JP2002226759A - ボールペン用水性インキ組成物 - Google Patents

ボールペン用水性インキ組成物

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JP2002226759A JP2001022687A JP2001022687A JP2002226759A JP 2002226759 A JP2002226759 A JP 2002226759A JP 2001022687 A JP2001022687 A JP 2001022687A JP 2001022687 A JP2001022687 A JP 2001022687A JP 2002226759 A JP2002226759 A JP 2002226759A
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vinylpyrrolidone
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Hideaki Asami
秀明 朝見
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャップオフ性、垂れ下がり防止性能に優
れ、更には潤滑性や経時安定性も著しく向上したボール
ペン用水性インキ組成物を提供する。 【解決手段】 顔料、水溶性有機溶剤、水を含むボール
ペン用水性インキ組成物において、N−ビニルピロリド
ン或いはその誘導体とアルケン化合物との共重合体及び
λ−カラギーナンを添加したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はボールペン用水性イ
ンキ組成物に関する。更に詳細には、ボールペンチップ
に直接或いは接続部材を介して接続された筒状のインキ
タンクにインキを直接収容し、前記インキの後端にイン
キ逆流防止体を該インキに接触するように充填したボー
ルペンに用いられる剪断減粘性水性インキ組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から剪断減粘性ボールペン用水性イ
ンキ組成物に配合される剪断減粘性付与剤として種々の
化合物が提案されている。例えば特開平4−21478
2号公報には高分子多糖類、特開平10−219176
号公報にはHLBが8〜12のノニオン系界面活性剤、
更に特開平6−57194号公報には架橋型アクリル酸
重合体を配合した剪断減粘性水性ボールペンインキ組成
物が開示されている。これら剪断減粘性ボールペン用水
性インキ組成物のうち、高分子多糖類を配合したもの及
びHLBが8〜12のノニオン系界面活性剤を配合した
ものはキャップオフ性が劣る。即ち、ペン先を露出した
状態で放置しておくと、短時間で筆記不能になる不具合
がある。また、架橋型アクリル酸重合体を配合したもの
は前記高分子多糖類を配合したもの及びノニオン系界面
活性剤を配合したものに比較して長期のキャップオフ性
を示すが、一旦ペン先が乾燥してしまうと強固な皮膜を
形成するため再筆記ができないこともある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記したキャップオフ
性を改良するために、水溶性有機溶剤を増量したインキ
を使用する試みもなされてきたが、顕著にキャップオフ
性が改良されることはなく、筆跡にじみの発生や、筆跡
乾燥性が悪化するという不都合があった。また、水溶性
有機溶剤の増量によりペン先におけるインキの乾燥が遅
くなり、ペン先を下向きにした状態(倒立)で放置した
ときにボールとボールホルダーの間隙から徐々に漏れだ
したインキがチップ先端に溜まる、所謂「垂れ下がり」
現象が発生しやすくなる。一方、乾燥が早いインキはペ
ン先において、短時間で乾燥皮膜を形成し、前記「垂れ
下がり」現象を防止することができるが、その反面、前
記乾燥皮膜が筆記時のボールの回転を妨げるためにキャ
ップオフ性には劣る結果となる。このように、キャップ
オフ性能と垂れ下がり防止性能は相反する性能であり、
その両方を満足するインキ組成物を得ることは困難であ
った。
【0004】また、ボールペン用水性インキ組成物のう
ち黒インキには、顔料としてカーボンブラックが使用さ
れることが一般的であるが、カーボンブラックは他の顔
料と比較すると筆記に際してチップのボール受け座を著
しく摩耗させる傾向がある。ボール受け座の摩耗が大き
くなると、インキが過剰に流出する、筆記感が悪くな
る、或いはボールの保持が不安定になり更にはボールが
脱落するなどの不都合が発生する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、キャップオフ
性、筆跡乾燥性、垂れ下がり性能、高速筆記の追従性等
を同時に満足させ、更には筆記におけるボール受け座の
摩耗量を小さくし、良好な筆記感を長く持続させること
ができる剪断減粘性水性ボールペンインキを提供しよう
とするものである。即ちボールペン用水性インキ組成物
において顔料、水溶性有機溶剤、水、N−ビニルピロリ
ドン或いはその誘導体とアルケン化合物との共重合体及
びλ−カラギーナンとから少なくともなること、または
N−ビニルピロリドン或いはその誘導体とアルケン化合
物との共重合体で表面処理された顔料、水溶性有機溶
剤、水及びλ−カラギーナンとから少なくともなること
を要件とする。更には、前記λ−カラギーナンがインキ
組成物全量に対して0.1乃至2.0重量%配合されて
なること、前記N−ビニルピロリドン或いはその誘導体
とアルケン化合物との共重合体がN−ビニルピロリドン
と1−ブテンの共重合体であること、前記顔料の吸油量
が100ml/100g以下であること、前記N−ビニ
ルピロリドン或いはその誘導体とアルケン化合物との共
重合体と前記顔料との重量比が、顔料100重量部に対
しN−ビニルピロリドン或いはその誘導体とアルケン化
合物との共重合体が50乃至200重量部であること等
を要件とする。
【0006】本発明のボールペン用水性インキ組成物は
剪断減粘性付与剤としてN−ビニルピロリドン或いはそ
の誘導体とアルケン化合物との共重合体とλ−カラギー
ナンが併用される。該共重合体の構成成分のひとつであ
るN−ビニルピロリドンの誘導体としては、N−ビニル
−5−メチルピロリドン、N−ビニル−5−エチルピロ
リドン、N−ビニル−5,5−ジメチルピロリドン、N
−ビニル−5,5−ジエチルピロリドン、N−ビニル−
5−メチル−5−エチルピロリドン等が挙げられ、他方
の構成成分であるアルケン化合物としては炭素数2〜6
のアルケン化合物である、プロペン、1−ブテン、1−
ペンテン等を例示することができる。
【0007】前記N−ビニルピロリドン或いはその誘導
体とアルケン化合物との共重合体をインキに添加するこ
とによりボールペンチップのボール受け座の摩耗を防止
することができる。更に該共重合体を単に添加するので
はなく、顔料をあらかじめ該共重合体で表面処理するこ
とにより摩耗防止性能を更に向上させることができる。
これは該共重合体が顔料表面を被覆し、顔料表面とボー
ル受け座の間に潤滑性の高い皮膜を形成することによる
ものと推察される。また、N−ビニルピロリドン或いは
その誘導体とアルケン化合物との共重合体を添加したイ
ンキは良好なキャップオフ性能も有するが、これは該共
重合体が他の水溶性樹脂に比較して乾燥時の皮膜が柔ら
かく、水分の蒸発抑制効果にも優れているため、皮膜内
部のインキ乾燥を防止し、筆記時の剪断力により容易に
皮膜が破壊される結果、筆記開始から正常な筆記ができ
ると考えられる。
【0008】前記N−ビニルピロリドン或いはその誘導
体とアルケン化合物との共重合体は配合される顔料10
0重量部に対し、50〜200重量部を配合することが
好ましい。顔料100重量部に対し、50重量部未満で
は顔料表面の被覆割合が低いためボール受け座の摩耗が
著しく、200重量部を越えるとインキ粘度が過度に上
昇するため、線割れや、インキ追従性不良が発生する。
【0009】前記N−ビニルピロリドン或いはその誘導
体とアルケン化合物との共重合体と併用される剪断減粘
性付与剤のλ−カラギーナンは植物由来の天然多糖類で
あり、従来の剪断減粘性水性ボールペンインキ組成物に
用いられてきたキサンタンガム、グアーガム等の他の多
糖類や、架橋性アクリル酸重合体等に比較してキャップ
オフ性に優れている。例えばキサンタンガムやグアーガ
ム等、従来使用されてきた多糖類は増粘効果が高いた
め、チップ先端で少量の水分が蒸発しただけでインキが
過度に増粘するため、短時間のキャップオフ放置でカス
レや筆記不良が発生するが、λ−カラギーナンは増粘性
がやや低いため少量の水分蒸発では粘度があまり上昇し
ないことにより、長期にキャップオフ放置されても書き
出しから良好な筆記ができる。
【0010】また架橋性アクリル酸重合体は、多糖類に
比較すると長期のキャップオフ性を示すが、一旦チップ
が乾燥してしまうと強固な皮膜が形成されてしまうた
め、筆記不能となり、再度キャップを装着しても筆記性
能が回復することはない。前記λ−カラギーナンは乾燥
皮膜が柔らかく、水に対する再溶解性も高いため、キャ
ップオフ放置でチップが乾燥しても筆記の開始により皮
膜が破れ、破壊された皮膜も即時に水に再溶解し、直ち
に正常な筆記に戻るという利点がある。前記λ−カラギ
ーナンはインキ組成物全量に対して0.1乃至2.0重
量%が添加される。0.1重量%未満では十分な剪断減
粘性が得られず、2.0重量%以上ではインキ粘度が高
すぎ、線割れや高速追従不良が発生する。0.1乃至
2.0重量%の添加で効果が得られるが、好ましくは
0.2乃至1.0重量%の範囲で用いられる。
【0011】前記した「垂れ下がり」現象を防止するた
めにインキに曳糸性を付与する試みもなされてきた。こ
の曳糸性付与剤として、一般に分子量の高い水溶性高分
子が用いられることがあるが、その分子量の大きさのた
めに、少量の添加でもインキ粘度が上昇し、筆記におけ
るインキ追従性の低下や筆跡の線割れ等を招きがちであ
る。また、通常水溶性高分子は水中に分散状態にある固
形物粒子の凝集剤として作用するため、顔料インキの場
合は顔料の凝集が発生しやすいという弊害がある。
【0012】本発明はボールペン用水性インキ組成物に
N−ビニルピロリドン或いはその誘導体とアルケン化合
物との共重合体とλ−カラギーナンを同時に配合するこ
とが特徴であり、両者を併用することによりボールペン
用水性インキ組成物に適度の曳糸性を付与し、垂れ下が
りを有効に防止することができる。
【0013】本発明のボールペン用水性インキ組成物に
使用される着色剤は従来から筆記具用水性インキに用い
られている顔料のなかから任意に選択することができ、
具体的にはカーボンブラック、群青、コバルトブルー、
酸化チタン、亜鉛華、黄色酸化鉄等の無機顔料、アゾ
系、ポリアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、
インジゴ系、チオインジゴ系等の有機顔料の他にアルミ
ニウム粉、黄銅粉等の金属光沢顔料、各種蛍光染料を樹
脂マトリックス中に固溶体化した蛍光顔料やパール顔料
等を使用することができる。
【0014】前記着色剤は一種又は二種以上を適宜混合
して配合することができるが、インキ組成中1乃至25
重量%、好ましくは2乃至15重量%の範囲で用いられ
る。また、上記の顔料のなかでも、吸油量が100ml
/100g以下である顔料を用いたインキ組成物は、長
期の保管においても顔料凝集や粘度変化の発生がなく、
更に安定性に優れたものとなることが明らかとなった。
【0015】前記顔料の吸油量はJISに規定された試
験方法で測定される。即ちカーボンブラックはJIS
K6221 A法で、その他の顔料はJIS K510
1に明記された方法で測定した数値を各々の顔料の吸油
量とした。本発明は吸油量が100ml/100gであ
る顔料を選択することによりキャップオフ性能、高速筆
記の追従性、インキ凝集防止性能及びそれによってもた
らされるボール受け座の摩耗低減等に有効であるが、好
ましくは80ml/100g、更に好ましくは70ml
/100gである顔料を用いると上記性能が著しく向上
する。
【0016】溶剤としては水及び水溶性有機溶剤が用い
られる。前記水溶性有機溶剤においても従来から水性イ
ンキ組成物に汎用されているものが使用でき、具体的に
はエタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリ
ン、ソルビトール、トリエタノールアミン、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、プ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジ
エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、2
−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が例示で
きる。
【0017】上述の必須成分の他に従来公知の添加剤を
適宜選択して添加してもよい。例えば 炭酸ナトリウ
ム、酢酸ソーダ、水溶性アミン等のpH調整剤、ベンゾ
トリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシル
アンモニウムナイトライト、サポニン等の防錆剤、石炭
酸、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、安息香
酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カ
リウム等の防腐・防黴剤、尿素、ソルビット、マンニッ
ト、ショ糖、ブドウ糖等の湿潤剤、金属石鹸、脂肪酸エ
ステル、燐酸エステル系活性剤、ジメチルジチオカルバ
ミン酸塩等の潤滑剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン系
界面活性剤等のインキ浸透剤等を添加することもでき
る。
【0018】更には、顔料の凝集、キャップオフ性の低
下、過度のインキ粘度上昇等を発生させない範疇で、紙
面への筆跡固着性、或いは粘性の付与のためにアクリル
酸重合体、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグ
リカン、グアーガム、ι−カラギーナン、κ−カラギー
ナン、デキストリン、ヒドロキシエチルセルロース、ポ
リビニルピロリドン等の水溶性樹脂類を少量添加しても
よい。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のボールペン用水性インキ
組成物は、以下の方法で作成することができる。予め粉
体顔料を前記N−ビニルピロリドン或いはその誘導体と
アルケン化合物との共重合体或いは他の水溶性樹脂を用
いて水分散体を調製する。前記N−ビニルピロリドン或
いはその誘導体とアルケン化合物との共重合体を用いた
顔料分散体に所定量のλ−カラギーナンと他の添加剤と
水を加えてディスパー等で攪拌する。尚、添加剤とし
て、前記N−ビニルピロリドン或いはその誘導体とアル
ケン化合物との共重合体を更に少量添加してもよい。
【0020】また、他の水溶性樹脂を用いた顔料分散体
の場合は所定量のλ−カラギーナンとN−ビニルピロリ
ドン或いはその誘導体とアルケン化合物との共重合体及
び他の添加剤と水を加えてディスパー等の攪拌機で混合
することにより得られる。以下に、実施例を挙げて本発
明のボールペン用水性インキ組成物を説明するが、本発
明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0021】
【実施例】〔顔料分散体の調製〕本発明のボールペン用
水性インキ組成物に用いられる顔料分散体の組成を以下
の表に示す。尚、表中の配合量を表わす数値は重量部を
示す。各々の顔料分散体は表に記載された成分を混合
し、ビーズミルで5時間処理することにより得られる。
【0022】
【表1】
【0023】〔実施例及び比較例インキの調製〕前記の
顔料分散体を用いて、実施例及び比較例のインキ組成物
を調製した。以下の表に各々のインキ組成を示すが、表
中の配合量を表わす数値は重量部を示す。それぞれのイ
ンキ組成物は、各成分を混合し、ディスパーで30分間
処理をすることにより得られた。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】表中の原料の内容を注番号に沿って説明す
る。 (1)λ−カラギーナン〔太陽化学(株)製、商品名:
サンカラ634〕 (2)キサンタンガム〔中央フーズマテリアル(株)
製、商品名:ニューギリンXGT〕 (3)リン酸エステル系界面活性剤〔第一工業製薬
(株)製、商品名:プライサーフAL〕 (4)防腐剤〔アビシア(株)製、商品名:プロキセル
XL−2〕 (5)ι−カラギーナン〔中央フーズマテリアル(株)
製、商品名:ニューギリンGJ−300〕
【0027】前記実施例及び比較例のインキ組成物を、
直径0.4mmの超硬合金製ボールを抱持するステンレ
ススチール製チップが、ポリプロピレン製パイプの一端
に嵌着されたボールペンレフィルに充填し、インキ後端
面に密接させてインキ逆流防止体を充填後、遠心処理を
施したボールペンレフィルをボールペン軸筒に組み込
み、性能試験用試料とした。
【0028】正常に筆記できることを確認した試料ボー
ルペンを、キャップをはずした状態で室温下と50℃恒
温糟中に放置し、60日経過後に取り出して筆記用紙A
(JIS P3201)に文字を筆記し、カスレ状態を
目視で観察した。評価基準は以下の通りである。 ◎:書き初めからカスレが発生せず筆記可能。 ○:2文字目から筆記可能。 △:2〜4文字が筆記できない。 ×:5文字以上筆記できない。
【0029】〔垂れ下がり試験〕試料ボールペンを倒立
状態で、チップ先端が対象物に接触しないように保持
し、温度30℃相対湿度90%の雰囲気下に24時間放
置した後に、チップ先端からのインキ洩れの有無を観察
した。評価基準は以下の通りである。 ○:インキの洩出が認められない。 ×:チップ先端にインキが溜まっている。
【0030】〔耐摩耗性試験〕螺旋式自動筆記試験機を
用い、筆記荷重100g、筆記速度4m/分、筆記角度
70度で試料ボールペンを500m筆記させた後に、ボ
ール受け座の摩耗長を測定した。前記筆記試験は各々の
インキについて5本ずつ実施し、それぞれのボールペン
における初期と500m筆記後のボール出長さの変化量
を測定し、その平均値を摩耗長とした。
【0031】〔顔料凝集性試験〕スライドグラス上に各
々のインキ組成物を一滴取り、カバーグラスをかぶせ1
00倍の光学顕微鏡で顔料の分散状態及びインキの均一
性を観察した。評価基準は以下の通りである。 ○:分散状態が均一で全く凝集が認められない。 △:やや顔料凝集が発生している、或いはインキがやや
不均一。 ×:顔料凝集が発生している、或いはインキが不均一。
【0032】上記の性能試験の結果を以下の表に示す。
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】本発明は顔料、水溶性有機溶剤、水を含
むボールペン用水性インキ組成物において、N−ビニル
ピロリドン或いはその誘導体とアルケン化合物との共重
合体及びλ−カラギーナンを添加したことを特徴とする
ものであり、それによりキャップオフ性、垂れ下がり防
止性能に優れ、更には潤滑性や経時安定性も著しく向上
したボールペン用水性インキ組成物を提供することがで
きる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料、水溶性有機溶剤、水、N−ビニル
    ピロリドン或いはその誘導体とアルケン化合物との共重
    合体及びλ−カラギーナンとから少なくともなるボール
    ペン用水性インキ組成物。
  2. 【請求項2】 N−ビニルピロリドン或いはその誘導体
    とアルケン化合物との共重合体で表面処理された顔料、
    水溶性有機溶剤、水及びλ−カラギーナンとから少なく
    ともなるボールペン用水性インキ組成物。
  3. 【請求項3】 前記λ−カラギーナンがインキ組成物全
    量に対して0.1乃至2.0重量%配合されてなること
    を特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のボール
    ペン用水性インキ組成物。
  4. 【請求項4】 前記N−ビニルピロリドン或いはその誘
    導体とアルケン化合物との共重合体がN−ビニルピロリ
    ドンと1−ブテンの共重合体であることを特徴とする請
    求項1又は2のいずれかに記載のボールペン用水性イン
    キ組成物。
  5. 【請求項5】 前記顔料の吸油量が100ml/100
    g以下であることを特徴とする請求項1又は2のいずれ
    かに記載のボールペン用水性インキ組成物。
  6. 【請求項6】 前記N−ビニルピロリドン或いはその誘
    導体とアルケン化合物との共重合体と前記顔料との重量
    比が、顔料100重量部に対しN−ビニルピロリドン或
    いはその誘導体とアルケン化合物との共重合体が50乃
    至200重量部であることを特徴とする請求項1又は2
    のいずれかに記載のボールペン用水性インキ組成物。
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