JP3512563B2 - 水性消去性マーキングペンインキ組成物 - Google Patents

水性消去性マーキングペンインキ組成物

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JP3512563B2 JP18327196A JP18327196A JP3512563B2 JP 3512563 B2 JP3512563 B2 JP 3512563B2 JP 18327196 A JP18327196 A JP 18327196A JP 18327196 A JP18327196 A JP 18327196A JP 3512563 B2 JP3512563 B2 JP 3512563B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性消去性マーキ
ングペンインキ組成物に関し、特に、水性であると共
に、非吸収性乃至非浸透性の筆記面、代表的には所謂白
板と呼ばれる筆記面に筆記した筆跡の消去性にすぐれる
マーキングペンインキ組成物において、所謂剥離剤とし
てインキ組成物に含まれる常温で難揮発性の油状物質の
エマルジョンを安定化し、延いては、消去性が長期間に
わたって安定に保持されるように改善したマーキングペ
ンインキ組成物に関する。
【0001】
【従来の技術】従来、非吸収性乃至非浸透性の筆記面に
筆記した筆跡を柔らかい布帛からなるイレーザー(白板
拭き)にて軽く擦過することによって、筆記面から拭い
去って、筆跡を消去するようにした水性の消去性マーキ
ングペンインキ組成物が種々知られている。このような
従来の水性消去性マーキングペンインキ組成物は、一般
に、溶剤としての水、着色剤、造膜性樹脂と共に、剥離
剤といわれる添加剤を含有しており、例えば、特開平1
−252681号公報に記載されているように、脂肪族
カルボン酸エステル等のような常温で難揮発性の油状物
質がエマルジョンとしてインキ組成物中に配合されて、
剥離剤として用いられている。
【0002】このように、従来の水性消去性マーキング
ペンインキ組成物においては、剥離剤がインキ組成物に
おいてO/W型のエマルジョン、即ち、微細な粒子とし
て、存在するために、必ずしも安定ではなく、凝集し、
分離することがあり、このように、長期間にわたる貯蔵
安定性に劣る問題がある。そして、このように、剥離剤
がインキ組成物において凝集し、分離すれば、筆跡が消
去され難くなることは勿論、筆記自体、困難となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来の
水性消去性マーキングペンインキ組成物における上述し
た問題を解決するために鋭意研究した結果、インキ組成
物中に上記エマルジョンとしての剥離剤と共に、このエ
マルジョンの安定化剤として、シクロデキストリン又は
その誘導体を配合することによって、得られるインキ組
成物の安定性を向上させることができ、更に、これに加
えて、ある種の選ばれた界面活性剤を配合するとき、そ
の共同作用によって、上記エマルジョンを含むインキ組
成物の安定性を格段に高めることができ、しかも、得ら
れるインキ組成物の粘度を低減して、その筆記性を改善
することができ、かくして、水性消去性マーキングペン
インキ組成物の貯蔵安定性と筆記性を高め、延いては、
長期間にわたる放置の後にも、すぐれた消去性と筆記性
とを保持せしめることができることを見出して、本発明
に至ったものである。
【0004】従って、本発明は、剥離剤として、常温で
難揮発性の油状物質のエマルジョンを含む水性消去性マ
ーキングペンインキ組成物において、そのエマルジョン
を含むインキ組成物の貯蔵安定性と筆記性とを高め、延
いては、長期間にわたる放置の後にも、すぐれた消去性
と筆記性とを確保することができる水性消去性マーキン
グペンインキ組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による水性消去性
マーキングペンインキ組成物は、 (a) 溶剤としての水、 (b) 着色剤、 (c) 常温で難揮発性の油状物質のエマルジョン、 (d) シクロデキストリン又はその誘導体、 (e) 樹脂、及び (f) スルホ脂肪酸エステル塩を含有することを特徴とす
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、マーキングペン
とは、第1には、フェルトペンともいわれる筆記具であ
って、フェルト、繊維束、筒状の本体の先端にプラスチ
ック成形物等からなるペン先を備えると共に、本体内に
フェルト、繊維束等にインキを含浸させてなるインキ貯
蔵手段を備え、このようなインキ貯蔵手段からペン先に
毛細管現象を利用してインキを供給し、筆記を可能とす
る筆記具、所謂中芯式マーキングペンをいい、第2に
は、筒状の本体内にインキをそのまま、直接に貯蔵し、
このインキをペン先に供給するようにした非中芯式又は
所謂フリー・インキ型マーキングペンをいい、本発明に
よる水性消去性マーキングペンインキ組成物は、このよ
うな筆記具のいずれにも好適に用いることができる。
【0007】本発明によるマーキングペンインキ組成物
においては、溶剤として、水が用いられる。インキ組成
物における水の量は、通常、50〜90重量%、好まし
くは60〜80重量%の範囲である。
【0008】本発明による水性消去性マーキングペンイ
ンキ組成物において、着色剤としては、好ましくは、顔
料が用いられる。顔料としては、カーボンブラック、銅
フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系、スレン
系、アゾ系、キナクリドン系、アンスラキノン系、ジオ
キサン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリノン系、
ペリレン系、インドレノン系、アゾ−アゾメチン系等、
任意のものが用いられる。また、蛍光顔料も用いられ
る。既に、種々の顔料を水に分散させてなる分散体が市
販されており、本発明においても、かかる市販品を好ま
しく用いることができる。上記顔料分散体には、顔料の
分散剤として、種々の樹脂分散剤や界面活性剤等が配合
されていることがあるので、本発明によるインキ組成物
においても、かかる樹脂、界面活性剤等が含有されてい
てもよい。顔料分散剤は、それ自体、公知であって、通
常、顔料1重量部に対して、固形分にて0.05〜20重
量部、好ましくは0.1〜5重量部の範囲で用いられる。
【0009】また、本発明においては、着色剤として、
プラスチック・ピグメントとして知られている樹脂粒子
も用いられる。プラスチック・ピグメントは、乳化
(共)重合によって得られるポリスチレン、アクリル−
スチレン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化
ビニル樹脂等の中空の粒径0.3〜1.0μm程度の樹脂粒
子のエマルジョンである。更に、本発明においては、こ
のようなプラスチック・ピグメントを顔料又は染料にて
着色したものも、着色剤として好適に用いることができ
る。
【0010】このような着色剤は、本発明によるインキ
組成物において、通常、0.1〜30重量%の範囲で含有
され、好ましくは、1〜20重量%の範囲で含有され
る。着色剤を過多に含有させるときは、インキ組成物の
粘度が高すぎるために、筆記性に劣ると共に、消去性も
低下する。他方、着色剤の含量が過少にすぎるときは、
筆跡の濃度が薄く、実用的ではない。
【0011】本発明による水性消去性マーキングペンイ
ンキ組成物において、筆跡の剥離剤として、常温で難揮
発性の液状物質がエマルジョンの形態にてインキ組成物
に配合されている。このような常温で難揮発性の液状物
質としては、従来より、水性消去性インキ組成物におい
て、剥離剤として、常温で難揮発性の液状物質のエマル
ジョンとして配合されているものであれば、特に、限定
されることなく、いずれでも用いることができる。
【0012】特に、本発明においては、常温で難揮発性
の液状物質としては、前述した特開平1−252681
号公報に記載されているように、常温で難揮発性の油状
の脂肪族カルボン酸エステル、高級炭化水素又は高級ア
ルコールが好ましく用いられる。
【0013】上記脂肪族カルボン酸エステルとしては、
エステルが一塩基酸エステル、二塩基酸ジエステル、二
価アルコールのモノ若しくはジエステル、又は三価アル
コールのモノ、ジ若しくはトリエステル等が好ましく用
いられる。特に好ましい具体例としては、一塩基酸エス
テル、特に、高級脂肪酸エステルであるミリスチン酸プ
ロピル、パルミチン酸ブチル、ステアリン酸ブチル等、
脂肪族二塩基酸ジアルキルエステルであるドデカン二酸
ジオクチル、アジピン酸ジプロピル、セバシン酸ジオク
チル、アゼライン酸ジオクチル等、二価アルコールエス
テルであるプロピレングリコールモノステアレート、プ
ロピレングリコールのデカン酸ジエステル、三価アルコ
ールトリエステルである天然又は合成の脂肪酸トリグリ
セリドやトリメチロールプロパントリイソステアレート
等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上
の混合物として用いられる。
【0014】剥離剤としての高級炭化水素は、通常、流
動パラフィンと呼ばれているものや、或いはスクワラン
等が好適に用いられるが、例えば、酸化ポリエチレンワ
ックスのように、一部酸化されていてもよい。また、常
温で液状の高級アルコールとしては、特に、限定される
ものではないが、例えば、ヘキシルアルコール、オクチ
ルアルコール、ラウリルアルコール等が好ましく用いら
れる。
【0015】このような脂肪族カルボン酸エステル、高
級炭化水素又は高級アルコールの水性エマルジョンは、
通常の乳化方法によって調製することができる。また、
市販品も用いることができる。更に、必要に応じて、脂
肪族カルボン酸エステル、高級炭化水素又は高級アルコ
ールの2種以上の水性エマルジョンをインキ組成物に配
合することもできる。
【0016】本発明によるインキ組成物には、剥離剤と
しての常温で難揮発性の油状物質が、通常、それ自体の
重量にて、1〜50重量%の範囲で含有され、好ましく
は2〜20重量%の範囲で含有される。インキ組成物に
おいて、このような剥離剤が1重量%よりも少ないとき
は、十分な筆跡の消去性を得ることができず、他方、5
0重量%を越えて過多に配合しても、筆跡が伸びて、筆
記面を汚すほか、却って筆跡の消去性の低下を招く。
【0017】本発明による水性消去性マーキングペンイ
ンキ組成物においては、上記エマルジョンの安定化剤と
して、シクロデキストリン又はその誘導体(以下、これ
らを総称して、シクロデキストリン類ということがあ
る。)を含む。シクロデキストリンは、6乃至10のD
−グルコピラノース基がα−(1,4)グルコシド結合に
よって環状に結合してなる糖オリゴマーであって、重合
度がそれぞれ6、7及び8であるα−、β−及びγ−シ
クロデキストリンがよく知られている。
【0018】本発明においては、このようなα−、β−
又はγ−シクロデキストリンのほか、それらの種々のメ
チル誘導体、例えば、2,6−ジメチル−β−シクロデキ
ストリン、2,3,6−トリメチル−β−シクロデキストリ
ン、部分メチル化β−シクロデキストリンや、マルトシ
ルシクロデキストリン、グリコシルシクロデキストリン
等も有効に用いられる。これらシクロデキストリン類
は、いずれも、程度の差はあるが、水溶性である。
【0019】これらシクロデキストリン類は、本発明に
よるインキ組成物において、0.1〜20重量%の範囲で
用いられる。シクロデキストリン類のインキ組成物への
配合量が0.1重量%よりも少ないときは、エマルジョン
の安定化の効果に乏しく、他方、20重量%を越えて過
多に配合するときは、得られるインキ組成物が増粘し
て、筆記性に劣ることとなるほか、筆跡の筆記面への接
着力が過度に強くなって、消去性にも劣ることとなる。
本発明によれば、シクロデキストリン類のインキ組成物
への配合量は、好ましくは、0.5〜10重量%の範囲で
あり、最も好ましくは、1〜5重量%の範囲である。
【0020】本発明によれば、上記シクロデキストリン
類と共に、界面活性剤としてスルホ脂肪酸エステル塩
インキ組成物に配合することによって、上記シクロデキ
ストリン類と上記スルホ脂肪酸エステル塩との共同作用
によって、特に、着色剤として顔料を含むと共に、剥離
剤エマルジョンを含むインキ組成物の安定性を一層高め
ることができる。
【0021】シクロデキストリン類と共に、上記スルホ
脂肪酸エステル塩をインキ組成物に配合することによっ
て、インキ組成物の安定性を高めることができる理由は
必ずしも明らかではないが、本発明によるインキ組成物
には種々の粒子物質、即ち、剥離剤である前記油状物質
のほか、顔料粒子や、後述するように、樹脂成分とし
て、樹脂エマルジョンを用いた場合には、樹脂粒子のよ
うな種々の粒子が含まれており、ここで、上記スルホ脂
肪酸エステル塩は、そのような種々の粒子の表面に吸着
し、これら粒子の表面状態を同じようにし、このような
粒子をシクロデキストリン類が包接し、又はこのような
粒子にシクロデキストリン類が吸着するので、種々の粒
子が相互に共存しやすくなって、インキ組成物の安定性
が飛躍的に高まるものとみられる。
【0022】上記スルホ脂肪酸エステル塩としては、例
えば、ジオクチルスルホコハク酸塩、特に、ナトリウム
塩を例示することができる。このようなジオクチルスル
ホコハク酸塩は、よく知られており、市販品として容易
に入手することができる。
【0023】ジオクチルスルホコハク酸塩は、本発明に
よるインキ組成物において、0.01〜10重量%の範囲
で用いられる。ジオクチルスルホコハク酸塩のインキ組
成物への配合量が0.01重量%よりも少ないときは、イ
ンキ組成物の安定化に殆ど効果なく、他方、10重量%
を越えるときは、インキ組成物を増粘させるので、筆記
し難くなるほか、消去性をも阻害する。
【0024】更に、本発明によるインキ組成物は、非吸
収面上に筆記し、水が揮散した後に、筆跡が前記着色剤
を含む樹脂からなる被膜又は層を有し、且つ、この樹脂
被膜又は層が前述した剥離剤の層と分離し得るように、
常温で造膜性を有する水不溶性樹脂のエマルジョン若し
くはヒドロゾル、又は、本来、水不溶性であるが、塩基
による造塩によって水可溶化された樹脂か、又は水溶性
樹脂(以下、これらの樹脂を常温造膜性樹脂ということ
がある。)を含有する。
【0025】本発明において、このような常温造膜性樹
脂としては、好ましくは、 (1) ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル共重合体、アルキド樹
脂若しくはウレタン樹脂のエマルジョン又はヒドロゾ
ル、 (2) 水可溶化された酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂
又はウレタン樹脂、又は(3) 水溶性樹脂、又は (4) これらの任意の組合わせが用いられる。
【0026】上記エマルジョン若しくはヒドロゾル又は
水可溶化された酢酸ビニル共重合体における共単量体と
しては、酢酸ビニル以外のビニルエステル化合物、例え
ばプロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等、不飽
和カルボン酸、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ク
ロトン酸、シトラコン酸等、或いはビニル炭化水素、例
えば、エチレン、プロピレン、スチレン、α−メチルス
チレン等を挙げることができる。これらは混合して共単
量体として用いられてもよい。更に、上記に加えて、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチ
ル、マレイン酸ジメチル等の前記不飽和カルボン酸のエ
ステル類も共単量体として用いることができる。また、
酢酸ビニル共重合体は、ポリ酢酸ビニルへのグラフト共
重合体であってもよい。
【0027】特に、好ましい酢酸ビニル共重合体の具体
例として、例えば、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体、
酢酸ビニル−メタクリル酸共重合体、酢酸ビニル−スチ
レン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−スチレン−無
水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸−アク
リル酸メチル共重合体、酢酸ビニル−メタクリル酸−ア
クリル酸メチル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸−ア
クリル酸エチル共重合体、酢酸ビニル−メタクリル酸−
メタクリル酸メチル共重合体、酢酸ビニル−無水マレイ
ン酸共重合体等を挙げることができる。ポリ酢酸ビニル
や、上記したような酢酸ビニル共重合体のエマルジョン
及びヒドロゾルは、容易に市販品として入手することが
できる。
【0028】また、水可溶化された酢酸ビニル共重合体
とは、上記したような酢酸ビニル共重合体を無機又は有
機塩基によって造塩させて水可溶化したものであって、
ナトリウムやカリウムのようなアルカリ金属塩、アンモ
ニウム塩や有機アミン塩のような有機塩を挙げることが
できる。このような水可溶化された酢酸ビニル共重合体
も、市販品として入手することができる。
【0029】同様に、水可溶化されたアルキド樹脂も、
過剰量の多塩基酸と多価アルコールとから得られる遊離
カルボキシル基を有するアルキド樹脂をアルカリ金属塩
基、アンモニウム塩基、有機アミン等にて中和造塩させ
て、水可溶化してなるもので、これらも市販品として入
手することができる。
【0030】また、水可溶化されたウレタン樹脂も、例
えば、重合体主鎖にカルボキシル基を有せしめ、このカ
ルボキシル基をアルカリ金属塩基、アンモニウム塩基、
有機アミン等にて中和造塩させて、水可溶化してなるも
ので、これらも市販品として入手することができる。更
に、アルキド樹脂やウレタン樹脂のエマルジョンやヒド
ロゾルも市販品として入手することができる。
【0031】水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニル
アセタール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニ
ルアルコール樹脂等の合成樹脂が好ましく用いられる。
また、アラビアゴム、セラック等の天然の水溶性樹脂も
用いることができる。
【0032】このような常温造膜性樹脂は、本発明によ
るインキ組成物において、固形分にて、0.1〜15重量
%、好ましくは、0.3〜10重量%の範囲で含有され
る。樹脂を過多に含有させるときは、インキ組成物の粘
度が高すぎるために、筆記性に劣ると共に、消去性も低
下する。他方、樹脂の含量が過少にすぎるときは、筆跡
が延びて、筆記面を汚すほか、筆跡の消去性が劣る。
【0033】更に、本発明によるインキ組成物において
は、前記剥離剤の効果を高めるために、剥離助剤とし
て、水溶性の多価アルコールを配合してもよい。かかる
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
プロピレングリコール、分子量約200〜600のポリ
エチレングリコール、分子量1000〜3000のポリ
プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン等を挙げることができる。このような多価アルコ
ールは、インキ組成物において、20重量%以下、好ま
しくは10重量%以下の範囲で配合される。インキ組成
物において20重量%を越えて過度に配合するときは、
インキ組成物の粘度を過多に高くし、筆記性を低下させ
るので好ましくない。
【0034】本発明によるインキ組成物は、必要に応じ
て、別の剥離助剤として、前述した以外の界面活性剤を
含んでいてもよい。このような界面活性剤としては、ア
ニオン、カチオン、ノニオン、両性、フッ素系界面活性
剤のいずれでもよい。アニオン界面活性剤として、例え
ば、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキル
アリールスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩等のア
ニオン界面活性剤やフッ素系アニオン界面活性剤を挙げ
ることができ、また、ノニオン界面活性剤として、例え
ば、多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂
肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテル等のノニオ
ン界面活性剤や、フッ素系ノニオン界面活性剤を挙げる
ことができる。
【0035】本発明によるインキ組成物は、筆跡の乾燥
性を高める乾燥促進剤として、インキ組成物に含まれる
前記エマルジョンを破壊しない程度において、通常、イ
ンキ組成物に基づいて15重量%以下、好ましくは1〜
10重量%の範囲で低級脂肪族アルコールを含有してい
てもよい。特に、エタノール、プロパノール又はブタノ
ールが好ましく用いられる。
【0036】また、インキ組成物は、上記以外に、必要
に応じて、通常、水性インキ組成物に配合される任意の
pH調整剤や防腐剤、防腐剤等を含有していてもよい。
【0037】非吸収性乃至非浸透性筆記面上の本発明に
よるインキ組成物による筆跡は、これから水が蒸発した
ときは、即ち、筆跡が乾燥したときは、前記樹脂が着色
剤を含有しつつ、造膜し、他方、前記剥離剤としての脂
肪族カルボン酸エステル、高級炭化水素、高級アルコー
ル等の常温で難揮発性の油状物質のエマルジョンが破壊
されて、前述した油状層が非吸収性筆記面と上記樹脂膜
との間に介在して形成されるので、筆跡が消去性を有す
る。
【0038】剥離助剤としての界面活性剤は、筆記に際
して、筆跡における上記油状層と顔料を含む樹脂膜との
分離を助ける効果を有する。しかし、界面活性剤はま
た、筆記時のレベリング性を高めると共に、筆記面上で
の乾燥前の筆跡における剥離剤エマルジョンの偏在をな
くして、筆跡の乾燥後に一様な消去性を付与する効果も
有する。特に、これらの効果は、フッ素系界面活性剤を
用いるとき、顕著である。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明による水性消去性
マーキングペンインキ組成物は、溶剤を水とし、これに
常温で造膜性を有する樹脂と、剥離剤として、常温で難
揮発性の油状物質を水性エマルジョンとして分散させて
配合すると共に、このエマルジョンの安定化剤としてシ
クロデキストリン類を配合し、更に、このシクロデキス
トリン類と共同して、インキ組成物を安定化させるため
スルホ脂肪酸エステル塩を配合してなるものである。
【0040】従って、本発明によるインキ組成物によれ
ば、筆跡が乾燥した後は、剥離剤が連続した油層を筆記
面上に形成し、着色剤を含む樹脂膜を筆記面から分離す
るので、イレーザー(白板拭き)にて軽く擦過すること
によって、その擦過部分のみを容易に剥離して消去する
ことができ、しかも、シクロデキストリン類と上記界面
活性剤とが共同して、剥離剤のエマルジョン粒子のみな
らず、顔料粒子や樹脂粒子をも安定化させるので、貯蔵
安定性が高く、延いては、長期間にわたる放置の後に
も、すぐれた消去性を保持している。
【0041】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。以下の実施例及び比較例において、成分量は重量%
にて示されており、残部は水である。
【0042】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】以上のインキ組成物について、貯蔵性及び
琺瑯板上での筆跡の消去性を調べた。結果を表1に示
す。
【0049】貯蔵性は、インキ組成物を50℃の恒温槽
に7日間又は14日間放置したときの均一性を目視にて
調べて、均一であるときを○、表面が分離し始めている
ときを△、油相と水相とに完全に分離したときを×で示
す。また、消去性は、温度20℃、相対湿度65%の条
件下で琺瑯板上に筆記して5分後に荷重50gのイレー
ザー(白板拭き)にて擦って、完全に消去できたときを
○、半分以上、消去できたときを△、全く消去できなか
ったときを×で示す。
【0050】筆記性は、インキ組成物をフェルトペンに
充填して、白板上に筆記したとき、滑らかに筆記できる
ときを○、インキ組成物が若干出にくく感じるときを
△、筆跡が殆どかすれるときを×で示す。また、インキ
組成物を調整して3分後に、20℃にてELD型粘度計
(20回転)にて粘度を測定した。
【0051】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−100433(JP,A) 特開 平1−252681(JP,A) 特開 平7−90215(JP,A) 特開 平10−25443(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 溶剤としての水、 (b) 着色剤、 (c) 常温で難揮発性の油状物質のエマルジョン、 (d) シクロデキストリン又はその誘導体、 (e) 樹脂、及び (f) スルホ脂肪酸エステル塩を含有することを特徴とす
    る水性消去性マーキングペンインキ組成物。
  2. 【請求項2】常温で難揮発性の油状物質が脂肪族カルボ
    ン酸エステル、高級炭化水素及び高級アルコールから選
    ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の水性消去
    性マーキングペンインキ組成物。
  3. 【請求項3】シクロデキストリン又はその誘導体を0.1
    〜20重量%の範囲で含む請求項1に記載の水性消去性
    マーキングペンインキ組成物。
  4. 【請求項4】スルホ脂肪酸エステル塩を0.01〜10重
    量%の範囲で含む請求項に記載の水性消去性マーキン
    グペンインキ組成物。
  5. 【請求項5】スルホ脂肪酸エステル塩がジアルキルスル
    ホコハク酸ナトリウムである請求項1又は4に記載の水
    性消去性マーキングペンインキ組成物。
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