JP2017210547A - 筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、香料を含んでなる筆記具用水性インキ組成物において、香りの持続性と、インキ中での香料の経時安定性を向上した筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具を得ることである。【解決手段】本発明は、水、着色剤、香料、シクロデキストリンを含んでなり、前記シクロデキストリンがα−シクロデキストリンまたはγ—シクロデキストリンであることを特徴とする筆記具用水性 インキ組成物およびそれを用いた筆記具、とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、筆記具用水性インキ組成物に関し、さらに詳細としては、インキ組成物に香料を含んでなる筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具に関するものである。
従来、香料を含んだ筆記具および筆記具用インキ組成物としては、特許文献1として、高速撹拌などして香料を均一分散するなどして保存性を向上した香り付きボールペンとした、特開2000−248221号公報「ボールペン」や、特許文献2として、美麗性や光沢性に富み、経時的にも安定した、金属光沢を有するボールペンとした、特開2001−2973号公報「香り付き水性ボ−ルペン用インキ」や、特許文献3として、香料を分散安定する筆記具用水性インキ組成物が開示されている。
「特開2000−248221号公報」 「特開2001−2973号公報」 「特開平8−283645号公報」
これらの香料を含んだ筆記具および筆記具用インキ組成物として、特許文献1は、高速撹拌などすることで、香料が壊れてしまい、香りの持続性が得られなかった。
また、特許文献2は、擬塑性付与剤する樹脂を用いて、経時的にも安定した、金属光沢を有するボールペンは得られ、特許文献3は、部分スルホン化ポリエステル樹脂を含有することで、香料を分散安定することはできるが、香料自体は揮発しやすいため、香りの持続性に課題があった。
本発明は、香料を含んでなる筆記具用水性インキ組成物において、香りの持続性と、香料の分散安定性を向上した筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具を得ることである。
本発明は、上記課題を解決するために、
「1.着色剤、香料、シクロデキストリンを含んでなり、前記シクロデキストリンが、α−シクロデキストリンまたはγ―シクロデキストリンであることを特徴とする筆記具用水性インキ組成物。
2.前記筆記具用水性 インキ組成物に多糖類を含んでなることを特徴とする第1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
3.前記シクロデキストリンのインキ組成物全量に対する含有量をA、前記香料のインキ組成物全量に対する含有量をBとした場合、0.1≦A/B≦10であること特徴とする第1項または第2項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
4.前記筆記具用水性 インキ組成物のインキ粘度が、20℃、剪断速度1.92sec−1において、1000〜5000mPa・sであることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
5.第1項ないし第4項のいずれか1項に 記載の筆記具用水性 インキ組成物を、インキ収容筒内に直詰めしてなる筆記具であり、前記インキ収容筒の材質がオレフィン系樹脂であることを特徴とする筆記具。」とする。
本発明は、香料を含んでなる筆記具用水性インキ組成物において、香りの持続性と、インキ中での香料の経時安定性を向上した筆記具用水性インキ組成物およびそれを用いた筆記具を得ることができた。
本発明の特徴は、水、着色剤、香料、シクロデキストリンを含んでなり、前記シクロデキストリンがα−シクロデキストリンまたはγ―シクロデキストリンであることを特徴とする筆記具用水性 インキ組成物とする。
(シクロデキストリン)
本発明で用いるシクロデキストリンは、環状オリゴ糖であり、包接能を有する化合物の一種である。グルコース分子がα−1,4グルコシド結合で結合することにより基本骨格を形成しており、グルコース分子の個数に応じて、α−シクロデキストリン(6個)、β−シクロデキストリン(7個)、γ−シクロデキストリン(8個)、δ−シクロデキストリン(9個)と呼ばれるものである(括弧内はそれぞれグルコース分子の個数を表す)。
また、前記シクロデキストリンは、一般に、その環状構造の外部が親水性を示し、その環状構造の内部が疎水性(親油性)を示すという特異的な構造を有している。上記の特異的な構造に由来して、シクロデキストリンは環状構造の内径より小さい親油性分子を包みこむように取り込み、複合化することが可能である。また前記環状構造の内径より大きい分子であっても、環状構造の内径より小さい親油性部分があれば、その部分がシクロデキストリ内部に取り込まれ、複合化することが可能である。そのため、本発明では、香料をシクロデキストリンの環状構造で包接させ、香料の揮発を抑制することで、香りの持続性を向上することが可能である。さらに、香料をシクロデキストリンで包接させ、水に溶解安定させることで、インキ中での香料の経時安定性を向上することが可能となる。
前記シクロデキストリンについては、水に対する溶解安定性や香料との経時安定性を考慮すれば、α−シクロデキストリンまたはγ−シクロデキストリンを用いる必要がある。これは、水に対する溶解度については、α−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンは、水に対する溶解度が高く、インキ中で溶解安定することが可能となるためで、香料をシクロデキストリンで包接させて、安定溶解させることができ、さらに香料との経時安定性も良好である。また、β−シクロデキストリンは、水に溶解しにくいのは、分子内の水素結合が強く、環状構造が硬いため、水に溶解しづらいと推測されるためである。また、水に対する溶解度が高い、γ−シクロデキストリンを用いることが好ましい。水に対する溶解度については、具体的には、α−シクロデキストリン:14.5g/100ml、β−シクロデキストリン:1.8g/100ml、γ−シクロデキストリン:23.2g/100mlである。
さらに、前記シクロデキストリンの空洞内径については、α−シクロデキストリンが0.5〜0.6nm、γ−シクロデキストリンが0.9〜1.0nmであり、空洞内径が大きいことで、空洞容量が大きくなり、より香料を包接しやすくなるため、γ−シクロデキストリンを用いることが、好ましい。
また、前記シクロデキストリンの含有量について、インキ組成物全量に対し、0.1〜20.0質量%が好ましい。これは、0.1質量%未満だと、香料を安定溶解させにくく、香りの持続性に影響が出やすく、また、20.0質量%を越えると、インキ中の固形分量が多くなりすぎて、筆跡カスレ、中抜けなどが出てしまい、筆記性能に影響が出やすい、さらに、前記シクロデキストリンが溶解しにくく、インキ吐出を妨げ、筆記不良の原因になることもあり得る。より上記を考慮すれば、2.0〜15.0質量%が好ましく、さらに、5.0〜12.0質量%が好ましい。
(香料)
本発明で用いる香料については、筆記した筆跡形成時に香りを放つためのものである。また、香料の形態には、水溶性香料、油溶性香料、乳化香料などが挙げられる。
香料としては、グレープフルーツ油、オレンジ油、レモン油、ライム油、ジャスミン油、ペパーミント油、ローズマリー油、ナツメッグ油、カツシア油、ラベンダー油、ヒノキ油、ヒバ油、フェンネル油等の精油類、ヘキシルアルコール、フェニルエチルアルコール(ローズP)、フルフリルアルコール、シクロテン、ゲラニオール等のアルコール類、ヘプタナール、オクタナール、ドデカナール、テトラデカナール、ヘキサデカナール、オクタデカナール、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類、エチルアセトアセテート、プロピルアセテート、アミルアセテート、リナリルアセテート、ベンジルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、ベンジルプロピオネート等のエステル類、ヌートカトン、エチルピラジン、レモンターペンレス、オレンジターペンレス、ワニリン、エチルワニリン、フルフリルメルカプタン、ボーネオール及びヘリオトロープ等の芳香族化合物、α−ピネン、β−ピネン、リモネン等のテルペン油類を例示できる。さらに、前記香料を組み合わせた調合香料、例えば、バナナ香料、ブルーベリー香料、バニラ香料、ミント香料、アップル香料、ピーチ香料、メロン香料、パイナップル香料、グレープ香料、ライラック香料、ジャスミン香料、イチゴ香料、ミルク香料、抹茶香料、マンゴー香料、サイダー香料などの調合香料を使用することもできる。これらの香料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
また、前記香料の含有量について、インキ組成物全量に対し、0.01〜10.0質量%が好ましい。これは、前記香料の含有量が、0.01質量%未満だと、筆跡において、香りが十分に得られづらく、10.0質量%を越えると、インキ中の他成分に影響が出やすいためである。さらに、香りの持続性やインキ経時安定性を考慮すれば、1.0〜7.0質量%が好ましく、より考慮すれば、2.0〜6.0質量%が好ましい。
また、前記シクロデキストリンのインキ組成物全量に対する含有量をA、前記香料のインキ組成物全量に対する含有量をBとした場合、香りの持続性と、インキ中での香料の安定性、筆記性能を考慮すれば、0.1≦A/B≦10が好ましく、より考慮すれば、0.5≦A/B≦5が好ましく、さらに2≦A/B≦5が好ましい。
(多糖類)
また、香料をより分散安定して、香りの持続性を向上するために、多糖類を用いることが好ましい。多糖類としては、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、グアーガム、ローカストビーンガム、λ−カラギーナン等が挙げられ、これらを含有することで、インキ中で三次元網目構造を形成することで、香料を分散安定することが可能である。特に、前記シクロデキストリンと同じ糖類であるため、インキ経時安定性も優れるため、好ましい。さらに、白色顔料や、その他顔料を用いる場合では、分散を安定することが可能である。これらの多糖類は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
多糖類の中でも、分散安定性を考慮すれば、キサンタンガム、サクシノグリカンを用いることが好ましい。特に、ドライアップ性能や分散安定性を考慮すれば、サクシノグリカンを用いることが好ましい、サクシノグリカンは、他の多糖類よりも、静止時のインキ粘度を高くし、筆記時のインキ粘度を低くすることが可能で、比較的少量で、粘度調整し易いためである。そのため、多糖類の固形分量をより少なくでき、ドライアップ性能に有利になりやすい。サクシノグリカンとしては、メイポリ(三晶(株))等が例示できる。
多糖類の含有量は、インキ組成物全量に対して、0.1質量%未満だと、インキ粘度調整の効果が少なく、0.5質量を超えると、所望のインキ粘度や、書き出し性能が得られづらい。そのため、0.1質量%〜0.5質量%が好ましい。より考慮すれば、0.1〜0.35質量%が好ましい。
インキ粘度については、20℃環境下、剪断速度1.92sec -1で、インキ粘度は、1000〜5000mPa・sが好ましい、これは、前記インキ粘度が1000mPa・s未満だと、インキ粘度が低過ぎて、香料や顔料の分散性への影響が出やすく、さらにインキ漏れを抑制しづらく、5000mPa・sを越えると、インキ吐出量が少なく、十分な香りが得られにくく、ドライアップ性能、ボール座の摩耗抑制、書き味が劣りやすいためである。より考慮すれば、1200〜3500mPa・sが好ましい。
本発明で用いる着色剤は、特に限定されないが、顔料については、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ギオキサジン系、マイクロカプセル、着色樹脂顔料、白色顔料、金属顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、補色顔料等が挙げられる。染料については、直接染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料、及び各種造塩タイプ染料等が採用可能である。これらの顔料および染料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。本発明のように、香料を用いる場合には、香りを想像する物と色調を合わせることで、多彩な色調にすることを考慮すれば、着色樹脂顔料、白色顔料、金属顔料、パール顔料、蛍光顔料の中から1種以上選択して用いることが好ましく、特に、着色樹脂顔料、白色顔料、蛍光顔料の中から1種以上選択して用いることが好ましい。
また、本発明では、前記筆記具用水性インキ組成物を、ボールペンチップを装着したインキ収容筒内に収容してボールペンとした場合、潤滑性を向上して、ボールの回転をスムーズにすることで、ボール座の摩耗抑制や書き味を向上しやすくするために、リン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸を用いることが好ましい。特に、リン酸基を有するリン酸エステル系界面活性剤を用いることが、好ましい。これは、リン酸基が金属吸着することで、より潤滑性を向上して、ボール座の摩耗抑制や書き味を向上しやすくするためである。リン酸エステル系界面活性剤の種類としては、スチレン化フェノール系、ノニルフェノール系、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、オクチルフェノール系、ヘキサノール系等が上げられる。この中でも、フェニル骨格を有すると立体障害により潤滑性に影響が出やすいため、フェニル骨格を有さないリン酸エステル系界面活性剤を用いることが、好ましい。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
特に、本発明では着色剤として、白色顔料として酸化チタン、金属顔料を用いる場合は、筆記時にボールペンチップのボールとボール座の間に抵抗が生じやすく、書き味の劣化や筆跡にカスレ、前記ボール座の摩耗が、著しくなりやすいため、リン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸を用いると、より効果的であり、好ましい。特に、酸化チタンは、研磨剤としても用いられる材料でもあるため、筆記時にボールペンチップのボールとボール座の間に抵抗が大きく、ザラツキ感が発生し、書き味の劣化や筆跡にカスレ、線とびが発生しやすいため、より効果的である。
また、リン酸エステル系界面活性剤の具体例としては、プライサーフシリーズ(第一工業製薬(株))の中から、プライサーフA212C(トリデシルアルコール系)、同A208B(ラウリルアルコール系)、同A213B(ラウリルアルコール系)、同A208F(短鎖アルコール系)、同A215C(トリデシルアルコール系)、同A219B(ラウリルアルコール系)等が挙げられる。また、脂肪酸の具体例としては、OSソープ、NSソープ、FR−14、FR−25(花王(株))等が挙げられる。これ等のリン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
また、本発明では、香りの持続性を向上するために、デキストリンを用いることが好ましい。特にボールペンとした場合、ボールとチップ先端の内壁との間の隙間より、香料、溶剤の揮発を抑制しやすくし、香りの持続性を向上するために、デキストリンを用いることが好ましい、これは、デキストリンを用いることで、ペン先のインキが乾燥時に、皮膜を形成することで、ボールとチップ先端の内壁との間の隙間より、香料、溶剤の揮発を抑制する効果が得られためである。さらに、ボールとチップ先端の内壁との間の隙間より、インキ漏れ抑制をしやすくする効果があるため好ましい。
特に、ノック式筆記具(ボールペン)や回転繰り出し式筆記具(ボールペン)等の出没式筆記具においては、キャップ式筆記具とは異なり、常時チップ先端が外部に露出した状態であるため、香料、溶剤が揮発しやすく、影響しやすいため、デキストリンを用いることが好ましい。
また、デキストリンの重量平均分子量については、5000〜120000がより好ましい。これは、上記範囲であると、チップ先端に形成される皮膜によって、香料、溶剤が揮発を抑制しやすくし、さらにインキ漏れ抑制効果を得られやすい傾向があるためである。さらに、重量平均分子量が20000以上であると、皮膜が強くなりやすい傾向があるため、重量平均分子量が、20000〜120000とすることが好ましい。
デキストリンの含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1〜5.0質量%が好ましい。これは、0.1質量%より少ないと、香料、溶剤の揮発を抑制や、インキ漏れ抑制の効果が十分得られない傾向があり、5.0質量%を越えると、インキ中で溶解しづらい傾向があるためである。よりインキ中の溶解性について考慮すれば、0.1〜3.0質量%が好ましく、よりインキ漏れについて考慮すれば、1.0〜3.0質量%が、好ましい。
また、水分の溶解安定性、水分蒸発乾燥防止等を考慮し、水溶性溶剤を用いることが好ましい。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール溶剤、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、アリルアルコール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタートやその他の高級アルコール等のアルコール系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。その中でも、本発明で用いる、香料との溶解安定性を考慮すれば、多価アルコール溶剤を用いる方が好ましい。多価アルコール溶剤とは、二個以上の水酸基が脂肪族あるいは脂環式化合物の相異なる炭素原子に結合した化合物である溶剤であり、その中でも、2価または3価の水酸基を有する多価アルコールを少なくとも含有することが、最も好ましい。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
水溶性溶剤の含有量については、溶解性、インキ漏れ、にじみ等を考慮すると、インキ組成物全量に対し、0.1〜25.0質量%が好ましく、より考慮すれば、5.0〜15.0質量%が好ましい。
また、その他として、トリエタノールアミン等のpH調整剤、尿素、ソルビット等の保湿剤、ベンゾトリアゾール等の防錆剤、1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オン等の防菌剤、エチレンジアミン四酢酸等のキレート剤、リン酸エステル系界面活性剤以外のシリコーン系、アセチレングリコール系、フッ素系の界面活性剤等の濡れ性、耐水性の向上剤を添加することができる。また、定着剤や分散剤も適宜添加可能で、水溶性樹脂として、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等や、水中油滴型樹脂エマルジョンとして、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等を添加することができる。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
(筆記具)
本発明の筆記具用水性インキ組成物は、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップなどのペン芯またはボールペンチップなどをペン先としたマーキングペンやボールペン、金属製のペン先を用いた万年筆などの筆記具に用いることができる。
本発明の筆記具用水性インキ組成物を収容するインキ収容筒の肉厚は、0.3〜2.0mm が好ましい、これは、0.3mm未満の肉厚だと、インキ中の香料、溶剤の揮発の抑制が十分ではないため、香りの持続性が劣りやすく、2.0mmを越える肉厚にすると、外観色の視認性が得られにくいためである。なお、筆記具用水性インキ組成物を収容するインキ収容筒として、筆記具としても良く、前記インキ収容筒を軸筒に収容したものを筆記具としても良い。
インキ収容筒の材質としては、香料の揮発を抑制することで、経時的な香りの減少を抑制することを考慮すれば、オレフィン系樹脂を用いることが好ましい。オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられるが、生産性やコストなどを考慮して、ポリプロピレンを用いることが好ましい。
さらに、香料として、α−ピネン、β−ピネン、リモネン等のテルペン油類を用いた場合、ポリプロピレン材と反応し、膨潤して、インキ収容筒の長さが伸びてしまう問題が生じやすかったがあったが、本発明のように、前記α−シクロデキストリンまたはγ―シクロデキストリンを用いることで、香料とインキ収容筒の反応を抑制しやすいため、香料として、α−ピネン、β−ピネン、リモネン等のテルペン油類を用いた場合でも、好適に用いることができる。
また、本発明で用いる筆記具のインキ消費量については、100mあたりのインキ消費量が80〜500mgが好ましい、これは、100mあたりのインキ消費量が80mg未満だと、所望の香りが得られづらく、さらに筆記具セットとした場合、複数本の筆記具で筆記した色や香りも混ざりにくいためで、また、100mあたりのインキ消費量が500mgを越えると、筆跡乾燥性や筆跡にじみや、筆記具セットとした場合、予め記録媒体上に筆記した筆跡(下書き)を、白色顔料を含んでなる筆記具で、なぞり書き(上書き)をする時に、下書きした筆跡が、隠蔽されて見えづらく、白色の筆跡になりやすく、さらにボールとチップ先端の間隙よりインキ漏れが発生しやすく、泣きボテも発生しやすいためである。さらに、より考慮すれば、130〜350mgが好ましい。
なお、インキ消費量については、20℃、筆記用紙JIS P3201筆記用紙上に筆記角度70°、筆記荷重100gの条件にて、筆記速度4m/minの速度で、試験サンプル5本を用いて、らせん筆記試験を行い、その100mあたりのインキ消費量の平均値を、100mあたりのインキ消費量と定義する。
また、本発明でボールペンとする場合は、ボールペンチップの仕様としては、ボールペンチップのボールの縦軸方向の移動量が、25μm〜50μmであることが好ましい。25μm未満であると、インキ消費量が少なくなる傾向になり、所望の香りが得られづらく、50μmを越えると、インキ消費量が多過ぎる傾向になり、インキ追従性に影響が出やすいためである。より考慮すれば、30μm〜45μmであることが好ましい。
また、インキ追従体の基油としては、ポリブテン、シリコ−ン、鉱物油等の不揮発性物質を用いることが好ましいが、その中でも、基油として、ポリブテンを含んでなることが好ましい。これは、インキ中の香料の揮発を抑制することで、経時的な香りの減少を抑制することができるためであり、香料、溶剤の揮発を抑制し、インキ増粘の影響が出づらいためであり、さらに、ポリブテンは、インキ収容筒としてポリプロピレンを使用する場合、ポリプロピレンとの親和性が強いため、よりインキ追従性も良好となりやすいためである。
(筆記具セット)
本発明では、香料を含んだ筆記具をケースなどに複数本収容して、筆記具セットとすることが好ましい。特に、少なくとも一本が、インキ組成物に白色顔料を含んでなる筆記具を収容して、少なくとも白色系インキとした筆記具を用いることが好ましい。これは、筆記具セットのケース内の他の筆記具で、予め記録媒体上に筆記して(下書き)、該記録媒体上にすでにある筆跡の上に、白色系インキでなぞり書き(上書き)を行った場合、白色系インキの筆記具の筆跡と、異なるインキ色の他の筆記具の筆跡とによって、どちらの筆跡とも異なる色が得られやすいため、インキ組成物に白色顔料を含んでなる筆記具とすることが好ましい。
ここで、「他の筆記具」とは、「インキ組成物に白色顔料を含んでなる筆記具とは異なる他の筆記具」のことを意味する。
また、前記他の筆記具(インキ組成物に白色顔料を含んでなる筆記具とは異なる他の筆記具)は、白色顔料を含まない筆記具をケース内に、収容した筆記具セットとすることが好ましい。前記白色顔料を含まない筆記具は、白色系インキとは異なるインキ色を用いるが、該白色系インキとは異なるインキ色の筆記具で、予め記録媒体上に筆記して(下書き)、該記録媒体上にすでにある前記白色系インキとは異なる筆跡の上に、白色系インキでなぞり書き(上書き)を行った場合、より異なる多種の色の筆跡が得られやすく、楽しむことができるため、好ましい。
さらに、白色顔料を含んでなる筆記具の筆跡は、他の筆記具の筆跡と、異なる香りとすることが好ましい。これは、白色系インキとは異なるインキ色の筆記具で予め記録媒体上に筆記して(下書き)、該記録媒体上にすでにある白色系インキとは異なる香りの筆跡の上に、白色系インキでなぞり書き(上書き)を行った場合、各筆記具インキの筆跡の香りが混ざり合い、異なる香りを楽しむことができるため好ましい。
具体的には、白色インキには、ミルクの香りの香料、ブラウン色インキには、コーヒーの香りの香料、ピンク色には、イチゴの香りの香料とした場合、ブラウン色インキに白色インキをなぞり書きすると、カフェオレ(コーヒーミルク)の色や香りになり、ピンク色インキに白色インキをなぞり書きすると、イチゴミルクの色や香りになり、筆跡の色を変化させるだけではなく、香りも変化することができ、色々と組み合わせることで、多種の色や香りを楽しむ筆記具セットとすることができる。
このように、筆跡の色から想像できるような香りになるようにすることで、色によって香りが識別することができるため好ましい。
筆記具セットについては、多種の色や香りを楽しめるようにするため、個々に色および香りの異なる種類の筆記具をケース内に複数本収容する筆記具セットにすることが好ましいが、3種類以上の異なる色および香りの筆記具を収容する筆記具セットにすることが好ましく、より多種の色や香りを楽しむには、6種類以上の異なる色および香りの筆記具を収容する筆記具セットにすることが好ましい。
さらに、より多種の色や香りを楽しむようにするため、全ての色および香りの異なる筆記具を収容した筆記具セットとすることが好ましい。
白色顔料については、隠蔽性がある白色系の着色剤として用いられるが、具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸カルシウムなどの無機顔料や、中空樹脂、偏平樹脂、球状樹脂などの白色樹脂粒子など挙げられるが、筆記直後より、筆跡視認性が良好である酸化チタンを用いることが好ましい。
酸化チタンについては、平均粒子径が0.01〜1.0μmのものが好ましく、平均粒子径が0.01μmよりも小さいと十分な筆跡隠蔽性が得られづらい傾向があり、1.0μmよりも大きいと、ペン先でインキ中の酸化チタンが詰まりやすく、筆記不良の原因になりやすい傾向があるためである。よりその傾向を考慮すれば、平均粒子径が0.1〜0.7μmであることが好ましい。特に、本発明のように、筆記具セットとして、予め記録媒体上に筆記した筆跡(下書き)を、酸化チタンを含んだ筆記具で、なぞり書き(上書き)をする時に、下書きした筆跡が、隠蔽して見えづらくならないようにするためには、平均粒子径が0.1〜0.4μmとすることが好ましい。
また、顔料の平均粒子径は、レーザー回折法(MICROTRAC 9320−X100 Honeywell製)による体積基準法によって求められ、レーザー回折法で測定される粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)により測定することができる。
酸化チタンについては、ルチル型・アナターゼ型等の各種酸化チタンがあるが、界面活性剤などで予め分散処理した酸化チタン分散体としたものを用いても良い。具体的には、LIOFAST WHITE H201、EM WHITE H、EMWHITE FX9048(以上、東洋インキ(株)社製)、ポルックスホワイトPC−CR(住友カラー(株)社製)、FUJISP WHITE 11、同1011、同1036、同1051(以上、富士色素(株)社製)などの酸化チタン水性分散体を使用すれば、生産面での分散工程の省略ができ、簡便にインキ化できるので、好ましい。その中でも、酸化チタンとしては、ドライアップ性能の向上や分散安定性を考慮すれば、C.I.ピグメントホワイト6が好ましい。
白色樹脂粒子については、中空樹脂粒子としては、中空樹脂粒子の外殻のポリマー層としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、架橋型スチレン−アクリル樹脂等のアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、マレイン系樹脂などが挙げられる。また、上記中空樹脂粒子は、単独又は2種以上組み合わせて混合して使用してもよい。具体的には、アクリル系樹脂としては、MH5055、MH5055A、MH8055(日本ゼオン(株)社製)、SX863(A)、SX864(B)、SX865(B)、SX866(A)、SX866(B)、SX8782(D)、AE865(JSR(株)社製)、ロイペークOP−62、同OP−84J、同OP−91、HP1055、ローペイクウルトラ(ローム アンドハース ジャパン(株)社製)等や、それらを加工した中空樹脂粒子を用いたものが挙げられ、これらの白色顔料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
また、白色顔料の含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1〜35.0質量%が好ましい。これは、0.1質量%未満だと十分な筆跡隠蔽性が得られず、35.0質量%を越えると、筆記具セットとして、予め記録媒体上に筆記した筆跡(下書き)を、白色顔料を含んだ筆記具で、なぞり書き(上書き)をする時に、下書きした筆跡が、隠蔽して見えづらくなるためである。さらに、ドライアップ性能の向上やボール座の摩耗と筆跡隠蔽性を考慮すれば、5.0質量%〜30.0質量%がより好ましく、より考慮すれば、10.0〜25.0質量%がより好ましい。
さらに、顔料の平均粒子径については、白色顔料を含んでなる筆記具の白色顔料として酸化チタンを用いた場合、酸化チタンの平均粒子径をAμm、前記他の筆記具の顔料の平均粒子径をBμmとした場合、A/B<3.0の関係であることが好ましい。これは、本発明のように、筆記具セットとして、予め記録媒体上に筆記した筆跡(下書き)を、酸化チタンを含んでなる筆記具で、なぞり書き(上書き)をする時に、酸化チタンは隠蔽性が高いため、下書きした筆跡が、隠蔽して見えづらくならないようにするためである。より考慮すれば、0.1<A/B<2.0の関係であることが好ましく、さらに顔料の平均粒子径よりも、酸化チタンの平均粒子径が小さい方が(A<B)、下書きした筆跡が、隠蔽して見えづらくならないため、0.1<A/B<1.0が好ましい。
(インキ配合)
次にインキ配合例を示して本発明を説明する。
インキ配合例1
着色樹脂粒子(平均粒子径0.4μm、固形分45%含有) 20.0質量部
サイダー香料(テルペン油類、有効成分50%) 5.0質量部
γ―シクロデキストリン 8.0質量部
水 45.0質量部
溶剤(グリセリン) 15.0質量部
デキストリン(重量平均分子量:30 ,000) 1.0質量部
pH調整剤(トリエタノールアミン) 1.0質量部
潤滑剤(リン酸エステル系界面活性剤) 1.0質量部
尿素 1.0質量部
防錆剤(ベンゾトリアゾール) 1.0質量部
剪断減粘性付与剤(サクシノグリカン) 0.2質量部
まず、γ―シクロデキストリン、水を適量採取し、充分に溶解させて、シクロデキストリン溶解液を得る。その後、作製したシクロデキストリン溶解液、着色樹脂粒子、香料、水、溶剤、デキストリン、pH調整剤、潤滑剤、防錆剤をマグネットホットスターラーで加温撹拌等してベースインキを作成した。
その後、上記作製したベースインキを加温しながら、剪断減粘性付与剤を投入してホモジナイザー攪拌機を用いて均一な状態となるまで充分に混合攪拌して、インキ配合例1の筆記具用水性インキ組成物を得た。
尚、インキ配合例1のインキ粘度は、ブルックフィールド社製DV−II粘度計(CPE−42ローター)を用いて20℃の環境下で、剪断速度1.92sec−1(回転数0.5rpm)の条件にてインキ粘度を測定したところ、1500mPa・sであった。
インキ配合例2〜8
インキ配合とチップ仕様を、表に示すように変更した以外は、インキ配合例1と同様な手順でインキ配合例2〜8の筆記具用水性インキ組成物を得た。表に、インキ配合例を示す。
インキ配合例11〜13
シクロデキストリンを含まないインキ配合例として、インキ配合例11〜13はインキ配合とチップ仕様を、表に示すように変更した以外は、インキ配合例1と同様な手順でインキ配合例11〜13の筆記具用水性インキ組成物を得た。表に、インキ配合例を示す。
Figure 2017210547
Figure 2017210547
配合例A〜H
インキ配合を表に示すようにγ―シクロデキストリンを外した以外は、インキ配合例1と同様な手順でインキ配合例A〜Hの筆記具用水性インキ組成物を得た。表に、インキ配合例を示す。
Figure 2017210547
インキ配合例1〜8、インキ配合例11〜13、配合例A〜Hで作製した筆記具用水性インキ組成物及びグリース状のインキ追従体(基油としてポリブテンを含有)を、インキ収容筒の先端にボール径が0.7mmのボールを回転自在に抱持したボールペンチップ(ボールペンチップのボールの、縦軸方向への移動量40μm)をチップホルダーに介して具備した肉厚0.5mmであるインキ収容筒内(ポリプロピレン製)に充填したレフィル(1.0g)を(株)パイロットコーポレーション製のゲルインキボールペン(商品名:G−knock)に装着して筆記具1〜13、筆記具A〜Hを作成した。
(香り持続性試験)
「パイロットコーポレーション」と手書き筆記して、15分後に、匂いをかいだ。
初期と同様の匂いがするもの ・・・◎
初期とは劣るが、匂いがするもの ・・・○
匂いがしない、匂いがほとんどしない・・・×
(インキ経時試験)
直径15mmの密開閉ガラス試験管に筆記具用水性インキ組成物を入れて、常温にて1週間放置後、適量採取し、インキを顕微鏡観察した。
香料が溶解安定しており、分離や、析出物がなく良好のもの ・・・◎
香料の分離や、析出物が微少に発生したが、実用上問題のないもの・・・○
香料の分離や、析出物が発生し、インキ化できない、または筆記不良の原因になるもの ・・・×
(インキ収容筒の経時試験)
インキ収容筒内に筆記具用水性インキを収容した筆記具を50℃、3日後にインキ収容筒の長さの全長変化を測定した。
γ―シクロデキストリンを含有した筆記具1と、シクロデキストリンを含有していない筆記具11について、測定したところ、筆記具1が0.03mm、筆記具11が0.26mm、それぞれ伸びていた。この結果より、γ―シクロデキストリンを含有した筆記具1の方が、全長変化が少ないことが分かり、効果的であった。
(耐摩耗試験)
筆記具1、2、A、Gを用いて以下の条件にて、耐摩耗試験を行った結果、筆記具1とAの方が、筆記具2、Gボール座の摩耗が少なく、良好な筆跡であった。そのため、フェニル骨格を有さないリン酸エステル系界面活性剤を用いる方が、良好な筆跡が得られた。
耐摩耗試験:荷重100gf、筆記角度65°、4m/minの走行試験機にて筆記試験後のボール座の摩耗を測定した。
(筆跡隠蔽性試験)
筆記具A、G、Hは、黒色用紙に筆記したところ、酸化チタンを用いた筆記具A、Gの方が隠蔽性のある白色の筆跡になり、酸化チタンを用いた方が良好な効果が得られた。
筆記具1〜8、A〜Hでは、香りの持続性試験、インキ経時試験ともに良好な性能が得られた。
筆記具11〜13では、α−シクロデキストリンまたはγ―シクロデキストリンを用いなかったため、香りの持続性が悪く、インキ経時安定性も悪かった。
(筆記具セット)
表に示したように、以下の8種類の筆記具A〜Hを作成し、この中から、異なる色および香りの筆記具A〜Fを選択し、ケース内に収容して、少なくとも一本がインキ組成物に白色顔料を含んでなる筆記具を収容した筆記具セットとした。
筆記具A、G、Hは、白色顔料を含んでなる筆記具、インキ色:白色、香り:ミルク
筆記具Bは、インキ色:ブラウン色、香り:コーヒー
筆記具Cは、インキ色:ピンク色、香り:イチゴ
筆記具Dは、インキ色:緑色、香り:抹茶
筆記具Eは、インキ色:水色、香り:ソーダ
筆記具Fは、インキ色:黄色、香り:マンゴー
筆記具Bを筆記試験用紙に予め筆記した筆跡に、筆記具Aでなぞり書きすると、カフェオレ(コーヒーミルク)の色、香りになり、筆跡の色を変化させるだけではなく、香りも変化することができた。さらに、筆跡の色から想像できるカフェオレ(コーヒーミルク)の香りとして、楽しむこともできた。
同様に、筆記具Cと筆記具Aを用いて、筆跡の色、香りを変化させ、イチゴミルクの色、香りとなった。
同様に、筆記具Dと筆記具Aを用いて、筆跡の色、香りを変化させ、抹茶ミルクの色、香りとなった。
同様に、筆記具Eと筆記具Aを用いて、筆跡の色、香りを変化させ、ソーダミルクの色、香りとなった。
同様に、筆記具Fと筆記具Aを用いて、筆跡の色、香りを変化させ、マンゴーミルクの色、香りとなった。
このように、香り付きの筆記具を色々と組み合わせることで、多種の色や香りを楽しむことができる筆記具セットとすることができた。
また、上記のように、2種類の筆記具の色、香りを混ぜ合わせるだけでなく、3種類以上の筆記具の色、香りを混ぜ合わせても良い。
尚、筆記試験用紙としてJIS P3201 筆記用紙Aを用いて試験を行った。
また、本発明の筆記具セットにケースを用いる場合には、樹脂、金属、紙等の材料を適宜選択して用いることができる。また、筆記具の外観色の視認性が良いため、透明又は半透明のケースを用いる方が好ましい。
本発明では、インキ組成物に香料を含んでおり、香料、溶剤の揮発を抑制するためには、ボールペンチップ先端に回転自在に抱持したボールを、コイルスプリングにより直接又は押圧体を介してチップ先端縁の内壁に押圧して、筆記時の押圧力によりチップ先端縁の内壁とボールに間隙を与えインキを流出させる弁機構を具備し、チップ先端の微少な間隙も非使用時に閉鎖することが好ましい。さらに、インキ漏れ抑制の効果が得られやすいため、より効果的である。
本発明は筆記具用水性インキ組成物として利用でき、さらに詳細としては、該筆記具用水性インキ組成物をインキ収容筒に直詰めした、キャップ式、ノック式等の筆記具としたり、インキ収容筒を複数本収容して、多芯筆記具や複合筆記具として、広く利用することができる。さらに、実施例のボールペンに限らず、マーキングペン、万年筆、サインペン、プレートペン等に好適に使用してもよい。

Claims (5)

  1. 水、着色剤、香料、シクロデキストリンを含んでなり、前記シクロデキストリンが、α−シクロデキストリンまたはγ―シクロデキストリンであることを特徴とする筆記具用水性インキ組成物。
  2. 前記筆記具用水性インキ組成物に多糖類を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の筆記具用水性インキ組成物。
  3. 前記シクロデキストリンのインキ組成物全量に対する含有量をA、前記香料のインキ組成物全量に対する含有量をBとした場合、0.1≦A/B≦ 10であること特徴とする請求項1または2に記載の筆記具用水性 インキ組成物。
  4. 前記筆記具用水性インキ組成物のインキ粘度が、20℃、剪断速度1.92sec−1において、1000〜5000mPa・sであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物を、インキ収容筒内に直詰めしてなる筆記具であり、 前記インキ収容筒の材質がオレフィン系樹脂であることを特徴とする筆記具。
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