JP7249253B2 - ボールペン用インキ組成物およびそれを用いたボールペン - Google Patents

ボールペン用インキ組成物およびそれを用いたボールペン Download PDF

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Description

本発明はボールペン用インキ組成物およびそれを用いたボールペンに関するものである。
一般的に使用されているボールペンは、ステンレス鋼などからなるチップ本体と、該チップ本体のボール座に載置され、ボール抱持室に回転自在に抱持されるボールと、からなるボールペンチップを、インキ収容筒の先端に装着した構成を有している。このため、他の種類の筆記具と異なり、ボールとボール座との間の潤滑性が不足すると、筆記時のボールの円滑な回転が妨げられ、書き味が損なわれてしまうという問題を有している。よって、ボールペンにおいて、ボールとボール座との間の潤滑性を良化して、書き味を向上させることは、解決すべき大きな課題である。
このような課題を解決するため、様々な添加剤を用いたボールペン用インキ組成物が多数提案されている。(特許文献1~3など)
しかし、特許文献1~3のような添加剤を用いた場合、ボールとボール座との間の潤滑性を向上できるものの、十分満足できるものではなく、書き味の更なる向上が望まれている。
また、筆記対象となる紙には、様々な紙質を有しているものがある。中でも、ラフ紙や画用紙のような紙の繊維同士の絡みが粗い紙(目の粗い紙)を用いて、その紙面上に筆記した場合には、着色剤が紙の繊維間に沈み込んでしまい、筆跡の視認性に問題が生じることがあった。
さらに、近年では、書き味を向上するため、インキの低粘度化が進んでおり、この着色剤の沈み込みによる筆跡視認性の低下が起こりやすい傾向にある。よって、ボールペン用インキ組成物において、書き味の向上とともに、目の粗い紙面上においても筆跡の視認性を向上させることが、求められている。
特開昭61-235479号公報 特開2004-346181号公報 特開平10-330678号公報
本発明の目的は、滑らかな書き味を奏しつつ、さらに、筆跡視認性にも優れるボールペン用インキ組成物およびそれを用いたボールペンを提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために、
「1.着色剤と、溶媒と、うるち米でんぷんと、を含んでなることを特徴とする、ボールペン用インキ組成物。
2.前記うるち米でんぷんの含有率が、前記ボールペン用インキ組成物の総質量を基準として、0.1質量%~20質量%である、第1項に記載のボールペン用インキ組成物。
3.前記着色剤が顔料である、第1項または第2項に記載のボールペン用インキ組成物。
4.第1項ないし第3項のいずれか1項に記載のインキ組成物を収容した収容筒と、前記収容筒の先端に配置された、ボール抱持室にボールを回転自在に抱持したボールペンチップとを具備したことを特徴とする、ボールペン。」 とする。
本発明によれば、ボールとボール座との間の潤滑性を向上させることで、滑らかな書き味を奏しつつ、目の粗い紙面に対しても、視認性に優れた筆跡を形成可能である、書き味、筆跡視認性に優れたボールペン用インキ組成物およびそれを用いたボールペンを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本明細書において、配合を示す「部」、「%」、「比」などは特に断らない限り質量基準であり、含有率とは、インキ組成物の質量を基準としたときの構成成分の質量%である。
<ボールペン用インキ組成物>
本発明によるボールペン用インキ組成物(以下、場合により、「インキ組成物」とも表す)は、着色剤と、溶媒と、うるち米でんぷんと、を含んでなることを特徴とする。
以下、本発明のインキ組成物における構成成分について、詳細に説明する。
<うるち米でんぷん>
本発明で用いられる、うるち米でんぷんは、うるち米から得られるでんぷんであり、アミロースとアミロペクチンから構成されるものである。
うるち米でんぷんは、優れた潤滑剤として効果的に働く。このため、うるち米でんぷんを用いると、ボールとボール座との間の潤滑性が向上し、滑らかな書き味を奏することができる。
これは、うるち米でんぷんを含んでなることで、うるち米でんぷんを含むインキ層が、ボールとボール座の間の潤滑層となり、ボールが円滑に回転できるようになるためであり、さらに、うるち米でんぷんが、適度な柔軟性を有するコロとしても働いて、ボールの回転を円滑にすることができるためと推測する。
また、うるち米でんぷんは、ボール座の摩耗抑制効果も有する。これは、上述のように、うるち米でんぷんにより、ボールとボール座の間の潤滑性が向上し、ボール座上で円滑にボールが回転できるようになるためであり、また、うるち米でんぷんにより、ボールとボール座の直接接触を抑制することができるためと考える。
よって、うるち米でんぷんを用いることは、滑らかな書き味が得られるとともに、ボール座の摩耗を抑制することが可能であり、インキ吐出不良を防ぎ、良好な筆跡を安定的に得ることができる。
さらに、インキ組成物中にうるち米でんぷんを含んでなることは、筆記対象として紙を用いた場合、着色剤が紙の繊維間に入り込むことを抑制し、筆跡の視認性、さらには発色性を高めることができる。特に、ラフ紙や画用紙のような、紙の繊維同士の絡みが粗い(目の粗い)紙面に筆記した場合、この効果は顕著である。
これは、うるち米でんぷんが、紙の繊維と相性が良いため、繊維間に先に入り込み、また、うるち米でんぷんの形状は、特異の多角形を呈しているため、しっかりと、紙繊維の中に留まることができることから、それにより、着色剤が紙の繊維間に沈みこむことを抑制でき、いわゆる、目止め剤として効果的に働くためと推測する。
以上より、うるち米でんぷんを用いた本発明のインキ組成物は、滑らかな書き味を奏しつつ、良好な筆跡が得られるものであり、特に、目の粗い紙面に筆記した場合にも、視認性、さらには発色性に優れた筆跡が得られる。
うるち米でんぷんは、うるち米から得られるでんぷんであれば、特に限定されない。
また、うるち米の品種にも限定されない。品種としては、日本型米やインド型米などが例示できるが、中でも、本発明においては、日本型米のうるち米から得られるでんぷんを用いることが好ましい。
また、前述の通り、うるち米でんぷんは、アミロースとアミロペクチンから構成されるものであるが、本発明においては、うるち米でんぷん中のアミロース含量が、1%~40%であるものが好ましく、10%~30%であるものがより好ましく、15%~25%であるものが特に好ましい。うるち米でんぷん中のアミロース含量が、上記数値範囲内であれば、うるち米でんぷんがもたらす、ボールとボール座との間の潤滑性の良化による書き味の向上と、目止め効果による筆跡視認性、筆跡発色性の向上を効果的に得ることができる。
これは、アミロースをある一定量含むことで、ボールとボール座の間に形成されるインキ層(潤滑層)による潤滑向上効果と、コロ効果による潤滑向上効果がバランス良く得られ、さらに、目止め剤としての効果も得られやすいためである。
なお、本発明にいうアミロース含量とは、全でんぷんに占めるアミロースの割合をいうが、一般にヨウ素親和力測定法やヨウ素呈色比色法で測定することができる「見かけのアミロース含量」であり、真のアミロース含量ではない。一般にでんぷん中のα - 1 , 4 結合のみからなる成分がアミロースと定義されているが、実際のアミロースの成分中には多少のα -1 , 6 結合が含まれるため、アミロースとヨウ素との親和力を利用した「見かけのアミロース含量」がアミロース含量として一般に多用されている。国際稲研究所のフリアーノの開発したヨード比色法がその代表であり、本発明においてはそのヨード比色法によって「見かけのアミロース含量」を測定した( 引用文献: Juliano,B.O.[1971] A simplified assay for milled-rice amylose.Cereal Science Today,12,334-360.) 。なお、これらのアミロース含量は乾物換算で表わされ、「% 」は「質量% 」を意味する。
また、本発明のうるち米でんぷんは、未加工のもの、また、うるち米でんぷんを加工処理したものを用いても良い。尚、加工処理としては、例えば、架橋化、リン酸化、アセチル化、エーテル化、酸化、α化などが挙げられる。
また、うるち米デンプンの平均粒子径は、特に限定されるものではないが、インキ経時安定性、インキ吐出安定性に優れながらも、書き味、筆跡視認性、さらには筆跡発色性の向上を考慮すると、2μm~10μmであることが好ましい。さらに、上記効果の向上を考慮すると、3μm~7μmであることがより好ましく、4μm~6μmであることが特に好ましい。
平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定機を用いて、標準試料や他の測定方法を用いてキャリブレーションした数値を基にレーザー回折法で測定される粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)により測定することができる。
本発明における、うるち米でんぷんの含有率は、インキ組成物の総質量を基準として、0.1質量%~20質量%であることが好ましく、1質量%~15質量%であることがより好ましい。うるち米でんぷんの含有率が上記数値範囲内であれば、インキの経時安定性に影響を与えることなく、うるち米でんぷんの潤滑効果や目止め効果を十分に得て、優れた書き味と、優れた筆跡視認性、筆跡発色性を十分に得ることができる。また、ボール座の摩耗抑制効果も得られやすい。さらに、上記効果の向上を考慮すると、5質量%~8質量%であることが好ましい。
尚、うるち米でんぷんは、1種または2種以上の混合物として使用することも可能である。
うるち米でんぷんの市販品の一例としては、例えば、上越スターチ(株)製のファインスノウや、日本コーンスターチ(株)製の米澱粉などが挙げられる。
<着色剤>
本発明に用いる着色剤は、染料、顔料等、特に限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。
顔料としては、溶媒に分散可能であれば特に制限されるものではない。例えば、無機顔料、有機顔料、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、アルミ顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料等が挙げられる。その他、染料などで樹脂粒子を着色したような着色樹脂粒子や、色材を媒体中に分散させてなる着色体を公知のマイクロカプセル化法などにより樹脂壁膜形成物質からなる殻体に内包または固溶化させたマイクロカプセル顔料を用いても良い。
尚、顔料は、予め顔料分散剤を用いて微細に安定的に水媒体中に分散された水分散顔料製品等を用いてもよい。該顔料分散剤としては、水溶性樹脂、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤などが挙げられる。
染料としては、溶媒に溶解可能であれば特に制限されるものではない。例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料、および各種造塩タイプ染料等が採用可能である。
これらの顔料および染料は、1種または、2種以上の混合物として使用してもかまわない。
本発明においては、書き味の更なる向上を考慮すれば、顔料を用いることが好ましい。これは、ボールとボール座の隙間に顔料粒子が入り込むことで、ベアリングのような作用が働き、また、ボールとボール座との接触を抑制し、ボールとボール座との間の潤滑性が向上して、書き味の向上効果が得られやすいためである。よって、本発明において、顔料を用いることは、顔料とうるち米でんぷんとの相乗効果により、ボールとボール座との間の潤滑性がより一層、高められるため、効果的である。また、顔料を用いることは、耐水性、耐光性に優れ、良好な発色を有する筆跡を得ることができることから、この点においても、効果的である。
また、本発明において、着色剤に、酸化チタンなどの白色顔料を用いた場合、筆記対象が色相の濃い筆記用紙、例えば、黒紙においても、白色やパステル色などの所望の色彩で視認性、発色性に優れる筆跡をもたらすことができる。これは、うるち米でんぷんが、紙の繊維間に入り込むことで、白色顔料の沈みこみを十分に抑制できると同時に、さらに、うるち米でんぷんは、白色顔料がもたらす白さや、他の着色剤がもたらす色彩に影響を与えにくいためである。よって、うるち米でんぷんを用いた本発明のインキ組成物において、着色剤として、白色顔料を含んでなることは効果的である。
尚、白色顔料としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、中空樹脂粒子などが挙げられるが、これらのうち、黒紙上において、視認性、発色性に優れた筆跡が得られやすい、酸化チタンを用いることが好ましい。
ただし、酸化チタンは、その粒子径やその添加量などによっては、ボールとボール座の摩耗を引き起こしやすい傾向にある。しかしながら、本発明のインキ組成物では、うるち米でんぷんが共存することになるため、酸化チタンが、ボールやボール座に直接接触しにくくなる。このため、酸化チタンによるボール座の摩耗を抑制することができる。よって、この点からも、うるち米でんぷんを用いた本発明において、酸化チタンは、好適に用いることができると言える。
酸化チタンには、ルチル型、またはアナターゼ型等の種類があるが、これらのいずれを用いてもよい。また、酸化チタン粒子の表面が無機材料によって被覆されていてもよい。
さらに、酸化チタンは一般には粉末状であるが、インキ組成物に用いる場合には組成物中に分散させることが必要となる。このため、インキ組成物に容易に適用できるように、酸化チタンを分散媒に分散させた分散体を用いることもできる。具体的には、LIOFAST WHITE H201、EM WHITE H、EMWHITE FX9048(以上、東洋インキ(株)社製)、ポルックスホワイトPC-CR(住友カラー(株)社製)、FUJISP WHITE 11、同1011、同1036、同1051(以上、富士色素(株)社製)などの酸化チタン水性分散体を使用すれば、生産面での分散工程の省略ができ、簡便にインキ化できるので、好ましい。
酸化チタンの粒子径は、目的に応じて任意に選択できるが、粒子径が小さいとボールペンチップなどにおける詰まりが発生しにくくなり、さらに書き味も向上できる傾向にある。このため、酸化チタンの平均粒子径は、0.01μm~1μmが好ましく、0.1μm~1μmがより好ましく、0.1μm~0.5μmがより好ましく、0.2μm~0.5μmが特に好ましい。
また、酸化チタンの粒子径が、上記数値の範囲内であれば、酸化チタンは、うるち米でんぷんの粒子径よりも小さい粒子径となりやすい。こうすると、酸化チタンよりも大きなうるち米でんぷんが、先に紙の繊維に入り込むため、酸化チタンが紙の繊維内へ沈み込みことをより一層抑制できる。このため、黒紙などの色相の濃い筆記用紙上にも、視認性、さらには発色性に優れた筆跡が得られやすい。また、酸化チタンより大きなうるち米でんぷんが共存することは、酸化チタンがボールおよびボール座に接触することが、より抑制されやすく、ボール座の摩耗も抑制しやすい。よって、酸化チタンの平均粒子径は、上記数値の範囲内のものを用いることが好ましい。
なお、本発明において平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定機(商品名「MicrotracHRA9320-X100」、日機装株式会社)を用いて、標準試料や他の測定方法を用いてキャリブレーションした数値を基にレーザー回折法で測定される粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)により測定することができる。
着色剤の含有率は、インキ組成物の総質量を基準として、1質量%~45質量%であることが好ましい。これは、1質量%以上であれば、濃く、発色良好で視認性の高い良好な筆跡が得られすい傾向にあり、45質量%以下であれば、インキ中での溶解性や分散性に影響を与え難い傾向にあるためであり、これらの傾向をより考慮すれば、3質量%~35質量%であることがより好ましい。
また、着色剤に酸化チタンを含んでなる場合には、酸化チタンの含有率は、インキ組成物の総質量を基準として、0.1質量%~20質量%であることが好ましい。これは、0.1質量%以上であれば、筆跡隠蔽性が得られ、視認性が高く、また、濃く、発色良好な筆跡が得られすい傾向にあり、20質量%以下であれば、インキ分散安定性や耐ドライアップ性能、さらにはボール座の摩耗抑制に影響を与え難い傾向にあるためであり、これらの傾向をより考慮すれば、5質量%~20質量%であることがより好ましく、8質量%~15質量%であることが特に好ましい。
また、本発明において、着色剤に酸化チタンを用いる場合、うるち米でんぷんに対する、酸化チタンの含有比(酸化チタン/うるち米でんぷん)は、質量基準で、1~10であることが好ましく、滑らかな書き味と、優れた筆跡視認性、筆跡発色性が得られやすい。さらに、ボール座の摩耗抑制効果の向上を考慮すると、1~5であることがより好ましい。
<溶媒>
本発明に用いる溶媒は、従来の水性ボールペン用インキ組成物や油性ボールペン用インキ組成物に用いられる溶媒を使用することができる。
具体的には水が挙げられ、水としては特に制限なく、例えば、水道水、イオン交換水、限外ろ過水または蒸溜水などが挙げられる。
また、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコール溶剤や、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールエーテル溶剤、さらには、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール溶剤なども挙げられる。
これらを1種または、2種以上の混合物として使用することが可能である。
中でも、本発明においては、水または、水に溶解可能な有機溶剤(水溶性有機溶剤)と水からなる混合溶媒を用いることが好ましく、うるち米でんぷんの分散溶解安定性が良好で、インキ経時安定性が得られやすく、書き味の向上および筆跡視認性、筆跡発色性の向上が、効率良く得やすいためである。
よって、本発明のインキ組成物は、水性ボールペン用インキ組成物として調整することが特に好ましい。
また、前記水溶性有機溶剤については、多価アルコール溶剤を用いることが好ましく、優れた耐ドライアップ性能を得ることができる。前記多価アルコール溶剤においては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、グリセリンの中から1種以上を選択して用いることが好ましく、グリセリンを用いることがより好ましい。
インキ組成物における溶媒の含有率は、インキ組成物の総質量を基準として、10質量%~99質量%であることが好ましい。
尚、多価アルコール溶剤を用いる場合には、インキ組成物の総質量を基準として、耐ドライアップ性能と書き味をバランス良く向上させることを考慮すると、0.1質量%~40質量%であることが好ましく、0.2質量%~25質量%であることが好ましい。
また、本発明のインキ組成物は、うるち米でんぷん以外の潤滑剤を含んでなることが好ましい。更なる潤滑剤を添加することで、うるち米でんぷんとの併用による相乗効果が得られ、より一層、書き味を向上することができる。さらに、ボール座の摩耗抑制もより一層向上でき、インキ吐出安定性を維持し、良好な筆跡を安定的に得ることが可能となる。
本発明においては、うるち米でんぷん以外の潤滑剤としては、リン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸塩が好適に用いられる。書き味の更なる向上、さらには、ボール座の摩耗抑制効果を考慮すれば、リン酸エステル系界面活性剤を含んでなることが好ましい。これは、リン酸エステル系界面活性剤はリン酸基を有することから、金属表面に吸着しやすく、よって、ボールとボール座との間に潤滑膜を形成して潤滑性を向上しやすいためである。リン酸エステル系界面活性剤とうるち米でんぷんを併用することは、リン酸エステル系界面活性剤の潤滑膜と、うるち米でんぷんを含むインキ層の潤滑層により、ボールとボール座の間の潤滑性をより一層向上させることができるためと考えられ、よって、ボールが円滑に回転しやすくなり、滑らかな書き味が得られやすい。さらには、ボール座の摩耗抑制効果も得られやすく、インキ吐出安定性を維持し、良好な筆跡を安定的に得ることが可能となる。
よって、本発明において、リン酸エステル系界面活性剤を用いることは効果的である。
リン酸エステル系界面活性剤としては、直鎖アルコール系、スチレン化フェノール系、ノニルフェノール系、オクチルフェノール系等のリン酸エステル系界面活性剤が挙げられるが、中でも、直鎖アルコール系、スチレン化フェノール系のリン酸エステル系界面活性剤を用いることが好ましい。この中でも、直鎖アルコール系のリン酸エステル系界面活性剤は、うるち米でんぷんと併用した場合、ボールとボール座の潤滑性を向上しやすく、潤滑性向上効果が相乗的に得られやすいため、併用することが好ましい。
リン酸エステル系界面活性剤の具体例としては、プライサーフシリーズ(第一工業製薬株式会社)などが挙げられ、直鎖アルコール系のリン酸エステル系界面活性剤としては、プライサーフA212C、同A208B、同A213B、同A208F、同A215C、同A219B、同A208Nが挙げられ、スチレン化フェノール系のリン酸エステル系界面活性剤としては、プライサーフALが挙げられ、ノニルフェノール系としては、プライサーフ207H、同A212E、同A217Eが挙げられ、オクチルフェノール系としては、プライサーフA210Gが挙げられる。これらのリン酸エステル系界面活性剤は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
また、本発明において、リン酸エステル系界面活性剤は、HLB値が5~15であることが好ましく、6~13であることが好ましい。また、本発明においてリン酸エステル系界面活性剤が有するアルキル基またはアルキルアリル基の炭素数が6~30であることが好ましく、8~18であることがより好ましく、10~14であることが特に好ましい。これは、特定のHLB値および炭素数をもつ直鎖系のリン酸エステル系界面活性剤は、より潤滑性を向上させ、ボール座の摩耗抑制や書き味を向上させやすく、さらに線とびやかすれなどが改善された良好な筆跡が安定して得られるためである。
なお、本発明においてリン酸エステル系界面活性剤のHLB値とは、川上法から算出される値であり、下記式によって算出される。
HLB=7+11.7log(Mw/Mo)、(Mw;親水基の分子量、Mo;親油基
の分子量)
本発明のインキ組成物は、ボールペンに充填して用いられるための所望のインキ粘度に調整する必要がある。このため、インキ粘度調整剤を用いることが好ましい。
良好な書き味を得ること、特に顔料を用いた場合のインキ経時安定性と良好な筆跡を得ることを考慮すると、剪断減粘性付与剤を用いることが好ましい。前記剪断減粘性付与剤としては、架橋型アクリル酸重合体や、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、グアーガム、ローカストビーンガム、λ-カラギーナン、セルロース誘導体、ダイユータンガムなどの多糖類や、会合型増粘剤が挙げられる。
これらの剪断減粘性付与剤は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
中でも、本発明においては、うるち米でんぷんとの相性などを考慮すると、多糖類を用いることが好ましく、さらには、サクシノグリカンを用いることが好ましい。
サクシノグリカンは、他の多糖類よりも、静止時のインキ組成物の粘度を高くし、筆記時のインキ組成物の粘度を低くすることが可能なため、書き味の向上が図りやすく、また、うるち米でんぷんの分散安定性にも有利であり、さらに、着色剤に顔料を用いた場合、特には、比重の重い酸化チタンを用いた場合にも、それらの分散安定性に有利に働く。よって、サクシノグリカンを用いることは、効果的である。また、サクシノグリカンは、比較的少量で、インキ粘度を調整しやすいことから、インキ中の固形分量をより少なくできるため、耐ドライアップ性能も改良しやすく、よって、この点からも、本発明において、サクシノグリカンを用いることは、効果的である。
サクシノグリカンはグルコース、ガラクトース、コハク酸、およびピルビン酸が重合し
た天然物であり、その分子量等は特定が困難であるが、一般に質量平均分子量は100万程度と考えられている。サクシノグリカンは種々の市販品があり、例えば、三晶株式会社製のメイポリ等が例示できる。
サクシノグリカンの含有率は、効果を十分に得るためには、インキ組成物の総質量を基準として、0.01質量%~1質量%が好ましく、0.1質量%~0.5質量%であることがより好ましい。
本発明のインキ組成物のインキ粘度は、20℃環境下、剪断速度1.92sec-1で、5mPa・s~5000mPa・sであることが好ましく、1000mPa・s~4000mPa・sであることがより好ましく、2000mPa・s~3500mPa・sであることが好ましい。インキ粘度が上記数値範囲内であれば、うるち米でんぷんの分散安定性、さらには顔料を用いた場合、その分散安定性も良好としながら、ボールペンに充填して用いた場合、滑らかな書き味が得られ、さらに、視認性、発色性に優れた筆跡が得られる。
また、本発明においては、デキストリンを更に含んでなることが好ましい。デキストリンは、ペン先に被膜を形成してその被膜によってインキ中の溶媒の蒸発を防ぐ効果を持つ。このため、デキストリンを更に用いることは、耐ドライアップ性能に優れたインキ組成物を得ることができるため、効果的である。特に、うるち米でんぷんを含んでなる本発明において、着色剤として顔料を用いた場合、さらには、酸化チタンを含んでなる場合、インキ吐出性に優れ、良好な筆跡を得るためには、ボールペンのチップ先端における耐ドライアップ性能の向上は、特段に考慮する必要があり、よって、この場合、デキストリンを用いることは、さらに効果的である。
デキストリンの質量平均分子量については、5,000~120,000であることが好ましい。120,000以上であると、ペン先に形成される被膜が硬く、ドライアップ時の書き出しにおいて、筆跡がカスレやすくなる傾向がある。一方、5,000未満だと、経時的な分散安定性を向上させる程度の粘度変化を与えにくく、さらにデキストリンの吸湿性が高くなりやすく、ペン先に生ずる被膜が柔らかく、ペン先で安定して維持しにくく、インキ中の溶媒の蒸発が抑制しにくい傾向にある。上記効果の向上をさらに考慮すると、質量平均分子量が、20,000~100,000であるデキストリンを用いることが好ましい。
デキストリンの含有率は、インキ組成物の総質量を基準として、0.1質量%~5質量%が好ましい。これは、0.1質量%より少ないと、耐ドライアップ性能の向上効果が十分得られない傾向にあり、5質量%を越えると、インキ中で溶解しづらい傾向があるためである。よりインキ中の溶解安定性を考慮すれば、0.1質量%~3質量%が好ましく、より耐ドライアップ性能の向上を考慮すれば、0.5質量%~3質量%が最も好ましい。
また、本発明のインキ組成物は、インキ物性や機能を向上させる目的で、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、キレート剤、保湿剤などの各種添加剤を含んでいてもよい。
pH調整剤としては、アンモニア、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどの塩基性無機化合物、酢酸ナトリウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの塩基性有機化合物、乳酸およびクエン酸などが挙げられ、インキ組成物の経時安定性を考慮すれば、塩基性有機化合物を用いることが好ましく、より考慮すれば、弱塩基性であるトリエタノールアミンを用いることが好ましい。これらのpH調整剤は1種または、2種以上の混合物として使用してもかまわない。
防錆剤としては、ベンゾトリアゾールおよびその誘導体、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、チオ硫酸ナトリウム、サポニン、またはジアルキルチオ尿素などが挙げられる。
防腐剤としては、フェノール、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6-テトラクロロ-4-(メチルスルフォニル)ピリジン、2-ピリジンチオール-1-オキシドナトリウム、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)およびそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩またはアミン塩などが挙げられる。
本発明において、保湿剤は、多価アルコール、デキストリン以外の保湿剤を更に含んでいても良い。例えば、尿素、ソルビット、トリメチルグリシンなどのN,N,N-トリアルキルアミノ酸、ヒアルロン酸類などが挙げられ、好適に用いることができる。
さらに、樹脂エマルジョンとして、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂など含むエマルジョンを添加することができる。
さらには、ノニオン系、アニオン系、カチオン系界面活性剤や、アセチレン結合を構造中に有した界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤なども添加することができ、ジメチルポリシロキサンなどの消泡剤を添加することもできる。
<インキ組成物の製造方法>
本発明によるインキ組成物は、従来知られている任意の方法により製造することができる。具体的には、前記各成分を必要量配合し、マグネットホットスターラー、プロペラ攪拌機、ホモジナイザー攪拌機、ホモディスパー、またはホモミキサーなどの各種攪拌機やビーズミルなどの各種分散機などにて混合し、製造することができる。
<ボールペン>
本発明のインキ組成物は、ボールペンに好適に用いられる。ボールペンの構造は、一般的に知られているボールペンの構造を採用することができる。
一般的には、インキ組成物を収容したインキ収容筒と、その収容筒の先端に配置された、チップ本体のボール抱持室にボールを回転自在に抱持したボールペンチップとを具備したボールペンが挙げられる。
<ボールペンチップ>
本発明で用いるボールペンチップのボールの直径(ボール径)は、特定限定されないが、φ0.2mm~φ2.0mmであることが好ましい。
また、ボールに用いる材料は、特に限定されるものではなく、タングステンカーバイドを主成分とする超硬合金ボール、ステンレス鋼などの金属ボール、炭化ケイ素、窒化珪素、アルミナ、シリカ、ジルコニアなどのセラミックスボール、ルビーボールなどが例示できる。本発明においては、腐食し難く、ボール座の摩耗や書き味に有利に働きやすいため、セラミックスボール、さらには、炭化ケイ素ボールを用いることがより好ましい。
また、書き味のより一層の向上のため、ボール表面の算術平均粗さ(Ra)は、0.1nm~10nmとすることが好ましい。これは、ボール表面の算術平均粗さ(Ra)が、この範囲を越えると、ボール表面が粗すぎて、ボールとボール座の回転抵抗が大きくなりやすく、書き味に影響が出やすく、また、ボール座の摩耗も進みやすく、筆跡に線とびやカスレが発生しやすくなる。また、この範囲を下まわると、ボールの表面に着色剤が十分に載り難くなるため、濃い筆跡が得られ難く、十分な筆跡視認性、筆跡発色性が得られにくい。このため、書き味を向上し、ボール座の摩耗も抑制し、カスレや線とびがなく、視認性、発色性により一層優れた筆跡を得るためには、ボール表面の算術平均粗さ(Ra)が、0.1nm~10nmとすることが好ましく、0.1nm~5nmとすることがより好ましく、0.1nm~3nmとすることが特に好ましい。
ボール表面の算術平均粗さについて、表面粗さ測定器(セイコーエプソン社製の機種名:SPI3800N)により測定された粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値である。
また、ボールペンチップのチップ本体の材料は、ステンレス鋼、洋白、ブラス(黄銅)、アルミニウム青銅、アルミニウムなどの金属材、ポリカーボネート、ポリアセタール、ABSなどの樹脂材が挙げられるが、うるち米でんぷんの潤滑効果を効果的に得て、書き味を向上させることを考慮すると、金属製のチップ本体を用いることが好ましい。また、本発明において、リン酸エステル系界面活性剤を更に用いた場合には、金属製のチップ本体を用いることは、より効果的である。さらに、ボール座の摩耗抑制、経時安定性を考慮すれば、ステンレス製のチップ本体とすることが特に好ましい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
下記の配合組成および方法により筆記具用インキ組成物を得た。
・着色剤(顔料(着色樹脂粒子(白))) 11.0質量%
(着色樹脂粒子(白)分散体、固形分45wt%)
・着色剤(顔料(酸化チタン)) 19.0質量%
(酸化チタン分散体、固形分67wt%)
・うるち米でんぷん 6.0質量%
・剪断減粘度付与剤 0.3質量%
(サクシノグリカン)
・デキストリン 1.0質量%
・潤滑剤 1.0質量%
(リン酸エステル系界面活性剤)
・防腐剤 0.1質量%
(1,2-ベンゾイソチアゾリン-3、オン)
・pH調整剤 1.0質量%
(トリエタノールアミン)
・水溶性有機溶剤 10.0質量%
(多価アルコール溶剤:グリセリン)
・水 50.6質量%
うるち米でんぷん、着色剤、潤滑剤、pH調整剤、防腐剤、デキストリン、水溶性有機溶剤、水をマグネットホットスターラーで加温撹拌などして、ベースインキを作製した。
その後、上記作製したベースインキを加温しながら、剪断減粘性付与剤を投入してホモジナイザー攪拌機を用いて均一な状態となるまで充分に混合撹拌した後、濾紙を用いて濾過を行い、実施例1のボールペン用インキ組成物を得た。
さらに、IM-40S型pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて、20℃におけるインキ組成物のpH値を測定した結果、pH値は7.8であった。また、得られたインキ組成物の粘度をE型回転粘度計(機種:DV-II+Pro、ローター:CPE-42、ブルックフィールド社製)により、20℃環境下にて剪断速度1.92sec-1(回転数0.5rpm)の条件にてインキ粘度を測定したところ、2800mPa・sであった。
<実施例2~実施例5>
実施例2~実施例5は、インキ組成物に含まれる成分の種類や配合量を表1において表される組成に変更した以外は、実施例1と同じ方法でボールペン用インキ組成物を得た。
尚、実施例4のインキ組成物のインキ粘度を、実施例1と同様に測定したところ、3030mPa・sであった。
<比較例1~比較例4>
比較例1~比較例4は、インキ組成物に含まれる成分の種類や配合量を表1において表される組成に変更した以外は、実施例1と同じ方法でボールペン用インキ組成物を得た。
Figure 0007249253000001
上記実施例で使用した材料の詳細は以下の通りである。表中の材料の注番号に沿って説明する。
(1)着色樹脂粒子(白)分散体、ルミコールNKW2319G(固形分45wt%含有、平均粒子径:0.4μm)、日本蛍光化学(株)製
(2)着色樹脂粒子(ピンク)分散体、ルミコールNKW2317G(固形分45wt%含有、平均粒子径:0.4μm)、日本蛍光化学(株)製
(3)酸化チタン分散体(固形分67wt%含有、平均粒子径:0.25μm)
(4)平均粒子径:5μm、日本型米のうるち米、うるち米でんぷん中のアミロース含量:15%~25%
(5)三晶(株)製
(6)質量平均分子量:100000
(7)ポリオキシエチレンアルキル(C12、C13)エーテルリン酸エステル、プライサーフA208N、第一工業製薬(株)製、HLB値:7
(8)1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン
<試験および評価>
得られたインキ組成物を以下の方法で試験および評価を行った。得られた結果は、表1の通りである。
実施例1~実施例5及び、比較例1~比較例4の筆記具用インキ組成物(1.0g)を、炭化珪素ボール(ボール径:0.7mm、ボール表面の算術平均粗さ(Ra):1.0nm)を、チップ本体(ステンレス鋼製)のボール抱持室に回転自在に抱持してなるボールペンチップを先端に有するインキ収容筒の内部に充填させ、レフィルを作成した。このレフィルを、(株)パイロットコーポレーション製のゲルインキボールペン(商品名:G-2)に配設して、ボールペンを得た。得られたボールペンを試験用筆記具とし、以下の試験および評価を行った。
<筆記性能(書き味)試験>
試験用筆記具を用いて、試験用紙(黒色紙(色上質紙、紀州製紙(株)社製、中厚口)上に螺旋状の丸を連続筆記し、その時の書き味を官能試験により、下記基準に従って、筆記性能(書き味)を評価した。
A:滑らかな書き味であった。
B:僅かに書き味が重く感じたが、実用上は問題のないレベルである。
C:重く、滑りが悪い書き味であった。
<筆跡視認性試験>
試験用筆記具を用いて、試験用紙上(黒色紙(画用紙))に、螺旋状の丸を連続筆記し、得られた筆跡の状態を観察し、下記基準に従って、筆跡視認性を評価した。
A:視認性に優れた筆跡が得られた。
B:僅かに、着色剤の沈み込みが確認され、やや視認性は劣るが、実用上は問題のないレベルの筆跡が得られた。
C:着色剤の沈みこみが確認され、筆跡は、視認性に乏しいものであった。
表1に示した通り、実施例1~実施例5のインキ組成物は、筆記性能(書き味)、筆跡視認性ともに良好レベルのものであった。一方、比較例1~比較例4のインキ組成物は、うるち米でんぷんを用いていないため、筆記性能(書き味)、筆跡視認性ともに十分に満足できるインキ組成物ではなかった。
また、実施例5、比較例3のインキ組成物を充填させた試験用筆記具を用いて、試験用紙(白色紙(画用紙))に、螺旋状の丸を連続筆記し、得られた筆跡の状態を観察したところ、実施例5のインキ組成物を充填させた試験用筆記具で得られた筆跡は、比較例3のインキ組成物を充填させた試験用筆記具で得られた筆跡と比較して、着色剤の沈み込みが改善され、発色性に優れているものであった。
また、実施例1、実施例4、比較例1のインキ組成物を充填させた試験用筆記具を用いて、試験用紙(JIS P3201 筆記用紙A)に、20℃で、荷重100gf、筆記角度65°、4m/minの走行試験機にて、筆記試験後のボール座の摩耗を測定したところ、実施例1、実施例4のインキ組成物を充填させた試験用筆記具のボール座の摩耗量は30μmであり、比較例1のインキ組成物を充填させた試験用筆記具のボール座の摩耗量は41μmであって、比較例1に比べて、実施例1、実施例4のインキ組成物を充填した試験用筆記具のボール座の摩耗量は、小さかった。よって、うるち米でんぷんのボール座の摩耗抑制効果を確認することができた。
以上より、うるち米でんぷんと、着色剤と、溶媒と、を含んでなるボールペン用インキ組成物は、滑らかな書き味を奏しつつ、さらに、目の粗い紙面に対しても、視認性、発色性に優れた筆跡を得ることができるなど、筆跡視認性、筆跡発色性にも優れたものであり、さらに、ボール座の摩耗も抑制可能であって、前記ボールペン用インキ組成物を用いたボールペンは、ボールペンとして優れたものであることがわかった。
本実施例では、インキ収容筒内にインキ組成物を収容したレフィルを軸筒内に配設したボールペンを例示したが、本発明のボールペンは、軸筒自体をインキ収容筒とし、軸筒内に、インキ組成物を直に収容した直詰め式のボールペンとした筆記具であっても良く、インキ収容筒内にインキ組成物を収容したもの(ボールペンレフィル)をそのままボールペンとして使用した構造であっても良い。
本発明のボールペン用インキ組成物は、ボールペンに用いることができ、さらに、詳細としては、キャップ式、ノック式等の出没式ボールペンなどとしても広く利用することができる。

Claims (4)

  1. 着色剤と、溶媒と、うるち米でんぷんと、を含んでなることを特徴とする、ボールペン用インキ組成物。
  2. 前記うるち米でんぷんの含有率が、前記ボールペン用インキ組成物の総質量を基準として、0.1質量%~20質量%である、請求項1に記載のボールペン用インキ組成物。
  3. 前記着色剤が顔料である、請求項1または請求項2に記載のボールペン用インキ組成物。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のインキ組成物を収容した収容筒と、前記収容筒の先端に配置された、ボール抱持室にボールを回転自在に抱持したボールペンチップとを具備したことを特徴とする、ボールペン。







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