JP3934427B2 - 水性消去性マーキングペンインキ組成物 - Google Patents

水性消去性マーキングペンインキ組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性消去性マーキングペンインキ組成物に関する。詳しくは、本発明は、水性であると共に、非吸収性乃至非浸透性の筆記面、代表的には所謂白板と呼ばれる筆記面に筆記した筆跡が乾燥した後は勿論、未だ十分に乾燥していない筆記後の初期の段階においても、筆跡の消去性にすぐれると共に、筆跡の消去後に白板に汚れを残さない水性消去性マーキングペンインキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、非吸収性乃至非浸透性の筆記面に筆記した筆跡を柔らかい布帛からなるイレーザ(白板拭き)にて軽く擦過することによって、筆記面から拭い去って、筆跡を消去するようにした水性の消去性マーキングペンインキ組成物が種々知られている。このような従来の水性消去性マーキングペンインキ組成物は、一般に、溶剤としての水、着色剤、造膜性樹脂と共に、剥離剤といわれる添加剤を含有しており、例えば、特開平1−252681号公報に記載されているように、脂肪族カルボン酸エステル等のような常温で難揮発性の油状物質がエマルジョンとしてインキ組成物中に配合されて、剥離剤として用いられている。
【0003】
更に、特開平10−25422号公報や特開平10−25443号公報には、上記剥離剤の安定化剤として、シクロデキストリンやその誘導体を配合してなる水性消去性マーキングペンインキ組成物も記載されている。
【0004】
しかし、このような従来の水性消去性マーキングペンインキ組成物においては、白板に筆記した後、筆跡が未だ十分に乾燥していない筆記後の初期の段階においては、その筆跡をイレーザで擦過しても、インキ組成物が白板上に残って、筆跡を十分に消去することができず、白板に色汚れが残る問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の水性消去性マーキングペンインキ組成物における上述した問題を解決するためになされたものであって、筆跡が乾燥した後は勿論のこと、筆跡が未だ十分に乾燥していない筆記後の初期の段階においても、筆跡の消去性にすぐれ、白板に色汚れを残さない水性消去性マーキングペンインキ組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による水性消去性マーキングペンインキ組成物は、
(a) 溶剤としての水、
(b) 着色剤、
(c) 常温で難揮発性であって、20℃における粘度が50mPa・秒以下の油状物質をノニオン界面活性剤を乳化剤として用いて調製したO/W型エマルジョン、及び
(d) 常温で造膜性を有する樹脂
を含有することを特徴とする水性消去性マーキングペンインキ組成物。
を含有することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において、マーキングペンとは、第1には、フェルトペンともいわれる筆記具であって、筒状の本体の先端にプラスチック成形物等からなるペン先を備えると共に、本体内にフェルト、繊維束等にインキを含浸させてなるインキ貯蔵手段を備え、このようなインキ貯蔵手段からペン先に毛細管現象を利用してインキを供給し、筆記を可能とする筆記具、所謂中芯式マーキングペンをいい、第2には、筒状の本体内にインキをそのまま、直接に貯蔵し、このインキをペン先に供給するようにした非中芯式又は所謂フリー・インキ型マーキングペンをいい、本発明による水性消去性マーキングペンインキ組成物は、このような筆記具に好適に用いることができる。
【0008】
本発明によるマーキングペンインキ組成物においては、溶剤として、水が用いられる。インキ組成物における水の量は、通常、50〜90重量%、好ましくは60〜80重量%の範囲である。
【0009】
本発明による水性消去性マーキングペンインキ組成物において、着色剤として、通常、顔料が用いられる。このような顔料は、有機顔料でもよく、無機顔料でもよい。具体例として、例えば、カーボンブラック、銅フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系顔料、スレン系、アゾ系、キナクリドン系、アンスラキノン系、ジオキサン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、インドレノン系、アゾ−アゾメチン系等の顔料を挙げることができるが、しかし、これらに限定されるものではない。また、蛍光顔料も用いられる。
【0010】
更に、着色剤として、顔料以外にも、例えば、樹脂微粒子を染料や顔料で着色したものや、内部に染料を取り込んだ樹脂微粒子も用いられる。これらは、通常、エマルジョンとして用いられる。
【0011】
しかし、本発明によれば、着色剤としては、上記顔料が好ましく用いられ、特に、水溶性樹脂や樹脂エマルジョンのような分散剤で顔料を水に分散させてなる顔料分散体として、インキ組成物に配合されていることが好ましい。上記分散剤としては、特に、スチレン−アクリル樹脂やスチレン−マレイン酸樹脂が好ましく、これらの樹脂は、顔料1重量部に対して、固形分にて、通常、0.05〜20重量部、好ましくは、0.1〜5重量部の範囲で用いられる。
【0012】
顔料の配合量がインキ組成物に基づいて0.1重量%よりも少ないときは、筆跡の濃度が薄すぎて、実用性に欠ける。しかし、40重量%を越えて過多に配合しても、それに見合って筆跡が一層濃くなることもなく、他方において、インキ組成物の粘度が高すぎるために、筆記性に劣ると共に、消去性も低下する。また、ペン先からキャップをはずして放置したとき、ペン先でインキ組成物が乾燥して、目詰まりを起こしやすい。特に、本発明によれば、顔料は、インキ組成物において、好ましくは、1〜30重量%の範囲で配合される。
【0013】
本発明による水性消去性マーキングペンインキ組成物において、筆跡の剥離剤として、常温で難揮発性であって、20℃における粘度が50mPa・秒以下の油状物質をノニオン界面活性剤を乳化剤として用いて調製したO/W型エマルジョンがインキ組成物に配合されている。上記油状物質としては、脂肪族カルボン酸エステル、高級炭化水素又は高級アルコールが好ましく用いられる。上記脂肪族カルボン酸エステルには、一塩基酸エステル、二塩基酸ジエステル、二価アルコールのモノ若しくはジエステル、三価アルコールのモノ、ジ若しくはトリエステル、ポリグリセリンエステル等を含むものとする。本発明においては、特に、このような脂肪族カルボン酸エステルが剥離剤として好ましく用いられる。
【0014】
このような常温(25℃)で難揮発性であって、20℃における粘度が50mPa・秒以下の油状物質として、例えば、イソオクタン酸セチル(20℃における粘度(以下、同じ)13.1mPa・秒)、ミリスチン酸イソプロピル(粘度5.4mPa・秒)、パルミチン酸イソプロピル(粘度7.8mPa・秒)、ステアリン酸イソオクチル(粘度15.0mPa・秒)、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル(粘度36.8mPa・秒)、アジピン酸ジイソプロピル(粘度4.2mPa・秒)、セバシン酸ジエチル(粘度6.1mPa・秒)、トリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリル(粘度28.3mPa・秒)等を挙げることができる。これらのなかでも、本発明においては、ステアリン酸イソオクチル、イソオクタン酸セチル又はトリ(カプリル酸カプリン酸)グリセリルが好ましく用いられる。
【0015】
本発明によれば、上記油状物質は、20℃において、5mPa・秒以上の粘度を有することが好ましい。また、上記油状物質は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。従って、単独では、20℃における粘度が50mPa・秒を越える油状物質であっても、また、単独では、20℃における粘度が5mPa・秒よりも小さい油状物質であっても、20℃において、別の油状物質との混合物としたとき、粘度が5〜50mPa・秒の範囲にあるとき、その油状物質を上記油状物質との混合物として用いることができる。例えば、アジピン酸ジイソプロピルは、単独では、20℃における粘度は4.2mPa・秒であるが、別の油状物質と混合して、その粘度を5〜50mPa・秒の範囲にあるようにして用いることができる。
【0016】
本発明によれば、剥離剤のエマルジョンは、ノニオン界面活性剤を乳化剤として用いて調製したものが用いられる。ここに、ノニオン界面活性剤は、エマルジョンにおいて、通常、1〜20重量%、好ましくは、2〜15重量%の範囲で用いられる。剥離剤のエマルジョンの調製において、ノニオン界面活性剤を20重量%を越えて用いるときは、得られるインキ組成物にて筆記したとき、筆跡にべたつきを生じて、消去性が低下する。しかし、ノニオン界面活性剤の使用量が1重量%よりも少ないときは、得られるエマルジョンの粒子径が大きく、エマルジョンが不安定となり、延いては、インキ組成物を不安定化する。
【0017】
上記ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール等を挙げることができる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル又はソルビタン脂肪酸エステルが好ましく用いられる。
【0018】
本発明によれば、このように、剥離剤のエマルジョンをノニオン界面活性剤を乳化剤として用いて調製することによって、その理由は必ずしも明らかではないが、得られるインキ組成物の筆跡の未乾燥時の消去性を著しく高めることができ、更に、白板の素材の如何にかかわらず、筆跡の乾燥後の消去性をも著しく高めることができる。特に、樹脂塗装白板上の筆跡の乾燥後の消去性を著しく高めることができる。
【0019】
しかし、本発明において、剥離剤のエマルジョンの調製方法は、特に制約を受けるものではなく、従来より知られている通常の乳化方法によって調製することができる。また、あれば、そのような市販品も用いることができる。
【0020】
本発明によるインキ組成物には、剥離剤として、上記常温(25℃)で難揮発性であって、20℃における粘度が50mPa・秒以下の油状物質が、通常、それ自体の重量にて、1〜20重量%の範囲で含有され、好ましくは、2〜15重量%の範囲で配合される。かくして、本発明のインキ組成物によれば、特に、筆跡の未乾燥時にこれを擦過して、白板に色汚れを残すことなく、消去することができる。
【0021】
インキ組成物において、剥離剤が1重量%よりも少ないときは、筆跡の消去性が十分でなく、他方、20重量%を越えて過多に配合するときは、筆跡が却って消去性に劣り、特に、筆跡が未乾燥時に擦過すれば、筆跡が延びて、白板を汚すこととなる。
【0022】
更に、本発明による水性消去性マーキングペンインキ組成物においては、上記剥離剤のエマルジョンの安定化剤として、シクロデキストリン又はその誘導体(以下、これらを総称して、シクロデキストリン類ということがある。)を用いることができる。シクロデキストリンは、6乃至10のD−グルコピラノース基がα−(1,4)グルコシド結合によって環状に結合してなる糖オリゴマーであって、重合度がそれぞれ6、7及び8であるα−、β−及びγ−シクロデキストリンがよく知られている。
【0023】
本発明においては、このようなα−、β−又はγ−シクロデキストリンのほか、それらの種々のメチル誘導体、例えば、2,6−ジメチル−β−シクロデキストリン、2,3,6−トリメチル−β−シクロデキストリン、部分メチル化β−シクロデキストリンや、マルトシルシクロデキストリン、グリコシルシクロデキストリン等も有効に用いられる。これらシクロデキストリン類は、いずれも、程度の差はあるが、水溶性である。
【0024】
これらシクロデキストリン類は、インキ組成物において、0.1〜20重量%の範囲で用いられる。シクロデキストリン類のインキ組成物への配合量が0.1重量%よりも少ないときは、エマルジョンの安定化の効果に乏しく、他方、20重量%を越えて過多に配合するときは、得られるインキ組成物が増粘して、筆記性に劣ることとなるほか、筆跡の筆記面への接着力が過度に強くなって、消去性にも劣ることとなる。本発明によれば、シクロデキストリン類のインキ組成物への配合量は、好ましくは、0.3〜15重量%の範囲であり、最も好ましくは、0.5〜10重量%の範囲である。
【0025】
更に、本発明によるインキ組成物は、非吸収面上に筆記し、水が揮散した後に、筆跡が前記着色剤を含む樹脂からなる被膜又は層を有し、且つ、この樹脂被膜又は層が前述した剥離剤の層と分離し得るように、常温で造膜性を有する水不溶性樹脂のエマルジョン若しくはヒドロゾル、又は、本来、水不溶性であるが、塩基による造塩によって水可溶化された樹脂か、又は水溶性樹脂(以下、これらの樹脂を常温造膜性樹脂ということがある。)を含有する。
【0026】
本発明において、このような常温造膜性樹脂としては、好ましくは、
(1) ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂若しくはウレタン樹脂のエマルジョン又はヒドロゾル、
(2) 水可溶化された酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂又はウレタン樹脂、又は(3) 水溶性樹脂、又は
(4) これらの任意の組合わせ
が用いられる。
【0027】
上記エマルジョン若しくはヒドロゾル又は水可溶化された酢酸ビニル共重合体における共単量体としては、酢酸ビニル以外のビニルエステル化合物、例えばプロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等、不飽和カルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸等、或いはビニル炭化水素、例えば、エチレン、プロピレン、スチレン、α−メチルスチレン等を挙げることができる。これらは混合して共単量体として用いられてもよい。更に、上記に加えて、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル等の前記不飽和カルボン酸のエステル類も共単量体として用いることができる。また、酢酸ビニル共重合体は、ポリ酢酸ビニルへのグラフト共重合体であってもよい。
【0028】
特に、好ましい酢酸ビニル共重合体の具体例として、例えば、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−メタクリル酸共重合体、酢酸ビニル−スチレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−スチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸−アクリル酸メチル共重合体、酢酸ビニル−メタクリル酸−アクリル酸メチル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体、酢酸ビニル−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等を挙げることができる。ポリ酢酸ビニルや、上記したような酢酸ビニル共重合体のエマルジョン及びヒドロゾルは、容易に市販品として入手することができる。
【0029】
また、水可溶化された酢酸ビニル共重合体とは、上記したような酢酸ビニル共重合体を無機又は有機塩基によって造塩させて水可溶化したものであって、ナトリウムやカリウムのようなアルカリ金属塩、アンモニウム塩や有機アミン塩のような有機塩を挙げることができる。このような水可溶化された酢酸ビニル共重合体も、市販品として入手することができる。
【0030】
同様に、水可溶化されたアルキド樹脂も、過剰量の多塩基酸と多価アルコールとから得られる遊離カルボキシル基を有するアルキド樹脂をアルカリ金属塩基、アンモニウム塩基、有機アミン等にて中和造塩させて、水可溶化してなるもので、これらも市販品として入手することができる。
【0031】
また、水可溶化されたウレタン樹脂も、例えば、重合体主鎖にカルボキシル基を有せしめ、このカルボキシル基をアルカリ金属塩基、アンモニウム塩基、有機アミン等にて中和造塩させて、水可溶化してなるもので、これらも市販品として入手することができる。更に、アルキド樹脂やウレタン樹脂のエマルジョンやヒドロゾルも市販品として入手することができる。
【0032】
水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の合成樹脂が好ましく用いられる。また、アラビアゴム、セラック等の天然の水溶性樹脂も用いることができる。
【0033】
このような常温造膜性樹脂は、本発明によるインキ組成物において、固形分として、0.1〜20重量%、好ましくは、0.3〜15重量%の範囲で含有される。樹脂を過多に含有させるときは、インキ組成物の粘度が高すぎるために、筆記性に劣ると共に、消去性も低下する。他方、樹脂の含量が過少にすぎるときは、筆跡が延びて、筆記面を汚すほか、筆跡の消去性が劣る。
【0034】
本発明によるインキ組成物は、必要に応じて、剥離助剤として、ノニオン界面活性剤を含有していてもよい。このようなノニオン界面活性剤として、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のようなポリオキシエチレンエーテル型ノニオン界面活性剤、多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテル等を挙げることができる。このようなノニオン界面活性剤は、特に限定されるものではないが、必要に応じて、インキ組成物に0.1〜5重量%の範囲で配合される。
【0035】
更に、本発明によるインキ組成物は、必要に応じて、レベリング剤として、ジオクチルスルホ琥珀酸ナトリウムのようなアニオン界面活性剤のほか、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤等を含有していてもよい。このような界面活性剤剤も、特に限定されるものではないが、必要に応じて、インキ組成物に0.1〜5重量%の範囲で配合される。
【0036】
また、本発明によれば、インキ組成物は、濡れ剤として、フッ素系界面活性剤を含有していてもよい。フッ素系界面活性剤も、特に限定されるものではないが、必要に応じて、インキ組成物に0.1〜5重量%の範囲で配合される。
【0037】
本発明によるインキ組成物は、筆跡の乾燥性を高める乾燥促進剤として、インキ組成物に含まれる前記エマルジョンを破壊しない程度において、通常、インキ組成物に基づいて15重量%以下、好ましくは1〜10重量%の範囲で低級脂肪族アルコールを含有していてもよい。特に、エタノール、プロパノール又はブタノールが好ましく用いられる。
【0038】
また、インキ組成物は、上記以外に、必要に応じて、通常、水性インキ組成物に配合される任意のpH調整剤や防腐剤、防腐剤等を含有していてもよい。
【0039】
非吸収性乃至非浸透性筆記面上の本発明によるインキ組成物による筆跡は、これから水が蒸発したときは、即ち、筆跡が乾燥したときは、前記樹脂が着色剤を含有しつつ、造膜し、他方、前記剥離剤としての脂肪族カルボン酸エステル、高級炭化水素、高級アルコール等の常温で難揮発性の油状物質のエマルジョンが破壊されて、前述した油状層が非吸収性筆記面と上記樹脂膜との間に介在して形成されるので、筆跡が消去性を有する。
【0040】
剥離助剤としての界面活性剤は、筆記に際して、筆跡における上記油状層と顔料を含む樹脂膜との分離を助ける効果を有する。しかし、界面活性剤はまた、筆記時のレベリング性を高めると共に、筆記面上での乾燥前の筆跡における剥離剤エマルジョンの偏在をなくして、筆跡の乾燥後に一様な消去性を付与する効果も有する。
【0041】
本発明によるインキ組成物は、例えば、樹脂と界面活性剤を水に溶解させ、必要に応じて、シクロデキストリン類を加え、攪拌した後、顔料水分散体と剥離剤のエマルジョンを加え、攪拌することによって得ることができる。しかし、本発明によるインキ組成物は、その製造方法において、特に限定されるものではない。
【0042】
【発明の効果】
本発明による水性消去性マーキングペン用インキ組成物は、溶剤としての水と着色剤と常温で造膜性を有する樹脂と共に、剥離剤として、常温で難揮発性であって、20℃における粘度が50mPa・秒以下の油状物質をノニオン界面活性剤を乳化剤として用いて調製したO/W型エマルジョンを有し、白板上の筆跡が未だ十分に乾燥していない筆記後の初期の段階においても、その筆跡を擦過することによって、白板上に色汚れを残すことなく、筆跡を消去することができる。勿論、筆跡が乾燥した後の筆跡の消去性にもすぐれる。
【0043】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、インキ組成物において各成分の割合は重量%で示されており、残部は水である。
【0044】
また、以下において、剥離剤のエマルジョンは次のようにて調製した。油状物質50重量部と乳化剤10重量部を秤量し、80℃で攪拌した後、これにグリセリン5重量部を含むイオン交換水を加え、攪拌した。この後、室温まで冷却し、更に、イオン交換水を加え、攪拌して、剥離剤のエマルジョン100重量部を調製した。従って、エマルジョン中の剥離剤(油状物質)の量は50重量%であり、ノニオン界面活性剤の量は10重量%である。剥離剤の粘度は、ELD型粘度計(東機産業(株)製)を用いて、1°34’ロータ10rpm又は測定可能な回転数にて20℃において測定した。
【0045】
Figure 0003934427
【0046】
Figure 0003934427
【0047】
Figure 0003934427
【0048】
Figure 0003934427
【0049】
Figure 0003934427
【0050】
Figure 0003934427
【0051】
Figure 0003934427
【0052】
Figure 0003934427
【0053】
Figure 0003934427
【0054】
Figure 0003934427
【0055】
Figure 0003934427
【0056】
Figure 0003934427
【0057】
(注)1)ランプ・ブラック101(デグサ社製カーボンブラック)15%とジョンクリル70(スチレン−アクリル樹脂水溶液(固形分30%)、ジョンソンポリマー(株)製)10%を含む水分散液
2)ユニチカ化成(株)製ポリビニルアルコール樹脂
3)三洋化成工業(株)製ジオクチルスルホ琥珀酸ナトリウム
4)セイミケミカル(株)製パーフルオロアルキルアミンオキシド
5)武田薬品工業(株)製ベンズイミダゾール系防腐防かび剤
6)アビシア(株)製1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン(防腐防かび剤)
7)ノヴォパーム・レッドGLF(クラリアントジャパン(株)製赤色顔料)15%とジョンクリル63(スチレン−アクリル樹脂水溶液(固形分30%)、ジョンソンポリマー(株)製)10%を含む水分散液
8)日本合成化学工業(株)製ポリビニルアルコール樹脂
9)共栄社化学(株)製有機変性シリコーン
10)(株)クラレ製ポリビニルアルコール樹脂
11)エアープロダクツジャパン(株)製テトラメチルデシンジオールポリオキシエチレン付加物
【0058】
以上のインキ組成物を中芯式マーキングペンに充填し、温度20℃、相対湿度65%の条件下で琺瑯白板及びアクリル樹脂塗装白板上に所定の記号をそれぞれ筆記し、所定時間の後、イレーザで擦過して、筆跡の消去性を調べた。即ち、上記筆跡を消去できるまでの擦過回数を数えると共に、白板上に残存する筆跡(色汚れ)を色差計(ミノルタ(株)製CR−300)を用いて測定し、白板自体との色差ΔEにて評価した。即ち、白板と色汚れの色空間におけるそれぞれの座標値の差をΔL、ΔaL 及びΔbL とすれば、ΔE= (ΔL2+ΔaL 2+ΔbL 2)1/2 で定義される。結果を表1及び表2に示す。
【0059】
【表1】
Figure 0003934427
【0060】
【表2】
Figure 0003934427
【0061】
表1及び表2に示す結果から明らかなように、本発明のインキ組成物によれば、筆跡が乾燥後(即ち、筆記して1週間後)の消去性にすぐれることは勿論、筆跡が未乾燥時(即ち、筆記して5秒後)であっても、消去性にすぐれており、筆跡を消去した後の白板上の色汚れも殆どない。
【0062】
これに対して、比較例1及び2のインキ組成物によれば、剥離剤として用いる油状物質の粘度が20℃において50mPa・秒を越えるために、筆跡が未乾燥時(即ち、筆記して5秒後)の消去性に劣っている。また、比較例3及び4のインキ組成物によれば、剥離剤として用いる油状物質の粘度は20℃において50mPa・秒以下であるものの、剥離剤のエマルジョンをアニオン界面活性剤を乳化剤として用いて調製したものを用いたために、筆跡が未乾燥時、特に、塗装白板上での筆跡の消去性に劣っており、更に、筆跡が乾燥後(即ち、筆記して1週間後)、塗装白板(メラミン塗装白板)上での筆跡の消去性に著しく劣っている。

Claims (4)

  1. (a) 溶剤としての水、
    (b) 着色剤、
    (c) イソステアリン酸2−エチルヘキシルとパルミチン酸イソオクチルから選ばれる少なくとも1種の油状物質をノニオン界面活性剤を乳化剤として用いて調製したO/W型エマルジョン、及び
    (d) 常温で造膜性を有する樹脂を含有することを特徴とする水性消去性マーキングペンインキ組成物。
  2. (a) 溶剤としての水、
    (b) 着色剤、
    (c) イソステアリン酸2−エチルヘキシルとパルミチン酸イソオクチルから選ばれる少なくとも1種の油状物質をノニオン界面活性剤を乳化剤として用いて調製したO/W型エマルジョン、
    (d) 常温で造膜性を有する樹脂、及び
    (e) 剥離助剤としての界面活性剤を含有することを特徴とする水性消去性マーキングペンインキ組成物。
  3. 常温で造膜性を有する樹脂がポリビニルアルコール樹脂である請求項1又は2に記載の水性消去性マーキングペンインキ組成物。
  4. エマルジョンの安定化剤としてシクロデキストリン類を含む請求項1からのいずれかに記載の水性消去性マーキングペンインキ組成物。
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