JP2014051630A - 水性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた出没式水性ボールペン - Google Patents

水性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた出没式水性ボールペン Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、ドライアップ性能と、ボール座の摩耗を抑制した水性ボールペン用インキ組成物を提供することである。
【解決手段】本発明は、少なくとも水、グリコール系溶剤、酸化チタン、デキストリン、剪断減粘性付与剤からなり、前記酸化チタンの含有量が、インキ組成物全量に対し、0.1〜15質量%であることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水性ボールペン用インキ組成物に関し、さらに詳細としては、ドライアップ性能と、ボール座の摩耗を抑制した水性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた出没式水性ボールペンに関するものである。
従来より、酸化チタンを用いた白色系水性ボールペンはよく知られているが、暗色紙等の上に筆記した際においても、はっきりとした筆跡を得られるため、酸化チタンは好適に用いることができるが、ペン先を大気中に放置することによる、ドライアップ時の書き出しが劣ってしまう。さらに、酸化チタンを分散剤で分散させても、比重が重く、インキ中では、経時的に沈降しやすいため、ドライアップ時の書き出しの影響が出やすい。
そのため、水性ボールペン用インキ組成物のペン先の乾燥防止剤として、エチレングリコールやプロピレングリコール等の多価アルコール溶剤などにより、ドライアップ性能を向上した水性ボールペン用インキ組成物が知られている。
しかしながら、前者のエチレングリコールやプロピレングリコール等の多価アルコール溶剤は十分なドライアップ性能を得るためには多量の添加が必要となり、その結果、インキ粘度の上昇によるインキ追従不良や、筆跡の滲み等が発生する、さらに擦過性能が劣るなどの問題を抱えていた。
こうした問題を鑑みて、新たに添加剤を含有する技術として、特開2002−173616号公報「水性インキ組成物」には、1,6 -ヘキサンジオール、特開2010−37369号公報「筆記具用インキ」には、ジペンタエリスリトールを含有したもの、特開2003−213162号公報「キャップオフ性能に優れた修正液組成物及び修正具」には、パラフィンワックス類を含有したもの、が開示されている。
「特開2002−173616号公報」 「特開2010−37369号公報」 「特開2003−213162号公報」
しかし、特許文献1〜3のように、新たにドライアップ抑制剤を含有することで、チップ先端を大気中に放置した状態では、ある程度のドライアップ性能の向上は認められるものもあるが、酸化チタンを用いた場合、皮膜が硬すぎたり、柔らかすぎたりするため、十分に満足できるドライアップ性能ではなく、また、ジペンタエリスリトールは水に対する溶解度が低く、低温で析出してしまうため、筆記性能に影響が出てしまう問題を抱えていた。また、酸化チタンを用いたノック式水性ボールペンや回転繰り出し式水性ボールペン等においては、キャップ式ボールペンよりも、チップ先端を出したままの状態であるため、さらなるドライアップ性能の向上が望まれていた。
さらに、酸化チタンは、研磨剤としても用いられる材料でもあり、筆記時にザラツキ感が発生し、ボールペンチップのボール座が摩耗を促進しやすく、筆跡にカスレ、線とびが発生したり、筆記不良の原因になってしまう問題を抱えていた。
本発明の目的は、ドライアップ性能と、ボール座の摩耗を抑制した水性ボールペン用インキ組成物と出没式水性ボールペンを提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために、
「1.少なくとも水、グリコール系溶剤、酸化チタン、デキストリン、剪断減粘性付与剤からなり、前記酸化チタンの含有量が、インキ組成物全量に対し、0.1〜15質量%であることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物。
2.前記デキストリンの重量平均分子量が、5000〜100000であることを特徴とする第1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
3.前記水性ボールペン用インキ組成物に、樹脂粒子を含有することを特徴とする第1項または第2項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
4.前記酸化チタンの平均粒子径をA、前記樹脂粒子の平均粒子径をBとした場合、A≦Bであることを特徴とする第3項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
5.前記水性インキ組成物の固形分総量が10〜30質量%であり、かつ、前記酸化チタンの固形分量をC、前記樹脂粒子の固形分量をDとした場合、CとDとの関係が、0.1≦C/D≦2.0であることを特徴とする請求項3または4に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
6.20℃環境下、剪断速度0.001( sec-1)で、インキ粘度が、100〜1000Pa・sであることを特徴とする第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
7.第1項ないし第6項のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物を直詰めしたインキ収容筒の先端部に、チップ本体のボール抱持室にボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して具備したボールペンレフィルを、軸筒内に摺動自在に配設し、前記ボールペンチップを前記軸筒の先端開口部から出没可能としたことを特徴とする出没式水性ボールペン。」
とする。
本発明は、水性ボールペン用インキ組成物において、チップ先端を大気中に放置した状態で、該チップ先端が乾燥した時に、形成する皮膜の固化を和らげることで、筆跡カスレが発生せず、ドライアップ性能に優れ、ボール座の摩耗を抑制した水性ボールペン用インキ組成物と水性ボールペンを提供することができた。
本発明の特徴は、少なくとも水、グリコール系溶剤、酸化チタン、デキストリン、剪断減粘性付与剤からなり、前記酸化チタンの含有量が、インキ組成物全量に対し、0.1〜15質量%であることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物を用いることである。
本発明では、着色剤として、酸化チタンを用いるが、チップ先端を大気中に放置した状態では、該チップ先端の隙間に前記酸化チタンとインキ中の樹脂との皮膜を形成しようとするが、十分に覆いきれずに、該チップ先端の隙間から乾燥し続けてしまい、チップ内のインキが乾燥して増粘し続けるため、ドライアップ時の書き出しにおいて、非常に悪く、筆跡カスレが発生してしまい、十分なドライアップ性能が得られない。また、本発明のように酸化チタンを用いる場合では、チップ先端が乾燥すると、酸化チタンが硬い粒子であるため、ボールの回転阻害を起こしやすく、ボールが回転しづらくなり、ドライアップ時の書き出しも劣りやすくなる。
そこで、本願発明者が鋭意検討した結果、デキストリンを用いることで、ドライアップ性能を向上するのに十分な皮膜を形成することが可能になることが解った。これは、デキストリンを用いることで、チップ先端のインキが乾燥時に、形成する皮膜の固化を和らげて、ドライアップ性能向上効果が得られる。
また、デキストリンは、数個のα -グルコースが、グリコシド結合によって重合した物質の総称で、食物繊維の一種であり、デンプンの加水分解により得られるものである。
また、デキストリンを溶解安定するのに用いる溶剤としては、グリコ−ル系溶剤を用いるのが良い。また、グリコール系溶剤は、吸湿効果もあるため、含有することで、チップ先端のインキが、乾燥時に、デキストリンによって形成される皮膜の固化を和らげて、ドライアップ性能をより向上する効果が得られる。
また、酸化チタンの含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1質量%未満だと十分な筆跡隠蔽性が得られず、15.0質量%以上だと、酸化チタンの量が多すぎて、デキストリンを含有しても、ドライアップ性能の向上が得られず、書き出しにおいてカスレが発生したり、ボール座の摩耗も抑制できないため、0.1〜15.0質量%とする。さらに、ドライアップ性能の向上やボール座の摩耗と筆跡隠蔽性を考慮すれば、5.0質量%〜13.0質量%がより好ましい。
また、デキストリンの重量平均分子量については、5000〜100000がより好ましい。重量平均分子量が100000を超えると、チップ先端に形成される皮膜が硬く、ドライアップ時の書き出しにおいて、筆跡がカスレやすくなる傾向があり、一方、重量平均分子量が5000未満だと、吸湿性が高くなりやすく、チップ先端に皮膜が柔らかくなりやすく、溶媒の蒸発を十分に抑制できずに酸化チタンや樹脂などが乾燥固化して筆記不能の原因になってしまうため、5000〜100000がより好ましい。また、重量平均分子量が20000より小さいと、皮膜が薄くなりやすい傾向があるため、重量平均分子量が、20000〜100000が最も好ましい。
デキストリンの含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1〜5.0質量%が好ましい。これは、0.1質量%より少ないと、ドライアップ性能の効果が十分得られない傾向があり、5.0質量%を越えると、インキ中で溶解しづらい傾向があるためである。よりインキ中の溶解性について考慮すれば、0.1〜3.0質量%が好ましく、よりドライアップ性能について考慮すれば、1.0〜3.0質量%が、最も好ましい。
また、酸化チタンについては、ルチル型・アナターゼ型等の各種酸化チタンを配合があるが、界面活性剤などで予め分散処理した酸化チタン分散体としたものを用いても良い。具体的には、LIOFAST WHITE H201、EM WHITE H、EMWHITE FX9048(以上、東洋インキ(株)社製)、ポルックスホワイトPC−CR(住友カラー(株)社製)、FUJISP WHITE 11、同1011、同1036、同1051(以上、富士色素(株)社製)などの酸化チタン水性分散体を使用すれば、生産面での分散工程の省略ができ、簡便にインキ化できるので、好ましい。その中でも、酸化チタンとしては、ドライアップ性能の向上や分散安定性を考慮すれば、C.I.ピグメントホワイト6が好ましい。
また、酸化チタンの平均粒子径が0.01〜2.0μmのものが好ましく、平均粒子径が0.01μmよりも小さいと十分な筆跡隠蔽性が得られづらい傾向があり、2.0μmよりも大きいと、ペン先でインキ中の酸化チタンが詰まりやすく、筆記不良の原因になりやすい傾向があるためである。よりその傾向を考慮すれば、平均粒子径が0.1〜1.0μmが最も好ましい。
また、グリコール系溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどのなどが挙げられる。その中でも、ドライアップ性能が向上する傾向であるエチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンを用いる方が好ましい。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
溶剤の含有量は、溶解性、ドライアップ性、にじみ等を考慮すると、インキ組成物全量に対し、5.0〜25.0質量%が好ましく、より考慮すれば、5.0〜15.0質量%が好ましい。
また、本発明においては、樹脂粒子を含有する方が好ましい。これは、酸化チタンを用いると、ボールとボール座間に酸化チタンが入り込み、ボール座の摩耗を促進しやすくしてしまうためであり、樹脂粒子を含有することで、ボールとボール座間の隙間に入ることで、クッションのような働きをすることで、酸化チタンが直接ボール座に接触することを抑制しやすくすることで、摩擦抵抗を低減し、ボール座の摩耗を抑制しやすくし、さらに、ボールの回転を良くして、よりドライアップ時の書き出しも向上しやすくなる。
樹脂粒子の平均粒子径 が0.1〜3.0μmのものが好ましく、平均粒子径が0.1μmよりも小さいと、所望の摩擦低減が得られづらい傾向があり、3.0μmよりも大きいと、ペン先でが詰まりやすく、筆記不良の原因になりやすい傾向があるためである。特に、前記酸化チタンの平均粒子径をA、前記樹脂粒子の平均粒子径をBとした場合、A≦Bである方が好ましい。これは、樹脂粒子の平均粒子径が大きいことで、酸化チタンを覆いやすくなることで、より酸化チタンが直接ボール座に接触することを抑制することで、摩擦抵抗を低減しやすくする。
樹脂粒子について、具体的には、着色樹脂粒子、中空樹脂粒子、中実樹脂粒子、マイクロカプセル樹脂粒子などが挙げられる。また、 材質は特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリオレフィン等を含有する樹脂粒子を用いることができる。また、形状についても、球状、もしくは異形の形状のものなどが使用できるが、摩擦抵抗を低減することを考慮すれば、球状樹脂粒子が好ましい。ここでいう球状樹脂粒子とは、真球状に限定されるものではなく、略球状の樹脂粒子や、略楕円球状の樹脂粒子などでも良い。具体的には、ルミコールシリーズ(日本蛍光化学社製)、ケミパールシリーズ(三井化学社製)などが挙げられる。
また、本発明で用いる水性インキ組成物の固形分総量は、10〜30質量%が好ましい。これは、30質量%を超えると、固形分量が多いため、チップ先端の皮膜が固くなりやすいため、ドライアップ性能が劣りやすくなり、10質量%未満だと、筆跡隠蔽性が劣りやすいためである。さらに、前記酸化チタンの固形分量をC、樹脂粒子の固形分量をDとした場合、CとDとの関係が、0.1≦C/D≦2.0が好ましい、2.0<C/Dだと、前記酸化チタンによるボールの回転阻害を抑制しづらく、ドライアップ性能に影響しやすく、0.1>C/Dだと、筆跡隠蔽性が劣りやすいためである。よりその傾向を考慮すれば、0.5≦C/D≦1.5が最も好ましい。
また、酸化チタンを分散安定するために、剪断減粘性付与剤を用いる。剪断減粘性付与剤としては、架橋型アクリル酸重合体、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、グアーガム、ローカストビーンガム、λ−カラギーナン、セルロース誘導体、ダイユータンガム等が挙げられ、これらを含有することで、インキ中で三次元網目構造を形成することで、酸化チタンの分散を安定することが可能である。これらの剪断減粘性付与剤は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
インキ粘度については、20℃環境下、剪断速度0.001(sec-1)で、インキ粘度は、100〜 1000(Pa・s)が好ましい。前記インキ粘度が100(Pa・s)未満だと、インキ粘度が低過ぎて、酸化チタンの分散性に影響しやすく、1000(Pa・s)を越えると、ドライアップ性能やインキ追従性が劣りやすいためである。より酸化チタンの分散性、ドライアップ性能やインキ追従性を向上する傾向を考慮すれば、300〜800(Pa・s)が好ましい。
剪断減粘性付与剤の中でも、ドライアップ性能や分散安定性を考慮すれば、サクシノグリカンを用いることが好ましい。サクシノグリカンは、他の剪断減粘付与剤よりも、静止時のインキ粘度を高くし、筆記時のインキ粘度を低くすることが可能で、比較的少量で、粘度調整し易い。そのため、剪断減粘性付与剤の固形分量をより少なくできるため、ドライアップ性能に有利になりやすい。サクシノグリカンとしては、メイポリ(三晶(株))等が例示できる。
サクシノグリカンの含有量は、インキ組成物全量に対して、0.1質量%未満だと、粘度調整の効果が少なく、0.5質量を超えると、所望のインキ粘度や、書き出し性能が得られづらい。そのため、0.1質量%〜0.5質量%が好ましい。より考慮すれば、0.1〜0.35質量%が好ましい。
また、潤滑性を向上することで、ボールの回転をスムーズにすることで、ドライアップ性能を向上しやすいために、リン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸塩などを用いる方が好ましい。特に、リン酸基を有するリン酸エステル系界面活性剤を用いる方が、好ましい。これは、リン酸基が金属吸着することで、より潤滑性を向上しやすく、筆記時の線とびを抑制し、ドライアップ時においてもカスレが発生しにくい傾向となるためである。
リン酸エステル系界面活性剤の種類としては、スチレン化フェノール系、ノニルフェノール系、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、オクチルフェノール系、短鎖アルコール系等が上げられる。この中でも、フェニル骨格を有すると立体障害により潤滑性に影響が出やすいため、フェニル骨格を有さないリン酸エステル系界面活性剤を用いる方が、好ましい。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
また、リン酸エステル系界面活性剤の含有量は、0.1質量%未満になると所望の書き味が得られず、含有量が5.0質量%を超えるとインキ経時安定性が劣る可能性があるので、インキ組成物全質量に対し0.1質量%〜5.0質量%にすることが好ましい。よりに好ましくは、0.5〜3.0質量%である。
本発明に用いる酸化チタン以外の着色剤を用いても良い。無機、有機、加工顔料などを用いても良く、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ギオキサジン系、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、補色顔料等が挙げられる。また、着色剤として、染料を併用しても良い。染料については、直接染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料、及び各種造塩タイプ染料等が採用可能である。これらの顔料および染料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。含有量は、インキ組成物全量に対し、1質量%〜20質量%が好ましい。
また、その他として、トリエタノールアミン等のpH調整剤、尿素、ソルビット等の保湿剤、ベンゾトリアゾール等の防錆剤、1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オン等の防菌剤を添加することができる。また、リン酸エステル系界面活性剤以外のシリコン系、アセチレングリコール系、フッ素系の界面活性剤も濡れ性、耐水性の向上等として添加することが可能で、これらは単独又は2種以上組み合わせて使用することも配合可能である。また、定着剤や分散剤も適宜添加可能で、水溶性樹脂として、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等や、水中油滴型樹脂エマルジョンとして、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等を添加することができる。
(実施例・比較例に合わせる)
次に実施例を示して本発明を説明する。
実施例1
酸化チタン分散体 18.0質量部
樹脂粒子(ルミコール NKW2309G) 25.0質量部
水 43.0質量部
溶剤(グリセリン) 10.0質量部
デキストリン(重量平均分子量:100,000) 1.0質量部
pH調整剤(トリエタノールアミン) 1.0質量部
潤滑剤(リン酸エステル系界面活性剤) 1.0質量部
防錆剤(ベンゾトリアゾール) 1.0質量部
剪断減粘性付与剤(サクシノグリカン) 0.30質量部
まず、酸化チタン(C.I.ピグメントホワイト6)、水、溶剤(グリセリン)、分散剤(界面活性剤)を適量採取し、分散機を使用し、充分に分散した後、遠心分離を行い、粗大分を除去して酸化チタン分散体を得る。その後、作製した酸化チタン分散体、水、溶剤(グリセリン)、デキストリン、潤滑剤、pH調整剤、防錆剤をマグネットホットスターラーで加温撹拌等してベースインキを作成した。
その後、上記作製したベースインキを加温しながら、剪断減粘性付与剤を投入してホモジナイザー攪拌機を用いて均一な状態となるまで充分に混合攪拌した後、濾紙を用い濾過を行って、実施例1の水性ボールペン用インキ組成物を得た。
尚、実施例1のインキ粘度は、TAインスツルメント社製レオメーターAR−G2粘度計(コーンプレート40 mm・角度2°、測定温度20℃)を用いて、20℃の環境下で、剪断速度0.001(sec-1)にてインキ粘度を測定したところ、650Pa・sであった。
実施例2〜7
インキ配合を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様な手順で実施例2〜7の水性ボールペン用インキ組成物を得た。表1に、インキ配合および評価結果を示す。
Figure 2014051630
比較例1〜6
インキ配合を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様な手順で比較例2〜6の水性ボールペン用インキ組成物を得た。表2に、インキ配合および評価結果を示す。
Figure 2014051630
試験および評価
実施例1〜7及び比較例1〜6で作製した水性インキ組成物を、インキ収容筒の先端にボール径が0.5mmのボールを回転自在に抱持したボールペンチップ(ボールの軸方向の移動量42μm)をチップホルダーに介して具備した肉厚1.0mmであるインキ収容筒内(ポリプロピレン製)に水性ボールペン用インキ組成物及びグリース状のインキ追従体(ポリブテン含有)を直に充填したレフィルを(株)パイロットコーポレーション製のゲルインキボールペン(商品名:G−knock)に装着して、以下の試験および評価を行った。尚、ドライアップ性能試験、耐摩耗試験の評価は、筆記試験用紙としてJIS P3201 筆記用紙Aを用い、以下のような試験方法で評価を行った。
インキ収容筒の肉厚は、0.5〜2.0mm が好ましい、0.5 mm未満の肉厚だと、インキ中の水分蒸発を抑制が十分ではないため、インキ増粘によるインキ追従性が劣りやすく、2.0mmを越える肉厚にしても、インキ中の水分蒸発の顕著な抑制効果が得られにくいためである。
また、インキ追従体については、構成成分として、ポリブテン、シリコ−ン、鉱物油等の不揮発性物質を含む方が好ましいが、その中でも、構成成分として ポリブテンを含有する方が好ましい。これは、インキ中の水分蒸発を抑制し、インキ増粘の影響が出づらいためであり、さらに、ポリブテンは、インキ収容筒としてポリプロピレンを使用する場合、ポリプロピレンとの親和性が強いため、よりインキ追従性も良好となりやすいためである。
また、本発明に用いるボールペンチップのボールの軸方向の移動量が、30μm〜50μmである方が好ましい。30μm未満であると、インキ消費量が少なくなる傾向になり、所望の筆跡隠蔽性が得られづらく、50μmを越えると、インキ消費量が多過ぎる傾向になり、インキ追従性に影響が出やすいためである。
ドライアップ性能試験:ペン先を出したまま、50℃で2週間放置した後、手書き筆記した際の筆跡の状態を評価した。
筆跡にカスレがなく、筆跡が良好のもの ・・・◎
筆跡に若干カスレが出るが、問題ないもの ・・・○
筆跡にカスレが出るもの ・・・△
筆跡にカスレがひどく、実用性に乏しいもの・・・×
耐摩耗試験:荷重100gf、筆記角度65°、4m/minの走行試験機にて筆記試験後のボール座の摩耗を測定した。
ボール座の摩耗が10μm未満のもの ・・・◎
ボール座の摩耗が10〜20μmのもの ・・・○
ボール座の摩耗が20〜30μmを越えるもの・・・△
ボール座の摩耗が30μmを越えるもの ・・・×
顔料分散性試験:直径15 mmの密開閉ガラス試験管に各水性ボールペン用インキ組成物を入れて、常温にて1か月放置後、適量採取し、顕微鏡で顔料の分散状態を観察した。
顔料が均一分散されたもの ・・・◎
顔料の沈降が一部確認されたが、実用上問題ないレベルのもの・・・○
顔料の沈降がひどく、筆記不良になるレベルのもの ・・・×
表1の結果より、実施例1〜7では、ドライアップ性能試験、耐摩耗試験、顔料分散性試験ともに良好もしくは、問題のないレベルの性能が得られた。
表2の結果より、比較例1、2ではデキストリンを用いなかったため、ドライアップ性能試験において、筆跡にカスレがひどく、実用性に乏しいレベルであった。
比較例3、4では、酸化チタンの含有量が、15質量%を超えていたため、ドライアップ性能試験において、筆跡にカスレがひどく、ボール座の摩耗もひどかった。
比較例5では、グリコール系溶剤を用いなかったため、デキストリン、剪断減粘性付与剤などが溶解安定せず、比較例6では、剪断減粘性付与剤を用いなかったため、酸化チタンが沈降してしまい、どちらもインキ化できなかった。
本発明のように酸化チタンを用いた場合、水性ボールペン用インキ組成物を直詰めしたインキ収容筒の先端部に、チップ本体のボール抱持室にボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して具備したボールペンレフィルを、軸筒内に摺動自在に配設し、前記ボールペンチップを前記軸筒の先端開口部から出没可能としたことを特徴とするノック式水性ボールペンや回転繰り出し式水性ボールペン等においては、キャップ式ボールペンよりも、チップ先端を出したままの状態であり、チップ先端での乾燥固化によるドライアップ性能が重要になるため、本発明の効果が顕著となる。
本発明では、ボールペンチップ先端縁の内壁に、ボールを押圧するコイルスプリングを配設することによって、ボールペンチップ先端のシール性を保つことで、チップ先端のインキ増粘を抑制しやすくすることで、ドライアップ性能向上しやすくなるため、より好ましい。
本発明は水性ボールペンとして利用でき、さらに詳細としては、該水性ボールペン用インキ組成物を充填した、キャップ式、出没式等の水性ボールペンとして広く利用することができる。

Claims (7)

  1. 少なくとも水、グリコール系溶剤、酸化チタン、デキストリン、剪断減粘性付与剤からなり、前記酸化チタンの含有量が、インキ組成物全量に対し、0.1〜15質量%であることを特徴とする水性ボールペン用インキ組成物。
  2. 前記デキストリンの重量平均分子量が、5000〜100000であることを特徴とする請求項1に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  3. 前記水性ボールペン用インキ組成物に、樹脂粒子を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  4. 前記酸化チタンの平均粒子径をA、前記樹脂粒子の平均粒子径をBとした場合、A≦Bであることを特徴とする請求項3に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  5. 前記水性インキ組成物の固形分総量が10〜30質量%であり、かつ、前記酸化チタンの固形分量をC、前記樹脂粒子の固形分量をDとした場合、CとDとの関係が、0.1≦C/D≦2.0であることを特徴とする請求項3または4に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  6. 20℃環境下、剪断速度0.001( sec-1)で、インキ粘度が、100〜 1000Pa・sであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の水性ボールペン用インキ組成物を直詰めしたインキ収容筒の先端部に、チップ本体のボール抱持室にボールを回転自在に抱持したボールペンチップを直接又はチップホルダーを介して具備したボールペンレフィルを、軸筒内に摺動自在に配設し、前記ボールペンチップを前記軸筒の先端開口部から出没可能としたことを特徴とする出没式水性ボールペン。
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