JP2007063447A - 油性インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 顔料を含有し、分散性、経時安定性に優れる油性インキ組成物を得る。
【解決手段】 N−アシルアミノ酸、N−アシルメチルタウリン、N−アシルメチルアラニンから選ばれる1種もしくは2種以上と、アセチレン列炭化水素のグリコール及び/又はそのアルキレンオキシド付加物と、溶剤と、顔料とを少なくとも含有する油性インキ組成物。インキ組成物には、着色剤として顔料が使用されているため、画像の耐水性、耐光性が優れる。さらに、顔料が長期に良好な分散状態で維持されるので、ボールペン等に使用した場合に、目詰まりを起こし難い。
【選択図】 なし

Description

本発明は、顔料を含有し、分散性、経時安定性に優れる油性インキ組成物に関するものである。
油性インキの着色剤には、一般的に顔料や油溶性の染料が用いられる。着色剤として油溶性の染料を用いた場合、染料はインキ中の液媒体である有機溶剤に溶解するので、配合が簡単で経時的な安定性に優れるという利点がある反面、堅牢性が低いため、光に曝されると退色したり、筆跡や被覆物に水やアルコールなどの溶剤がかかると染料が溶け出してしまう等の問題を有する。
これに対し、着色剤として顔料を用いた場合、堅牢性に優れるという利点がある反面、顔料単独ではインキ中に安定に分散させる事ができないので、顔料が沈降しないような安定化の工夫が必要である。安定化の手法が適切でない場合には、分散直後、もしくは長期保存中に分散状態が壊れて、インキ中の顔料粒子が凝集したものが沈降することもあった。結果、インキの通路が狭い筆記具、例えば、ボールペンのようなものに使用した場合、長期に筆記先端部を下向きで放置すると、狭いインキ通路中にて沈降した顔料が詰まり、インキの円滑な流れを阻害して筆跡がかすれるという問題があった。
顔料を着色剤として用いるインキ組成物において、経時的に顔料が沈降しない分散安定性に優れた油性インキ組成物を得るために、種々の分散剤を添加する方法が知られている。具体的には、特許文献1には脂肪酸エステル系活性剤や脂肪族ジエタノールアミド系活性剤やポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル系活性剤を顔料分散剤として使用することが記載されている。
また、特許文献2には、ポリビニルブチラール、ロジン変性フェノール樹脂及び/又はα−及びβ−ピネン・フェノール重縮合物を用いて分散安定化した例が記載されている。
また、分散剤などの他の配合物を添加する前に、顔料表面を種々の方法で処理する試みもなされてきた。例えば、特許文献3のようにスルホン酸基を有する顔料誘導体を顔料表面に吸着させて分散剤との仲介をさせる事で、顔料と分散剤との相互作用を強くし、分散安定性を向上させる事もなされてきた。
特開2004−115706号公報(11頁右欄上から10行目〜12頁左欄上から17行目) 特開平10−60356号公報(2頁左欄上から40行目〜3頁右欄上から11行目) 特開2000−212496公報(6頁右欄上から16行目〜6頁右欄上から34行目)
しかしながら、特許文献1のように界面活性剤を用いて顔料を分散安定化する場合、分散直後は微分散で安定性の良好な油性インキ組成物が得られるものの、界面活性剤は低分子であるため顔料表面と吸着や脱離を繰り返し、結果、油性インキ組成物を長期間安定な分散状態に保つことが出来ず、経時的に顔料の凝集や沈降が起きてしまう恐れがある。
特許文献2のように樹脂を用いて顔料を分散させる場合においても、樹脂の顔料表面への濡れ性が不足するために、分散時に十分に小さな粒子径の油性インキ組成物を得ることができず、結果として経時的に顔料の凝集や沈降が起きてしまい、ボールペンなどに前記油性インキ組成物を用いた場合、ペン先で目詰まりを起こし筆跡がカスレるという問題があった。
また、特許文献3にあるように、顔料誘導体で顔料表面を覆う方法では、顔料誘導体自身の有機溶剤への溶解性が悪いために、他の固形配合物に制約を与えてしまう。また、全インキ中に占める固形分の量が多くなってしまうので、結局、インキの粘度が経時的に増粘してしまい、ボールペンなどに前記油性インキ組成物を用いた場合、ペン先で目詰まりを起こし筆跡がカスレるという問題があった。
そこで本発明は、分散性、経時安定性に非常に優れた、顔料含有油性インキ組成物を提供することを課題とする。
即ち、本発明は、少なくとも顔料と、液媒体と、N−アシルアミノ酸、N−アシルメチルタウリン、N−アシルメチルアラニンから選ばれる1種もしくは2種以上と、アセチレン列炭化水素のグリコール及び/又はそのアルキレンオキサイド付加物とを含有する油性インキ組成物を要旨とするものである。
本発明において、分散性、経時安定性が極めて良好な油性インキ組成物を得る事ができた理由は以下のように考えられる。
アセチレン列炭化水素のグリコール及び/又はそのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付加物は、インキ中の有機溶剤に溶解して存在しており、直線的で一方向にしか電気的な作用をしない一重結合や二重結合と異なり、様々な方向に電気的な作用をする三重結合のアセチレン基部分を有しているため、分子間力や静電引力によって顔料と相互作用しやすく、顔料粒子表面に均一に吸着する。そして、この顔料に吸着したアセチレン列炭化水素のグリコール及び/又はそのアルキレンオキサイド付加物は有機溶剤への濡れ性が非常に良好なため、アセチレン列炭化水素のグリコール及び/又はそのアルキレンオキサイド付加物に表面を覆われた顔料は有機溶剤中に均一に微分散する。
このように、アセチレン列炭化水素のグリコール及び/又はそのアルキレンオキサイド付加物を用いることで、顔料は有機溶剤中に良好に初期分散することができるが、今回、良好な初期の分散状態を長期に渡って保つことができたのは、さらに以下の作用によるものと推測される。
本発明の油性インキ組成物では、顔料に吸着した、アセチレン列炭化水素のグリコール及び/又はそのアルキレンオキサイド付加物の水酸基部分が、N−アシルアミノ酸、N−アシルメチルタウリン酸、N−アシルメチルアラニンのカルボニル基部分の酸素と水素結合し、さらに、N−アシルアミノ酸、N−アシルメチルタウリン酸、N−アシルメチルアラニン同士は、分子内に窒素とカルボン酸基またはスルホン酸基を含有しているため、お互いも静電的に相互作用してインキ中で緩やかなネットワーク構造をとっている。
このように、顔料表面は、アセチレン列炭化水素のグリコール及び/又はそのアルキレンオキサイド付加物とN−アシルアミノ酸、N−アシルメチルタウリン酸、N−アシルメチルアラニンによって2層で覆われ、さらに、最外殻層のN−アシルアミノ酸、N−アシルメチルタウリン酸、N−アシルメチルアラニンがインキ中でひとつの構造をつくる事でより安定化したものと考えられる。結果、顔料を非常に安定に分散し、その良好な分散状態を長期間に渡って保つことができたと推測される。
以下に発明を詳細に説明する。
着色剤としては、従来ボールペン用インキに用いられている油溶性の染料及び顔料の全てが使用できる。
油性染料の一例を挙げると、SPILON BLACK GMH SPECIAL、SPILON RED C−GH、SPILON RED C−BH、SPILON BLUE C−RH、SPILON BLUE BPNH、SPILON YELLOW C−2GH、SPILON VIOLET C−RH、S.P.T. ORANGE6、S.P.T. BLUE111(保土ヶ谷化学工業(株)製)などのアイゼンスピロンカラー、アイゼンSOT染料やORIENT SPRIT BLACK AB、VALIFAST BLACK 3804、VALIFAST RED 1320、VALIFAST RED 1360、VALIFAST ORANGE 2210、VALIFAST BLUE 1605、VALIFAST VIOLET 1701、VALIFAST BLUE 1601、VALIFAST BLUE 1603、VALIFAST BLUE 1621、VALIFAST BLUE 2601、VALIFAST YELLOW 1110、VALIFAST YELLOW 3104、VALIFAST YELLOW 3105、VALIFAST YELLOW 1109(オリエント化学工業(株)製)などのバリファストカラー、オリエントオイルカラーやローダミンBベース、ソルダンレッド3R、メチルバイオレット2Bベース、ビクトリアブルーF4R、ニグロシンベースLK等や、ネオスーパーブルーC−555(中央合成化学(株)製)等の従来公知の一般的なものが使用できる。これらはインキ中の溶剤のうち少なくとも一つに可溶でなければなない。
顔料の具体例としては、黄土、バリウム黄、群青、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、ファーネストブラックやコンタクトブラックやサーマルブラックやアセチレンブラック等のカーボンブラック、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオレンジ、等の無機顔料等、アゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、及び天然染料系顔料、C.I.PIGMENT RED2、同3、同5、同17、同22、同38、同41、同48:2、同48:3、同49、同50:1、同53:1、同57:1、同58:2、同60、同63:1、同63:2、同64:1、同88、同112、同122、同123、同144、同146、同149、同166、同168、同170、同176、同177、同178、同179、同180、同185、同190、同194同206、同207、同209、同216、同245、C.I.PIGMENT ORANGE 5、同10、同13、同16、同36、同40、同43、C.I.PIGMENT VIOLET 19、同23、同31、同33、同36、同38、同50、C.I.PIGMENT BLUE 2、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同16、同17、同22、同25、同60、同66、C.I.PIGMENT BROWN 25、同26、C.I.PIGMENT YELLOW 1、同3、同12、同13、同24、同93、同94、同95、同97、同99、同108、同109、同110、同117、同120、同139、同153、同166、同167、同173C.I.PIGMENT GREEN 7、同10、同36等の有機系顔料、アルミニウム粉、金粉、銀粉、銅粉、錫粉、真鍮粉などの金属粉顔料、蛍光顔料、雲母系顔料などを挙げることができる。
これらの着色剤の使用量は全インキ組成物に対し1重量%以上40重量%以下が好適に使用でき、十分な筆跡堅牢性を得るためには3重量%以上20重量%以下がより好ましい。使用量が1重量%より少ないと筆跡が薄すぎて耐光性試験や耐溶剤性試験を行ったときに紙面上に残る着色剤の量が少なくなり筆跡が判読がし難くなる。40重量%より多いと配合時の溶解不足や経時的な沈降による目詰まりによる筆記不能、またはインキ中の固形分の増加により書き味が重くなる不具合を生じやすくなる。また、これらの着色剤は単独で使用しても2種類以上を併用して使用しても良い。
また、これらの顔料の他に加工顔料も使用可能である。それらの一例を挙げると、Renol Yellow GG−HW30、同HR−HW30、同Orange RL−HW30、同Red HF2B−HW30、同FGR−HW30、同F5RK−HW30、同Carmine FBB−HW30、同Violet RL−HW30、同Blue B2G−HW30、同CF−HW30、同Green GG−HW30、同Brown HFR−HW30、Black R−HW30(以上クラリアントジャパン(株)製)、UTCO−001エロー、同012エロー、同021オレンジ、同031レッド、同032レッド、同042バイオレット、同051ブルー、同052ブルー、同061グリーン、同591ブラック、同592ブラック(以上大日精化工業(株)製)、MICROLITH Yellow 4G−A、同MX−A、同2R−A、Brown 5R−A、Scarlet R−A、Red 2C−A、同3R−A、Magenta 2B−A、Violet B−A、Blue 4G−A、Green G−A(以上チバ・スペシャリティケミカルズ(株)製)等がある。
油性インキ組成物の主媒体となる有機溶剤は、従来油性インキに使用されるものなら特に限定なく使用でき、グリコールエーテル類、グリコール類、アルコール類が好ましい。例えば、フェニルセルソルブ、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。これらの溶剤は単独あるいは組み合わせて使用でき、その使用量は油性インキ組成物全量に対し10重量%以上80重量%以下が好ましい。
アセチレン列炭化水素のグリコール及び/又はそのアルキレンオキサイド付加物は、顔料を分散するときに添加したり、あらかじめインキ溶剤と混合してインキ配合時に添加したり、インキの他の組成物を混合した後から添加したり、どのような形で用いても良いが、顔料を分散するときに添加することで最も優れた効果が得られる。
アセチレン列炭化水素のグリコール及び/又はそのエチレンオキサイド付加物は、分子内にアセチレン基と二つの水酸基を有しており、そのアルキレンオキサイド付加物とは、アセチレン列炭化水素のグリコールの有する1つ又は2つの水酸基にアルキレンオキサイドを付加させたものである。アルキレンオキサイド付加物の例としては、エチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。アセチレン列炭化水素のグリコール及び/又はそのアルキレンオキサイド付加物の一例としては、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール等のグリコールと、そのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。最適なアルキレンオキサイドの付加数はインキの溶剤の種類、着色剤、樹脂やその他インキ中に含まれる成分によって影響されるので一義的ではないが、100モル以上ではアセチレン列炭化水素のグリコールのアルキレンオキサイド付加物の親水性が強すぎて、他のインキ成分との相溶性が不安定になり、結果インキ中の成分の分離を招くことになるので、通常0から100モルの付加数である事が好ましい。具体的な製品名としては、サーフィノール104、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485、サーフィノールSE、サーフィノールSE−F、サーフィノール504、ダイノール604、サーフィノール2502、サーフィノール82、サーフィノールDF、サーフィノールCT、サーフィノールTG、サーフィノールGA(以上、エアープロダクツジャパン(株)製)、やアセチレノールEOO、アセチレノールEOOP、アセチレノールE40、アセチレノールE100(以上、川研ファインケミカル(株)製)などが挙げられる。
添加量は0.05重量%以上20重量%以下が好ましい。0.05重量%未満だと、その他のインキ組成物に効果を薄められてしまい十分な効果が得られず、20重量より多いと他のインキ組成物との相溶性が不安定になり、その結果インキ中の成分の分離を招くことになる。
N−アシルアミノ酸、N−アシルメチルタウリン酸、N−アシルメチルアラニンは油性インキ組成物に潤滑性と経時分散安定性を付与するためのものであり、5重量%以上60重量%以下で添加することで、十分な潤滑性、経時安定性を保ちつつ塗布した際に滲みの少ない油性インキ組成物を得ることができる。一例を挙げると、N−オレオイルサルコシン、N−ラウロイルサルコシン、N−ミリストイルサルコシン、N−パルミトイルサルコシン、N−オレオイルタウリン酸、N−ラウロイルタウリン酸、N−ミリストイルタウリン酸、N−パルミトイルタウリン酸、N−オレオイルメチルタウリン酸、N−ラウロイルメチルタウリン酸、N−ミリストイルメチルタウリン酸、N−パルミトイルメチルタウリン酸、N−オレオイルメチルアラニン、N−ラウロイルメチルアラニン、N−ミリストイルメチルアラニン、N−パルミトイルメチルアラニン等が挙げられる。なかでも、N−オレオイルサルコシンまたはN−ラウロイルサルコシンを用いると、有機溶剤への溶解性と顔料との親和性のバランスが良いために、経時的な分散安定性が良好となり好ましい。
油性インキ組成物に剪断減粘性を付与する目的で有機及び無機の汎用的に使用されている増粘剤が使用できる。具体的には、水溶性多糖類、脂肪酸アマイド、長鎖脂肪酸エステル重合体、酸化ポリエチレン、シリカ等が挙げられるが、中でも水溶性多糖類が少ない添加量で油性インキ組成物に剪断減粘性を付与するので好ましく、それらは上記の有機溶剤のうち一つに可溶でなければならない。また、セルロース誘導体には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロースなどがあるが、この中でも溶解特性、粘度特性が良好なヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースが好ましい。
顔料の分散性をさらに良好なものとするために、一般的に知られている、アニオン、カチオン、ノニオン、両性の界面活性剤や、高分子樹脂を補助的に使用することがでる。具体的には、高級脂肪酸、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪酸硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸類、リン酸エステル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタン脂肪酸エステル類等のアニオン、ノニオン、カチオン性の界面活性剤や、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、マレイン酸樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体樹脂などの顔料分散用の樹脂やオリゴマーなどが挙げられる。
本発明においては、スチレンモノマーと分子内にカルボン酸基を有するモノマーとの共重合体で、特に良好な安定性が得られ、その一例としては、SMA1000、SMA2000、SMA3000、SMA EF30、SMA EF40、SMA1440、SMA17352、SMA2625、SMA3840(川原油化(株)製)等のスチレン−マレイン酸樹脂やスチレン−マレイン酸エステル樹脂、ジョンクリル67、ジョンクリル678、ジョンクリル586、ジョンクリル611、ジョンクリル680、ジョンクリル682、ジョンクリル683、ジョンクリル690(ジョンソンポリマー(株)製)等のスチレン−アクリル酸樹脂が挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。
その他必要に応じて油性インキ組成物の原料として用いられる防錆剤、防腐剤、消泡剤、カスレ防止剤、分散剤、糸曳き性付与剤、レベリング性付与剤、発色助剤、定着剤等の添加剤を併用することも可能である。
本発明において顔料を分散するには通常一般的な方法で可能である。例えば、顔料と溶剤と分散剤を混合し、プロペラ撹拌機等で均一に撹拌した後、分散機で顔料を分散する。ロールミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ホモジナイザー等の分散機は油性インキ組成物の溶剤量や、顔料濃度によって適宜選択する。
油性インキ組成物を製造するには、上記で分散した顔料と他の成分、例えば粘度調整用樹脂や溶剤、潤滑剤、水溶性多糖類等を混合し、ホモミキサー等の撹拌機にて均一になるまで溶解・混合することで得られるが、場合によって混合した油性インキ組成物をさらに分散機にて分散したり、得られた油性インキ組成物を濾過や遠心分離機に掛けて粗大粒子や不溶解成分を除いたりすることは何ら差し支えない。
以下、実施例及び比較例に基づき更に詳細に説明する。尚、各実施例中単に「部」とあるのは「重量部」を表す。
(実施例1)
PERMANENT RED FRR(C.I.Pigment Red 2、クラリア
ントジャパン製) 15.0部
ベンジルグリコール 8.2部
フェニルセロソルブ 26.0部
SMA1440(スチレン−マレイン酸共重合体、分子量7000、酸価185、川原油
化(株)製) 6.0部
サーフィノール104E(アセチレン列炭化水素のグリコール、エアープロダクツジャパ
ン(株)社製) 0.5部
クルーセルM(ヒドロキシプロピルセルロース、三晶(株)製) 0.3部
サルコシネートOH(オレオイルサルコシン、N−アシルアミノ酸、日光ケミカルズ(株
)製) 50.0部
上記成分のうち、SMA1440、サーフィノール104E、ベンジルアルコール、フェニルセロソルブの全量を約70℃で加熱攪拌し、均一に溶解させた後PERMANENT RED FRRの全量を加え均一に混合した。これを室温まで放冷してから3本ロールミルで10回通しを行い赤色のペーストを得た。次いで、残りの成分の全量を加え、約70℃に加熱し、プロペラ攪拌機で均一になるまで混合撹拌、溶解するまで2時間攪拌して赤色の油性インキを得た。
(実施例2)
プリンテックス35(カーボンブラック デグサヒュルスジャパン社製) 20.0部
ネオスーパーブルーC−555(C.I.SOLVENT BLUE70、中央合成化学
(株)製) 4.0部
SPILON RED C−GH(油性染料、保土谷化学工業(株)製) 1.2部
SPILON YELLOW C−GNH new(油性染料、保土谷化学工業(株)製
) 1.2部
ベンジルアルコール 11.0部
フェニルセロソルブ 29.0部
クルーセルM(ヒドロキシプロピルセルロース、三晶(株)製) 0.5部
ジョンクリル678(スチレン−アクリル酸共重合体、分子量8500、酸価215、ジ
ョンソンポリマー(株)製) 9.0部
サーフィノール440(アセチレン列炭化水素のグリコールのエチレンオキサイド(40
モル)付加物、エアープロダクツジャパン(株)社製) 5.0部
サルコシネートLH(ラウロイルサルコシン、N−アシルアミノ酸、日光ケミカルズ(株
)製) 20.5部
実施例1と同様にして黒色の油性インキを得た。
(実施例3)
hostaperm Blue b2g−d(c.i.pigment BLUE15:
1、クラリアントジャパン(株)製) 5.0部
SPILON RED C−GH(油性染料、保土ヶ谷化学工業(株)製) 1.2部
VALIFAST BLUE 1603(C.I.DIRECT BLUE 86とC.
I.BASIC BLUE 7の造塩染料、オリエント化学工業(株)製) 6.0部
フェニルセロソルブ 34.7部
クルーセルH(ヒドロキシプロピルセルロース、三晶(株)製) 0.2部
ジョンクリル682(スチレン−アクリル酸共重合体、分子量1700、酸価238、ジ
ョンソンポリマー(株)製) 5.0部
アセチレノールE100(アセチレン列炭化水素のグリコール、川研ファインケミカル(
株)社製) 2.0部
ラウロイルメチルアラニン(N−アシルメチルアラニン、アラニネート LN−30(ラ
ウロイルメチルアラニンナトリウム水溶液、日光ケミカルズ(株)社製)を脱塩化したも
のを使用) 39.6部
上記成分のうち、フェニルセルソルブ15部にジョンクリル682の全量を加え70℃に加熱しながら均一に溶解するまで攪拌した。次いでこれにHOSTAPERM BLUE B2G−D、アセチレノールE100の全量を加え均一になるまで攪拌、混合した後3本ロールミルで10回通しを行った。これに、残りのフェニルセロソルブとベンジルアルコール全量にクルーセルHの全量を加え加熱しながらプロペラ攪拌機で均一に溶解するまで撹拌した液に残りの成分を加え70℃に加熱しながら3時間攪拌して均一になるまで攪拌して青色の油性インキを得た。
(実施例4)
HOSTAPERM BLUE P−BFS(C.I.PIGMENT BLUE 15
:4、クラリアントジャパン(株)製) 7.0部
SPILON RED C−GH 1.0部
VALIFAST BLUE 1603 6.0部
ヘキシレングリコール 16.1部
フェニルセロソルブ 38.7部
クルーセルH 0.2部
ジョンクリル586(スチレン−アクリル酸共重合体、分子量4600、酸価108、ジ
ョンソンポリマー(株)製) 8.0部
サーフィノール2502(アセチレン列炭化水素のグリコールのエチレンオキサイド(5
モル)プロピレンオキサイド(2モル)付加物、エアプロダクツジャパン(株)社製)
2.0部
N−ラウロイルメチルタウリン酸(N−アシルメチルタウリン、NIKKOL LMT(
N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム、日光ケミカルズ(株)社製)を脱塩化したも
の) 21.0部
上記成分のうち、ベンジルアルコール7部とフェニルセロソルブ10部にジョンクリル586の全量を加え70℃に加熱しながら攪拌して均一に溶解させた液にHOSTAPERM BLUE P−BFS、サーフィノール2502の全量を加えて攪拌混合し、均一な液とした後3本ロールミルで10回通しを行い青色のペーストを得た。次いで、残りの成分を混合し70℃に加熱しながら攪拌し、均一に溶解させた液に青色顔料ペーストを加熱攪拌しながら混合し、さらに2時間攪拌を続けて青色の油性インキを得た。
(比較例1)
実施例1において、サーフィノール104Eの代わりにフェニルセルソルブを添加した以外は同様になして赤色の油性インキ組成物を得た。
(比較例2)
実施例3において、サルコシネートLHの代わりにPHOSPHANOL RE610(アルキル燐酸エステル系界面活性剤、東邦化学工業(株)社製)を添加した以外は同様になして青色の油性インキ組成物を得た。
(比較例3)
HOSTAPERMANENT RED FRR(C.I.Pigment Red 2
、クラリアントジャパン製) 15.0部
フェニルセロソルブ 28.7部
SMA1440(スチレン−マレイン酸共重合体、分子量7000、酸価185、川原油
化(株)製) 6.0部
ソフト王洗5S(アルキルベンゼンスルホン酸、日本油脂(株)社製) 5.0部
クルーセルM(ヒドロキシプロピルセルロース、三晶(株)製) 0.3部
サルコシネートOH(オレオイルサルコシン、日光ケミカルズ(株)製) 50.0部
上記成分のうち、SMA1440、ソフト王洗5S、フェニルセロソルブの全量を約70℃で加熱攪拌し、均一に溶解させた後PERMANENT RED FRRの全量を加え均一に混合した。これを室温まで放冷してから3本ロールミルで10回通しを行い赤色のペーストを得た。次いで、残りの成分の全量を加え、約70℃に加熱し、プロペラ攪拌機で均一になるまで混合撹拌、溶解するまで2時間攪拌して赤色の油性インキを得た。
(比較例4)
実施例1においてサルコシネートOHの代わりにオレイン酸を添加した以外は同様になして赤色の油性インキ組成物を得た。
(比較例5)
実施例3において、アセチレノールE100の代わりにレオドールAO−15V(セスキオレイン酸ソルビタン、花王(株)社製)を添加した以外は同様になして青色の油性インキ組成物を得た。
(比較例6)
hostaperm Blue b2g−d(c.i.pigment BLUE15:
1、クラリアントジャパン(株)製) 5.0部
SPILON RED C−GH(油性染料、保土ヶ谷化学工業(株)製) 1.2部
VALIFAST BLUE 1603(C.I.DIRECT BLUE 86とC.
I.BASIC BLUE 7の造塩染料、オリエント化学工業(株)製) 6.0部
フェニルセロソルブ 36.7部
クルーセルH(ヒドロキシプロピルセルロース、三晶(株)製) 0.2部
エスレックBX−L(ポリビニルブチラール、積水化学(株)製) 5.0部
ラウロイルメチルアラニン(アラニネート LN−30(ラウロイルメチルアラニンナトリウム水溶液、日光ケミカルズ(株)社製)を脱塩化したものを使用) 39.6部
上記成分のうち、フェニルセルソルブ15部にエスレックBX−Lの全量を加え70℃に加熱しながら均一に溶解するまで攪拌した。次いでこれにHOSTAPERM BLUE B2G−Dの全量を加え均一になるまで攪拌、混合した後3本ロールミルで10回通しを行った。これに、残りのフェニルセロソルブとベンジルアルコール全量にクルーセルHの全量を加え加熱しながらプロペラ攪拌機で均一に溶解するまで撹拌した液に残りの成分を加え70℃に加熱しながら3時間攪拌して均一になるまで攪拌して青色の油性インキを得た。
(比較例7)
実施例3において、アセチレノールE100の代わりにソルスパース2200(顔料誘導体、アビシア(株)製)を添加した以外は同様になして青色の油性インキ組成物を得た。
以上、実施例、比較例で得た油性インキ組成物について、下記の試験を行った。結果を表1に示す。
粒子径の測定:実施例1〜4及び比較例1〜5で得られた油性インキ組成物について、それぞれ室温で平均粒子径測定を行った。また、実施例1〜4及び比較例1〜5で得られた油性インキ組成物をそれぞれ30mlのガラス瓶に入れて密閉し、70℃×1週間の条件下で保存した。その後室温まで冷却し、平均粒子径測定を行った。平均粒子径の測定は大塚電子(株)製のレーザー粒径解析システム LPA3000/3100にて測定した。平均粒子径の数値は散乱強度分布より算出された。
カスレ試験: 実施例1〜4及び比較例1〜5で得られた油性インキ組成物を市販の油性ボールペン(.e−ball、製品符号BK127、ぺんてる(株)製(ボール径φ0.7))と同構造の筆記具のインキ収容管に0.3g充填し、遠心機にて遠心力を加えてインキ中の気泡を脱気して、試験用ボールペンを作製し、ペン先を下向きにして50℃の恒温槽に1ヶ月保管した後、画線機(ぺんてる(株)製、型式TO51)を使用して、筆記角度70°、筆記荷重150g、筆記速度を7cm/秒にて50m筆記し、カスレた距離(m)を測定した。50m筆記しても、なお筆跡が形成されなかったり、カスレた筆跡であったり、点線状にとぎれた筆跡であったりして、正常な筆跡が得られなかった試験体については“筆記不能”と判断した。
Figure 2007063447
表1より、実施例の油性インキ組成物は顔料の分散性、経時安定性が非常に良好であり、顔料の凝集による粒子径の変化が少ないものであった。また、ボールペンとし用いた場合、経時で顔料の沈降が抑制されるため、筆跡にカスレのないボールペンとすることができた。

Claims (2)

  1. 少なくとも顔料と、液媒体と、N−アシルアミノ酸、N−アシルメチルタウリン、N−アシルメチルアラニンから選ばれる1種もしくは2種以上と、アセチレン列炭化水素のグリコール及び/又はそのアルキレンオキサイド付加物とを含有する油性インキ組成物。
  2. 更に、スチレンモノマーと分子内にカルボン酸基を有するモノマーとの共重合体を含有する請求項1記載の油性インキ組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008248024A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Pentel Corp ボールペン用油性インキ
JP2013028788A (ja) * 2011-06-23 2013-02-07 Pilot Corporation 油性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた油性ボールペンレフィル
JP2019099876A (ja) * 2017-12-05 2019-06-24 日油株式会社 金属粉末分散剤および金属粉末スラリー

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