビッグケミ−(株)社製)、エフカ4010、同5054(以上、エフカ・アディティブ、仏、社製)、キャリボンB、同L400、サンセパラー100(以上、三洋化成(株)社製)などが挙げられる。その使用量は顔料の添加量により調整するが、全インキ組成物に対し1.0〜20重量%が好ましい。
染料としては、ローダミンBベース(C.I.45170B、田岡染料製造(株)製)、ソルダンレッド3R(C.I.21260、中外化成(株)製)、メチルバイオレット2Bベース(C.I.42535B、米国、National Aniline Div.社製)、ビクトリアブルーF4R(C.I.42563B)、ニグロシンベースLK(C.I.50415)(以上、独国、BASF社製)、バリファーストイエロー#3104(C.I.13900A)、バリファーストイエロー#3105(C.I.18690)、オリエントスピリットブラックAB(C.I.50415)、バリファーストブラック#3804(C.I.12195)、バリファーストイエロー#1109、バリファーストオレンジ#2210、バリファーストレッド#1320、バリファーストブルー#1605、バリファーストバイオレット#1701(以上、オリエント化学工業(株)製)、スピロンブラックGMHスペシャル、スピロンイエローC−2GH、スピロンイエローC−GNH、スピロンレッドC−GH、スピロンレッドC−BH、スピロンブルーBPNH、スピロンブルーC−RH、スピロンバイオレットC−RH、S.P.T.オレンジ6、S.P.T.ブルー111(以上、保土ヶ谷化学工業(株)製)などが例示できる。これらの染料の使用量は全インキ組成物に対し0.1〜50重量%が好ましい。また、染料と顔料を併用することも筆跡の堅牢性と濃度を両立させる目的で有効な手法である。
溶剤は、グリコールエーテル系溶剤やその他の従来公知のボールペン用有機溶剤を使用することができる。グリコールエーテル系用材は他のアルコール系溶剤、グリコール系溶剤、エステル系溶剤に比べ紙への浸透が良く平滑紙やコート紙など一般紙に比べてインキの乾燥性が悪い表面を持つ紙に筆記しても筆跡の乾燥性が良く手や衣服を汚さない、また、他の成分の溶解性に優れている、顔料への濡れが良く顔料の分散安定性に優れている等の特徴がある。使用できるグリコールエーテルとしては例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、プロピレングリコールモノノルマルプロピルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノノルマルプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテルなどが挙げられる。
また、経時的な溶剤蒸発やペン先乾燥のコントロールの為に従来公知のボールペン用有機溶剤を併用することもできる。例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール等のグリコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロプル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−n−アミル、酢酸−2−エチルヘキシル、イソ酪酸イソブチル、乳酸エチル、乳酸−n−ブチル等のエステル系溶剤、ベンジルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、イソドデシルアルコール、イソトリデシルアルコール等のアルコール系溶剤等が使用可能である。
これらの溶剤は単独あるいは混合して使用することができる。その使用量はボールペン用油性インキ組成物全量に対して35〜80重量%が好ましい。
ゲル状粒子は、インキ中にゲル化剤を添加することによって存在させることができるが、使用する溶剤の種類やインキ製造方法により、ゲル状粒子として存在するか、より小さな微粒子として存在するか、或いは溶解するかが決まる。本発明においては30μm以下であると共に、5μm以上の粒子を含むゲル状粒子を存在させる事でボールペンを下向きに放置した時のインキの滲み出し現象、所謂インキ漏れを防止することができる。
ゲル化剤としては例えばヒドロキシプロピルセルロースやヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。例えば、HPC−SSL、HPC−SL、HPC−L、HPC−M、HPC−H(日本曹達株式会社製)や、クルーセルH、HX、M、G、J、E、EX(ハーキュレス社(米)社製)の工業用・薬品用グレードなどが使用できその使用量はインキ全量に対し0.01〜20重量%程度が好ましい。このゲル化剤をインキ中にゲル状粒子として存在させるためには、ゲル状粒子に対して難溶性の溶剤と可溶性の溶剤を併用することが良策である。難溶性溶剤はゲル化剤の溶解度が1重量%未満のものと定義でき、前述のゲル化剤に対して難溶性の溶剤として、ジプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテルが挙げられる。可溶性の溶剤としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等の芳香族グリコールエーテルやベンジルアルコール、α−メチルベンジルアルコール、β−フェニルエチルアルコール等の芳香族アルコールが少量でもヒドロキシプロピルセルロースを低濃度から高濃度まで安定に溶解させることができ、またボールペンインキ組成物に慣用される他の樹脂や界面活性剤、ボール沈み防止剤などの成分の溶解性も良く好ましい。尚、30μm以下であると共に、5μm以上の粒子を含むゲル状粒子は、他の品質に悪影響を与えず、漏れ防止効果を発現する最適な範囲である。5μm以下の粒子でも漏れ防止効果はあるが、ボールペンのペン先にボール径の大きなボールを使用したり、インキを吐出させる流通路が大きい場合、特にペン先内においてボールが常に先端部に押し付けられているようなスプリングの入っているペン先を使用せず、インキの出口とボールとの間に隙間ができやすい場合には、効果が少なくなる。30μm以上の粒子でも漏れ防止効果はあるが、筆記した際に筆記線が途切れる所謂線飛び現象が発生したり、吐出量が低下し筆跡濃度が薄くなるといった悪さがでてしまう。
樹脂は、定着性向上、筆跡の裏写り防止の他、粘度調整や顔料分散の為に添加するものであり、シクロヘキサノン、アセトフェノン、尿素などのケトンとホルムアルデヒドとの縮合樹脂、シクロヘキサノンの縮合樹脂及びそれらを水素添加した樹脂、マレイン酸樹脂、スチレンとマレイン酸エステルとの共重合体、スチレンとアクリル酸又はそのエステルとの共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、重合脂肪酸とポリアミン類との縮合体であるポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン−インデン樹脂、ポリテルペン、キシレン樹脂、ロジン系樹脂やその水素添加物、ロジン変性されたマレイン酸樹脂、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合物、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物、ポリオキシエチレンやフェノール樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂は単独あるいは混合して使用することができる。その使用量はボールペン用油性インキ組成物全量に対して2〜30重量%が好ましい。全インキ組成物中の前述の顔料と樹脂を合わせた総固形分比率は20〜50%にすることが特に好ましい。
これらの樹脂の中で曵糸性樹脂を選択することは、筆記におけるボテを防止する上で特に好ましい。具体的にはポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、アクリル系樹脂などが挙げられ、その中でも曵糸性を示す重合度、構造のものを選択することが好ましい。
尚、前記必須成分の他、ひまし油、ひまし油のポリオキシエチレン付加物、ポリオキシエチレンアルキルアミン、二硫化モリブデン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸などの潤滑剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤、分散剤などを適宜選択して使用してもよい。
本ボールペン用油性インキ組成物の調製は、従来公知のインキ組成物の製造方法を適用することができる。即ち、分散混合機で顔料を他の成分と共に分散させたり、樹脂などの固形物を溶解させる為に加熱することによってボールペン用油性インキ組成物を得ることができる。なお、本発明のゲル状粒子を30μm以下であると共に、5μm以上の大きさでインキに存在させることは、インキの製造に工夫が必要となる。ゲル状粒子となるゲル化剤を完全溶解させたり、微分散してしまうとインキ中に目的の大きさのゲルが存在できなくなる。5μm以上の大きさに残すのに最良の方法は、一度ゲル化剤を単一溶剤に溶解させゲル溶液を作成した後、他の成分と混合するのが良い。それによりゲル溶液が次第にほぐれて小さくなり数10μm以下のゲルを含むインキが得られる。ゲル溶液を作成するのに使用する溶剤をゲルに対する溶解度が高く、低粘度溶液が得られる溶剤を選択すると、他の成分と混合した際にゲルが完全溶解したり、小さくなりすぎてしまうので注意が必要である。また、ゲル溶液と混合する成分も溶解度の高い溶剤であると、ゲル状粒子の大きさが小さくなりすぎてしまう。最も最良な方法は、高粘度のゲル溶液を作成した後、ゲル化剤に対して可溶性の溶剤と難溶性の溶剤の2種類以上の混合溶剤と他の成分からなる成分にゲル溶液を少量づつ添加していく方法である。ただし、他の成分と混合する際、高せん断を付与しすぎるとゲル状粒子が小さくなりすぎて漏れ防止に対する効果が薄れるため注意が必要である。そのため、ゲル溶液と他の成分を混合するには高せん断が付与されにくい簡単な形状の羽根のついた攪拌機を使用するのが好ましい。なお、30μm以上の大きさのゲル状粒子が残ってしまった場合には、捕捉粒子径をコントロールできるフィルターを使用し、ろ過をするのが好ましい。フィルターは日本ポール(株)製のカートリッジフィルター、プロファイルII(30μm)を使用するのが最も好ましい。
(ゲル溶液1)
エチレングリコールモノフェニルエーテル 99.0部
クルーセルH 1.0部
上記成分中エチレングリコールモノフェニルエーテルをプロペラ攪拌機で80℃で攪拌しているところにクルーセルHを少量づつ加え4時間攪拌し、ゲル溶液1を得た。
(ゲル溶液2)
エチレングリコールモノフェニルエーテル 80.0部
トリプロピレングリコールモノモルマルブチルエーテル 19.0部
クルーセルH 1.0部
上記成分中エチレングリコールモノフェニルエーテルとトリプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテルをプロペラ攪拌機で80℃で攪拌しているところにクルーセルHを少量づつ加え4時間攪拌し、ゲル溶液2を得た。
(ゲル溶液3)
エチレングリコールモノフェニルエーテル 76.8部
ベンジルアルコール 19.2部
クルーセルH 1.0部
クルーセルL 3.0部
上記成分中エチレングリコールモノフェニルエーテルとベンジルアルコールをプロペラ攪拌機で80℃で攪拌しているところにクルーセルHとクルーセルLを少量づつ加え4時間攪拌し、ゲル溶液3を得た。
(ゲル溶液4)
ベンジルアルコール 99.0部
クルーセルH 1.0部
上記成分中ベンジルアルコールをプロペラ攪拌機で80℃で攪拌しているところにクルーセルHを少量づつ加え4時間攪拌し、ゲル溶液4を得た。
(実施例1)
C.I.Pigment Red 254(顔料) 15.0部
トリプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル 35.0部
ベンジルアルコール 35.0部
エスレックBL−1(ポリビニルブチラール、積水化学(株)製) 5.0部
レジンSK(ケトン樹脂、ヒュルス社(独)製) 4.7部
PVP K−90(ポリビニルピロリドン、ISPジャパン(株)製) 0.3部
ゲル溶液1 5.0部
C.I.Pigment Red 254、トリプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、ベンジルアルコールとエスレックBL−1をプロペラ攪拌機で50℃で攪拌しているところに上記のレジンSKとPVP K−90を混合し、3時間攪拌した。
次に、ゲル溶液1を少量づつ添加し、3時間攪拌した。
この段階でインキの顕微鏡観察を行ったところ、1〜50μm程度のゲル状粒子の他、100μm程度のゲルが少量含まれていることが確認された。
次いで、得られたインキをカートリッジフィルター、プロファイルII(30μm)を使用してろ過し、30μm以上の大きさのゲル状粒子を除去し、1900mPa・sの粘度の赤色のボールペン用油性インキ組成物を得た。
(実施例2)
MA#100(カーボンブラック、三菱化学(株)製) 20.0部
ソルスパース20000(高分子顔料分散剤、アビシア(株)製) 12.0部
エチレングリコールモノフェニルエーテル 19.7部
ジプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル 20.0部
ベンジルアルコール 8.0部
レジンSK(前述) 12.0部
PVP K−90(前述) 0.3部
セラキルアルコール(α−モノアルキルグリセリルエーテル、日光ケミカルズ(株)製)
3.0部
ゲル溶液1 5.0部
MA#100、ソルスパース20000、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、ベンジルアルコールを混合、ビーズミルで90分間分散し、これをプロペラ攪拌機で50℃で攪拌しているところにレジンSK、PVP K−90を混合し、3時間攪拌した。
次にゲル溶液1を少量づつ添加し、3時間攪拌した。
この段階で顕微鏡観察を行ったところ、1〜50μm程度のゲル状粒子の他、100μm程度のゲルが少量含まれていることが確認された。次にカートリッジフィルター、プロファイルII(30μm)を使用してろ過し、30μm以上の大きさのゲル状粒子を除去して、3700mPa・sの粘度の黒色のボールペン用油性インキ組成物を得た。
(実施例3)
C.I.Pigment Blue 15:6(顔料) 18.0部
ソルスパース#12000(顔料誘導体、青色、アビシア(株)製) 2.0部
ソルスパース#20000(前述) 10.0部
エチレングリコールモノフェニルエーテル 32.0部
ヘキシレングリコール 10.0部
レジンSK(前述) 16.6部
PVP K−90(前述) 0.4部
プライサーフA−208B(ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、第一工業製薬(株)製) 1.0部
ゲル溶液2 10.0部
C.I.Pigment Blue 15:6、ソルスパース#12000、ソルスパース#20000、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ヘキシレングリコール、レジンSKを混合し、ビーズミルで90分間分散し、プロペラ攪拌機で50℃で攪拌しているところにPVP K−90、プライサーフA−208Bを混合し、3時間攪拌した。
次にゲル溶液2を少量づつ添加し、3時間攪拌した。
この段階で顕微鏡観察を行ったところ、1〜50μm程度のゲル状粒子の他、100〜500μm程度のゲルが少量含まれていることが確認された。次に得られたインキをカートリッジフィルター、プロファイルII(30μm)を使用してろ過し、30μm以上の大きさのゲル状粒子を除去して、3300mPa・sの粘度の青色のボールペン油性インキ組成物を得た。
(実施例4)
C.I.Pigment Red 254(前述) 15.0部
トリプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル 35.0部
ベンジルアルコール 35.0部
エスレックBL−1(前述) 5.0部
レジンSK(前述) 4.7部
PVP K−90(前述) 0.3部
ゲル溶液3 5.0部
C.I.Pigment Red 254、トリプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、ベンジルアルコール、エスレックBL−1を混合し、ビーズミルで90分間分散し、プロペラ攪拌機で50℃で攪拌しているところにレジンSK、PVP K−90を混合し、3時間攪拌した。
次にゲル溶液3を少量づつ添加し、3時間攪拌した。
この段階でインキの顕微鏡観察を行ったところ、1〜30μ程度のゲル状粒子の他、100〜500μm程度のゲルが少量含まれていることが確認された。次に得られたインキをカートリッジフィルター、プロファイルII(30μm)を使用してろ過し、30μm以上の大きさのゲル状粒子を除去し、2800mPa・sの粘度の赤色のボールペン油性インキ組成物を得た。
(比較例1)
実施例1において、レジンSKの量を4.7重量部のところを10.7重量部とし、ベンジルアルコールの量を35.0重量部から29.0重量部に変更した以外は実施例1と同様になして赤色のボールペン用油性インキ組成物を得た。(粘度4600mPa・s)
(比較例2)
実施例1において、ろ過を実施する前のインキをそのまま赤色のボールペン用油性インキ組成物とした。(粘度1900mPa・s)
(比較例3)
実施例1において、ろ過に使用するフィルターをプロファイルII(5μm)とした以外は実施例と同様になして赤色のボールペン用油性インキ組成物を得た。(粘度1900mPa・s)
(比較例4)
C.I.Pigment Red 254(前述) 15.0部
トリプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル 35.0部
ベンジルアルコール 35.0部
エスレックBL−1(前述) 5.0部
レジンSK(前述) 4.7部
PVP K−90(前述) 0.3部
ゲル溶液4 5.0部
C.I.Pigment Red 254、トリプロピレングリコールモノノルマルブチルエーテル、ベンジルアルコール、エスレックBL−1を混合し、ビーズミルで90分間分散し、プロペラ攪拌機で50℃で攪拌しているところにレジンSK、PVP K−90を混合し、3時間攪拌した。
次いでゲル溶液4を少量づつ添加し、3時間攪拌して1700mPa・sの粘度の赤色のボールペン用油性インキ組成物を得た。なお、この段階でインキの顕微鏡観察を行ったところ、1μm以上のゲル状粒子は確認されなかった。
上記、実施例1〜4、比較例1〜4で得られたボールペン用油性インキ組成物について、書き味、耐インキ漏れ性の評価を行なった。結果を表1に示す。
試験サンプルの作成
上記実施例1〜4及び比較例1〜4で得た各ボールペン用油性インキ組成物を市販の油性ボールペン(.e(ドットイー)、ぺんてる(株)製、ペン先はステンレス製チップとφ1.0mmの超硬合金のボールとからなっているノック式ボールペン)と同様の筆記具に0.3g充填し、試験サンプルとした。
書き味の評価
無作為に選ばれたモニター10名が、各サンプルを比較例1と書き味に関して比較して5段階評価した。比較例1と同等ならば3とし、若干優れていると感じたならば4とし、優れていると感じたならば5とし、若干劣っていると感じたならば2とし、劣っていると感じたならば1として評価した。試験サンプル各々について評価点を平均し、書き味の評価とした。
耐インキ漏れ性
各試験サンプルを15cm手書きで直線を筆記した後、試験管立てにペン先が下向きになるように立て掛け、室温で48時間放置する。放置後、ペン先部分に漏れだしたインキがあるかどうかを目視確認する。なお、試験サンプルの数はn=10本とする。
○:洩れだしなし
△:僅かにインキの漏れ出しあり(チップ小口部分へ這い上がったインキの付着長さが0.3mm未満)
×:インキの漏れ出しあり(チップ小口部分へ這い上がったインキの付着長さが0.3mm以上)
Figure 0004289221

Claims (1)

  1. 予めゲル化剤であるヒドロキシプロピルセルロースをエチレングリコールモノフェニルエーテルに混合してゲル状粒子を存在させたゲル溶液を作成してから、別に予め混合しておいたヒドロキシプロピルセルロースに対して可溶性の溶剤と難溶性の溶剤の混合溶剤と樹脂と着色剤とを少なくとも含む成分と混合してヒドロキシプロピルセルロースを均一に分散し、ゲル状粒子が30μm以下であると共に、5μm以上の粒子を含むものとすると共に、せん断速度が100[1/sec]の時の粘度が25℃において1500〜4000[mPa・s]であるボールペン用油性インキ組成物の製造方法。
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