JP4129436B2 - 水性消去性マーキングペンインキ組成物 - Google Patents

水性消去性マーキングペンインキ組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4129436B2
JP4129436B2 JP2004005637A JP2004005637A JP4129436B2 JP 4129436 B2 JP4129436 B2 JP 4129436B2 JP 2004005637 A JP2004005637 A JP 2004005637A JP 2004005637 A JP2004005637 A JP 2004005637A JP 4129436 B2 JP4129436 B2 JP 4129436B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink composition
aqueous
weight
colorant
viscosity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004005637A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005068397A (ja
Inventor
慶子 中村
次郎 中川
英敏 福尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sakura Color Products Corp
Original Assignee
Sakura Color Products Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sakura Color Products Corp filed Critical Sakura Color Products Corp
Priority to JP2004005637A priority Critical patent/JP4129436B2/ja
Publication of JP2005068397A publication Critical patent/JP2005068397A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4129436B2 publication Critical patent/JP4129436B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

本発明は、水性消去性マーキングペンインキ組成物に関する。詳しくは、本発明は、水性であると共に、非吸収性乃至非浸透性の筆記面、代表的には所謂白板と呼ばれる筆記面に筆記した筆跡が乾燥した後は勿論、筆記後、筆跡が十分に乾燥しておらず、未だ湿っている初期の段階においても、筆跡の消去性にすぐれると共に、筆跡の消去後に白板に汚れを残さない水性消去性マーキングペンインキ組成物に関する。本発明は、更なる側面として、放置されたときの粘度の安定性にもすぐれる水性消去性マーキングペンインキ組成物に関する。
従来、非吸収性乃至非浸透性の筆記面に筆記した筆跡を柔らかい布帛からなるイレーザ(白板拭き)にて軽く擦過することによって、筆記面から拭い去って、筆跡を消去するようにした水性の消去性マーキングペンインキ組成物が種々知られている。
このような従来の水性消去性マーキングペンインキ組成物は、それを用いて筆記面上に形成された筆跡が消去性を有するように、一般に、溶剤としての水、着色剤、造膜性樹脂と共に、剥離剤といわれる添加剤を含有している。例えば、特開平1−252681号公報(特許文献1参照)に記載されているように、例えば、脂肪族カルボン酸エステル等のような常温で難揮発性の油状物質がエマルジョンとしてインキ組成物中に配合されて、剥離剤として用いられている。
更に、特開平10−25422号公報(特許文献2参照)や特開平10−25443号公報(特許文献3参照)に記載されているように、上記剥離剤の安定化剤として、シクロデキストリンやその誘導体を配合してなる水性消去性マーキングペンインキ組成物も知られている。
しかし、このような従来の水性消去性マーキングペンインキ組成物は、白板に筆記した後、筆跡が未だ完全に乾燥しておらず、湿っている初期の段階においては、その筆跡をイレーザで擦過しても、インキ組成物が白板上に残って、筆跡を十分に消去することができず、白板に色汚れが残る問題がある。
特開平1−252681号公報 特開平10−25422号公報 特開平10−25443号公報
本発明は、従来の水性消去性マーキングペンインキ組成物における上述した問題を解決するためになされたものであって、筆跡が乾燥した後は勿論のこと、筆記後、筆跡が十分に乾燥しておらず、未だ湿っている初期の段階においても、筆跡の消去性にすぐれ、白板に色汚れを残さず、更に、放置したときの粘度の安定性にもすぐれる水性消去性マーキングペンインキ組成物を提供することを目的とする。
本発明によれば、成分として、顔料0.05〜20重量%と、常温(25℃)で難揮発性である油状物質1〜20重量%を水中に分散させてなる水性消去性マーキングペンインキ組成物において、上記油状物質が20℃において5〜40mPa・sの粘度を有し、エマルジョンとして水に分散されていると共に、上記顔料がケン化度70〜85モル%、4%水溶液の20℃における粘度2〜30mPa・sの水溶性ポリビニルアルコール樹脂を上記顔料に対して重量比で0.5〜5の範囲で、且つインキ組成物に基づいて1〜10重量%の範囲で、分散剤として用いて水に分散されていることを特徴とする水性消去性マーキングペンインキ組成物が提供される。
更に、本発明によれば、上記成分に加えて、揺変剤を含む水性消去性マーキングペンインキ組成物が提供される。
本発明による水性消去性マーキングペン用インキ組成物は、常温で難揮発性である油状物質が剥離剤としてO/W型エマルジョンとして水中に分散されていると共に、顔料が所定のケン化度と粘度を有する水溶性ポリビニルアルコール樹脂を分散剤として用いて水中に分散されてなるものであり、しかも、上記ポリビニルアルコール樹脂は、顔料に対して重量比で0.5〜5の範囲で、且つインキ組成物に基づいて1〜10重量%の範囲で用いられている。
従って、このような水性消去性マーキングペン用インキ組成物によれば、顔料がポリビニルアルコール樹脂のすぐれた保護コロイド効果によって安定に分散されており、しかも、このポリビニルアルコール樹脂は、インキ組成物を用いて白板上に筆記したときは、常温で難揮発性である油状物質と混和することなく、顔料を保護しつつ、造膜して、筆跡を形成する。
かくして、本発明による水性消去性マーキングペン用インキ組成物によれば、白板上の筆跡が未だ十分に乾燥していない筆記後の初期の段階においても、上記油状物質が白板と筆跡との間に介在しており、その筆跡を擦過することによって、白板上に色汚れを残すことなく、筆跡を消去することができる。他方、筆跡が乾燥した後は、造膜したポリビニルアルコール樹脂によって筆跡全体が塗膜化されているので、その筆跡を擦過することによって、筆跡である上記塗膜を容易に剥離することができるので、筆跡が乾燥後の消去性にもすぐれる。更に、本発明による水性消去性マーキングペン用インキ組成物は、経時的な粘度の安定性にもすぐれる。
本発明によるインキ組成物は、フェルトペンともいわれるマーキングペンに用いるに適する。そのマーキングペンとは、筒状の本体の先端にプラスチック成形物等からなるペン先を備えると共に、本体内にフェルト、繊維束等にインキを含浸させてなるインキ貯蔵手段を備え、このようなインキ貯蔵手段からペン先に毛細管現象を利用してインキを供給し、筆記を可能とするものである。以下、この種のマーキングペンを中芯式マーキングペンということとする。しかし、本発明によるインキ組成物は、筒状の本体それ自体内にインキを貯蔵するマーキングペンにも、用いるに適するものである。
本発明によるマーキングペンインキ組成物においては、溶剤として、水が用いられる。インキ組成物における水の量は、通常、50〜90重量%、好ましくは60〜80重量%の範囲である。
本発明による水性消去性マーキングペンインキ組成物は、着色剤として、通常、顔料を含む。このような顔料は、有機顔料でもよく、無機顔料でもよい。用い得る顔料は、例えば、カーボンブラック、銅フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系顔料、スレン系、アゾ系、キナクリドン系、アンスラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、インドレノン系、アゾ−アゾメチン系等を含むが、しかし、これらに限定されるものではない。また、蛍光顔料も用いられる。更に、後に詳細に説明するように、本発明によるインキ組成物が揺変剤を含むときは、用い得る着色剤は,更に、着色した樹脂粒子やアルミニウム粉顔料等をも含む。
本発明によれば、カーボンブラックのなかでは、酸性カーボンと呼ばれている顔料を使用した水性インキ組成物が特に消去性にすぐれるので、好ましく用いられる。酸性カーボンは、その粒子の表面を水酸基やカルボキシル基で修飾したものであり、その水分散液のpHが酸性領域にあることから、そのように呼ばれている。酸性カーボンは、かくして、親水性である。
従って、そのような酸性カーボンを顔料として用いてなる水性インキ組成物で白板上に筆記すると、インキ組成物からなる塗膜(筆跡)において、溶剤と酸性カーボンを含む親水性の成分は、疎水性の剥離剤と混じり合わず、かくして白板上に剥離層が形成されると共に、この剥離剤の層から分離して、剥離剤の層の上に親水性の層が形成される。その結果、筆跡をイレーザで擦過すれば、白板上に剥離剤が残存したとしても、剥離剤層には親水性の酸性カーボンが含まれないので、筆跡の消去後に白板が汚れることもない。
本発明によれば、着色剤は、インキ組成物において、通常、0.05〜20重量%の範囲で用いられる。着色剤の配合量がインキ組成物に基づいて0.05重量%よりも少ないときは、筆跡の濃度が薄すぎて、実用性に欠ける。しかし、20重量%を越えて過多に配合しても、それに見合って筆跡が一層濃くなることもなく、他方において、インキ組成物の粘度が高すぎるために、筆記性に劣ると共に、消去性も低下する。また、ペン先からキャップをはずして放置したとき、ペン先でインキ組成物が乾燥して、目詰まりを起こしやすい。特に、本発明によれば、着色剤は、インキ組成物において、好ましくは、0.1〜10重量%、最も好ましくは、0.5〜7重量%の範囲で配合される。
本発明によれば、着色剤は、水溶性ポリビニルアルコール樹脂を分散剤として用いて水に分散させてなる水性分散体として、インキ組成物に配合されている。ここに、上記水溶性ポリビニルアルコール樹脂は、ケン化度が70〜85モル%の範囲にあり、4%水溶液の20℃における粘度が2〜30mPa・sの範囲にある。
ポリビニルアルコール樹脂のケン化度が上記範囲をはずれるときは、着色剤の安定な水性分散体を得ることが困難である。また、ポリビニルアルコール樹脂の4%水溶液の20℃における粘度が30mPa・sを越えるときは、着色剤の分散安定性はよいが、筆記性に劣る。他方、ポリビニルアルコール樹脂の4%水溶液の20℃における粘度が2mPa・sよりも小さいときは、着色剤の分散安定性に劣ると共に、得られるインキ組成物が容易に消去できない筆跡を与える。
本発明によれば、上述した着色剤の水性分散体を調製するに際して、上記ポリビニルアルコール樹脂は、分散剤として、上記着色剤に対して重量比で0.5〜5、好ましくは、1〜3の範囲で、且つインキ組成物に基づいて1〜10重量%、好ましくは、2〜8重量%の範囲で用いられる。ここに、本発明によれば、最初から着色剤に対して重量比で0.5〜5のポリビニルアルコール樹脂を用いて、着色剤の水性分散体を調製してもよく、また、最初は、着色剤に対して重量比で0.5より小さい割合でポリビニルアルコール樹脂を用いて着色剤を水に分散させた後、このようにして得られた分散液に最終的に着色剤に対して重量比で0.5〜5となるようにポリビニルアルコール樹脂を追加して、着色剤の水性分散体を調製してもよい。要すれば、本発明によれば、インキ組成物の製造に際して用いる着色剤の水性分散体がポリビニルアルコール樹脂を着色剤に対して重量比で0.5〜5の範囲で含んでおればよい。
着色剤に対するポリビニルアルコール樹脂の割合が重量比にて0.5よりも小さいときは、得られるインキ組成物が経時的な粘度安定性に劣って、放置されたときに増粘する。このように、インキ組成物が増粘すれば、筆記性に劣り、消去性に劣る筆跡を与える。本発明によれば、着色剤に対するポリビニルアルコール樹脂の割合を重量比にて0.5以上とすることによって、放置されたときにも粘度の安定性にすぐれるインキ組成物を得ることができる。
しかし、着色剤に対するポリビニルアルコール樹脂の割合が重量比にて5よりも大きいときや、また、インキ組成物に基づいて10重量%を越えてポリビニルアルコール樹脂を過多に用いるときは、得られるインキ組成物の粘度が高すぎて、筆記性に劣り、また、消去性に劣る筆跡を与える。他方、ポリビニルアルコール樹脂の使用量が余りに少ないときは、得られるインキ組成物において、着色剤の分散安定性が十分でなく、また、得られるインキ組成物が消去性に劣る。特に、白板上の未乾燥時の筆跡を消去した際に白板に色汚れが残る。
本発明において、着色剤の水性分散体の調製に際しては、着色剤の水への濡れ剤として、炭素原子数2〜4の脂肪族低級アルコールを用いてもよい。このような濡れ剤としては、通常、エタノール、プロパノール又はブタノールが好ましく用いられるが、特に、エタノール又はイソプロパノールが好ましく用いられる。このような濡れ剤は、後述する油状物質のエマルジョンを破壊しない程度において用いられる。通常、着色剤1重量部に対して、0.1〜2重量部、好ましくは、0.2〜1重量部の範囲で用いられる。
本発明において、着色剤の水性分散体の調製方法は、特に限定されるものではないが、例えば、容器に水と分散剤としてのポリビニルアルコール樹脂と上記濡れ剤、例えば、イソプロパノールを仕込み、更に、これに着色剤と、必要に応じて、界面活性剤を加え攪拌混合後、ビーズミルを用いて、顔料を所定の平均粒径として水に分散させればよい。
後に詳細に説明するように、本発明によるインキ組成物が揺変剤を含むときは、水溶性ポリビニルアルコール樹脂を分散剤として用いて、着色剤を水に分散させてもよいが、また、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等の樹脂や界面活性剤を分散剤として用い、着色剤を水に分散させて、これを着色剤の水性分散体とすることもできる。また、揺変剤を含むインキ組成物に用いる着色剤の水性分散体は、これを調製するに際して、前記ポリビニルアルコール樹脂は、分散剤として、好ましくは、着色剤に対して重量比で0.5〜3の範囲で用いられる。
本発明による水性消去性マーキングペンインキ組成物において、筆跡の剥離剤として、常温(25℃)で難揮発性であって、20℃において5〜40mPa・sの粘度を有する油状物質が界面活性剤を乳化剤として用いて調製したO/W型エマルジョンとして配合されている。
上記油状物質としては、脂肪族カルボン酸エステル、高級炭化水素又は高級アルコールが好ましく用いられる。本発明において、高級炭化水素又は高級アルコールは、6〜30の炭素原子を有するものであり、高級脂肪酸もまた、6〜30の炭素原子を有するものである。上記脂肪族カルボン酸エステルには、一塩基酸エステル、二塩基酸ジエステル、二価アルコールのモノ若しくはジエステル、三価アルコールのモノ、ジ若しくはトリエステル、ポリグリセリンエステル等を含むものとする。本発明においては、特に、このような脂肪族カルボン酸エステルが剥離剤として好ましく用いられる。
本発明に従って、常温(25℃)で難揮発性であって、20℃における粘度が5〜40mPa・sの油状物質のうち脂肪族カルボン酸エステル、特に、高級脂肪酸アルキルエステル又は高級脂肪酸グリセリドとして、例えば、イソオクタン酸セチル(20℃における粘度(以下、同じ)13.1mPa・s)、ミリスチン酸イソプロピル(粘度5.4mPa・s)、パルミチン酸イソプロピル(粘度7.8mPa・s)、ステアリン酸イソオクチル(粘度15.0mPa・s)、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル(粘度36.8mPa・s)、セバシン酸ジエチル(粘度6.1mPa・s)、トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリル(粘度28.3mPa・s)等を挙げることができる。これらのなかでも、本発明においては、ステアリン酸イソオクチル、イソオクタン酸セチル又はトリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリル等を挙げることができる。
常温(25℃)で難揮発性であって、20℃における粘度が5〜40mPa・sの高級炭化水素として、例えば、流動パラフィン(粘度15.0mPa・s)等を挙げることができる。
また、常温(25℃)で難揮発性であって、20℃における粘度が5〜40mPa・sの高級アルコールとして、例えば、ヘキシルアルコール(粘度5.2mPa・s)、オクチルアルコール(粘度8.9mPa・s)、ドデシルアルコール(粘度18.8mPa・s)等を挙げることができる。
本発明によれば、上記油状物質は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。従って、単独では、20℃における粘度が40mPa・sを越える油状物質であっても、また、単独では、20℃における粘度が5mPa・sよりも小さい油状物質であっても、20℃において、別の油状物質との混合物としたとき、粘度が5〜40mPa・sの範囲にあるとき、その油状物質を上記油状物質との混合物として用いることができる。例えば、アジピン酸ジイソプロピルは、単独では、20℃における粘度は4.2mPa・sであるが、別の油状物質と混合して、その粘度を5〜40mPa・sの範囲にあるようにして用いることができる。
本発明によれば、上記油状物質のO/W型エマルジョンは、好ましくは、ノニオン界面活性剤を乳化剤として用いて調製したものが用いられる。ここに、ノニオン界面活性剤は、エマルジョンにおいて、通常、1〜20重量%、好ましくは、2〜15重量%の範囲で用いられる。油状物質のエマルジョンの調製において、ノニオン界面活性剤を20重量%を越えて用いるときは、得られるインキ組成物にて筆記したとき、筆跡にべたつきを生じて、消去性が低下する。しかし、ノニオン界面活性剤の使用量が1重量%よりも少ないときは、得られるエマルジョンの粒子径が大きく、エマルジョンが不安定となり、延いては、インキ組成物を不安定化する。
上記ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール等を挙げることができる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル又はソルビタン脂肪酸エステルが好ましく用いられる。
本発明によれば、このように、油状物質のエマルジョンをノニオン界面活性剤を乳化剤として用いて調製することによって、その理由は必ずしも明らかではないが、得られるインキ組成物の筆跡の未乾燥時の消去性を著しく高めることができ、更に、白板の素材の如何にかかわらず、筆跡の乾燥後の消去性をも著しく高めることができる。特に、樹脂塗装白板上の筆跡の乾燥後の消去性を著しく高めることができる。
このような油状物質のO/W型エマルジョンは、通常の乳化方法によって調製することができる。また、市販品も用いることができる。更に、必要に応じて、脂肪族カルボン酸エステル、高級炭化水素又は高級アルコールの2種以上のエマルジョンをインキ組成物に配合することもできる。
本発明によるインキ組成物には、剥離剤として、上記常温(25℃)で難揮発性であるの油状物質が、通常、それ自体の重量にて、1〜20重量%の範囲で含有され、好ましくは、5〜15重量%の範囲で配合される。かくして、本発明のインキ組成物によれば、特に、筆跡の未乾燥時にこれを擦過して、白板に色汚れを残すことなく、消去することができる。
インキ組成物において、油状物質が1重量%よりも少ないときは、筆跡の消去性が十分でなく、他方、20重量%を越えて過多に配合するときは、筆跡が却って消去性に劣り、特に、筆跡が十分に乾燥しておらず、湿っているときに擦過すれば、筆跡は白板を汚すこととなる。
更に、本発明による水性消去性マーキングペンインキ組成物においては、上記油状物質のO/W型エマルジョンの安定化剤として、シクロデキストリン又はその誘導体(以下、これらを総称して、シクロデキストリン類ということがある。)を用いることができる。シクロデキストリンは、6乃至10のD−グルコピラノース基がα−(1,4)グルコシド結合によって環状に結合してなる糖オリゴマーであって、重合度がそれぞれ6、7及び8であるα−、β−及びγ−シクロデキストリンがよく知られている。
本発明においては、このようなα−、β−又はγ−シクロデキストリンのほか、それらの種々のメチル誘導体、例えば、2,6−ジメチル−β−シクロデキストリン、2,3,6−トリメチル−β−シクロデキストリン、部分メチル化β−シクロデキストリンや、マルトシルシクロデキストリン、グリコシルシクロデキストリン等も有効に用いられる。これらシクロデキストリン類は、いずれも、程度の差はあるが、水溶性である。
これらシクロデキストリン類は、インキ組成物において、1〜10重量%の範囲で用いられる。シクロデキストリン類のインキ組成物への配合量が1重量%よりも少ないときは、油状物質のエマルジョンの安定化の効果に乏しく、他方、10重量%を越えて過多に配合するときは、得られるインキ組成物が増粘して、筆記性に劣ることとなるほか、筆跡の筆記面への接着力が過度に強くなって、消去性にも劣ることとなる。本発明によれば、シクロデキストリン類のインキ組成物への配合量は、好ましくは、1.5〜5重量%の範囲である。
本発明によるインキ組成物は、必要に応じて、剥離助剤として、ノニオン界面活性剤を含有していてもよい。このようなノニオン界面活性剤として、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のようなポリオキシエチレンエーテル型ノニオン界面活性剤、多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテル等を挙げることができる。このようなノニオン界面活性剤は、特に限定されるものではないが、必要に応じて、インキ組成物に0.1〜5重量%の範囲で配合される。
更に、本発明によるインキ組成物は、必要に応じて、レベリング剤として、ジオクチルスルホ琥珀酸ナトリウムのようなアニオン界面活性剤のほか、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤等を含有していてもよい。このような界面活性剤剤も、特に限定されるものではないが、必要に応じて、インキ組成物に0.05〜5重量%の範囲で配合される。
本発明によるインキ組成物は、その製造方法において、特に、限定されるものではないが、例えば、次のようにして調製することができる。即ち、前述したように、水と共に、着色剤、分散剤としてのポリビニルアルコール樹脂、例えば、イソプロパノールのような着色剤の水への濡れ剤、必要に応じて、界面活性剤を容器に仕込み、均一に混合攪拌する。この後、ビーズミルやボールミルのような適宜の分散手段を用いて着色剤を微細な粒子状に水に均一に分散させる。この後、必要に応じて、これに水又は分散剤水溶液を加えて、着色剤の含有量を調整して、所要の着色剤含有量を有する着色剤水性分散体を得る。別に、前述したようにして、剥離剤として、油状物質のO/W型エマルジョンを調製する。
この後、容器に水と着色剤水性分散体を、必要に応じて、界面活性剤と共に仕込み、攪拌混合した後、油状物質のエマルジョンと、必要に応じて、防腐剤や防黴剤等を加え、攪拌混合すれば、本発明によるインキ組成物を得ることができる。
揺変剤を含むインキ組成物は、上述したようにして、着色剤水性分散体を得た後、容器に水と着色剤水性分散体を、必要に応じて、界面活性剤と共に仕込み、攪拌混合した後、油状物質のエマルジョンを加え、更に、揺変剤を加え、必要に応じて、防腐剤や防黴剤等を加え、攪拌混合することによって調製することができる。
前述した着色剤の水への濡れ剤として、通常、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級脂肪族アルコールが好ましく用いられるが、このような低級脂肪族アルコールは、インキ組成物の乾燥性を高めるのにも有用である。従って、本発明によれば、上記低級脂肪族アルコールは、全体として、インキ組成物に15重量%以下、好ましくは、1〜10重量%の範囲で配合することができる。
本発明による水性消去性マーキングペン用インキ組成物は、常温で難揮発性である油状物質が剥離剤としてO/W型エマルジョンとして水中に分散されていると共に、着色剤が所定のケン化度と粘度を有する水溶性ポリビニルアルコール樹脂を分散剤として用いて水中に分散されてなるものであり、しかも、上記ポリビニルアルコール樹脂は、着色剤に対して重量比で0.5〜5の範囲で、且つインキ組成物に基づいて1〜10重量%の範囲で用いられている。
従って、このような水性消去性マーキングペン用インキ組成物によれば、着色剤がポリビニルアルコール樹脂のすぐれた保護コロイド効果によって安定に分散されており、しかも、このポリビニルアルコール樹脂は、インキ組成物を用いて白板上に筆記したときは、常温で難揮発性である油状物質と混和することなく、着色剤を保護しつつ、造膜して、筆跡を形成する。
かくして、本発明による水性消去性マーキングペン用インキ組成物によれば、白板上の筆跡が未だ十分に乾燥していない筆記後の初期の段階においても、上記油状物質が白板と筆跡との間に介在しており、その筆跡を擦過することによって、白板上に色汚れを残すことなく、筆跡を消去することができる。他方、筆跡が乾燥した後は、造膜したポリビニルアルコール樹脂によって筆跡全体が塗膜化されているので、その筆跡を擦過することによって、筆跡である上記塗膜を容易に剥離することができるので、筆跡が乾燥後の消去性にもすぐれる。更に、本発明による水性消去性マーキングペン用インキ組成物は、経時的な粘度の安定性にもすぐれる。
本発明の更なる側面として、本発明によれば、インキ組成物は、揺変剤を含み、これによって、温度20℃において、応力が0.01Paのときの粘度が45mPa・s以上であり、応力が10Paのときの粘度が12mPa・s以下であるように、粘度が調節されていてもよい。
本発明においては、上記揺変剤として、通常、水溶性樹脂が好ましく用いられる。具体例として、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等や、ポリアクリル酸有機アミン塩、例えば、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、トリエタノールアミン塩等や、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリオールやポリエーテル、なかでも、種々の変性ポリオールや変性ポリエーテル等を挙げることができる。これらのなかでは、特に、ポリアクリル酸やポリアクリル酸アルカリ金属塩が好ましく用いられる。
このような揺変剤は、インキ組成物において、得られるインキ組成物が上述した範囲の粘度を有するように配合される。従って、揺変剤の配合量は、一律に定めにことができないが、例えば、好ましい揺変剤であるポリアクリル酸の場合であれば、インキ組成物に基づいて、通常、0.01〜3重量%の範囲、好ましくは、0.5〜2重量%の範囲で用いられる。
揺変剤を含む本発明による水性消去性インキ組成物は、温度20℃において、応力が0.01Paのときの粘度が45mPa・s以上であり、応力が10Paのときの粘度が12mPa・s以下である。温度20℃において、応力が0.01Paのときの粘度が45mPa・sよりも小さいインキ組成物は、時間の経過につれて、着色剤が中芯内で沈降し、マーキングペンの正倒立保存の違いにより筆跡の濃淡が出る。一方、温度20℃において、応力10Paのときの粘度が12mPa・sよりも大きいインキ組成物は、筆記に際して、繊維束チップからなるペン先からの流出性がよくなく、筆跡にかすれを生じる。また消去性が悪くなる。
従来、マーキングペン用インキ組成物の粘度は、回転式粘度計を用いて測定されることが多いが、回転式粘度計による粘度によっては、インキ組成物における前記色別れや顔料の沈降が起こらないようなインキ組成物の粘度値を求めることができず、従って、揺変剤を含む本発明による水性消去性インキ組成物は、レオメーターを用いて応力粘度を測定する必要がある。本発明によれば、特に応力0.01Paのときの粘度を45mPa・s以上としたインキ組成物にすれば、経時的な色別れや顔料の沈降が起こらないが、応力が0.01Paの状態とは、応力が極めて小さい状態であって、この状態において、インキ組成物の粘度が45mPa・sよりも大きいことが顔料の沈降分離を防止する上で重要である。
本発明によるこのようなインキ組成物は、特に、中芯が糸密度0.150〜0.260g/cm3 の繊維束からなるものを用いた中芯式マーキングペンに用いたときに、特に、経時的な筆跡の色別れや中芯での顔料の沈降がなく、高性能のマーキングペンを得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、インキ組成物における各成分の割合は重量%で表示されており、残部は水である。

実施例1
顔料分散体 黒色顔料分散体1) 40.0
剥離剤 イソオクタン酸セチルのエマルジョン(油状物質50%) 20.0
安定剤 α−シクロデキストリン 2.0
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.0
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

実施例2
顔料分散体 赤色顔料分散体2) 40.0
剥離剤 トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリルのエマルジョン
(油状物質50%) 20.0
安定剤 α−、β−及びγ−シクロデキストリン混合物 2.0
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.5
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

実施例3
顔料分散体 青色顔料分散体3) 40.0
剥離剤 イソオクタン酸セチルのエマルジョン(油状物質50%) 20.0
安定剤 α−、β−及びγ−シクロデキストリン混合物 2.0
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.0
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロン
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

実施例4
顔料分散体 緑色顔料分散体4) 40.0
剥離剤 トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリルのエマルジョン
(油状物質50%) 20.0
安定剤 α−シクロデキストリン 2.0
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.5
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

実施例5
顔料分散体 赤色顔料分散体2) 40.0
剥離剤 トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリドのエマルジョン
(油状物質50%) 20.0
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.5
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5
比較例1
顔料分散体 黒色顔料分散体5) 40.0
剥離剤 イソオクタン酸セチルのエマルジョン(油状物質50%) 20.0
安定剤 α−シクロデキストリン 2.0
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.0
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

比較例2
顔料分散体 赤色顔料分散体6) 40.0
剥離剤 トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリルのエマルジョン
(油状物質50%) 20.0
安定剤 α−、β−及びγ−シクロデキストリン混合物 2.0
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.5
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

比較例3
顔料分散体 青色顔料分散体7) 40.0
剥離剤 イソオクタン酸セチルのエマルジョン(油状物質50%) 20.0
安定剤 α−シクロデキストリン 2.0
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.0
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

比較例4
顔料分散体 緑色顔料分散体8) 40.0
剥離剤 トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリルのエマルジョン
(油状物質50%) 20.0
安定剤 α−、β−及びγ−シクロデキストリン混合物 2.0
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.5
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

比較例5
顔料分散体 黒色顔料分散体1) 40.0
剥離剤 トリメチロールプロパントリ(2−エチルヘキサノエート)
(20℃における粘度64.3mPa・s)のエマルション
(油状物質50%) 20.0
安定剤 α−シクロデキストリン 2.0
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.0
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

比較例6
顔料分散体 緑色顔料分散体8) 40.0
剥離剤 ホワイトミネラルオイル(20℃における粘度64.3mP
a・s)のエマルジョン(油状物質50%) 20.0
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.5
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5
(注1)用いた顔料水性分散体
1)カーボンブラック(スペシャル・ブラック100、デグサ社製)とポリビニルアルコール樹脂((株)クラレ製クラレポバールPVA−403、ケン化度78.5〜81.5モル%、4%水溶液の20℃における粘度2.8〜3.3mPa・s)水溶液(固形分15重量%)を重量比1:2の割合で容器中に仕込み、これに濡れ剤としてイソプロパノールを顔料1重量部に対して0.3重量部加えて、混合攪拌した後、ビーズミルを用いて、顔料を平均粒径0.2μmとして水に分散させた。得られた混合物に顔料の含有量が8重量%、ポリビニルアルコール樹脂の含有量が12重量%となるように、上記と同じポリビニルアルコール樹脂水溶液を加えて、黒色顔料水性分散体とした。
2)赤色顔料ノボパーム・レッドGLF(クラリアントジャパン(株)製)とポリビニルアルコール樹脂((株)クラレ製クラレポバールL−9−78、ケン化度76.5〜79.0モル%、4%水溶液の20℃における粘度6.0〜6.7mPa・s)水溶液(固形分15重量%)を重量比1:2の割合で容器中に仕込み、これに濡れ剤としてエタノールを顔料1重量部に対して0.2重量部加えて、混合攪拌した後、ビーズミルを用いて、顔料を平均粒径0.2μmとして水に分散させた。得られた混合物に顔料の含有量が8重量%、ポリビニルアルコール樹脂の含有量が12重量%となるように、上記と同じポリビニルアルコール樹脂水溶液を加えて、赤色顔料水性分散体とした。
3)青色顔料クロモフタール・ブルーA3RJ(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)とポリビニルアルコール樹脂((株)クラレ製クラレポバールPVA405、ケン化度80.0〜83.0モル%、4%水溶液の20℃における粘度4.5〜5.2mPa・s)水溶液(固形分15重量%)を重量比3:20の割合で容器中に仕込み、これに濡れ剤としてn−プロパノールを顔料1重量部に対して0.4重量部加えて、混合攪拌した後、ビーズミルを用いて、顔料を平均粒径0.2μmとして水に分散させた。得られた混合物に顔料の含有量が8重量%、ポリビニルアルコール樹脂の含有量が10重量%となるように、上記と同じポリビニルアルコール樹脂水溶液を加えて、青色顔料水性分散体とした。
4)緑色顔料リオノル・グリーン6YK(東洋インキ製造(株)製)とポリビニルアルコール樹脂(日本合成化学工業(株)製ゴーセノールKM−11、ケン化度76.7〜79.3モル%、4%水溶液の20℃における粘度11.7〜14.3mPa・s)水溶液(固形分15重量%)を重量比3:10の割合で容器中に仕込み、これに濡れ剤としてイソプロパノールを顔料1重量部に対して0.3重量部加えて、混合攪拌した後、ビーズミルを用いて、顔料を平均粒径0.3μmとして水に分散させた。得られた混合物に顔料の含有量が7重量%、ポリビニルアルコール樹脂の含有量が9重量%となるように、上記と同じポリビニルアルコール樹脂水溶液を加えて、緑色顔料水性分散体とした。
5)カーボンブラック(プリンテックスG、デグサ社製)とポリビニルアルコール樹脂((株)クラレ製クラレポバールPVA−210、ケン化度87.0〜89.0モル%、4%水溶液の20℃における粘度8.0〜10.0mPa・s)水溶液(固形分15重量%)を重量比1:2の割合で容器中に仕込み、これに濡れ剤としてイソプロパノールを顔料1重量部に対して0.3重量部加えて、混合攪拌した後、ビーズミルを用いて、顔料を平均粒径0.2μmとして水に分散させた。得られた混合物に顔料の含有量が8重量%、ポリビニルアルコール樹脂の含有量が10重量%となるように、上記と同じポリビニルアルコール樹脂水溶液を加えて、黒色顔料水性分散体とした。
6)赤色顔料ノボパーム・レッドGLF(クラリアントジャパン(株)製)とポリビニルアルコール樹脂((株)クラレ製クラレポバールPVA403、ケン化度78.5〜81.5モル%、4%水溶液の20℃における粘度2.8〜3.3mPa・s)水溶液(固形分15重量%)を重量比3:10の割合で容器中に仕込み、これに濡れ剤としてエタノールを顔料1重量部に対して0.3重量部加えて、混合攪拌した後、ビーズミルを用いて、顔料を平均粒径0.2μmとして水に分散させた。得られた混合物に顔料の含有量が10重量%、ポリビニルアルコール樹脂の含有量が5重量%となるように、水を加えて、赤色顔料水性分散体とした。
7)青色顔料モノライト・ブルー3R(アビシア(株)製)とポリビニルアルコール樹脂(日本合成化学工業(株)製ゴーセノールKM−11、ケン化度76.7〜79.3モル%、4%水溶液の20℃における粘度11.7〜14.3mPa・s)水溶液(固形分15重量%)を重量比3:10の割合で容器中に仕込み、これに濡れ剤としてプロピレングリコールを顔料1重量部に対して0.4重量部加えて、混合攪拌した後、ビーズミルを用いて、顔料を平均粒径0.2μmとして水に分散させた。得られた混合物に顔料の含有量が8重量%、ポリビニルアルコール樹脂の含有量が10重量%となるように、上記と同じポリビニルアルコール樹脂水溶液を加えて、青色顔料水性分散体とした。
8)緑色顔料ヘリオゲン・グリーンL9361(BASFジャパン(株)製)とポリビニルアルコール樹脂((株)クラレ製クラレポバールPVA−210、ケン化度87.0〜89.0モル%、4%水溶液の20℃における粘度8.0〜10.0mPa・s)水溶液(固形分15重量%)を重量比3:10の割合で容器中に仕込み、これに濡れ剤としてプロピレングリコールを顔料1重量部に対して0.4重量部加えて、混合攪拌した後、ビーズミルを用いて、顔料を平均粒径0.3μmとして水に分散させた。得られた混合物に顔料の含有量が9重量%、ポリビニルアルコール樹脂の含有量が4.5重量%となるように、水を加えて、緑色顔料水性分散体とした。
(注2)油状物質のエマルジョンの調製に用いたノニオン界面活性剤
イソオクタン酸セチルのエマルジョンの調製のためにはポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテルとポリオキシエチレン(5)オレイルエーテルとの混合物を用い、トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリルのエマルジョンの調製のためにはモノオレイン酸ポリオキエチレン(20)ソルビタンとモノステアリン酸ソルビタンとの混合物を用い、トリメチロールプロパントリ(2−エチルヘキサノエート)のエマルジョンの調製のためにはポリオキシエチレン(20)オレイルエーテルとポリオキシエチレン(2)オレイルエーテルとの混合物を用い、ホワイトミネラルのエマルジョンの調製のためにはモノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンとモノラウリン酸ソルビタンとの混合物を用いた。上記において、括弧内はエチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加モル数を示す。
以上のインキ組成物を中芯式マーキングペンに充填し、温度20℃、相対湿度65%の条件下で琺瑯白板上に所定の記号をそれぞれ筆記し、未乾燥時(筆記の5秒後)の筆跡と乾燥した筆跡(筆記の1か月後)について、200g荷重下でイレーザを用いてそれら筆跡を擦過して筆跡の消去性を調べた。即ち、5往復以内で消去できるときを「A」、10往復以内で消去できるときを「B」、20往復以内で消去できるときを「C」、20往復以内で消去できないときを「D」とした。
また、未乾燥時の白板汚れについては、上記未乾燥時の筆跡を消去した後、白板上に残存する汚れを目視にて評価して、汚れが全く残らないか、又は殆ど残らないときを◎、汚れが幾分、残っているときを△、汚れが著しく、筆跡が消去されていないようにみえるときを×とした。更に、インキ組成物の粘度安定性については、ELD型粘度計を用いて、1゜34’ローターで測定し得る回転数でインキ組成物の調製時と50℃で1か月間放置した後にそれぞれ粘度を測定して、粘度差が±2mPa・s以下であるときを◎とし、±2mPa・sを越えて、±5mPa・s以下であるときを○とし、±5mPa・sを越えて、±10mPa・s以下であるときを△とし、±10mPa・sを越えるときを×とした。結果を表1に示す。
第1表に示す結果から明らかなように、実施例1〜5による本発明のインキ組成物によれば、乾燥した筆跡の消去性にすぐれることは勿論、筆跡が未乾燥時であっても、消去性にすぐれており、また、筆跡を消去した後の白板上の色汚れも殆どない。更に、本発明のインキ組成物によれば、粘度の経時的安定性にすぐれている。
これに対して、比較例1のインキ組成物によれば、顔料水性分散体の調製に際して、ケン化度が85モル%を越えるポリビニルアルコール樹脂を用いているので、筆跡の未乾燥時に消去性が悪く、白板汚れが生じる。比較例2のインキ組成物によれば、顔料水性分散体において、ポリビニルアルコール樹脂/顔料重量比が0.5であるので、特に、インキ組成物が粘度の安定性に劣っているほか、筆跡の未乾燥時、白板汚れが生じる。
比較例3のインキ組成物によれば、顔料水性分散体の調製に際して、顔料の水への濡れ剤として、プロピレングリコールを用いるので、筆跡の未乾燥時に消去性が悪く、特に、白板汚れが著しい。比較例4のインキ組成物によれば、顔料水性分散体の調製に際して、顔料の水への濡れ剤として、プロピレングリコールを用いると共に、分散剤として、ケン化度が85モル%を越えるポリビニルアルコール樹脂を用いており、更に、顔料水性分散体において、ポリビニルアルコール樹脂/顔料重量比が0.5であるので、筆跡の未乾燥時、消去性に劣り、白板汚れが残るほか、インキ組成物が粘度の安定性に劣っている。
比較例5のインキ組成物によれば、油状物質として、本発明による粘度条件を満たさない油状物質を用いたので、筆跡の未乾燥時、消去性に劣ると共に、白板汚れが残る。比較例6のインキ組成物によれば、顔料水性分散体の調製に際して、顔料の水への濡れ剤として,プロピレングリコールを用いると共に、油状物質として、本発明による粘度条件を満たさない油状物質を用いたので、筆跡の未乾燥時、消去性に劣ると共に、白板汚れが生じ、更に、粘度安定性に欠ける。
実施例6
顔料分散体 黒色顔料分散体1) 35.0
剥離剤 イソオクタン酸セチルのエマルジョン(油状物質50%) 20.0
揺変剤 ポリアクリル酸アンモニウム 1.5
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.0
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

実施例7
顔料分散体 赤色顔料分散体2) 35.0
剥離剤 イソオクタン酸セチルのエマルジョン(油状物質50%) 20.0
揺変剤 ポリアクリル酸アンモニウム 1.5
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.0
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

実施例8
顔料分散体 黒色顔料分散体1) 35.0
剥離剤 トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリルのエマルジョン
(油状物質50%) 20.0
揺変剤 ポリアクリル酸アンモニウム 1.5
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.0
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

実施例9
顔料分散体 黒色顔料分散体1) 35.0
剥離剤 イソオクタン酸セチルのエマルジョン(油状物質50%) 20.0
揺変剤 ウレタン変性ポリオール 2.0
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.0
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

実施例10
顔料分散体 黒色顔料分散体1) 35.0
剥離剤 イソオクタン酸セチルのエマルジョン(油状物質50%) 10.0
トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリルのエマルジョン
(油状物質50%) 10.0
揺変剤 ポリアクリル酸アンモニウム 1.5
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.0
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

実施例11
顔料分散体 黒色顔料分散体1) 35.0
剥離剤 イソオクタン酸セチルのエマルジョン(油状物質50%) 20.0
揺変剤 ポリアクリル酸アンモニウム 1.5
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.0
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

実施例12
顔料分散体 黒色顔料分散体1) 35.0
剥離剤 イソオクタン酸セチルのエマルジョン(油状物質50%) 20.0
揺変剤 ポリアクリル酸アンモニウム 1.5
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.0
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

実施例13
顔料分散体 黒色顔料分散体1) 35.0
剥離剤 イソオクタン酸セチルのエマルジョン(油状物質50%) 20.0
揺変剤 ポリアクリル酸アンモニウム 1.5
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.0
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5
比較例7
顔料分散体 黒色顔料分散体1) 35.0
剥離剤 イソオクタン酸セチルのエマルジョン(油状物質50%) 20.0
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.0
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

比較例8
顔料分散体 赤色顔料分散体2) 35.0
剥離剤 イソオクタン酸セチルのエマルジョン(油状物質50%) 20.0
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.0
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

比較例9
顔料分散体 黒色顔料分散体1) 35.0
剥離剤 イソオクタン酸セチルのエマルジョン(油状物質50%) 20.0
揺変剤 ポリアクリル酸アンモニウム 4.0
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.0
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

比較例10
顔料分散体 赤色顔料分散体2) 35.0
剥離剤 イソオクタン酸セチルのエマルジョン(油状物質50%) 20.0
揺変剤 ポリアクリル酸アンモニウム 4.0
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.0
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5

比較例11
顔料分散体 黒色顔料分散体1) 35.0
剥離剤 イソオクタン酸セチルのエマルジョン(油状物質50%) 10.0
揺変剤 キサンタンガム 0.5
界面活性剤 ジオクチル琥珀酸ナトリウム 1.0
フッ素系界面活性剤(セイミケミカル(株)製サーフロンS
141) 0.2
防腐剤 プロクセルXL−2(アビシア(株)製) 0.5
(注1)用いた水性顔料分散体
1)カーボンブラック(スペシャル・ブラック100、デグサ社製))とポリビニルアルコール樹脂((株)クラレ製クラレポバールPVA−403、ケン化度78.5〜81.5モル%、4%水溶液の20℃における粘度2.8〜3.3mPa・s)水溶液(固形分15重量%)を重量比3:10の割合で容器中に仕込み、これに濡れ剤としてイソプロパノールを顔料1重量部に対して0.2重量部加えて、混合攪拌した後、ビーズミルを用いて、顔料を平均粒径0.2μmとして水に分散させた。得られた混合物に顔料の含有量が11.5重量%、ポリビニルアルコール樹脂の含有量が5.8重量%となるように、水を加えて、黒色顔料水性分散体とした。
2)上記黒色顔料水性分散体の調製において、カーボンブラックに代えて、赤色顔料(ノボパーム・レッドGLF、クラリアントジャパン(株)製)を用いた以外は、同様にして、赤色顔料水性分散体を調製した。
(注2)用いた揺変剤
1)ボリアクリル酸アンモニウム塩(クラリアントジャパン(株)製MOWIPLAS XW−330)
2)ウレタン変性ポリオール(株式会社旭電化社製アデカノールUH−752)
3)キサンタンガム((株)三晶社製ケルザン)
上記実施例6〜13及び比較例7〜11によるインキ組成物を糸密度0.185g/cm3 の繊維束からなる中芯に充填し、これにポリエステル繊維製のフェルトチップをペン先として取付けて試験用マーキングペンとし、これを用いて以下の試験を行った。結果を表2に示す。
(保存性)
温度50℃において、ペン先を上向き、下向き又は横向きの状態で1か月保存した後、筆記して、筆跡の濃度が保存前と比べて変化のないときを「A」とし、幾分、変化のあるときを「B」とし、著しい変化のあるときを「C」とした。
(消去性)
温度20℃、相対湿度65%の環境の下、筆記を行い、十分乾いた後の消去性を100gf荷重にてポリエステルイレーザーにより消去性を確認した。完全に消えるものを「A」、消え残りがあるものを「B」として評価した。
(応力下の粘度測定)
Haake社製粘度計RS75(レオメーター)を用いて、20℃において、DG41ALローターでのCS−フローカーブを測定した。
(E型回転粘度計による粘度測定)
トキメック社製E型粘度計(コーン−円盤レオメーター)ELDを用いて、20℃において、せん断速度Dが10s-1のときの粘度を測定した。即ち、コーンと円盤との間に1゜34’の角度を有するR24コーンを用い、円盤の回転速度を2.5rpmとして、せん断粘度を測定した。また、20℃において、せん断速度Dが200s-1のときの粘度を測定した。即ち、コーンと円盤との間に1゜34’の角度を有するR24コーンを用い、円盤の回転速度を50rpmとして、せん断粘度を測定した。
(文字認識性)
白板に文字を書き、その文字を真正面より見たときと、45°斜めよりみたときの認識性を比較した。全く同一の時は「A」、やや見え難いときは「B」、見えないときは「C」と評価した。
実施例に示されているように、温度20℃において、応力が0.01Paのときの粘度が45mPa・s以上であり、応力が10Paのときの粘度が12mPa・s以下であるインキ組成物は、時間の経過の後にも、筆記の際に色別れが起こらず、また、中芯中で顔料の沈降がない。しかも、消去性にすぐれており、また、斜めからみても、認識できる。
これに対して、比較例に示されているように、E型回転粘度計による粘度が実施例によるものとほぼ同じであっても、応力が0.01Pa又は10Paのときの粘度が本発明で規定する範囲をはずれるインキ組成物は、時間の経過の後には、筆記の際に色別れが生じ、また、中芯中で顔料が沈降する。また消去性のみならず、斜めからの認識性にも劣る。

Claims (8)

  1. 着色剤0.05〜20重量%と、剥離剤として常温(25℃)で難揮発性である油状物質1〜20重量%を水中に分散させてなる水性消去性マーキングペンインキ組成物であって、その製造において
    (a)着色剤がケン化度70〜85モル%、4%水溶液の20℃における粘度2〜30mPa・sの水溶性ポリビニルアルコール樹脂を上記着色剤に対して重量比で0.5〜5の範囲で、且つインキ組成物に基づいて1〜10重量%の範囲で分散剤として用いると共に炭素原子数2〜4の脂肪族低級アルコールを上記着色剤の水への濡れ剤として用いて水に分散させてなる着色剤水性分散体として配合されていると共に、
    (b)剥離剤が20℃において5〜40mPa・sの粘度を有する油状物質を乳化剤としてノニオン界面活性剤を用いて調製してなるO/W型エマルジョンとして配合されていることを特徴とする水性消去性マーキングペンインキ組成物。
  2. 油状物質が脂肪族カルボン酸エステル、高級炭化水素及び高級アルコールから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の水性消去性マーキングペンインキ組成物。
  3. 油状物質のエマルジョンの安定化剤としてシクロデキストリン類を含む請求項1に記載の水性消去性マーキングペンインキ組成物。
  4. 着色剤水性分散体が水溶性ポリビニルアルコール樹脂を着色剤に対して重量比で1〜3の範囲で分散剤として用いて、着色剤水に分散させてなるものである請求項記載の水性消去性マーキングペンインキ組成物。
  5. 濡れ剤を着色剤1重量部に対して0.1〜2重量部の範囲で用いる請求項1に記載の水性消去性マーキングペンインキ組成物。
  6. ノニオン界面活性剤をエマルジョンに基づいて1〜20重量%の範囲で用いる請求項1に記載の水性消去性マーキングペンインキ組成物。
  7. 温度20℃において、応力が0.01Paのときの粘度が45mPa・s以上であり、応力が10Paのときの粘度が12mPa・s以下であるように、更に揺変剤を含む請求項1に記載の水性消去性マーキングペンインキ組成物。
  8. 揺変剤がポリアクリル酸、ポリアクリル酸アルカリ金属塩、ポリアクリル酸有機アミン塩、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリオール及びポリエーテルから選ばれる少なくとも1種の水溶性樹脂である請求項7に記載の水性消去性マーキングペンインキ組成物。
JP2004005637A 2003-01-14 2004-01-13 水性消去性マーキングペンインキ組成物 Expired - Fee Related JP4129436B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004005637A JP4129436B2 (ja) 2003-01-14 2004-01-13 水性消去性マーキングペンインキ組成物

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003005462 2003-01-14
JP2003163302 2003-06-09
JP2003205323 2003-08-01
JP2004005637A JP4129436B2 (ja) 2003-01-14 2004-01-13 水性消去性マーキングペンインキ組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005068397A JP2005068397A (ja) 2005-03-17
JP4129436B2 true JP4129436B2 (ja) 2008-08-06

Family

ID=34426989

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004005637A Expired - Fee Related JP4129436B2 (ja) 2003-01-14 2004-01-13 水性消去性マーキングペンインキ組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4129436B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7910791B2 (en) 2000-05-22 2011-03-22 Coffey Arthur C Combination SIS and vacuum bandage and method

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5030400B2 (ja) * 2005-07-20 2012-09-19 株式会社サクラクレパス 洗濯により消去可能な着色材組成物
CN101864213B (zh) * 2010-06-13 2012-07-04 潘飞 一种环保书写液制备方法
JP2014227507A (ja) * 2013-05-24 2014-12-08 株式会社パイロットコーポレーション 筆記板用水性インキ組成物及びそれを内蔵したマーキングペン
US10729631B2 (en) * 2014-06-30 2020-08-04 Shiseido Company, Ltd. Oil-in-water emulsion composition
KR101666921B1 (ko) * 2015-01-26 2016-10-17 류일영 개인정보 유출방지용 기능성 잉크 제조방법
JP6896270B2 (ja) * 2017-04-13 2021-06-30 株式会社サクラクレパス 消去性着色材組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7910791B2 (en) 2000-05-22 2011-03-22 Coffey Arthur C Combination SIS and vacuum bandage and method

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005068397A (ja) 2005-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1085064B1 (en) Oily ink for writing instrument
JP3454498B2 (ja) 消去性インキ組成物及びこれを用いた水性ボールペン
EP2891691B1 (en) Aqueous pigment ink composition
JP4129436B2 (ja) 水性消去性マーキングペンインキ組成物
US7396400B2 (en) Water base erasable ink composition for use in marking pens
JP3512564B2 (ja) 水性消去性マーキングペンインキ組成物
JP3934427B2 (ja) 水性消去性マーキングペンインキ組成物
US20200062977A1 (en) Writing, marking, and/or drawing liquid for capillary systems, especially for applicator implements having a capillary system, and applicator implement
JP5138192B2 (ja) 筆記具
JP3619251B2 (ja) 消去性マーキング媒質組成物
WO1998026015A1 (fr) Encre pseudoplastique a base d'eau pour stylo a bille
JP5586135B2 (ja) 水性描画材
JPH07119383B2 (ja) 水性消去性マーキングペンインキ組成物
JPH0812916A (ja) ボールペン用水性白色顔料インキ
US20030171453A1 (en) Erasable Inks
JP2000256604A (ja) 消去性インキ組成物
EP3656826B1 (en) Process for preparing aqueous gel inks with fixed color, and aqueous gel inks thereof
JP2005023292A (ja) 消去性中芯式水性マーキングペン用インキ組成物
CN117083350A (zh) 油墨根除流体以及含有油墨根除流体的套件
JP4521130B2 (ja) 水性消去性マーキングペンインキ組成物とその製造方法
JP2017119839A (ja) 筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具
JP4402808B2 (ja) 顔料を含む油性ボールペン用インキ
JPH1025442A (ja) 水性消去性マーキングペンインキ組成物
JPS5998173A (ja) 筆記具用水性顔料インキ組成物
JP5651290B2 (ja) 消去性インキ組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071218

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080213

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080513

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080519

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130523

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130523

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees