JP2009185167A - 水性ボールペン用インキ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】水性ボールペン用インキ組成物に関し、さらに詳細としては、中空樹脂粒子を用いた水性インキ組成物において、筆記直後の筆跡視認性、筆跡定着性、書き味が良好である水性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペンに関することである。
【解決手段】本発明は、前記課題を解決するために、少なくとも酸化チタン、中空樹脂粒子、水溶性樹脂、樹脂エマルジョン、リン酸エステル系界面活性剤からなる水性ボールペン用インキ組成物であって、インキ組成物全質量に対して、酸化チタンの含有量が、0.1〜10.0質量%であり、酸化チタンと中空樹脂粒子の総含有量が、5.0〜25.0質量%であることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物を用いることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水性ボールペン用インキ組成物に関し、さらに詳細としては、少なくとも酸化チタン、中空樹脂粒子を含有する水性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペンに関する。
従来より、酸化チタンと比べて、比重が小さいことを特徴とした中空樹脂粒子を単独で用いた技術があった。
一般的な中空樹脂粒子や白色樹脂粒子を用いた水性インキ組成物を使用するボールペンとしては、特開平3−157466号公報「筆記具用白色水性インキ組成物」、特開2003−105246号公報「ボールペン用水性インキ」、特開2006−70236号公報「水性インキ組成物」が従来技術として知られている。
特許文献1、2、3のように中空樹脂粒子や白色樹脂粒子を、単独で用いている技術がある。中空樹脂粒子は、乾燥により粒子内部の水が消失して、空孔となりポリマー層と内部の空気により光散乱が起こさせることで、白色に見えることによって、筆跡が視認可能になる。そのため、暗色紙等の上で筆記直後の筆跡乾燥前では、中空樹脂粒子の内部に水分が存在し、中空樹脂粒子や白色樹脂粒子が空気による光散乱が起こらないため、筆跡が視認しにくいという問題があった。
「特開平3−157466号公報」 「特開2003−105246号公報」 「特開2006−70236号公報」
本発明の目的は、中空樹脂粒子を用いた水性インキ組成物において、筆記直後の筆跡視認性、筆跡定着性、書き味が良好である水性ボールペン用インキ組成物を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、
「1.少なくとも酸化チタン、中空樹脂粒子、水溶性樹脂、樹脂エマルジョン、リン酸エステル系界面活性剤からなる水性ボールペン用インキ組成物であって、インキ組成物全質量に対して、前記酸化チタンの含有量が、0.1〜10.0質量%であり、前記酸化チタンと前記中空樹脂粒子の総含有量が、5.0〜25.0質量%であることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物。
2.前記水溶性樹脂の含有量が1.0〜15.0質量%であり、 前記樹脂エマルジョンの固形分量が1.0〜15.0質量%であることを特徴とする第1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
3.前記酸化チタンと 前記中空樹脂粒子の総含有量、 前記水溶性樹脂と前記樹脂エマルジョンの総固形分量の比率が、1.0:0.01〜1.0:1.0であることを特徴とする第1項または第2項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
4.20℃、におけるインキ粘度が、剪断速度384.0sec−1において5〜50mPa・sであることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
5.HLB10以下であるアセチレングリコール系の界面活性剤を0.1質量%〜3.0質量%含有することを特徴とする第1項ないし第4項の何れか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。」である。
本発明は、少なくとも酸化チタン、中空樹脂粒子、樹脂エマルジョン、水溶性樹脂、リン酸エステル系界面活性剤からなる水性ボールペン用インキ組成物において、筆記直後の筆跡視認性、筆跡定着性、書き味が良好である水性ボールペン用インキ組成物を提供することができた。
本発明の第一の特徴は、インキ組成物全質量に対して、酸化チタンの含有量が、0.1〜10.0質量%であり、酸化チタンと中空樹脂粒子の総含有量が、5.0〜25.0質量%であることを特徴することである。
本発明に用いられる中空樹脂粒子は、一般に用いられる顔料とは異なり、粒子内部に空隙を有し、かつ粒子の外殻は、ポリマーで架橋された中空状のポリマー層であり、前記粒子内部に空隙を有したものである。粒子内部を空隙にすることで、比重を小さくできるため、沈降の発生を抑制できる。さらに、中空樹脂粒子の乾燥により粒子内部の水が消失して、空孔となりポリマー層と内部の空気により光散乱を起こさせることで、白色に見えることによって、筆跡視認可能になる。
しかし、中空樹脂粒子を単独で用いた場合、筆記直後の筆跡では、中空樹脂粒子の乾燥により粒子内部の水が消失していないため、内部の空気体積が少なく光散乱が起こらず、筆跡を視認することができない。そのため、筆跡を視認するには、筆跡が乾燥するまで、時間を要する。
こうした、筆記直後の筆跡視認性という問題を解決するため、インキ組成物中に、酸化チタンを、0.1〜10.0質量%を併用することが重要である。
本発明に用いられる酸化チタンは、中空樹脂粒子より、筆跡視認性能が良好である白色系の着色剤として好適に用いられる。酸化チタンの性質としては、研磨剤としても用いられる材料でもあるため、インキ組成物全質量に対して、10.0質量%を超えると、筆記時にボールペンチップのボールとボール座の間に抵抗が生じ、ザラツキ感が発生し、書き味の劣化や筆跡のカスレ、線とびが発生してしまう。また、インキ組成物全質量に対して、0.1質量%未満であると、十分な筆跡視認性を得られない。そのため、酸化チタンの含有量は、インキ組成物全質量に対して0.1〜10.0質量%である必要がある。より好ましくは、0.5〜3.0質量%である。
前述のように、酸化チタンは、中空樹脂粒子より、筆跡視認性能が良好であるため、酸化チタンを少量加えることで、その量以上の中空樹脂粒子を少なくすることができるため、インキ全体の固形分量を少なくすることができ、チップ先端での乾燥固化による書き出し性能をより良好にすることが可能である。さらに、蛍光顔料等のように、耐光性に弱い着色剤に少量の酸化チタンを併用することで、理由は定かではないが、変色を抑制する効果もあるため、より好ましく用いられる。
また、中空樹脂粒子の外殻のポリマー層としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、架橋型スチレン−アクリル樹脂等のアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、マレイン系樹脂などが挙げられる。また、上記中空樹脂粒子は、単独又は2種以上組み合わせて混合して使用してもよい。具体的には、アクリル系樹脂としては、MH5055、MH5055A、MH8055(日本ゼオン(株)社製)、SX863(A)、SX864(B)、SX865(B)、SX866(A)、SX866(B)、SX8782(D)、AE865(JSR(株)社製)、ロイペークOP−62、同OP−84J、同OP−91、HP1055、ローペイクウルトラ(ローム アンドハース ジャパン(株)社製)等や、それらを加工した中空樹脂粒子を用いたものが挙げられ、これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
中空樹脂粒子の含有量については、インキ組成物全質量に対して、5.0質量%未満であると、十分な筆跡視認性を得られず、25.0質量%を超えると、固形分量が多すぎるため、チップ先端での乾燥固化による書き出しが悪く、筆跡カスレが起こり、ひどい場合には、筆記不良を引き起こす可能性もある。そのため、中空樹脂粒子の含有量は、インキ組成物全質量に対して5.0〜25.0質量%である必要がある。さらに好ましくは、インキ組成物全量に対し、8.0〜20.0質量%が適する。
また、酸化チタンは、ルチル型・アナターゼ型等の各種酸化チタンを配合することができる。具体的には、市販のものとしては、タイトーンSR−1、同R−650、同R−3L、同A−110、同A−150、同R−5N、同R−7E(以上、堺化学工業(株)社製)、タイペークR−580、同R−550、同R−780、同R−780−2,同R−930、同A−100、同A−220、同CR−58(以上、石原産業(株)社製)、クロノスKR−310、同KR−380、同KR−480、同KA−10、同KA−20、同KA−30(以上、チタン工業(株)社製)、タイピュアーR−900、同R−931、同R−960、同R−960VHG(以上、デュポン・ジャパン・リミテッド社製)などが挙げられる。また、LIOFAST WHITE H201、EM WHITE H、EMWHITE FX9048(以上、東洋インキ(株)社製)、ポルックスホワイトPC−CR(住友カラー(株)社製)、FUJISP WHITE 11、同1011、同1036、同1051(以上、富士色素(株)社製)などの市販の酸化チタン水性分散体を使用すれば、生産面での分散工程の省略ができ、簡便にインキ化できるので、好ましい。
本発明の第二の特徴は、特定量の水溶性樹脂と樹脂エマルジョンを併用することを特徴することである。
本発明では、必須成分である酸化チタンと中空樹脂粒子の分散を安定的に維持させる目的で水溶性樹脂を採用する。適用対象となる水溶性樹脂は、アクリル系樹脂が代表的な物質であって酸化チタン、中空樹脂粒子の分散性能に好適な水溶性樹脂である。
また、水溶性樹脂の含有量が15.0質量%を越えると、定着膜が厚くなり、中空樹脂粒子等が覆われ、光を遮ってしまい、中空樹脂粒子のポリマー層と内部の空気により光散乱が起こらなくなり、筆跡視認性が劣る傾向がある。そのため、筆跡視認性をより良好にするために、水溶性樹脂の含有量が15.0質量%以下である方が好ましい。また、1.0質量%未満であると、所望の分散性能が得られないため、水溶性樹脂の含有量は、1.0〜15.0質量%である方が好ましい。
水溶性樹脂として適用可能な樹脂は、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
具体的には、アクリル系樹脂としては、ジョンクリル52、同57、同60、同61J、同62同63、同67、同70、同354、同501、同586、同587、同678、同680、同682、同683、同690、同6610、HPD−71、同−96、同671、PDX−6102B等(ジョンソンポリマー(株)社製)、ポリビニルピロリドンとしては、PVP K−15、同−30、同−90、同−120等(アイエスピー・ジャパン(株)社製)が挙げられる。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
さらに筆跡の筆跡定着性を向上させるために、樹脂エマルションを併用する。樹脂エマルジョンは、水溶性樹脂などに比べ、乾燥皮膜形成速度が速く、筆記面との接着性が高いため、定着性の高い強固な筆跡が得られる。特に金属、ガラス、プラスチック材料等の非浸透面においては、定着性が強固である方が好ましいため、より好適である。
樹脂エマルジョンとして適用可能な樹脂は、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。
具体的には、アクリル系樹脂としては、AE311、AE318、AE337、AE343、AE866、AE883、AE945、AE8116(JSR(株)社製)、ジョンクリル734、同741、同775、同790、同840、同1535、同7001、同7100等(ジョンソンポリマー(株)社製)が挙げられる。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
樹脂エマルジョンの含有量は、水溶性樹脂と同様に、適量以上に配合してしまうと定着膜が厚くなり、中空樹脂粒子が覆われてしまい、光を遮ってしまい、筆跡視認性が劣る傾向がある。さらに、チップ先端において、強力な乾燥皮膜が形成されるため良好な書き出し性能を実現することが困難となる。また、1.0質量%未満であると、所望の筆跡定着性が得られないため、樹脂エマルジョンの含有量が1.0〜15.0質量%である方が好ましい。
酸化チタンと中空樹脂粒子の総含有量と、水溶性樹脂と樹脂エマルジョンの総固形分量の比率については、1.0:0.01未満であると、良好な筆跡定着性能が得られにくい。また、酸化チタンと中空樹脂粒子の総含有量、水溶性樹脂と樹脂エマルジョンの総固形分量の比率が、1.0:1.0を超えると、酸化チタンと中空樹脂粒子を水溶性樹脂と樹脂エマルジョンで覆ってしまい所望の筆跡視認性を得られにくい。
そのため、酸化チタンと中空樹脂粒子の総含有量と、水溶性樹脂と樹脂エマルジョンの総固形分量の比率が、1.0:0.01〜1.0:1.0にする方が好ましい。このように、酸化チタンと中空樹脂粒子の総含有量:水溶性樹脂の含有量と樹脂エマルジョンの総固形分量を特定の比率にすることが、本発明の特徴の一つである。さらに、より筆跡視認性を出すようにすることと、より良好なインキの経時安定性を考慮すると、酸化チタンと中空樹脂粒子の総含有量、水溶性樹脂と樹脂エマルジョンの総固形分量の比率が、1.0:0.01〜1.0:0.5にする方が、より好ましい。
さらに、中空樹脂粒子、樹脂エマルジョン、水溶性樹脂に用いられる樹脂の種類としては、水との溶解安定性が良く、筆記後の筆跡定着性が強く、中空樹脂分散性能に優れるものとして、アクリル系樹脂を用いるのがより好ましい。さらに、経時安定性を考慮すれば、中空樹脂粒子、水溶性樹脂、樹脂エマルジョンが同一系樹脂であることが好ましいので、各樹脂の組成中に、アクリル系樹脂を用いていることが好ましい。
本発明の第三の特徴は、書き味を向上するために、インキ組成物中にリン酸エステル系界面活性剤を含有することである。リン酸エステル系界面活性剤を含有することによって、ボールとチップ本体との潤滑性を高め、滑らかな筆感を得ることができるため、書き味を向上する。特に、本願発明は、インキ組成物中に酸化チタンを含有するため、より効果的に用いることができる。
リン酸エステル系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、リン酸トリエステル、或いはその誘導体等が好適に用いられる。これらのリン酸エステル系界面活性剤は単独又は2種以上混合して使用してもよい。
具体例的には、プライサーフシリーズ(第一工業製薬(株))の中から、プライサーフA212C(HLB値9)、同A210G(HLB値9)、同A207H(HLB値7)、同AL(HLB値5)、同A208B(HLB値6)、同A208S(HLB値7)、同A208N(HLB値7)、同A208F(HLB値9)、同A212E(HLB値10)、同A215C(HLB値11)等が挙げられる。これ等のリン酸エステル系界面活性剤は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。その中でも、HLBが13以下のリン酸エステル系界面活性剤は、HLB値が低いため親油性が強く、ボールの潤滑性が向上するので、より書き味を向上させることができるため、より好ましい。
尚、HLBは、一般式として、HLB=7+11.7log(Mw/Mo)、(Mw;親水基の分子量、Mo;親油基の分子量)から求めることができる。
また、リン酸エステル系界面活性剤の含有量は、0.1質量%未満になると所望の書き味が得られず、含有量が5.0質量%を超えるとインキ経時安定性が悪くなる可能性があるので、インキ組成物全質量に対し0.1質量%〜5.0質量%にすることが好ましい。さらに好ましくは、0.5〜3.0質量%が最も好ましい。
また、着色材については、特に限定されるものではなく、染料及び/又は顔料を用いることができる。染料としては、従来から水性ボールペンに採用されている水溶性染料、直接染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料、及び各種造塩タイプ染料等が採用可能である。また、顔料については、無機、有機、加工顔料などが挙げられる。具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ギオキサジン系、アルミ顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、可逆性熱変色顔料等が例示できる。また着色樹脂粒子や無色樹脂粒子を、顔料もしくは染料で着色したもの等も用いることもできる。これらの顔料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
特に、パステル調などの鮮やかな色調にする場合には、着色剤としては、蛍光顔料などの着色樹脂粒子を用いる方がより好ましい。着色樹脂粒子は、具体的には、LUMIKOL NKW−2100シリーズ、NKW−2100Eシリーズ、NKW−3200Eシリーズ、NKW−3900Eシリーズ、NKW−6000Eシリーズ、NKW−6200Eシリーズ、NKW−7000Eシリーズ、NKW−7500Eシリーズ、NKW−A−300Eシリーズ、NKW−C2100Eシリーズ、NKP−8300シリーズ、NKP−9200シリーズ、NKP−9500Cシリーズ、NKP−9600シリーズ、NKP−4000シリーズ、NKV−Sシリーズ、NKS−1000シリーズ、MPI−500シリーズ(日本蛍光化学(株)社製)、SF−3000、SF−5000、SF−8000、SW−シリーズ(シンロイヒ(株)社製)などが挙げられる。
また、界面活性剤として、アセチレングリコール系、フッ素系、シリコーン系などが挙げられ、単独又は2種以上混合して使用してもよい。また、界面活性剤のHLBが10以下であると、親水性が低く、耐水性が強い。そのため、界面活性剤が乾燥後に、皮膜形成すると、耐水性の強い皮膜を形成することができる。また、HLB10を越えると、親水性があり、耐水性が劣ってしまう。特に、非浸透面においては、耐水性が良好であることが望ましいので、HLB10以下であることが好ましい。
また、特に、アセチレングリコール系界面活性剤は、分子構造として炭素−炭素間の3重結合もあり、非常に安定したグリコール系の界面活性剤なので、経時安定性が良好である。また、分子量も小さく、表面張力を大きく下げる効果があるので、泡の発生も少ないため生産性においても良好であるため、アセチレングリコール系界面活性剤を用いるほうがより好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤は、インキの表面張力を小さくすることで、特に、金属、ガラス、プラスチック材料等の非浸透面上への筆記が良好となる。濡れ性向上剤としての効果もあるため、より好ましい。
その他として、トリエタノールアミン等のpH調整剤、尿素、ソルビット等の保湿剤、ベンゾトリアゾール等の防錆剤、1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オン等の防菌剤を添加することができる。これらは単独又は2種以上組み合わせて使用することも配合可能である。
本発明に用いられる水性インキ組成物の粘度については、20℃において、剪断速度384.0sec−1において5mPa・s以下であると、筆跡に滲みが発生したり、さらに、筆跡乾燥性に影響を及ぼす可能性もある。また、インキ粘度50mPa・s以上であると、インキ消費量が少なめになるため、良好な筆跡が得られにくい。特に、金属、ガラス、プラスチック材料等の非浸透面において、インキが定着しずらくなり、筆跡が中抜けになってしまう可能性がある。そのため、インキ粘度は20℃、剪断速度384.0sec−1において5〜50mPa・sであることが、より好ましい。
次に実施例を示して本発明を説明する。
実施例1
中空樹脂粒子(MH5055)(固形分:30%) 64.0質量%
酸化チタン分散体(EM WHITE FX9048:顔料固形分67%) 2.0質量%
樹脂エマルジョン(AE883)(固形分:55%) 15.0質量%
水溶性樹脂(ジョンクリル57)(固形分:55%) 10.0質量%
アセチレングリコール系界面活性剤(ダイノール604) 0.8質量%
着色剤(NKW−6007E)(固形分:34%) 8.0質量%
防錆潤滑剤(プライサーフ208F) 0.5質量%
防錆剤(ベンゾトリアゾール) 0.5質量%
pH調整(トリエタノールアミン) 1.0質量%
防菌剤(プロキセルXL−2S) 0.2質量%
まず、実施例1の水性インキ組成物は、酸化チタン分散体として、EM WHITE FX 9048:顔料分67%(東洋インキ(株))、中空樹脂粒子分散体として、MH5055:顔料分30%(日本ゼオン(株))、樹脂エマルジョンとして、AE883(JSR(株)社製)、水溶性樹脂として、ジョンクリル57(ジョンソンポリマー(株)社製)、リン酸エステル系界面活性剤として、プライサーフ208F(第一工業製薬(株))、アセチレングリコール系界面活性剤として、ダイノール604(エアープロダクツ ジャパン(株)社製)、着色剤として、LUMIKOL NKW−6000EシリーズのNKW−6007E(日本蛍光化学(株)社製)、その他、防錆剤、pH調整、防菌剤を採用し、これを所定量秤量して、50℃加温しながら、ディスパー攪拌機を用いて撹拌させ、水性インキ組成物を得た。具体的な配合量は下記の通りであった。尚、ブルックフィールド社製DV−II粘度計(CPE−42ローター)を用いて20℃の環境下で、剪断速度384.0sec−1(回転数100rpm)にてインキ粘度を測定したところ、12.0mPa・sであった。
実施例及び比較例のインキ粘度は、ブルックフィールド社製DV−II粘度計(CPE-42ローター)を用いて20℃の環境下で、インキ粘度を測定した。また、本発明の水性インキ組成物は、ニュートニアンインキであるため、剪断速度が相違してもインキ粘度は、略同じ数値を示した。
実施例2〜7
表1に示すように各成分を配合に変更した以外は、実施例1と同様な手順で実施例2〜7の水性インキ組成物を得た。表1に測定、評価結果を示す。
Figure 2009185167
比較例1〜4
インキの配合を表2に示す通りとし、表2に測定、評価結果を示す。
Figure 2009185167
試験及び評価
インキ収容筒の先端部に、チップ本体のボール抱持室に、ボール径がφ0.7mmのボールを回転自在に抱持したボールペンチップを具備し、インキ収容筒内に実施例1〜7および比較例1〜4において作製した水性インキ組成物及びグリース状のインキ追従体を直に充填したレフィルを、(株)パイロットコーポレーション製のゲルインキボールペン(商品名:G−3)に装着して、本発明の水性ボールペンを作製し、以下の試験及び評価を行った。尚、筆跡視認性試験は、黒色上質紙面上を用いて、筆跡定着性試験は、市販の透明アクリル板を用い、書き味は、筆記試験用紙としてJIS P3201 筆記用紙Aを用いて、評価した。
筆跡視認性能試験:黒色上質紙面上に筆記後、筆跡視認性を観察した。
筆記3秒以内に、筆跡が良好に見えるもの ・・・○
筆記3秒以内に、筆跡が視認できなかったもの ・・・×
筆跡定着性試験: 透明アクリル板に筆記した筆跡が乾燥後に、指で擦過し、筆跡の定着状態を観察した。
筆跡膜が剥がれないもの ・・・・○
筆跡膜が剥がれるもの ・・・・×
書き味:手書きによる官能試験を行い評価した。
滑らかで良好なもの ・・・○
重く劣るもの ・・・×
実施例1〜7では、筆跡視認性試験、筆跡定着性試験、書き味ともに良好の性能が得られた。
比較例1では、酸化チタンが、含まれていないため、筆記後、筆跡視認までに、4秒以上かかった。
比較例2では、酸化チタンの量が多かったため、比較例4では、リン酸エステル系界面活性剤を添加しなかったため、筆記時ザラツキ感があり、書き味が悪かった。
比較例3では、樹脂エマルジョンを含んでいなかったため、筆跡定着性が悪く、指で擦過すると筆跡が剥がれてしまった。
また、図示はしていないが、インキ収容筒の先端部に、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して具備し、本発明の水性ボールペン用インキ組成物をインキ収容筒内に直詰めした水性ボールペンとして使用する場合には、筆記用紙として、JIS P3201筆記用紙A上に筆記角度65°、筆記荷重100gの条件にて、筆記速度4m/minの速度で、試験サンプル5本用いて、らせん筆記筆記試験を行い、その100mあたりのインキ消費量の平均値を、100mあたりのインキ消費量と定義すれば、100mあたりのインキ消費量については、250mg未満だと、インキ消費量が少ないので、所望の筆跡が得られにくく、480mg以上だとインキ消費量が多いので、筆跡に滲みの発生や、筆跡乾燥性に影響を及ぼす可能性もある。そのため、インキ消費量が250〜480mg/100mであることが、より好ましい。
また、インキの垂れ下がりを防止するため、ボールペンチップ先端に回転自在に抱持したボールを、コイルスプリングにより直接又は押圧体を介してチップ先端縁の内壁に押圧して、筆記時の押圧力によりチップ先端縁の内壁とボールに間隙を与えインキを流出させる弁機構を具備し、チップ先端の微少な間隙も非使用時に閉鎖することが好ましい。さらに、セラミックや金属等の撹拌ボールの入ったインキ収容筒に用いた筆記具や加圧式ボールペン等に用いても良い。
本発明は、少なくとも酸化チタン、中空樹脂粒子、水溶性樹脂、樹脂エマルジョン、リン酸エステル系界面活性剤からなる水性ボールペン用インキ組成物であって、インキ組成物全質量に対して、酸化チタンの含有量が、0.1〜10.0質量%であり、酸化チタンと中空樹脂粒子の総含有量が、5.0〜25.0質量%であることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物を用いることで、筆記直後の筆跡視認性である水性インキ組成物を提供することができる。そのため、キャップ式、ノック式等、筆記具用インキとして広く利用することができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも酸化チタン、中空樹脂粒子、水溶性樹脂、樹脂エマルジョン、リン酸エステル系界面活性剤からなる水性ボールペン用インキ組成物であって、インキ組成物全質量に対して、前記酸化チタンの含有量が、0.1〜10.0質量%であり、前記酸化チタンと前記中空樹脂粒子の総含有量が、5.0〜25.0質量%であることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物。
  2. 前記水溶性樹脂の含有量が1.0〜15.0質量%であり、前記樹脂エマルジョンの固形分量が1.0〜15.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  3. 前記酸化チタンと前記中空樹脂粒子の総含有量、前記水溶性樹脂と前記樹脂エマルジョンの総固形分量の比率が、1.0:0.01〜1.0:1.0であることを特徴とする請求項1または2に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  4. 20℃、におけるインキ粘度が、剪断速度384.0sec−1において5〜50mPa・sであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  5. HLB10以下であるアセチレングリコール系の界面活性剤を0.1質量%〜3.0質量%含有することを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
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