JP4402808B2 - 顔料を含む油性ボールペン用インキ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油性ボールペン用インキに関するもので、さらに詳細には色材として染料と顔料を併用した油性ボールペン用インキに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の油性ボールペンは、インキ粘度を10,000〜30,000mPa・s(at20℃)に設定し、インキの漏れ出しを防止する設計を施してきた。しかし、筆記時のボール回転抵抗が自ずと大きくなり、書き味が非常に重く良好とならなかった。また、筆記の際には強筆圧が必要となり、場合によっては500gf以上の荷重がペン先に付与されることとなり、それが原因でペン先の損傷が進み、ボールの欠落や筆記不良が発生することがあった。一方、特開平6−313143、特開平6−313144、特開平7−196972、特開平9−48941の公報で開示されているようにインキ粘度特性を擬塑性として筆記時のインキ粘度を低粘度とし、筆記していない時のインキ粘度を比較的高粘度として上記欠点を改善しようとする試みもあるが、実際は筆記性能を良好としてかつインキの漏れ出しを完全に防止するに充分なものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、筆記性能を極めて良好となし、筆跡の泣きボテ、筆跡の滲みをなくし、インキ漏れを完全に防止できる油性ボールペン用インキを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
「1. インキの基材が有機溶剤、インキ粘度調整剤、色材を必須成分とする油性ボールペン用インキにおいて、色材としてインキ全成分に対して10〜35重量%の染料と、インキ全成分に対して0.5〜5重量%の顔料を併用したことを特徴とする、顔料を含む油性ボールペン用インキ。
2. 色材がインキ全成分に対して25〜30重量%の染料と、インキ全成分に対して1〜2重量%の顔料とからなる、1項に記載された、顔料を含む油性ボールペン用インキ。
3. 剪断速度500sec−1(at20℃)における粘度が5000〜17000mPa・sである、1項または2項に記載された、顔料を含む油性ボールペン用インキ。
4. 剪断速度500sec−1(at20℃)における粘度が6000〜12000mPa・sである、1項または2項に記載された、顔料を含む油性ボールペン用インキ。
5. 擬塑性付与剤を含有した、請求項1ないし4のいずれか1項に記載された、顔料を含む油性ボールペン用インキ。
. 擬塑性付与剤として脂肪酸アマイドワックスを用いて剪断減粘指数を0.7〜0.9とした、5項に記載された、顔料を含む油性ボールペン用インキ。
. 有機溶剤の配合割合がインキ全成分に対して30〜70重量%である、1項ないし項のいずれか1項に記載された、顔料を含む油性ボールペン用インキ。」
に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、色材として染料と顔料をインキ成分中に積極的に併用する。但し、顔料の配合量は制限の必要がある。顔料分を多く配合すると書き味を損ない筆端部のボール座摩耗を発生することになる。また、ボールペンを放置した場合、筆端部最先端に強固な固形分が発生することとなり著しく書き出し性能を損なうことになるからである。染料は筆跡濃度を適性とするためにインキ全成分に対して10〜35重量%添加する必要がある。この時併用する顔料は前述の理由から、インキ全成分に対して0.5〜5重量%に制限することが必須である。
【0006】
色材として染料と顔料をインキ成分中に積極的に併用する理由を説明する。本発明者らが従来の油性ボールペンについて徹底的な解析をした結果、筆端部からのインキ漏れ、いわゆる垂れ下がり現象とボールペン放置後の書き出し性能は完全に相反する現象となっていることがわかった。油性ボールペンの垂れ下がり現象を防止する手段としてインキ粘度を高めることは一般的な手法である。しかし、インキ粘度を高めることは筆感を損なうことになる。そこで近年において、インキ粘度特性を擬塑性として対策とする技術が、注目されていることは前述の通りである。しかし、垂れ下がりを完全に防止するためには、根本的に筆端部におけるインキのドライアップ増粘や造膜に頼っていることも事実である。ボール径が大きくなったり、インキ消費量調整のために筆端部の開口面積を大きくした場合、インキの擬塑性を強くしただけではインキ追従性が劣化し良好なボールペン特性を得ることができない。詳説すると、ボール径を大きくしたり筆端部の開口面積を大きくした場合には、筆記時により多くのインキを吐出されることになりインキの流動性が必要となる。つまり、いたずらにインキの流動性を小さくすると擬塑性を強くすることができなくなり、筆端部におけるインキのドライアップ増粘や造膜に頼ることになるのである。これが従来の油性ボールペンの実体であって垂れ下がり性能と、放置後の書き出し性能を同時に良好とし、筆記性能も併せて良好とすることができない理由である。さらに悪いこととして、ボール径を大きくしたり筆端部の開口面積を大きくすると、筆端部におけるインキのドライアップ増粘や造膜が圧倒的に強くなり、書き出し性能が低下することを払拭できなかった。
【0007】
発明者らは鋭意研究の結果として、極僅かな溶剤蒸発によって良好な分散性能を失い、2次粒子となる顔料に着目した。ボール径を大きくしたり筆端部の開口面積を大きくした場合には、垂れ下がり性能を防止するに充分なインキ増粘、増膜に筆端部のインキ状態が達するまでに長い時間を要する。このことが垂れ下がり性能を完全に防止できない理由である。また、筆端部のインキが一度その状態に達するとボール周辺のインキがボールの回転を著しく阻害するために書き出し性能が低下する。ボール周辺のインキが多く、その部分のインキが乾燥状態となるまでには必然的に莫大な時間を要することは明白な事実であって、その時間の中でドライアップ増粘は筆端部内部まで進行することになるからである。
発明者らは以上の技術的解析を基に造膜剤といわれる高分子成分についても検討したが、充分な成果を得ることはできなかった。添加剤が造膜するのはインキ成分中の溶剤が蒸発した結果であって、時間を要することには変わりなかったからと解析している。また、造膜が進むと筆端部ボール周辺にて強固な乾燥がみられるため書き出し性能が良好とはならなかった。
【0008】
インキ成分に顔料分を積極的に添加すると次に挙げるような効果をもたらす。
第1の効果は、筆端部にシール性が発生するまでに要する時間を短縮することである。顔料の分散は非常に微妙なものであり、溶剤分と固形分のバランスが変化すると直ちに分散能が欠除する。つまり、固形分の溶剤の蒸発によって乾燥固化するまでの時間より圧倒的に速く筆端部におけるシール性が発生することとなる。換言すれば、極僅かな溶剤蒸発によって充分なシール性を得ることができ、垂れ下がり性能が良好となる。また、ボール周辺においてシール効果がもたらされると、筆端部内部のインキドライアップを抑制させる効果も奏するため書き出し性能が低下することなく良好な性能を達成することができる。
第2の効果は、インキの粘度調整である。筆端部にシール性をもたらす成分は一般的に高分子剤であってインキの粘度に影響する。つまり、高分子剤がインキ成分中に大量に含まれるとインキの粘度が必然的に高くなり、筆感を損なう原因となる。顔料は言うまでもなく色材としての機能も有するためにもう一つの色材である染料分を顔料の添加にあわせて差し引くことが可能となる。換言すれば、いたずらにインキ中の固形分濃度をアップさせることなく筆端部のシールをもたらすことができるのである。顔料の添加によって筆感を損なうことなく筆端部のシール性を速やかに得ることが可能となる。
【0009】
しかしながら、良好なボールペン性能を得るためには顔料の添加量を制限する必要もある。インキ全成分に対して0.5重量%より少ないと筆端部におけるシール機能が充分ではなく垂れ下がり性能に対して効果を得ることができない。また、5重量%より多く添加するとボール周辺に強固な回転阻害物が発生して書き出し性能を逆に低下させることになる。しかも、顔料はインキ中において固形物として存在するために筆記時のボール回転の阻害物となって良好な書き味を具現化することができないばかりか、筆端部の摩耗にも直結する。
本発明に採用する染料及び顔料は、特に制限する必要なく前述の添加量の組み合わせ範疇において用いることができる。
染料としては、従来から油性ボールペンに採用しているアルコール可溶染料、油溶性染料、直接染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料、及び各種造塩タイプの染料が採用可能である。配合量は、インキ全成分に対して10重量%以下では色調が淡い。しかも、筆端部におけるシール性能発生過程で顔料分の乾燥のみが独立的に進むために書き出し性能が良好とはならない。また、35重量%を越えると書き出し性能、書き味が低下する。配合割合は、インキ全成分に対してより好ましくは、25〜30重量%である。
顔料としては、有機、無機、加工顔料、例えばカーボンブラック、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系などがある。配合量は、インキ全成分に対して0.5〜5重量%に制限することが必須である。より好ましくは、1〜2重量%である。
【0010】
有機溶剤は、インキ組成物の溶媒、分散媒として用いる。具体的にはベンジルアルコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のアルコール系、及びグリコール系、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系、フェニルカービトール等のカービトール系、N−メチルピロリドン等の含窒素系溶剤系が単独または混合して使用可能である。配合割合はインキ全組成物に対して30〜70重量%が好ましい。
インキ粘度調整剤としては、フェノール樹脂、アミド樹脂、キシレン樹脂、水添ロジン樹脂、ケトン樹脂、などが挙げられ、筆跡の紙面への定着剤としても効果を奏する。また、泣きボテ性能を良好とするために曳糸性付与剤も適宜採用可能である。添加剤の例としてはポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ヒドロキシプロピルセルロース、ゴム系高分子化合物等が使用できる。
その他の添加剤として、界面活性剤、防錆剤、分散剤、潤滑剤、染料溶解安定剤等適宜選択して添加することができる。
【0011】
一方、ボールペン性能に多大な影響を及ぼすインキ粘度については次のような範囲が好ましい。前述の通り、筆感を左右するのは筆端部のボール回転抵抗が主なものであって、インキの粘度が低い場合に良好となる。しかし、低く設定し過ぎるとインキ漏れの原因となる。本発明は、良好な筆感を具現化するだけでなく、広範囲の筆端部に対して垂れ下がり性能、高速筆記性能、筆跡、書き出し性能を良好とすべく検討されたものであるから、剪断速度500sec−1における粘度を5,000〜17,000mPa・sとすることが最も好適である。5,000mPa・sより低く設定すると、書き味は良好となるものの垂れ下がり性能が良好とならない。また、17,000mPa・sを越えると筆感が良好とはならない。より好ましくは、6,000〜12,000mPa・sである。
【0012】
筆端部ボール直径がφ1.0mm以上のように一層の垂れ下がり性能が必要となった場合、インキ粘度特性に擬塑性を付与することが有効である。この時、ボール径が大きくなってインキ吐出量が多くなると高速筆跡能が低下する危険がある。インキの粘度特性が擬塑性となるとインキの流動性が低下するため、インキ吐出に対してインキの供給が間に合わなくなって線切れ現象となる。したがって剪断減粘指数を制限することが必須となる。筆端部ボール直径が大きくなったり開口面積を大きくしてインキ吐出量を上げた設計をする場合には、剪断減粘指数を0.7〜0.9と制限する必要がある。剪断減粘指数が0.7より小さく擬塑性が強くなると高速筆記性能が低下し線切れ現象が発生する。また、0.9より大きくなって擬塑性が弱くなると垂れ下がり性能に対して効果がなくなる。擬塑性付与剤は、溶融温度140℃以上の脂肪酸アマイドワックスが最も好適である。本発明で言うインキ粘度及び剪断減粘指数は、全て英国キャリメ社製CSLレオメータを用い、20℃の測定環境でコーンプレートの角度、直径を適切な値として剪断速度1〜600sec−1の範囲で測定した。
【0013】
【実施例】
本発明を実施例を示して具体的に説明する。
実施例1
ニグロシンEX 5.0重量%
バリファーストバイオレット 5.0重量%
カーボンブラック 0.5重量%
フェニルグリコール 40.2重量%
ベンジルアルコール 10.0重量%
オレイン酸 3.0重量%
ポリビニルピロリドンK−120 0.3重量%
粘度調整樹脂 36.0重量%
フェニルグリコール、ベンジルアルコールを所定量秤量して60℃に加温した後、ポリビニルピロリドン、粘度調整樹脂を添加して完全に撹拌溶解させた。次いでカーボンブラックの所定量を少量ずつ添加して均一に分散させた。この時、撹拌機はディスパーを用いた。溶剤中で顔料が均一に分散されたことを確認した後、染料を少量ずつ添加して完全に撹拌溶解させて油性ボールペン用黒インキを得た。染料はニグロシンEX、バリファーストバイオレット1701(共にオリエント化学工業株式会社製染料)を採用して黒色に調色した。顔料であるカーボンブラックは、Printex140V(Degussa)を採用した。粘度調整剤及び筆跡調整剤としては、ポリビニルピロリドンK−120(GAF社製、重量平均分子量280万)を採用した。粘度調整樹脂は、ハイラック110H(日立化成株式会社製、ケトン樹脂)を採用した。
【0014】
実施例2〜5
インキ配合組成を表1の通りとした以外は、実施例1と同様にして油性ボールペン用インキとした。
実施例6〜7
擬塑性付与剤として脂肪酸アマイドワックスをインキ中に添加した以外は、実施例1と同様にして油性ボールペン用インキとした。脂肪酸アマイドワックスは擬塑性付与剤としてターレン7200(共栄社化学株式会社製)を採用した。効果を表1に示す。
【0015】
比較例1
インキ組成を表2に示す通りとした以外は、実施例6〜7と同様にして油性ボールペン用インキとした。
比較例2〜7
インキ組成を表2に示す通りとした以外は、実施例1〜5と同様にして油性ボールペン用インキとした。
【0016】
【表1】
Figure 0004402808
【0017】
【表2】
Figure 0004402808
【0018】
(註)
(1)筆感;手書き評価において
低筆圧筆記可能で滑らかで特に良好なものを …◎
良好なものを …○
やや劣るものを …△
低筆圧で筆記できずに滑り感のないものを …×
とした。
(2)書き出し性能;20℃、65%RHの環境に24時間、ボールペンをキャップ・オフで横向き放置した後、200gfの筆記荷重、70℃の筆記角度、4m/minの筆記速度で直線書きして筆端部からインキが良好に吐出されるまでの距離を測定する。試験は、株式会社パイロット製φ0.7mmボールのボールペンを採用した。
書き出しから良好に筆記できたもの …◎
書き出しまでの距離が1〜3mmだったもの …○
書き出しまでの距離が3〜5mmだったもの …△
5mm以内で書き出せなかったもの …×
とした。
(3)筆跡;手書き評価において
かすれ、泣きボテ、筆跡滲みが全く発生せずに
極めて良好なもの …◎
実用上において気にならない程度のものを …○
やや気になるものを …△
非常に気になるものを …×
とした。
(4)高速筆記性能;350gfの筆記荷重、70℃の筆記角度での限界筆記速度を測定した。試料は、株式会社パイロット製φ0.7あるいはφ1.0mmボールのボールペンを適宜採用した。
20m/min以上のものを …◎
18〜20m/minものを …○
16〜18m/minものを …△
16m/min以下のものを …×
とした。
(5)垂れ下がり性能;ボールペンを40℃、95%RHの環境にチップ下向きで24時間垂直放置してペン先からのインキ漏れを確認した。試料は、株式会社パイロット製φ0.7あるいはφ1.0mmボールのボールペンを適宜採用した。
ペン先からのインキ漏れが全く確認されなかったものを …◎
ペン先からのインキ漏れがほとんど確認されなかったものを …○
チップテーパー部の1/4迄インキ這い上がりが確認されたものを…△
チップテーパー部の1/4以上にインキが這い上がったものを …×
とした。
【0019】
評価
比較例1並びに2は、染料の添加量が少ない例である。ボールペン放置後の筆端部乾燥状態について観察すると、顔料の乾燥のみが独立的に進行しているのが検出できる。顔料は、再分散性に乏しいので独立的に乾燥すると極めて強固なボール回転阻害物として機能するために書き出し性能が大巾に低下する。また、染料の添加量を低減すると筆記性能に対して好適なインキ粘度とするために、粘度調整樹脂を大量に添加する必要がある。粘度調整樹脂は分子量の大きい成分であるので、筆感、筆跡、高速筆記性能といった筆記性能を損なう。書き出し性能が大巾に低下すると、垂れ下がり性能は良好となることが期待できるが、顔料の独立的乾燥のみでは強固な粒子とはなるもののシール性に欠けるために垂れ下がり性能も良好とはならなかった。
比較例3並びに4は、染料の添加量が多すぎる例である。顔料の添加効果と相まって垂れ下がり性能は良好となるが、ボールペン放置後の乾燥皮膜が強固となるために書き出し性能が大巾に低下する。また、筆端部内インキのドライアップ増粘の進行が大いに促進されるため高速筆記性能も低下することになる。
比較例5は、顔科の添加量が少ない例である。明細書中の説明からも明らかな通り垂れ下がり性能に対して効果が現れない。
比較例6は、顔料の添加量が多すぎる例である。インキ中の粒体物が多く含まれることになるので垂れ下がり性能は良好となるものの、筆記性能が大巾に低下することになる。
比較例7は、染料の添加量が少なく顔料の添加量が多すぎる例である。比較例1、2と同様にして乾燥後の筆端部シール性に欠けるため垂れ下がり性能も期待ほど良好とはならない。また、比較例6と同様にして顔料の添加量が多すぎるために筆記性能も低下する。
【0020】
【発明の効果】
本発明は、筆記性能を良好とし、泣きボテ、滲みをなくし、インキ漏れを防止した効果を奏する。

Claims (7)

  1. インキの基材が有機溶剤、インキ粘度調整剤、色材を必須成分とする油性ボールペン用インキにおいて、色材としてインキ全成分に対して10〜35重量%の染料と、インキ全成分に対して0.5〜5重量%の顔料を併用したことを特徴とする、顔料を含む油性ボールペン用インキ。
  2. 色材がインキ全成分に対して25〜30重量%の染料と、インキ全成分に対して1〜2重量%の顔料とからなる、請求項1に記載された、顔料を含む油性ボールペン用インキ。
  3. 剪断速度500sec−1(at20℃)における粘度が5000〜17000mPa・sである、請求項1または2に記載された、顔料を含む油性ボールペン用インキ。
  4. 剪断速度500sec−1(at20℃)における粘度が6000〜12000mPa・sである、請求項1または2に記載された、顔料を含む油性ボールペン用インキ。
  5. 擬塑性付与剤を含有した、請求項1ないし4のいずれか1項に記載された、顔料を含む油性ボールペン用インキ。
  6. 擬塑性付与剤として脂肪酸アマイドワックスを用いて剪断減粘指数を0.7〜0.9とした、請求項5に記載された、顔料を含む油性ボールペン用インキ。
  7. 有機溶剤の配合割合がインキ全成分に対して30〜70重量%である、請求項1ないしのいずれか1項に記載された、顔料を含む油性ボールペン用インキ。
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