JP2002003769A - 印刷インキ組成物及びその製造方法 - Google Patents
印刷インキ組成物及びその製造方法Info
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Abstract
優れた印刷適性と良好な塗膜物性を有し、且つ、経時変
化の小さな印刷インキ組成物及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 第一の構成は、一般式(I)、(II)
から選ばれる1種以上のゲル化剤を含有することを特徴
とする印刷インキ組成物、第二の構成は、該ゲル化剤を
含有する印刷インキ用コンパウンド、第三の構成は該コ
ンパウンドとインキベースと混合することを特徴とする
印刷インキ組成物の製造方法である。 【化1】 (式中、R1、R2、R3は脂肪酸残基又は水素原子を
示し、少なくとも1つは脂肪酸残基であり、且つ、1個
以上の脂肪酸残基が1個以上の水酸基を有する。式中、
R4 はH、CH3、CH2CH3の何れかを示す。) 一般式(II) R5−X (式中、R5は水酸基を1個以上有する有機基、Xはカ
ルボキシル基又は水酸基を示す。)
Description
び塗膜物性を有する印刷インキ組成物及び印刷インキ用
コンパウンドを用いての該印刷インキ組成物の製造方法
に関する。
印刷物の印字又は塗膜適性等が求められる。特に、温度
の変化によっても流動性の大きな変動のないインキが求
められていた。従来、インキのフロー(流動性)を調整
する目的で、印刷インキには、微粉末シリカ、有機ベン
トナイト等を助剤としてインキに添加したり、及び/ま
たは、印刷インキ用ワニス成分として特定のソルビトー
ル誘導体によるゲルワニス(特公昭52−4201号公
報)、金属キレートによるゲルワニス等を用いることが
提案されている。
法は、その嵩高さ(見掛け比重が小さい)のため配合時
や練肉・分散時の作業性を低下させるのみならず印刷時
の機上安定性も十分ではなかった。有機ベントナイトを
添加する方法は、流動性は改善されるものの、塗膜性
能、特に金属用の分野に於いて、とりわけレトルト殺菌
処理後の密着性を劣化させていた。特定のソルビトール
誘導体によるゲルワニスを用いる方法はゲルワニスの調
製に170℃又はそれ以上の高温を必要とし、金属キレ
ートによるゲルワニスでは経時安定性が十分ではないと
いう問題を有していた。
適性及び印刷物の印字及び塗膜適性を改善した印刷イン
キ組成物及び印刷インキ用コンパウンドを用いての該印
刷インキ組成物の製造方法を提供することにある。
解決すべく鋭意検討の結果、特定のゲル化剤を必須成分
とする印刷インキ組成物が所期の目的を有利に達成でき
ることを見出し本発明を完成させるに至った。
般式(I)、(II)から選ばれる1種以上のゲル化剤
を含有することを特徴とする印刷インキ組成物である。
し、少なくとも1つは脂肪酸残基であり、且つ、1個以
上の脂肪酸残基が1個以上の水酸基を有する。式中、R
4 はH、CH3、CH2CH3の何れかを示す。)
ルボキシル基又は水酸基を示す。)
を含有することを特徴とする印刷インキ用コンパウンド
である。
剤を溶剤に溶解及び又は分散させた印刷インキ用コンパ
ウンドを製造する工程と該コンパウンドをインキベース
に混合する工程とを有することを特徴とする印刷インキ
組成物の製造方法である。
する印刷インキ組成物及び印刷インキ用コンパウンドを
用いての該印刷インキ組成物の製造方法を提供しようと
するものである。
であるゲル化剤成分の内、前記一般式(I)で表される
化合物としては、硬化ヒマシ油が例示できる。
は、硬化ヒマシ脂肪酸、12−ヒドロキシステアリン
酸、11−ヒドロキシパルミチン酸、ω−ヒドロキシラ
ウリン酸、11−ヒドロキシウンデカン酸、2−ヒドロ
キシテトラデカン酸、15−ヒドロキシペンタデカン
酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、16−ヒドロキシ
ヘキサデカン酸、2−ヒドロキシドデカン酸、9,10
−ジヒドロキシウンデカン酸、3,11−ジヒドロキシ
テトラデカン酸、11−ヒドロキシテトラデカン酸、1
6−ヒドロキシパルミチン酸、14−ヒドロキシパルミ
チン酸、2−ヒドロキシパルミチン酸等の(ポリ)ヒド
ロキシカルボン酸、12−ヒドロキシステアリルアルコ
ール、11−ヒドロキシパルミチルアルコール、ω−ヒ
ドロキシラウリルアルコール、11−ヒドロキシウンデ
シルアルコール、2−ヒドロキシテトラデシルアルコー
ル、15−ヒドロキシペンタデシルアルコール、2−ヒ
ドロキシヘキサデシルアルコール、16−ヒドロキシヘ
キサデシルアルコール、2−ヒドロキシドデシルアルコ
ール、9,10−ジヒドロキシウンデシルアルコール、
3,11−ジヒドロキシテトラデシルアルコール、11
−ヒドロキシテトラデシルアルコール、16−ヒドロキ
シパルミチルアルコール、14−ヒドロキシパルミチル
アルコール、2−ヒドロキシパルミチルアルコール等の
ヒドロキシアルキルアルコールがあげられる。これらは
単独、または、2種以上併用して使用される。
システアリン酸、ヒドロキシステアリルアルコールが特
に好ましく用いられる。
0℃〜150℃であることが好ましく、より好ましくは
60〜120℃である。この範囲より低いと所定の効果
が得られにくい場合があり、高いと印刷インキ用コンパ
ウンドを製造する場合に高温を要することになる。
は、0.1〜20重量%程度であることが好ましい。
ける、ゲル化剤以外の成分であるインキベースについて
詳細に説明する。本発明に用いられるベースインキは、
平版用、オフ輪用、金属印刷用を始め、顔料、ビヒク
ル、溶剤等を含有する各種のインキベースが用いられ
る。
機顔料、有機顔料、染料が使用できる。たとえば、二酸
化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化鉄等の
無機顔料、アゾ顔料、レーキ顔料、フタロシアニン顔
料、イソインドリン顔料、アントラキノン顔料、キナク
リドン顔料等の有機顔料、カーボンブラック等があげら
れる。
としては、従来より用いられている樹脂が使用できる。
すなわち、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキ
シエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、石油
樹脂、ケトン樹脂、あるいはこれらの変性樹脂等が単
独、または必要に応じて2種以上使用できる。
ミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、あるいは
これらの共縮合物、ブロックイソシアネート等が使用で
きる。
しては、従来のインキ溶剤が使用できる。たとえば、通
常の印刷インキ用炭化水素系溶剤、すなわち芳香族系溶
剤、n−パラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、ナ
フテン系溶剤、α−オレフィン系溶剤、軽油、スピンド
ル油、マシン油、シリンダー油、テレピン油、ミネラル
スピリット等が例示できる。更に、(ポリ)オキシアル
キレングリコール、(ポリ)オキシアルキレングリコー
ルのアルキルエーテル、(ポリ)オキシアルキレングリ
コールのアルキルエステル、高級アルコール等も例示で
きる。これらの使用量は、必要とされるインキ性状に調
製できれば良く特に制限はないが、通常5〜50重量%
の範囲である。
分のゲル化剤を、顔料、樹脂、及び溶剤と同時に配合し
て製造しても良いし、ゲル化剤をあらかじめ溶剤に溶解
及び又は分散したコンパウンドの形態にして、顔料、樹
脂、及び溶剤と同時に配合して製造しても良い。又、顔
料、樹脂、及び溶剤にて製造したインキベースに、印刷
インキ用コンパウンドの形態で後添加して混合すること
も出来る。印刷インキ用コンパウンドとは、印刷インキ
の物性を調節するために必要に応じてインキに添加する
ものであり、本発明に於ける印刷インキ用コンパウンド
とは、ゲル化剤を溶剤に溶解及び又は分散させた形態を
指す。
あらかじめ溶剤に溶解及び又は分散させた印刷インキ用
コンパウンドとして用いることが好ましい。印刷インキ
用コンパウンドを得るために使用される有機溶剤成分と
しては、通常の印刷インキ用炭化水素系溶剤、すなわち
芳香族系溶剤、n−パラフィン系溶剤、イソパラフィン
系溶剤、ナフテン系溶剤、α−オレフィン系溶剤、軽
油、スピンドル油、マシン油、シリンダー油、テレピン
油、ミネラルスピリット等が例示できる。
に用いられる、印刷インキ用コンパウンドにおいて、構
成するゲル化剤成分(aとする)と有機溶剤成分(bと
する)の重量比は、3:97〜50:50が好ましく、
より好ましくは、10:90〜40:60である。ゲル
化剤成分(a)がこの範囲より少ないと所定の効果が得
られにくく、また、この範囲を越えると流動性が低下し
やすい。
には、たとえばゲル化剤成分(a)と有機溶剤成分
(b)を60〜160℃で5分〜1時間程度加熱溶解
後、室温付近まで放冷して固化させることで得られる。
本発明の製造方法で用いる印刷インキ用コンパウンドの
含有量は必要とされるインキ性状に調製できれば良く特
に制限はないが、通常1〜30重量%である。
じて公知の顔料分散剤、ワックス、ドライヤー、安定
剤、酸触媒等を添加することが可能である。
微粉末シリカ、有機ベントナイト等を助剤としてインキ
に添加したり、及び/または、印刷インキ用ワニス成分
として特定のソルビトール誘導体によるゲルワニス、金
属キレートによるゲルワニスの使用も可能である。
ット方式、ドライオフセット方式など通常の印刷方式に
よって容易に印刷する事が出来る。インキ膜厚は任意で
あるが、例えば0.1〜6ミクロンの範囲で行えばよ
い。
に調製する場合、印刷後、オーバープリント用ワニス層
を設けることが出来る。組み合わせるオーバープリント
用ワニスは、加熱によって硬化する通常の金属印刷塗装
に使われる任意の水性型又は溶剤型のオーバープリント
用ワニスが使用でき、特に制限はない。
ト用ワニスは、基本的に金属板上に印刷された未乾燥及
び/または乾燥後のインキ上にロールコーター塗装され
た後、150〜250℃で5秒〜15分間加熱乾燥され
ることにより、外観、硬度、加工性、耐レトルト性に優
れる塗膜を形成することができる。
オーバープリント用ワニスの塗装方法は、通常のコータ
ー方式で行うことができる。オーバープリント用ワニス
の膜厚は任意であるが、例えば 3〜10ミクロンの範
囲で行えばよい。
によって本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例
のみに限定されるものではない。なお、各例中の部及び
%は重量基準によるものである。
機、コンデンサー、窒素導入管、温度計を具備した反応
装置にて、表1に示す組成で各々100℃30分間溶解
させて、印刷インキ用コンパウンド(A−1)〜(A−
7)を得た。
まし油(融点85℃)、「(a)−2」は、ヒドロキシ
ステアリン酸(融点75℃)、「(a)−3」は、ヒド
ロキシステアリルアルコール(融点63℃)、
「(b)」は、溶剤アルケン56Nを表す。
大豆油変性アルキッド樹脂ワニス(油長40%、平均分
子量約9000)29部、アルケン56N(日本石油化
学(株)製、アルキルベンゼン)10部、ドライヤー
0.5部、安定剤0.5部を3本ロールミルにて練肉・
混合した。
組成にて、インキベースに混合してインキ組成物を調製
した。
アルキッド樹脂ワニス(油長40%、平均分子量約90
00)29部、印刷インキ用コンパウンド(A−1)5
部、アルケン56N(日本石油化学(株)製、アルキル
ベンゼン)5部、ドライヤー0.5部、安定剤0.5部
を3本ロールミルにて練肉・混合した後、アルケン56
N10部を加えて混合した。
3に各々示した組成にて3本ロールミルにて練肉・混合
し、インキ組成物を調製した。
ー、窒素導入管、温度計を具備した反応装置に、上述の
実施例で使用した大豆油変性アルキッド樹脂ワニス(油
長40%、平均分子量 約9000)を100部、アル
ケン56Nを20部、エチルアセトアセテートアルミニ
ウムジイソプロピレート(川研ファインケミカル(株)
製、商品名ALCH)を2部を仕込み、160℃2時間
反応させゲルワニスを得た。
に各々示した組成にて3本ロールミルにて練肉・混合
し、インキ組成物を調製した。
(エレメンティス(株)製)、(*2)は、アエロジ
ル200(日本アエロジル(株)製)を示す。
比較例1〜4で得られたインキ組成物のスプレッドメー
ター直径D(60秒後の広がり直径;単位mm)及びス
プレッドメーター傾斜Sを測定した。
について、各々2mlを70度の傾斜をつけたガラス板
上にて25℃にて30分間放置後、流動した長さ(m
m)を測定した。
を各々40℃にて60日間放置後、上述の(1)スプレ
ッドメーター値、(2)傾斜流度を測定して、直径Dの
変化が1.5mm未満を○、1.5以上3.0未満を
△、3.0以上を×、傾斜流度の変化が10mm未満を
○、10mm以上30mm未満を△、30mm以上を×と
してそれぞれ評価した。試験結果を表5にまとめた。
9.9m/sの速度にてアルミ板上にインキを印刷し、
インキ転移直後のつぶれの状態をルーペにて視覚判定
し、良好なもの○、中程度のものを△、不良なものを×
として評価した。
せた後展色し常法による展色との差を比較した。差のな
いものを○、中程度のものを△、不良なものを×として
評価した。
を各々2.64CC採取し、予めローラー温度を40℃
に設定したインコメーターのローラー上に均一に塗布し
た後、1600rpmで5分間回転させた。ローラー下
部に置いた白紙上へのインキの飛散の程度を目視判定し
た。良好なものを○、不良なものを×として評価した。
得られたインキ組成物を、各々インキ皮膜厚が1.5μ
mとなるようにアルミ板にRIテスターで印刷した。印
刷に引き続きインキをウェット状態のままで、2ピース
缶用仕上げニスを45mg/100cm2(焼き付け後
固形分)の塗膜量となるように塗装した。上記の条件で
印刷塗装した印刷塗装板を200℃ 45秒+200℃
90秒(ピーク温度)の条件で焼き付け乾燥する。
下にて、125℃30分間処理した後、(1)塗膜密着
性、および(2)塗膜硬度の試験を行った。
0)を行って、鉛筆硬度が3H以上のものを○、2H以
下のものを×で示した。
で1mm間隔で100個の碁盤目を作り、セロハンテー
プによる剥離状態を調べ、剥離していないマス目の個数
で示した。
係る印刷インキ組成物は、経時変化がほとんどなく大幅
なフローの改善すなわち流動特性の改善が可能であり、
優れた印刷適性と良好な塗膜物性を有する。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記一般式(I)、(II)から選ばれ
る1種以上のゲル化剤を含有することを特徴とする印刷
インキ組成物。 【化1】 (式中、R1、R2、R3は脂肪酸残基又は水素原子を示
し、少なくとも1つは脂肪酸残基であり、且つ、1個以
上の脂肪酸残基が1個以上の水酸基を有する。式中、R
4 はH、CH3、CH2CH3の何れかを示す。) 一般式(II) R5−X (式中、R5は水酸基を1個以上有する有機基、Xはカ
ルボキシル基又は水酸基を示す。) - 【請求項2】 ゲル化剤の含有量が0.1〜20重量%
である請求項1に記載の印刷インキ組成物。 - 【請求項3】 ゲル化剤の融点が50℃〜150℃であ
る請求項1又は2に記載の印刷インキ組成物。 - 【請求項4】 ゲル化剤が硬化ひまし油、硬化ひまし脂
肪酸、ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシステアリル
アルコールから選ばれる少なくとも1種である請求項1
〜3の何れかに記載の印刷インキ組成物。 - 【請求項5】 下記一般式(I)、(II)から選ばれ
る1種以上のゲル化剤を含有することを特徴とする印刷
インキ用コンパウンド。 【化2】 (式中、R1、R2、R3は脂肪酸残基又は水素原子を示
し、少なくとも1つは脂肪酸残基であり、且つ、1個以
上の脂肪酸残基が1個以上の水酸基を有する。式中、R
4 はH、CH3、CH2CH3の何れかを示す。) 一般式(II) R5−X (式中、R5は水酸基を1個以上有する有機基、Xはカ
ルボキシル基又は水酸基を示す。) - 【請求項6】 あらかじめゲル化剤を溶剤に溶解及び又
は分散させた印刷インキ用コンパウンドを製造する工程
と該コンパウンドをインキベースに混合する工程とを有
することを特徴とする印刷インキ組成物の製造方法。
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JP2000189386A JP4743462B2 (ja) | 2000-06-23 | 2000-06-23 | 印刷インキ組成物及びその製造方法 |
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2000
- 2000-06-23 JP JP2000189386A patent/JP4743462B2/ja not_active Expired - Fee Related
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